JPH09142328A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JPH09142328A
JPH09142328A JP30479695A JP30479695A JPH09142328A JP H09142328 A JPH09142328 A JP H09142328A JP 30479695 A JP30479695 A JP 30479695A JP 30479695 A JP30479695 A JP 30479695A JP H09142328 A JPH09142328 A JP H09142328A
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JP
Japan
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brush
wear
signal
target current
steering
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JP30479695A
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English (en)
Inventor
Atsuhiko Yoneda
篤彦 米田
Yasuo Shimizu
康夫 清水
Yoshito Nakamura
義人 中村
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動機のブラシの磨耗量および交換時期をド
ライバに報知するとともに、操舵フィーリングの急激な
低下を防止できる電動パワーステアリング装置を提供す
る。 【解決手段】 操舵トルクセンサ12と、磨耗センサ1
3と、目標電流信号設定手段21、目標電流補正手段2
2、駆動制御手段23を備えた制御手段15と、電動機
駆動手段16と、電動機10とから構成する電動パワー
ステアリング装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電動機の動力を操
舵補助力としてステアリング系に作用させ、ドライバの
操舵力を軽減する電動パワーステアリング装置に係り、
特に電動機のブラシの磨耗を検出して操舵補助力を減少
補正する電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電動パワーステアリング装置は、
ステアリング系に操舵補助力を付勢するために電動機が
採用されており、ドライバがステアリングホイールを操
舵することにより発生する操舵トルクに対応した電動機
電流で電動機が駆動され、電動機の発生する動力をステ
アリング系に作用してドライバの操舵力の軽減が図られ
ている。
【0003】電動機に永久磁石界磁直流電動機を用いた
電動パワーステアリング装置では、電機子巻線と一体的
に回転する整流子に押圧して固定された、例えば2個の
ブラシを有し、ブラシを介して電動機電流を供給するよ
う構成されている。
【0004】また、整流子は、例えば2個の半円筒形状
の導電性材料を対向させ、半円筒形状の導電性材料間は
小さな隙間を設けて互いに絶縁されており、ブラシから
供給される電動機電流が整流子の一回転の半周期毎に断
続されるとともに、電動機電流の極性も半周期毎に反転
するよう構成されるため、直流電源で永久磁石界磁直流
電動機(以下、電動機と記す)を駆動しても回転を継続
させることができる。
【0005】しかし、ブラシを有する電動機は、固定さ
れたブラシが回転する整流子に押圧圧縮されているた
め、電動機の経時的な駆動とともにブラシが磨耗される
課題がある。
【0006】また、電動機電流が、例えば整流子の一回
転の半周期毎に断続されるため、ブラシと整流子間に電
源の断続に起因する火花が発生し、ブラシが溶解されて
削れてしまう課題がある。
【0007】ところで、このような押圧および溶解によ
るブラシの磨耗に対応するため、従来のバッテリフォー
クリフトに用いられる電動機において、ブラシの磨耗量
を検出する磨耗センサを設け、磨耗量が所定量に達する
と電動機電流を遮断して電動機を停止させるようにした
ものが特開昭62−37039号公報に開示されてい
る。
【0008】図18に従来の電動機の磨耗センサの一実
施例要部構成図を示す。図18において、磨耗センサ1
01は、ブラシ102を整流子103に押圧するスプリ
ング104と、ブラシ102の磨耗量に対応して回動す
るカム105と、カム105の回動によりブラシ102
を整流子103から引き離す板ばね106とから構成さ
れる。
【0009】ブラシ102の磨耗量が所定量に達すると
カム105の回動によって板ばね106が開放され、板
ばね106に係合されたブラシ102が整流子103か
ら切離されて電動機電流が遮断され、電動機が停止され
てしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような装置をそのまま従来の電動パワーステアリング装
置に適用しようとすると、電動機のブラシの磨耗量が所
定量をこえると電動機を停止するため、補助操舵力が作
用しなくなってドライバのハンドル操作が重くなり、特
にハンドル操作中に電動機が停止すると、急激にハンド
ル操作が重くなって操舵フィーリングが著しく低下する
課題がある。
【0011】また、電動機の停止を予めドライバに知ら
せることができないため、電動機停止時にドライバに違
和感を与えてしまう課題がある。
【0012】この発明はこのような課題を解決するため
なされたもので、その目的はブラシの磨耗量に対応して
電動機の補助操舵力を減少補正し、ドライバにブラシの
磨耗を報知するとともに、急激な操舵フィーリングの低
下を防止する電動パワーステアリング装置を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
請求項1に係る電動パワーステアリング装置の制御手段
は、電動機のブラシの磨耗量を検出する磨耗センサから
の磨耗信号に基づいて目標電流信号を減少補正する目標
電流補正手段を備えたことを特徴とする。
【0014】制御手段に、電動機のブラシの磨耗量を検
出する磨耗センサからの磨耗信号に基づいて目標電流信
号を減少補正する目標電流補正手段を備えたので、電動
機のブラシの磨耗量を検出して電動機電流を減少させる
ことができる。
【0015】請求項2に係る磨耗センサは、ブラシの磨
耗量が所定値を超えた場合に磨耗信号を発生することを
特徴とする。
【0016】磨耗センサは、ブラシの磨耗量が所定値を
超えた場合に磨耗信号を発生するので、ブラシの所定磨
耗量を検出することができる。
【0017】請求項3に係る目標電流補正手段は、ブラ
シの磨耗量および操舵トルクのそれぞれが所定値を超え
た場合に、目標電流信号を減少補正する補正係数を発生
する補正係数発生手段を備えたことを特徴とする。
【0018】目標電流補正手段は、ブラシの磨耗量およ
び操舵トルクのそれぞれが所定値を超えた場合に、目標
電流信号を減少補正する補正係数を発生する補正係数発
生手段を備えたので、ブラシの磨耗量および操舵トルク
のがそれぞれが所定値を超える条件で、目標電流信号を
減少補正して電動機電流を減少させることができる。
【0019】請求項4に係る磨耗センサは、ブラシの磨
耗量に対応した磨耗信号を発生することを特徴とする。
【0020】磨耗センサは、ブラシの磨耗量に対応した
磨耗信号を発生するので、ブラシの磨耗量を連続して検
出することができる。
【0021】請求項5に係る目標電流補正手段は、操舵
トルクおよび磨耗量に対応した補正目標電流信号を設定
する補正目標電流信号設定手段と、操舵トルクおよび磨
耗量に基づいて目標電流信号と補正目標電流信号とを切
替える切替手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】目標電流補正手段は、操舵トルクおよび磨
耗量に対応した補正目標電流信号を設定する補正目標電
流信号設定手段と、操舵トルクおよび磨耗量に基づいて
目標電流信号と補正目標電流信号とを切替える切替手段
とを備えたので、操舵トルクおよびブラシの磨耗量に対
応して補正目標電流信号を発生し、電動機電流をブラシ
の磨耗量に応じて減少させることができる。
【0023】請求項6に係る制御手段は、ブラシの磨耗
量に応じた状態を運転者に知らせる警報手段を備えたこ
とを特徴とする。
【0024】ブラシの磨耗量に応じた状態を運転者に知
らせる警報手段を備えたので、ブラシの磨耗量を運転者
に知らせることができる。
【0025】請求項7に係る電動パワーステアリング装
置は、電動機に、この電動機のブラシの磨耗量に対応し
て電動機電流を減少補正する電流補正手段を設けたこと
を特徴とする。
【0026】電動機に、ブラシの磨耗量に対応して電動
機電流を減少補正する電流補正手段を設けたので、電子
的な制御を用いずにブラシの磨耗量に対応して電動機電
流を減少させることができる。
【0027】請求項8に係る電流補正手段は、ブラシを
電動機の整流子に押圧する弾性部材と、この弾性部材が
所定位置を超えて移動することを禁止するストッパとを
備えたことを特徴とする。
【0028】電流補正手段は、ブラシを電動機の整流子
に押圧する弾性部材と、この弾性部材が所定位置を超え
て移動することを禁止するストッパとを備えたので、弾
性部材がストッパで停止される状態をブラシの所定磨耗
量として機械的に検出し、ブラシと整流子の接触が緩く
なることによって直接的に電動機電流を減少させること
ができる。
【0029】請求項9に係る電流補正手段は、ブラシを
導電率の高い材料と導電率の低い材料とを重ね合せて形
成し、電動機の整流子に押圧される導電率の高い材料が
磨耗されて導電率の低い材料が整流子に押圧されると、
導電率の低い材料を介して電動機電流を流すことを特徴
とする。
【0030】電流補正手段は、ブラシを導電率の高い材
料と導電率の低い材料とを重ね合せて形成し、電動機の
整流子に押圧される導電率の高い材料が磨耗されて導電
率の低い材料が整流子に押圧されると、導電率の低い材
料を介して電動機電流を流すので、ブラシの導電率の高
い材料が全て磨耗されると、電気抵抗の高いブラシを介
して電動機電流を直接的に減少させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。なお、本発明は、ステアリ
ング系に操舵補助力を作用する電動機のブラシの磨耗量
が所定値に達した場合に電動機電流を減少補正、または
ブラシの磨耗量に対応して電動機電流を減少補正するこ
とにより、ブラシが磨耗すると直ちに電動機を停止させ
ることに起因する操舵フィーリングの急激な変化を防止
し、ブラシの磨耗状態をドライバに知らせながら、緩や
かに操舵フィーリングを変化させるようにしたものであ
る。
【0032】図1はこの発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の全体構成図である。図1において、電動パワ
ーステアリング装置1は、ステアリングホイール17に
一体的に設けられたステアリング軸2に自在継ぎ手3
A、3Bを備えた連結軸3を介し、ステアリング・ギア
ボックス4内に設けたラック&ピニオン機構5のピニオ
ン5Aに連結されて手動操舵力発生手段6を構成する。
【0033】ピニオン5Aに噛み合うラック歯7Aを備
え、これらの噛み合いにより往復運動するラック軸7
は、その両端にタイロッド8を介して操向輪としての左
右の前輪9が連結される。
【0034】このようにして、ステアリングホイール1
7操舵時には通常のラック&ピニオン式の手動操舵力発
生手段6を介し、マニュアルステアリングで前輪9を操
向させて車両の向きを変えている。
【0035】手動操舵力発生手段6によるドライバの操
舵力を軽減するため、操舵補助力を供給する電動機10
をラック軸7と同軸的に配設し、ラック軸7と同軸に設
けられたボールねじ機構11を介して推力に変換し、ラ
ック軸7(ボールねじ軸11A)に作用させる。
【0036】ステアリング・ギアボックス4内にはドラ
イバの手動操舵トルクの方向と大きさを検出する操舵ト
ルクセンサ12を配置し、操舵トルクセンサ12が検出
した操舵トルクに対応したアナログ電気信号の操舵トル
ク信号TSを制御手段15に提供する。
【0037】また、電動機10にはブラシの磨耗量を検
出する磨耗センサ13を配置し、この磨耗センサ13が
検出した磨耗信号WSを制御手段15に提供する。
【0038】制御手段15はマイクロプロセッサを基本
に各種演算手段、処理手段、信号発生手段、メモリ等で
構成し、操舵トルク信号TSに対応する電動機制御信号
O(例えば、オン信号とPWM信号の混成信号)を発
生して電動機駆動手段16を駆動制御する。
【0039】また、制御手段15は目標電流補正手段を
備え、操舵トルク信号TS、および電動機10のブラシ
磨耗量を検出する磨耗センサ13からの磨耗信号WS
基づいて補正係数を発生し、目標電流信号に補正係数を
乗算処理して電動機10の駆動を制御する目標電流信号
を減少補正する。
【0040】さらに、制御手段15は警報手段を備え、
磨耗信号WSに基づいて電動機10のブラシ磨耗量を表
示器に表示してドライバに報知する。
【0041】電動機駆動手段16は、例えば4個のパワ
ーFET(電界効果トランジスタ)のスイッチング素子
からなるブリッジ回路で構成し、操舵トルク信号TS
対応して制御手段15から供給される電動機制御信号V
O(PWM信号およびオン信号の混成信号)に基づいて
電動機電圧VMを出力して電動機10を駆動する。
【0042】図2は請求項1〜請求項3に係る電動パワ
ーステアリング装置の要部ブロック構成図である。図2
において、電動パワーステアリング装置1は、操舵トル
クセンサ12、磨耗センサ13、制御手段15、電動機
駆動手段16、電動機10から構成する。
【0043】図4に磨耗センサを備えた電動機の概略図
を示す。図4において、電動機10は、電動機駆動手段
16から異なる極性の電動機電圧VMを供給するブラシ
51A(例えば、電動機電圧VMの+極性印加)、ブラ
シ51B(電動機電圧VMの−極性印加)、ブラシ51
Aおよびブラシ51Bに押圧され、例えば電動機10の
一回転の半周期毎に電機子巻線(図示せず)に互いに逆
極性の電動機電圧VMを供給するための整流子52、ブ
ラシ51Aの磨耗量を検出する磨耗センサ13を備え
る。
【0044】磨耗センサ13は、電動機10の回転によ
り発生するブラシ51Aの磨耗量を検出し、磨耗信号W
Sを目標電流補正手段22に提供する。なお、磨耗セン
サ13を一方のブラシ51Aに配置した例を示したが、
他方のブラシ51Bに配置してもよい。また2個の磨耗
センサ13をブラシ51Aおよびブラシ51Bの双方に
配置してもよい。
【0045】図5に請求項2に係る磨耗センサの一実施
例構成図を示す。図5において、磨耗センサは、電動機
10に固定された1メーク接点構成のスイッチ、例えば
リミットスイッチ53と、ブラシ51Aに設けられた作
用片54とから構成し、ブラシ51Aの磨耗量が所定値
を超えた場合に作用片54がリミットスイッチ53をメ
ーク(オン)状態にし、磨耗信号WSを目標電流補正手
段22に出力する。
【0046】なお、リミットスイッチ53に制御手段1
5を駆動する電源(例えば、5V系電源)を供給してお
き、リミットスイッチ53がオフの場合にはLレベル
(0V)の磨耗信号WS、リミットスイッチ53がオン
の場合にはHレベル(5V)の磨耗信号WSを出力する
ように構成する。
【0047】このように、リミットスイッチ53を用い
た磨耗センサ13は、ブラシの磨耗量が所定値を超えた
場合に磨耗信号WSを発生するので、ブラシの所定磨耗
量を検出することができる。
【0048】図6に磨耗センサを配置した電動機を備え
たパワーアシストユニットの図1とは異なる実施例部分
断面図を示す。図6において、電動機10は、ブラシの
磨耗量を検出する2個の磨耗センサ13を備え、磨耗セ
ンサ13はブラシの磨耗量が所定値を超えると、例えば
Hレベルの磨耗信号WSを出力するリミットスイッチ
や、後述するブラシの磨耗量に対応した磨耗信号WS
出力するポテンショメータ等で構成し、検出した磨耗信
号WSが信号線13Aを介して制御手段15に供給され
る。
【0049】また、電動機10はパワーアシストユニッ
トの出力軸57に一体的に構成され、電動機10の主軸
63は、遊星減速機構64、ウォーム減速機構55、お
よびクラッチ機構56を介して出力軸57に連結され、
操舵トルクに対応して発生する電動機10の動力が補助
操舵力として出力軸57に供給される。
【0050】制御手段15は、目標電流信号設定手段2
1、目標電流補正手段22、駆動制御手段23を備え
る。
【0051】目標電流信号設定手段21はA/D変換手
段、ROM等のメモリで構成し、操舵トルクセンサ12
から供給される操舵トルク信号TSに基づいて予め設定
されている目標電流信号IMSに変換し、目標電流信号I
MSを目標電流補正手段22の乗算手段25に供給する。
【0052】目標電流補正手段22は、補正係数発生手
段24、乗算手段25を備え、操舵トルク信号TSおよ
び磨耗信号WSに基づいて操舵トルクおよびブラシの磨
耗量のそれぞれが所定値を超えた場合に補正係数K
H(0<KH<1)を発生し、目標電流信号設定手段21
から供給される目標電流信号IMSに補正係数KHを乗算
処理し、減少補正された目標電流信号IMSH(=KH*I
MS)を駆動制御手段23に供給する。
【0053】図3は補正係数発生手段の要部ブロック構
成図である。図3において、補正係数発生手段24は、
トルク比較手段27、論理積演算手段28、補正係数決
定手段29を備える。
【0054】トルク比較手段27はメモリや比較機能を
備え、予め設定した基準トルク値TFと操舵トルク信号
Sとの大小を比較し、操舵トルク信号TSが基準トルク
値TFを超える(TS>TF)場合には、例えばHレベ
ル、操舵トルク信号TSが基準トルク値TF以下(TS
F)の場合にはLレベルのトルク比較信号TCを論理積
演算手段28に供給する。
【0055】論理積演算手段28は論理積演算機能を有
し、トルク比較信号TCと磨耗信号WSの論理積を演算
し、トルク比較信号TCおよび磨耗信号WSがいずれもH
レベルの場合のみHレベルの論理積信号DWを補正係数
決定手段29に提供する。
【0056】補正係数決定手段29はROM等のメモリ
で構成し、論理積信号DWに対応して予め設定した2値
の補正係数KHをメモリから読み出して図2に示す乗算
手段25に供給する。
【0057】補正係数KHは、1(KH=1)および1を
下回る値(0<KH<1)の2値に設定し、論理積信号
WがLレベルの場合には補正係数KH(=1)を出力
し、一方論理積信号DWがHレベルの場合には1を下回
る補正係数KH(0<KH<1)をそれぞれ乗算手段25
に出力し、乗算手段25から補正係数KH(=1)の場
合には目標電流信号IMSを減少補正しない目標電流信号
MSH、補正係数KH(0<KH<1)の場合には目標電
流信号IMSを減少補正した目標電流信号IMSH(=KH
MS<IMS)を出力する。
【0058】図7に図2に対応した磨耗信号(WS)お
よび目標電流信号(IMSH)特性図を示す。(a)図に
ブラシ磨耗量(LM)−磨耗信号(WS)特性図、(b)
図に操舵トルク信号(TS)−目標電流信号(IMSH)特
性図を示す。(a)図において、磨耗信号WSはブラシ
磨耗量LMが予め設定した所定値以下ではLレベルが出
力され、所定値を超える場合にはHレベルが出力され
る。
【0059】(b)図において、目標電流信号I
MSHは、操舵トルク信号TSが基準トルク値TF以下で
は、磨耗信号WSがLレベルではもちろん、Hレベルで
あっても目標電流信号IMSと同じ値となるが、操舵トル
ク信号TSが基準トルク値TFを超える(TS>TF)場合
(磨耗信号WSもHレベル)には、1を下回る補正係数
Hにより減少補正され、目標電流IMSを下回る値とな
る。
【0060】このように、目標電流補正手段22は、ブ
ラシの磨耗量および操舵トルクのそれぞれが所定値を超
えた場合に、目標電流信号IMSを減少補正する補正係数
Hを発生する補正係数発生手段24を備えたので、ブ
ラシの磨耗量および操舵トルクがそれぞれが所定値を超
える条件で、目標電流信号IMSを減少補正して電動機電
流IMを減少させることができる。
【0061】駆動制御手段23は、PIコントローラま
たはPIDコントローラ、PWM(パルス幅変調)信号
発生手段で構成し、乗算手段25から供給される目標電
流信号IMSHにPI(比例・積分)制御、またはPID
(比例・積分・微分)制御を施した後、目標電流信号I
MSHに対応したPWM信号VPWMとオン信号VONの混成信
号からなる電動機制御信号VOを電動機駆動手段16に
供給する。
【0062】図8は請求項1、請求項4および請求項5
に係る制御手段の要部ブロック構成図である。図8にお
いて、制御手段30は、目標電流信号設定手段21、目
標電流補正手段31、駆動制御手段23を備える。な
お、目標電流信号設定手段21および駆動制御手段23
は、図2に示すものと同一なので説明を省略する。
【0063】また、磨耗センサ14は、ブラシの磨耗量
に対応して連続した磨耗信号WSを出力する点が図2の
磨耗センサ13と異なる。
【0064】目標電流補正手段31は、補正目標電流信
号設定手段32、切替判定手段33、切替手段34を備
え、操舵トルクセンサ12からの操舵トルク信号TS
よび磨耗センサ14からのブラシの磨耗量に対応した磨
耗信号WSに基づいて目標電流信号IMSを補正目標電流
信号IMFに切替え、目標電流信号IMSを減少補正した補
正目標電流信号IMFを駆動制御手段23に供給する。
【0065】図9に請求項4に係る磨耗センサの一実施
例構成図を示す。図9において、磨耗センサは、電動機
10に固定されたポテンショメータ58と、ブラシ51
Aに設けた作用部59とから構成し、ブラシ51Aが磨
耗すると磨耗量に対応して作用部59がポテンショメー
タ58に接触しながら移動し、ポテンショメータ58か
らブラシ51Aの磨耗量に対応して連続的に変化する磨
耗信号WSを目標電流検出手段31に出力する。
【0066】図10に図9の磨耗センサのブラシ磨耗量
(LM)−磨耗信号(WS)特性図を示す。図10に示す
ように、磨耗信号WSはブラシ磨耗量LMの増加に対応し
て図9に示すポテンショメータ58から電圧信号で検出
し、例えば直線的に増加するよう構成する。
【0067】このように、磨耗センサは、ブラシの磨耗
量に対応した磨耗信号WSを発生するので、ブラシの磨
耗量LMを連続して検出することができる。
【0068】補正目標電流信号設定手段32はROM等
のメモリで構成し、予め設計値または実験値に基づいて
ブラシの磨耗量に対応した磨耗信号WSデータをパラメ
ータとした操舵トルク信号TS−補正目標電流信号IMF
特性データを設定しておき、操舵トルクセンサ12が検
出した操舵トルク信号TSおよび磨耗センサ14が検出
した磨耗信号WSに基づいて補正目標電流信号IMFデー
タをメモリから読み出し、補正目標電流信号IMFを切替
手段34に提供する。
【0069】切替判定手段33は比較機能、ROM等の
メモリを備え、操舵トルクセンサ12が検出した操舵ト
ルク信号TSおよび磨耗センサ14が検出した磨耗信号
Sに基づいて所定の磨耗信号WSが供給された状態で、
操舵トルク信号TSが基準トルク値TFを超える(TS
F)場合には、例えばHレベルの切替判定信号XCをコ
ントロール信号として切替手段34に提供する。
【0070】図11に切替判定手段の切替判定信号(X
C)の特性図を示す。図11において、磨耗信号WSと操
舵トルク信号TSで決定される条件が満たされる場合に
は常に、例えばHレベルの切替判定信号XCが出力され
るようメモリにデータを設定する。
【0071】例えば、ブラシの磨耗量が大きく、磨耗信
号WS(=WSH)が検出された場合、操舵トルク信号TS
が基準トルク値TFL以下(TS≦TFL)の条件では、例
えばLレベルの切替判定信号XCが出力され、操舵トル
ク信号TSが基準トルク値TFLを超える(TS>TFL)条
件では、Hレベルの切替判定信号XCが出力される。
【0072】同様に、磨耗信号WSMで操舵トルク信号T
Sがトルク基準値TFMを超える(TS>TFM)場合、磨耗
信号WSLで操舵トルク信号TSがトルク基準値TFHを超
える(TS>TFH)場合には、Hレベルの切替判定信号
Cが出力される。また、図示しないが、任意の磨耗信
号WSに対応して操舵トルク信号TSが設定されたトルク
基準値TFを超える場合にもHレベルの切替判定信号XC
が出力される。
【0073】切替手段34はスイッチング機能を備え、
切替判定手段33から供給されるHレベルの切替判定信
号XCに基づき、目標電流信号設定手段21から供給さ
れる目標電流信号IMSを補正目標電流信号設定手段32
から供給される補正目標電流信号IMFに切替え、この補
正目標電流信号IMFを目標電流信号IMSHとして駆動制
御手段23に供給する。
【0074】図12は図8に示す目標電流補正手段の磨
耗信号WS(WSL:磨耗量小、WSM:磨耗量中、WSH
磨耗量大)をパラメータとした操舵トルク信号TS−補
正目標電流信号IMF特性図を示す。磨耗量が大きくなる
(WSL→WSM→WSH)につれて、補正目標電流信号IMF
は目標電流信号IMSから次第に減少(破線表示→一点鎖
線表示→二点鎖線表示)し、しかも減少開始点(基準ト
ルク値TF)は磨耗量が大きくなるにつれて、小さな基
準トルク値(TFH→TFM→TFL)へと推移する。磨耗量
が大きくなるにつれて、目標電流信号IMSは減少補正さ
れて小さな値の補正目標電流信号IMFとなるため、目標
電流信号IMSに対応した電動機電流IMを減少補正する
ことができる。
【0075】このように、目標電流補正手段31は、操
舵トルクおよび磨耗量に対応した補正目標電流信号IMF
を設定する補正目標電流信号設定手段32と、操舵トル
クおよび磨耗量に基づいて目標電流信号IMSと補正目標
電流信号IMFとを切替える切替手段34とを備えたの
で、操舵トルクおよびブラシの磨耗量に対応して補正目
標電流信号IMFを発生し、電動機電流IMをブラシの磨
耗量に応じて減少させることができる。
【0076】図13は請求項6に係る制御手段の警報手
段の要部ブロック構成図である。図13において、警報
手段36は、磨耗量判定手段37、表示駆動手段38を
備え、磨耗センサ13または磨耗センサ14から供給さ
れる磨耗信号WSに基づいて表示信号SDを発生し、この
表示信号SDで表示器39にブラシの磨耗量に応じた状
態を表示してドライバに知らせる。
【0077】磨耗量判定手段37は比較手段で構成し、
例えば磨耗量が所定値を超えた場合に磨耗センサ13
(例えば図5に示すリミットスイッチ53)が出力する
Hレベルの磨耗信号WSに基づいて判定信号HO(例え
ば、Hレベル)を表示駆動手段38に提供する。
【0078】また、磨耗量判定手段37は、例えば2進
化符号化手段で構成し、磨耗サンサ14(例えば、図9
に示すポテンショメータ58)が出力する磨耗量に対応
した磨耗信号WSを2進化符号にコーディングし、コー
ド化された判定信号HOを表示駆動手段38に提供す
る。
【0079】表示駆動手段38は、例えば電流ドライバ
回路で構成し、磨耗量判定手段37から供給されるHレ
ベルの判定信号HOに基づいてランプまたはLED(発
光ダイオード)で構成される表示器39を駆動して点灯
する。
【0080】また、表示駆動手段38は、例えば複数の
電流ドライバ回路やLCDドライバで構成し、磨耗量判
定手段37から供給される2進化符号の判定信号HO
基づいてブラシの磨耗量に対応した表示を複数のLE
D、またはLCD(液晶表示器)に表示する。
【0081】例えば、表示器39を複数の発光色の異な
るLEDや、LCDで構成し、車室内のフロントパネル
等に配置してブラシの磨耗量に応じてLEDを順次駆動
し、ブラシの磨耗量をLEDの色で報知したり、ブラシ
形状をLCDに表示してブラシの磨耗量に対応してブラ
シ形状が削られていくようグラフィックに表示してもよ
い。また、説明は省略するが、音声(可聴表示)により
ブラシの磨耗の警告を発生しても同じ効果が得られるこ
とは明らかである。
【0082】このように、ブラシの磨耗量に応じた状態
を表示器39に表示する警報手段36を備えたので、ブ
ラシの磨耗量をドライバに知らせることができる。
【0083】上記実施の形態は、電子的な制御を行う制
御手段に、ブラシの磨耗量に応じて電動機電流の減少補
正を行う目標電流補正手段や、ブラシの磨耗量を表示す
る警報手段を備えたものについて説明したが、次に電動
機電流の減少補正やブラシの磨耗量の通報を機械的に行
う実施の形態について説明する。
【0084】請求項7に係る電流補正手段は、電動機に
設けたブラシを整流子に押圧する弾性部材や、ブラシを
構成する材料等で機構的に構成し、ブラシの磨耗量に対
応して電動機電流を減少補正したり、ブラシの磨耗状態
をドライバに操舵感覚の変化によって報知するようにし
たものである。
【0085】図14は請求項8に係る電流補正手段の基
本構成図である。(a)図にブラシの磨耗量が少ない場
合の構成図、(b)図にブラシの磨耗量が大きい場合の
構成図を示す。図14において、電動機10には、電流
補正手段を構成するブラシ51A、ブラシ51Aを整流
子52に押圧する弾性部材61、ブラシ51Aの磨耗量
が所定量に達した場合に弾性部材61の変位を停止する
ストッパ62を備える。
【0086】(a)図では弾性部材61のばね力によ
り、ブラシ51Aは整流子52に充分密着して押圧され
ているため、ブラシ51Aを介して流れる電動機電流I
Mは、操舵トルク信号TSに対応して図2に示す目標電流
信号設定手段21で設定された目標電流信号IMSで決定
される値となり、操舵トルクに対応した操舵補助力がス
テアリング系に作用する。
【0087】(b)図ではブラシ51Aの磨耗が進行
し、弾性部材61の変位はストッパ62で停止されるた
め、弾性部材61のブラシ51Aを押圧するばね力は弱
まり、ブラシ51Aは整流子52に緩やかに押圧された
状態となり、整流子52の回転に対してブラシ51Aが
整流子52に電気的に断続され、操舵トルクに対応した
目標電流信号IMSで決定される電動機電流IMを連続し
て流すことができなくなって電動機電流IMは減少補正
される。
【0088】また、弾性部材61がストッパ62で停止
されると、ブラシ51Aの整流子52への電気的な断続
は不規則となり、電動機電流IMが振動するので、ドラ
イバが操舵感覚に変化を覚える。
【0089】図15に図14の電流補正手段の電動機電
流特性図を示す。図15において、電動機電流IMは、
図14の(b)図のようにブラシの磨耗量が大きい場
合、操舵トルクが大きくなるとともに電動機回転数が上
昇すると、ブラシ51Aの整流子52への接触圧が小さ
くなって電動機電流IMHに減少補正されるとともに、振
動する特性となる。
【0090】このように、電動機10に、ブラシ51A
の磨耗量に対応して電動機電流IMを減少補正する機械
的な電流補正手段を設けたので、電子的な制御を用いず
にブラシの磨耗量に対応して電動機電流IMを減少させ
ることができる。
【0091】また、電流補正手段は、ブラシ51Aを電
動機10の整流子52に押圧する弾性部材61と、この
弾性部材61が所定位置を超えて移動することを禁止す
るストッパ62とを備えたので、弾性部材61がストッ
パ62で停止される状態をブラシ51Aの所定磨耗量と
して機械的に検出し、ブラシ51Aと整流子52の接触
が緩くなることによって直接的に電動機電流IMを減少
させることができるとともに、振動する電動機電流IM
によって操舵感覚に変化を生じるため、ブラシ51Aの
磨耗をドライバに通知することができる。
【0092】図16は請求項9に係る電流補正手段の基
本構成図である。(a)図にブラシの磨耗量が少ない場
合の構成図、(b)図にブラシの磨耗量が大きい場合の
構成図を示す。図16において、ブラシ51Aに、導電
率の低い材料65(例えば、カーボン)と、導電率の高
い材料66とを重ね合わせて接合して形成し、導電率の
低い材料65と導電率の高い材料66のそれぞれに電源
を供給するための給電部67A、67Bを接合して電流
補正手段を構成する。
【0093】このように構成されたブラシ51Aは、導
電率の高い材料66が整流子52に充分押圧されるよ
う、導電率の低い材料65を固定されたガイド68底部
に設けたスプリング69のばね力で押す構成とする。
【0094】(a)図ではスプリング69のばね力によ
り、ブラシ51Aは整流子52に充分密着して押圧され
ており、導電率の高い材料66が整流子52に密着され
ているため、給電部67B→導電率の高い材料66→整
流子52の経路で電動機10に流れる電動機電流I
Mは、操舵トルク信号TSに対応して図2に示す目標電流
信号設定手段21で設定された目標電流信号IMSで決定
される値となり、操舵トルクに対応した操舵補助力がス
テアリング系に作用する。
【0095】(b)図ではブラシ51Aの導電率の高い
材料66が全て磨耗してしまい、ブラシ51Aは導電率
の低い材料65のみとなって、電動機電流IMは給電部
67A→導電率の低い材料65→整流子52の経路で電
動機10に流れるため、導電率の低い材料65の抵抗値
で電動機電流IMが制限される。
【0096】また、ブラシ51Aが導電率の低い材料6
5のみとなると、スプリング69が伸びてブラシ51A
に作用するばね力が弱まり、ブラシ51Aと整流子52
の接触力も弱くなって整流子52の回転に対してブラシ
51Aが整流子52に電気的に断続され、電動機電流I
Mは振動を繰返す。
【0097】図17に図16の電流補正手段の電動機電
流特性図を示す。図17において、ブラシ51Aが導電
率の低い材料65のみとなるまで磨耗した場合には、電
動機電流IMが減少補正されて電動機電流IMHとなると
ともに、電動機電流IMHは振動する特性となる。
【0098】このように、電流補正手段は、ブラシ51
Aを導電率の高い材料66と導電率の低い材料65とを
重ね合せて形成し、電動機10の整流子52に押圧され
る導電率の高い材料66が磨耗されて導電率の低い材料
65が整流子52に押圧されると、導電率の低い材料6
5を介して電動機電流IMを流すので、ブラシ51Aの
導電率の高い材料66が全て磨耗されると、電気抵抗の
高いブラシ51Aを介して電動機電流IMを直接的に減
少させることができる。
【0099】また、減少補正された電動機電流IMは振
動するので、この振動する電動機電流IMによって操舵
感覚に変化を生じ、ブラシ51Aの磨耗をドライバに通
知することができる。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に係る電動
パワーステアリング装置の制御手段は、電動機のブラシ
の磨耗量を検出する磨耗センサからの磨耗信号に基づい
て目標電流信号を減少補正する目標電流補正手段を備
え、電動機のブラシの磨耗量を検出して電動機電流を減
少させながら電動機を駆動し続けるので、急激な操舵補
助力の低下を防止して緩やかに操舵補助力を減少させる
ことができ、ブラシ磨耗時の操舵フィーリングの急激な
低下を改善することができる。
【0101】請求項2に係る磨耗センサは、ブラシの磨
耗量が所定値を超えた場合に磨耗信号を発生するので、
ブラシの磨耗量を正確に検出することができる。
【0102】請求項3に係る目標電流補正手段は、ブラ
シの磨耗量および操舵トルクのそれぞれが所定値を超え
た場合に、目標電流信号を減少補正する補正係数を発生
する補正係数発生手段を備え、ブラシの磨耗量および操
舵トルクがそれぞれが所定値を超える条件で、目標電流
信号を減少補正して電動機電流を減少させることができ
るので、ブラシの寿命を延ばすとともにブラシが磨耗し
てもステアリング系に操舵補助力を作用してドライバの
操舵力を軽減することができる。
【0103】請求項4に係る磨耗センサは、ブラシの磨
耗量に対応した磨耗信号を発生するので、ブラシの磨耗
量を精度良く、連続して検出することができる
【0104】請求項5に係る目標電流補正手段は、操舵
トルクおよび磨耗量に対応した補正目標電流信号を設定
する補正目標電流信号設定手段と、操舵トルクおよび磨
耗量に基づいて目標電流信号と補正目標電流信号とを切
替える切替手段とを備え、操舵トルクおよびブラシの磨
耗量に対応して補正目標電流信号を発生し、電動機電流
をブラシの磨耗量に応じて減少させることができるの
で、ブラシの寿命をより延ばすとともに、ブラシの磨耗
量に対応してステアリング系に操舵補助力を作用してド
ライバの操舵力を軽減することができる。
【0105】請求項6に係る警報手段は、ブラシの磨耗
量に応じた状態を運転者に知らせるので、ブラシの磨耗
量およびブラシの交換時期をドライバに喚起することが
できる。
【0106】請求項7に係る電動パワーステアリング装
置は、電動機に、ブラシの磨耗量に対応して電動機電流
を減少補正する電流補正手段を設け、電子的な制御を用
いずにブラシの磨耗量に対応して電動機電流を減少させ
ることができるので、機構的に単純な構成のみでステア
リング系に操舵補助力を作用してドライバの操舵力を軽
減することができる。
【0107】請求項8に係る電流補正手段は、ブラシを
電動機の整流子に押圧する弾性部材と、この弾性部材が
所定位置をこえて移動することを禁止するストッパとを
備え、弾性部材がストッパで停止される状態をブラシの
所定磨耗量として機械的に検出し、ブラシと整流子の接
触が緩くなることによって直接的に電動機電流を減少さ
せることができるので、機構的に単純な構成のみでブラ
シの磨耗をドライバに知らせるとともに、ステアリング
系に操舵補助力を作用してドライバの操舵力を軽減する
ことができる。
【0108】請求項9に係る電流補正手段は、ブラシを
導電率の高い材料と導電率の低い材料とを重ね合せて形
成し、電動機の整流子に押圧される導電率の高い材料が
磨耗されて導電率の低い材料が整流子に押圧されると、
導電率の低い材料を介して電動機電流を流すので、ブラ
シの導電率の高い材料が全て磨耗されると、電気抵抗の
高いブラシを介して電動機電流を直接的に減少させるこ
とができるので、ブラシのみの機構的に単純な構成でブ
ラシの磨耗をドライバに知らせるとともに、ステアリン
グ系に操舵補助力を作用してドライバの操舵力を軽減す
ることができる。
【0109】よって、電動機のブラシの磨耗量および交
換時期をドライバに報知するとともに、操舵フィーリン
グの急激な低下を防止できる電動パワーステアリング装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電動パワーステアリング装置の
全体構成図
【図2】請求項1〜請求項3に係る電動パワーステアリ
ング装置の要部ブロック構成図
【図3】補正係数発生手段の要部ブロック構成図
【図4】磨耗センサを備えた電動機の概略図
【図5】請求項2に係る磨耗センサの一実施例構成図
【図6】磨耗センサを配置した電動機を備えたパワーア
シストユニットの図1とは異なる実施例部分断面図
【図7】図2に対応した磨耗信号(WS)および目標電
流信号(IMSH)特性図
【図8】請求項1、請求項4および請求項5に係る制御
手段の要部ブロック構成図
【図9】請求項4に係る磨耗センサの一実施例構成図
【図10】図9の磨耗センサのブラシ磨耗量(LM)−
磨耗信号(WS)特性図
【図11】切替判定手段の切替判定信号(XC)の特性
【図12】図8に示す目標電流補正手段の磨耗信号WS
をパラメータとした操舵トルク信号TS−補正目標電流
信号IMF特性図
【図13】請求項6に係る制御手段の警報手段の要部ブ
ロック構成図
【図14】請求項8に係る電流補正手段の基本構成図
【図15】図14の電流補正手段の電動機電流特性図
【図16】請求項9に係る電流補正手段の基本構成図
【図17】図16の電流補正手段の電動機電流特性図
【図18】従来の電動機の磨耗センサの一実施例要部構
成図
【符号の説明】
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリング
軸、3…連結軸、3A,3B…自在継ぎ手、4…ステア
リング・ギアボックス、5…ラック&ピニオン機構、5
A…ピニオン、6…手動操舵力発生手段、7…ラック
軸、7A…ラック歯、8…タイロッド、9…前輪、10
…電動機、11…ボールねじ機構、11A…ボールねじ
軸、12…操舵トルクセンサ、13,14…磨耗セン
サ、15,30…制御手段、16…電動機駆動手段、1
7…ステアリングホイール、21…目標電流信号設定手
段、22,31…目標電流補正手段、23…駆動制御手
段、24…補正係数発生手段、25…乗算手段、27…
トルク比較手段、28…論理積演算手段、29…補正係
数決定手段、32…補正目標電流信号設定手段、33…
切替判定手段、34…切替手段、36…警報手段、37
…磨耗量判定手段、38…表示駆動手段、39…表示
器、51A,51B…ブラシ、52…整流子、53…リ
ミットスイッチ、54…作用片、58…ポテンショメー
タ、59…作用部、61…弾性部材、62…ストッパ、
65…導電率の低い材料、66…導電率の高い材料、6
7A,67B…給電部、DW…論理積信号、HO…判定信
号、IMF…補正目標電流信号、IMS,IMSH…目標電流
信号、KH…補正係数、SD…表示信号、TC…トルク比
較信号、TF,TFL,TFM,TFH…基準トルク値、TS
操舵トルク信号、VM…電動機電圧、VO…電動機制御信
号、WS,WSL,WSM,WSH…磨耗信号、XC…切替判定
信号。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリング系に補助操舵力を付加する
    電動機と、前記ステアリング系の操舵トルクを検出する
    操舵トルクセンサと、少なくとも前記操舵トルクセンサ
    が検出した操舵トルクに対応した目標電流信号を発生し
    て前記電動機の駆動を制御する制御手段とを備えた電動
    パワーステアリング装置において、 前記制御手段は、前記電動機のブラシの磨耗量を検出す
    る磨耗センサからの磨耗信号に基づいて目標電流信号を
    減少補正する目標電流補正手段を備えたことを特徴とす
    る電動パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記磨耗センサは、前記ブラシの磨耗量
    が所定値を超えた場合に磨耗信号を発生することを特徴
    とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記目標電流補正手段は、前記ブラシの
    磨耗量および操舵トルクのそれぞれが所定値を超えた場
    合に、目標電流信号を減少補正する補正係数を発生する
    補正係数発生手段を備えたことを特徴とする請求項1お
    よび請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】 前記磨耗センサは、前記ブラシの磨耗量
    に対応した磨耗信号を発生することを特徴とする請求項
    1記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 前記目標電流補正手段は、操舵トルクお
    よび磨耗量に対応した補正目標電流信号を設定する補正
    目標電流信号設定手段と、操舵トルクおよび磨耗量に基
    づいて目標電流信号と補正目標電流信号とを切替える切
    替手段とを備えたことを特徴とする請求項1および請求
    項4記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記ブラシの磨耗量に
    応じた状態を運転者に知らせる警報手段を備えたことを
    特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装
    置。
  7. 【請求項7】 ステアリング系に補助操舵力を付加する
    電動機と、前記ステアリング系の操舵トルクを検出する
    操舵トルクセンサと、少なくとも前記操舵トルクセンサ
    が検出した操舵トルクに対応した目標電流信号を発生し
    て前記電動機の駆動を制御する制御手段とを備えた電動
    パワーステアリング装置において、 前記電動機に、この電動機のブラシの磨耗量に対応して
    電動機電流を減少補正する電流補正手段を設けたことを
    特徴とする電動パワーステアリング装置。
  8. 【請求項8】 前記電流補正手段は、前記ブラシを前記
    電動機の整流子に押圧する弾性部材と、この弾性部材が
    所定位置を超えて移動することを禁止するストッパとを
    備えたことを特徴とする請求項7記載の電動パワーステ
    アリング装置。
  9. 【請求項9】 前記電流補正手段は、前記ブラシを導電
    率の高い材料と導電率の低い材料とを重ね合せて形成
    し、前記電動機の整流子に押圧される前記導電率の高い
    材料が磨耗されて前記導電率の低い材料が前記整流子に
    押圧されると、前記導電率の低い材料を介して電動機電
    流を流すことを特徴とする請求項7記載の電動パワース
    テアリング装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6838803B2 (en) 2002-01-08 2005-01-04 Nissan Motor Co., Ltd. System for detecting abrasion of brush of direct current motor
CN113172308A (zh) * 2020-01-24 2021-07-27 株式会社神户制钢所 焊丝的进给控制方法、焊丝的进给装置以及焊接系统

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6838803B2 (en) 2002-01-08 2005-01-04 Nissan Motor Co., Ltd. System for detecting abrasion of brush of direct current motor
CN113172308A (zh) * 2020-01-24 2021-07-27 株式会社神户制钢所 焊丝的进给控制方法、焊丝的进给装置以及焊接系统

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