JPH09144627A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

燃料噴射ポンプ

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Publication number
JPH09144627A
JPH09144627A JP30731795A JP30731795A JPH09144627A JP H09144627 A JPH09144627 A JP H09144627A JP 30731795 A JP30731795 A JP 30731795A JP 30731795 A JP30731795 A JP 30731795A JP H09144627 A JPH09144627 A JP H09144627A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deflector
spill
porous material
material member
spill flow
Prior art date
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Pending
Application number
JP30731795A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Kitsukawa
功 橘川
Akira Iijima
章 飯島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP30731795A priority Critical patent/JPH09144627A/ja
Publication of JPH09144627A publication Critical patent/JPH09144627A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射ポンプのスピルポート5に対向させ
て配置されたデフレクタ20にキャビテーションによる
気泡が付着し、これにスピル流の圧力波が加わってエロ
ージョンが発生してしまう。 【解決手段】 デフレクタ20のスピル流衝突部位22
に、多孔質材部材24を設けた。これにより、スピル流
の圧力波は、デフレクタ20のスピル流衝突部位22に
衝突した際、多孔質材部材24によって吸収され減衰さ
れる。このように、スピル流衝突部位22における急激
な圧力変動が抑えられるので、キャビテーションエロー
ジョンの発生が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピルポートから
のスピル流を受けるデフレクタを備えた燃料噴射ポンプ
に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料噴射ポンプ(列型ポンプ)は、図6
に示すように、ポンプケース1内に収容されたプランジ
ャバレル2と、そのバレル2内に昇降自在に収容された
プランジャ3と、そのプランジャ3を昇降させるカム4
とを備えており、次のようにして燃料を圧送する。
【0003】図6(a) に示すように、プランジャ3が下
降状態にありバレル2に穿たれたポート5が開放されて
いるときには、バレル2とポンプケース1との間に形成
されたフューエルチャンバ6内の燃料がポート5を通っ
てプランジャ室7内に導かれる。そして、図6(b) に示
すように、プランジャ3が上昇してその側面によって上
記ポート5を塞ぐと、以降プランジャ室7内の燃料が圧
縮されてその上方のデリバリバルブ8が開き、圧送が始
まる。図6(c) は圧送中を示す。その後、図6(d) に示
すように、プランジャ3がさらに上昇してプランジャ側
面に形成されたリーク溝9が上記ポート5と符合する
と、プランジャ室7内の燃料がプランジャ内部のリーク
通路10、リーク溝9およびポート5を通ってフューエ
ルチャンバ6側にスピル(放出)し、圧送が終了する。
【0004】なお、この燃料噴射ポンプの場合、上記ポ
ート5は、フィードポート(図6(a) の状態)とスピル
ポート(図6(d) の状態)とを兼ねている。また、図6
は、燃料噴射ポンプの1ユニットを示したものであり、
実際にはかかる1ユニットのポンプがエンジンの気筒分
だけ並べられている(列型ポンプ)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図6(d) に
示す圧送終了時にポート5からスピルされる燃料は、高
圧のプランジャ室7から低圧のフューエルチャンバ6へ
急激に放出されるため、フューエルチャンバ6内におい
てキャビテーションが発生し、その気泡によりポンプケ
ース1の内面にエロージョンが発生する可能性がある。
特に、近年エンジンの高出力化や排気ガス対策のために
燃料噴射ポンプの噴射圧力が高められているので、上記
キャビテーションエロージョンが発生しやすくなってい
る。
【0006】この対策として、図7に示すように、フュ
ーエルチャンバ6を形成するポンプケース1に、各プラ
ンジャバレル2のポート5に対向させて、浸炭材等の硬
い材質からなるボルト状のデフレクタ11を取り付け、
このデフレクタ11にポート5から放出されるスピル流
を受けるようにし、ポンプケース1(加工性を考慮して
鋼等の比較的軟らかい材質からなっている)に生じるキ
ャビテーションエロージョンを回避したものが提案され
ている(実開昭58-8745 号公報、実開昭60-3276 号公報
など)。
【0007】上記デフレクタ11は、図8に示すように
スピル流が衝突する部位に凹陥部12が形成されてい
る。凹陥部12内面のみにキャビテーションの気泡を付
着させ、エロージョンの発生をその内面のみに限定する
ためである。デフレクタ11は、スピル流を受けてもキ
ャビテーションエロージョンが発生しない硬いものが理
想的であるが、最近の高圧噴射ポンプはスピル圧力が高
いためある程度の侵食を許容し、ポンプ寿命を全うする
までのエロージョンの深さがデフレクタを貫通しないよ
うなデフレクタ肉厚に設定されている。
【0008】しかし、噴射ポンプの高圧化は更に進んで
いるので、このままではポンプ寿命を全うできるデフレ
クタ肉厚が確保できなくなる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々の研
究の結果、上記キャビテーションエロージョンの原因
は、大きく別けて以下の二つにあるとの結論に至った。
【0010】 図9に示すように、高圧側から低圧側
への急激なスピルにより生じたキャビテーションの気泡
13が母材(デフレクタ1)に付着し、その気泡がスピ
ル流の圧力波を受けて収縮し、スピルが終了した後に収
縮した気泡が膨脹する際の衝撃力が母材を叩き、これに
よりエロージョンが発生する。
【0011】 図10に示すように、キャビテーショ
ンにより生じて母材(デフレクタ1)に付着した気泡1
3がスピル流の圧力波を受けて潰れ、気泡13が中央付
近で割れてスピル流の衝撃力が貫通して母材1に至り、
これによりエロージョンが発生する。
【0012】これらによれば、いずれの原因であって
も、スピル流の圧力波を減衰できれば、キャビテーショ
ンによる気泡13が母材(デフレクタ1)に付着したと
しても、エロージョンの発生を抑制できることになる。
【0013】これを鑑みて創作された本発明は、ポンプ
ケースに、当該ケース内に収容されたプランジャバレル
のスピルポートに対向させてデフレクタを設け、該デフ
レクタのスピル流衝突部位に、多孔質材部材を設けたも
のである。
【0014】本発明によれば、スピル流は、デフレクタ
のスピル流衝突部位に衝突した際、その圧力波が多孔質
材部材によって吸収され減衰されるため、スピル流衝突
部位における急激な圧力変動が抑えられ、これによりキ
ャビテーションエロージョンが防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面を
用いて説明する。
【0016】図1は、前述した図6に示すタイプの燃料
噴射ポンプのフューエルチャンバ6部分の断面図であ
る。図示するように、フューエルチャンバ6を形成する
ポンプケース1には、当該ケース1内に収容されたプラ
ンジャバレル2のスピルポート5(前述のようにフィー
ドポートを兼ねる)に対向させて、デフレクタ20が設
けられている。
【0017】デフレクタ20は、高圧のプランジャ室7
からスピルポート5を通って低圧のフューエルチャンバ
6へ放出されるスピル流を受けるものであり(図6(d)
参照)、ボルト状に形成されてポンプケース1に穿たれ
た雌螺子穴21に螺合されている。このデフレクタ20
は、従来のように浸炭材等の高価な硬質材ではなく、ポ
ンプケース1と同様に一般的な鋼材から形成されてい
る。
【0018】デフレクタ20のスピル流衝突部位22
(すなわちボルトの先端面)には、窪み部23が形成さ
れており、その窪み部23には、凹状に形成された多孔
質材部材24が設けられている。多孔質材部材24に
は、スポンジ状の焼結金属、繊維状金属またはセラミッ
クス等が用いられる。多孔質材部材24に凹部25に形
成する理由は、その内部のみにキャビテーションの気泡
を付着させるためである。
【0019】このように構成することにより、スピルポ
ート5から放出されたスピル流は、デフレクタ20のス
ピル流衝突部位22に衝突した際、その圧力波が多孔質
材部材24によって吸収され減衰される。このように、
スピル流衝突部位22における急激な圧力変動が抑えら
れるため、スピル流の放出の際にキャビテーションが生
じてその気泡が多孔質材部材24の凹部25内面に付着
しても、キャビテーションエロージョンが防止される。
【0020】すなわち、エロージョンの原因となるスピ
ル流の圧力波を海の波、スピル流を受けるポンプケース
1の内面を海岸に例えれば、図7に示す従来技術はデフ
レクタ11によって波をはね返す堤防に例えられ、図1
に示す本発明は多孔質材部材24によって波を緩衝する
テトラポットに例えられる。
【0021】本実施形態によれば、従来問題となってい
たキャビテーションエロージョンが防止されるので、燃
料噴射ポンプの更なる高圧化を推進できる。また、デフ
レクタ20のボルト状の外形は従来と一切変わらないの
で、ポンプケース1のデフレクタ20の周辺形状(雌螺
子穴21等)を一切変更する必要はなく、低コストとな
る。
【0022】また、スピル流の圧力波が多孔質材部材2
4で緩衝されるため、デフレクタ20自体に高価な浸炭
材等を使用する必要はない。よって、デフレクタ20自
体に加工性のよい一般の鋼材を用いることが可能とな
り、さらに低コストとなる。逆をいえば、図7に示す従
来のデフレクタ11は、キャビテーションエロージョン
に耐えられる硬質材(浸炭材等)を用いていたため、そ
の加工性に難があり、コストアップとなっていた。
【0023】本発明の変形例を図2〜図5に示す。
【0024】図2は、ボルト状に形成されたデフレクタ
20のスピル流衝突部位22(ボルト先端面)に円柱状
の係合穴26を形成し、この係合穴26に円柱状に形成
された多孔質材部材27(焼結金属、繊維状金属、セラ
ミックス等)を圧入したものである。すなわち、係合穴
26の内径は多孔質材部材27の直径より僅かに小径と
なっている。
【0025】図3は、上記係合穴26に多孔質材部材2
7を挿入し、その接続部28を周状にロー付けしたもの
である。29はロー付け部を示す。この場合、係合穴2
6の内径は多孔質材部材27の直径より僅かに大径とな
っている。
【0026】図4は、上記係合穴26の周囲に潰し代3
0を形成しておき、係合穴26に多孔質材部材27を挿
入した後、押付けローラ31によって上記潰し代30を
潰してカシメることにより多孔質材部材27の脱落を防
止するようにしたものである。この場合、係合穴26の
内径は多孔質材部材27の直径より僅かに大径となって
いる。
【0027】図5は、図2〜図4に示す多孔質材部材2
7のスピルポート5に臨む面に凹部32を形成し、キャ
ビテーションの気泡をその内部に溜めるようにしたもの
である。仮に、上記臨む面をフラットにしておくと、ボ
ルト内にキャビテーションの気泡が溜まらなくなるの
で、その気泡がポンプケース1の別の部分に付着し、そ
の場所でキャビテーションエロージョンとなる可能性が
ある。そこで、多孔質材部材27に上記凹部32を設け
てキャビテーションの気泡をその内部に溜めるようにす
ることが好ましい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る燃料噴
射ポンプによれば、スピル流の圧力波がデフレクタに設
けられた多孔質材部材によって減衰されるため、キャビ
テーションエロージョンの発生を防止できる。従って、
燃料噴射ポンプの更なる高噴射圧化を推進できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料噴射ポンプの要
部断面図である。
【図2】変形例を示すデフレクタの部分の断面図であ
る。
【図3】別の変形例を示すデフレクタの部分の断面図で
ある。
【図4】更に別の変形例を示すデフレクタの部分の断面
図である。
【図5】また別の変形例を示すデフレクタの部分の断面
図である。
【図6】燃料噴射ポンプの作動を示す図である。
【図7】従来例を示す燃料噴射ポンプの要部断面図であ
る。
【図8】上記デフレクタの要部拡大図である。
【図9】キャビテーションエロージョンの発生原理を示
す図である。
【図10】キャビテーションエロージョンの別の発生原
理を示す図である。
【符号の説明】
1 ポンプケース 2 プランジャバレル 5 スピルポート 20 デフレクタ 22 スピル流衝突部位 24,27 多孔質材部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプケースに、当該ケース内に収容さ
    れたプランジャバレルのスピルポートに対向させてデフ
    レクタを設け、該デフレクタのスピル流衝突部位に、多
    孔質材部材を設けたことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
JP30731795A 1995-11-27 1995-11-27 燃料噴射ポンプ Pending JPH09144627A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30731795A JPH09144627A (ja) 1995-11-27 1995-11-27 燃料噴射ポンプ

Applications Claiming Priority (1)

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JP30731795A JPH09144627A (ja) 1995-11-27 1995-11-27 燃料噴射ポンプ

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JPH09144627A true JPH09144627A (ja) 1997-06-03

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ID=17967698

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JP30731795A Pending JPH09144627A (ja) 1995-11-27 1995-11-27 燃料噴射ポンプ

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JP (1) JPH09144627A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7415973B2 (en) 2006-11-06 2008-08-26 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Fuel injection pump equipped with rotary deflector
JP2014136966A (ja) * 2013-01-15 2014-07-28 Hitachi Automotive Systems Ltd 電磁駆動型の吸入弁を備えた高圧燃料供給ポンプ
JP2015075077A (ja) * 2013-10-11 2015-04-20 ヤンマー株式会社 燃料噴射ポンプ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7415973B2 (en) 2006-11-06 2008-08-26 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Fuel injection pump equipped with rotary deflector
JP2014136966A (ja) * 2013-01-15 2014-07-28 Hitachi Automotive Systems Ltd 電磁駆動型の吸入弁を備えた高圧燃料供給ポンプ
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