JPH09150034A - 低温排ガス乾式処理装置 - Google Patents

低温排ガス乾式処理装置

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JPH09150034A
JPH09150034A JP7334302A JP33430295A JPH09150034A JP H09150034 A JPH09150034 A JP H09150034A JP 7334302 A JP7334302 A JP 7334302A JP 33430295 A JP33430295 A JP 33430295A JP H09150034 A JPH09150034 A JP H09150034A
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JP
Japan
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catalyst
exhaust gas
reactor
manganese ore
stage
Prior art date
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Withdrawn
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JP7334302A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
Ikuo Hashinuma
育夫 橋沼
Hisatsugu Kitaguchi
久継 北口
Hideo Nishimura
秀生 西村
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Devices And Processes Conducted In The Presence Of Fluids And Solid Particles (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、前段で炭素質粒状触媒を用いてほ
ぼ完全に脱硫を行い、後段で安価なマンガン鉱石を触媒
として経済的かつ効率的に脱硝,除塵を行う排ガス処理
装置を提供する。 【解決手段】 排ガス通路の途中に炭素質粒状触媒5a
を充填した第1段の移動層反応器5と、第2段の移動層
反応器21として縦方向に通気性構造壁22を設けて前
部側を粗粒マンガン鉱石触媒移動層23a,後部側を細
粒マンガン鉱石触媒移動層23bとし、第1段反応器で
炭素質粒状触媒を用いて排ガスをほぼ完全に脱硫し、第
2段反応器で安価なマンガン鉱石を触媒として粗粒層お
よび細粒層にてNOX の脱硝を促進させ、また細粒層で
は除塵用濾過材としての機能を向上させ、効果的な除塵
効果とともに排ガス吐出側でのダスト二次飛散を防止す
る低温排ガス乾式処理装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鉄用原料の焼結
製造工程で発生する110℃程度の低温の焼結排ガスか
ら、硫黄酸化物(SO2 ),窒素酸化物(NO,N
2 ),ダストなどの有害物質を除去するための低温排
ガス乾式処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている排ガス処理装置の一
例として、例えば新環境管理設備辞典(産業調査会)第
1章,乾式排煙脱硝法93頁の図1.6には、大気汚染
防止機器として「高ダスト系排煙脱硝方式」が示されて
いる。
【0003】ここで示される排煙脱硝方式では、ボイラ
ーから排出される約350℃の高温の排ガス処理におい
て、先ず脱硝装置においてバナジウムなどの触媒を使用
してアンモニア選択接触還元により先ず窒素酸化物を除
去し、次に湿式脱硫装置において、水酸化カルシウムな
どの吸収剤で硫黄酸化物を除去する湿式脱硫処理が行わ
れている。
【0004】また従来焼結機から排出される低温排ガス
処理手段としては、図3に示す排ガス処理フローの乾式
処理装置が用いられている。この処理装置は直交流式移
動層反応器(以下これを移動層反応器と略称する)を用
いている。
【0005】この装置は、焼結機31から排出され一旦
例えば電気集塵機32で集塵された排ガスを送風機33
で吸引し、この吸引の途中で排ガスにアンモニアガス
(NH3 )を注入添加してこれを移動層反応器34内に
導入する。
【0006】反応器34内には炭素質触媒が充填されて
循環使用しており、ここで排ガスと炭素質触媒とを接触
させることにより除塵するとともに、硫黄酸化物を
2 ,H2 OさらにはNH3 と反応させて硫酸及びその
アンモニウム塩として触媒表面上で吸着除去し、同時に
NH3 と反応させて窒素酸化物を窒素に分解する。この
場合の反応式をそれぞれ下記化1(脱硫反応),化2
(脱硝反応)に示す。
【0007】
【化1】 SO2 +1/2・O2 +H2 O → H2 SO4 (*) H2 SO4 (*)+NH3 → NH4 HSO4 (*) NH4 HSO4 (*)+NH3 → (NH4 2 SO4 (*) なお(*)印は吸着状態を示す。
【0008】
【化2】NO+NH3 +1/4・O2 → N2 +3/
2・H2
【0009】反応器34を通過した処理ガスは、後段の
送風機35により吸引されて煙突36から大気に放出さ
れる。一方触媒は反応器34内を流下して反応器下部よ
り連続的に排出され、先ず乾式篩37により触媒に付着
したダスト,粉化した触媒が除去され、引き続き脱離塔
38に送入され、ここで約350℃以上の不活性ガス雰
囲気に保持され、触媒表面に吸着保持されている硫酸及
びそのアンモニウム塩は分解離脱して触媒は再生され、
触媒循環回路39を経て再び反応器34上部に帰還投入
され、循環使用される。
【0010】また特開平5−261243号公報には、
比較的簡単な装置を用いて、含有ダスト量の多い排ガス
から効率よく除塵,脱硫,脱硝を行い得る排ガス処理方
法が開示されている。
【0011】この方法では、上記反応器と同様の移動層
反応器を使用し、反応器内に簡易仕切り手段を設けて複
数の移動層を形成し、排ガス入口側の移動層には脱硫脱
硝用炭素材と容易に分離できる脱塵材を、内側の移動層
には脱硫脱硝用炭素材を供給して上方から下方へ移動さ
せ、脱塵次いで脱硫又は脱硫脱硝を行うようにし、この
反応器をでた脱塵材及び脱硫脱硝用炭素材は、脱塵材と
脱硫脱硝用炭素材との分離及び捕集したダスト及び粉化
した成分の除去を行って、循環使用する排ガス処理方法
である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記触媒にバ
ナジウムを使用した脱硝装置では、触媒が非常に高価で
あり、また約110℃の焼結排ガスを昇温することや、
脱硫時の排水処理に多額の設備費を必要とし、全体とし
て運転費が高くなるという課題がある。
【0013】次の炭素質触媒を使用した移動層反応器に
よる脱硫脱硝の乾式処理装置では、触媒はバナジウム触
媒に比較すれば安価であるが、1パスの循環で粉化によ
り2〜3%の損耗が生じ、その都度触媒を補充する必要
があり、運転費が高価になるという問題がある。
【0014】さらには脱硝性能は、図4に示すように反
応温度,即ち排ガス温度を高めれば向上するが、焼結機
からの排ガスの温度を高めて脱硝性能を向上させようと
する場合、焼結排ガス中には通常15%程度の酸素を含
有しているので、炭素質触媒が発火する危険性があり、
排ガス温度を高めることができず、したがって、低温の
ままで脱硝効果を高めるには装置が大型となり、全体の
設備費も高価になるという課題を有している。
【0015】また特開平5−261243号公報に開示
の排ガス処理方法では、反応器の排ガス入り側で除塵し
ても、出側でのダスト二次飛散が問題であり、除塵性能
は充分ではない。
【0016】本発明は上記課題に鑑みなされたもので、
安価な触媒を使用して効率よく排ガス処理を行う低温排
ガス乾式処理装置を提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明において、以下述
べるように脱硝用触媒としてマンガン鉱石を使用するこ
とは、例えば「触媒講座」第7巻(触媒学会)253頁
5行目に示されるように、アンモニア還元脱硝触媒とし
てV2 5 −TiO2 触媒が利用されている。製鉄原料
を利用する方法として、特開昭57−15824号公報
に見られるような鉄鉱石を脱硝触媒として利用する方法
も提案されている。また特開昭51−62181号公報
に見られるように、二酸化マンガンは脱硝触媒として低
温で高活性であることが知られている。
【0018】本発明では、前段で炭素質粒状触媒を用い
てほぼ完全脱硫を行い、硫黄酸化物を殆ど含有していな
いガスを後段でマンガン鉱石を触媒としたアンモニア還
元脱硝することにより、高脱硝性能を発揮させるもので
ある。
【0019】すなわち本発明は、製鉄用原料の焼結工程
で発生する焼結排ガスを、除塵,脱硫,脱硝処理する低
温排ガス乾式処理装置において、排ガス通路の途中に降
下しながら移動する炭素質粒状触媒を充填した第1段の
移動層反応器と、緩慢な降下速度で移動する粒状マンガ
ン鉱石触媒を充填した第2段の移動層反応器とを設け、
前記第1段の移動層反応器には排ガスの入口付近にアン
モニアガス供給支管と、該反応器下部より排出した炭素
質粒状触媒を乾式篩,脱離塔を経て再生し再び上部より
反応器に供給する触媒循環回路とを設け、前記第2段の
移動層反応器には排ガスの入口付近にアンモニアガス供
給支管および排ガス加熱装置と、焼結機のマンガン鉱石
供給系より分離し、反応器に粒状マンガン鉱石触媒を供
給する触媒供給ラインと、反応器下部より排出したマン
ガン鉱石触媒を乾式篩を介して前記マンガン鉱石供給系
に帰還させる触媒帰還ラインとを設けたことを特徴とす
る低温排ガス乾式処理装置である。
【0020】また上記低温排ガス乾式処理装置におい
て、第2段の移動層反応器内に縦方向に通気性構造壁を
設けて前部側を粗粒移動層,後部側を細粒移動層とし、
他方触媒供給ラインの途中に乾式篩を設けてマンガン鉱
石触媒を粗粒と細粒とに分離し、該分離したマンガン鉱
石触媒をそれぞれ粗粒移動層および細粒移動層に装入す
るように構成した処理装置である。
【0021】本発明は、温度が約110℃程度の低温で
あり、約400mg/Nm3 の高ダスト濃度の焼結排ガ
スの処理を、先ず低温域で循環使用される炭素質触媒に
より硫黄酸化物の吸着除去を行った後に、焼結製造工程
で使用される安価な製鉄用原料の粒状マンガン鉱石を脱
硫用触媒とし、アンモニアによる窒素酸化物の分解除去
を行う。
【0022】脱硝用触媒として一過式で使用されるマン
ガン鉱石は、移動層反応器内で半固定式,すなわち極め
て緩慢な降下速度で移動し、移動層から排出された後は
ダストなどの付着物を篩い分け、焼結用原料として使用
する。
【0023】本発明における移動層反応器における反応
は、前記化1,化2式で示した通りであるが、これを第
1段と第2段の反応器に分けると、先ず第1段の移動層
反応器ではφ10×15mmサイズの炭素質粒状触媒に
よる除塵とともに、下記(1),(2),(3)式に示
すように脱硫が行われる。
【0024】
【化3】 SO2 +1/2・O2 +H2 O → H2 SO4 (*) ………(1) H2 SO4 (*)+NH3 → NH4 HSO4 (*) ………(2) NH4 HSO4 (*)+NH3 → (NH4 2 SO4 (*) ……(3) なお(*)印は吸着状態を示す。
【0025】ここで触媒により硫黄酸化物は、O2 ,H
2 O,さらにはNH3 と反応させて硫酸及びそのアンモ
ニウム塩として触媒表面上で吸着させた後、乾式篩およ
び脱離塔によりこれを除去し、再生された炭素質粒状触
媒は上部より反応器に供給され、循環使用される。脱離
塔内におけるガス放出の脱離反応を(4)〜(6)式に
示し、放出されたSO2 はリッチガスとして回収され
る。
【0026】
【化4】 H2 SO4 (*)+1/2・C→SO2 +H2 O+1/2・CO2 ……(4) NH4 HSO4 (*)→1/3・NH3 +2H2 O+SO2 +1/3・N2 ………(5) (NH4 2 SO4 (*)→4/3・NH3 +2H2 O+SO2 +1/3・N2 ………(6) なお(*)印は吸着状態を示す。
【0027】次いで第2段の移動層反応器では、粒状マ
ンガン鉱石触媒(φ3〜20mm)による除塵ととも
に、下記(7)式に示すようにNH3 と反応し、脱硝が
行われる。
【0028】
【化5】 NO+NH3 +1/4・O2 → N2 +3/2・H2 0 ………(7)
【0029】ここで第2段の移動層反応器における脱
硝,除塵および該反応器の排ガス出側でのダスト二次飛
散の問題を効果的に解決するために、移動層反応器内に
縦方向に通気性構造壁を設けて前部側を粗粒移動層,後
部側を細粒移動層とし、粗粒移動層には主としてφ5〜
20mmの粒状マンガン鉱石触媒を、また細粒移動層に
はφ3〜5mmの粒状マンガン鉱石触媒を投入し、前部
側の粗粒移動層では主に脱硝用触媒として、後部側を細
粒移動層では脱硝用触媒および除塵用濾過材として機能
させる。
【0030】なお脱硝性能を高める場合は、ここでは発
火の危険性のないマンガン鉱石を使用しているので、前
記図4に示す150℃程度にまで直接およびもしくは間
接加熱するなどして、排ガスの脱硝を高めることも可能
である。
【0031】このように第2段の移動層反応器を、通気
性構造壁により粗粒移動層と細粒移動層とに分離するこ
とにより、粗粒移動層にて効率のよい脱硝性能と、細粒
移動層にて排ガス出側でのダスト二次飛散を防止し、効
果的な除塵性能を持たせるものである。
【0032】次に、移動層反応器内における触媒の緩慢
な降下速度の範囲であるが、図5は充填物の移動速度す
なわち触媒の降下速度とダスト除去率の関係を実験的に
求めた図面であり、この結果よりダスト除去率を向上し
ようと意図すれば、降下速度は限り無く0(固定層の状
態)に近づければよいが、回収したダストの篩い落とし
や触媒の代謝より見て、0.01〜0.1m/Hr程度
が望ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の製鉄用原料の焼
結製造工程で発生する110℃程度の低温排ガス乾式処
理装置の実施の形態を示す機器構成とその処理フロー図
である。
【0034】本低温排ガス処理装置は、先ず焼結機1か
ら吸引吐出される排ガスを集塵する電気集塵機2と、引
き続き吸引用の送風機3が設けられ、この吐出側に接続
される移動層反応器5の手前にはアンモニアガス(NH
3 )を注入添加するアンモニアガス供給支管4が設けら
れる。
【0035】この第1段の移動層反応器5は、触媒は縦
方向に移動し、排ガスはこれと直角に水平に移動する直
交流式となっており、反応器5の内部には降下しながら
移動する炭素質粒状触媒5aが充填される。またこの反
応器5下部より排出した炭素質粒状触媒5aは、乾式篩
6,脱離塔7を経て再生し、触媒循環回路8を経て再び
上部より反応器5に供給するようになっている。
【0036】第1段の移動層反応器5の次段では、さら
にアンモニアガス供給支管9および排ガス加熱器10を
介して第2段の移動層反応器11が接続される。この移
動層反応器11は、前記反応器5同様に直交流式となっ
ており、反応器11の内部には緩慢な降下速度で移動す
る粒状マンガン鉱石触媒11aが充填される。
【0037】第2段の移動層反応器11の上部には、焼
結機のマンガン鉱石供給系1aより分離し、反応器に粒
状マンガン鉱石触媒を供給する触媒供給ライン12が接
続され、また反応器下部より排出したマンガン鉱石触媒
11aを、乾式篩13を経て前記マンガン鉱石供給系1
aに帰還させる触媒帰還ライン14が接続される。なお
第2段の移動層反応器11吐出側の排ガス管は送風機1
5を経て煙突16に接続される。
【0038】本発明の他の実施形態の低温排ガス乾式処
理装置として、図2に示すように、直交流式の移動層反
応器21内に縦方向に通気性構造壁22を設けて前部側
を粗粒移動層23a,後部側を細粒移動層23bとし、
また前記触媒供給ライン12の途中に乾式篩24を設け
てマンガン鉱石触媒を粗粒と細粒とに分離して反応器2
1に供給するように構成する。なお移動層反応器21の
構造と選別篩24を付加した以外は、前記図1に示す低
温排ガス乾式処理装置と同じである。
【0039】このように構成して、粗粒移動層23aに
は主として粗粒のφ5〜20mmの粒状マンガン鉱石触
媒を、また細粒移動層23bには細粒のφ3〜5mmの
粒状マンガン鉱石触媒を投入し、前部側の粗粒移動層2
3aでは主に脱硝用触媒として、後部側を細粒移動層2
3bでは脱硝用触媒および除塵用濾過材として機能させ
る。
【0040】
【実施例】以下本発明の実施例として、図1および図2
に示す装置の処理フロー図を参照して説明する。
【0041】先ず図1において、焼結機1から送風機3
により吸引吐出される排ガスは、含有する有害物質とし
てSO2 ,NOX の他、ダストを400mg/Nm3
上含んでおり、集塵機2にて約400mg/Nm3 程度
にまで除塵される。引き続きアンモニアガス供給支管4
より反応ガスのNH3 ガスが供給され、第1段の移動層
反応器5に導入される。
【0042】第1段の移動層反応器5にはφ10×15
mmサイズの炭素質粒状触媒5aが充填され降下・循環
しており、この触媒の作用によりSO2 は(NH4 )H
SO4 などに変化する脱硫反応が行われ、この生成物は
触媒5aに吸着され、同時に触媒5aにより捕捉される
ダストとともに除去される。
【0043】またこの反応器5下部より排出した炭素質
粒状触媒5aは、先ず乾式篩6にてダストを除去し、次
いで脱離塔7にて前記(4)式に示す反応にて元のSO
2 に遊離し、リッチSO2 として別途回収され、ここで
触媒5aは再生して触媒循環回路8を経て再び上部より
反応器5に供給される。
【0044】第1段の移動層反応器5にて脱硫および除
塵された排ガスは、次いで第2段の移動層反応器11に
至る前でアンモニアガス供給支管4より再び反応ガスの
NH3 ガスが供給され、次いで排ガス加熱器10で加熱
されて第2段の移動層反応器11に導入される。
【0045】この加熱器10による排ガスの加熱は、第
2段では触媒として発火の危険性のない粒状マンガン鉱
石を使用しているので、脱硝性能を高めるためにも直接
または間接の加熱手段で150℃程度までは排ガスを加
熱した方が好ましい。
【0046】第2段の移動層反応器11は、前記第1段
と同様に直交流式となっており、反応器11の内部には
0.1m/Hr以下の緩慢な降下速度で移動する3〜2
0mmの粒状マンガン鉱石触媒11aが充填おり、粒状
マンガン鉱石触媒(φ3〜20mm)による除塵ととも
に、前記(5)式に示すようにNOX はNH3 と反応し
てN2 とH2 Oに分解し、脱硝が行われる。
【0047】このように除塵して反応器11下部より排
出したマンガン鉱石触媒11aは、乾式篩13にてダス
トを除去した後、触媒帰還ライン14を経てマンガン鉱
石供給系1aに帰還し、焼結原料とともに焼結機1に投
入される。なお第2段の移動層反応器11から吐出され
た排ガス管は、送風機15を経て煙突16から外部に排
出される。
【0048】なお図1に示す乾式処理装置の他の実施例
として、図2に示すように縦方向に通気性構造壁22を
設けて前部側を粗粒移動層23a,後部側を細粒移動層
23bとした第2段の移動層反応器21を使用し、触媒
供給ライン12に設けた選別篩24により供給されるマ
ンガン鉱石触媒をφ5〜20mmの粗粒と、φ3〜5m
mの細粒に篩い分け、それぞれの移動層に充填する。
【0049】このように構成して、前部側の粗粒移動層
23aでは主に脱硝用触媒として排ガスのNOX とNH
3 との反応機能を高めて脱硝を促進させ、後部側の細粒
移動層23bでは脱硝用とともに除塵用濾過材として機
能させ、排ガス吐出側でのダスト二次飛散を防止し、効
果的な除塵性能を持たせるものである。
【0050】表1に、焼結排ガスを処理する場合の、図
3に示す従来例の装置と、図2に示す本発明例の装置
(第2段の移動層反応器の手前で排ガス加熱を行わない
場合と行った場合)に付いて、排ガス処理性能試験を行
った結果を示す。
【0051】この結果より、脱硝用触媒として安価な粒
状マンガン鉱石を使用した本発明の装置においても従来
の高価な炭素質粒状触媒とほぼ同等の脱硝率が得られ、
特に排ガスを加熱した場合は80%の脱硝率が得られ、
経済性のみならず有害物質除去性能も格段に向上する。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明の低温排ガス
乾式処理装置では、従来の高価な炭素質粒状触媒に代わ
り、安価な粒状マンガン鉱石触媒を使用でき、また触媒
として使用した後は損耗もなくそのまま製鉄原料となる
ので触媒の無駄もなくなり、運転費用も削減されて極め
て経済的である。
【0054】また本装置においては、従来の高価な炭素
質粒状触媒とほぼ同等の脱硝率が得られるのみならず、
特に排ガスを加熱した場合は80%程度の高い脱硝率が
得られ、経済性のみならず有害物質除去性能も格段と向
上する。
【0055】さらにマンガン鉱石触媒を粗粒と細粒に分
級して反応器内を通過させることにより、粗粒層および
細粒層で脱硝を促進させ、また細粒層では除塵用濾過材
としての機能を向上させ、効果的な除塵効果とともに排
ガス吐出側でのダスト二次飛散を防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低温排ガス乾式処理装置の実施の形態
例を示す機器構成とその処理フロー図である。
【図2】本発明の低温排ガス乾式処理装置の他の実施の
形態例を示す機器構成とその処理フロー図である。
【図3】低温排ガス乾式処理装置の従来例を示す機器構
成とその処理フロー図である。
【図4】処理する排ガス温度と脱硝率の関係を示す図面
である。
【図5】移動層反応器内での充填物移動速度と移動層出
口でのダスト除去率の関係を示す図面である。
【符号の説明】
1,31 焼結機 1a マンガン鉱石供給系 2,32 集塵機 3,15 送風機 33,35 送風機 4,9 アンモニアガス供給支管 5 第1段の移動層反応器 5a 炭素質粒状触媒 6,37 乾式篩 7,38 脱離塔 8,39 触媒循環回路 10 排ガス加熱器 11,21 第2段の移動層反応器 11a 粒状マンガン触媒 12 触媒供給ライン 13 乾式篩 14 触媒帰還ライン 16,36 煙突 22 通気性構造壁 23a 粗粒移動層 23b 細粒移動層 24 乾式篩 34 移動層反応器
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】反応器34内には炭素質触媒が充填されて
循環使用されており、ここで排ガスと炭素質触媒とを接
触させることにより除塵するとともに、硫黄酸化物をO
,HOさらにはNHと反応させて硫酸及びそのア
ンモニウム塩として触媒表面上で吸着除去し、同時にN
と反応させて窒素酸化物を窒素に分解する。この場
合の反応式をそれぞれ下記化1(脱硫反応),化2(脱
硝反応)に示す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【化5】 NO+NH+1/4・O→ N+3/2・ ……… (7)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 8/12 331 B01D 53/34 ZAB 21/18 129B 23/34 132Z F27D 17/00 104 (72)発明者 西村 秀生 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製鉄用原料の焼結工程で発生する焼結排
    ガスを、除塵,脱硫,脱硝処理する低温排ガス乾式処理
    装置において、排ガス通路の途中に降下しながら移動す
    る炭素質粒状触媒を充填した第1段の移動層反応器と、
    緩慢な降下速度で移動する粒状マンガン鉱石触媒を充填
    した第2段の移動層反応器とを設け、前記第1段の移動
    層反応器には排ガスの入口付近にアンモニアガス供給支
    管と、該反応器下部より排出した炭素質粒状触媒を乾式
    篩,脱離塔を経て再生し再び上部より反応器に供給する
    触媒循環回路とを設け、前記第2段の移動層反応器には
    排ガスの入口付近にアンモニアガス供給支管および/も
    しくは排ガス加熱装置と、焼結機のマンガン鉱石供給系
    より分離し反応器上部より粒状マンガン鉱石触媒を供給
    する触媒供給ラインと、反応器下部より排出したマンガ
    ン鉱石触媒を乾式篩を介して前記マンガン鉱石供給系に
    帰還させる触媒帰還ラインとを設けたことを特徴とする
    低温排ガス乾式処理装置。
  2. 【請求項2】 第2段の移動層反応器内に縦方向に通気
    性構造壁を設けて前部側を粗粒移動層,後部側を細粒移
    動層とするとともに、触媒供給ラインの途中に乾式篩を
    設けてマンガン鉱石触媒を粗粒と細粒とに分離し、該分
    離したマンガン鉱石触媒をそれぞれ粗粒移動層および細
    粒移動層に装入するように構成した請求項1記載の低温
    排ガス乾式処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998052681A1 (en) * 1997-05-17 1998-11-26 Korea Power Engineering Company, Inc. Method for removing nitrogen oxides using natural manganese ores
KR101590989B1 (ko) * 2014-11-05 2016-02-03 (주)도레스 플라스마를 이용한 상온 진액상 오염물질 함유 공기 정화 장치

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WO1998052681A1 (en) * 1997-05-17 1998-11-26 Korea Power Engineering Company, Inc. Method for removing nitrogen oxides using natural manganese ores
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