JPH09140752A - 遺体収納保存方法 - Google Patents

遺体収納保存方法

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JPH09140752A
JPH09140752A JP32793495A JP32793495A JPH09140752A JP H09140752 A JPH09140752 A JP H09140752A JP 32793495 A JP32793495 A JP 32793495A JP 32793495 A JP32793495 A JP 32793495A JP H09140752 A JPH09140752 A JP H09140752A
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JP
Japan
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storing
container
bag
corpse
sealed
Prior art date
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JP32793495A
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English (en)
Inventor
Kohei Aoyanagi
耕平 青柳
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San Holdings Inc
Original Assignee
San Holdings Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緊急事態にも容易に対応可能でありかつ低コ
ストで遺体の長期保存が可能な遺体の収納保存方法を提
供することを課題とする。 【解決手段】 断熱性かつ気密性の素材からなる容器で
あって、遺体収納後に密封し得る少なくとも1つの連通
部を有し、該連通部から容器内部の酸素を除去して遺体
周辺を実質上無酸素の状態を形成すると共に滅菌効果の
ある成分を封入した後密封し、遺体の損傷を防止する遺
体収納保存方法によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺体の傷みを可能
な限り防止しつつ収納保存するための遺体収納保存方法
に関するものである。
【0002】地震、火災、水害等の災害に伴う事故や交
通事故等に伴う死亡事故時において、遺体を死亡場所か
ら納棺または検視等を行う所要場所まで搬送しなければ
ならない。さらに、このような事故死の場合には大きな
損傷を伴う遺体も多く、収納及び保存にも格別の配慮が
必要となる。
【0003】
【従来の技術】従来、収容された遺体の搬送には、毛布
等で包囲した遺体を担架に載置したり、寝袋(スリーピ
ングバッグ)状袋体に収納して、担架、台車、車両等に
載置する手段が採用されていた。この場合、各種の災害
等による事故死体のような各種の外傷を受けた遺体の場
合や夏期高温時等の条件下においては、特に傷みを防止
する必要がある。
【0004】遺体の傷みを防止しつつ保存するためのも
っとも簡易な対策は、遺体を棺等の閉鎖空間に置き、ド
ライアイス等に代表される冷却剤を利用することであ
る。しかしながら、これにより十分な目的を達成するた
めには、特に高温期にあっては、冷却剤の頻繁な補充が
必要となり、手数およびコストが嵩むものとなってい
た。
【0005】また、冷媒の圧縮および膨張に基づく冷却
サイクルを利用した冷媒圧縮機付きの冷却装置を備えた
装置も種々提案されている。このような装置の例とし
て、例えば、遺体保存装置(特開平1−97455号公
報参照)、死体の冷却装置(特開平2−95366号公
報参照)、棺用冷却装置(特開平4−244153号公
報参照)がある。
【0006】しかしながら、これらの手段は、電動機駆
動による冷媒圧縮装置を利用するため所要消費電力が大
きく、移動の間の電源の確保が困難であり、重量が大き
くなる等の理由から使用条件が限定される。
【0007】殊に、天災や各種事故等のように多数の死
者の発生が予想されるような場合にあっては、棺等の大
量かつ迅速な手配・調達も困難であり、かつ遠距離の搬
送が必要となる等の条件から対応不可能となることが多
い。
【0008】また、高度な技術を駆使したエンバーミン
グ(遺体防腐処理)のような処理方法もあるが、高コス
トとならざるを得ない。したがって、長時間および/ま
たは長距離の遺体収納保存のための十分な方法は確立さ
れていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情を考
慮し、静粛であり、緊急事態にも容易に対応可能であり
かつ低コストで遺体の長期保存が可能な遺体の収納保存
方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1に示すよ
うに、断熱性かつ気密性の素材からなる容器12であっ
て、遺体収納後に密封し得る少なくとも1つの連通部1
4、16を有し、該連通部14、16から容器内部の酸
素を除去して遺体周辺を実質上無酸素の状態を形成する
と共に滅菌効果のある成分を封入した後密封し、遺体の
損傷を防止することを特徴とする遺体収納保存方法であ
る。
【0011】本発明に係る前記容器は、断熱性かつ気密
性の素材からなる袋体32であって、該袋体32の適宜
部位に、遺体収納後に密封し得る開口部34を有するも
のであることを特徴とする。
【0012】また本発明は、遺体周辺を無酸素状態とす
るために、プラスチックフィルム製袋状体18を使用
し、真空パックを行うことを特徴とする。
【0013】前記真空パックのためのプラスチックフィ
ルム製袋状体18の内部に、予め滅菌剤が封入されてい
ることを特徴とする。
【0014】さらに本発明は、遺体周辺を無酸素状態と
するために、前記連通部14、16を介して周囲空気を
不活性ガスと置換して不活性ガス雰囲気とすることを特
徴とする。
【0015】また、遺体周辺を無酸素状態とするため
に、前記連通部14、16を介して周囲空気を置換する
不活性ガスが窒素ガスであることを特徴とする。
【0016】前記プラスチックフィルム製袋状体18に
よる真空パックと、さらにその周囲を不活性ガス雰囲気
とする手段とを複合的に適用することを特徴とする。
【0017】また、滅菌効果のある成分を封入すること
により、外部からの細菌・バクテリア類の侵入を防止す
ることはもとより、遺体内部に既に含まれている細菌類
の繁殖を防止することを特徴とする。
【0018】本発明に係る遺体収納保存方法によれば、
通常の遺体の腐敗を引き起こす可能性のある好気性細菌
の活動繁殖等を防止し、遺体の損傷の進行を防止するこ
とができる。
【0019】このような遺体収納保存方法に適用される
形成素材は、上記条件に合致する各種素材が選択され、
限定されない。例えば、遺体の真空パックのための袋状
体としては、ポリエチレンフィルムを気密状態の袋状に
形成したものが使用可能である。
【0020】このような素材としては、ポリエチレンフ
ィルムの他に、他ポリマーを単独でまたは複数組み合わ
せた多層フイルムとして使用することができる。このよ
うな多層フイルムの場合には、それぞれの層を形成する
素材の効果を利用し、例えば外層フィルムは機械的強度
を目的とし、内層フィルムは気密保持に寄与するものと
することができる。勿論このような役割は可逆的に作用
する。
【0021】また、全体を覆う容器としては、繊維強化
プラスチック(FRP)とすることができる。なお、ア
ルミニウム等の軽金属の合金による容器を利用すること
も可能である。
【0022】本発明において使用される滅菌作用のある
成分の充填によって、遺体の損傷をできるだけ遅延せし
めると同時に、不可避的に発生する臭気を低減し、血液
や体液等の漏出に起因する危険な細菌等の外部拡散を予
防することができる。このために、現在医療分野におい
て使用されている周知の各種滅菌剤を適用することがで
きる。
【0023】滅菌剤として、例えば安定化二酸化塩素溶
液を利用し、安定化二酸化塩素溶液を含浸させた布等
を、遺体の近傍に配置することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明を具体化した実施例
を添付図を参照しつつ説明する。図2は本発明に係る遺
体収納保存方法の好適な実施例を示すものであり、図3
は本発明に係る遺体収納保存用容器を袋体とした構成を
説明する図である。図2、図3において図1と同じ要素
には同一の参照符号を付している。
【0025】図2において、容器12は容器本体12B
と蓋部12Rとから構成され、蓋部12Rを閉鎖するこ
とによって容器内部の気密性を保持することが可能な構
造に形成される。
【0026】また、容器12の適宜部位には、任意に閉
鎖可能なバルブを備えた内外部貫通の連通部14、16
を備えている。これら連通部14、16によって容器1
2内の雰囲気を適宜変更することができる。
【0027】真空パック用袋状体18は、プラスチック
フィルムからなり、遺体収納のための開口部19と排気
のためのチューブ20とを有する。このプラスチックフ
ィルムは、例えばやや厚手のポリエチレンフィルムを素
材とすることができるが、これに限定されるものではな
い。
【0028】なお、袋状体18の内部には、滅菌効果を
有する成分、例えば安定化二酸化塩素溶液を含浸せしめ
た布、脱脂綿、スポンジ等を予め内蔵せしめておくこと
ができる。
【0029】このような袋状体18の大きさは、通常の
成人の体型を考慮して決定する。しかし、衣類等と同様
にS、M、L等を始め子供用等の各種サイズを用意して
おくことができる。当然開口部19は遺体収納が容易に
行い得る大きさであり、また収納作業の際に破損しない
ことはもとより、微細なピンホールも形成されないよう
に配慮する必要がある。
【0030】この実施例では、まず遺体を袋状体18の
開口部19から収納し、開口部19を閉鎖する。この閉
鎖は、例えば気密性を確保するための凹凸部によるスナ
ップフィットとすることが望ましい。また、図示してい
ない加熱封緘器により熱封緘(ヒートシール)すること
ができる。
【0031】遺体を収納し、かつ開口部19を密封した
後、チューブ20に真空ポンプの吸引部を接続し、遺体
の真空パックを行う。袋状体18の内部が十分に減圧さ
れた段階で、チューブ20を適宜手段、例えばヒートシ
ール等により密封する。
【0032】このように、袋状体18によって遺体を真
空パックした後、遺体を保存、搬送することができる。
【0033】また、このように袋状体18によって遺体
を真空パックした後、容器本体12B内に収納し、蓋部
12Rを閉塞する。その後、容器底部付近に設けられた
下部連通部16に窒素ガス等の不活性ガス源を接続し、
注入を行う。この間、上部連通部14のバルブを開放
し、酸素を含む空気を排出する。
【0034】その結果、窒素ガス等の不活性ガスは容器
12の底部から次第に充満してゆき、軽量な空気は上部
連通部14より排出され、最終的に容器内の酸素は窒素
ガス等によって置換される。
【0035】このような遺体の収納保存方法によれば、
先ず遺体はプラスチックフィルム製の袋状体18によっ
て真空パックされる。さらに、このように真空パックさ
れたまま、気密性容器12内に収納され、その雰囲気は
不活性ガス、例えば窒素ガスによって完全に包囲され
る。
【0036】この場合のプラスチックフィルム製の袋状
体18には、予め滅菌剤を含浸せしめられた布やスポン
ジ等が同時に封入されており、かつ真空状態となってい
る。したがって、細菌やバクテリア類の活動は極端に限
定され、したがって遺体の損傷の進行が大幅に抑制され
る。
【0037】また、このように真空パックされた遺体が
容器12内に気密状態で収納され、さらにその内部には
不活性ガスが充満している。
【0038】かかる遺体の真空パックによって、遺体の
損傷の進行状態は大幅に抑制され、さらに全体が不活性
ガス雰囲気中におかれることになり、より確実な遺体の
収納保存が達せられる。
【0039】また、図3に示すように、本発明に係る遺
体収納保存用容器は、例えばその表面中央部に遺体を収
納した後密封するための開口部34を備えた寝袋状袋体
32とすることができる。該袋体32の適宜部位には搬
送用の把手部を配設することができる。
【0040】前記袋体32は、強度保持のための繊維質
素材を織り込んだ布状体の内面に気密性かつ防水性を保
持するためのコーティングを施した素材とし、各接合部
は、例えば熱接合(ヒートシール)や適宜接着剤による
接着とすることができる。
【0041】なお、該袋体32の素材はこれに限定され
るものではなく、例えばナイロン、ビニール等の化学繊
維のような断熱性、気密性、防水性を保持できるもので
あればよい。
【0042】また、該袋体の素材を二重構造にして、使
用の際にはその空間に空気を吹き込み、全体の形状を箱
状に膨らませ成形することもできる。
【0043】開口部34は、例えばやや厚手のプラスチ
ックフィルムからなる収縮性の溝とこの溝に嵌合する突
起とを有する嵌合式ファスナーとすることができる。ま
た、該開口部34はジッパーによるものとし、これを折
り曲げることにより袋体内の気密性を保つことができ
る。
【0044】本発明に係る遺体収納保存用容器を、前記
のように袋状に構成することにより、遺体の袋体への収
納、搬送作業が容易となり、また袋体内の酸素の窒素ガ
ス等への置換を効率よく行うことができる。更に該袋体
は薄く折り畳むことができるので大量保管に便利であ
る。
【0045】なお、袋体32内の雰囲気を適宜変更する
ための連通部14、16、袋体32の内部に内蔵する滅
菌効果を有する成分、また袋体32のサイズについて
は、前述したのでここではその説明を省略する。
【0046】図2に示した実施例は、遺体の真空パック
とプラスチックフィルム製袋状体18内の滅菌剤の効果
も加わり、より確実な収納保存が達せられる。しかし、
外気温度、当初の遺体の損傷の度合い等のいかんによっ
ては、全体を組み合わせることなく、ここに示した1つ
の手段によっても所望効果を発揮し得る。
【0047】例えば、冬季の低温時にあっては、真空パ
ックすることなく、遺体を容器12に直接収納し、内部
雰囲気を不活性ガスと置換しておくことにより、かなり
の確率で、遺体の損傷進行を防止することができる。
【0048】また、プラスチックフィルム製袋状体18
による真空パックについても同様に単独で効果を得るこ
とができる。
【0049】これらを組み合わせることによって、夏期
高温時や当初より損傷の進んでいる遺体等のような厳し
い状況下であっても、所望期間にわたる遺体の収納保存
を達成することができる。
【0050】いずれの場合であっても、遺体収納部の周
囲は、無酸素状態であり、細菌・バクテリア類の存在自
体を否定しまたは進行を抑制することができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る遺体
収納保存方法によれば、遺体収納操作が容易でかつ軽量
な部材を使用しながら、所望の遺体収納が可能となる。
【0052】さらに、地理的および時間的に不利な状況
下において短時間で対応可能である上、遺体の損傷、発
臭を抑制し、救助・処理担当者に対する細菌類の感染や
不安感を和らげ、かつ遺族の心情にも若干なりとも応え
ることができる。
【0053】本発明に係る遺体収納保存方法によれば、
遺体の迅速な収納を可能とし、かつ遺体の傷みを防止し
つつ長距離および/または長時間にわたる遺体保存が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遺体収納保存方法の構成概略説明
図である。
【図2】本発明に係る遺体収納保存方法を形成する一実
施例の構成を示す説明図である。
【図3】本発明に係る遺体収納保存容器を袋体とした構
成を示す説明図である。
【符号の説明】
12 遺体収納容器 12B 容器本体 12R 蓋部 14 連通部(上部) 16 連通部(下部) 18 プラスチックフィルム製袋状体 19 開口部 20 チューブ 32 袋体 34 開口部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱性かつ気密性の素材からなる容器で
    あって、遺体収納後に密封し得る少なくとも1つの連通
    部を有し、該連通部のいずれかから容器内部の酸素を除
    去して遺体周辺を実質上無酸素の状態を形成すると共に
    滅菌効果のある成分を封入した後密封し、遺体の損傷を
    防止することを特徴とする遺体収納保存方法。
  2. 【請求項2】 前記容器が、断熱性かつ気密性の素材か
    らなる袋体であって、遺体収納後に密封し得る開口部を
    有するものであることを特徴とする請求項1に記載の遺
    体収納保存方法。
  3. 【請求項3】 前記遺体周辺を無酸素状態とするため
    に、プラスチックフィルム製袋状体を使用し、真空パッ
    クを行うことを特徴とする請求項1または2のいずれか
    に記載の遺体の収納保存方法。
  4. 【請求項4】 前記遺体周辺を無酸素状態とするため
    に、前記連通部のいずれかを介して周囲空気を不活性ガ
    スと置換し、無酸素状態とすることを特徴とする請求項
    1または2のいずれかに記載の遺体の収納保存方法。
  5. 【請求項5】 前記連通部のいずれかを介して周囲空気
    を置換する不活性ガスが、窒素ガスであることを特徴と
    する請求項4に記載の遺体の収納保存方法。
  6. 【請求項6】 前記真空パックのためのプラスチックフ
    ィルム製袋状体の内部に、予め滅菌剤が封入されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遺
    体収納保存方法。
JP32793495A 1995-11-24 1995-11-24 遺体収納保存方法 Pending JPH09140752A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007111498A (ja) * 2005-09-20 2007-05-10 Shoei Yakuhin Kk 有機体収納袋および有機体収納袋を用いた遺体の腐敗遅延および臭気抑制方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007111498A (ja) * 2005-09-20 2007-05-10 Shoei Yakuhin Kk 有機体収納袋および有機体収納袋を用いた遺体の腐敗遅延および臭気抑制方法

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