JPH09145377A - 圧電振動子を用いた検出装置 - Google Patents

圧電振動子を用いた検出装置

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JPH09145377A
JPH09145377A JP7301315A JP30131595A JPH09145377A JP H09145377 A JPH09145377 A JP H09145377A JP 7301315 A JP7301315 A JP 7301315A JP 30131595 A JP30131595 A JP 30131595A JP H09145377 A JPH09145377 A JP H09145377A
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phase
voltage
vibrator
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JP7301315A
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English (en)
Inventor
Kazumasa Onishi
一正 大西
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電振動子に駆動電圧を与えて振動させると
ともに、コリオリ力などによる振動成分を検出すると
き、検出電圧に駆動電圧の洩れ電圧が重畳され、検出精
度を低下させる原因になる。 【解決手段】 洩れ電圧は駆動電圧と同じ波形であ
る。コリオリ力の検出電圧−P1と−P2およびヌ
ル電圧を、前記駆動電圧の位相と90°相違する位相
としておく。駆動電圧から90°位相の相違する基準信
号S1を生成し、この基準信号S1により検出出力を検
波すると、洩れ電圧は除去されて波形Saになる。ま
たヌル電圧の検波出力はSbになるため、これは2つの
出力の差をとることにより除去できる。またコリオリ力
の検出電圧の検波出力Sc−P1とSc−P2は前記差
をとることにより絶対値が加算される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動型ジャイロス
コープなどに用いられる圧電振動子を用いた検出装置に
係り、特に、圧電材料の静電効果による洩れ出力による
影響を防止できるようにした圧電振動子を用いた検出装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】図11は、圧電振動子を用いた検出装置
の一例として振動型ジャイロスコープを示す斜視図であ
る。図11に示す振動型ジャイロスコープは、恒弾性金
属(例えばエリンバ)により形成された振動子1の表裏
面に、それぞれ圧電材料2,3,4,5が固着されてい
る。各圧電材料の誘電分極方向は矢印で示され、圧電材
料2および4では互いに向き合う方向であり、圧電材料
3と5は互いに同じ向きであり且つ圧電材料2と異なる
向きである。各圧電材料の上面には、振動子1をX方向
へ振動させるための駆動電極2a,3aおよび、コリオ
リ力によるY方向の振動成分を検出する検出電極4a,
5aが設けられている。
【0003】駆動時では、振動子1がグランド電位とさ
れ前記駆動電極2aおよび3aに同位相の交流駆動電圧
が印加される。ある時点で、駆動電極2aに正の電圧が
印加されると、圧電材料2は「伸び」となり、負の電圧
が印加されると「縮み」となる。圧電材料3では、前記
圧電材料2と誘電分極方向が反対なので、駆動電極に正
の電圧が印加されると「縮み」となり、負の電圧が印加
されると「伸び」となる。したがって、駆動電極2aと
3aに同相の電圧が与えられると、振動子1はX方向へ
曲げ振動する。
【0004】X軸方向への曲げ振動を与えられている振
動子1がZ軸回りの回転系内に置かれると、振動子1に
対し、X方向への速度に比例した大きさのY方向へのコ
リオリ力が作用し、振動子1がY方向への振動成分を持
つようになる。この振動成分によるY軸方向への変形
が、振動子1の裏面に設けられた圧電材料4と5によっ
て検出される。振動子1のY方向への振動により、圧電
材料4と5が共に「伸び」と「縮み」を繰返すため、検
出電極4aと5aからは、所定の周波数の検出電圧が得
られる。また両検出電極4aと5aから得られるコリオ
リ力の検出成分は同じ位相である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記振動型ジャイロス
コープでは、振動子1がコリオリ力によりY方向への振
動を生じたときに、圧電材料4と5に歪みが生じ、これ
が検出電極4a,5aにより検出されるものとなってい
る。しかし、振動子1は圧電材料2と3に与えられてい
る交流駆動電圧により常にX方向へ曲げ振動させられて
いる。したがって、前記圧電材料4と5にはコリオリ力
による歪みと、X方向への駆動振動による歪みとが合成
されたものとなり、検出電極4aと5aからはコリオリ
力による振動成分を検出した電圧のみならず、X方向へ
の振動成分により発生する無効電圧(ヌル電圧)をも検
出されることになる。
【0006】しかし、図11では、X方向への振動成分
となる前記ヌル電圧は、検出電極4aと5aとで逆の位
相(180度相違する位相)となる。コリオリ力による
検出成分は検出電極4aと5aとで互いに同じ位相であ
るため、コリオリ力による検出出力を得るために、検出
電極4aと5aからの検出出力は加算される。そして、
この加算により、各検出電極4aと5aとで位相の相違
するヌル電圧は減少させられる。したがって、検出電極
4aと5aの検出出力の増幅利得を調節することによ
り、両検出電極4aと5aのそれぞれから得られるヌル
電圧を、互いにほぼ完全に打ち消すことが可能である。
【0007】しかし、実際の装置において、ある温度条
件の基で検出電極4aと5aからの検出出力の増幅利得
を調節して、検出電極4aと5aからそれぞれ得られた
逆位相のヌル電圧をほぼ完全に相殺できるようにしたと
きに、環境温度が変わると、相殺したはずのヌル電圧に
近似したノイズが発生する現象が確認された。その原因
を調べたところ、圧電材料の静電効果による洩れ電圧、
すなわち交流駆動電圧のうち検出電極4a,5aに洩れ
てくる電圧が、ヌル電圧に重畳していることが解った。
この洩れ電圧とヌル電圧は温度特性が相違しているため
に、ある温度条件で洩れ電圧とヌル電圧が重畳された出
力を相殺できるようにしても、他の温度環境で使用する
と、いずれかの電圧が相殺されずに残ってしまいこれが
ノイズ成分となる。
【0008】図10は、上記各電圧の波形を示したもの
である。は駆動電極2aと3aに与えられる交流駆動
電圧であり、この交流駆動電圧が検出電極4aと5aに
洩れた洩れ電圧がである。とは同じ位相である。
振動子がX方向へ振動する成分として検出電極4aまた
は5aから検出される無効電圧(ヌル電圧)がであ
り、このヌル電圧はコリオリ力の検出出力と同じ位相で
あり、交流駆動電圧とは位相が90°遅れている。
【0009】そしてヌル電圧と洩れ電圧とが加算さ
れたノイズ成分がである。前記のようにある温度条件
において検出電極4aからの出力と、検出電極5aから
の出力の増幅利得を調整し、加算によりノイズ成分を
除去できるようにした場合、洩れ電圧とヌル電圧は
それぞれ異なる温度特性を有しているため、調整時の温
度と使用環境温度条件が相違してくると、検出電極4a
と検出電極5aとの間で、ノイズ成分を相殺できなくな
る。また、振動型ジャイロスコープ以外の圧電振動子を
用いた装置においても、図10に示す洩れ電圧は検出
精度に影響を与えるものとなる。
【0010】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、図10に示す洩れ電圧を簡単な手段で除去できる
ようにして高精度な検出を可能とした圧電振動子を用い
た検出装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電振動子を用
いた検出装置は、圧電効果を有する振動子に交流駆動信
号を与える駆動部と、前記交流駆動信号の位相とほぼ9
0°異なった位相で振動している振動子から圧電効果に
よる検出出力を得る出力電極とを有し、前記出力電極か
らの検出出力をその出力の位相とほぼ同じ位相または前
記出力の位相とほぼ180°異なる位相の信号を基準と
して検波し圧電材料の洩れ出力を除去する検波回路が設
けられていることを特徴とするものである。
【0012】上記において、検波の基準となる信号は、
交流駆動信号の位相を90°変えることにより生成され
る。あるいは、検波の基準となる信号が、交流駆動信号
の位相と同位相であり、また出力電極からの検出出力の
位相が90°変えられてこの検出出力が検波回路におい
て前記の駆動信号と同位相の信号を基準として検波され
るものとなる。
【0013】また、振動子は、交流駆動信号により第1
の方向へ駆動されるとともに、外力により第2の方向へ
駆動され、この第2の方向への振動成分が出力電極から
の検出出力として得られるものであり、前記出力電極か
らの検出出力に重畳される第1の方向への振動検出成分
である無効出力(ヌル出力)を除去する手段が設けられ
た構成にできる。
【0014】例えば、出力電極は複数設けられ、それぞ
れの出力電極からの検出出力が検波回路で検波されて洩
れ出力が除去されるとともに、それぞれの検出出力の差
または和をとって無効出力(ヌル出力)が相殺されるも
のとなる。
【0015】本発明の圧電振動子の検出装置は、例えば
振動子を第2の方向へ振動させる外力が、第1の方向へ
振動している振動子が回転系内に置かれたときに振動子
に作用するコリオリ力であり、検出電極からの検出出力
に基づいて回転系の角速度が算出されるものとなる。
【0016】本発明では、交流駆動信号(駆動電圧)の
位相と、振動子の圧電効果により検出された検出出力の
位相とが90°相違するものにおいて、前記検出出力が
これとほぼ同じ位相の基準信号または180°位相の相
違する基準信号で検波される。検波回路はマルチプライ
ヤ(掛算器)などが用いられた位相検波回路である。検
出電極からの検出出力が、これと同じ位相または180
°異なる位相の基準信号により位相検波されると、検出
電極からの洩れ出力と、基準信号との位相がほぼ90°
相違することになるため、位相検波の段階で、洩れ出力
が除去される。一方、振動子が第2の方向へ振動するこ
とによる振動検出出力は、これと同じ位相の(または1
80°位相が相違する)基準信号により検波されるた
め、検波出力から振動検出出力を得ることができる。例
えばこの検波出力は、ローパスフィルターを経た直流成
分として検出される。
【0017】また、振動子の検出電極からの検出出力に
重畳する第1の方向への振動に関する検出成分すなわち
無効出力(ヌル出力)は、例えば複数の検出電極からの
検出出力の差をとりまたは和をとることにより消去でき
る。この場合に、各検出電極からの検出出力を前記検波
回路により検波しておくと、この検波の時点で前記洩れ
出力を除去できる。したがって、複数の検出電極からの
検出出力の差または和をとるために検出出力の増幅利得
を調節する場合に、従来のようにヌル出力に洩れ出力が
重畳されていないため、調節作業でヌル出力の除去のみ
を行うことができ、調節時の温度環境と、使用時の温度
環境とが相違しても、ヌル出力が常に除去され、ノイズ
が減少するものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
して説明する。図1は、本発明の振動型ジャイロスコー
プの一例として三脚音叉型を示す斜視図、図2は図1の
II矢視方向の端面図、図3ないし図5は検出装置の回
路ブロック図、図6は他の構造の振動型ジャイロスコー
プの端面図、図7は図6に用いられる検出装置の回路ブ
ロック図である。図1に示す振動型ジャイロスコープ
は、全体が圧電セラミックなどの圧電材料で形成された
弾性板10の先部に、互いに平行に分離された3個の振
動子が形成されている。この振動型ジャイロスコープで
は、両側の振動子が同じ位相で振動するため、この両側
の振動子を同じ符号11で示している。また中央の振動
子は両側の振動子と異なる位相で振動するため、両側の
振動子11と異なる符号12で示している。
【0019】図2に示されるように、左右両側の振動子
11,11の表面11a,11aには、それぞれ電極1
5a,15b,15cが、裏面11bには、電極16
a,16b,16cが形成されている。中央の振動子1
2では、表面12aに電極17a,17b,17cが形
成され、裏面12bに、電極18a,18b,18cが
形成されている。図1に示すように、各電極は、Z軸方
向に沿って各振動子11と12の長軸方向の全長にわた
って延びている。各振動子11と12は、その厚み内に
誘電分極が施されている。振動子を構成している圧電セ
ラミックでは、各電極に所定の電圧を与えることにより
その電界方向に沿って誘電分極が施される。図2では、
矢印で示す方向が、各電極間での誘電分極方向である。
【0020】図2の例では、上面側の電極15b,17
bがグランド電位であり、下面側では、電極16a,1
6cと18bがグランド電位である。上面側の電極15
a,15c,17a,17cは駆動電極であり、図3に
示す駆動部21から端子Dを経て前記各駆動電極15
a,15c,17a,17cに同位相の交流駆動電圧が
与えられる。この交流駆動電圧が与えられると、圧電セ
ラミックの圧電歪みにより、各振動子11と12がX方
向(第1の方向)へ振動駆動される。駆動電極15a,
15cに対する誘電分極方向と、駆動電極17a,17
cに対する誘電分極方向とが、互いに左右対称であるた
め、左右両側の振動子11,11と、中央の振動子12
とでは、振動の位相が180°相違し、ある時点での振
動子11と11の振幅の方向が+X方向のとき、中央の
振動子12の振幅方向は−X方向である。
【0021】この振動型ジャイロスコープがZ軸回りの
回転系内に置かれると、コリオリ力により振動方向と直
交するY方向(第2の方向)への力が作用する。左右の
振動子11,11と中央の振動子12は、X方向へ互い
に逆の位相で振動駆動されているため、コリオリ力によ
る振動成分は、両側の振動子11,11と中央の振動子
12とで逆位相となり、例えば両側の振動子11,11
のある時点での振幅方向が+Y方向であるとき、中央の
振動子12の振幅方向は−Y方向である。図2の例で
は、中央の振動子12の裏面の両縁部に形成された電極
18aと18cが検出電極であり、この検出電極18a
と18cからの検出出力をP1とP2で示している。
【0022】中央の振動子12がコリオリ力によりY方
向へ振動すると、前記検出電極18aと18cからY方
向の振動成分が検出される。検出電極18aが形成され
ている部分と、検出電極18cが形成されている部分と
で、中央の振動子12の誘電分極方向が逆である。そし
て検出電極18aが設けられている部分と、検出電極1
8cが設けられている部分とでは、Y方向への振動の際
の歪み方向が同じである。よって、検出電極18aと検
出電極18cとで、Y方向へ振動成分が異なる位相(1
80°相違する位相)の検出電圧として得られる。
【0023】図3に示すように、本発明の検出装置で
は、検出電極18aと18cからの検出出力P1とP2
がそれぞれ検波回路22aと22bに与えられる。検波
回路22aと22bは、マルチプライヤ(掛算器)など
のように位相検波を行うものであり、検波の基準信号S
1は、駆動部21からの交流駆動電圧の位相から90°
後れたものとなる。この基準信号S1は、例えば駆動部
21からの交流駆動電圧を、波形整形回路23により波
形整形するとともに、移相回路24により、位相を90
°遅らせる(または進ませる)ことにより生成すること
が可能である。各検出出力P1とP2は、検波回路22
aと22bにより検波された後に、ローパスフィルタ
(LPF)25aと25bにより直流成分とされる。そ
して両ローパスフィルタ25aと25bからの出力は、
差動増幅器26によりその差が取られ、増幅器27によ
り増幅されて出力端子28から出力される。
【0024】図3に示す検出装置による検出動作を説明
する。図8(A)では、図10と同様に、駆動部21か
ら駆動電極17a,17cに交流駆動電圧が与えられる
ときに、検出電極18aと18cから洩れ出る洩れ電圧
をで表わしている。この洩れ電圧は、交流駆動電圧
と位相が同じである。また、検出電極18aからの検出
出力P1には、振動子12のY方向への振動成分(コリ
オリ力の成分)の検出電圧のみならず、振動子12がX
方向へ振動するときの圧電材料の歪みによる無効電圧
(ヌル電圧)が検出される。同様に、検出電極18c
からの検出出力P2にも、Y方向へ振動成分の検出電圧
にヌル電圧が重畳される。中央の振動子12がX方向
へ振動するとき、検出電極18aが設けられた部分と、
検出電極18cが設けられた部分とで、「伸び」と「縮
み」が逆になるが、誘電分極の方向が、検出電極18a
が形成されている部分と、検出電極18cが形成されて
いる部分とで逆向きであるため、検出出力P1に重畳す
るヌル電圧と、検出出力P2に重畳するヌル電圧とは同
じ位相である。
【0025】また、振動子12がY方向へ振動すること
により検出されるコリオリ力の検出電圧は、検出出力P
1とP2とで逆位相である。そこで図8(A)において
は、検出出力P1で得られるコリオリ力の成分の検出電
圧の波形を−P1で示し、検出出力P2で得られるコ
リオリ力の成分の検出電圧を−P2で示している。な
お、図8(A)では、交流駆動電圧と同位相である洩れ
電圧と、振動子のX方向への振動成分であるヌル電圧
との位相が90°相違しているものとし、、また振動
子12のX方向への振動成分であるヌル電圧の波形
と、Y方向への振動成分であるコリオリ力の成分の検出
電圧の波形−P1および−P2とが、同位相または
180°位相が相違しているものとしてそれぞれの波形
を示している。
【0026】図8(B)は、マルチプライヤなどの検波
回路22aと22bに与えられる基準信号S1を示して
いる。この基準信号S1は、洩れ電圧よりも位相が9
0°後れており、ヌル電圧とは同位相あるいは180
°の位相の相違となる。検波回路22aと22bでは、
それぞれの検出出力P1またはP2が基準信号S1の位
相に基づいて検波される(検出出力P1またはP2と基
準信号S1との掛算による検波が行われる)。図8
(C)は、検出出力P1とP2に含まれている洩れ電圧
の成分の検波出力Saを示している。洩れ電圧は、
基準信号S1の半周期の期間Tに、正と負の成分を均等
に含んでいるため、検波出力Saは0ボルトとなり、洩
れ電圧が消去される。
【0027】次に、ヌル電圧は、基準信号S1と同位
相(または180°違いの位相)であるため、検波回路
22aおよび22bにより検波された検波出力Sbは、
図8(D)に示すように、一方向の極性の交流成分とな
る。この検波出力Sbは、ローパスフィルタ25aと2
5bで平滑化されて直流成分になる。ここで、前述のよ
うに、検出出力P1とP2とに重畳するヌル電圧は互い
に同じ位相である。したがって、検出出力P1からロー
パスフィルタ25aを経た直流のヌル電圧と、検出出力
P2からローパスフィルタ25bを経た直流のヌル電圧
は、互いに同じ極性である。よって、差動増幅器26に
より差を取られることにより、検出出力P1のヌル電圧
と検出出力P2のヌル電圧とで打ち消し合うものとな
る。
【0028】ヌル電圧の成分を完全に無くすためには、
検出出力P1側と検出出力P2側とで、電圧のレベルを
増幅利得により調節し、そして両出力の差をとることに
より、両出力P1とP2に含まれるヌル電圧の成分を完
全に消去することが可能になる。しかし、洩れ電圧に
ついては検波回路22aと22bとでの検波の際に既に
消去されているため、ヌル電圧を消去するための前記調
節作業がヌル電圧の影響を受けることがない。
【0029】次に、コリオリ力の成分の検出電圧は、基
準信号S1と同位相または180°の位相の違いになっ
ているため、検波回路22aと22bからの検波出力
は、それぞれ一方の極性の信号となっている。すなわち
検出出力P1のコリオリ力成分の検出電圧−P1が検
波されると、図8(D)でSc−P1で示す波形とな
り、検出出力P2のコリオリ力成分の検出電圧−P2
が検波されると、図8(D)でSc−P2で示す波形と
なる。よって、波形Sc−P1がローパスフィルタ25
aを経た直流成分と、波形Sc−P2がローパスフィル
タ25bを経た直流成分は、異なる極性となり、よって
差動増幅器26により差が算出されることにより、コリ
オリ力の成分である直流電圧の絶対値が加算される。こ
の加算されたコリオリ力の検出成分により、角速度の算
出が行われる。
【0030】上記のように、洩れ電圧に対して90°
位相が相違する基準信号により検出電極18a,18c
からの検出出力P1とP2が検波されることにより、洩
れ電圧が消去される。このとき、ヌル電圧とコリオ
リ力成分の検出電圧−P1と−P2が検出されるた
めには、ヌル電圧の位相すなわち振動子12のX方向
への振動(共振)の位相と、コリオリ力成分の検出電圧
の位相すなわち振動子12のY方向への振動(共振)の
位相とが、検波の基準となる信号S1と同位相または1
80°異なる位相であることが必要である。すなわちヌ
ル電圧とコリオリ力の検出電圧−P1と−P2
が、検波の基準信号S1と同位相または180°の位相
の相違であれば、図8(D)に示すような波形Sb、お
よびSc−P1とSc−P2を得ることができる。よっ
て、洩れ電圧と同位相である交流駆動電圧の位相に対
し、振動子12のX方向の共振位相と、Y方向の共振位
相とが90°ずれていることが必要である。なお、検波
回路22a,22bでの検波の基準となる信号S1は検
出電極からの検出出力とほぼ同位相あるいは検出出力と
ほぼ180°異なる位相であれば、前記のように洩れ電
圧を消去することが可能である。
【0031】図9は圧電振動子の振動周波数と駆動電圧
との位相の関係を示したものである。この図に示すよう
に、振動子12がX方向へ共振周波数fxにて振動して
いるとき、交流駆動電圧とX方向への振動の位相は90
°相違する。そのため、前述のように、交流駆動電圧
(およびこれ電圧)とヌル電圧とは位相が90°相違し
ている。また振動子12のY方向への共振周波数fy
を、X方向へ共振周波数fxとほぼ同一させることによ
り、Y方向への振動すなわちコリオリ力による振動の位
相を、交流駆動電圧と90°相違するものにできる。Y
方向への共振周波数fyとX方向へ共振周波数fxを共に
駆動電圧に対して位相を90°相違させるためには、
(fx−fy)の絶対値が50Hz以下に近似させること
が必要である。
【0032】図4以下は、検出装置の他の構成例を示し
ている。図4では、検波回路22aと22bの検波の基
準となる信号S1を、検出出力P1とP2から生成して
いる。すなわち、検出出力P1とP2が和動回路31に
より加算され、これにより図8(B)に示す基準信号S
1が生成される。
【0033】図5に示す例では、検出出力P1とP2の
電圧が、それぞれ電圧−電流変換器32aと32bによ
り電流に変換され、電圧−電流変換により、位相が90
°変化させられる。一方、検波のための基準信号S1
は、駆動部21からの交流駆動電圧を波形整形回路23
で波形整形することにより生成される。これによって
も、図8に示すように、検波の基準となる信号S1を、
洩れ電圧(電流変換された出力)に対し位相を90°
相違させることができ、また、ヌル電圧とコリオリ力に
よる成分(電流に変換された成分)を、基準信号と同位
相または180°違う位相にできる。
【0034】図6は、各振動子11、12の他の構成例
を示し、図7は図6の振動子に接続される検出装置を示
している。図6に示す振動型ジャイロスコープは、各振
動子11,12,11が図1に示したのと同様に三脚音
叉状に形成され、電極の形成位置も同じである。ただし
誘電分極方向が図2と相違している。図6では、電極1
5b,16b,17b,18a,18cがグランド電位
である。駆動電極15a,16c,17cには駆動部2
1から同じ位相の交流駆動電圧が与えられ、駆動電極1
5c,16a,17aには前記と逆の位相の交流駆動電
圧が与えられ、これにより、各振動子11と12が、X
方向へ振動駆動される。
【0035】中央の振動子12の裏面側中央に形成され
たのが検出電極18bであり、その検出出力をPで示し
ている。図6では、振動子がX方向へ振動するときに、
電極18b−18a間と、電極18b−18c間とで、
発生する電界が左右対称にある。よって検出電極18b
からの検出出力Pには、X方向への振動成分であるヌル
電圧が含まれておらず、洩れ電圧とコリオリ力の成分の
みが検出される。よって、図7に示すように、交流駆動
電圧と90°位相が相違する基準信号S1に基づいて検
波回路22により検出出力Pが検波されることにより、
洩れ電圧を消去でき、コリオリ力の成分のみを検出でき
る。なお、本発明は、三脚音叉型の振動型ジャイロスコ
ープに限られず、二脚音叉型や図11に示した平板状の
振動子に対しても実施可能である。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明では、検出出力を検
波することにより、圧電材料での洩れ出力を除去するこ
とができる。また、検波の基準信号を、ヌル出力と振動
検出出力を得ることのできる位相に設定しておくことに
より、洩れ出力を除去した検出出力からさらにヌル出力
を除去することが可能になる。よって、洩れ出力のない
高精度な検出出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例として三脚音叉型の振動型ジャイ
ロスコープを示す斜視図、
【図2】図1に示す3個の振動子をII方向から見た端
面図、
【図3】図2に示す振動型ジャイロスコープにおける圧
電振動子の検出装置の回路ブロック図、
【図4】他の構造の検出装置の回路ブロック図、
【図5】他の構造の検出装置の回路ブロック図、
【図6】振動型ジャイロスコープの振動子の他の構成例
を示す端面図、
【図7】図6の振動型ジャイロスコープにおける圧電振
動子の検出装置を示す回路ブロック図、
【図8】(A)は駆動電圧および検出出力の波形図、
(B)は検波の基準信号の波形図、(C)は洩れ出力の
検波出力の波形図、(D)はヌル電圧とコリオリ力の検
出電圧の検波出力の波形図、
【図9】駆動電圧と共振周波数との位相の関係を示す説
明図、
【図10】駆動電圧、および圧電振動子の検出出力の波
形を示す説明図、
【図11】従来の振動型ジャイロスコープを示す斜視
図、
【符号の説明】
10 弾性板 11,12 振動子 11a,12a 表面 11b,12b 裏面 15a,15b,15c,16a,16b,16c,1
7a,17b,17c,18a,18b,18c 電極 21 駆動部 22a,22b 検波回路 24 移相回路 25a,25b ローパスフィルタ 26 差動増幅器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電効果を有する振動子に交流駆動信号
    を与える駆動部と、前記交流駆動信号の位相とほぼ90
    °異なった位相で振動している振動子から圧電効果によ
    る検出出力を得る出力電極とを有し、前記出力電極から
    の検出出力をその出力の位相とほぼ同じ位相または前記
    出力の位相とほぼ180°異なる位相の信号を基準とし
    て検波し前記交流駆動信号の洩れ出力を除去する検波回
    路が設けられていることを特徴とする圧電振動子を用い
    た検出装置。
  2. 【請求項2】 検波の基準となる信号は、交流駆動信号
    の位相を90°変えることにより生成される請求項1記
    載の圧電振動子を用いた検出装置。
  3. 【請求項3】 検波の基準となる信号は、交流駆動信号
    と同位相とされ、出力電極からの検出出力の位相が90
    °変えられ、検波回路では、位相が90°変えられた検
    出出力が前記交流駆動信号と同位相の信号を基準として
    検波される請求項1記載の圧電振動子を用いた検出装
    置。
  4. 【請求項4】 振動子は、交流駆動信号により第1の方
    向へ駆動されるとともに、外力により第2の方向へ駆動
    され、この第2の方向への振動成分が出力電極からの検
    出出力として得られるものであり、前記出力電極からの
    検出出力に重畳される第1の方向への振動検出成分であ
    る無効出力(ヌル出力)を除去する手段が設けられてい
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の圧電振動子を用
    いた検出装置。
  5. 【請求項5】 出力電極は複数設けられ、それぞれの出
    力電極からの検出出力が検波回路で検波されて洩れ出力
    が除去されるとともに、それぞれの検出出力の差または
    和をとって無効出力(ヌル出力)が相殺される請求項4
    記載の圧電振動子を用いた検出装置。
  6. 【請求項6】 振動子を第2の方向へ振動させる外力
    は、第1の方向へ振動している振動子が回転系内に置か
    れたときに振動子に作用するコリオリ力であり、検出電
    極からの検出出力に基づいて回転系の角速度が算出され
    る請求項4または5記載の圧電振動子を用いた検出装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000016042A1 (fr) * 1998-09-10 2000-03-23 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Capteur de vitesse angulaire

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000016042A1 (fr) * 1998-09-10 2000-03-23 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Capteur de vitesse angulaire
US6584841B1 (en) 1998-09-10 2003-07-01 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Angular rate sensor

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