JPH09145923A - 偏光織布 - Google Patents
偏光織布Info
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- JPH09145923A JPH09145923A JP7300863A JP30086395A JPH09145923A JP H09145923 A JPH09145923 A JP H09145923A JP 7300863 A JP7300863 A JP 7300863A JP 30086395 A JP30086395 A JP 30086395A JP H09145923 A JPH09145923 A JP H09145923A
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- Japan
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- denier
- polarizing
- woven fabric
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 偏光性能、スクリ−ンの巻取り性を損なうこ
となく、スクリ−ンに高いスクリ−ンゲイン値を付与す
ることが可能な偏光織布を提供する。 【解決手段】 経糸および緯糸の少なくとも一方が、単
繊維繊度が1〜15デニ−ルであって、総繊度が30〜
300デニ−ルであるマルチフィラメントからなる偏光
織布。
となく、スクリ−ンに高いスクリ−ンゲイン値を付与す
ることが可能な偏光織布を提供する。 【解決手段】 経糸および緯糸の少なくとも一方が、単
繊維繊度が1〜15デニ−ルであって、総繊度が30〜
300デニ−ルであるマルチフィラメントからなる偏光
織布。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置を備え
た映像システム等に利用される偏光スクリ−ンに使用可
能な偏光織布に関する。
た映像システム等に利用される偏光スクリ−ンに使用可
能な偏光織布に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示器システムは、ブラウン管映像
システムと比較して、小型であるため比較的狭い空間に
設置できること、軽量であるため移動し易いこと、ディ
ジタル映像であるため画像処理に馴染み易いことなどの
利点を有しているが、光の利用効率が低いことから、照
明光がスクリ−ン上で強く反射する環境下では映像のコ
ントラストが不足し、とくに大画面の液晶投写映像につ
いては暗室で映像を観視することが余儀なくされてい
る。
システムと比較して、小型であるため比較的狭い空間に
設置できること、軽量であるため移動し易いこと、ディ
ジタル映像であるため画像処理に馴染み易いことなどの
利点を有しているが、光の利用効率が低いことから、照
明光がスクリ−ン上で強く反射する環境下では映像のコ
ントラストが不足し、とくに大画面の液晶投写映像につ
いては暗室で映像を観視することが余儀なくされてい
る。
【0003】通常の液晶表示システムでは、ハロゲン化
金属製の光源で発生した非偏光性の白色光を2色性プリ
ズムで3原色に分割した後、光吸収型の直線偏光子で直
線偏光に変換して液晶ライトバルブに入射させ、映像信
号で変調された電圧を印加して直線偏光の偏波(電界振
動)面を回転させた後、検光(直線偏光)子を介して所
定の偏波面回転角成分を出射する方法で映像が作られる
ため、光の損失量が大きい問題がある。
金属製の光源で発生した非偏光性の白色光を2色性プリ
ズムで3原色に分割した後、光吸収型の直線偏光子で直
線偏光に変換して液晶ライトバルブに入射させ、映像信
号で変調された電圧を印加して直線偏光の偏波(電界振
動)面を回転させた後、検光(直線偏光)子を介して所
定の偏波面回転角成分を出射する方法で映像が作られる
ため、光の損失量が大きい問題がある。
【0004】そこで、スクリ−ン上において、映像光を
損なわずに照明光の反射量を軽減することにより映像の
コントラストを増強する手段として、映像光源を偏光子
で覆うと共に、透過偏光の電界振動面をこれと一致させ
た偏光子でスクリ−ンを覆い、さらに透過偏光の電界振
動面を前記偏光子と一致させた偏光子で照明光を覆う技
術(特開昭50−98831号公報)、透過偏光の電界
振動面を液晶映像の直線偏光と一致させた偏光子でスク
リ−ンを覆うと共に、この電界振動面を垂直に配向さ
せ、映写室の天井部から照射される照明光を効率良く除
く技術(特開平5−54677号公報)等が知られてい
る。
損なわずに照明光の反射量を軽減することにより映像の
コントラストを増強する手段として、映像光源を偏光子
で覆うと共に、透過偏光の電界振動面をこれと一致させ
た偏光子でスクリ−ンを覆い、さらに透過偏光の電界振
動面を前記偏光子と一致させた偏光子で照明光を覆う技
術(特開昭50−98831号公報)、透過偏光の電界
振動面を液晶映像の直線偏光と一致させた偏光子でスク
リ−ンを覆うと共に、この電界振動面を垂直に配向さ
せ、映写室の天井部から照射される照明光を効率良く除
く技術(特開平5−54677号公報)等が知られてい
る。
【0005】一方、明るい環境下で液晶映像を鮮明に観
視できるスクリ−ンを実用化するには、映像のコントラ
ストを増強するばかりでなく、スクリ−ンの大画面化が
容易であること、高い巻き取り性を有すること等も要求
される。これらの諸条件を総合的に実現する手段とし
て、偏光レンズアレイの機能を有する偏光織布でスクリ
−ンやカ−テンを構成する技術(特開平5−19702
6号公報)が提案されている。
視できるスクリ−ンを実用化するには、映像のコントラ
ストを増強するばかりでなく、スクリ−ンの大画面化が
容易であること、高い巻き取り性を有すること等も要求
される。これらの諸条件を総合的に実現する手段とし
て、偏光レンズアレイの機能を有する偏光織布でスクリ
−ンやカ−テンを構成する技術(特開平5−19702
6号公報)が提案されている。
【0006】かかる偏光織布は一般に偏光繊維と非偏光
繊維とから構成され、偏光繊維は2色性色素等の偏光発
現物質がこれと親和性のあるポリビニルアルコ−ル、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(エチレン−ビ
ニルアルコ−ル系共重合体)等からなる繊維に含有され
ている。そして、該繊維は繊維軸方向に延伸されている
ため、繊維内の偏光発現物質が配向して偏光性能が発現
するのである。また偏光繊維としては透明性が高い素材
が用いられている。
繊維とから構成され、偏光繊維は2色性色素等の偏光発
現物質がこれと親和性のあるポリビニルアルコ−ル、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(エチレン−ビ
ニルアルコ−ル系共重合体)等からなる繊維に含有され
ている。そして、該繊維は繊維軸方向に延伸されている
ため、繊維内の偏光発現物質が配向して偏光性能が発現
するのである。また偏光繊維としては透明性が高い素材
が用いられている。
【0007】非偏光繊維としてはナイロン、ポリエステ
ル等の汎用の高分子からなる繊維を用いることができ、
偏光繊維と同様に透明性が高いものが用いられている。
該偏光繊維や非偏光繊維はモノフィラメント使いで織布
が製織されているが、このような織布でスクリ−ンを作
製した場合、透明樹脂を塗布してなるスクリ−ン表面の
凹凸形状が大きく、反射光が広い視野角範囲い拡散さ
れ、高スクリ−ンゲインをスクリ−ンに持たせることは
困難であった。偏光織布表面の凹凸形状を適度に小さく
しようとして、透明樹脂を厚く塗布した場合は、偏光織
布の柔軟性が欠如し、ひいてはスクリ−ンの巻取り易さ
を阻害することになる。またカレンダ−加工によって該
表面形状を調節しようとしても、カレンダ−加工の際に
目曲りが生じ易く、外観が著しく損なわれることになる
という問題があった。
ル等の汎用の高分子からなる繊維を用いることができ、
偏光繊維と同様に透明性が高いものが用いられている。
該偏光繊維や非偏光繊維はモノフィラメント使いで織布
が製織されているが、このような織布でスクリ−ンを作
製した場合、透明樹脂を塗布してなるスクリ−ン表面の
凹凸形状が大きく、反射光が広い視野角範囲い拡散さ
れ、高スクリ−ンゲインをスクリ−ンに持たせることは
困難であった。偏光織布表面の凹凸形状を適度に小さく
しようとして、透明樹脂を厚く塗布した場合は、偏光織
布の柔軟性が欠如し、ひいてはスクリ−ンの巻取り易さ
を阻害することになる。またカレンダ−加工によって該
表面形状を調節しようとしても、カレンダ−加工の際に
目曲りが生じ易く、外観が著しく損なわれることになる
という問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、偏光
性能、スクリ−ンの巻取り性を損なうことなく、スクリ
−ンに高いスクリ−ンゲイン値を付与することが可能な
偏光織布を得ることにある。
性能、スクリ−ンの巻取り性を損なうことなく、スクリ
−ンに高いスクリ−ンゲイン値を付与することが可能な
偏光織布を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、経糸および緯糸の少なくとも一方が、単繊維繊
度が1〜15デニ−ルであって、総繊度が30〜300
デニ−ルであるマルチフィラメントからなる偏光織布を
提供することによって達成される。
目的は、経糸および緯糸の少なくとも一方が、単繊維繊
度が1〜15デニ−ルであって、総繊度が30〜300
デニ−ルであるマルチフィラメントからなる偏光織布を
提供することによって達成される。
【0010】
【発明の実施形態】本発明に係わるマルチフィラメント
の単繊維繊度は1〜15デニ−ル、好ましくは1.5〜
10デニ−ルである。単繊維繊度が1デニ−ル未満では
繊維直径が小さいため織布の光散乱が生じ易く、偏光性
能が低下する問題がある。他方、単繊維繊度が15デニ
−ルを超えると織布の表面の凹凸形状が粗くなるという
問題がある。また、該フィラメントの断面形状はとくに
限定はないが、スクリ−ンの視野角特性が良好となるこ
と、投写光の拡散作用が均一であること等から円形であ
ることが好ましい。
の単繊維繊度は1〜15デニ−ル、好ましくは1.5〜
10デニ−ルである。単繊維繊度が1デニ−ル未満では
繊維直径が小さいため織布の光散乱が生じ易く、偏光性
能が低下する問題がある。他方、単繊維繊度が15デニ
−ルを超えると織布の表面の凹凸形状が粗くなるという
問題がある。また、該フィラメントの断面形状はとくに
限定はないが、スクリ−ンの視野角特性が良好となるこ
と、投写光の拡散作用が均一であること等から円形であ
ることが好ましい。
【0011】また、上述のフィラメント群であるマルチ
フィラメントの総繊度は30〜300デニ−ル、好まし
くは50〜150デニ−ルである。該総繊度が30デニ
−ル未満の場合は製織の工程性が悪くなり、他方、総繊
度が300デニ−ルを超える場合は画像ピッチとの関係
でモアレが生じ易いという問題がある。
フィラメントの総繊度は30〜300デニ−ル、好まし
くは50〜150デニ−ルである。該総繊度が30デニ
−ル未満の場合は製織の工程性が悪くなり、他方、総繊
度が300デニ−ルを超える場合は画像ピッチとの関係
でモアレが生じ易いという問題がある。
【0012】さらに、マルチフィラメントを構成するフ
ィラメントの数はマルチフィラメント(繊維束)の形状
を変化させ易い点において3本以上であることが好まし
い。該フィラメント数が2本以下である場合は、単繊維
間に隙間が生じ易く、スクリ−ンにイラツキが生じ易く
なるので、好ましくない。
ィラメントの数はマルチフィラメント(繊維束)の形状
を変化させ易い点において3本以上であることが好まし
い。該フィラメント数が2本以下である場合は、単繊維
間に隙間が生じ易く、スクリ−ンにイラツキが生じ易く
なるので、好ましくない。
【0013】本発明に係わるマルチフィラメントは2種
類以上の単繊維繊度を有するフィラメントからなること
が織密度を上げることが可能となる点で好ましい。各フ
ィラメントの断面形状もとくに限定されるものではない
が、上述の理由により円形であることが好ましい。
類以上の単繊維繊度を有するフィラメントからなること
が織密度を上げることが可能となる点で好ましい。各フ
ィラメントの断面形状もとくに限定されるものではない
が、上述の理由により円形であることが好ましい。
【0014】また、該フィラメントの素材は、2色性色
素等の偏光発現物質が配合されたポリビニルアルコ−
ル、エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体等が好まし
く、断面形状がほぼ真円に近い繊維が得られる点におい
てエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体がとくに好ま
しい。
素等の偏光発現物質が配合されたポリビニルアルコ−
ル、エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体等が好まし
く、断面形状がほぼ真円に近い繊維が得られる点におい
てエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体がとくに好ま
しい。
【0015】該エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体
について説明する。エチレン−ビニルアルコ−ル系共重
合体とは、エチレン−酢酸ビニル系共重合体の酢酸ビニ
ル単位をケン化により加水分解してビニルアルコ−ル単
位にした共重合体をいう。酢酸ビニル単位のケン化度
は、酢酸ビニル単位に基づいて約80モル%以上、とく
に95モル%以上とすることが好ましい。また、エチレ
ン−ビニルアルコ−ル系共重合体はエチレンからなる繰
り返し単位の割合が約30〜50モル%であり、残余が
ケン化された酢酸ビニル単位、すなわちビニルアルコ−
ル単位、またはビニルアルコ−ルと未ケン化酢酸ビニル
単位やその他のビニル系モノマ−単位からなるものが好
ましい。該共重合体におけるエチレン単位の割合が30
モル%よりも少ないと、重合体の融点が上がり、溶融紡
糸時に2色性色素等の偏光発現物質が劣化することがあ
り、一方、エチレン単位の割合が50モル%を越える
と、重合体の重合が困難となる場合がある。
について説明する。エチレン−ビニルアルコ−ル系共重
合体とは、エチレン−酢酸ビニル系共重合体の酢酸ビニ
ル単位をケン化により加水分解してビニルアルコ−ル単
位にした共重合体をいう。酢酸ビニル単位のケン化度
は、酢酸ビニル単位に基づいて約80モル%以上、とく
に95モル%以上とすることが好ましい。また、エチレ
ン−ビニルアルコ−ル系共重合体はエチレンからなる繰
り返し単位の割合が約30〜50モル%であり、残余が
ケン化された酢酸ビニル単位、すなわちビニルアルコ−
ル単位、またはビニルアルコ−ルと未ケン化酢酸ビニル
単位やその他のビニル系モノマ−単位からなるものが好
ましい。該共重合体におけるエチレン単位の割合が30
モル%よりも少ないと、重合体の融点が上がり、溶融紡
糸時に2色性色素等の偏光発現物質が劣化することがあ
り、一方、エチレン単位の割合が50モル%を越える
と、重合体の重合が困難となる場合がある。
【0016】該エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体
は50〜70重量%の水分を含んでいることが2色性色
素等の偏光発現物質の分散性が高まることにより好まし
い。このような水分を含有するエチレン−ビニルアルコ
−ル系共重合体(以下、湿潤エチレン−ビニルアルコ−
ル系共重合体と称する場合がある)は、エチレンと酢酸
ビニルからラジカル重合等してエチレン−酢酸ビニル共
重合体を製造しそれをケン化して使用することができ
る。また、該エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体中
にナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属
イオンや、カルシウムイオンやマグネシウムイオン等の
アルカリ土類金属イオンが存在すると、共重合体中に過
度の架橋の発生、主鎖切断、側鎖脱離等が生じて共重合
体のゲル化が生じるので、それらのイオンの含有量を極
力少なくすることが好ましい。また、これらのイオンが
多量に含有されると、エチレン−ビニルアルコ−ル系共
重合体の熱分解が促進されるので、この点においてもそ
れらのイオンの含有量を極力少なくすることが好まし
い。
は50〜70重量%の水分を含んでいることが2色性色
素等の偏光発現物質の分散性が高まることにより好まし
い。このような水分を含有するエチレン−ビニルアルコ
−ル系共重合体(以下、湿潤エチレン−ビニルアルコ−
ル系共重合体と称する場合がある)は、エチレンと酢酸
ビニルからラジカル重合等してエチレン−酢酸ビニル共
重合体を製造しそれをケン化して使用することができ
る。また、該エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体中
にナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属
イオンや、カルシウムイオンやマグネシウムイオン等の
アルカリ土類金属イオンが存在すると、共重合体中に過
度の架橋の発生、主鎖切断、側鎖脱離等が生じて共重合
体のゲル化が生じるので、それらのイオンの含有量を極
力少なくすることが好ましい。また、これらのイオンが
多量に含有されると、エチレン−ビニルアルコ−ル系共
重合体の熱分解が促進されるので、この点においてもそ
れらのイオンの含有量を極力少なくすることが好まし
い。
【0017】本発明に係わる偏光織布は、その経糸およ
び緯糸の少なくとも一方が上述の偏光フィラメント群で
構成されている。該偏光フィラメント群の他に、ナイロ
ン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエステル、ポ
リオレフィン、ポリビニルアルコ−ル等の非偏光繊維を
用いることができる。ができる。また、該非偏光繊維の
繊度はとくに限定されないが、織布の密度を挙げるため
に偏光マルチフィラメントの繊度よりも小さい方が好ま
しい。さらに、非偏光繊維の断面形状についてもとくに
限定されるものではなく、該断面のレンズ効果による光
の拡散を均一にすることができるような断面であること
が好ましく、工程性等から丸断面であることが好まし
い。
び緯糸の少なくとも一方が上述の偏光フィラメント群で
構成されている。該偏光フィラメント群の他に、ナイロ
ン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエステル、ポ
リオレフィン、ポリビニルアルコ−ル等の非偏光繊維を
用いることができる。ができる。また、該非偏光繊維の
繊度はとくに限定されないが、織布の密度を挙げるため
に偏光マルチフィラメントの繊度よりも小さい方が好ま
しい。さらに、非偏光繊維の断面形状についてもとくに
限定されるものではなく、該断面のレンズ効果による光
の拡散を均一にすることができるような断面であること
が好ましく、工程性等から丸断面であることが好まし
い。
【0018】偏光織布の織り方にもとくに限定はない
が、偏光繊維の織密度を高くすることが可能となる点で
朱子織が好ましい。
が、偏光繊維の織密度を高くすることが可能となる点で
朱子織が好ましい。
【0019】本発明においては、特定の単繊維繊度を有
するフィラメントで構成され、特定の総繊度を有するマ
ルチフィラメントを偏光織布の経糸または/および緯糸
に用いることにより、偏光織布を用いて偏光スクリ−ン
を作製する際、光反射面の形状を適度な凹凸形状に調節
しやすく、その結果、スクリ−ンゲイン値を向上させる
ことが可能となる。また、該マルチフィラメントを、2
種類以上の単繊維繊度の異なるフィラメントで構成し、
織布の経糸および緯糸の少なくとも一方に使用すること
により、経糸と緯糸との交錯点でモノフィラメントに比
較して変形し易く、該偏光織布の表面の凹凸形状の起伏
を調節しやすくすることができる。さらに、本発明の偏
光織布は上述のように、偏光スクリ−ンに利用できる
が、この他にカ−テン、ブラインド等にも利用が可能で
ある。
するフィラメントで構成され、特定の総繊度を有するマ
ルチフィラメントを偏光織布の経糸または/および緯糸
に用いることにより、偏光織布を用いて偏光スクリ−ン
を作製する際、光反射面の形状を適度な凹凸形状に調節
しやすく、その結果、スクリ−ンゲイン値を向上させる
ことが可能となる。また、該マルチフィラメントを、2
種類以上の単繊維繊度の異なるフィラメントで構成し、
織布の経糸および緯糸の少なくとも一方に使用すること
により、経糸と緯糸との交錯点でモノフィラメントに比
較して変形し易く、該偏光織布の表面の凹凸形状の起伏
を調節しやすくすることができる。さらに、本発明の偏
光織布は上述のように、偏光スクリ−ンに利用できる
が、この他にカ−テン、ブラインド等にも利用が可能で
ある。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこの実施例により何等限定されるものではない。 実施例1 溶媒としてメタノ−ルを用い、60℃でエチレンと酢酸
ビニルをラジカル重合させ、エチレン含有量が47モル
%のラジカル共重合体を製造し、ついで水酸化ナトリウ
ム水溶液によりケン化処理を行い、ケン化度99モル%
以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(エチレ
ン−ビニルアルコ−ル系共重合体)を得た。得られたエ
チレン−ビニルアルコ−ル系共重合体の水分含有量は6
0重量%であった。この共重合体をチップ化し、大過剰
の純水(酢酸が少量添加)で洗浄を数回繰り返した後、
さらに大過剰の純水で洗浄を繰り返し、該チップ中に含
有されるアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン
の含有量をそれぞれ10ppm以下とした。次に、得ら
れたエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体チップ1重
量部に対して、二色性直接染料(Direct Red 81 、住友
化学工業社製)の0.01重量%水溶液を10重量部の
割合で混合した後、60℃の状態で5日間維持し、染色
を施した。その後、チップを取りだして80℃で48時
間熱風乾燥後、105℃で48時間真空乾燥し、赤の染
色チップを得た。同様にして、二色製直接染料としてDi
rect Green 85 およびDirect Blue 1 (いずれも住友化
学工業社製)を使用して緑、青の染色チップを得た。
発明はこの実施例により何等限定されるものではない。 実施例1 溶媒としてメタノ−ルを用い、60℃でエチレンと酢酸
ビニルをラジカル重合させ、エチレン含有量が47モル
%のラジカル共重合体を製造し、ついで水酸化ナトリウ
ム水溶液によりケン化処理を行い、ケン化度99モル%
以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(エチレ
ン−ビニルアルコ−ル系共重合体)を得た。得られたエ
チレン−ビニルアルコ−ル系共重合体の水分含有量は6
0重量%であった。この共重合体をチップ化し、大過剰
の純水(酢酸が少量添加)で洗浄を数回繰り返した後、
さらに大過剰の純水で洗浄を繰り返し、該チップ中に含
有されるアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン
の含有量をそれぞれ10ppm以下とした。次に、得ら
れたエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体チップ1重
量部に対して、二色性直接染料(Direct Red 81 、住友
化学工業社製)の0.01重量%水溶液を10重量部の
割合で混合した後、60℃の状態で5日間維持し、染色
を施した。その後、チップを取りだして80℃で48時
間熱風乾燥後、105℃で48時間真空乾燥し、赤の染
色チップを得た。同様にして、二色製直接染料としてDi
rect Green 85 およびDirect Blue 1 (いずれも住友化
学工業社製)を使用して緑、青の染色チップを得た。
【0021】得られた赤、緑および青のチップを30:
40:30(重量比)で混合し、十分攪拌した後、紡糸
口金温度185℃で紡糸、70℃で一段水浴延伸、11
0℃で乾熱延伸し、5%熱収縮させて、75デニ−ル/
24フィラメントの延伸糸を得た。このマルチフィラメ
ントを緯糸に、6−ナイロンの透明モノフィラメント
(単糸繊度30デニ−ル)を経糸として用い、8枚朱子
織りにより経糸密度95本/インチ、緯糸密度215本
/インチの条件で製織を行った。緯糸が主として露出す
る面を表面とした。得られた織布の両面に、無黄変ウレ
タン樹脂をナイフコ−タ−によって約15g/m2 の保
護用透明樹脂層を塗布し、続いて該織布の裏面に厚さ約
2000オングストロ−ムアルミニウムを蒸着させ、可
視光反射層を形成させた。ついでフタル酸ジオクチル系
可塑剤を46重量%含有する厚さ300ミクロンの軟質
ポリ塩化ビニル樹脂シ−トからなる支持シ−トに、接着
剤を用いて偏光織布の可視光反射層側を貼り合わせて1
50×150cmの大きさに裁断し、アルミニウム合金
製パイプからなる巻取治具を装着し、スクリ−ンを製造
した。
40:30(重量比)で混合し、十分攪拌した後、紡糸
口金温度185℃で紡糸、70℃で一段水浴延伸、11
0℃で乾熱延伸し、5%熱収縮させて、75デニ−ル/
24フィラメントの延伸糸を得た。このマルチフィラメ
ントを緯糸に、6−ナイロンの透明モノフィラメント
(単糸繊度30デニ−ル)を経糸として用い、8枚朱子
織りにより経糸密度95本/インチ、緯糸密度215本
/インチの条件で製織を行った。緯糸が主として露出す
る面を表面とした。得られた織布の両面に、無黄変ウレ
タン樹脂をナイフコ−タ−によって約15g/m2 の保
護用透明樹脂層を塗布し、続いて該織布の裏面に厚さ約
2000オングストロ−ムアルミニウムを蒸着させ、可
視光反射層を形成させた。ついでフタル酸ジオクチル系
可塑剤を46重量%含有する厚さ300ミクロンの軟質
ポリ塩化ビニル樹脂シ−トからなる支持シ−トに、接着
剤を用いて偏光織布の可視光反射層側を貼り合わせて1
50×150cmの大きさに裁断し、アルミニウム合金
製パイプからなる巻取治具を装着し、スクリ−ンを製造
した。
【0022】該スクリ−ンについてスクリ−ンゲインを
測定した結果、ピ−クゲインは3.5であった。またス
クリ−ンの輝度は、所定の視野角内では比較的なだらか
に分布し、所定の視野角外では大幅に低下する視野角分
布を示していた。次に、10名の観察者により、スクリ
−ン上の映像の観察評価を行った。すなわち、高さ2.
5mの天井中央に点灯された30Wの2つの白色蛍光灯
を有する8畳程度の大きさの部屋の壁際に該スクリ−ン
をつるし、観察者は該スクリ−ンから3.5m離れた位
置で椅子に座り、同じくスクリ−ンから3m離れた位置
にある液晶投写機から投写されたスクリ−ン上の映像を
観察した。観察者10名全員が、スクリ−ン上の映像が
良好であると判定した。
測定した結果、ピ−クゲインは3.5であった。またス
クリ−ンの輝度は、所定の視野角内では比較的なだらか
に分布し、所定の視野角外では大幅に低下する視野角分
布を示していた。次に、10名の観察者により、スクリ
−ン上の映像の観察評価を行った。すなわち、高さ2.
5mの天井中央に点灯された30Wの2つの白色蛍光灯
を有する8畳程度の大きさの部屋の壁際に該スクリ−ン
をつるし、観察者は該スクリ−ンから3.5m離れた位
置で椅子に座り、同じくスクリ−ンから3m離れた位置
にある液晶投写機から投写されたスクリ−ン上の映像を
観察した。観察者10名全員が、スクリ−ン上の映像が
良好であると判定した。
【0023】実施例2 実施例1と同様にして、単繊維繊度6デニ−ル(a)、
3デニ−ル(b)の各繊維得た。これらの繊維を(a)
8本、(b)16本の割合で混合し、総繊度が96デニ
−ルのマルチフィラメントを得た。このマルチフィラメ
ントを緯糸に、6−ナイロンの透明モノフィラメント
(単糸繊度30デニ−ル)を経糸として用い、8枚朱子
織りにより経糸密度95本/インチ、緯糸密度190本
/インチの条件で製織を行った。緯糸が主として露出す
る面を表面とした。得られた偏光織布を用いて実施例1
と同様にして偏光スクリ−ンを作製し、スクリ−ンゲイ
ンを測定したところ4.0であった。また、スクリ−ン
輝度は所定の視野角内では比較的なだらかに分布し、所
定の視野角外では大幅に低下する視野角分布を示してい
た。次に実施例1と同様にして10名の観察者によるス
クリ−ン上の映像の観察評価を行った、その結果、10
名全員がスクリ−ン上のコントラストは良好であると判
定した。
3デニ−ル(b)の各繊維得た。これらの繊維を(a)
8本、(b)16本の割合で混合し、総繊度が96デニ
−ルのマルチフィラメントを得た。このマルチフィラメ
ントを緯糸に、6−ナイロンの透明モノフィラメント
(単糸繊度30デニ−ル)を経糸として用い、8枚朱子
織りにより経糸密度95本/インチ、緯糸密度190本
/インチの条件で製織を行った。緯糸が主として露出す
る面を表面とした。得られた偏光織布を用いて実施例1
と同様にして偏光スクリ−ンを作製し、スクリ−ンゲイ
ンを測定したところ4.0であった。また、スクリ−ン
輝度は所定の視野角内では比較的なだらかに分布し、所
定の視野角外では大幅に低下する視野角分布を示してい
た。次に実施例1と同様にして10名の観察者によるス
クリ−ン上の映像の観察評価を行った、その結果、10
名全員がスクリ−ン上のコントラストは良好であると判
定した。
【0024】比較例1 単繊維繊度が75デニ−ルのエチレン−ビニルアルコ−
ル系共重合体からなるモノフィラメントを緯糸として用
いる以外は実施例1と同様にして織布を作製し、スクリ
−ンを形成した。該スクリ−ンの光反射層の形状を観察
するため、透明樹脂加工後の織布表面を顕微鏡で観察し
たところ、凹凸の起伏が非常に大きかった。また、該ス
クリ−ンのスクリ−ンゲインを測定した結果、ピ−クゲ
インは1.5であり、スクリ−ン輝度は所定の視野角内
では比較的なだらかに分布し、所定の視野角外では実施
例1で得られたスクリ−ンに比較し、なだらかに低下す
る視野角分布を示していた。次に実施例1と同様にして
10名の観察者によるスクリ−ン上の映像の観察評価を
行った、その結果、5名がスクリ−ン上のコントラスト
に問題があると判定した。
ル系共重合体からなるモノフィラメントを緯糸として用
いる以外は実施例1と同様にして織布を作製し、スクリ
−ンを形成した。該スクリ−ンの光反射層の形状を観察
するため、透明樹脂加工後の織布表面を顕微鏡で観察し
たところ、凹凸の起伏が非常に大きかった。また、該ス
クリ−ンのスクリ−ンゲインを測定した結果、ピ−クゲ
インは1.5であり、スクリ−ン輝度は所定の視野角内
では比較的なだらかに分布し、所定の視野角外では実施
例1で得られたスクリ−ンに比較し、なだらかに低下す
る視野角分布を示していた。次に実施例1と同様にして
10名の観察者によるスクリ−ン上の映像の観察評価を
行った、その結果、5名がスクリ−ン上のコントラスト
に問題があると判定した。
【0025】
【発明の効果】本発明の偏光織布はマルチフィラメント
で構成されているため、偏光スクリ−ンとして使用する
際、光反射面の形状を適度な凹凸形状に調節しやすく、
その結果、スクリ−ンゲイン値を向上させることが可能
となる。また、該マルチフィラメントを、2種類以上の
単繊維繊度の異なるフィラメントで構成し、織布の経糸
および緯糸の少なくとも一方に使用することにより、経
糸と緯糸との交錯点でモノフィラメントに比較して変形
し易く、該偏光織布の表面の凹凸形状の起伏を調節しや
すくすることができる。
で構成されているため、偏光スクリ−ンとして使用する
際、光反射面の形状を適度な凹凸形状に調節しやすく、
その結果、スクリ−ンゲイン値を向上させることが可能
となる。また、該マルチフィラメントを、2種類以上の
単繊維繊度の異なるフィラメントで構成し、織布の経糸
および緯糸の少なくとも一方に使用することにより、経
糸と緯糸との交錯点でモノフィラメントに比較して変形
し易く、該偏光織布の表面の凹凸形状の起伏を調節しや
すくすることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】経糸および緯糸の少なくとも一方が、単繊
維繊度が1〜15デニ−ルであって、総繊度が30〜3
00デニ−ルであるマルチフィラメントからなる偏光織
布。 - 【請求項2】マルチフィラメントが、2種類以上の異な
る繊度を有するフィラメントからなることを特徴とする
請求項1記載の偏光織布。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7300863A JPH09145923A (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | 偏光織布 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7300863A JPH09145923A (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | 偏光織布 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09145923A true JPH09145923A (ja) | 1997-06-06 |
Family
ID=17890027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7300863A Pending JPH09145923A (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | 偏光織布 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09145923A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1138508A (ja) * | 1997-07-14 | 1999-02-12 | Iistone:Kk | 映写用スクリーン |
-
1995
- 1995-11-20 JP JP7300863A patent/JPH09145923A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1138508A (ja) * | 1997-07-14 | 1999-02-12 | Iistone:Kk | 映写用スクリーン |
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