JPH09142322A - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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JPH09142322A
JPH09142322A JP30563695A JP30563695A JPH09142322A JP H09142322 A JPH09142322 A JP H09142322A JP 30563695 A JP30563695 A JP 30563695A JP 30563695 A JP30563695 A JP 30563695A JP H09142322 A JPH09142322 A JP H09142322A
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JP
Japan
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shaft
input
elastic body
power steering
steering apparatus
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Application number
JP30563695A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Harada
達也 原田
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Jidosha Kiki Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Kiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直進領域での操縦安定性を向上させるための
プリセット力を生じさせる弾性体を、入、出力軸間に介
在させたときのがたを防止する。 【解決手段】 舵取ハンドル側の入力軸11と操舵輪側
の出力軸13とをロータリ式切換弁15を作動させるた
めの相対的な回動変位が得られるようにトーションバー
14で連結する。入、出力軸の軸端部に各軸を所定角度
宛回動可能な状態でフェールセーフ部20となる凹部2
1a,22a、凸部21b,22bによるスプライン嵌
合部21,22を設ける。その一方の軸側の凸部21b
に対向する他方の軸側に、矩形状の切欠部25を形成す
る。前記凸部に対し周方向の両側での二点で当接して係
合するくぼみ30aを有し板ばねの折曲げ加工によって
正面視略M字状を呈する弾性体30を、一方軸側の凸部
と矩形状切欠部とに跨って配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トーションバーに
より相対的に回動可能に連結した入、出力軸の回転変位
でロータリ式流路切換弁を作動し、パワーシリンダへの
油路の切換えを制御している動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばインテグラルタイプやラックピ
ニオンタイプの動力舵取装置では、舵取ハンドル側の入
力軸と操舵輪側に連結される出力軸とを、トーションバ
ーにより相対的に回動変位可能に連結し、かつこれら両
軸間に回動変位に伴って流路の切換えを行なうロータリ
式流路切換弁を付設することが一般に行われている。
【0003】このような従来の動力舵取装置において、
ロータリ式流路切換弁を構成するロータおよびスリー
ブ、すなわち前記入、出力軸間にばね手段によりプリセ
ット力を与えることにより、フリクション感のない良好
な操舵フィーリングを得て、たとえば高速走行時におい
ての直進領域での操縦安定性を向上させることが考えら
れている。
【0004】このようなばね手段によるプリセット力付
与機構としては、従来から種々の提案がなされている
が、本出願人も実公平6ー25409号公報に示す構造
のものを先に提案している。すなわち、この従来の動力
舵取装置では、ロータリ式流路切換弁を作動させるため
の回転変位を得るようにトーションバーによって連結さ
れている入、出力軸の軸端部間に形成した凹、凸部から
なるスプライン嵌合によるフェールセーフ部において、
出力軸側の軸端部に設けた孔部内周面の凹部に対向する
入力軸側の軸端部の所定個所に内外を貫通する切欠部を
設け、かつ前記凹部と切欠部内に、略U字状を呈する弾
性体を配置し、これらの凹部と切欠部の回転方向におけ
る両側の側片部に弾接させるように構成したばね手段に
よるプリセット力付与機構を用いている。
【0005】上述した略U字状を呈する弾性体を用いた
プリセット付与機構によれば、入、出力軸間での相対的
な回転変位に適度の節度感を与え、舵取ハンドルの中立
状態を所定の剛性を保って維持し、車輌の直進性を向上
するとともに、舵取ハンドルの戻りをよくし、しかも据
切り時や低速走行時には軽く円滑な舵取操作を行なえる
等の動力舵取装置としての機能を発揮できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように板ばねを略U字状に折曲げ加工することにより形
成している弾性体を、入、出力軸間のフェールセーフ部
において両軸間に介在させた構造では、このU字状を呈
する弾性体、さらにはフェールセーフ用としての出力軸
側の凹部、入力軸側の切欠部の加工誤差によって、弾性
体の両側部と前記凹部や切欠部との間でがたを生じるお
それがあった。このようながたが生じた場合には、プリ
セット力付与機構としての所望の性能が得られず、この
ため加工誤差を修正する追加加工を行なって再調整した
り、シムのような調整手段を組込むことによりがたを解
消することが必要で、手間がかかりコスト高となるとい
う不具合があった。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、直進領域での舵取ハンドルの中立状態を維
持するプリセット力をばね手段により付与するにあたっ
て、入、出力軸側とのがたが生じることなく、所望のプ
リセット力を付与することができ、しかも各部の加工が
簡単でコストも安価である動力舵取装置を得ることを目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような要請に応える
ために本発明に係る動力舵取装置は、舵取ハンドル側の
入力軸と操舵輪側の出力軸とを同一軸線上で相対的に回
動変位可能に連結するトーションバーと、入、出力軸間
に設けられ前記回動変位により流路の切換えを行なうロ
ータリ式流路切換弁と、入、出力軸の軸端部の一方に設
けた孔部の内周面とこの孔部内に嵌合する他方の軸端部
の外周面とに形成した凹、凸部により両軸を所定角度以
内の回動を許容して連結するスプライン嵌合部を備え、
前記入、出力軸におけるスプライン嵌合を構成する一方
の軸端部内周面の凸部に対向する他方の軸端部側に、矩
形状の切欠部を形成するとともに、一方の軸端部側の凸
部に少なくとも周方向の両側での二点で当接した状態で
係合するくぼみを有する正面視略M字状または正面視略
W字状を呈する弾性体を、一方の軸端部側の凸部と矩形
状切欠部とに跨って配設したものである。
【0009】また、本発明に係る動力舵取装置は、上述
した弾性体を板ばねの折曲げにより形成するとともに、
この弾性体における両側の側片部を、入、出力軸側の切
欠部の周方向での両側の壁面に対し内周側から外周側に
かけて僅かな傾斜角度をもって対向するように形成した
ものである。
【0010】本発明によれば、入、出力軸の軸端部間で
のフェールセーフ部などとして機能するスプライン嵌合
部において、入、出力軸のいずれか一方の軸に設けた凸
部に対向するように他方軸に形成した矩形状の切欠部内
に、正面視略M字状または正面視略W字状を呈する弾性
体を、その頂部または底部のくぼみを前記凸部に係合さ
せた状態で配置することにより、この弾性体の両側の側
片部と前記切欠部の周方向での両側の壁面との当接と、
弾性体の頂部または底部のくぼみの前記凸部への係合と
によって、入、出力軸と弾性体とをがたのない状態で組
立てて、入、出力軸間での相対的な回動変位に所望のプ
リセット力を付与することができる。
【0011】すなわち、本発明によれば、弾性体の少な
くとも両側端縁部分が切欠部の両側の壁面に当接すると
ともに、弾性体の頂部または底部のくぼみがスプライン
嵌合用の凸部に係合することにより、両軸間に跨って介
在し、所要のプリセット力を、がたを生じない状態で両
軸間に与え、入、出力軸間での相対的な回動変位に適度
な節度感を与え、舵取ハンドルに中立位置での剛性感を
与え、車輌の直進性を確保できる。特に、本発明によれ
ば、入、出力軸におけるスプライン嵌合用の凸部とこれ
に係合する弾性体のくぼみとを少なくとも周方向の両側
での二点で当接させることにより、上述したがたが生じ
るという問題を解消している。
【0012】また、本発明によれば、正面視略M字状ま
たは正面視略W字状を呈する弾性体を、板ばねの折曲げ
加工によって得ることにより、加工が簡単で低コストの
プリセット力付与機構を構成できる。さらに、本発明で
は、入、出力軸上でこれら両軸を所定の回動角度以下で
の回転変位可能とするスプライン嵌合部に、正面視略M
字状または正面視略W字状を呈する弾性体を設けてお
り、この弾性体のへこみを係合させる凸部を新たに設け
る必要はない。
【0013】また、板ばねの折曲げ加工によって得られ
る弾性体における両側の側片部を、入、出力軸側の切欠
部の周方向での両側の壁面に対し内周側から外周側にか
けて殆どが面接触するか、あるいは外周側のみが両軸間
での相対的な回動変位よりも小さい隙間をもって対向す
る程度の僅かな傾斜角度をもつように形成することによ
り、両軸間での相対的な回動変位を生じたとしても、弾
性体のへこみを有する頂部や両側の側片部に弾発力を害
するような無理な力が作用することはなく、へたりとい
った不具合に対して強くなる。
【0014】ここで、スプライン嵌合部としては、入、
出力軸の軸端部間にフェールセーフ部として設けたもの
を示すが、本発明はこれに限らず、フェールセーフ部を
構成する以外の部分に設けたスプライン嵌合部であって
もよい。また、スプライン嵌合部を構成する凹、凸部形
状としては、インボリュートスプラインで形成した場合
を示すが、これに限らず、角形スプラインで形成しても
よい。さらに、スプライン嵌合部を構成する凸部に係合
する弾性体のくぼみとは、少なくとも周方向の両側での
二点で凸部に当接するように形成するとよいが、凸部に
対し周方向の両側から複数個所で当接する形状でもよ
い。
【0015】
【発明の実施の形態】図1および図2は本発明に係る動
力舵取装置の一つの実施の形態を示すものであり、これ
らの図において、この実施の形態では、本発明をインテ
グラルタイプのボールスクリュ式動力舵取装置を用いて
説明する。
【0016】ここで、図2において、符号1で示すもの
は動力舵取装置であり、2はその装置ハウジング、3は
装置ハウジング2の開口端を閉塞するように組付けられ
た弁カバーを兼ねるバルブハウジングで、これらのハウ
ジング2,3により形成される内部空間はシリンダ4と
して構成され、このシリンダ4内に、図示しない舵取ハ
ンドルの操舵操作に伴ない軸線方向に進退動作され後述
するラックを有するピストン5が配設されている。
【0017】このピストン5の両側には前、後二つの圧
力室6,7が形成され、これらによってパワーシリンダ
が構成されている。ラックを有するピストン5の動作
は、その側方に形成されたラック歯8と噛合するセクタ
歯9aを有するセクタギヤ9により、その出力側の伝達
軸の回動が舵取り機構を構成するピットマンアーム(共
に図示せず)を介して操舵輪側に伝達される。
【0018】前記バルブハウジング3には、ハンドル操
作により回転される入力軸であるスタブシャフト11が
貫通配置され、さらにその先端側には一端が前記ピスト
ン5内に臨みボールねじ機構12を介して連結される出
力軸であるウォームシャフト13が同軸上に配設されて
いる。なお、14はこれらのシャフト11,13内に同
軸的に配設されその両端がそれぞれのシャフト11,1
3側に一体的に結合されているトーションバーで、この
トーションバー14の働きによりスタブシャフト11と
ウォームシャフト13とは所定の角度範囲内において互
いに独立して回転し、かつハンドルの非操舵時に後述す
るロータリ式流路切換弁が中立位置に戻るように構成さ
れている。
【0019】15は前記ハウジング2内に配設された周
知のロータリ式流路切換弁で、スタブシャフト11の内
方端に一体に形成されその外周に複数のバルブ溝を有す
るロータ16と、前記ウォームシャフト13と一体的に
回転するように設けられその内周に複数のバルブ溝を有
するスリーブ17とを備えている。これらの相対的な回
転により油圧流路の切替え動作を行ない、オイルポンプ
(図示せず)からの作動油をハンドル操作に伴なって前
記パワーシリンダの二つの圧力室6,7に選択的に供給
し、操舵輪側へ操舵補助力を与えるピストン5を所望の
方向に移動させるように構成されている。
【0020】このようなロータリ式流路切換弁15の具
体的な構造、作動状態、さらに操舵時におけるピストン
5の動き、これによるラック歯8とセクタ歯9aとの噛
合いに伴ないセクタギヤ9が回動動作することで操舵輪
が所要の方向に転舵動作する点等は、広く知られている
ので詳細な説明は省略する。
【0021】また、図2中18aは前記ピストン5の軸
心部分に形成した孔5aの内周部に形成したボールねじ
溝、18bはこれに対応してウォームシャフト13の外
周部に形成したボールねじ溝で、これらのねじ溝18
a,18b間にボール19が介在している。これらのボ
ールねじ溝18a,18b、ボール19によるボールね
じ機構によって、舵取ハンドル操作に伴なうウォームシ
ャフト13の回転がピストン5の軸線方向の動きに変換
され、ラック歯8、セクタギヤ9を介して舵取操作が行
われることになる。
【0022】本発明によれば、舵取ハンドル側のスタブ
シャフト11(以下、入力軸11という)と操舵輪側の
ウォームシャフト13(以下、出力軸13という)との
軸端部の一方(この場合、出力軸13)の軸端面から凹
設した孔部13aの内周面とこの孔部13a内に嵌合さ
せる他方(この場合、入力軸11)の軸端部11aの外
周面とにフェールセーフ部20として形成した凹、凸部
21a,21b,22a,22bからなるスプライン嵌
合部21,22を備えている。前記出力軸13の軸端部
の孔部13a内周面のスプライン嵌合部21を構成する
凸部21bに対向する入力軸11の軸端部11a側に、
矩形状の切欠部25を形成している。出力軸13の軸端
部側の凸部21bに係合するくぼみ30aを有する弾性
体30を、この出力軸13の軸端部側の凸部21bと矩
形状切欠部25とに跨って配設している。
【0023】ここで、この実施の形態では、上述した弾
性体30は、図1に示すように、正面視略M字状を呈す
るように板ばね材を折曲げ加工することによって形成し
ている。この弾性体30を説明すると、その頂部中央に
湾曲して形成したくぼみ30aが前記凸部21bに係合
可能な形状で形成され、凸部21bの周方向の両側から
少なくとも二点で当接するような湾曲部30b,30b
を有する。さらに、これらの湾曲部30b,30bから
互いに離反する方向に斜めに傾斜して延設した傾斜側片
部30c,30cが前記切欠部25の両側の壁面25
a,25aに沿うように配置され、各側片部下端30
d,30dが切欠部25の底側段部25b,25bによ
る隅部に当接して係止されることにより、所要の状態で
入、出力軸11,13間に組込まれている。
【0024】このような構成では、入、出力軸11,1
3の軸端部間でのフェールセーフ部20として機能する
スプライン嵌合部21,22において、入、出力軸1
1,13のいずれか一方の軸13に設けた凸部21bに
対向するように他方軸11に形成した矩形状の切欠部2
5内に、正面視略M字状の弾性体30を、その頂部のく
ぼみ30aを前記凸部21bに係合させた状態で配置す
ることにより、弾性体30の両側の側片部30c,30
c、特にその下端30d,30dと前記切欠部25の周
方向での両側の壁面25a,25a(底側段部25b,
25bとの隅部)との当接、さらに弾性体30の頂部の
くぼみ30aの前記凸部21bへの係合によって、入、
出力軸11,13と弾性体30とをがたのない状態で組
立てて、入、出力軸11,13間での相対的な回動変位
に所定のプリセット力を付与することができる。
【0025】すなわち、この実施の形態では、弾性体3
0の少なくとも両側端縁部分(両側片部下端30d,3
0d)が切欠部25の両側の壁面25a,25aの底側
段部25b,25bとの隅部に当接して係止されるとと
もに、弾性体30の頂部のくぼみ30aがスプライン嵌
合部21の凸部21bに係合することにより、両軸1
1,13間に跨って介在することになる。したがって、
両軸11,13間に、所要のプリセット力をがたを生じ
ない状態で与え、これら入、出力軸11,13間での相
対的な回動変位に適度な節度感を与えて、舵取ハンドル
に中立位置での剛性を与えることにより、車輌の直進性
が確保できる。
【0026】特に、入、出力軸11,13におけるスプ
ライン嵌合部21の凸部21bとこれに係合する弾性体
30のくぼみ30aとを少なくとも周方向の両側での二
点で当接させることにより、弾性体30と入力軸11と
をいずれの方向への回動であっても確実な係合状態を維
持することができるために、上述したがたによる問題を
解消することができる。
【0027】したがって、このような構成による動力舵
取装置1のプリセット力付与機構では、直進領域での舵
取ハンドルの中立状態を維持するプリセット力をばね手
段により付与するにあたって、入、出力軸11,13側
とのがたによる問題を生じることなく、所望のプリセッ
ト力を付与することができ、しかも各部の加工が簡単で
コストも安価となる。すなわち、この実施の形態のよう
に正面視略M字状を呈する弾性体30を、板ばねの折曲
げ加工によって得ることにより、加工が簡単で低コスト
のプリセット力付与機構を構成できる。さらに、この実
施の形態では、入、出力軸11,13上でこれら両軸1
1,13を所定の回動角度以下での回転変位可能とする
スプライン嵌合部21,22に、正面視略M字状を呈す
る弾性体30を設けているため、この弾性体30のへこ
み30aを係合させる凸部21bを新たに設ける必要は
ない。
【0028】図3は上述した実施の形態の変形例を示
し、正面視略M字状を呈する弾性体30において、両側
の傾斜側片部30c,30cを、内側に湾曲するように
ある程度大きな曲率Rをもって湾曲させた状態で形成し
ている。前記弾性体30をこのような形状で形成する
と、入、出力軸11,13間に相対的な回動変位が生じ
たときに、この弾性体30を変形し易い形状とすること
ができ、この側片部30c,30c部分への過度の応力
集中を緩和させ、これにより弾性体30の耐久性を向上
させることができる。ここで、側片部30c,30cで
の曲率Rは可能な限り大きくするとよい。なお、この例
では、弾性体30の頂部のくぼみ30aの両側の湾曲部
30b,30bを、凸部21bに両側から係合する形状
で形成した状態を図示しているが、これに限定されな
い。
【0029】図4は本発明のさらに別の実施の形態を示
し、前述した図1に対応する変形例である。これを説明
すると、この実施の形態では、二個の弾性体30を点対
称位置に組込んでいる。このようにすれば、より一層確
実なプリセット力付与機構を得ることができる。
【0030】また、この実施の形態では、板ばねの折曲
げ加工によって得ている弾性体30における両側の傾斜
側片部30c,30cを、入力軸11側の切欠部25の
周方向での両側の壁面25a,25aに対し内周側から
外周側にかけて殆どが面接触するか、あるいは外周側の
みが両軸11,13間での相対的な回動変位(一般には
1°程度の回動変位)よりも小さい隙間(図中Sで示す
部分)をもって対向する程度の僅かな傾斜角度をもつよ
うに形成している。このようにすれば、両軸11,13
間で相対的な回動変位を生じたとしても、弾性体30の
へこみ30aを有する頂部や両側の側片部30c,30
cが必要以上に弾性変形して弾発力が害され、へたり現
象に対し強度を向上させることができる。
【0031】さらに、上述した弾性体30において、凸
部21bに係合するへこみ30aやその両側の湾曲部3
0b,30bが、両軸11,13が相対的に回動変位し
たときに内側に弾性変形し易いように形成している。こ
のように変形し易い形状とすれば、スプライン嵌合部2
1の凸部21bが回動時に一方の湾曲部30bに乗り上
げるようになり、これにより弾性体30は中立状態から
変位しないか、僅かに変位した状態を保つことが可能
で、弾性体30の側片部30c部分での応力を小さくす
ることができる。換言すれば、この側片部30cへの応
力集中を前述した湾曲部30bでの変形によって緩和さ
せることにより、弾性体30の耐久性を向上させること
が可能となる。
【0032】ここで、上述した弾性体30において、両
側端縁部分(側片部下端30d,30d)を内向きに屈
曲させ、この屈曲部30e,30eを入力軸11側の切
欠部25による段部25b,25bに当接させた状態で
配置しているが、これはこの弾性体30を受ける切欠部
25を、入力軸11に対し放電加工で形成した場合に、
この切欠部25の壁面25aと段部25bとの隅部に弾
性体30の側片部下端30dを適切に係止できないこと
があるため、安定して係止できるようにしている。な
お、このような弾性体30の折曲げ形状や切欠部25へ
の係合構造としては、必要に応じて適宜変形することが
できる。
【0033】図5は上述した図4における実施の形態の
変形例を示し、この実施の形態では、正面視略M字状を
呈する弾性体30の両側の側片部30c,30cから側
面部下端30d,30dを介して内向きに屈曲させてい
る屈曲部30e,30eの屈曲角度を図4のような略直
角ではなく、鈍角で形成した場合である。このようにす
れば、この屈曲部30e,30eが、図5に示すよう
に、入力軸11側の切欠部25の段部25b,25bに
対し先端部分のみが当接した状態で装着されるもので、
これにより入、出力軸11,13が相対的に回動したと
きに弾性変形を前記側片部30c,30cから屈曲部3
0e,30eにかけての部分での弾性変形によって吸収
することが可能で、これにより側片部30c,30c部
分に必要以上に応力集中が生じることを緩和することが
でき、弾発力が害され、へたり現象を生じることに対し
ての強度を向上させることができる。
【0034】図6はさらに本発明の別の実施の形態を示
し、この場合には、入力軸11側のスプライン嵌合部2
2における凸部22bに対向して出力軸13側の孔部1
3a内周面に矩形状切欠部25を凹設し、この切欠部2
5と前記凸部22bとの間に正面視略W字状を呈する弾
性体30を介在させて設けたものである。このような構
成としても、上述した実施の形態と同等の作用効果が得
られることは勿論である。
【0035】また、この実施の形態では、出力軸13の
一個所に切欠部25を形成したが、前述した図1や図4
の場合と同様に、点対称位置の数個所に切欠部を形成
し、複数の弾性体30を組込むように構成してもよい。
さらに、この実施の形態でも、弾性体30の傾斜側片部
30c,30cの上端30d,30dに内向きに屈曲部
を形成し、これを切欠部25の段部25bに当接させて
組込むようにしてもよい。
【0036】なお、本発明は上述した実施の形態で説明
した構造には限定されず、各部の形状、構造等を適宜変
形、変更し得ることは言うまでもない。たとえばスプラ
イン嵌合部21,22として、入、出力軸11,13の
軸端部間にフェールセーフ部20として設けた例を示し
たが、本発明はこれに限らず、フェールセーフ部を構成
する以外の部分に設けたスプライン嵌合部であってもよ
い。また、スプライン嵌合部21,22を構成する凹、
凸部形状として、インボリュートスプラインで形成した
場合を示したが、本発明はこれに限らず、角形スプライ
ンで形成してもよい。
【0037】さらに、スプライン嵌合部21,22を構
成する凸部21b,22bに係合する弾性体30のくぼ
み30aとしては、少なくとも周方向の両側での二点で
凸部21b,22bに当接するように形成するとよい
が、凸部21b,22bに対し周方向の両側から複数個
所で当接する形状で形成してもよい。
【0038】また、上述した実施例では、入、出力軸1
1,13間のフェールセーフ部20において周方向の一
個所に本発明による弾性体30からなるプリセット力付
与機構を設けた場合を示したが、本発明はこれに限定さ
れず、入、出力軸11,13間で軸線方向または周方向
に任意の数だけ設けてもよい。
【0039】さらに、上述した実施例では、インテグラ
ルタイプの動力舵取装置1を例示したが、本発明はこれ
に限らず、ラックピニオンタイプ等のようにロータリ式
流路切換弁15を備えた種々の形式動力舵取装置であれ
ば適用することができる。
【0040】
【実施例】板ばねを折曲げ加工することにより得ている
正面視略M字状または正面視略W字状を呈する弾性体3
0によるプリセット力付与機構を設ける動力舵取装置1
として、インテグラルタイプのものを用いている。ま
た、弾性体30を、トーションバー14で連結した入、
出力軸11,13間でフェールセーフ部20として設け
たスプライン嵌合部21,22に付設している。このス
プライン嵌合部21,22はインボリュートタイプのス
プラインとしての凹、凸部21a,21b,22a,2
2bによって形成されている。弾性体30を、板ばねの
折曲げ加工によって形成している。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る動力舵
取装置によれば、舵取ハンドル側の入力軸と操舵輪側の
出力軸とをロータリ式流路切換弁を作動させるように同
一軸線上で相対的に回動変位可能に連結するトーション
バーと、入、出力軸の軸端部の一方に設けた孔部の内周
面とこの孔部内に嵌合させる他方の軸端部の外周面とに
形成した凹、凸部からなるスプライン嵌合部を備え、前
記入、出力軸におけるスプライン嵌合部を構成する一方
の軸端部内周面の凸部に対向する他方の軸端部側に、矩
形状の切欠部を形成するとともに、一方の軸端部側の凸
部に係合するくぼみを有する正面視略M字状または正面
視略W字状を呈する弾性体を、一方の軸端部側の凸部と
矩形状切欠部とに跨って配設したので、簡単な構成であ
るにもかかわらず、以下に述べる優れた効果を奏する。
【0042】すなわち、本発明によれば、一方軸のスプ
ライン嵌合用の凸部に対し係合するくぼみを有する弾性
体を、他方軸側に設けた矩形状切欠部内に配設すること
により、舵取ハンドルの中立位置でのプリセット力をが
たを生じることなく適切に得ることが可能で、たとえば
車輌の高速走行時等においての直進領域の操縦安定性を
向上させることができる。また、入、出力軸間にプリセ
ット力を付与する機構を、たとえば入、出力軸間でのス
プライン嵌合用の凹、凸部によるフェールセーフ部に設
けることにより、プリセット力付与機構を設けるための
特別な加工は少なくて済み、加工が容易でコスト低減が
図れる。勿論、フェールセーフ部での機能には何らの影
響を及ばさない。
【0043】さらに、本発明によれば、弾性体のくぼみ
を、入、出力軸の一方の軸端部に設けた凸部に対し少な
くとも周方向の両側での二点で当接させた状態で係合す
るように構成しているので、両軸間を所要のプリセット
力をもって、しかもがたのない状態で連結し、従来の不
具合を確実に解消することができる。また、本発明によ
れば、正面視略M字状または正面視略W字状を呈する弾
性体を、板ばねの折曲げ加工によって得ることができる
から、加工が簡単で低コストのプリセット力付与機構を
構成できる。
【0044】さらに、本発明によれば、板ばねの折曲げ
加工によって形成した弾性体における両側の側片部を、
入、出力軸側の切欠部の周方向での両側の壁面に対し内
周側から外周側にかけて殆どが面接触するか、あるいは
外周側のみが両軸間での相対的な回動変位よりも小さい
隙間をもって対向する程度の僅かな傾斜角度をもつよう
に形成することにより、両軸間での相対的な回動変位に
かかわらず、弾性体の各部、特にへこみを有する頂部や
両側の側片部での弾性変形量は小さく、これにより弾発
力が小さいため、へたりのような不具合を生じることが
なく、耐久性の向上を図るうえで効果を発揮することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る動力舵取装置の一つの実施の形
態を示し、特徴とする入、出力軸のスプライン嵌合によ
るフェールセーフ部の断面図である。
【図2】 本発明に係る動力舵取装置の一つの実施の形
態を示し、動力舵取装置全体の縦断側面図である。
【図3】 図1の変形例を示す要部を拡大して示す断面
図である。
【図4】 本発明に係る動力舵取装置の別の実施の形態
を示し、図1に対応するフェールセーフ部の断面図であ
る。
【図5】 図4の変形例を示す要部を拡大して示す断面
図である。
【図6】 本発明に係る動力舵取装置のさらに別の実施
の形態を示し、図1、図4に対応するフェールセーフ部
の断面図である。
【符号の説明】
1…インテグラルタイプの動力舵取装置、2…装置ハウ
ジング、3…バルブハウジング、4…シリンダ、5…ピ
ストン、11…スタブシャフト(入力軸)、11a…軸
端部、13…ウォームシャフト、13a…軸端部の孔
部、14…トーションバー、15…ロータリ式流路切換
弁、16…ロータ、17…スリーブ、20…フェールセ
ーフ部、21,22…スプライン嵌合部、21a,22
a…凹部、21b,22b…凸部、25…矩形状切欠
部、25a…壁面、25b…段部、30…弾性体、30
a…くぼみ、30b…湾曲部、30c…傾斜側片部、3
0d…側片部下端(側片部上端)、30e…屈曲部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舵取ハンドル側の入力軸と操舵輪側の出
    力軸とを同一軸線上で相対的に回動変位可能に連結する
    トーションバーと、前記入、出力軸間に設けられ前記回
    動変位により流路の切換えを行なうロータリ式流路切換
    弁と、前記入、出力軸の軸端部の一方に設けた孔部の内
    周面とこの孔部内に嵌合する他方の軸端部の外周面とに
    形成した凹、凸部により両軸を所定角度以内の回動を許
    容して連結するスプライン嵌合部を備えた動力舵取装置
    において、 前記入、出力軸間でのスプライン嵌合部を構成する一方
    の軸端部内周面の凸部に対向する他方の軸端部側に、矩
    形状の切欠部を形成するとともに、 前記一方の軸端部側の凸部に係合するくぼみを有する弾
    性体を、この一方の軸端部側の凸部と前記矩形状切欠部
    との間に跨って配設したことを特徴とする動力舵取装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の動力舵取装置において、 弾性体のくぼみを、入、出力軸の一方の軸端部に設けた
    凸部に対し少なくとも周方向の両側での二点で当接した
    状態で係合するように形成したことを特徴とする動力舵
    取装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の動力舵取
    装置において、 弾性体を、正面視略M字状に形成したことを特徴とする
    動力舵取装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載の動力舵取
    装置において、 弾性体を、正面視略W字状で形成したことを特徴とする
    動力舵取装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3または請
    求項4記載の動力舵取装置において、 板ばねを折曲げることによって弾性体を形成し、 この弾性体における両側の側片部を、入、出力軸側の切
    欠部の周方向での両側の壁面に対し内周側から外周側に
    かけて僅かな傾斜角度をもって対向するように形成した
    ことを特徴とする動力舵取装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1627757A1 (en) * 2004-07-20 2006-02-22 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Stabilizer control device
JP2006316967A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Toyota Motor Corp 軸部材の取付構造

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