JPH09141523A

JPH09141523A - 全鋼クロス用の鋸歯ワイヤー

Info

Publication number: JPH09141523A
Application number: JP8237104A
Authority: JP
Inventors: Ralph Armin Graf; アルミングラフラルフ
Original assignee: Graph & Co AG Kuratsutsuen & Mas Fab; Graf und Cie AG
Current assignee: Graph & Co AG Kuratsutsuen & Mas Fab; Graf und Cie AG
Priority date: 1995-08-07
Filing date: 1996-08-06
Publication date: 1997-06-03
Also published as: TW330600U; DE19528976A1; DE19528976C2; IN187967B; BR9603324A; US5701637A

Abstract

(57)【要約】【課題】非常に耐久性があるほかに、繊維の流れをよ
くする繊維案内手段にもなる全鋼クロス用の鋸歯ワイヤ
ーを提供する。【解決手段】実質的に平面上または一部筒状の表面の
上に置かれているワイヤー底から延びる足と、足から歯
先に向かって均一に外側へテーパのついたブレードとを
有する全鋼クロス用の鋸歯ワイヤーであって、ブレード
が少なくともワイヤー底から垂直に延びる平面と鏡映対
称の鋸歯の領域に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、実質的な平面の上
にまたは一部筒状の表面の上に置かれているワイヤー底
から延びる足と、足から歯先に向かって均一に外側へテ
ーパのついたブレードとを有する鉄鋼のクロス用の鋸歯
ワイヤーに関するものである。このタイプの鋸歯ワイヤ
ーは、織物繊維の加工に用いられる。このため、それら
の鋸歯ワイヤーは、例えば、カードのドラム、またはス
トリッピングローラなどの円筒状支持体の上にらせん形
に巻かれる。更に、そのような鋸歯ワイヤーは、オープ
ンエンド紡績装置においてストリッピングローラのため
の全鋼クロスとして用いられている。

【０００２】

【従来の技術】知られている適用では、繊維案内手段と
しての鋸歯ワイヤーの全鋼クロスは、従来使われて来た
支持体中に埋め込んだ個々の針から成るクロスに殆ど完
全に取って変わった。これは、全鋼クロスの製造が比較
的容易なこと及び寿命が長いことに概ね起因している。
全鋼クロスでの使用のための鋸歯ワイヤーの製造の１例
を以下図３を参照して説明する。以下の選択された図面
においては、国際規格ＩＳＯ５２３４が参照されてい
る。特に図３に見られるように、規格の鋸歯ワイヤー２
００は、概ね平面状のワイヤー底２１２から延びる足２
１０と、歯２２２が設けられたその上のブレード２２０
とから成っている。支持材上への鋸歯ワイヤーの配置を
容易にするために、足２１０は、変形自在な金属ででき
ており、一方、ブレード２２０は、比較的成形し難い硬
化鋼でできている。そのような鋸歯ワイヤーをローラ状
の支持体上で鍛伸することを容易にするために、鋸歯ワ
イヤーは、製造する際に曲げることができる。そのと
き、ワイヤー底２１２は、一部円筒状表面の形を有して
いる。

【０００３】図３（ｂ）から判るように、足２１０は、
ワイヤー底２１２に垂直に延びる足フランク２１４及び
２１６によって形成されている。ブレード２２０は、２
つのブレードフランク２２６及び２２８によって形成さ
れており、そのブレードフランク２２６は、足フランク
２１４と面一になっており、一方、ブレードフランク
２２８は、ワイヤー底２１２に垂直に延びる平面２２４
と鋭角βを形成している。このように、ブレード２２０
は、望ましくない横安定性即ちブレード２２０のブレー
ドフランク２２６に垂直な方向での応力に対する抵抗を
失うことなしに、個々の隣り合った全鋼クロスの鋸歯ワ
イヤー部分の間で繊維を加工するために利用できるスペ
ースを概ね歯２２２の歯先の領域で増大するように、足
２１０から始まって歯２２２の歯先へ均一にテーパがつ
いている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】図３について説明した
タイプの鋸歯ワイヤーは、比較的簡単な製造という上記
の利点を有しているが、繊維の案内の仕方について改善
の余地があることが判った。例えば、カードのドラムの
ための全鋼クロスとして規格の鋸歯ワイヤーを利用する
ことによって、比較的多量の繊維がそのクロスによる数
回の回転の間保持されることが判る。同じことは、規格
の全鋼クロスのついたストリッピングローラについても
見られる。従来技術における上記の問題点に鑑み、非常
に耐久性があるほかに、繊維の流れをよくする繊維案内
手段にもなる全鋼クロス用の鋸歯ワイヤーを提供するこ
とが本発明の一つの目的である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的は、ブレード
が、少なくともワイヤー底に垂直に延びる平面に鏡映対
称な鋸歯の領域に形成されることによって達成される。
ローラ支持体に巻かれるそのような鋸歯ワイヤーで形成
された全鋼クロスでは、鋸歯ワイヤーの隣り合った歯の
ついたブロード部分の間に、加工される繊維を保持する
ためローラ軸に垂直な平面に対して対称なスペースが形
成される。鋸歯ワイヤーのらせん状取付けにより生じる
この対称配置からの僅かな偏差は、以下においては無視
される。加工スペースの対称配置は、ローラがその軸の
まわりで回転する間このスペース内での繊維に最小の切
断（ｓｈｅａｒ）を生じさせる。その結果、本発明によ
って形成された鋸歯ワイヤーは、実質的に一層小さな切
断、従って、加工スペース内での繊維の一層少ないクリ
ンプを生じさせる。総体的に、そこでは、ローラの数回
の回転の間により少ない繊維が運び出されるように一層
良好な繊維の流れが得られる。この利点は、ローラの経
がより小さいもの、そして特にストリッピングローラに
ついて特にみられる。

【０００６】

【発明の実施の形態】特に滑らかなローラと共に用いら
れるときに、隣り合ったワイヤー同志のブレードの間で
の加工スペースを増大するために、足に接したブレード
幅は足の幅よりも小である。本発明による鋸歯ワイヤー
の製造を簡単にするためには、足が、ワイヤー底に垂直
に延びる平面に対して概ね鏡映対称につくられること
が、特に有利である。特に、短い足の高さを有する本発
明の鋸歯ワイヤーの使用では、足がワイヤー底に垂直に
延びる足フランクを有するときに、横方向の剛性即ちロ
ーラ軸に平行な方向のストレスに対する抵抗を増大する
ことが望ましい。そのような鋸歯ワイヤーでは、鋸歯ワ
イヤーの全高とワイヤー底に垂直に延びる足フランクの
高さとの比は少なくとも５．７であることができる。ワ
イヤーの全高と足の高さとのそのような大きな比を有す
る鋸歯ワイヤーは、カードのストリッピングローラのた
めのクロスとして特に使用に適している。ドラムからス
トリッピングローラへの繊維の移動を改善するために、
歯先のブレード幅は、好適には、０．１２±０．０２ｍ
ｍ以下である。そのような歯先での狭いブレード幅は、
ブレードの対称形成がその横方向の剛性を増大するの
で、ワイヤー全高と足の高さとの比が５．７以下である
本発明による鋸歯ワイヤーによって達成することができ
る。

【０００７】カードのストリッピングローラのためのク
ロスを製造するための本発明の特に好適な実施例におい
ては、ワイヤー底に垂直に延びる足フランクは、０．７
ｍｍの高さを有し、一方、歯ののど厚は３ｍｍである。
上述の利点と共に、本発明の鋸歯ワイヤーは、その対称
的なブレードの結果として全鋼クロスとして取り付ける
のが容易である。特に、カードのドラムのための全鋼ク
ロスとして、歯の限られたのど厚を有する本発明の鋸歯
ワイヤーの使用では、足フランクが、ワイヤー底と鋭角
をなすことが提案されている。そのような鋸歯ワイヤー
は、ワイヤー底と鋭角をなす足フランクがそれに連続し
たブレードフランクと面一であるときには、例えば冷間
圧延装置により特に容易に製造することができる。その
ような鋸歯ワイヤーとともに滑らかな支持ローラを使用
するために、足は、互いに平行に延びる２つの足フラン
クを有する。このように、隣り合った鋸歯ワイヤーの足
部分が互いに当接している表面は、クロスの横方向剛性
を増大するように高くすることができる。カードのドラ
ム用クロスを製造するために、鋸歯ワイヤーの全高と足
の高さとの比は、２よりも小である。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を図面を参照しながら説明す
る。図面には、説明中に特に詳細には述べられていない
全特徴が詳細に示されている。図１は、カード機のスト
リッピングローラ用の全鋼クロスの製造のための鋸歯ワ
イヤーを図示している。図１（ａ）で分かるように、鋸
歯ワイヤー１は、ワイヤー底１２から延びる足１０とそ
れに連続しているブレード２０とから成っている。ブレ
ード２０には、弧状の、即ちカーブしたエッジを有する
鋸歯２２が設けられている。鋸歯２２のカーブしたエッ
ジは、処理中の繊維が鋸歯の全のど厚に亘って均一に分
布されることを確実にする。そして、これが、鋸歯ワイ
ヤー１の磨耗抵抗を増大する。更に、カーブした鋸歯２
２を有する鋸歯ワイヤー１を用いると、歯の基部にネッ
プや殻を集めることが少なくなり、そしてドラムとスト
リッパとの間の繊維の移動を改善する。図１（ｂ）に示
すように、ブレード２は、足１０から連続して歯先２３
へ外側にテーパがついている。更に、ブレード２０は、
ワイヤー底１２に垂直な面に関して鏡映状である。ブレ
ードのフランク２６及び２８が、それぞれ面２４とＹ／
２の角度を有しているこの形状のために、全鋼クロス
は、概ね、対称な針のクロスの形をしている。そのた
め、繊維の案内をよくし、従って繊維の流れをよくす
る。

【０００９】更に、図１（ｂ）からみられるように、足
１０は、ワイヤー底１２に対して垂直に延びる２つのフ
ランク１４及び１６を有している。そのため、ワィヤー
底１２に垂直なフランク１６の高さｂが僅か０．７ｍｍ
のときでも、ワイヤー底１２に垂直に延びるフランク１
４が、隣り合ったワイヤー部分のワイヤー底に垂直に延
びるフランク１６に直接寄り掛かってできているローラ
体の周りに巻いた鋸歯ワイヤー１の全鋼クロスに十分な
大きさの横安定性があることを確実にしている。この横
安定性は、鋸歯１の全体の高さａとワイヤー底に垂直な
フランク１６の高さｂとの関係が少なくとも５．７の値
をもつときに、鋸歯１自体の使用によって得られる。そ
のようなワイヤーの全体の高さと足の高さとの大きな比
は、材料を不必要に多く使用することなく、３ｍｍまた
はそれ以上の歯ののど厚ｃをもつ歯２２の形成を可能に
する。ブレード２０の対称的な形成は、歯２２の大きな
横方向剛性をもつそのような大きな歯ののど厚で達成す
ることができる。フランク２６と２８との間の角度Ｙが
約９゜である図示の実施例においては、ブレードの歯先
の幅ｄが僅か０．１２±０．０２ｍｍまたはそれ以下の
ときでも、歯２２の十分に大きな横方向剛性が得られ
る。

【００１０】上記説明から演繹できるように、必要な材
料の量の減少と繊維の加工の間の材料の満足すべき流れ
の確保とを同時にはかりなから、図１（ａ）及び（ｂ）
に示すタイプの鋸歯によって歯２２の十分に大きな横方
向安定性と剛性とを持つカード機のストリッピングロー
ラ用の全鋼の巻き部材を製造することが可能である。図
１（ａ）及び（ｂ）に示すタイプの鋸歯は、例えば、上
下のローラが共に型になっている冷間圧延法で製造する
ことができる。足１０が、ワイヤー底１２に垂直に延び
る面２４に関して、やはり対称につくられるときには、
対称形のブレード２０を有する鋸歯ワイヤーの製造を簡
単にすることが可能である。そのような鋸歯ワイヤーの
断面図が図１（ｃ）に図示されている。この図で図示さ
れている鋸歯ワイヤーは、概ね、図１（ａ）及び（ｂ）
を参照して説明された鋸歯と対応している。それは、単
に、ワイヤー底１２に垂直な面２４にやはり対称である
足１０がついている点で異なっている。かくして、図１
（ｃ）に図示された鋸歯ワイヤーは、冷間圧延装置中の
対称に形成された上下のローラで製造することができ
る。

【００１１】図２は、本発明による鋸歯ワイヤーからつ
くられ、カード機のドラムに取り付けられたクロスの軸
方向断面の一部を示してる。クロスを形成するようにロ
ーラのまわりにらせん状に巻かれている鋸歯ワイヤー１
００は、概ね平らなワイヤー底１１２から延びる高さが
ｂの足１１０とブレード１２０とで形成されており、全
体の高さａと足の高さがｂとの割合が実質的に２より小
である。足フランク１１４及び１１６は、互いに平行に
延び且つワイヤー底１１２と鋭角αを形成している。ワ
イヤー底１２０に垂直に延びる面１２４に対称に形成さ
れたブレード１２０は、足フランク１１４と面一に９０
゜−γ／２（γはブレードのフランク１２６と１２８と
の間の角度である。）に等しい角度αで延びるブレード
フランク１２６を有している。このような形の鋸歯ワイ
ヤーは、冷間圧延法で滑らかな下部ローラにより製造す
ることができる。本発明は、図示された実施例に限定さ
れるものでなく、本発明による組み合わされた、または
連結された足を有する鋸歯ワイヤーを含有する。更に、
本発明による鋸歯ワイヤーは、分離用ローラーのクロス
を製造するのにも使用できる。このため、上述した利点
は、また、改善された繊維の案内及び改善された繊維の
流れを可能にする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例による鋸歯ワイヤー。

【図２】本発明の第２実施例による鋸歯ワイヤー。

【図３】従来技術による全鋼クロス用の鋸歯ワイヤー。

【符号の説明】

１，１００鋸歯ワイヤー１０，１１０足１２，１１２底１４，１６，１１４，１１６足フランク２０ブレード２２鋸歯２３歯先２４底に垂直な面２６，２８，１２６，１２８ブレードフランク

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】実質的な平面の上にまたは一部筒状の表
面の上に置かれているワイヤー底（１２，１１２）から
延びる足（１０，１１０）と、足（１０，１１０）から
歯先（２３）に向かって均一に外側へテーパのついたブ
レード（２０，１２０）とを有する全鋼クロス用の鋸歯
ワイヤー（１，１００）であって、ブレード（２０，１
２０）が、少なくとも、ワイヤー底（１２，１１２）か
ら垂直に延びる平面（２４，１２４）と鏡映対称の鋸歯
（２２）の領域に形成されていることを特徴とする鋸歯
ワイヤー。
【請求項２】足（１０）上のブレードの幅が、足の幅
よりも小であることを特徴とする、請求項１に記載の鋸
歯ワイヤー。
【請求項３】足（１０）が、ワイヤー底（１２）に垂
直に延びる平面（２４）に対して概ね鏡映対称に形成さ
れていることを特徴とする、請求項１または２に記載の
鋸歯ワイヤー。
【請求項４】足（１０）が、ワイヤー底（１２）に対
して垂直に延びる足フランク（１４，１６）を有するこ
とを特徴とする、請求項１、２または３に記載の鋸歯ワ
イヤー。
【請求項５】鋸歯ワイヤーの全体の高さ（ａ）とワイ
ヤー底に垂直に延びる足フランクの高さ（ｂ）との比が
少なくとも５．７であることを特徴とする、請求項４に
記載の鋸歯ワイヤー。
【請求項６】歯先（２３）のブレード幅（ｄ）が、
０．１ｍｍまたはそれよりも小であることを特徴とする
請求項５に記載の鋸歯ワイヤー。
【請求項７】ワイヤー底（１２）に垂直に延びる足フ
ランク（１６）が０．７ｍｍの高さ（ｂ）を有し、且
つ、歯ののど厚（ｃ）が３ｍｍであることを特徴とす
る、請求項５または６に記載の鋸歯ワイヤー。
【請求項８】足（１１０）が、ワイヤー底（１１２）
と鋭角（α）を形成する足フランク（１１４，１１６）
を有することを特徴とする、請求項１または２に記載の
鋸歯ワイヤー。
【請求項９】ワイヤー底（１１２）と鋭角（α）を形
成する足フランク（１１４）が、それに接続しているブ
レードのフランク（１２６）と面一に延びることを特徴
とする、請求項１に記載の鋸歯ワイヤー。
【請求項１０】足（１１０）が、互いに平行に延びる
２つの足フランク（１１４，１１６）を有することを特
徴とする、請求項８または９に記載の鋸歯ワイヤー。
【請求項１１】鋸歯ワイヤー（１１０）の全高（ａ）
と足の高さ（ｂ）との比が２より小であることを特徴と
する、請求項３〜１０のいずれかの項に記載の鋸歯ワイ
ヤー。
【請求項１２】請求項１〜７のいずれかの項に記載の
鋸歯ワイヤーのカード機のストリッピングローラ用の全
鋼クロスとしての使用。
【請求項１３】請求項８〜１１のいずれかの項に記載
の鋸歯ワイヤーのカード機のドラム用の全鋼クロスとし
ての使用。