JPH09142531A - 包装容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品を収納した包装容器を傾くことなく吊り
下げ展示する。 【解決手段】 台紙２との間で製品を包むカバー部材３
の吊下げ穴６を台紙２の吊下げ穴５と間隔を有して連通
させ、これらの吊下げ穴５、６に陳列棚のハンガー１０
を挿通させて吊り下げる。製品４の重量が台紙２及びカ
バー部材３に分散し、一方側に偏位しないため、傾くこ
とを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はカード型の電子計算
機、電子手帳、腕時計等の小型機器や鋏、万年筆等の事
務用品、その他の製品を収納する包装容器に関し、特に
製品の収納状態で吊り下げ展示される包装容器に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】上述のような製品は包装容器に収納され
た状態で販売店に出荷されており、販売店では包装容器
内への収納状態でハンガー等に吊り下げられて展示され
ている。図７はかかる吊り下げ展示を目的とした従来の
包装容器を示す。

【０００３】図７の包装容器１００は台紙１１０と、接
着、溶着などによって周辺部が台紙１１０に接合される
カバー部材１２０とによって構成されている。カード型
の電子計算機、電子手帳等の製品１３０は台紙１１０に
載置され、この載置状態でカバー部材１２０を台紙１１
０に接合することで包装容器１００内に収納される。こ
の場合、台紙１１０及びカバー部材１２０は製品収納部
分から上方に延びており、この延設部分に吊下げ用穴１
４０が開設されている。従来の包装容器１００の店頭で
の展示では、この吊下げ用穴１４０に陳列棚のハンガー
１５０を挿通させることで、ハンガー１５０に吊り下げ
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の包
装容器１００は製品１３０の重量が台紙に偏位した作用
をするため図７に示すように、下向きに傾き易く、これ
により製品１３０が見えにくくなって、店頭展示の実効
性が薄らいでいる。このため陳列棚から支えロッドを出
して、包装容器１００の後側を支えて傾きを防止するこ
とがなされているが、この場合は部品点数が増える上、
支えロッドの取り付けが面倒であるという問題を有して
いる。

【０００５】本発明はこのような従来の包装容器の問題
点を考慮してなされたものであり、支えロッドを必要と
することなく、傾きのない吊り下げ展示が可能な構造の
包装容器を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１の発明は、第１の吊下げ用穴が上部に形成
され、製品が載置される台紙と、この台紙の第１の吊下
げ用穴と間隔を有して連通する第２の吊下げ用穴が上部
に形成され、前記台紙との間で製品を包むカバー部材
と、を備えていることを特徴とする。

【０００７】この構造の包装容器は、台紙の第１の吊下
げ用穴と、カバー部材の第２の吊下げ用穴とが間隔を有
しており、これら第１，２の吊下げ用穴に陳列棚のハン
ガー等が挿通して吊り下げられる。この吊り下げ状態で
は、製品の重量が台紙及びカバー部材のそれぞれに分散
する。このため製品の重量が一方側にだけ偏位して作用
することがなく、吊下げ時における傾きがなくなる。

【０００８】請求項２の発明は、製品が載置される台紙
と、第１の吊下げ用穴が形成され、前記製品の載置方向
に屈曲するように台紙の上部に一体的に形成された吊下
げ片と、この吊下げ片の第１の吊下げ用穴と連通する第
２の吊下げ用穴が上部に形成され、前記台紙との間で製
品を包むカバー部材と、を備えていることを特徴とす
る。

【０００９】この包装容器は、台紙と一体的な吊下げ片
が台紙から製品の載置方向に屈曲することで製品方向に
延びており、この吊下げ片の吊下げ用穴と、カバー部材
の吊下げ用穴とに陳列棚のハンガーが挿通して吊り下げ
展示される。この状態では、製品の重心が吊下げ片と略
一致するため、製品の重量が偏位することがなく、包装
容器は垂直状となって吊り下げられ、傾くことがなくな
る。

【００１０】請求項３の発明は、製品が臨む部分に開口
部が形成されると共に、第１の吊下げ用穴を上部に有し
た台紙と、この台紙の第１の吊下げ用穴と間隔を有して
連通する第２の吊下げ用穴が上部に形成され、前記台紙
との間で製品を包むカバー部材と、少なくとも前記台紙
の開口部を封鎖するように台紙に積層された透明且つ軟
質の樹脂フィルムと、を備えていることを特徴とする。

【００１１】この包装容器においても、製品の重量が台
紙及びカバー部材の双方に分散するため、傾きのない吊
り下げが可能となる。又、この包装容器では、台紙の開
口部の樹脂フィルムを介して製品を指でタッチすること
ができ、包装状態での試用が可能となり、興味ある吊り
下げ展示を行うことができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１及び図２は本発明の第１の実
施の形態を示す。この包装容器１は台紙２と、カバー部
材３とを備えている。台紙２は平面状に形成されてお
り、この台紙２には製品４が載置される。製品４として
は、数字、コマンド等を入力するためのキー操作部４ａ
と、情報を可視表示する表示部４ｂとが正面に配置され
たカード型の電子計算機、電子手帳等が使用されてい
る。この台紙２の材質としては、厚紙、樹脂板等を採択
することができる。かかる台紙２の上部には第１の吊下
げ用穴５が形成されており、この第１の吊下げ用穴５に
陳列棚のハンガー１０が挿入される。このハンガー１０
は、陳列棚の側壁５０にその端部が水平方向に位置する
ように取付けられている。

【００１３】カバー部材３は台紙２との間で製品４を包
むものである。このため台紙２は製品４を包むためのカ
バー部３ａを有している。このカバー部３ａは製品４の
正面部分、左右及び上下の側面部分を覆う形状に成形さ
れており、このカバー部３ａを製品４に臨むように台紙
２に合わせ、周辺部分を台紙２に接合することで台紙２
とによって製品４を挟み込むことができる。この場合、
カバー部材３は透明な樹脂によって図示の形状に成形さ
れるものである。

【００１４】かかるカバー部材３にはカバー部３ａから
上方に延びる支持部３ｂが一体的に形成されている。こ
の支持部３ｂは台紙２と間隔を有するように、台紙２か
ら浮き上がっており、その周辺部分だけが台紙２に接合
されている。さらに、この支持部３ｂには第２の吊下げ
用穴６が形成されている。支持部３ｂの第２の吊下げ用
穴６は台紙２の第１の吊下げ用穴５と連通する位置に形
成されており、陳列棚のハンガー１０が挿入される。

【００１５】このような構造の包装容器１は陳列棚のハ
ンガー１０を台紙２の第１の吊下げ用穴５及びカバー部
材３の第２の吊下げ用穴６の挿通させることで吊り下げ
展示される。この吊り下げ展示の状態では、カバー部材
３の第２の吊下げ用穴６と、台紙２の第１の吊下げ用穴
５とが間隔を有しており、製品４の重量が台紙２及びカ
バー部材３の双方に分散する。このため製品４の重量が
いずれか一方に偏位することがないところから、いずれ
か一方に傾くことがなく、垂直方向への吊り下げ状態と
なる。従って、傾いた吊り下げ展示とならず、製品４の
視認が容易となり、展示の実効性を向上させることがで
きると共に、危険な支えロッドも不要となる。

【００１６】図３は第２の実施の形態を示し、図１及び
図２と同一の要素は同一の符号で対応させてある。この
実施の形態における包装容器１は製品４が載置される台
紙３が延びており、この延設部分が吊下げ片７となって
いる。この吊下げ片７は台紙３０における製品４の載置
部分から製品４方向に屈曲している。吊下げ片７は製品
４の重心付近に達するように、その屈曲長さが設定され
ており、この屈曲部分から折り返されて、さらに上方に
延びている。そして、この上方への延設部分に第１の吊
下げ用穴５が形成されている。

【００１７】これに対して、台紙３０との間で製品を包
むカバー部材３はその支持部３ｂが台紙３０の吊下げ片
７に密着して接合されている。このカバー部材３には、
吊下げ片７の吊下げ用穴５と連通する第２の吊下げ用穴
６が形成されており、陳列棚のハンガー１０がこれらの
第１の吊下げ用穴５、第２の吊下げ用穴６に挿通される
ことで包装容器１の吊り下げ展示が行われる。

【００１８】この構造の包装容器１は、台紙３０の吊下
げ片７が屈曲して製品４方向に延びており、吊下げ片７
が製品４の重心と略一致する。このため製品４の重量が
偏位することなく、これにより傾くことのない吊り下げ
展示を行うことができる。

【００１９】図４〜図６は第３の実施の形態を示し、台
紙２１と、カバー部材２２と、樹脂フィルム２３とを備
えて包装容器２０が構成されている。図４は台紙２１を
示し、厚紙、樹脂板等によって平板状に成形されてい
る。この台紙２１の中央部分には開口部２４が成形され
ると共に、第１の吊下げ用穴２５がこの開口部２４の上
部に形成されている。開口部２４は包装容器２０内に収
納される製品４に臨む位置に形成されており、後述する
ように、開口部２４を介して指による製品４への操作が
可能となっている。

【００２０】カバー部材２２は図５に示すように、台紙
２１との間で製品４を包むものである。この実施の形態
のカバー部材２２は裏側から台紙２１に接合される。カ
バー部材２２は製品４を覆うカバー部２２ａと、このカ
バー部２２ａから上方に連設される支持部２２ｂとを備
えている。支持部２２ｂは台紙２１から離れるように矩
形状に屈曲されており、この支持部２２ｂに第２の吊下
げ用穴２６が形成されている。この支持部２２ｂの第２
の吊下げ用穴２６は台紙２１の第１の吊下げ用穴２５と
連通する。又、支持部２２ｂが矩形状に屈曲されてお
り、台紙２１の第１の吊下げ用穴２５とは間隔を有して
いる。

【００２１】樹脂フィルム２３はウレタン樹脂のように
透明で且つ軟質なフィルムによって成形されている。こ
の樹脂フィルム２３は台紙２１の前面に積層されてお
り、これにより台紙２１の開口部２４を封鎖している。
かかる樹脂フィルム２３に積層によって製品４は包装容
器２０内に封入されるため、包装状態からの脱落や盗難
を防止することができる。図示例において、樹脂フィル
ム２３は台紙２１の前面全体に被覆されているが、製品
４の脱落や盗難を防止する観点からは、少なくとも開口
部２４を覆うものであれば良い。このように樹脂フィル
ム２３が台紙２１の全体を覆うことから、図示例におい
ては、台紙２１の第１の吊下げ用穴２５と連通する第３
の穴部２７が樹脂フィルム２３の上部に形成されるもの
である。

【００２２】この実施の形態の包装容器２０の組み立て
は図５に示すように、樹脂フィルム２３が積層された台
紙２１に対して、製品４及びカバー部材２２を裏側から
順に組み付けることで行われる。そして、カバー部材２
２の周辺部分を台紙２１の裏面に接合することで組み立
てが終了する。

【００２３】図６は陳列棚のハンガー１０への吊り下げ
状態を示す。この吊り下げ状態では、ハンガー１０が台
紙２１の第１の吊下げ用穴２５及びカバー部材２２の第
２の吊下げ用穴２６を挿通しているため、製品４の重量
が台紙２１及びカバー部材２２に分散する。従って製品
４の重量がいずれか一方に偏位して作用することがない
ため、包装容器２０の全体が垂直状となって吊り下げら
れる。さらに、この吊り下げ状態では、樹脂フィルム２
３を介して、製品４のキー操作部を指でタッチすること
ができる。このため梱包状態のままで製品４の機能、操
作性等を試すことができ、店頭展示での興味を向上させ
ることができる。

【００２４】なお、以上の実施の形態では、カード型の
製品に対しての適用を示したが、製品としてはこの形状
に限定されるものではなく、鋏、万年筆その他のもので
あっても良い。

【００２５】

【発明の効果】本発明は製品の重量が分散するような吊
り下げ或いは製品の重心に略一致した吊り下げを行うた
め、傾くことのない垂直状の吊り下げ展示を行うことが
でき、吊り下げ展示の実効性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態の吊り下げ状態の断
面図である。

【図２】第１の実施の形態の正面図である。

【図３】第２の実施の形態の吊り下げ状態の断面図であ
る。

【図４】第３の実施の形態における台紙の正面図であ
る。

【図５】第３の実施の形態の分解断面図である。

【図６】第３の実施の形態の吊り下げ状態の断面図であ
る。

【図７】従来の包装容器の吊り下げ状態の断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 包装容器 ２ 台紙 ３ カバー部材 ４ 製品 ５，２５ 第１の吊下げ用穴 ６，２６ 第２の吊下げ用穴 ７ 吊下げ片

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１の吊下げ用穴が上部に形成され、製
   品が載置される台紙と、 この第１の吊下げ用穴と間隔を有して連通する第２の吊
   下げ用穴が上部に形成され、前記台紙との間で製品を包
   むカバー部材と、を備えていることを特徴とする包装容
   器。
2. 【請求項２】 製品が載置される台紙と、 第１の吊下げ用穴が形成され、前記製品の載置方向に屈
   曲するように台紙の上部に一体的に形成された吊下げ片
   と、 この吊下げ片の前記第１の吊下げ用穴と連通する第２の
   吊下げ用穴が上部に形成され、前記台紙との間で製品を
   包むカバー部材と、を備えていることを特徴とする包装
   容器。
3. 【請求項３】 製品が臨む部分に開口部が形成されると
   共に、第１の吊下げ用穴を上部に有した台紙と、 この台紙の前記第１の吊下げ用穴と間隔を有して連通す
   る第２の吊下げ用穴が上部に形成され、前記台紙との間
   で製品を包むカバー部材と、 少なくとも前記台紙の開口部を封鎖するように前記台紙
   に積層された透明且つ軟質の樹脂フィルムと、を備えて
   いることを特徴とする包装容器。