JP2009030553A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】高負荷運転領域での燃料噴射圧力が著しく上昇することを抑える一方、低負荷運転領域での燃料噴射圧力を上昇させることができる燃料噴射ポンプを提供する。
【解決手段】プランジャの往復動に伴い、燃料溜まり室から加圧室に燃料が導入され圧送される燃料噴射ポンプにおいて、リード部は、プランジャの軸方向に沿って形成された縦方向燃料通路と、縦方向燃料通路に連通するとともにプランジャの軸方向に対して傾斜して設けられ、プランジャのラック位置に応じて燃料圧送終了位置が変化する傾斜エッジ部と、を有し、プランジャは、少なくとも一部の通路面積がリード部の通路面積よりも小さい圧力逃がし通路を備え、当該圧力逃がし通路は、高負荷運転領域でのラック位置において加圧室と吸排ポートとを連通可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料噴射ノズルを介して内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射ポンプに関する。特に、排気ガス規制に対応すべく低負荷運転領域での燃料噴射圧力を高めることができる燃料噴射ポンプに関する。
従来、大型船舶や発電機等の内燃機関には、燃料を燃料噴射ノズルに送るための燃料噴射ポンプが備えられている。この燃料噴射ポンプは、ポンプハウジングとプランジャバレルとの間に燃料溜まり室が形成されているとともに、プランジャバレルの側壁に燃料溜まり室に連通する吸排ポートが形成されている。また、プランジャの外周面には燃料の加圧室に連通するとともにプランジャバレルの吸排ポートと対向可能なリード部が形成されており、このリード部が吸排ポートと対向するタイミングによって燃料圧送量が規定されるようになっている。
すなわち、かかる燃料噴射ポンプは、プランジャの下降に伴い吸排ポートが加圧室に臨むようになると加圧室内に燃料が導入される一方、プランジャの上昇に伴って吸排ポートが閉じられて加圧室内の燃料を加圧する。そして、加圧室内の圧力が開弁圧を超えたときにデリバリバルブが開放され、高圧燃料が噴射ノズルに向けて圧送される。その後、プランジャがさらに上昇し、プランジャに形成されたリード部と吸排ポートとが対向したときに、加圧室内の燃料が燃料溜まり室に排出されて圧送を終了するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−248876号公報 (図1)
ところで、近年、排気ガス規制が強化されつつあり、内燃機関から排出される排気ガス中の粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOX)を低減させることが望まれている。このうち、燃料が十分に燃焼されずに粒子状物質が発生しやすい低負荷運転領域で粒子状物質の発生を低減するためには、燃料の噴射圧力を高めることが有効である。しかしながら、カムプロフィルやポンプの仕様、燃料噴射ノズルの仕様等によって燃料の噴射圧力を全体的に高めようとすると、低負荷運転領域での粒子状物質の発生は改善されるものの、高負荷運転領域での噴射圧力が高くなりすぎて、燃料噴射ポンプや燃料噴射ノズルの許容圧力を超えてしまうおそれがある。また、高負荷運転領域での急激な噴射圧力の上昇は、窒素酸化物の増大につながるおそれもある。
一方、噴射圧力の制御を可能にし、低負荷運転領域でも高圧噴射を行うことができる燃料噴射システムとして、蓄圧器(コモンレール)を備え、電磁制御式の燃料噴射弁によって噴射制御を行うコモンレールシステムが知られている。しかしながら、コモンレールシステムを採用するとコストが増大するとともに、信頼性の問題も残るために、大型船舶や発電機等の分野においては採用が困難である。そのため、上述のリード部等を利用した機械的な構成による制御によって、噴射圧力の制御を可能にすることが望まれている。
そこで、本発明の発明者らは鋭意努力し、プランジャにおける高負荷運転領域でのラック位置に対応する箇所に所定の圧力逃がし通路を設けることにより、このような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明の目的は、高負荷運転領域での燃料噴射圧力が著しく上昇することを抑える一方、低負荷運転領域での燃料噴射圧力を上昇させることができる燃料噴射ポンプを提供することである。
本発明によれば、ポンプハウジングと、ポンプハウジングに装着されたプランジャバレルと、プランジャバレルに往復摺動可能に挿入され、燃料圧送量を規定するためのリード部が形成されたプランジャと、プランジャを軸回転させるためのコントロールラックと、ポンプハウジング又はプランジャバレルの少なくとも一方に形成された燃料溜まり室と、プランジャバレルに形成され、燃料溜まり室に連通する吸排ポートと、プランジャバレル内に形成され、プランジャの往復動により燃料が導入及び加圧される加圧室と、を備え、プランジャの往復動に伴い、燃料溜まり室から加圧室に燃料が導入され圧送される燃料噴射ポンプであって、リード部は、プランジャの軸方向に沿って形成された縦方向燃料通路と、縦方向燃料通路に連通するとともにプランジャの軸方向に対して傾斜して設けられ、プランジャのラック位置に応じて燃料圧送終了位置が変化する傾斜エッジ部と、を有し、プランジャは、少なくとも一部の通路面積がリード部の通路面積よりも小さい圧力逃がし通路を備え、当該圧力逃がし通路は、高負荷運転領域でのラック位置において加圧室と吸排ポートとを連通可能であることを特徴とする燃料噴射ポンプが提供され、上述した問題を解決することができる。
また、本発明の燃料噴射ポンプを構成するにあたり、圧力逃がし通路は、プランジャにおける加圧室に面する軸方向端部と軸方向端部及び傾斜エッジ部の間の周方向外周部とを連通するようにプランジャの内部に形成された孔部からなることが好ましい。
また、本発明の燃料噴射ポンプを構成するにあたり、孔部の周方向外周部側の開口部の周囲に凹部を備えることが好ましい。
また、本発明の燃料噴射ポンプを構成するにあたり、圧力逃がし通路は、傾斜エッジ部及び軸方向端部、縦方向燃料通路のうちの少なくともいずれか一つに連通するように周方向外周部に形成された溝部からなることが好ましい。
また、本発明の燃料噴射ポンプを構成するにあたり、高負荷運転領域でのラック位置に対応する傾斜エッジ部の少なくとも一部が、それ以外のラック位置に対応する傾斜エッジ部よりも、軸方向端部側とは反対方向に向けて延設されることが好ましい。
本発明の燃料噴射ポンプによれば、ラック位置に応じて燃料圧送終了位置が変化する傾斜エッジ部が設けられたプランジャにおける高負荷運転領域でのラック位置に対応する位置に、絞り機能を持った圧力逃がし通路を備えることにより、高負荷運転領域において加圧室内の燃料の一部を燃料溜まり室に戻すことができる。したがって、加圧室に送られる燃料の圧力を全体的に高めた場合であっても、高負荷運転領域での燃料圧力の上昇を抑えつつ、低負荷運転領域での燃料圧力を上昇させることができる。その結果、高価な電子制御を用いることなく、機械式の制御によって、NOX量を低減させることができるとともに、低負荷運転領域でのPMの発生量を低減させることができる。また、機械式の構成のために、信頼性に優れた燃料噴射ポンプとすることができる。
また、本発明の燃料噴射ポンプにおいて、圧力逃がし通路がプランジャ内部に設けられた孔部であることにより、燃料噴射が行われている途中で加圧室内の燃料の一部を排出することができ、燃料排出時期を調節することができる。
また、本発明の燃料噴射ポンプにおいて、プランジャ内部に設けられた孔部からなる圧力逃がし通路の吸排ポート側の開口部の周囲に凹部を設けることにより、圧力逃がし通路によって加圧室内の燃料の一部が排出されるラック位置やストローク量を調節することができる。また、初期噴射率がコントロールされ、排気ガス中のNOXを低減させることもできる。
また、本発明の燃料噴射ポンプにおいて、圧力逃がし通路がプランジャの周方向外周部に設けられた溝部からなることにより、燃料の加圧開始段階又は燃料の噴射終了間際において、加圧室内の燃料の一部を排出可能な圧力逃がし通路が形成されるとともに、圧力逃がし通路によって加圧室内の燃料の一部が排出されるラック位置やストローク量を容易に調整することができる。
また、本発明の燃料噴射ポンプにおいて、圧力逃がし通路と吸排ポートとが連通可能なプランジャのラック位置に対応する傾斜エッジが部分的に延設されていることにより、プランジャの有効ストローク量を調節することができ、圧力逃がし通路と吸排ポートと連通可能な領域で、燃料圧送量が著しく低下することを防ぐことができる。
以下、本発明の燃料噴射ポンプに関する実施の形態について具体的に説明する。ただし、この実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものについては同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
[第1の実施の形態]
本発明にかかる第1の実施の形態は、内部に形成された孔部からなる圧力逃がし通路を有するプランジャを備えた燃料噴射ポンプである。
図1は、本実施形態にかかる燃料噴射ポンプの一構成例を示す縦断面図である。
燃料噴射ポンプ1は、加圧された高圧燃料を内燃機関に噴射供給するためのものであり、ポンプハウジング2と、ポンプハウジング2内に嵌め込まれたプランジャバレル5と、プランジャ7と、プランジャバレル5とプランジャ7とによって区画された加圧室6とを備えている。また、上方側からはデリバリバルブ4、吸い戻し弁3及びホルダ17が装着されており、ホルダ17はポンプハウジング2にねじ止めされている。
このうち、プランジャバレル5には燃料の吸排ポート5bが形成されており、ポンプハウジング2には吸排ポート5bに対向して燃料溜まり室9が形成されている。
また、プランジャ7は、プランジャバレル5のプランジャ挿入孔5a内に、軸回転方向に回転自在に、かつ、上下方向に摺動自在に挿入されている。このプランジャ7は上側の上端エッジ部11と下側の傾斜エッジ部12とを有しており、プランジャ7の軸線方向の運動により、これらの上端エッジ部11及び傾斜エッジ部12が吸排ポート5bの開口部14上を移動するようになっている。この場合、圧送開始を規定する上端エッジ部11が吸排ポート5bの開口部14を閉じることによって燃料圧送が開始され、圧送終了を規定する傾斜エッジ部12が吸排ポート5bの開口部14を開放することで燃料圧送が終了する。
また、傾斜エッジ部12は、プランジャ7の軸方向に対して傾斜して設けられており、プランジャ7の軸回転方向の位相を変えることによって、傾斜エッジ部12が吸排ポート5bの開口部14を開放するタイミングを変化させて、ポンプによる燃料圧送量を変化させることができる。
なお、本実施の形態においては、吸排ポート5b、燃料溜まり室9及び傾斜エッジ部12は180°の位相差をもって二組設けられている。
また、プランジャバレル5の外周にはコントロールスリーブS1が嵌合され、このコントロールスリーブS1の下部には、プランジャ7のつば部7cが嵌合される溝Stが形成されている。したがって、コントロールスリーブS1をコントロールラックL1によって回動させると、プランジャ7が軸回転方向に変位し、吸排ポート5bに対する縦方向燃料通路16aや外周方向燃料通路16bの相対位置が変化するようになっている。また、プランジャ7の下端部7dにはスプリングシート8が係止されており、プランジャ7は、スプリングシート8を介してスプリング29によって下方へ付勢されている。また、プランジャ7の下端部7d及びスプリングシート8はタペット15に押圧接触させられ、さらに、このタペット15がカム軸(図示せず)に固定されたカム(図示せず)に押圧接触させられている。
また、本実施形態の燃料噴射ポンプ1は、ポンプハウジング2における、燃料溜まり室9の吸排ポート5bと対向する側からプラグ15が装着されている。このプラグ15は、例えば、肌焼鋼を浸炭焼入れして製造されるものをはじめとして高硬度を有するようになっており、吸排ポート5bから燃料溜まり室9に吐き出されてくる気泡が衝突しても、キャビテーションエロージョンを生じて損傷を受けることがないようになっている。
次に、図1に示す燃料噴射ポンプ1に備えられたプランジャ7の構成について詳細に説明する。図2(a)は加圧室6側に位置するプランジャ7の側面図を示しており、図2(b)は図2(a)のプランジャ7のAA断面を矢印方向に見た断面図を示している。また、図3はプランジャ7の外周面及びプランジャバレル5の内周面を、プランジャ7の縦方向燃料通路16aを基点として軸回転方向に180°展開して表した展開図を示している。
これらの図2及び図3に示すように、プランジャ7の周方向外周面にはリード部16が形成されており、当該リード部16は、軸方向に延在する二つの縦方向燃料通路16aと、これらの二つの縦方向燃料通路16aに連通する外周方向燃料通路16bとを含んでいる。このうちの外周方向燃料通路16bの上側のエッジ部のうち、縦方向燃料通路16aの一方側のエッジから連続するエッジ部が傾斜状にされて傾斜エッジ部12となっている。この傾斜エッジ部12が設けられていることにより、プランジャ7の軸回転方向のラック位置、すなわち、位相を変えることによって、吸排ポート5bと重なり合う傾斜エッジ部12の位置が変化し、燃料圧送量が変えられるようになっている。
また、図3中には、プランジャ7のラック位置を変化させた場合のプランジャ7の有効ストローク領域が示されている(図中の斜線の領域)。また、図3中、プランジャ7のラック位置が低負荷運転領域にある場合の吸排ポート5bの位置の一例が破線で示されており(図中のLの位置)、プランジャ7の位置が高負荷運転領域にある場合の吸排ポート5bの位置の一例が一点鎖線で示されている(図中のHの位置)。
この図3に示すように、プランジャ7のラック位置を変えることによって、傾斜エッジ部12に対する吸排ポート5bの配置位置が変化するため、プランジャ7の有効ストローク量が変化し、燃料圧送量が変えられるようになっている。より具体的には、低負荷運転領域と高負荷運転領域とを比較すると、上端エッジ部11によって吸排ポート5bが閉じられる燃料圧送開始位置は変わらない一方、傾斜エッジ部12によって吸排ポート5bが開放される燃料圧送終了位置は、高負荷運転領域の方がより下方側になっており、高負荷運転領域での有効ストローク量が低負荷運転領域よりも大きくなることが理解される。
このように、プランジャ7のラック位置を制御することによって燃料圧送量を制御する構成の燃料噴射ポンプの場合、高負荷運転領域での燃料圧送量は低負荷運転領域よりも多くなっている。そのため、低負荷運転領域での燃料噴射圧を高めるために、カムプロフィルの設計を変えたり、燃料噴射ポンプや燃料噴射ノズルの仕様を変えたりして燃料噴射システム全体の噴射圧を高めた場合には、高負荷運転領域において高圧の燃料が大量に圧送されるようになっている。このような場合には、噴射圧力が上昇しすぎることによって、NOXの発生に繋がったり、燃料噴射ポンプや燃料噴射ノズルの許容耐圧力を超えて燃料噴射ポンプや燃料噴射ノズルが損傷を受けたりするおそれがある。
そのため、図2(b)に示すように、本実施形態の燃料噴射ポンプ1に備えられたプランジャ7には、上端面に開口部20aを有する軸方向通路と20、当該軸方向通路20に連通し周方向外周面に開口部23aを有する周方向通路23とからなる圧力逃がし通路25が形成されている。このうち、軸方向通路20は大径部20Aと小径部20Bとからなり、小径部20Bはリード部16の通路面積と比較して通路面積が小さくされた絞り部として構成されている。また、周方向通路23の開口部23aは、上端エッジ部11と傾斜エッジ部12との間の領域のうち、高負荷運転領域に対応するラック位置(図3中のHの位置)に配置されている。
したがって、低負荷運転領域での噴射圧を高めるために燃料噴射システムの噴射圧力を高めた場合であっても、高負荷運転領域では絞り部を含む燃料逃がし通路25を介して加圧室6内の燃料の一部が吸排ポート(図示せず)に戻されることになり、噴射を終了させることなく噴射圧が高くなりすぎないようにされている。すなわち、絞り部を含む圧力逃がし通路25を設けることによって、吸排ポートが圧力逃がし通路25を構成する周方向通路23の開口部23aと対向する間は、加圧室内の圧力の上昇率が相対的に小さくされ、燃料圧力が著しく高圧とならないようにされている。
ここで、図4(a)及び(b)に示すシミュレーションの結果に基づき、プランジャ7に圧力逃がし通路25を設けた場合と設けていない場合とにおける全負荷領域での噴射圧力の違いについて説明する。
図4(a)は、プランジャの軸回転割合(負荷状態)と噴射圧力との関係を示す図であり、横軸はプランジャの軸回転割合(%)を表し、縦軸は噴射圧力(相対値)を表している。プランジャの軸回転割合が高い領域が高負荷運転領域である。また、図4(b)は、プランジャの軸回転割合(%)が100のときのカム角度と噴射圧力との関係を示す図であり、横軸はカム角度(度)を表し、縦軸は噴射圧力(相対値)を表している。
また、各図中、システム全体の噴射圧力が相対的に低く、かつ、プランジャに圧力逃がし通路を備えていない従来の燃料噴射ポンプの噴射圧力が破線Aで示され、システム全体の噴射圧力が高められる一方、プランジャに圧力逃がし通路を備えていない燃料噴射ポンプの噴射圧力が一点鎖線Bで示され、システム全体の噴射圧が高められ、かつ、プランジャに圧力逃がし通路が設けられた本発明の燃料噴射ポンプの噴射圧力が実線Cで示されている。
この図4(a)〜(b)に示されるように、プランジャに圧力逃がし通路を設けないでシステム全体の噴射圧力を単純に高めた場合と比較して、プランジャ7に所定の圧力逃がし通路25を設けた場合には、高負荷運転領域での噴射圧力の上昇が抑えられている。特に、図4(b)に示されるように、最も高負荷状態となるラック位置(プランジャの軸回転割合(%)が100の位置)においては、従来の燃料噴射ポンプの噴射圧力と変わらない程度に維持されている。
このように、プランジャ7の所定位置に圧力逃がし通路25を設けることによって、低負荷運転領域での噴射圧力が高められる一方、高負荷運転領域での噴射圧力が著しく上昇することを防ぐことができる。
このような絞り部を含む圧力逃がし通路の例としては、図2(b)に示すような孔部からなる構成以外にも種々変更が可能である。
図5は、図2のプランジャ7と同様に、軸方向通路50と、軸方向通路50に連通する周方向通路53とが形成される一方、軸方向通路50ではなく周方向通路53に大径部53A及び小径部53Bが形成され、小径部53Bが絞り部として構成された圧力逃がし通路55の例である。
また、図6(a)は、軸方向通路60と、軸方向通路60に連通する周方向通路63とが形成され、軸方向通路60の上端部側にオリフィス取付孔61が設けられ、絞り通路66aが形成された別体オリフィス66を当該オリフィス取付孔61内に配置した圧力逃がし通路65の例である。また、図6(b)は、軸方向通路70と、軸方向通路70に連通する周方向通路73とが形成され、周方向通路73の周方向外側にオリフィス取付孔71が設けられ、絞り通路76aが形成された別体オリフィス76を当該オリフィス取付孔71内に配置した圧力逃がし通路75の例である。このような別体オリフィスを採用した場合には、プランジャを共通化できる一方、絞り部の直径が異なる別体オリフィスを適宜選択して配置することができる。
これらの図2〜図6のいずれの構成例であっても、圧力逃がし通路25、55、65、75の一端は、加圧室に面するプランジャ7の上端部側に開口されるとともに、他端はプランジャ7の周方向外周面の上端エッジ部11と傾斜エッジ部12との間の領域のうち、高負荷運転領域においてプランジャバレルの吸排ポート5bと重なるような位置(図3中のHの位置)に開口されている。
このプランジャに設けられた圧力逃がし通路によって加圧室内の燃料の一部が吸排ポート側に戻されることになるプランジャのラック位置の範囲、すなわち、軸回転位相の範囲や、圧力逃がし通路を介して加圧室内の燃料の一部が戻されるストローク量については、図7〜図9に例示されるように、周方向外周面側の周方向通路23の開口部23aの周囲に凹部27A〜27Eを形成することによって調節することができる。
図7(a)〜(b)は、プランジャ7の周方向外周面における周方向通路23の開口部23aの周囲に、プランジャ7の軸方向に沿って長軸を有する楕円形状の凹部27Aを形成した例である。また、図8(a)〜(b)は、プランジャ7の周方向外周面における周方向通路23の開口部23aの周囲に、プランジャ7の軸回転方向に沿って長軸を有する楕円形状の凹部27Bを形成した例である。これ以外にも、図9(a)〜(c)に示すように、三角形の凹部27Cや矩形の凹部27D、異形の凹部27E等、様々な形状の凹部を形成することができる。
このように形成される凹部の軸方向の長さは、あるラック位置でのプランジャの圧力逃がし通路の開口部とプランジャバレルの吸排ポートの開口部とが重なるストローク量を変化させ、燃料圧送量に影響を与えるようになっている。また、形成される凹部の軸回転方向の長さは、プランジャの圧力逃がし通路の開口部とプランジャバレルの吸排ポートの開口部とが重なるラック位置の範囲(回転位相の範囲)に影響を与えるようになっている。
したがって、圧力を逃がしたいラック位置の回転位相の範囲や、当該ラック位置での有効ストローク量を考慮して、形成する凹部の形状を適宜選択することができる。
また、形成される凹部27A〜27Eは燃料噴射ポンプからの初期噴射率にも影響を与えるため、かかる初期噴射率を考慮して凹部の平面形状を選択することが好ましい。この初期噴射率をコントロールすることによって、内燃機関から排出される排気ガス中のNOX量を低減させることができる。
また、このような絞り部を含む圧力逃がし通路を設けることにより、高負荷運転領域での燃料の噴射圧力を低下させることができるものの、有効ストローク量が制限されて燃料圧送量が少なくなる。そこで、燃料圧送量を調整するためには、図10(a)〜(c)の展開図に示すように、圧力逃がし通路25を構成する周方向通路23の開口部23aと吸排ポート5bとが対向可能なラック位置におけるプランジャの上端エッジ部11又は傾斜エッジ部12のうちの少なくとも一方を、他のラック位置よりも相対的に突出させて延設させることが好ましい。
このようなエッジ形状を併用することによって、高負荷運転領域でのピーク圧力を減少させつつ燃料圧送量を維持することができ、プランジャのラック位置の変化に伴って燃料圧送量がリニアに変化するように対応させることができる。
なお、これまで説明した構成例では、圧力逃がし通路25を構成する周方向通路23の開口部23aは、軸心を中心として対照的に2箇所設けられているが、絞り部を含む圧力逃がし通路の通路面積を考慮して1箇所のみとしてもよい。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態は、基本的には第1の実施の形態の燃料噴射ポンプの構成と同様である一方、プランジャに形成された圧力逃がし通路の構成が異なる燃料噴射ポンプである。本実施形態の燃料噴射ポンプに備えられたプランジャは、周方向外周面に形成された溝部からなる圧力逃がし通路が設けられている。
以下、第1の実施の形態と異なる圧力逃がし通路の構成を中心に詳細に説明する。なお、各図中において、第1の実施の形態と同様の点については同一の符号が付されており、適宜説明が省略されている。
図11(a)は、本実施形態の燃料噴射ポンプに用いられたプランジャ107を示す斜視図であり、図11(b)は、図11(a)のプランジャ107を矢印Bの方向から見た上面図である。また、図12は、図11(a)のプランジャ107の外周面とプランジャバレルの内周面とを、プランジャ107の縦方向燃料通路16aを基点として軸回転方向に180°展開して表した展開図である。
このプランジャ107は、プランジャ107の周方向外周面に溝部を形成することによって圧力逃がし通路125を構成したものである。この圧力逃がし通路125は、第1の実施の形態と同様、高負荷運転領域でのラック位置に対応して形成されるとともに、縦方向燃料通路16a及び外周方向燃料通路16bからなるリード部よりも通路面積が小さくされ、絞り部として構成されている。したがって、プランジャバレルの吸排ポート5bの開口部が圧力逃がし通路125と重なる位置においては、燃料の噴射が中止されることなく加圧室内の燃料の一部が排出され、ピーク圧力を低下させることができる。
図11に示す例では、上端エッジ部11側から軸方向に沿って所定の長さの溝部からなる圧力逃がし通路125が形成されており、この長さによって、加圧室内の燃料の一部が排出されるストローク量が決定されるようになっている(図12中の格子領域を参照)。
加圧室内の燃料の一部が排出されるストローク量だけでなく、圧力逃がし通路125と吸排ポート5bの開口部とが重なるプランジャ107のラック位置の範囲を調節するためには、図13や図14に例示するように、プランジャ107の外周面に形成する溝部の軸回転方向の幅や、溝部の平面形状を変えることによって調節することができる。ただし、溝部の軸回転方向の幅を変えることによって通路面積が大きくなって、加圧室内の燃料が大量に吸排ポートに戻され、燃料が噴射されなくなることのないように、溝部の軸回転方向の幅を広げる場合には、図13(b)に示すように、溝部の深さが浅くなるように形成される。
また、溝部からなる圧力逃がし通路125の平面形状は、燃料噴射ポンプからの初期噴射率にも影響を与えるため、かかる初期噴射率を考慮して溝部の平面形状を選択することが好ましい。この初期噴射率をコントロールすることによって、内燃機関から排出される排気ガス中のNOX量を低減させることができる。
また、プランジャの外周面に溝部を形成して圧力逃がし通路とする例としては、図11や図13等に示すようにプランジャ107の上端エッジ部11側に加圧室に連通するように形成する以外にも、種々の変形が可能である。
例えば、図15に示すように、プランジャ107の外周方向燃料通路16bの傾斜エッジ部12側に外周方向燃料通路16bに連通するように圧力逃がし通路125を形成したり、図16に示すように、プランジャ107の縦方向燃料通路16aに連通するように圧力逃がし通路126を形成したり、さらには、これらの溝部を組み合わせて形成することもできる。
また、このようにプランジャ107の外周面に溝部を形成して圧力逃がし通路125とする場合においても、図17(a)〜(c)に示すように、燃料圧送量を調節するために、圧力逃がし通路125と吸排ポート5bとが重なるラック位置における上端エッジ部11又は傾斜エッジ部12の少なくとも一方を、他のラック位置よりも相対的に突出させて延設することが好ましい。
本発明の第1の実施の形態にかかる燃料噴射ポンプを示す断面図である。 第1の実施の形態の燃料噴射ポンプに備えられたプランジャの側面図及び断面図である。 第1の実施の形態にかかるプランジャの外周面及びプランジャバレルの内周面を展開して表した図である。 燃料の噴射圧力について説明するための図である。 孔部からなる圧力逃がし通路の変形例を示す側面図及び断面図である。 別体オリフィスを用いて圧力逃がし通路を構成した変形例を示す断面図である。 圧力逃がし通路の開口部の周囲に凹部を備えた構成例を示す側面図及び断面図である。 圧力逃がし通路の開口部の周囲に凹部を備えた別の構成例を示す側面図及び断面図である。 圧力逃がし通路の開口部の周囲に形成する凹部の変形例を示す側面図である。 上端エッジ部又は傾斜エッジ部の一部を相対的に突出させた構成例を示す展開図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる燃料噴射ポンプに備えられたプランジャの側面図及び断面図である。 第2の実施の形態にかかるプランジャの外周面及びプランジャバレルの内周面を展開して表した図である。 溝部からなる圧力逃がし通路の変形例を示す側面図及び上面図である。 溝部からなる圧力逃がし通路の別の変形例を示す側面図である。 傾斜エッジ部側に形成された溝部からなる圧力逃がし通路の例を示す側面図である。 縦方向燃料通路に連通する溝部からなる圧力逃がし通路の例を示す側面図である。 上端エッジ部又は傾斜エッジ部の一部を相対的に突出させた構成例を示す展開図である。
符号の説明
1:燃料噴射ポンプ、2:ポンプハウジング、3:吸い戻し弁、4:デリバリバルブ、5:プランジャバレル、5aプランジャバレル摺動孔、6:吸排ポート、6:加圧室、7:プランジャ、8:凹部、9:燃料溜まり室、11:上端エッジ部、12:傾斜エッジ部、13:14:、14:開口部、15:プラグ、16:リード部、16a:縦方向燃料通路、16b:外周方向燃料通路、18:スプリングシート、20:軸方向通路、20A:大径部、20B:小径部、20a:開口部、23:周方向通路、23a:開口部、25:圧力逃がし通路、27:凹部、50:軸方向通路、53:周方向通路、53A:大径部、53B:小径部、55:圧力逃がし通路、60:軸方向通路、61:オリフィス取付孔、63:周方向通路、65:圧力逃がし通路、66:別体オリフィス、66a:絞り通路、70:軸方向通路、71:オリフィス取付孔、73:周方向通路、75:圧力逃がし通路、76:別体オリフィス、76a:絞り通路、107:プランジャ、125:圧力逃がし通路、126:圧力逃がし通路

Claims (5)

  1. ポンプハウジングと、前記ポンプハウジングに装着されたプランジャバレルと、前記プランジャバレルに往復摺動可能に挿入され、燃料圧送量を規定するためのリード部が形成されたプランジャと、前記プランジャを軸回転させるためのコントロールラックと、前記ポンプハウジング又は前記プランジャバレルの少なくとも一方に形成された燃料溜まり室と、前記プランジャバレルに形成され、前記燃料溜まり室に連通する吸排ポートと、前記プランジャバレル内に形成され、前記プランジャの往復動により燃料が導入及び加圧される加圧室と、を備え、前記プランジャの往復動に伴い、前記燃料溜まり室から前記加圧室に燃料が導入され圧送される燃料噴射ポンプにおいて、
    前記リード部は、前記プランジャの軸方向に沿って形成された縦方向燃料通路と、前記縦方向燃料通路に連通するとともに前記プランジャの軸方向に対して傾斜して設けられ、前記プランジャのラック位置に応じて燃料圧送終了位置が変化する傾斜エッジ部と、を有し、
    前記プランジャは、少なくとも一部の通路面積が前記リード部の通路面積よりも小さい圧力逃がし通路を備え、当該圧力逃がし通路は、高負荷運転領域でのラック位置において前記加圧室と前記吸排ポートとを連通可能であることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  2. 前記圧力逃がし通路は、前記プランジャにおける前記加圧室に面する軸方向端部と、前記軸方向端部及び前記傾斜エッジ部の間の周方向外周部と、を連通するように前記プランジャの内部に形成された孔部からなることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射ポンプ。
  3. 前記孔部の前記周方向外周部側の開口部の周囲に凹部を備えることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射ポンプ。
  4. 前記圧力逃がし通路は、前記傾斜エッジ部及び前記軸方向端部、前記縦方向燃料通路のうちの少なくともいずれか一つに連通するように前記周方向外周部に形成された溝部からなることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射ポンプ。
  5. 前記高負荷運転領域でのラック位置に対応する前記傾斜エッジ部の少なくとも一部が、それ以外のラック位置に対応する前記傾斜エッジ部よりも、前記軸方向端部側とは反対方向に向けて延設されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010229865A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Denso Corp 燃料加圧装置
KR20120015822A (ko) * 2010-08-13 2012-02-22 현대중공업 주식회사 다단 분사용 연료분사펌프
KR101682055B1 (ko) * 2016-03-29 2016-12-05 한빛정공(주) 연료분사펌프의 오일 탱크 피스톤

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