JPH09143114A - ビスフェノールaの製造方法 - Google Patents
ビスフェノールaの製造方法Info
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- JPH09143114A JPH09143114A JP7301409A JP30140995A JPH09143114A JP H09143114 A JPH09143114 A JP H09143114A JP 7301409 A JP7301409 A JP 7301409A JP 30140995 A JP30140995 A JP 30140995A JP H09143114 A JPH09143114 A JP H09143114A
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- phenol
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ビスフェノールAの製造方法の提供。
【解決手段】 ビスフェノールAの製造方法において、
蒸留塔出口から熱交換機入口までの配管距離X及び熱交
換器出口から晶析機入口までの配管距離Yが、Y/X=
2〜10なる条件を満足すること。
蒸留塔出口から熱交換機入口までの配管距離X及び熱交
換器出口から晶析機入口までの配管距離Yが、Y/X=
2〜10なる条件を満足すること。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビスフェノールA
の製造方法に関するものである。詳しくは、フェノール
とアセトンとを強酸性イオン交換樹脂触媒の存在下に反
応させて得られたビスフェノールAを含む反応混合物か
ら着色の少ないビスフェノールAを製造する方法に関す
るものである。ビスフェノールAはエポキシ樹脂或いは
ポリカーボネート樹脂の原料として重要な化合物であ
り、近年その用途及び需要が増大している。
の製造方法に関するものである。詳しくは、フェノール
とアセトンとを強酸性イオン交換樹脂触媒の存在下に反
応させて得られたビスフェノールAを含む反応混合物か
ら着色の少ないビスフェノールAを製造する方法に関す
るものである。ビスフェノールAはエポキシ樹脂或いは
ポリカーボネート樹脂の原料として重要な化合物であ
り、近年その用途及び需要が増大している。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールAは、通常、フェノール
とアセトンとを酸性触媒の存在下に反応させることによ
り製造される。反応混合物は、ビスフェノールAの他
に、未反応フェノール、未反応アセトン、反応副生水及
び着色物質等の反応副生物を含んでいる。酸性触媒とし
ては、強酸性イオン交換樹脂が代表的である。また、強
酸性イオン交換樹脂のスルホン酸基の一部をメルカプト
基とアミノ基とを併せ持つメルカプトアルキルアミン等
により中和された触媒を用いることにより反応成績の向
上を図っている(特公昭55−16700号公報)。
とアセトンとを酸性触媒の存在下に反応させることによ
り製造される。反応混合物は、ビスフェノールAの他
に、未反応フェノール、未反応アセトン、反応副生水及
び着色物質等の反応副生物を含んでいる。酸性触媒とし
ては、強酸性イオン交換樹脂が代表的である。また、強
酸性イオン交換樹脂のスルホン酸基の一部をメルカプト
基とアミノ基とを併せ持つメルカプトアルキルアミン等
により中和された触媒を用いることにより反応成績の向
上を図っている(特公昭55−16700号公報)。
【0003】この反応混合物から高純度のビスフェノー
ルAを分離回収するために、蒸留塔(以下、脱水塔と言
うことがある)において、該反応混合物から未反応アセ
トン、水及び一部のフェノールを減圧蒸留により除去し
た後、冷却してビスフェノールAとフェノールとの付加
物を晶出させ、この結晶を反応副生物を含む母液から分
離した後、フェノールを除去してビスフェノールAを回
収する方法が知られている。
ルAを分離回収するために、蒸留塔(以下、脱水塔と言
うことがある)において、該反応混合物から未反応アセ
トン、水及び一部のフェノールを減圧蒸留により除去し
た後、冷却してビスフェノールAとフェノールとの付加
物を晶出させ、この結晶を反応副生物を含む母液から分
離した後、フェノールを除去してビスフェノールAを回
収する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この反
応混合物は高温で着色し易いので、脱水塔として薄膜蒸
発器を用い、該反応混合物から未反応アセトン及び水等
を短滞留時間で除去することが知られているが(特公昭
37−981号公報)、薄膜蒸発器の塔底液は高温であ
り、晶析機に至る配管内滞留時間が長いと着色し易く、
また、生成した着色物質は晶析精製工程で除去し難いと
いう問題がある。
応混合物は高温で着色し易いので、脱水塔として薄膜蒸
発器を用い、該反応混合物から未反応アセトン及び水等
を短滞留時間で除去することが知られているが(特公昭
37−981号公報)、薄膜蒸発器の塔底液は高温であ
り、晶析機に至る配管内滞留時間が長いと着色し易く、
また、生成した着色物質は晶析精製工程で除去し難いと
いう問題がある。
【0005】また、反応混合物中には強酸性イオン交換
樹脂触媒から溶出した低分子量スルホン酸等が遊離酸と
して微少量混入している。この反応混合物或いは脱水塔
で処理された濃縮液を100℃以上の高温で長時間滞留
させると、遊離酸の触媒作用によりビスフェノールAが
分離し着色原因物質が生成し、最終製品であるビスフェ
ノールAの着色原因になる(特開平4−117341号
公報)。本発明の目的は、ビスフェノールAを製造する
際に生じる上記欠点、即ち、ビスフェノールAの着色を
抑え、色相に優れた高純度のビスフェノールAを製造す
る方法を提供することにある。
樹脂触媒から溶出した低分子量スルホン酸等が遊離酸と
して微少量混入している。この反応混合物或いは脱水塔
で処理された濃縮液を100℃以上の高温で長時間滞留
させると、遊離酸の触媒作用によりビスフェノールAが
分離し着色原因物質が生成し、最終製品であるビスフェ
ノールAの着色原因になる(特開平4−117341号
公報)。本発明の目的は、ビスフェノールAを製造する
際に生じる上記欠点、即ち、ビスフェノールAの着色を
抑え、色相に優れた高純度のビスフェノールAを製造す
る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、蒸留後の塔底液を可
及的速やかに冷却することによりビスフェノールAの着
色を防止し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、フェノールとアセトンとを反応さ
せて得られたビスフェノールAを含む反応混合液を蒸留
塔に連続的に供給し、未反応アセトン、水及び一部のフ
ェノールを塔頂から留去した後、塔底液を熱交換器に供
給して冷却し、次いで晶析機に供給してビスフェノール
Aとフェノールとの付加物を晶出させ、引続き母液から
分離した該付加物結晶中のフェノールを除去することに
よりビスフェノールAを製造する方法において、蒸留塔
出口から熱交換器入口までの配管距離X及び熱交換器出
口から晶析機入口までの配管距離Yが、Y/X=2〜1
0なる条件を満足することを特徴とするビスフェノール
Aの製造方法である。以下、本発明の方法について詳細
に説明する。
を解決するため鋭意検討した結果、蒸留後の塔底液を可
及的速やかに冷却することによりビスフェノールAの着
色を防止し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、フェノールとアセトンとを反応さ
せて得られたビスフェノールAを含む反応混合液を蒸留
塔に連続的に供給し、未反応アセトン、水及び一部のフ
ェノールを塔頂から留去した後、塔底液を熱交換器に供
給して冷却し、次いで晶析機に供給してビスフェノール
Aとフェノールとの付加物を晶出させ、引続き母液から
分離した該付加物結晶中のフェノールを除去することに
よりビスフェノールAを製造する方法において、蒸留塔
出口から熱交換器入口までの配管距離X及び熱交換器出
口から晶析機入口までの配管距離Yが、Y/X=2〜1
0なる条件を満足することを特徴とするビスフェノール
Aの製造方法である。以下、本発明の方法について詳細
に説明する。
【0007】
1.ビスフェノールAの製造方法の概要 ビスフェノールAは、強酸性イオン交換樹脂触媒存在下
に、アセトンと化学量論的に過剰量のフェノールとを反
応させて合成される。フェノールとアセトンとのモル比
は、フェノール/アセトン=3〜30、好ましくは、5
〜20の範囲である。反応温度は通常、30〜100
℃、好ましくは、45〜85℃、反応圧力は、通常、常
圧〜5kg/cm2 のゲージ圧で行われる。
に、アセトンと化学量論的に過剰量のフェノールとを反
応させて合成される。フェノールとアセトンとのモル比
は、フェノール/アセトン=3〜30、好ましくは、5
〜20の範囲である。反応温度は通常、30〜100
℃、好ましくは、45〜85℃、反応圧力は、通常、常
圧〜5kg/cm2 のゲージ圧で行われる。
【0008】酸性触媒として用いられる強酸性イオン交
換樹脂は、通常、ゲル型、ポーラス型、ハイポーラス型
に分類される。ビスフェノールAの製造においてはゲル
型で架橋度が1〜8%、好ましくは2〜6%である遊離
酸型のスルホン酸型陽イオン交換樹脂が適している。本
発明においては、メルカプト基とアミノ基を併せ持つメ
ルカプトアルキルアミン化合物又は2,2−ジメチルチ
アゾリジンにより一部中和された強酸性イオン交換樹脂
が用いられる。メルカプトアルキルアミン化合物の具体
例としては、2−メルカプトエチルアミン、3−メルカ
プトブチルアミン、N,N−ジメチル−3−メルカプト
プロピルアミン、N,N−ジ−n−ブチル−4−メルカ
プトブチルアミンなどが挙げられる。この場合の樹脂を
部分中和させる割合は、通常、樹脂中のスルホン酸基に
対して、3〜30モル%、好ましくは5〜20モル%で
ある。
換樹脂は、通常、ゲル型、ポーラス型、ハイポーラス型
に分類される。ビスフェノールAの製造においてはゲル
型で架橋度が1〜8%、好ましくは2〜6%である遊離
酸型のスルホン酸型陽イオン交換樹脂が適している。本
発明においては、メルカプト基とアミノ基を併せ持つメ
ルカプトアルキルアミン化合物又は2,2−ジメチルチ
アゾリジンにより一部中和された強酸性イオン交換樹脂
が用いられる。メルカプトアルキルアミン化合物の具体
例としては、2−メルカプトエチルアミン、3−メルカ
プトブチルアミン、N,N−ジメチル−3−メルカプト
プロピルアミン、N,N−ジ−n−ブチル−4−メルカ
プトブチルアミンなどが挙げられる。この場合の樹脂を
部分中和させる割合は、通常、樹脂中のスルホン酸基に
対して、3〜30モル%、好ましくは5〜20モル%で
ある。
【0009】イオン交換樹脂触媒が充填された反応器か
ら流出する反応混合物には、ビスフェノールAの他に、
未反応アセトン、フェノール、水及び反応副生物が含ま
れている。未反応アセトン、水及び少量のフェノール
は、通常、減圧蒸留により塔頂より除去され、塔底より
ビスフェノールAを含む液状混合物が得られる。減圧蒸
留の条件は、圧力50〜300mmHg、温度100〜
160℃の範囲が好ましく、通常、200mmHg、1
40℃程度の条件下にて実施される。
ら流出する反応混合物には、ビスフェノールAの他に、
未反応アセトン、フェノール、水及び反応副生物が含ま
れている。未反応アセトン、水及び少量のフェノール
は、通常、減圧蒸留により塔頂より除去され、塔底より
ビスフェノールAを含む液状混合物が得られる。減圧蒸
留の条件は、圧力50〜300mmHg、温度100〜
160℃の範囲が好ましく、通常、200mmHg、1
40℃程度の条件下にて実施される。
【0010】次に、この塔底液は熱交換器に供給し冷却
される。冷却温度は塔底液の融点以上で付加物結晶が析
出しない温度あれば良く、通常、80〜120℃、好ま
しくは、90〜110℃である。続いて、熱交換器から
排出された塔底液は、晶析機に連続的に供給し冷却され
てビスフェノールAとフェノールとの付加物結晶が晶出
する。この結晶を反応副生物を含む母液から分離した
後、付加物結晶中のフェノールを減圧蒸留等の方法によ
って除去し、ビスフェノールAが回収される。本発明に
おいて重要なのは、脱水塔から排出される高温のビスフ
ェノールAを含むフェノール溶液の熱交換器で冷却され
るまでの配管距離(滞留時間)を短くすることにより、
高温での着色原因物質の生成を抑制することにある。
される。冷却温度は塔底液の融点以上で付加物結晶が析
出しない温度あれば良く、通常、80〜120℃、好ま
しくは、90〜110℃である。続いて、熱交換器から
排出された塔底液は、晶析機に連続的に供給し冷却され
てビスフェノールAとフェノールとの付加物結晶が晶出
する。この結晶を反応副生物を含む母液から分離した
後、付加物結晶中のフェノールを減圧蒸留等の方法によ
って除去し、ビスフェノールAが回収される。本発明に
おいて重要なのは、脱水塔から排出される高温のビスフ
ェノールAを含むフェノール溶液の熱交換器で冷却され
るまでの配管距離(滞留時間)を短くすることにより、
高温での着色原因物質の生成を抑制することにある。
【0011】2.本発明方法の概要 以下、本発明を添付図面により詳しく説明する。フェノ
ール1及びアセトン2は強酸性イオン交換樹脂触媒を充
填した反応器Rに連続的に供給される。反応器Rから流
出する反応混合液3は、連続的に蒸留塔(脱水塔)Dに
供給され、未反応アセトン、水及び一部のフェノールが
塔頂液5として除去される。脱水塔には充填塔を使用す
ることもできるが、塔内滞留時間を低減するために薄膜
蒸発器を用いることが望ましく、通常、200mmH
g、140℃程度の条件下にて操作される。
ール1及びアセトン2は強酸性イオン交換樹脂触媒を充
填した反応器Rに連続的に供給される。反応器Rから流
出する反応混合液3は、連続的に蒸留塔(脱水塔)Dに
供給され、未反応アセトン、水及び一部のフェノールが
塔頂液5として除去される。脱水塔には充填塔を使用す
ることもできるが、塔内滞留時間を低減するために薄膜
蒸発器を用いることが望ましく、通常、200mmH
g、140℃程度の条件下にて操作される。
【0012】一方、ビスフェノールAとフェノールを主
成分とする塔底液4は、蒸留塔Dの出口からX(m)の
距離を隔てた熱交換器Hに送液ポンプP及び配管を経由
して送られる。ここで塔底液4は、一旦、80〜120
℃、好ましくは90〜110℃に冷却された後、熱交換
器出口よりY(m)の距離を隔てた晶析機Cに送られ、
更に35〜70℃の範囲まで冷却されてビスフェノール
Aとフェノールとの付加物が析出する。
成分とする塔底液4は、蒸留塔Dの出口からX(m)の
距離を隔てた熱交換器Hに送液ポンプP及び配管を経由
して送られる。ここで塔底液4は、一旦、80〜120
℃、好ましくは90〜110℃に冷却された後、熱交換
器出口よりY(m)の距離を隔てた晶析機Cに送られ、
更に35〜70℃の範囲まで冷却されてビスフェノール
Aとフェノールとの付加物が析出する。
【0013】ビスフェノールAとフェノールとの付加物
の晶出方法としては、特開昭58−135832号公報
に開示されているように、水等の溶媒を添加し、その蒸
発熱によって除熱する方法が採用できる(冷媒直接冷却
方式と呼ばれる)。また、特開平5−15701号公報
に開示されているように、晶析機から晶析液の一部を抜
き出して熱交換器により冷却した後、晶析機に再循環さ
せる、いわゆる外部冷却方式も採用できる。次に、付加
物結晶を含むスラリー7は、結晶分離工程に送られて遠
心分離機や濾過機等により、結晶と反応副生物を含む母
液に分離した後、付加物結晶中のフェノールを減圧蒸留
等により除去し、高純度のビスフェノールAが回収され
る。
の晶出方法としては、特開昭58−135832号公報
に開示されているように、水等の溶媒を添加し、その蒸
発熱によって除熱する方法が採用できる(冷媒直接冷却
方式と呼ばれる)。また、特開平5−15701号公報
に開示されているように、晶析機から晶析液の一部を抜
き出して熱交換器により冷却した後、晶析機に再循環さ
せる、いわゆる外部冷却方式も採用できる。次に、付加
物結晶を含むスラリー7は、結晶分離工程に送られて遠
心分離機や濾過機等により、結晶と反応副生物を含む母
液に分離した後、付加物結晶中のフェノールを減圧蒸留
等により除去し、高純度のビスフェノールAが回収され
る。
【0014】ビスフェノールAの工業的生産規模は、通
常、5〜10万t/年である。この場合、大型機器であ
る晶析機の概略本体寸法は、通常、4〜6mφ×8〜1
2mHの範囲になる。蒸留塔D、熱交換器H及び晶析機
Cは断熱材で保温されているので、その外寸法は更に大
きくなり、また、保全作業時にクレーン車等を使用する
ための作業スペースを確保することを考慮すると、蒸留
塔Dから晶析機Cまでの機器設置距離(=X+Y)は1
5m以上が必要になる。通常、熱交換器Hは蒸留塔Dと
晶析機Cの中間位置に設置することが多いが、本発明の
目的は、距離Xを短くすることにより、高温での滞留時
間を短縮しビスフェノールAの着色を抑制することにあ
る。ところが、蒸留塔Dは減圧下で運転操作されるの
で、塔底液4を熱交換器Hに供給するには、距離Xの間
に送液ポンプの設置が必要になる。また、機器および配
管施工上の制約もあり、距離Xの下限界は5mであり、
結果としてY/Xが2以上の条件を満足しなければなら
ない。また、Y/Xが10より大きい場合は、距離Yが
長くなりすぎて経済的でない。従って、Y/X=2〜1
0となり、好ましくは3〜9である。なお、Xについて
は、送液ポンプ(P)内における距離をも含む。本発明
において、距離Xを有する配管内滞留時間はビスフェノ
ールAの生産規模、配管径及び流速により異なるが、通
常、1分以下である。
常、5〜10万t/年である。この場合、大型機器であ
る晶析機の概略本体寸法は、通常、4〜6mφ×8〜1
2mHの範囲になる。蒸留塔D、熱交換器H及び晶析機
Cは断熱材で保温されているので、その外寸法は更に大
きくなり、また、保全作業時にクレーン車等を使用する
ための作業スペースを確保することを考慮すると、蒸留
塔Dから晶析機Cまでの機器設置距離(=X+Y)は1
5m以上が必要になる。通常、熱交換器Hは蒸留塔Dと
晶析機Cの中間位置に設置することが多いが、本発明の
目的は、距離Xを短くすることにより、高温での滞留時
間を短縮しビスフェノールAの着色を抑制することにあ
る。ところが、蒸留塔Dは減圧下で運転操作されるの
で、塔底液4を熱交換器Hに供給するには、距離Xの間
に送液ポンプの設置が必要になる。また、機器および配
管施工上の制約もあり、距離Xの下限界は5mであり、
結果としてY/Xが2以上の条件を満足しなければなら
ない。また、Y/Xが10より大きい場合は、距離Yが
長くなりすぎて経済的でない。従って、Y/X=2〜1
0となり、好ましくは3〜9である。なお、Xについて
は、送液ポンプ(P)内における距離をも含む。本発明
において、距離Xを有する配管内滞留時間はビスフェノ
ールAの生産規模、配管径及び流速により異なるが、通
常、1分以下である。
【0015】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の方法を更に具
体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるも
のではない。尚、例中、%は特記のない限り重量%を示
す。また、ビスフェノールA、フェノール及びアセトン
等の定量は高速液体クロマトグラフィー及びガスクロマ
トグラフィーを用いた。また、エタノール溶液色相は分
光光度計を用いて測定した。
体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるも
のではない。尚、例中、%は特記のない限り重量%を示
す。また、ビスフェノールA、フェノール及びアセトン
等の定量は高速液体クロマトグラフィー及びガスクロマ
トグラフィーを用いた。また、エタノール溶液色相は分
光光度計を用いて測定した。
【0016】実施例1 内径70mm、高さ2000mmのジャケット付きステ
ンレス製充填層式反応器にH型のスルホン酸型イオン交
換樹脂〔三菱化学(株)製、商品名ダイヤイオン SK
−104H(ゲル型、架橋度4%)〕を2−メルカプト
エチルアミンにてスルホン酸基の20%を中和させた触
媒5Lを充填した。次に、75℃にて反応器入口よりフ
ェノールを流通させてイオン交換樹脂を脱水した。フェ
ノールとアセトンとの混合物(フェノール/アセトン=
10/1(モル比))を反応器の触媒層温度を75℃に
保ちながら、液空間速度1時-1にて流通させた。反応器
より流出する反応混合物を分析したところ、アセトン転
化率85%、ビスフェノールA選択率94%であった。
ンレス製充填層式反応器にH型のスルホン酸型イオン交
換樹脂〔三菱化学(株)製、商品名ダイヤイオン SK
−104H(ゲル型、架橋度4%)〕を2−メルカプト
エチルアミンにてスルホン酸基の20%を中和させた触
媒5Lを充填した。次に、75℃にて反応器入口よりフ
ェノールを流通させてイオン交換樹脂を脱水した。フェ
ノールとアセトンとの混合物(フェノール/アセトン=
10/1(モル比))を反応器の触媒層温度を75℃に
保ちながら、液空間速度1時-1にて流通させた。反応器
より流出する反応混合物を分析したところ、アセトン転
化率85%、ビスフェノールA選択率94%であった。
【0017】上記反応混合物を200mmHg、140
℃で操作されている加熱伝熱面積0.4m2 の神鋼パン
テック(株)製薄膜蒸留装置に連続的に供給し、ビスフ
ェノールA24.4%、フェノール74%及び反応不純
物1.6%からなる塔底液を得た。次に、この塔底液を
配管距離(X)が0.7m離れたジャケット式冷却器に
供給し、90℃に冷却した。続いて、圧力30mmH
g、温度45℃で操作されている冷媒直接冷却方式の晶
析機に連続的に供給した。晶析機から抜き出されたスラ
リーを遠心分離機にて付加物結晶を分離した。得られた
付加物30gをエタノール30mlに溶解し、その溶液
色相を分光光度計((株)島津製作所製 UV−210
0形)を用いて測定して、表1に示した。
℃で操作されている加熱伝熱面積0.4m2 の神鋼パン
テック(株)製薄膜蒸留装置に連続的に供給し、ビスフ
ェノールA24.4%、フェノール74%及び反応不純
物1.6%からなる塔底液を得た。次に、この塔底液を
配管距離(X)が0.7m離れたジャケット式冷却器に
供給し、90℃に冷却した。続いて、圧力30mmH
g、温度45℃で操作されている冷媒直接冷却方式の晶
析機に連続的に供給した。晶析機から抜き出されたスラ
リーを遠心分離機にて付加物結晶を分離した。得られた
付加物30gをエタノール30mlに溶解し、その溶液
色相を分光光度計((株)島津製作所製 UV−210
0形)を用いて測定して、表1に示した。
【0018】比較例1 ジャケット式冷却器までの配管距離(X)が2.8mで
ある以外は実施例1と同様の操作を実施し、得られた付
加物の溶液色相を表1に示した。
ある以外は実施例1と同様の操作を実施し、得られた付
加物の溶液色相を表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高温部でのビス
フェノールAの着色を抑制することができ、無色で高品
質のビスフェノールAを製造することができる。
フェノールAの着色を抑制することができ、無色で高品
質のビスフェノールAを製造することができる。
【図1】本発明の方法によるビスフェノールAの製造方
法の一実施態様を示す系統図である。
法の一実施態様を示す系統図である。
【符号の説明】 R イオン交換樹脂塔(反応器) D 蒸留塔(脱水塔) P 送液ポンプ H 熱交換器 C 晶析機 X 蒸留塔出口から熱交換器入口までの配管距離 Y 熱交換器出口から晶析機供給入口までの配管距離
Claims (2)
- 【請求項1】 フェノールとアセトンとを反応させて得
られたビスフェノールAを含む反応混合液を蒸留塔に連
続的に供給し、未反応アセトン、水及び一部のフェノー
ルを塔頂から留去した後、塔底液を熱交換器に供給して
冷却し、次いで晶析機に供給してビスフェノールAとフ
ェノールとの付加物を晶出させ、引続き母液から分離し
た該付加物結晶中のフェノールを除去することによりビ
スフェノールAを製造する方法において、蒸留塔出口か
ら熱交換器入口までの配管距離X及び熱交換器出口から
晶出機入口までの配管距離Yが、Y/X=2〜10なる
条件を満足することを特徴とするビスフェノールAの製
造方法。 - 【請求項2】 Y/X=3〜9である請求項1に記載の
ビスフェノールAの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7301409A JPH09143114A (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | ビスフェノールaの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7301409A JPH09143114A (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | ビスフェノールaの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09143114A true JPH09143114A (ja) | 1997-06-03 |
Family
ID=17896534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7301409A Pending JPH09143114A (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | ビスフェノールaの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09143114A (ja) |
-
1995
- 1995-11-20 JP JP7301409A patent/JPH09143114A/ja active Pending
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