JPH09140788A - 医療用ドリップチャンバー - Google Patents

医療用ドリップチャンバー

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JPH09140788A
JPH09140788A JP7307818A JP30781895A JPH09140788A JP H09140788 A JPH09140788 A JP H09140788A JP 7307818 A JP7307818 A JP 7307818A JP 30781895 A JP30781895 A JP 30781895A JP H09140788 A JPH09140788 A JP H09140788A
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JP
Japan
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drip chamber
filter
end opening
medical
liquid
Prior art date
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Pending
Application number
JP7307818A
Other languages
English (en)
Inventor
Sumio Ohara
澄夫 大原
Ei Okawa
鋭 大川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nikkiso Co Ltd filed Critical Nikkiso Co Ltd
Priority to JP7307818A priority Critical patent/JPH09140788A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部に血液の滞留が発生せず、残血も発生し
ない医療用ドリップチャンバーを提供すること。 【解決手段】 下端開口部を有するドリップチャンバー
本体と、その下端開口部に装着可能に形成されてなり、
かつ円錐周側面を有し、中心軸を通る縦断面におけるそ
の円錐周側面の端面と前記ドリップチャンバーの中心軸
線とのなす角度が2〜10度に調整されてなるフィルタ
ー部材とを有することを特徴とする医療用ドリップチャ
ンバー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、医療用ドリップチャ
ンバーに関し、更に詳しくは、内部で体液の滞留が発生
しない医療用ドリップチャンバーに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、体
外循環回路に使用されるドリップチャンバーとして、図
6に示すようなドリップチャンバーが知られていた。
【0003】このドリップチャンバー100 は、ドリップ
チャンバー本体101 と、フィルター装着部材102 と、フ
ィルター103 と、固定部材108 とを備えてなる。
【0004】前記ドリップチャンバー本体101 は、上下
の両端に開口部を有する円筒体であり、その上端の開口
部には前記ドリップチャンバー本体101 内に血液を導入
する液導入路を備えた液導入路形成部材(図示しな
い。)が装着されている。このドリップチャンバー本体
101 の下端開口部には、フィルター装着部材102 により
フィルター103 が装着される。
【0005】前記フィルター装着部材102 は、装着用リ
ング104 と、装着用リング104 から立設された支持部材
105 と、前記支持部材105 により支持された頂部106 と
を有する。
【0006】前記装着用リング104 は前記ドリップチャ
ンバー本体101 の下端開口部の外径と実質的に同じ外径
および前記下端開口部の内径よりも小さな内径を有する
円盤であり、環状の平面部を有する。前記フィルター装
着部材102 を前記ドリップチャンバー本体101 の下端開
口部に装着した場合、装着用リング104 の環状の平面部
は、その一部が前記ドリップチャンバー本体101 の下端
開口部の端面に当接し、一部は前記下端開口部の内側に
張り出して張出部を形成する。
【0007】前記支持部材105 は、前記装着用リング10
4 の前記張出部となる平面部に、互いに相対向するよう
に立設された一対の棒体である。
【0008】前記頂部106 は、前記支持部材105 の上端
で支持されたキャップ状をなす。
【0009】前記フィルター103 は、上方に向かうに従
って小径となる円筒体であり、その上端縁は前記頂部10
6 に固定され、その下端縁は前記装着用リング104 に固
定される。このフィルター103 は前記支持部材105 によ
り座屈しないように支持されている。
【0010】前記固定部材108 は前記フィルター装着部
材102 を前記ドリップチャンバー本体101 の下端開口部
に装着する機能およびドリップチャンバー本体101 内の
液を導出する機能を有するように形成される。固定部材
108 において、107 で示されるのは液導出路であり、10
9 で示されるのは配管等が接続される接続部である。
【0011】前記フィルター103 は、前記フィルター装
着部材104 に支持された状態で、前記ドリップチャンバ
ー本体101 の下端開口部に装着される。前記装着用リン
グ104 は、前記フィルター103 を前記ドリップチャンバ
ー本体101 内に挿入した状態で前記ドリップチャンバー
本体101 の下端開口部にその上端面外周縁部を当接させ
て固定される。前記装着用リング104 が装着された前記
ドリップチャンバー本体101 の下端部に、さらに液導出
路107 を備えた固定部材108 が冠着されている。
【0012】このドリップチャンバー100 においては、
前記ドリップチャンバー本体101 内に導入された血液
は、前記フィルター103 により濾過された後に、前記装
着用リング104 内を通過して液導出路107 に導出され
る。
【0013】しかしながら、このようなドリップチャン
バーにおいては、前記ドリップチャンバー本体101 の下
端内周面と前記フィルター103 の下端外周面との間に前
記装着用リング104 により水平面110 すなわち張出部が
形成されており、この水平面110 の存在によってドリッ
プチャンバー本体101 の内部に血液の滞留が発生すると
いう問題があった。また、前記フィルター103 の上端部
を支持する前記頂部106 に存在する先端部111 も血液の
滞留を発生させる原因となっていた。さらに、この滞留
により残血が発生するという問題点もあった。
【0014】このような血液の滞留または残血の問題
は、ドリップチャンバーが医療用に使用されるという性
質上、人命にかかわる極めて重大な問題であった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、血
液等の体液の滞留を防止することができる医療用ドリッ
プチャンバーを提供することにある。さらに、この発明
の目的は、製造が容易であると共に、内部に血液の滞留
や残血が生じない医療用ドリップチャンバーを提供する
ことにある。
【0016】
【前記課題を解決するための手段】請求項1に記載の発
明は、下端開口部を有するドリップチャンバー本体と、
その下端開口部に装着可能に形成されてなり、かつ円錐
周側面を有し、中心軸を通る縦断面におけるその円錐周
側面の端面と前記ドリップチャンバーの中心軸線とのな
す角度が2〜10°に調整されてなるフィルター部材と
を有することを特徴とする医療用ドリップチャンバーで
あり、請求項2に記載の発明は、前記フィルター部材
は、フィルター装着部材とこのフィルター装着部材によ
り装着されるフィルターとを有してなる前記請求項1に
記載の医療用ドリップチャンバーであり、請求項3に記
載の発明は、前記フィルター装着部材は、前記ドリップ
チャンバー本体の下端開口部に装着される環状の基部
と、前記ドリップチャンバー本体の内部に向かって立設
するようにその基部に取り付けられた支持部材とを有す
ることを特徴とする前記請求項1に記載の医療用ドリッ
プチャンバーであり、請求項4に記載の発明は、前記基
部は、前記ドリップチャンバー本体の下端開口部の内周
面よりも内側に張り出す張り出し部を有し、その張り出
し部に前記支持部材を立設してなる前記請求項3に記載
の医療用ドリップチャンバーであり、請求項5に記載の
発明は、前記張り出し部は、ドリップチャンバーの下端
開口部の内側面またはその外挿面から前記下端開口部の
中心軸線に向かって収斂するテーパ面を有してなる前記
請求項4に記載の医療用ドリップチャンバーであり、請
求項6に記載の発明は、前記張り出し部は、貫通孔を有
する前記請求項4または5に記載の医療用ドリップチャ
ンンバーである。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明に係る医療用ドリップチ
ャンバーは、医療用の液体をある部位から他の部位に移
送する流通系中に配設される。医療用の液体としてたと
えば輸血用血液がある。したがって、この医療用ドリッ
プチャンバーが適用される好適な一例として、この輸血
用血液を収容した血液バッグと患者の血管に血液を送り
込む留置針とを結合する血液送液管系に、この医療用ド
リップチャンバーが挿入配置される例が挙げられる。こ
の血液送液管系にこの医療用ドリップチャンバーが挿入
配置されることは、この発明の医療用ドリップチャンバ
ーの用途の一例である。この発明に係る医療用ドリップ
チャンバーの機能が達成される限りその他の用途は様々
にある。この発明に係る医療用ドリップチャンバーの機
能については以下の説明により明かにされる。
【0018】この発明の医療用ドリップチャンバーは、
ドリップチャンバー本体とフィルター部材とを有する。
【0019】このドリップチャンバー本体は、医療用の
液体たとえば輸血用血液、血奨、生理液等を送液する送
液系に、たとえば医療用液体供給源たとえば血液バッグ
の送液口から所望の医療用液体需要源たとえば患者に装
着された留置針までの流通流路系中に、装填される。こ
の流通流路系として、たとえば多くの場合には配管系が
挙げられる。したがって、このドリップチャンバー本体
は、医療用の液体を導入する液導入口と、医療用の液体
を導出する液導出口とを有する筒状体をなす。この筒状
体は、筒状である限りその中心軸線に直交する断面がど
のような形状であっても良いのであるが、製造上の観点
からすると、多くの場合好適な形状は円筒状体である。
【0020】この発明に係るドリップチャンバーの一つ
の機能は、医療用の液体を濾過することである。
【0021】この機能を発揮するために、この発明に係
るドリップチャンバーは、フィルター部材を有する。し
たがって、このドリップチャンバー本体は、このフィル
ター部材を装着可能な形態を有する、と言い得る。換言
すると、前記ドリップチャンバー本体は、前記フィルタ
ー部材を収容可能な、液導入口および液導出口を有する
筒状体である。
【0022】前記フィルター部材は、フィルター装着部
材とフィルターとを有する。
【0023】前記フィルター装着部材は、ドリップチャ
ンバー本体に装着される機能、およびフィルターを支持
する支持機能を有する。多くの場合、このフィルター部
材はドリップチャンバー本体の内部であって液導出口近
傍に装着される。このフィルター部材に特別な機能を付
加するために、ドリップチャンバー本体の下端開口部で
はなく、下端開口部よりも更に内側に、このフィルター
部材が取り付けられることが、ある。
【0024】好適なフィルター装着部材は、前記ドリッ
プチャンバー本体の下端開口部に装着される環状の基部
と、前記ドリップチャンバー本体の内部に向かって立設
するようにその基部に取り付けられ、フィルターを装着
することのできる支持部材とを有する。
【0025】前記環状の基部は、ドリップチャンバー本
体の下端開口部に装着可能で、前記支持部材を支持可能
な構造を有する。
【0026】このような環状の基部の好適な一例とし
て、たとえば前記ドリップチャンバー本体の下端開口部
の外径と実質的に等しい外径を有する外周側面と、前記
ドリップチャンバー本体の下端開口部の内径よりも小さ
な内径の内周側面とを有し、ドリップチャンバー本体の
下端開口部の端面に当接するように設置される環状円盤
体を挙げることができる。
【0027】また、環状の基部の他の例として、前記ド
リップチャンバー本体の下端開口部の内径に実質的に同
じ外径を有し、前記フィルター支持部材を立設可能な幅
を有することができるように設計された内径とを有する
環状体と、その環状体に設けられ、前記ドリップチャン
バー本体の下端開口部の端面に設けられた切り欠き部に
装着可能な取り付け用突起とを有する構造の環状円盤体
を挙げることができる。このような構造を有する環状円
盤体は、その外周面がドリップチャンバー本体の下端開
口部の内周面に密接するように、ドリップチャンバー本
体の下端開口部内に装着される。
【0028】ドリップチャンバー本体の下端開口部端面
に装着される環状の基部が環状円盤体であり、その内周
側面の内径がドリップチャンバー本体の下端開口部の内
径よりも小さい場合には、環状円盤体の上端面の一部も
しくは全部がドリップチャンバー本体の下端内周面より
も中心に向かって張り出してなる張り出し部を有するこ
とになる。
【0029】環状円盤体である好適な環状の基部は、前
記張り出し部においてその上端面から下端面に貫通する
貫通孔を有する。貫通孔を有することにより、この張り
出し部上で医療用の流体が滞留することが防止される。
なお、この貫通孔の径は、少なくとも医療用の流体を流
通可能とすることができるのであれば良いのであるが、
この貫通孔の径が大き過ぎてフィルター機能が発揮され
ないときには、前記張り出し部の下端面あるいは上端面
にフィルターを装着するのが良い。また、この貫通孔の
径が十分に小さくてそれ自体でフィルター機能を発揮す
るときには、特にこの貫通孔にはフィルターを装着する
必要はなくなる。この貫通孔の数および形状には特に制
限がない。
【0030】前記環状の基部は、その張り出し部の上面
がテーパ面となっていることもある。このテーパ面は、
中心軸線に向かって収斂している限り特に制限はなく、
例えば、テーパ部の縦断面を観察した場合に、テーパ面
の上端でもあるテーパ部の上端縁とテーパ面の下端とを
結ぶ仮想的な直線よりも下方に湾曲する曲線となって現
れるような凹状面であってもよく、また、テーパ部の縦
断面を観察した場合に、テーパ面の上端でもあるテーパ
部の上端縁とテーパ面の下端とを結ぶ仮想的な直線より
も上方に湾曲する曲線となって現れるような凹状面であ
っても良い。
【0031】前記支持部材は、前記環状の基部に立設形
成されて、フィルターを支持する機能を有する。
【0032】この支持部材は、前記機能を発揮するため
の構造として、たとえば、前記環状の基部に立設形成さ
れた複数の支持体を有する。
【0033】好ましい支持部材は前記複数の支持体とそ
の支持体の先端部に取り付けられた頂部とを有する。こ
の頂部は前記支持体の先端部を集約してこの支持体を安
定的に保持するという一つの機能を発揮する。
【0034】この支持体とこの支持体により支持された
フィルターとの全体により、円錐の周面が形成される。
【0035】この発明において中心軸を通る縦断面にお
ける前記フィルター周側面の端面とドリップチャンバー
本体の中心軸線とがなす角度は、2〜10°である。好
適な角度は3〜5°である。この角度が前記範囲内にあ
ると、ドリップチャンバー本体内を流通する体液の滞留
ないし停滞が防止される。
【0036】前記フィルターは、医療用ドリップチャン
バーのフィルターとして機能し得る限り特に制限はな
く、従来公知の医療用ドリップチャンバーにおけるフィ
ルターと同様の材質、孔径等を有するフィルターを適宜
に採用することができる。
【0037】この発明に係るドリップチャンバーは、前
記フィルター支持部材をドリップチャンバー本体に確実
に装着するために、液導出路形成部材を、ドリッチャン
バー本体の下端開口部に装着するのが好ましい。
【0038】前記液導出路形成部材は、前記フィルター
部材のドリップチャンバー本体の下端開口への装着を確
実にすると共に、液導出路を形成することができる構造
を有する。
【0039】好ましい液導出路形成部材は、一端に、前
記ドリップチャンバー本体の下端開口部に嵌着可能に形
成された嵌着部を有し、他端に、液体を導出するための
液導出口を備え、かつ配管等を接続することができるよ
うに形成された接続部を有する。
【0040】この発明の医療用ドリップチャンバーは、
以下のように作用する。
【0041】この医療用ドリップチャンバーにおけるフ
ィルターは、フィルター装着部材により支持されてなる
ので、ドリップチャンバー本体内に安定に配置される。
【0042】さらに、前記フィルター装着部材には、前
記ドリップチャンバー本体の下端開口部の内側面または
その外挿面から前記下端開口部の中心軸線に向かって収
斂するテーパ面が形成されているときには、ドリップチ
ャンバー本体内に導入された血液等の液体は、前記テー
パ面に沿って流れ、前記フィルター装着部材によりその
液体の円滑な流れが阻害されるということがない。
【0043】したがって、この医療用ドリップチャンバ
ー内においては、内部における液体の滞留が防止され、
残血の発生等の不都合もない。
【0044】また、このドリップチャンバーにおいて
は、円錐周側面を有し、中心軸を通る縦断面におけるそ
の円錐周側面の端面と前記ドリップチャンバーの中心軸
線とのなす角度が2〜10°に調整されてなるフィルタ
ー部材を有するので、液体の流れが円滑になり、液体の
滞留ないし停滞がない。このドリップチャンバーが血液
を濾過するために使用される場合、血液の滞留により生
じるであろう血液の凝固が発生せず、医療装置として好
適である。
【0045】
【実施例】以下、この発明について実施例を参照しなが
ら詳細に説明する。なお、この発明は、このような実施
例により何ら限定されず、この発明の要旨の範囲内で適
宜に設計変更をすることができることは言うまでもな
い。
【0046】(実施例1)図1は、この発明の一実施例
である医療用ドリップチャンバーの概略を示す断面図で
ある。
【0047】医療用ドリップチャンバー1aは、ドリッ
プチャンバー本体2と、フィルター3と、フィルター装
着部材4と、前記ドリップチャンバー本体2の上端部に
装着される液導入路形成部材(図示しない。)と、液導
出路形成部材5とを備えてなる。
【0048】前記ドリップチャンバー本体2は、上下の
両端に開口部を有する円筒体である。図1には、ドリッ
プチャンバー本体2の液導出側である下端部のみが示さ
れている。ドリップチャンバー本体2の下端には、円形
の下端開口部が設けられる。
【0049】前記フィルター装着部材4は、フィルター
3を保持し、前記ドリップチャンバー本体2の下端開口
部に装着される部材である。このフィルター装着部材4
は、装着用リング6と、装着用リング6から立設された
支持部材7と、前記支持部材7により支持された頂部8
とを有する。
【0050】前記装着用リング6は、ドリップチャンバ
ー3の下端開口部に装着されるところの、このフィルタ
ー装着部材4のベースであり、この発明における環状の
基部でもある。この装着用リング6は、図2に示すよう
に、前記ドリップチャンバー本体2の下端開口部の外径
と同じ外径、および前記ドリップチャンバー本体2の下
端開口部の内径よりも更に小さな内径を有する円盤状の
台座部9と、前記台座部9の外径と同じ外径を有して、
前記ドリップチャンバー本体2の下端開口部の外周と面
一になる外周面、前記ドリップチャンバー本体2の下端
開口部の端面と同じ形状に形成され(換言すると、テー
パ部10の上端面10aの内径が前記ドリップチャンバ
ー本体2の下端開口部の内径と実質的に等しくなるよう
に、かつテーパ部10の上端面10aの外径が前記ドリ
ップチャンバー本体2の下端開口部の外径と実質的に等
しくなるように形成される。)、かつ前記下端開口部に
当接可能な環状の上端面と、その上端面10aの内側縁
から台座部9に向かうに従って内径が縮小するように形
成されたテーパ面11を有するテーパ部10とを有す
る。このテーパ部10が上記上端面10aを有すること
により、このフィルター装着部材4はドリップチャンバ
ー本体2の下端開口部に安定して装着されることができ
るようになる。
【0051】この実施例における前記テーパ部10の縦
断面の形状は台形である。前記テーパ面11は、この装
着用リング6の中心軸線に向かって収斂するように形成
される。このテーパ部10の縦断面を観察すると、この
テーパ面11は、上端面10aの内側縁から台座部9に
向かって傾斜する直線となって現れる。
【0052】前記台座部9および前記テーパ部10は互
いの軸線を共有するように一体的に形成されている。こ
の実施例においては、前記テーパ部10の上端面10a
の内側縁を、前記装着用リング6の中心軸線と並行に移
動して形成される仮想面10bにより前記装着用リング
6を2分割した場合において、前記仮想面10bよりも
内側に位置する部分が、この発明における、ドリップチ
ャンバー本体2の下端開口部の内側に張り出した基部1
0cに相当する。
【0053】前記テーパ面11の下端における内径は、
前記台座部9の内径よりも大きい。したがって、前記台
座部9には、その内側縁から前記テーパ面11の下端に
到るまでの領域に、前記フィルター3を載置するための
リング状の端面12が形成されている。このリング状の
端面12が、この発明における張り出し部を形成する。
【0054】前記テーパ面11の下端における内径と前
記フィルター3の下端における外径とは実質的に等しく
なるように設計されている。換言すると、前記フィルタ
ー3は、前記フィルター3の下端における外周縁部が前
記テーパ面11の下端における内周縁部と接触あるいは
極めて近接するように設計される。
【0055】前記支持部材7は、前記装着用リング6に
おけるテーパ面11上に下端を有し、前記装着用リング
6の中心軸線を挟んで対称の位置に一対立設されてい
る。
【0056】ここでこの支持部材7の傾斜角度θすなわ
ちドリップチャンバー本体の中心軸線とこの支持部材7
とのなす角度は2〜10度の範囲内に角度に設定され
る。この支持部材7の傾斜角度範囲内にある場合および
傾斜角度範囲外にある場合の相違については、後述する
実験例により明かにされる。
【0057】前記頂部8は、凸状に湾曲したキャップ状
に形成される。前記支持部材7は、この頂部8の下端縁
部から延在している。
【0058】前記フィルター3は、先端が曲面に形成さ
れた略円錐状の形状をなす。このフィルター3は、医療
用ドリップチャンバーのフィルターとして機能し得る限
り特に制限はなく、従来公知の医療用ドリップチャンバ
ーにおけるフィルターと同様の材質、孔径等を有するフ
ィルターを適宜に採用することができる。
【0059】前記フィルター3は、その下端部を前記装
着用リング6の台座部9における端面12上に固着し、
曲面に形成された先端部13をキャップ状の前記頂部8
内に挿入配置されて、前記装着用リング6上に固定され
る。
【0060】略円錐状の形状をなすこのフィルター3の
その円錐面の傾斜角度θは、前記傾斜角度を有する支持
部材に装着されていることから、2〜10度の範囲内に
角度に設定される。このフィルター3の傾斜角度範囲内
にある場合および傾斜角度範囲外にある場合の相違につ
いては、後述する実験例により明かにされる。
【0061】前記液導出路形成部材5は、図1に示され
るように、内部に液導出路14を備え、一端には、前記
ドリップチャンバー本体2の下端開口部に嵌着可能に形
成された嵌着部15を有し、他端には、配管等を接続す
るための接続部16を有する。
【0062】前記嵌着部15は、前記ドリップチャンバ
ー本体2の下端開口部を嵌着可能に形成されたところ
の、内周面および底面からなる円筒状の凹陥部15aを
有する。この凹陥部15aの底面には前記液導出路14
の開口部が設けられている。換言すると、この凹陥部1
5aの底面は、液導出路14の開口部を設けることによ
り環状に形成される。この液導出路14の開口部は、前
記装着リング6における台座部9の内径に実質的に同じ
内径をもって開口している。
【0063】前記接続部16は、他の配管を接続するこ
とができ、前記液導出路14に連続する流通路を形成し
ている限りその形状に限定がないのであるが、この実施
例においては、前記接続部16には、接続される配管の
外径と略等しい径の内周面18が形成され、この内周面
18により形成される空間が前記液導出路14に連通す
ることにより流通路18aが形成される。
【0064】このように形成された液導出路形成部材5
により、次のようにして、フィルター3およびフィルタ
ー装着部材4が、ドリップチャンバー本体2の下端開口
部に装着される。すなわち、フィルター装着部材4にフ
ィルター3を取り付け、そのフィルター装着部材4にお
ける支持部材7および頂部8をドリップチャンバー本体
2の下端開口部内に挿入し、その下端開口部の端面にテ
ーパ部10の上端面10aを当接する。そして、ドリッ
プチャンバー本体2の下端開口部の端面に上端面10a
を当接した状態のまま、ドリップチャンバー本体2の下
端開口部に嵌着部15を嵌着する。その結果、この嵌着
部15内に、支持部材7に支持されたフィルター3がド
リップチャンバー本体2の下端開口部内に挿入された状
態で前記装着用リング6が前記下端開口部に保持され
る。前記装着用リング6は、前記嵌着部15における凹
陥部15aの底面とドリップチャンバー本体2の下端開
口部の端面とで挟み付けられた状態になり、確固として
保持される。
【0065】この医療用ドリップチャンバー1aは以下
のように作用する。
【0066】図示しない液導入路形成部材に設けられた
液導入路より、前記ドリップチャンバー本体2内に血液
等の液体が導入される。導入された液体は、前記フィル
ター3を通過し、不純物を除去された後に、前記液導出
路形成部材5における液導出路14を経てドリップチャ
ンバーから導出される。
【0067】このとき、前記ドリップチャンバー本体2
の下端開口部の内側面19と前記フィルター3の下端に
おける外周縁部20とは、前記下端開口部の中心軸線に
向かって収斂するテーパ面11、すなわち、内径が下方
に向かうに従い次第に小径となるテーパ面11により連
絡されているので、この部分における血液の滞留が発生
せず、残血も発生しない。
【0068】この実施例1においては、前記装着用リン
グ6には、ドリップチャンバー本体2の下端開口部の内
側面19から前記下端開口部の中心軸線に向かって収斂
するテーパ面11が形成されている。
【0069】この実施例1においては、前記台座部9と
前記テーパ部10とは一体に形成されている。
【0070】この実施例1におけるテーパ面11は、縦
断面の形状が直線状をなしている。
【0071】この実施例1におけるフィルター3は先端
が曲面に形成された略円錐状の形状をなしている。
【0072】(実施例2)図3は、この発明の他の実施
例である医療用ドリップチャンバーの概略を示す断面図
である。図4は、第1フィルターおよび第2フィルター
を装着したフィルター装着部材を示す上面図である。な
お、前記実施例1におけるのと同様の部材については実
施例1の説明のために参照される図面に使用されたのと
同じ番号を付する。
【0073】医療用ドリップチャンバー1bは、ドリッ
プチャンバー本体2と、第1フィルター30と、フィル
ター装着部材31と、第2フィルター32と、第2フィ
ルター支持リング33と、液導出路形成部材5と、液導
入路形成部材(図示しない。)とを備える。
【0074】前記ドリップチャンバー本体2は、前記実
施例1において説明されたのと同様の構造を有する。
【0075】前記フィルター装着部材31は、第1フィ
ルター30および第2フィルター32とを装着し、ドリ
ップチャンバー本体2の下端開口部に装着されるように
形成される。このフィルター装着部材31は、図4に示
すように、装着用リング34と、装着用リング34から
立設された支持部材35と、前記支持部材35により支
持された頂部36とを備える。
【0076】前記装着用リング34は、前記ドリップチ
ャンバー本体2における下端開口部の外径と実質的に等
しい外径を有する外周側面と、前記ドリップチャンバー
本体2の下端開口部の内径よりも小さな内径の内周側面
とを有する環状円盤体である。この装着用リング34を
ドリップチャンバー本体2の下端開口部に装着した場合
に、前記下端開口部に当接する環状の当接面部34aと
この当接面部から内周側面に到る環状の基部34bとを
有する。この環状の基部34bは、この装着用リング3
4をドリップチャンバー本体2の下端開口部に装着した
場合に、その下端開口部の中心軸に向かって張り出した
状態になる。つまり張り出し部を有する。
【0077】この環状でかつ盤状に形成されている基部
34bには、第1濾過手段37が設けられている。図4
に示すように、この実施例における第1濾過手段37
は、基部34bの一方の環状平面から他方の環状平面へ
と貫通する貫通孔37aと、およびこの貫通孔37aの
開口部を閉鎖するように設けられた第2フィルター32
とを有する。
【0078】前記支持部材35は、前記装着用リング3
4における基部34b上に、互いに相対向する位置関係
をもって、立設した棒体である。この棒体の傾斜角度θ
すなわちドリップチャンバー本体の中心軸線とこの棒体
とのなす角度は、2〜10度の調整されている。
【0079】前記頂部36は、前記支持部材35に支持
される。この頂部36はキャップ状をなし、第2濾過手
段38を有する。図4に示すように、この実施例におけ
る第2濾過手段38は、頂部36の上端面から下端面へ
と貫通する貫通穴38aと、この貫通穴の下端面側の開
口部を閉鎖するように設けられた前記第1フィルターの
水平面部30aとを有してなる。図4に示すように頂部
36の中心を囲繞するように複数の貫通穴38aを配置
すると、特に、液体の滞留を防止する効果に優れる。
【0080】前記第1フィルター30は、円形の水平面
部30aと水平面部30aの周縁部から下方に延在する
円錐周面状の側面部30bとを有する。この側面部30
bの傾斜角度θも2〜10度に調整されている。
【0081】前記第1フィルター30は、前記装着用リ
ング34における基部34aにその下端を結合し、前記
支持部材35および前記頂部36により結合され、その
結果として、装着用リング34および支持部材35によ
り形成される開口部および前記第2濾過手段における貫
通穴38aを閉鎖する。
【0082】第2フィルター32は、前記装着用リング
34における貫通孔37aを閉鎖するに足る面積を有す
るフィルターであり、この実施例においては、前記装着
用リング34の内径および外径に実質的に等しい内径お
よび外径を有するリング状の形状を有する。
【0083】前記第2フィルター支持リング33は、こ
の実施例2における前記装着用リング34と同じ形状を
有する環状の板状体である。すなわち、装着用リング3
4と同じ位置に同数の、かつ同形の貫通孔33aを有す
る。この第2フィルター支持リング33は、前記第2フ
ィルター32が前記装着用リング34と密着状態を維持
するように前記第2フィルター32を支持する作用を有
する。
【0084】前記液導出路形成部材5は、前記実施例1
において説明されたのと同様の構造および機能を有す
る。
【0085】この液導出路形成部材5により、次のよう
にして、第1フィルター30、フィルター装着部材3
1、第2フィルター32および前記第2フィルター支持
リング33がドリップチャンバー本体2の下端開口部に
装着される。
【0086】すなわち、前記液導出路形成部材5におけ
る凹陥部15a内の底面上に、前記第2フィルター支持
リング33および前記第2フィルター32を下からこの
順に重ねて配置し、さらに、第1フィルター30を取り
付けた前記装着用リング34を、前記貫通孔37aの位
置が前記第2フィルター支持リング33に形成された前
記貫通孔33aの位置に重なるように重ねて配置する。
そして、凹陥部15a内に第2フィルター支持リング3
3、第2フィルター32およびフィルター装着部材31
が配置された状態の装着部15を、下端開口部に装着す
る。この装着により、前記装着用リング34の当接面部
34aは前記下端開口部の端面に当接し、前記フィルタ
ー装着部材31に支持された第1フィルターはドリップ
チャンバー本体2の下端開口部内に挿入された状態で前
記下端開口部に保持される。また、前記第2フィルター
32は前記装着用リング34と前記第2フィルター支持
リング33とで挟み付けられ、前記装着用リング34に
密着した状態で確固として保持される。
【0087】この医療用ドリップチャンバー1bは以下
のように作用する。
【0088】前記ドリップチャンバー本体2内に血液等
の液体が導入されると、導入された液体は、前記第1フ
ィルター30を通過し、不純物を除去された後に、前記
液導出路形成部材5における液導出路14を経てドリッ
プチャンバー1bから導出される。
【0089】この医療用ドリップチャンバー1bにおい
ては、前記装着部材4における頂部36に設けられた第
1濾過手段37の貫通穴37aおよび前記装着用リング
34に設けられた第2濾過手段38の貫通孔38a内
に、導入された血液等の液体の一部が流入する。これに
より、前記ドリップチャンバー本体2の下端開口部の内
側面19と前記第1フィルター30の側面部30bとに
挟まれた空間内における液体の滞留を防止することがで
き、また前記頂部36付近における液体の滞留を防止す
ることができる。
【0090】前記第1濾過手段37に流入した液体は、
前記第2フィルター32を通過して前記導出路14内に
導出される。一方、前記第2濾過手段38に流入した液
体は前記第1フィルター30の水平面部30aを通過し
て前記導出路14内に導出される。このようにして、こ
の医療用ドリップチャンバー内における血液等の液体の
滞留が防止され、内部に残血が発生する等の不都合も解
消される。
【0091】(実施例3)図5は、この発明の他の実施
例である医療用ドリップチャンバーの概略を示す断面図
である。なお、前記実施例1におけるのと同様の部材に
ついては実施例1の説明のために参照される図面に使用
されたのと同じ番号を付する。
【0092】医療用ドリップチャンバー1cは、ドリッ
プチャンバー本体2と、フィルター40と、フィルター
装着部材41と、液導出路形成部材5と、液導入路形成
部材(図示しない。)とを備える。
【0093】前記ドリップチャンバー本体2は、前記実
施例1において説明されたのと同様の構造を有する。
【0094】前記フィルター装着部材41は、フィルタ
ー40を装着し、ドリップチャンバー本体2の下端開口
部に装着されるように形成される。このフィルター装着
部材41は、装着用リング42と、装着用リング42か
ら立設された支持部材43と、前記支持部材43により
支持された頂部44とを備える。
【0095】前記装着用リング42は、前記ドリップチ
ャンバー本体2における下端開口部の外径と実質的に等
しい外径を有する外周側面と、前記ドリップチャンバー
本体2の下端開口部の内径よりも小さな内径の内周側面
とを有する環状円盤体であり、この装着用リング42を
ドリップチャンバー本体2の下端開口部に装着した場合
に、前記下端開口部に当接する環状の当接面部42aと
この当接面部から内周側面に到る環状の基部42bとを
有する。この環状の基部42bは、この装着用リング4
2をドリップチャンバー本体2の下端開口部に装着した
場合に、その下端開口部の中心軸に向かって張り出した
状態になる。この環状でかつ盤状に形成されている基部
42bには、第1濾過手段45が設けられている。この
実施例における第1濾過手段45は、複数の濾過用貫通
孔45aである。前記濾過用貫通孔45aは、装着用リ
ング42の上端面から下端面へと貫通する貫通孔であ
り、前記フィルター40と同等の濾過機能を有している
限り、その形状、設ける個数等には特に制限はない。濾
過用貫通孔45aの孔径としては、0.1mm〜0.5
mmの範囲内であることが好ましく、特に0.2mm〜
0.3mmの範囲内であることが好ましい。濾過用貫通
孔45aの孔径が、このような範囲内であると、血栓や
異物の除去を好適に行うことができ、プライミング時に
おける空気抜けが良い等の利点がある。前記支持部材4
3は、前記装着用リング42における基部42b上に、
互いに相対向する位置関係をもって、立設した棒体であ
る。この棒体の傾斜角度θも前記実施例1または2と同
様に設定されている。
【0096】前記頂部44は、前記支持部材43に支持
される。この頂部44はキャップ状をなし、第2濾過手
段46を有する。この実施例における第2濾過手段46
は、頂部44の上端面から下端面へと貫通する複数の濾
過用貫通孔46aである。
【0097】前記フィルター40は、上方に向かうに従
って小径となる円筒体であり、その上端縁は前記頂部4
4に固定され、その下端縁は前記装着用リング42に固
定される。このフィルター40は前記支持部材43によ
り座屈しないように支持されている。このフィルター4
0の円錐側面の傾斜角度θも前記実施例1または2と同
様に設定されている。
【0098】前記フィルター装着部材41により、この
フィルター40が前記ドリップチャンバー本体2の下端
開口部に装着され、さらに液導出路形成部材5がフィル
ター40およびフィルター装着部材41が装着された前
記ドリップチャンバー本体の下端部に装着される点につ
いては、実施例1におけるのと同様である。
【0099】この実施例における第1濾過手段および第
2濾過手段は、実施例2におけるのと同様に機能し、こ
の医療用ドリップチャンバーにおける血液の滞留を防止
することができる。
【0100】この実施例3においては、第1濾過手段4
5および第2濾過手段46のいずれもが、これらが形成
される部材を上端から下端へと直線状に貫通する貫通孔
である。
【0101】(変形例)この発明は、この発明の要旨の
範囲内で適宜に設計変更をすることができる。例えば、
前記実施例2に記載の医療用ドリップチャンバーにおい
ては、第1フィルターおよび第2フィルターの二つのフ
ィルターを採用しているが、これら二つのフィルターを
採用するのに代えて、次のような単独のフィルターを採
用することもできる。すなわち、前記実施例2における
第1フィルター30の下端部を前記装着用リング34上
に載置させずに、前記装着用リングの中央部を通して前
記第2フィルターの内周に連結させてなるフィルターを
採用することができる。
【0102】さらに、前記フィルター装着部材における
頂部は、装着用リングに立設された支持部材により支持
されているが、この頂部を支持する支持部材を前記フィ
ルターの内部に設けることもできる。 <実験例;評価試験>この発明の医療用ドリップチャン
バーについて、評価試験を行った。
【0103】(評価試験1)この発明の実施例1に記載
の医療用ドリップチャンバーに着色液を循環させ、ドリ
ップチャンバーの中心軸線と、中心軸を通る縦断面にお
けるフィルター周側面の端面とのなす角度を1.5〜1
2.0°の範囲内で変化させながら医療用ドリップチャ
ンバー内における流れの状態を目視により観察した。以
下の基準により滞留を防止する効果の評価をおこない、
その結果を表1に示した。
【0104】 評価基準 △・・・流れが悪い部分があり、滞留が認め
られる ○・・・ほぼ均一に流れ、滞留はほとんど認められない ◎・・・均一に流れ、滞留は全く認められない (評価試験2)この発明の実施例1の医療用ドリップチ
ャンバーに牛血液を循環させ、ドリップチャンバーの中
心軸線と、中心軸を通る縦断面におけるフィルター周側
面の端面とのなす角度を1.5〜12.0°の範囲内で
変化させながらその残血状態を目視により観察した。以
下の基準により評価し、その結果を表1に示した。
【0105】 評価基準 △・・・残血する場所がある ○・・・僅かに残血する場所がある ◎・・・残血が認められない。
【0106】
【表1】
【0107】表1に示されるように、ドリップチャンバ
ーの中心軸線と中心軸を通る縦断面におけるフィルター
周側面の端面とのなす角度が2〜10度、好ましくは3
〜8度であると、この発明の医療用ドリップチャンバー
においては、血液等の液体の液体の流れが良好である。
【0108】また、前記角度が3〜5度であると、この
発明の医療用ドリップチャンバーにおいては、血液等の
液体の液体の流れが良好であり、かつ医療用ドリップチ
ャンバー内に血液の滞留が発生しない。
【0109】これにより、2〜10度の範囲内であるこ
とが好ましく、3〜5度の範囲内であることが特に好ま
しい。
【0110】
【発明の効果】この発明によると、内部に血液等の液体
の滞留が発生しない医療用ドリップチャンバーを提供す
ることができる。
【0111】この発明によると、医療用ドリップチャン
バーへのフィルターの装着が極めて容易であり、したが
って製造が容易であるにもかかわらず、内部に液体の滞
留が発生するのを防止することができる医療用ドリップ
チャンバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例である医療用ドリ
ップチャンバーの概略を示す断面図である。
【図2】図2は、実施例1の医療用ドリップチャンバー
において、フィルターがフィルター装着部材に支持され
ている状態を示す一部断面斜視図である。
【図3】図3は、この発明の医療用ドリップチャンバー
の他の具体例を示す断面図である。
【図4】図4は、第1フィルターおよび第2フィルター
を装着したフィルター装着部材を示す上面図である。
【図5】図5は、この発明の医療用ドリップチャンバー
の他の具体例を示す断面図である。
【図6】図6は、従来のドリップチャンバーの一具体例
の概略を示す断面図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c・・・医療用ドリップチャンバー、2
・・・ドリップチャンバー本体、3・・・フィルター、
4・・・フィルター装着部材、5・・・液導出路形成部
材、6・・・装着用リング、7・・・支持部材、8・・
・頂部、9・・・台座部、10・・・テーパ部、11・
・・テーパ面、12・・・端面、13・・・先端部、1
4・・・液導出路、15・・・嵌着部、16・・・接続
部、17・・・底面、19・・・内側面、20・・・外
周縁部、21・・・外挿面、30・・・第1フィルタ
ー、30a・・・水平面部、30b・・・側面部、31
・・・フィルター装着部材、32・・・第2フィルタ
ー、33・・・第2フィルター支持リング、34・・・
装着用リング、35・・・支持部材、36・・・頂部、
37・・・第1濾過手段、37a・・・貫通孔、38・
・・第2濾過手段、38a・・・貫通穴、40・・・フ
ィルター、45・・・濾過用貫通孔、46・・・濾過用
貫通孔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端開口部を有するドリップチャンバー
    本体と、その下端開口部に装着可能に形成されてなり、
    かつ円錐周側面を有し、中心軸を通る縦断面におけるそ
    の円錐周側面の端面と前記ドリップチャンバーの中心軸
    線とのなす角度が2〜10°に調整されてなるフィルタ
    ー部材とを有することを特徴とする医療用ドリップチャ
    ンバー。
  2. 【請求項2】 前記フィルター部材は、フィルター装着
    部材とこのフィルター装着部材により装着されるフィル
    ターとを有してなる前記請求項1に記載の医療用ドリッ
    プチャンバー。
  3. 【請求項3】 前記フィルター装着部材は、前記ドリッ
    プチャンバー本体の下端開口部に装着される環状の基部
    と、前記ドリップチャンバー本体の内部に向かって立設
    するようにその基部に取り付けられた支持部材とを有す
    ることを特徴とする前記請求項1に記載の医療用ドリッ
    プチャンバー。
  4. 【請求項4】 前記基部は、前記ドリップチャンバー本
    体の下端開口部の内周面よりも内側に張り出す張り出し
    部を有し、その張り出し部に前記支持部材を立設してな
    る前記請求項3に記載の医療用ドリップチャンバー。
  5. 【請求項5】 前記張り出し部は、ドリップチャンバー
    の下端開口部の内側面またはその外挿面から前記下端開
    口部の中心軸線に向かって収斂するテーパ面を有してな
    る前記請求項4に記載の医療用ドリップチャンバー。
  6. 【請求項6】 前記張り出し部は、貫通孔を有する前記
    請求項4または5に記載の医療用ドリップチャンンバ
    ー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8500672B2 (en) 2007-12-04 2013-08-06 Gambro Lundia Ab Extracorporeal blood circuit
CN111150898A (zh) * 2019-09-30 2020-05-15 江苏苏云医疗器材有限公司 输血器用滴斗
KR20240074855A (ko) 2021-11-11 2024-05-28 니프로 가부시키가이샤 드립챔버용 필터

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