JPH09143563A - グラス被膜の良好な高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
グラス被膜の良好な高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH09143563A JPH09143563A JP7308981A JP30898195A JPH09143563A JP H09143563 A JPH09143563 A JP H09143563A JP 7308981 A JP7308981 A JP 7308981A JP 30898195 A JP30898195 A JP 30898195A JP H09143563 A JPH09143563 A JP H09143563A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、グラス被膜の良好な高磁束密度方
向性電磁鋼板の製造方法を提供する。 【解決方法】 素材S:0.012〜0.023%で、
且つ脱炭焼鈍工程において生成する酸化膜成分{(F
e,Mn)O}a・(SiO2 )b中のFe,Mn分が
(FeO+MnO)/酸化膜中全SiO2 として0.1
0〜0.50、且つ酸化膜中全SiO2 が0.6〜1.
7g/m2 となるように脱炭焼鈍し、且つ焼鈍分離剤と
してMgO100重量部に対し塩素化合物を塩素分とし
て0.01〜0.10重量部、および/またはSb,
B,Sr,Baの化合物の1種または2種以上を0.0
5〜2.0重量部添加することにより、優れたグラス被
膜を有する方向性電磁鋼板が得られる。 【効果】 本発明によれば、高磁束密度特性と良好なグ
ラス被膜を兼ね備えた、優れた方向性電磁鋼板を工業的
に製造できる。
向性電磁鋼板の製造方法を提供する。 【解決方法】 素材S:0.012〜0.023%で、
且つ脱炭焼鈍工程において生成する酸化膜成分{(F
e,Mn)O}a・(SiO2 )b中のFe,Mn分が
(FeO+MnO)/酸化膜中全SiO2 として0.1
0〜0.50、且つ酸化膜中全SiO2 が0.6〜1.
7g/m2 となるように脱炭焼鈍し、且つ焼鈍分離剤と
してMgO100重量部に対し塩素化合物を塩素分とし
て0.01〜0.10重量部、および/またはSb,
B,Sr,Baの化合物の1種または2種以上を0.0
5〜2.0重量部添加することにより、優れたグラス被
膜を有する方向性電磁鋼板が得られる。 【効果】 本発明によれば、高磁束密度特性と良好なグ
ラス被膜を兼ね備えた、優れた方向性電磁鋼板を工業的
に製造できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2.5〜4.5%
のSiを含む、グラス被膜が良好で、高い磁束密度を有
する方向性電磁鋼板の製造方法に関する。
のSiを含む、グラス被膜が良好で、高い磁束密度を有
する方向性電磁鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一方向性電磁鋼板は、トランス等の電気
機器の鉄心材料として使用されており、磁気特性として
励磁特性と鉄損特性が良好でなくてはならない。しかも
近年特にエネルギーロスの少ない低鉄損素材への市場要
求が強まっている。
機器の鉄心材料として使用されており、磁気特性として
励磁特性と鉄損特性が良好でなくてはならない。しかも
近年特にエネルギーロスの少ない低鉄損素材への市場要
求が強まっている。
【0003】磁束密度の高い鋼板は、鉄損が低く又鉄心
が小さく出来るので、極めて重要な開発目標である。こ
の高い磁束密度を有する一方向性電磁鋼板は、適切な冷
延と焼鈍とにより熱延板から最終板厚にした鋼板を仕上
げ焼鈍して{110}<001>方位を有する一次再結
晶粒を選択成長させる、いわゆる二次再結晶によって得
られる。
が小さく出来るので、極めて重要な開発目標である。こ
の高い磁束密度を有する一方向性電磁鋼板は、適切な冷
延と焼鈍とにより熱延板から最終板厚にした鋼板を仕上
げ焼鈍して{110}<001>方位を有する一次再結
晶粒を選択成長させる、いわゆる二次再結晶によって得
られる。
【0004】二次再結晶は、二次再結晶前の鋼板中に微
細な析出物、例えばMnS,AlN,MnSe,Cu2
S,BN,(Al,Si)N等が存在すること、あるい
はSn,Sb等の粒界偏析型の元素が存在することによ
って達成される。これら析出物、粒界偏析型の元素はJ.
B.May and Turnbull (Trans. Met. Soc. AIME 212(195
8)P769/781)によって説明されているように仕上げ焼鈍
工程で{110}<001>方位以外の一次再結晶粒の
成長を抑え、{110}<001>方位粒を選択的に成
長させる機能を持つ。この様な粒成長の抑制効果は一般
にはインヒビター効果と呼ばれている。従って当該分野
の研究開発の重点課題はいかなる種類の析出物、あるい
は粒界偏析型のを用いて二次再結晶を安定させるか、そ
して正確な{110}<001>方位粒の存在割合を高
めるためにそれらの適切な存在状態をいかに達成するか
にある。特に最近では一種類の析出物による方法では
{110}<001>方位の高度の制御に限界があるた
め、各析出物について長所、短所を深く解明することに
より、いくつかの析出物を有機的に組み合わせて、より
磁束密度の高い製品を安定に、且つコストを低く製造で
きる技術の開発が進められている。
細な析出物、例えばMnS,AlN,MnSe,Cu2
S,BN,(Al,Si)N等が存在すること、あるい
はSn,Sb等の粒界偏析型の元素が存在することによ
って達成される。これら析出物、粒界偏析型の元素はJ.
B.May and Turnbull (Trans. Met. Soc. AIME 212(195
8)P769/781)によって説明されているように仕上げ焼鈍
工程で{110}<001>方位以外の一次再結晶粒の
成長を抑え、{110}<001>方位粒を選択的に成
長させる機能を持つ。この様な粒成長の抑制効果は一般
にはインヒビター効果と呼ばれている。従って当該分野
の研究開発の重点課題はいかなる種類の析出物、あるい
は粒界偏析型のを用いて二次再結晶を安定させるか、そ
して正確な{110}<001>方位粒の存在割合を高
めるためにそれらの適切な存在状態をいかに達成するか
にある。特に最近では一種類の析出物による方法では
{110}<001>方位の高度の制御に限界があるた
め、各析出物について長所、短所を深く解明することに
より、いくつかの析出物を有機的に組み合わせて、より
磁束密度の高い製品を安定に、且つコストを低く製造で
きる技術の開発が進められている。
【0005】現在、工業生産されている代表的な一方向
性電磁鋼板の製造方法として3種類あるが、各々につい
ては長所、短所がある。第一の技術はM.F.Littmannによ
る特公昭30−3651号公報に示されたMnSを用い
た二回冷延工程であり、得られる二次再結晶粒は安定し
て発達するが、高い磁束密度が得られない。第二の技術
は田口等による特公昭40−15644号公報に示され
たAlN+MnSを用いた最終冷延を80%以上の高圧
下率とするプロセスであり、高い磁束密度は得られる
が、工業生産に際しては製造条件の厳密なコントロール
が要求される。第三の技術は今中等による特公昭51−
13469号公報に示されたMnS(および/またはM
nSe)+Sbを含有する珪素鋼を二回冷延工程によっ
て製造するプロセスであり、比較的高い磁束密度は得ら
れるが、Sb,Seのような有害でかつ高価な元素を使
用し、しかも二回冷延法であることから製造コストが高
くなる。
性電磁鋼板の製造方法として3種類あるが、各々につい
ては長所、短所がある。第一の技術はM.F.Littmannによ
る特公昭30−3651号公報に示されたMnSを用い
た二回冷延工程であり、得られる二次再結晶粒は安定し
て発達するが、高い磁束密度が得られない。第二の技術
は田口等による特公昭40−15644号公報に示され
たAlN+MnSを用いた最終冷延を80%以上の高圧
下率とするプロセスであり、高い磁束密度は得られる
が、工業生産に際しては製造条件の厳密なコントロール
が要求される。第三の技術は今中等による特公昭51−
13469号公報に示されたMnS(および/またはM
nSe)+Sbを含有する珪素鋼を二回冷延工程によっ
て製造するプロセスであり、比較的高い磁束密度は得ら
れるが、Sb,Seのような有害でかつ高価な元素を使
用し、しかも二回冷延法であることから製造コストが高
くなる。
【0006】また上記3種類の技術においては、共通し
て次のような問題がある。すなわち上記技術はいずれも
析出物を微細、均一に制御する技術として熱延に先立つ
スラブ加熱温度を、第一の技術では1260℃以上、第
二の技術では特開昭48−51852号公報に示すよう
に素材Si量によるが3%Siの場合で1350℃、第
三の技術では特開昭51−20716号公報に示すよう
に1230℃以上、高い磁束密度の得られた実施例では
1320℃といった極めて高い温度にすることによって
粗大に存在する析出物をいったん固溶させ、その後の熱
延中、あるいは熱処理中に析出させている。スラブ加熱
温度を上げることは、加熱時の使用エネルギーの増大の
ノロの発生による歩留り低下及び加熱炉の補修頻度の増
大に起因する設備稼働率の低下、さらには特公昭57−
41526号公報に示されるように線状二次再結晶不良
が発生するため連続鋳造スラブが使用できないという問
題がある。
て次のような問題がある。すなわち上記技術はいずれも
析出物を微細、均一に制御する技術として熱延に先立つ
スラブ加熱温度を、第一の技術では1260℃以上、第
二の技術では特開昭48−51852号公報に示すよう
に素材Si量によるが3%Siの場合で1350℃、第
三の技術では特開昭51−20716号公報に示すよう
に1230℃以上、高い磁束密度の得られた実施例では
1320℃といった極めて高い温度にすることによって
粗大に存在する析出物をいったん固溶させ、その後の熱
延中、あるいは熱処理中に析出させている。スラブ加熱
温度を上げることは、加熱時の使用エネルギーの増大の
ノロの発生による歩留り低下及び加熱炉の補修頻度の増
大に起因する設備稼働率の低下、さらには特公昭57−
41526号公報に示されるように線状二次再結晶不良
が発生するため連続鋳造スラブが使用できないという問
題がある。
【0007】しかしこのようなコスト上の問題以上に重
要なことは、鉄損向上のためにSiを多く、製品板厚を
薄くといった手段を取ると、この線状二次再結晶不良の
発生が増大し、高温スラブ加熱法を前提にした技術では
将来の鉄損向上に希望を持てない。これに対し特公昭6
1−60896号公報に開示されている技術では鋼中の
Sを少なくすることによって二次再結晶が極めて安定
し、高Si薄手製品を可能にした。しかしこの技術は量
産規模で工場生産する上で、磁束密度の安定性に問題が
あり、例えば特開昭62−40315号公報に開示され
ているような改良技術が提案されているが、今まで完全
に解決するに至っていない。
要なことは、鉄損向上のためにSiを多く、製品板厚を
薄くといった手段を取ると、この線状二次再結晶不良の
発生が増大し、高温スラブ加熱法を前提にした技術では
将来の鉄損向上に希望を持てない。これに対し特公昭6
1−60896号公報に開示されている技術では鋼中の
Sを少なくすることによって二次再結晶が極めて安定
し、高Si薄手製品を可能にした。しかしこの技術は量
産規模で工場生産する上で、磁束密度の安定性に問題が
あり、例えば特開昭62−40315号公報に開示され
ているような改良技術が提案されているが、今まで完全
に解決するに至っていない。
【0008】一方、方向性電磁鋼板の需要家での使用時
に於いて、磁気特性と共に重要なのは被膜特性である。
これは、被膜特性が方向性電磁鋼板を使用したトランス
鉄心において絶縁性のみならず、ビルディングファクタ
ーや騒音に影響する磁歪、歪敏感度等に対して大きい影
響を与えるからである。この方向性電磁鋼板の被膜特性
は、このように製品特性に対して多大な影響を与えると
共に、その被膜形成過程に於いては鋼板中のインヒビタ
ーの制御の面から重要な役割を持っているため、高磁束
密度、低鉄損の方向性電磁鋼板を得るためにも、被膜製
造過程での形成速度、量、質を厳密にコントロールする
ことが重要である。
に於いて、磁気特性と共に重要なのは被膜特性である。
これは、被膜特性が方向性電磁鋼板を使用したトランス
鉄心において絶縁性のみならず、ビルディングファクタ
ーや騒音に影響する磁歪、歪敏感度等に対して大きい影
響を与えるからである。この方向性電磁鋼板の被膜特性
は、このように製品特性に対して多大な影響を与えると
共に、その被膜形成過程に於いては鋼板中のインヒビタ
ーの制御の面から重要な役割を持っているため、高磁束
密度、低鉄損の方向性電磁鋼板を得るためにも、被膜製
造過程での形成速度、量、質を厳密にコントロールする
ことが重要である。
【0009】通常、方向性電磁鋼板は最終仕上げ焼鈍過
程で形成するグラス被膜(一次被膜:フィルステライト
+スピネル)とヒートフラットニング時に形成される絶
縁被膜(二次被膜)の2層被膜によって表面処理がなさ
れている。グラス被膜は焼鈍分離剤のMgOと脱炭焼鈍
時に形成したSiO2 主体の酸化膜との反応により形成
するフォルステライト被膜を主成分とし、本発明のよう
にAl鋼成分に利用する場合にはAl2 O3 や他の焼鈍
分離剤添加物等によりもたらされる酸化物成分やこれら
によるスピネル構造の化合物によって構成されている。
このグラス被膜はその張力効果によって絶縁性、鉄損、
磁歪等を改善する一方、形成状態によっては磁束密度、
占積率、密着性、加工性、製品外観を低下させたり、張
力による鉄損改善効果にも差異を生じる。またこのグラ
ス被膜は本発明のようにインヒビターとしてAlN,M
nS等を利用する場合には、その形成時期、形成速度、
形成量等が、鋼板界面に於いて雰囲気ガスからのNの侵
入をコントロールしたり、逆に鋼中からのインヒビター
の分解挙動に多大な影響を及ぼす。このため、適正量の
グラス被膜を適正時期に形成させることは、被膜特性と
磁気特性が両立した製品を得る上で重要であり、このた
めの新技術開発のニーズは高まっている。
程で形成するグラス被膜(一次被膜:フィルステライト
+スピネル)とヒートフラットニング時に形成される絶
縁被膜(二次被膜)の2層被膜によって表面処理がなさ
れている。グラス被膜は焼鈍分離剤のMgOと脱炭焼鈍
時に形成したSiO2 主体の酸化膜との反応により形成
するフォルステライト被膜を主成分とし、本発明のよう
にAl鋼成分に利用する場合にはAl2 O3 や他の焼鈍
分離剤添加物等によりもたらされる酸化物成分やこれら
によるスピネル構造の化合物によって構成されている。
このグラス被膜はその張力効果によって絶縁性、鉄損、
磁歪等を改善する一方、形成状態によっては磁束密度、
占積率、密着性、加工性、製品外観を低下させたり、張
力による鉄損改善効果にも差異を生じる。またこのグラ
ス被膜は本発明のようにインヒビターとしてAlN,M
nS等を利用する場合には、その形成時期、形成速度、
形成量等が、鋼板界面に於いて雰囲気ガスからのNの侵
入をコントロールしたり、逆に鋼中からのインヒビター
の分解挙動に多大な影響を及ぼす。このため、適正量の
グラス被膜を適正時期に形成させることは、被膜特性と
磁気特性が両立した製品を得る上で重要であり、このた
めの新技術開発のニーズは高まっている。
【0010】脱炭焼鈍酸化膜の形成条件によってグラス
被膜や磁気特性を改善する技術としては数々の提案がな
されている。特開昭59−185725号公報には本発
明と同様な素材の高磁束密度方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍
工程に於いて、脱炭焼鈍後の鋼板の酸素量を、−250
0X+1163≦Y≦−2500X+1413(但し
X:鋼板の板厚(mm)、Y:鋼板の酸素量(ppm))式で
与えられる範囲に制御するものである。前期公報記載の
発明は磁気特性の優れる高磁束密度方向性電磁鋼板の製
造方法として、脱炭焼鈍で形成する酸化被膜の[O]量
を特定域にコントロールすることで、高磁束密度且つ低
鉄損の特性が得られるというもので、[O]量と板厚の
関係で磁気特性への影響が述べられている。また特開昭
60−103173号公報には低鉄損を得るための製造
方法として、最終冷延された冷延板に脱炭焼鈍を施すに
際し、冷延鋼板が0.25mm以下の板厚を有し、該鋼板
の表面に脱炭焼鈍で形成される酸化層の酸素目付け量O
s(g/m2 )を上記板厚に応じ、4t+1.6≧Os
≧−8t+8.1(tは板厚(mm))の範囲に制御する
一方向性珪素鋼板の製造方法が提案されている。しか
し、これらの酸化被膜によるグラス被膜、磁性等の制御
技術は酸化膜の酸素量に注目しているもので、質、反応
性等に関する研究には至っていない。このため、高磁束
密度の方向性電磁鋼板の製造に於いてグラス被膜や磁気
特性を向上する上で未だ安定した技術を提供するに至っ
ていない。
被膜や磁気特性を改善する技術としては数々の提案がな
されている。特開昭59−185725号公報には本発
明と同様な素材の高磁束密度方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍
工程に於いて、脱炭焼鈍後の鋼板の酸素量を、−250
0X+1163≦Y≦−2500X+1413(但し
X:鋼板の板厚(mm)、Y:鋼板の酸素量(ppm))式で
与えられる範囲に制御するものである。前期公報記載の
発明は磁気特性の優れる高磁束密度方向性電磁鋼板の製
造方法として、脱炭焼鈍で形成する酸化被膜の[O]量
を特定域にコントロールすることで、高磁束密度且つ低
鉄損の特性が得られるというもので、[O]量と板厚の
関係で磁気特性への影響が述べられている。また特開昭
60−103173号公報には低鉄損を得るための製造
方法として、最終冷延された冷延板に脱炭焼鈍を施すに
際し、冷延鋼板が0.25mm以下の板厚を有し、該鋼板
の表面に脱炭焼鈍で形成される酸化層の酸素目付け量O
s(g/m2 )を上記板厚に応じ、4t+1.6≧Os
≧−8t+8.1(tは板厚(mm))の範囲に制御する
一方向性珪素鋼板の製造方法が提案されている。しか
し、これらの酸化被膜によるグラス被膜、磁性等の制御
技術は酸化膜の酸素量に注目しているもので、質、反応
性等に関する研究には至っていない。このため、高磁束
密度の方向性電磁鋼板の製造に於いてグラス被膜や磁気
特性を向上する上で未だ安定した技術を提供するに至っ
ていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来より工業化されて
いる製造方法は二次再結晶に必要なインヒビターを冷間
圧延以前の工程で造り込むものである。これに対し本発
明は特開昭62−40315号公報と同一技術思想に基
づく製造方法である。即ち二次再結晶に必要なインヒビ
ターは、脱炭焼鈍(一次再結晶)完了以降から仕上げ焼
鈍における二次再結晶発現以前までに造り込むものでそ
の手段として、鋼中にNを侵入させることによって、イ
ンヒビターとして機能する(Al,Si)Nを形成させ
る。鋼中にNを侵入させる手段としては、従来技術で提
案されているように仕上げ焼鈍昇温過程での雰囲気ガス
からのNの侵入を利用するか、脱炭焼鈍後段領域あるい
は脱炭焼鈍完了後のストリップを連続ラインでNH3 等
の窒化源となる雰囲気ガスを用いて行う。
いる製造方法は二次再結晶に必要なインヒビターを冷間
圧延以前の工程で造り込むものである。これに対し本発
明は特開昭62−40315号公報と同一技術思想に基
づく製造方法である。即ち二次再結晶に必要なインヒビ
ターは、脱炭焼鈍(一次再結晶)完了以降から仕上げ焼
鈍における二次再結晶発現以前までに造り込むものでそ
の手段として、鋼中にNを侵入させることによって、イ
ンヒビターとして機能する(Al,Si)Nを形成させ
る。鋼中にNを侵入させる手段としては、従来技術で提
案されているように仕上げ焼鈍昇温過程での雰囲気ガス
からのNの侵入を利用するか、脱炭焼鈍後段領域あるい
は脱炭焼鈍完了後のストリップを連続ラインでNH3 等
の窒化源となる雰囲気ガスを用いて行う。
【0012】ところで以上のような方法で適正なインヒ
ビターを造り込んでも、窒化時の一次再結晶組織の状態
が適当でなければ高磁束密度を有する良好な二次再結晶
は得られない。しかしながら従来方式の溶鋼成分では、
この方式の特徴である1280℃以下の温度に加熱した
後熱延したのでは析出物が粗大化し過ぎてインヒビター
としての機能はほとんど無く、結晶組織制御のため脱炭
焼鈍条件を厳密にコントロールする必要がある。そこで
本発明者らは、グラス被膜のより優れた高磁束密度方向
性電磁鋼板のさらに工業的に安定した製造方法を検討し
た。
ビターを造り込んでも、窒化時の一次再結晶組織の状態
が適当でなければ高磁束密度を有する良好な二次再結晶
は得られない。しかしながら従来方式の溶鋼成分では、
この方式の特徴である1280℃以下の温度に加熱した
後熱延したのでは析出物が粗大化し過ぎてインヒビター
としての機能はほとんど無く、結晶組織制御のため脱炭
焼鈍条件を厳密にコントロールする必要がある。そこで
本発明者らは、グラス被膜のより優れた高磁束密度方向
性電磁鋼板のさらに工業的に安定した製造方法を検討し
た。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく検討を重ねた結果、鋼中のSを特開昭62
−40315号公報に開示されているような量よりさら
に多くすることで、二次再結晶前のMnS析出物量を増
やしインヒビター力の安定性を高めて高磁束密度特性を
得易くし、なおかつ鋼中Sの増加に伴い脱炭焼鈍後の鋼
板表層のFe2SiO4 生成が容易になることで、安定
して良好なグラス被膜が形成され易いことを発見した。
さらにこの成分を有する鋼板の脱炭焼鈍工程において生
成する酸化膜成分{(Fe,Mn)O}a・(Si
O2 )b中のFe,Mn分の量、及び酸化膜中全SiO
2 量を制御し、且つ焼鈍分離剤中の塩素分を制御し、お
よび/またはSb,B,Sr,Baの化合物の1種また
は2種以上を適正量添加することで、本発明であるグラ
ス被膜が優れ、且つ磁束密度特性の著しく良好な方向性
電磁鋼板の製造方法を完成した。
を解決すべく検討を重ねた結果、鋼中のSを特開昭62
−40315号公報に開示されているような量よりさら
に多くすることで、二次再結晶前のMnS析出物量を増
やしインヒビター力の安定性を高めて高磁束密度特性を
得易くし、なおかつ鋼中Sの増加に伴い脱炭焼鈍後の鋼
板表層のFe2SiO4 生成が容易になることで、安定
して良好なグラス被膜が形成され易いことを発見した。
さらにこの成分を有する鋼板の脱炭焼鈍工程において生
成する酸化膜成分{(Fe,Mn)O}a・(Si
O2 )b中のFe,Mn分の量、及び酸化膜中全SiO
2 量を制御し、且つ焼鈍分離剤中の塩素分を制御し、お
よび/またはSb,B,Sr,Baの化合物の1種また
は2種以上を適正量添加することで、本発明であるグラ
ス被膜が優れ、且つ磁束密度特性の著しく良好な方向性
電磁鋼板の製造方法を完成した。
【0014】本発明の要旨は、重量でC :0.025
〜0.10%、 Si:2.5〜4.5%、Mn:
0.05〜0.45%、 酸可溶性Al:0.01
〜0.06%、N :0.0005〜0.013%、S
n:0.01〜0.50%を含み、残部Fe及び不可避
的不純物からなるスラブを素材とし、1280℃以下の
温度に加熱した後熱延し、最終冷延圧下率50%以上の
1回ないし中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延を施し、
さらに脱炭焼鈍、焼鈍分離剤塗布及び仕上げ焼鈍を行
い、また脱炭焼鈍後から最終仕上げ焼鈍の二次再結晶開
始までの間に鋼板に窒化処理を施す方向性電磁鋼板の製
造方法において、素材S:0.012〜0.023%
で、且つ脱炭焼鈍工程において生成する酸化膜成分
{(Fe,Mn)O}a・(SiO2 )b中のFe,M
n分が(FeO+MnO)/酸化膜中全SiO2 として
0.10〜0.50、且つ酸化膜中全SiO2 が0.6
〜1.7g/m2 となるように脱炭焼鈍し、且つ焼鈍分
離剤としてMgO100重量部に対し塩素化合物を塩素
分として0.01〜0.10重量部、および/またはS
b,B,Sr,Baの化合物の1種または2種以上を
0.05〜2.0重量部添加することを特徴とする、グ
ラス被膜の良好な高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方法
にある。
〜0.10%、 Si:2.5〜4.5%、Mn:
0.05〜0.45%、 酸可溶性Al:0.01
〜0.06%、N :0.0005〜0.013%、S
n:0.01〜0.50%を含み、残部Fe及び不可避
的不純物からなるスラブを素材とし、1280℃以下の
温度に加熱した後熱延し、最終冷延圧下率50%以上の
1回ないし中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延を施し、
さらに脱炭焼鈍、焼鈍分離剤塗布及び仕上げ焼鈍を行
い、また脱炭焼鈍後から最終仕上げ焼鈍の二次再結晶開
始までの間に鋼板に窒化処理を施す方向性電磁鋼板の製
造方法において、素材S:0.012〜0.023%
で、且つ脱炭焼鈍工程において生成する酸化膜成分
{(Fe,Mn)O}a・(SiO2 )b中のFe,M
n分が(FeO+MnO)/酸化膜中全SiO2 として
0.10〜0.50、且つ酸化膜中全SiO2 が0.6
〜1.7g/m2 となるように脱炭焼鈍し、且つ焼鈍分
離剤としてMgO100重量部に対し塩素化合物を塩素
分として0.01〜0.10重量部、および/またはS
b,B,Sr,Baの化合物の1種または2種以上を
0.05〜2.0重量部添加することを特徴とする、グ
ラス被膜の良好な高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方法
にある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
まず本発明の特徴の一つである、鋼中Sの効果について
述べる。本発明である素材Sが0.012〜0.023
%(好ましくは0.015〜0.020%)の場合、二
次再結晶前のMnS析出物がインヒビター力の安定性を
高め、従って高磁束密度特性を得られ易くなることがわ
かった。さらに図1に示すように、鋼中Sの増加に伴い
脱炭焼鈍後の鋼板表層のFe2 SiO4 生成が容易にな
ることがわかった。これはS量が本発明の範囲では、安
定して良好なグラス被膜が形成され易い(被膜欠陥の発
生率が減る)利点があることを意味する。このS量の限
定理由は、0.012%未満ではインヒビターの作用が
弱く、二次再結晶の安定化効果が低く、一方0.023
%を超えるとスラブ加熱温度が1280℃以下と低いた
めに偏析による被膜、二次再結晶のバラツキという弊害
が顕在化することにある。
まず本発明の特徴の一つである、鋼中Sの効果について
述べる。本発明である素材Sが0.012〜0.023
%(好ましくは0.015〜0.020%)の場合、二
次再結晶前のMnS析出物がインヒビター力の安定性を
高め、従って高磁束密度特性を得られ易くなることがわ
かった。さらに図1に示すように、鋼中Sの増加に伴い
脱炭焼鈍後の鋼板表層のFe2 SiO4 生成が容易にな
ることがわかった。これはS量が本発明の範囲では、安
定して良好なグラス被膜が形成され易い(被膜欠陥の発
生率が減る)利点があることを意味する。このS量の限
定理由は、0.012%未満ではインヒビターの作用が
弱く、二次再結晶の安定化効果が低く、一方0.023
%を超えるとスラブ加熱温度が1280℃以下と低いた
めに偏析による被膜、二次再結晶のバラツキという弊害
が顕在化することにある。
【0016】次に本発明のもう一つの特徴である、脱炭
焼鈍工程において生成する酸化膜成分{(Fe,Mn)
O}a・(SiO2 )b中のFe,Mn分の量、及び酸
化膜中全SiO2 量の制御と、焼鈍分離剤中の塩素分の
制御、および/またはSb,B,Sr,Baの化合物の
添加効果について述べる。
焼鈍工程において生成する酸化膜成分{(Fe,Mn)
O}a・(SiO2 )b中のFe,Mn分の量、及び酸
化膜中全SiO2 量の制御と、焼鈍分離剤中の塩素分の
制御、および/またはSb,B,Sr,Baの化合物の
添加効果について述べる。
【0017】最終冷延された素材は連続ラインに於いて
脱炭焼鈍される。この脱炭焼鈍により鋼中のCの除去と
一次再結晶が行われ、同時に鋼板表面にSiO2 を主成
分とする酸化膜の形成が行われる。本発明に於いてはそ
の際に脱炭焼鈍の雰囲気の酸化度として熱化学平衡上F
eOを生成しないFe2 SiO4 生成領域で行うのが良
質の酸化膜を得る上で重要である。本発明の成分系で
は、このような雰囲気条件では鋼板表層部に{(Fe,
Mn)O}a・(SiO2 )bの酸化層を生成し、内層
部にSiO2 主体のヌードル状に発達した酸化層を生成
するのが特徴である。生成条件としては表層部の{(F
e,Mn)O}a・(SiO2 )b中のFe,Mn分が
(FeO+MnO)/酸化膜中全SiO2 として0.1
0〜0.50、且つ酸化膜中全SiO2 が0.6〜1.
7g/m2 となるように脱炭焼鈍される。
脱炭焼鈍される。この脱炭焼鈍により鋼中のCの除去と
一次再結晶が行われ、同時に鋼板表面にSiO2 を主成
分とする酸化膜の形成が行われる。本発明に於いてはそ
の際に脱炭焼鈍の雰囲気の酸化度として熱化学平衡上F
eOを生成しないFe2 SiO4 生成領域で行うのが良
質の酸化膜を得る上で重要である。本発明の成分系で
は、このような雰囲気条件では鋼板表層部に{(Fe,
Mn)O}a・(SiO2 )bの酸化層を生成し、内層
部にSiO2 主体のヌードル状に発達した酸化層を生成
するのが特徴である。生成条件としては表層部の{(F
e,Mn)O}a・(SiO2 )b中のFe,Mn分が
(FeO+MnO)/酸化膜中全SiO2 として0.1
0〜0.50、且つ酸化膜中全SiO2 が0.6〜1.
7g/m2 となるように脱炭焼鈍される。
【0018】またその際の酸化膜中全SiO2 形成量は
板厚に応じて、下記の式により制御される。 (10t+2)/7≦W≦(22t+3)/7 ここで t:板厚で0.15〜0.4(mm)、 W:酸化膜中全SiO2 量(g/m2 )
板厚に応じて、下記の式により制御される。 (10t+2)/7≦W≦(22t+3)/7 ここで t:板厚で0.15〜0.4(mm)、 W:酸化膜中全SiO2 量(g/m2 )
【0019】本発明ではこのように酸化膜を制御するた
めに脱炭焼鈍条件としては、好ましくは800〜875
℃の温度に於いて、N2 +H2 雰囲気下で、PH2 O/
PH2 、均熱時間、加熱温度、ガス量等を調節して焼鈍
を行う。
めに脱炭焼鈍条件としては、好ましくは800〜875
℃の温度に於いて、N2 +H2 雰囲気下で、PH2 O/
PH2 、均熱時間、加熱温度、ガス量等を調節して焼鈍
を行う。
【0020】つぎに脱炭焼鈍の後半あるいは別ラインに
於いて窒化処理が行われる。その際の最適窒化量は一次
際結晶粒径にもよるが、好ましくは150〜300ppm
として処理される。その後、焼鈍分離剤として水和水分
1.5〜5.0%のMgO100重量部に対し、Ti,
Sb,Zr,Sr,Cu,Mn,Na,Kの酸化物、硫
化物、硫酸塩、ほう酸塩、塩化物の1種または2種以上
を0.1〜10重量部添加した焼鈍分離剤が塗布され、
コイルに巻取られる。
於いて窒化処理が行われる。その際の最適窒化量は一次
際結晶粒径にもよるが、好ましくは150〜300ppm
として処理される。その後、焼鈍分離剤として水和水分
1.5〜5.0%のMgO100重量部に対し、Ti,
Sb,Zr,Sr,Cu,Mn,Na,Kの酸化物、硫
化物、硫酸塩、ほう酸塩、塩化物の1種または2種以上
を0.1〜10重量部添加した焼鈍分離剤が塗布され、
コイルに巻取られる。
【0021】つぎに1200℃×20Hrの最終仕上げ
焼鈍が行われる。本発明に於いてはこの仕上げ焼鈍の雰
囲気が重要で、1200℃までの雰囲気ガスとしてN2
/(N2 +H2 )≧0.25のガスが用いられる。12
00℃に到達後の雰囲気ガスはH2 100%で焼鈍され
る。この仕上げ焼鈍では二次再結晶、純化、グラス被膜
形成が行われる。
焼鈍が行われる。本発明に於いてはこの仕上げ焼鈍の雰
囲気が重要で、1200℃までの雰囲気ガスとしてN2
/(N2 +H2 )≧0.25のガスが用いられる。12
00℃に到達後の雰囲気ガスはH2 100%で焼鈍され
る。この仕上げ焼鈍では二次再結晶、純化、グラス被膜
形成が行われる。
【0022】このようにして得られたグラス被膜付きの
鋼帯は、連続ラインに於いて800〜900℃で絶縁被
膜処理とヒートフラットニングが行われる。方向性電磁
鋼板の場合、前述の如くグラス被膜の形成状態と共に被
膜張力が鉄損得性、磁歪特性の改善に効果的であり、こ
のため例えば特公昭53−28375号公報に記載され
ているようなリン酸−コロイダルシリカ系の張力付与型
のコーティング剤を塗布し、焼付け処理される。また、
さらに鉄損改善を行う場合には、ヒートフラットニング
の前または後にレーザー、歯形ロール、プレスロール、
ケガキ、局部エッチング等により、付加さ1〜30μ
m、間隔2〜15mmで圧延方向に対し、45〜90°の
方向に点状または線状の歪あるいは溝が付与される。
鋼帯は、連続ラインに於いて800〜900℃で絶縁被
膜処理とヒートフラットニングが行われる。方向性電磁
鋼板の場合、前述の如くグラス被膜の形成状態と共に被
膜張力が鉄損得性、磁歪特性の改善に効果的であり、こ
のため例えば特公昭53−28375号公報に記載され
ているようなリン酸−コロイダルシリカ系の張力付与型
のコーティング剤を塗布し、焼付け処理される。また、
さらに鉄損改善を行う場合には、ヒートフラットニング
の前または後にレーザー、歯形ロール、プレスロール、
ケガキ、局部エッチング等により、付加さ1〜30μ
m、間隔2〜15mmで圧延方向に対し、45〜90°の
方向に点状または線状の歪あるいは溝が付与される。
【0023】本発明者らは、脱炭焼鈍後に窒化処理を行
い、(Al,Si)N主体のインヒビターを形成し、焼
鈍分離剤と最終仕上げ焼鈍条件によって良質のグラス被
膜と優れた磁気特性を得るためには、脱炭酸化膜の質、
量、焼鈍分離剤、仕上げ焼鈍条件を特定域に制御するこ
とが重要であることを膨大な実験と研究を行いつきとめ
た。すなわち、これらの工程条件の適切な制御を行うこ
とにより、グラス被膜の形成が昇温時低温側で開始し、
シール性の良好な被膜を形成することにより、昇温時後
段の900℃以降に於ける鋼板表面の追加酸化等を防止
して、均一で、磁性に有害な内部被膜層の少ない、良好
な被膜と優れた磁気特性を有する方向性電磁鋼板の製造
技術の開発に至ったものである。
い、(Al,Si)N主体のインヒビターを形成し、焼
鈍分離剤と最終仕上げ焼鈍条件によって良質のグラス被
膜と優れた磁気特性を得るためには、脱炭酸化膜の質、
量、焼鈍分離剤、仕上げ焼鈍条件を特定域に制御するこ
とが重要であることを膨大な実験と研究を行いつきとめ
た。すなわち、これらの工程条件の適切な制御を行うこ
とにより、グラス被膜の形成が昇温時低温側で開始し、
シール性の良好な被膜を形成することにより、昇温時後
段の900℃以降に於ける鋼板表面の追加酸化等を防止
して、均一で、磁性に有害な内部被膜層の少ない、良好
な被膜と優れた磁気特性を有する方向性電磁鋼板の製造
技術の開発に至ったものである。
【0024】つぎに、本発明に於ける構成技術の限定理
由について述べる。本発明に於ける特徴として、次の脱
炭焼鈍に於ける酸化膜の形成である。この酸化膜の構成
は表層に形成する{(Fe,Mn)O}a・(Si
O2 )b中のFe,Mn分が(FeO+MnO)/酸化
膜中全SiO2 として0.10〜0.50、且つ酸化膜
中全SiO2 が0.6〜1.7g/m2 となるようにす
る。
由について述べる。本発明に於ける特徴として、次の脱
炭焼鈍に於ける酸化膜の形成である。この酸化膜の構成
は表層に形成する{(Fe,Mn)O}a・(Si
O2 )b中のFe,Mn分が(FeO+MnO)/酸化
膜中全SiO2 として0.10〜0.50、且つ酸化膜
中全SiO2 が0.6〜1.7g/m2 となるようにす
る。
【0025】またその際の酸化膜中全SiO2 形成量は
板厚に応じて、下記の式により制御される。 (10t+2)/7≦W≦(22t+3)/7 ここで t:板厚で0.15〜0.4(mm)、 W:酸化膜中全SiO2 量(g/m2 )
板厚に応じて、下記の式により制御される。 (10t+2)/7≦W≦(22t+3)/7 ここで t:板厚で0.15〜0.4(mm)、 W:酸化膜中全SiO2 量(g/m2 )
【0026】本発明に於ける成分系素材では、脱炭焼鈍
で形成される酸化膜は表層部の{(Fe,Mn)O}a
・(SiO2 )bの薄膜層と内層のSiO2 主体のヌー
ドル状に発達する酸化膜によって構成される。本発明者
らは膨大な実験と研究により、酸化膜性状のグラス被膜
形成や磁気特性への影響を検討しこれらの形成条件を確
立するに至った。
で形成される酸化膜は表層部の{(Fe,Mn)O}a
・(SiO2 )bの薄膜層と内層のSiO2 主体のヌー
ドル状に発達する酸化膜によって構成される。本発明者
らは膨大な実験と研究により、酸化膜性状のグラス被膜
形成や磁気特性への影響を検討しこれらの形成条件を確
立するに至った。
【0027】すなわち被膜形成反応においては表層の
{(Fe,Mn)O}a・(SiO2)bの形成量によ
ってグラス被膜の形成反応速度が著しく影響を受け、酸
化膜中全SiO2 量によってグラス被膜(フォルステラ
イト+スピネル)の形成量、形成状態が支配される。こ
れらを適正化することにより、グラス被膜の性状の適正
化とグラス被膜形成過程での鋼中インヒビターの安定化
がもたらされて良好なグラス被膜と良好な磁気特性の両
立が得られることを発見するに至った。
{(Fe,Mn)O}a・(SiO2)bの形成量によ
ってグラス被膜の形成反応速度が著しく影響を受け、酸
化膜中全SiO2 量によってグラス被膜(フォルステラ
イト+スピネル)の形成量、形成状態が支配される。こ
れらを適正化することにより、グラス被膜の性状の適正
化とグラス被膜形成過程での鋼中インヒビターの安定化
がもたらされて良好なグラス被膜と良好な磁気特性の両
立が得られることを発見するに至った。
【0028】{(Fe,Mn)O}a・(SiO2 )b
中のFe,Mn分は、(FeO+MnO)/酸化膜中全
SiO2 として0.10〜0.50に制限される。0.
10未満ではグラス被膜形成時の反応促進効果が弱く、
形成反応が遅れると共に良好なグラス被膜が得られな
い。このため仕上げ焼鈍昇温過程での表面のシール効果
がえられず、脱インヒビターも早まって、磁気特性の劣
化傾向が見られる。逆に0.50を超えるとグラス被膜
形成時に被膜の融点が下がりすぎたり、FeO,MnO
リッチなグラス被膜層を形成する。このような場合に
は、ピンホール状の欠陥が生じたり、極端な場合にはグ
ラス被膜中のFeO,MnO等が仕上げ焼鈍の均熱中で
還元され、薄膜化して密着性、低張力のポーラスな被膜
となる。
中のFe,Mn分は、(FeO+MnO)/酸化膜中全
SiO2 として0.10〜0.50に制限される。0.
10未満ではグラス被膜形成時の反応促進効果が弱く、
形成反応が遅れると共に良好なグラス被膜が得られな
い。このため仕上げ焼鈍昇温過程での表面のシール効果
がえられず、脱インヒビターも早まって、磁気特性の劣
化傾向が見られる。逆に0.50を超えるとグラス被膜
形成時に被膜の融点が下がりすぎたり、FeO,MnO
リッチなグラス被膜層を形成する。このような場合に
は、ピンホール状の欠陥が生じたり、極端な場合にはグ
ラス被膜中のFeO,MnO等が仕上げ焼鈍の均熱中で
還元され、薄膜化して密着性、低張力のポーラスな被膜
となる。
【0029】酸化膜中の全SiO2 量は、0.6〜1.
7g/m2 とする。前述のようにグラス被膜の主成分は
フォルステライト(Mg2 SiO4 )であり、本発明の
成分系素材では鋼中のAlによりもたらされるAl2 O
3 や焼鈍分離剤中のMgO,SiO2 ,Al2 O3 ,T
iO2 等によりスピネル構造被膜によって構成される。
全SiO2 量はこれらの最終的なグラス被膜の形成量と
形成状態を支配するために重要である。SiO2 量が
0.6g/m2 未満ではグラス被膜形成量が不足して良
好な密着性が得られず、被膜張力による鉄損の改善効果
も小さい。また昇温過程での過剰な追加窒化や脱インヒ
ビターが早まって磁束密度が低下する。逆に1.7g/
m2 を超えるとグラス被膜が厚くなりすぎたり、内部の
スピネル構造部の厚みや凹凸が増大して、鉄損得性や磁
束密度の低下をもたらすため好ましくない。0.6〜
1.7g/m2 の範囲ではこれらの問題がなく、良好な
被膜と磁性が得られる。
7g/m2 とする。前述のようにグラス被膜の主成分は
フォルステライト(Mg2 SiO4 )であり、本発明の
成分系素材では鋼中のAlによりもたらされるAl2 O
3 や焼鈍分離剤中のMgO,SiO2 ,Al2 O3 ,T
iO2 等によりスピネル構造被膜によって構成される。
全SiO2 量はこれらの最終的なグラス被膜の形成量と
形成状態を支配するために重要である。SiO2 量が
0.6g/m2 未満ではグラス被膜形成量が不足して良
好な密着性が得られず、被膜張力による鉄損の改善効果
も小さい。また昇温過程での過剰な追加窒化や脱インヒ
ビターが早まって磁束密度が低下する。逆に1.7g/
m2 を超えるとグラス被膜が厚くなりすぎたり、内部の
スピネル構造部の厚みや凹凸が増大して、鉄損得性や磁
束密度の低下をもたらすため好ましくない。0.6〜
1.7g/m2 の範囲ではこれらの問題がなく、良好な
被膜と磁性が得られる。
【0030】またその際の酸化膜中全SiO2 形成量
は、前述のごとく最終的なグラス被膜量と被膜の界面状
態を決めるため、板厚に応じて下記の式により制御する
のが良い。 (10t+2)/7≦W≦(22t+3)/7 ここで t:板厚で0.15〜0.4(mm)、 W:酸化膜中全SiO2 量(g/m2 )
は、前述のごとく最終的なグラス被膜量と被膜の界面状
態を決めるため、板厚に応じて下記の式により制御する
のが良い。 (10t+2)/7≦W≦(22t+3)/7 ここで t:板厚で0.15〜0.4(mm)、 W:酸化膜中全SiO2 量(g/m2 )
【0031】このように制御すれば各板厚に於いて同一
の被膜張力が得られ、磁性に対するグラス被膜の悪影響
がない。またこれによってグラス被膜下部に存在するス
ピネルによるサブスケール層も適正に制御され、最終製
品をレーザー等で磁区細分化する場合の鉄損改善効果も
顕著に得られる。また被膜の密着性も各板厚に於いて良
好に保たれる。このような酸化膜成分、性状のコントロ
ールは焼鈍温度、雰囲気露点、均熱時間、雰囲気ガス量
等によって行われる。脱炭焼鈍温度は800〜875℃
の範囲が好ましい。他の焼鈍条件は板厚、鋼成分等に応
じて選択される。図2は脱炭焼鈍後の全酸化膜中SiO
2 と(FeO+MnO)の最適領域を示し、図3は酸化
膜中全SiO2 と鋼板板厚の最適領域を示す。
の被膜張力が得られ、磁性に対するグラス被膜の悪影響
がない。またこれによってグラス被膜下部に存在するス
ピネルによるサブスケール層も適正に制御され、最終製
品をレーザー等で磁区細分化する場合の鉄損改善効果も
顕著に得られる。また被膜の密着性も各板厚に於いて良
好に保たれる。このような酸化膜成分、性状のコントロ
ールは焼鈍温度、雰囲気露点、均熱時間、雰囲気ガス量
等によって行われる。脱炭焼鈍温度は800〜875℃
の範囲が好ましい。他の焼鈍条件は板厚、鋼成分等に応
じて選択される。図2は脱炭焼鈍後の全酸化膜中SiO
2 と(FeO+MnO)の最適領域を示し、図3は酸化
膜中全SiO2 と鋼板板厚の最適領域を示す。
【0032】つぎに焼鈍分離剤としては水和水分1.5
〜5.0のMgO100重量部に対し、Ti,Sb,Z
r,Sr,Cu,Mn,Na,Kの酸化物、硫化物、硫
酸塩、ほう酸塩、塩化物の1種または2種以上を0.1
〜10重量部添加したものが使用される。
〜5.0のMgO100重量部に対し、Ti,Sb,Z
r,Sr,Cu,Mn,Na,Kの酸化物、硫化物、硫
酸塩、ほう酸塩、塩化物の1種または2種以上を0.1
〜10重量部添加したものが使用される。
【0033】水和水分が1.5%未満では、仕上げ焼鈍
昇温過程でコイル板間の酸化度が下がりすぎ、前記
{(Fe,Mn)O}a・(SiO2 )bの還元が進行
し、(FeO+MnO)が減少しグラス被膜形成反応を
阻害するため制限される。一方5.0%を超えると板間
の酸化度が高くなって表層部の追加酸化現象を生じ、こ
のため(FeO+MnO)の増加や、SiO2 量の増加
をもたらし、脱炭焼鈍で形成した酸化膜成分が適正域か
らはずれるという問題が生じる。
昇温過程でコイル板間の酸化度が下がりすぎ、前記
{(Fe,Mn)O}a・(SiO2 )bの還元が進行
し、(FeO+MnO)が減少しグラス被膜形成反応を
阻害するため制限される。一方5.0%を超えると板間
の酸化度が高くなって表層部の追加酸化現象を生じ、こ
のため(FeO+MnO)の増加や、SiO2 量の増加
をもたらし、脱炭焼鈍で形成した酸化膜成分が適正域か
らはずれるという問題が生じる。
【0034】MgO添加物は酸化膜中の{(Fe,M
n)O}a・(SiO2 )bと同様にグラス被膜特性を
向上し、表面のシール性を高め、インヒビターの安定化
をはかる目的で添加される。これにより、グラス被膜の
形成時期まで(FeO+MnO)が安定に保たれ、グラ
ス被膜形成の促進効果とこれによりインヒビターの安定
化効果が得られる。この結果グラス被膜と磁気特性が安
定向上する。
n)O}a・(SiO2 )bと同様にグラス被膜特性を
向上し、表面のシール性を高め、インヒビターの安定化
をはかる目的で添加される。これにより、グラス被膜の
形成時期まで(FeO+MnO)が安定に保たれ、グラ
ス被膜形成の促進効果とこれによりインヒビターの安定
化効果が得られる。この結果グラス被膜と磁気特性が安
定向上する。
【0035】前記添加物が0.1重量部未満では、この
ような酸化膜の保護、グラス被膜形成促進効果が弱く、
前記効果がえられ難い。一方10重量部を超えると(F
eO+MnO)量との関係で過酸化現象を起こし易く、
特に酸化物、塩化物系物質の添加の場合にはシモフリ、
スケール状の被膜欠陥が生じ、さらに追加酸化等による
内部被膜層の増加により磁性の劣化をもたらす。
ような酸化膜の保護、グラス被膜形成促進効果が弱く、
前記効果がえられ難い。一方10重量部を超えると(F
eO+MnO)量との関係で過酸化現象を起こし易く、
特に酸化物、塩化物系物質の添加の場合にはシモフリ、
スケール状の被膜欠陥が生じ、さらに追加酸化等による
内部被膜層の増加により磁性の劣化をもたらす。
【0036】つぎに本発明により、被膜特性が優れ、且
つ磁気特性の著しく優れた方向性電磁鋼板が得られるメ
カニズムとしては次のように考えられる。本発明である
素材Sが0.012〜0.023%の場合、二次再結晶
前のMnS析出物がインヒビター力の安定性を高め、従
って高磁束密度特性を得易くなることがわかった。さら
に図1に示すように、鋼中Sの増加に伴い脱炭焼鈍後の
鋼板表層のFe2 SiO4 生成が容易になることがわか
った。これはS量が本発明の範囲では、安定して良好な
グラス被膜が形成され易いことを意味する。さらに本発
明では脱炭焼鈍時に形成した適正量のSiO2 と同時に
適正量の{(Fe,Mn)O}a・(SiO2 )bを形
成することにより、焼鈍分離剤MgOとの反応性を著し
く高めてフォルステライト被膜形成を低温下、均一化
し、最終的に適正量のフォルステライト及びスピネル構
造のグラス被膜を形成する。その際本発明領域では追加
酸化抑制と表面均一化効果によって、磁性に有害な内部
被膜層(スピネル主体)が適正な形成状態に制御され、
均一緻密で密着性が良く、磁区細分化効果能に優れるグ
ラス被膜を形成する。このグラス被膜形成過程において
は昇温時前段に於いて前記良質グラス被膜の表面シール
効果によって雰囲気からのN2 の進入等によるインヒビ
ターの弱体化を防止し、さらに昇温時後段に於いては追
加酸化による酸化膜中のSiO2 の増加を抑え、磁性に
有害な内部被膜層の増加を防止する。以上のような作用
により、被膜特性が優れ、且つ磁気特性の著しく優れた
方向性電磁鋼板が得られる。このようにして得られた製
品では、グラス被膜界面が比較的スムーズで鉄損改善の
ために行われる磁区細分化処理に於いて著しい改善効果
が得られ、低鉄損化が可能となる。
つ磁気特性の著しく優れた方向性電磁鋼板が得られるメ
カニズムとしては次のように考えられる。本発明である
素材Sが0.012〜0.023%の場合、二次再結晶
前のMnS析出物がインヒビター力の安定性を高め、従
って高磁束密度特性を得易くなることがわかった。さら
に図1に示すように、鋼中Sの増加に伴い脱炭焼鈍後の
鋼板表層のFe2 SiO4 生成が容易になることがわか
った。これはS量が本発明の範囲では、安定して良好な
グラス被膜が形成され易いことを意味する。さらに本発
明では脱炭焼鈍時に形成した適正量のSiO2 と同時に
適正量の{(Fe,Mn)O}a・(SiO2 )bを形
成することにより、焼鈍分離剤MgOとの反応性を著し
く高めてフォルステライト被膜形成を低温下、均一化
し、最終的に適正量のフォルステライト及びスピネル構
造のグラス被膜を形成する。その際本発明領域では追加
酸化抑制と表面均一化効果によって、磁性に有害な内部
被膜層(スピネル主体)が適正な形成状態に制御され、
均一緻密で密着性が良く、磁区細分化効果能に優れるグ
ラス被膜を形成する。このグラス被膜形成過程において
は昇温時前段に於いて前記良質グラス被膜の表面シール
効果によって雰囲気からのN2 の進入等によるインヒビ
ターの弱体化を防止し、さらに昇温時後段に於いては追
加酸化による酸化膜中のSiO2 の増加を抑え、磁性に
有害な内部被膜層の増加を防止する。以上のような作用
により、被膜特性が優れ、且つ磁気特性の著しく優れた
方向性電磁鋼板が得られる。このようにして得られた製
品では、グラス被膜界面が比較的スムーズで鉄損改善の
ために行われる磁区細分化処理に於いて著しい改善効果
が得られ、低鉄損化が可能となる。
【0037】
【実施例】次に本発明の実施例を挙げて説明する。 [実施例1]表1に示す鋼の成分組成を含む溶鋼を鋳造
したスラブを、1150℃で加熱した後熱延し、2.0
mm厚みの熱延板とした。ついでこれらの熱延板を105
0℃×2.5分+900℃×2分間焼鈍を行った後10
0℃の湯中に冷却し、更に酸洗した後冷間圧延を行い
0.23mm厚にした。
したスラブを、1150℃で加熱した後熱延し、2.0
mm厚みの熱延板とした。ついでこれらの熱延板を105
0℃×2.5分+900℃×2分間焼鈍を行った後10
0℃の湯中に冷却し、更に酸洗した後冷間圧延を行い
0.23mm厚にした。
【0038】次にこの冷延板を830℃、N2 25%+
H2 75%ガス中で露点と均熱時間を変えて脱炭焼鈍を
行い、さらにN2 25%+H2 75%ガス中にNH3 ガ
ス量を変えて添加し、鋼板窒化量が200ppm になるよ
うに窒化処理した。この時点での酸化膜の成分を表2に
示す。この鋼板上に、MgOパウダー中の塩素量をSr
Cl2 を添加して0.03〜0.04重量部になるよう
に調整し、またNa2B4 O7 を0.3重量部とTiO
2 を5重量部添加した焼鈍分離剤を塗布し、乾燥した。
この時の水和水分は2.0%であった。この鋼板を昇温
時雰囲気としてN2 50%+H2 50%、均熱時H2 1
00%で1200℃×20時間の最終仕上げ焼鈍を行っ
た。その後絶縁被膜剤として30%コロイド状シリカ7
0ml+50%リン酸Al50ml+クロム酸5gからなる
処理剤を乾燥後の重量で5g/m2 になるように塗布
し、850℃×30秒の焼き付け処理を行って製品とし
た。この試験に於ける被膜特性と磁気特性の結果を表3
に示す。
H2 75%ガス中で露点と均熱時間を変えて脱炭焼鈍を
行い、さらにN2 25%+H2 75%ガス中にNH3 ガ
ス量を変えて添加し、鋼板窒化量が200ppm になるよ
うに窒化処理した。この時点での酸化膜の成分を表2に
示す。この鋼板上に、MgOパウダー中の塩素量をSr
Cl2 を添加して0.03〜0.04重量部になるよう
に調整し、またNa2B4 O7 を0.3重量部とTiO
2 を5重量部添加した焼鈍分離剤を塗布し、乾燥した。
この時の水和水分は2.0%であった。この鋼板を昇温
時雰囲気としてN2 50%+H2 50%、均熱時H2 1
00%で1200℃×20時間の最終仕上げ焼鈍を行っ
た。その後絶縁被膜剤として30%コロイド状シリカ7
0ml+50%リン酸Al50ml+クロム酸5gからなる
処理剤を乾燥後の重量で5g/m2 になるように塗布
し、850℃×30秒の焼き付け処理を行って製品とし
た。この試験に於ける被膜特性と磁気特性の結果を表3
に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】この結果、鋼中Sが多くなると、本発明域
に於いて高磁束密度特性が得られた。また(FeO+M
nO)/酸化膜中全SiO2 が多くなる傾向を示した。
(FeO+MnO)/酸化膜中全SiO2 を本発明域に
制御した条件では、いずれもグラス被膜が均一で良好な
外観を呈し、密着性も良好な結果が得られた。またこの
場合にはいずれも良好な磁気特性が得られた。
に於いて高磁束密度特性が得られた。また(FeO+M
nO)/酸化膜中全SiO2 が多くなる傾向を示した。
(FeO+MnO)/酸化膜中全SiO2 を本発明域に
制御した条件では、いずれもグラス被膜が均一で良好な
外観を呈し、密着性も良好な結果が得られた。またこの
場合にはいずれも良好な磁気特性が得られた。
【0043】一方(FeO+MnO)/酸化膜中全Si
O2 が0.05と少ない場合にはグラス被膜が薄く不均
一で、磁気特性も不良であった。また(FeO+Mn
O)/酸化膜中全SiO2 が0.55と多すぎる場合は
グラス被膜は厚いが金属光沢状の斑点が多く、部分的に
はスケール状のムラが見られ、この場合も磁気特性は劣
化傾向であった。
O2 が0.05と少ない場合にはグラス被膜が薄く不均
一で、磁気特性も不良であった。また(FeO+Mn
O)/酸化膜中全SiO2 が0.55と多すぎる場合は
グラス被膜は厚いが金属光沢状の斑点が多く、部分的に
はスケール状のムラが見られ、この場合も磁気特性は劣
化傾向であった。
【0044】[実施例2]表1に示す鋼Cの成分組成を
含む溶鋼を鋳造したスラブを、1150℃で加熱した後
熱延し、2.0mm厚みの熱延板とした。ついでこれらの
熱延板を1050℃×2.5分+900℃×2分間焼鈍
を行った後100℃の湯中に冷却し、更に酸洗した後冷
間圧延を行い0.30mm厚にした。
含む溶鋼を鋳造したスラブを、1150℃で加熱した後
熱延し、2.0mm厚みの熱延板とした。ついでこれらの
熱延板を1050℃×2.5分+900℃×2分間焼鈍
を行った後100℃の湯中に冷却し、更に酸洗した後冷
間圧延を行い0.30mm厚にした。
【0045】次にこの冷延板を830℃、N2 25%+
H2 75%ガス中で露点と均熱時間を変えて脱炭焼鈍を
行い、さらにN2 25%+H2 75%ガス中にNH3 ガ
ス量を変えて添加し、鋼板窒化量が200ppm になるよ
うに窒化処理し、表4に示すように酸化膜の成分を変更
した。この鋼板上に、MgOパウダー中の塩素量をMn
Cl2 を添加して0.03〜0.04重量部になるよう
に調整し、またSb2(SO4 )3 を0.3重量部とT
iO2 を5重量部添加した焼鈍分離剤を塗布し、乾燥し
た。この時の水和水分は3.0%であった。
H2 75%ガス中で露点と均熱時間を変えて脱炭焼鈍を
行い、さらにN2 25%+H2 75%ガス中にNH3 ガ
ス量を変えて添加し、鋼板窒化量が200ppm になるよ
うに窒化処理し、表4に示すように酸化膜の成分を変更
した。この鋼板上に、MgOパウダー中の塩素量をMn
Cl2 を添加して0.03〜0.04重量部になるよう
に調整し、またSb2(SO4 )3 を0.3重量部とT
iO2 を5重量部添加した焼鈍分離剤を塗布し、乾燥し
た。この時の水和水分は3.0%であった。
【0046】この鋼板を昇温時雰囲気としてN2 75%
+H2 25%、均熱時H2 100%で1200℃×20
時間の最終仕上げ焼鈍を行った。その後絶縁被膜剤とし
て30%コロイド状シリカ70ml+50%リン酸Al5
0ml+クロム酸5gからなる処理剤を乾燥後の重量で5
g/m2 になるように塗布し、850℃×30秒の焼き
付け処理を行って製品とした。この試験に於ける被膜特
性と磁気特性の結果を表5に示す。
+H2 25%、均熱時H2 100%で1200℃×20
時間の最終仕上げ焼鈍を行った。その後絶縁被膜剤とし
て30%コロイド状シリカ70ml+50%リン酸Al5
0ml+クロム酸5gからなる処理剤を乾燥後の重量で5
g/m2 になるように塗布し、850℃×30秒の焼き
付け処理を行って製品とした。この試験に於ける被膜特
性と磁気特性の結果を表5に示す。
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】この結果、本発明によるものはいずれも均
一で光沢があり、被膜の密着性が良好で、磁気特性も良
好であった。一方比較例のものは(FeO+MnO)/
酸化膜中全SiO2 量の少ない場合は被膜が薄く不均一
であり、多い場合は被膜が不均一でスケール上のムラが
発生した。これらの場合、磁気特性も不良であった。
一で光沢があり、被膜の密着性が良好で、磁気特性も良
好であった。一方比較例のものは(FeO+MnO)/
酸化膜中全SiO2 量の少ない場合は被膜が薄く不均一
であり、多い場合は被膜が不均一でスケール上のムラが
発生した。これらの場合、磁気特性も不良であった。
【0050】[実施例3]表1に示す鋼Cの成分組成を
含む溶鋼を鋳造したスラブを、1150℃で加熱した後
熱延し、2.0mm厚みの熱延板とした。ついでこれらの
熱延板を1050℃×2.5分+900℃×2分間焼鈍
を行った後100℃の湯中に冷却し、更に酸洗した後冷
間圧延を行い0.30mm厚にした。
含む溶鋼を鋳造したスラブを、1150℃で加熱した後
熱延し、2.0mm厚みの熱延板とした。ついでこれらの
熱延板を1050℃×2.5分+900℃×2分間焼鈍
を行った後100℃の湯中に冷却し、更に酸洗した後冷
間圧延を行い0.30mm厚にした。
【0051】次にこの冷延板を830℃、N2 25%+
H2 75%ガス中で露点と均熱時間を変えて脱炭焼鈍を
行い、さらにN2 25%+H2 75%ガス中にNH3 ガ
ス量を変えて添加し、鋼板窒化量が200ppm になるよ
うに窒化処理し、表6に示すような酸化膜の成分を得
た。この鋼板上に、表6に示すようにMgOパウダー中
の塩素量をCoCl2 を添加して調整し、さらにSb,
B化合物としてSb2 (SO4 )3 とNa2 B4 O7 を
使用、またいずれの場合もTiO2 を5重量部添加した
焼鈍分離剤を塗布し、乾燥した。この時の水和水分は
3.0%であった。この鋼板を昇温時雰囲気としてN2
75%+H2 25%、均熱時H2 100%で1200℃
×20時間の最終仕上げ焼鈍を行った。その後絶縁被膜
剤として30%コロイド状シリカ70ml+50%リン酸
Al50ml+クロム酸5gからなる処理剤を乾燥後の重
量で5g/m2 になるように塗布し、850℃×30秒
の焼き付け処理を行って製品とした。この試験に於ける
被膜特性と磁気特性の結果を表7に示す。
H2 75%ガス中で露点と均熱時間を変えて脱炭焼鈍を
行い、さらにN2 25%+H2 75%ガス中にNH3 ガ
ス量を変えて添加し、鋼板窒化量が200ppm になるよ
うに窒化処理し、表6に示すような酸化膜の成分を得
た。この鋼板上に、表6に示すようにMgOパウダー中
の塩素量をCoCl2 を添加して調整し、さらにSb,
B化合物としてSb2 (SO4 )3 とNa2 B4 O7 を
使用、またいずれの場合もTiO2 を5重量部添加した
焼鈍分離剤を塗布し、乾燥した。この時の水和水分は
3.0%であった。この鋼板を昇温時雰囲気としてN2
75%+H2 25%、均熱時H2 100%で1200℃
×20時間の最終仕上げ焼鈍を行った。その後絶縁被膜
剤として30%コロイド状シリカ70ml+50%リン酸
Al50ml+クロム酸5gからなる処理剤を乾燥後の重
量で5g/m2 になるように塗布し、850℃×30秒
の焼き付け処理を行って製品とした。この試験に於ける
被膜特性と磁気特性の結果を表7に示す。
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】この結果、本発明によるものはいずれも均
一で光沢があり、被膜の密着性が良好で、磁気特性も良
好であった。特に焼鈍分離剤中にSb,Bの化合物添加
した場合は、磁気特性がさらに優れていた。一方比較例
のものは、塩素分が少ない場合は被膜が薄く不均一であ
り、多い場合は被膜が不均一でスケール上のムラが発生
した。これらの場合、磁気特性も不良であった。
一で光沢があり、被膜の密着性が良好で、磁気特性も良
好であった。特に焼鈍分離剤中にSb,Bの化合物添加
した場合は、磁気特性がさらに優れていた。一方比較例
のものは、塩素分が少ない場合は被膜が薄く不均一であ
り、多い場合は被膜が不均一でスケール上のムラが発生
した。これらの場合、磁気特性も不良であった。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、仕上げ焼鈍昇温時前段
でタイトなグラス質被膜が早期に形成され、最終製品と
して均一で適正な内部被膜層を有する良好なグラス被膜
が得られる。また、これにより鋼中のインヒビターが二
次再結晶磁気まで安定に保たれ、且つ鋼中Sの作用と併
せて、高磁束密度特性を有する方向性電磁鋼板を製造す
ることができる。
でタイトなグラス質被膜が早期に形成され、最終製品と
して均一で適正な内部被膜層を有する良好なグラス被膜
が得られる。また、これにより鋼中のインヒビターが二
次再結晶磁気まで安定に保たれ、且つ鋼中Sの作用と併
せて、高磁束密度特性を有する方向性電磁鋼板を製造す
ることができる。
【図1】脱炭焼鈍に於ける酸化膜の成分{(Fe,M
n)O}a・(SiO2 )b中の(FeO+MnO)/
酸化膜中全SiO2 の量と、鋼中S量との関係を示す。
n)O}a・(SiO2 )b中の(FeO+MnO)/
酸化膜中全SiO2 の量と、鋼中S量との関係を示す。
【図2】本発明の脱炭焼鈍に於ける酸化膜の成分SiO
2 と、{(Fe,Mn)O}a・(SiO2 )b中の
(FeO+MnO)/酸化膜中全SiO2 の量の最適条
件を示す。本発明の条件域は図中の斜線域で示す。
2 と、{(Fe,Mn)O}a・(SiO2 )b中の
(FeO+MnO)/酸化膜中全SiO2 の量の最適条
件を示す。本発明の条件域は図中の斜線域で示す。
【図3】本発明の鋼板板厚と最適SiO2 形成域を示
す。本発明では、良好な磁気特性と被膜特性を得るため
図中の斜線域にSiO2 量が制限される。
す。本発明では、良好な磁気特性と被膜特性を得るため
図中の斜線域にSiO2 量が制限される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒木 克郎 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 日 鐵プラント設計株式会社内 (72)発明者 山崎 幸司 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 石橋 希瑞 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内
Claims (3)
- 【請求項1】 重量で C :0.025〜0.10%、 Si:2.5〜4.5%、 Mn:0.05〜0.45%、 酸可溶性Al:0.01〜0.06%、 N :0.0005〜0.013%、 Sn:0.01〜0.50%を含み、残部Fe及び不可
避的不純物からなるスラブを素材とし、1280℃以下
の温度に加熱した後熱延し、最終冷延圧下率50%以上
の1回ないし中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延を施
し、さらに脱炭焼鈍、焼鈍分離剤塗布及び仕上げ焼鈍を
行い、また脱炭焼鈍後から最終仕上げ焼鈍の二次再結晶
開始までの間に鋼板に窒化処理を施す方向性電磁鋼板の
製造方法において、素材S:0.012〜0.023%
で、且つ脱炭焼鈍工程において生成する酸化膜成分
{(Fe,Mn)O}a・(SiO2 )b中のFe,M
n分が(FeO+MnO)/酸化膜中全SiO2 として
0.10〜0.50、且つ酸化膜中全SiO2 が0.6
〜1.7g/m2 となるように脱炭焼鈍し、且つ焼鈍分
離剤としてMgO100重量部に対し塩素化合物を塩素
分として0.01〜0.10重量部、および/またはS
b,B,Sr,Baの化合物の1種または2種以上を
0.05〜2.0重量部添加することを特徴とする、グ
ラス被膜の良好な高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方
法。 - 【請求項2】 前記素材で、熱延板焼鈍を行い、且つ最
終冷延圧下率が80%以上であることを特徴とする請求
項1記載のグラス被膜の良好な高磁束密度方向性電磁鋼
板の製造方法。 - 【請求項3】 脱炭焼鈍における酸化膜中全SiO2 形
成量W(g/m2 )を下記の式により制御することを特
徴とする請求項1或いは2記載のグラス被膜の良好な高
磁束密度方向性電磁鋼板の製造方法。 (10t+2)/7≦W≦(22t+3)/7 ここで t:板厚で0.15〜0.4(mm)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7308981A JPH09143563A (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | グラス被膜の良好な高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7308981A JPH09143563A (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | グラス被膜の良好な高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09143563A true JPH09143563A (ja) | 1997-06-03 |
Family
ID=17987531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7308981A Withdrawn JPH09143563A (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | グラス被膜の良好な高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09143563A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200022016A (ko) * | 2017-07-13 | 2020-03-02 | 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 | 방향성 전자 강판 |
-
1995
- 1995-11-28 JP JP7308981A patent/JPH09143563A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200022016A (ko) * | 2017-07-13 | 2020-03-02 | 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 | 방향성 전자 강판 |
JPWO2019013354A1 (ja) * | 2017-07-13 | 2020-04-30 | 日本製鉄株式会社 | 方向性電磁鋼板 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030204 |