JPH09140337A - 高圧食材抽出方法及び高圧食材抽出装置 - Google Patents

高圧食材抽出方法及び高圧食材抽出装置

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JPH09140337A
JPH09140337A JP7307062A JP30706295A JPH09140337A JP H09140337 A JPH09140337 A JP H09140337A JP 7307062 A JP7307062 A JP 7307062A JP 30706295 A JP30706295 A JP 30706295A JP H09140337 A JPH09140337 A JP H09140337A
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JP
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pressure
extract
food material
water
ionized water
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JP7307062A
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Takuma Sato
琢磨 佐藤
Takeshi Nishida
毅 西田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は簡単な構造で、抽出動作の制御が容
易で、エキスの抽出量を最大にして食材の使用量を少な
く抑え、ビタミンや色素及び香りが損なわれることな
く、食材本来の風味、旨み及びコク等の味が変化しな
く、調理場に設置して安全で容易に抽出することができ
る高圧食材抽出方法及び高圧食材抽出装置を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 本発明の高圧食材抽出方法及び高圧食材
抽出装置は、昆布等の食材22を所定の大きさにきざむ
とともに水を電気分解し、電気分解によって生成したア
ルカリイオン水21と食材22とを高圧容器1に収容
し、50MPa〜200MPaに加圧して食材22に含
まれるエキスを抽出することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昆布等の食材に含
まれるエキスの抽出を行う高圧食材抽出方法及び高圧食
材抽出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、食文化の発展に伴ってより風味の
ある美味しい食事が要望され、食材の種類が多くなると
ともに、その料理方法も多様化してきている。とくに各
種料理に特徴ある風味、旨み及びコク等の味付けのため
に種々な食材のエキス調味料が実用されている。このエ
キス調味料を得る方法は、食材を水等の液体に浸しその
エキスを抽出する方法が一般的で、使用する液体の種類
によって水出し法と呼ばれる水抽出や、NaOH溶液を
用いたアルカリ抽出、アルコール抽出、及び液化ガス抽
出等の方法がある。またこれらとは別にエキスが抽出さ
れる速度を速めるために水等の液体を加熱して高温度で
抽出する加熱法や、食材を高圧処理してエキスを抽出す
る高圧処理法もある。さらに抽出したエキスを濃縮した
り、乾燥、加工し粉末状にしてパック等に詰めて保存や
輸送を容易にすることも知られている。しかしながら、
水出し法は風味、旨み及びコク等の味は保たれるもの
の、抽出に時間がかかるのとそのままでは微生物などが
繁殖しやすく長期間保存できないという問題点がある。
また加熱法や抽出したエキスを加熱して濃縮する方法
は、抽出時間を短縮するとともに微生物などを殺菌でき
ると同時に、濃縮液のままや粉末状にして容器に貯蔵で
き保存や輸送を容易にするが、食材に含まれるビタミン
や香り、色素などの低分子化合物が分解したり気化した
りして、食材本来の風味、旨み及びコク等の味が変化し
てしまうという問題点がある。同様に高圧処理法は水出
し法よりは抽出時間を短縮できるが、加熱法よりは時間
がかかるし濃度の制御が難しいという問題点を有してい
た。
【0003】そこでこれらの問題点を改善したものとし
て、従来次のような技術(特開昭62−32864号公
報)が提案されている。この技術は昆布エキスの製造法
に関するもので、水に昆布を浸し約80℃に加熱して昆
布エキスを抽出し、この抽出した液体を減圧濃縮したも
のに糖アルコールを添加して加熱によって損なわれた昆
布の味、風味を補おうとするものである。
【0004】一方、食材を高圧処理する技術に関して、
従来次のような技術(特開平3−112463号公報)
も提案されている。この技術は酵母菌体を有するスラリ
を静水圧加圧処理するもので、酵母臭が少なく、旨み性
の強い酵母エキスを得ようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
62−32864号公報に記載された昆布エキス調味料
の製造法は、糖アルコールを添加して昆布の味、風味を
補うことができるものの、エキスの濃縮によってビタミ
ンや色素及び香りが損なわれるという問題点を有してい
た。
【0006】また、特開平3−112463号公報に記
載された酵母エキスの製造方法は、旨み性の強い酵母エ
キスを得ることができるものの、静水圧加圧のために装
置が大型になるし、抽出動作中にエキスの抽出程度がチ
ェックできなくて制御が煩雑になる等の問題点も有して
いた。
【0007】そこで本発明は、前記従来の問題点を解決
するもので、簡単な構造で、抽出動作の制御が容易で、
エキスの抽出量を最大にして食材の使用量を少なく抑
え、ビタミンや色素及び香りが損なわれることなく、食
材本来の風味、旨み及びコク等の味が変化しなく、調理
場に設置して安全で容易に抽出することができる高圧食
材抽出方法及び高圧食材抽出装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の高圧食材抽出方法は、昆布等の食材を所定の
大きさにきざむとともに水を電気分解し、電気分解によ
って生成したアルカリイオン水と食材とを高圧容器に収
容し、50MPa〜200MPaに加圧して食材に含ま
れるエキスを抽出することを特徴とする。
【0009】これにより、pH濃度と圧力を調節して食
材エキスの抽出量を短時間に最大にし、食材の使用量を
少なく抑えることができる。
【0010】また、本発明の高圧食材抽出装置は、水を
電気分解するイオン水生成部と、イオン水生成部で生成
されたアルカリイオン水と食材を収容して加圧する加圧
容器と、加圧容器に圧力を加える加圧ポンプとを備えた
ことを特徴とする。
【0011】これにより、所定のpH濃度のアルカリイ
オン水を選択して加圧容器に給水して所定の大きさの圧
力に加圧することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、昆布等の食材を所定の大きさにきざむとともに水を
電気分解し、電気分解によって生成したアルカリイオン
水と食材とを高圧容器に収容し、50MPa〜200M
Paに加圧して食材に含まれるエキスを抽出するもので
あり、化学物質を用いることなくアルカリイオン水に高
濃度のエキスを抽出でき、さらに高圧処理によって飽和
濃度にまで高めることができるという作用を有する。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、水を電気
分解するイオン水生成部と、イオン水生成部で生成され
たアルカリイオン水と食材を収容して加圧する加圧容器
と、加圧容器に圧力を加える加圧ポンプとを備えたもの
であり、化学物質を用いることなくアルカリイオン水を
高圧に加圧して昆布等の食材のエキスを抽出することが
できるという作用を有する。
【0014】また、請求項3に記載の発明は、加圧容器
内の抽出液のpHを検出するpHセンサーと、pHセン
サーで検出したpH値から抽出液の濃度を算出して加圧
ポンプを制御する制御手段を備えたものであり、加圧容
器内の抽出液の濃度を監視しながら抽出動作を継続でき
るという作用を有する。
【0015】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図5を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の一実施の形態による高
圧食材抽出装置の高圧容器の概略構成図である。図1に
おいて1は高圧容器で有底状の容器2、上蓋3で構成さ
れている。これらは耐食性があり、かつ耐圧性に優れた
ステンレス等の材質からなり、上蓋3と容器2の嵌合部
には耐圧Oリング等を装着し、300MPa程度の圧力
に耐え得る構造にしている。上蓋3には高圧容器1の内
部と連通する連通路を設けて高圧容器1内に充填したア
ルカリイオン水21の液温を検知する温度センサ5と圧
力を検知する圧力センサ6と高圧バルブ7が設けられて
いる。8は高圧バルブ7を開けて抽出液の一部を吐出さ
せそのpH濃度を検知するpHセンサである。容器2の
底部には高圧容器1の内部と連通する連通路を設けて、
アルカリイオン水21を高圧容器1に給水する給水路1
4と、食材22に含まれるエキスを抽出した抽出液を排
出する排出路18とを設けている。給水路14には高圧
バルブ12と貯水槽17に貯水されたアルカリイオン水
21を吸引し加圧して吐出する加圧ポンプ11が設けら
れている。この加圧ポンプ11は高圧容器1内のアルカ
リイオン水21を直接加圧し200MPa程度の静水圧
で食材22を加圧するもので、ここでは往復動型のもの
が適当である。貯水槽17には電気ヒーター等からなる
加熱部16が設けられ、アルカリイオン水21を約60
℃にまで加熱できるようになっている。15はアルカリ
イオン水吐出路で後述するイオン水生成部40で生成さ
れたアルカリイオン水21を吐出して貯水槽17に貯水
する。排出路18には高圧バルブ9が設けられ、排出路
18から排出した抽出液は回収容器19に回収される。
食材22は昆布で所定の大きさにきざみ、メッシュ状の
バスケット23に収納されている。このバスケット23
は食材22の屑状のものが排出路18に流れ込まないよ
うにするのとともに、高圧容器1の内部への食材22の
出し入れを容易にするためのものである。20は制御部
で高圧容器1の加圧、降圧動作を制御するとともに、温
度センサ5からの検知信号によって加熱部16に供給す
る電力を制御して温度調整し、圧力センサ6からの検知
信号によって加圧ポンプ11に供給する電力を制御して
高圧容器1内の圧力を調整する。また制御部20は図示
しないスタートボタンを押すと加圧ポンプ11に電力の
供給を開始し、高圧容器1内に所定量給水して後にさら
に給水動作を継続して加圧し、所定の圧力に達すると図
示しないスタートボタンを押して加圧ポンプ11をスト
ップする。なお、給水路14には図4記載のようなリリ
ーフ弁を設けた吐出路を設けても良い。
【0016】つぎにイオン水生成部40の動作について
説明する。38は電解槽で隔壁34によって分割され陰
極室33と陽極室32とが設けられている。陰極室33
には陰電極31が、陽極室32には陽電極30が設けら
れ、制御部20で制御された直流の負電位と正電位がそ
れぞれに印加されている。これらの電極は白金等の貴金
属等で形成もしくは被服形成し、寿命の長いものがよ
い。35は水道水等の原水路で、陰極室33と陽極室3
2に原水を給水する。15は陰極室33で生成したアル
カリイオン水21を吐出するアルカリイオン水吐出路
で、第2pHセンサ37が設けられ吐出するアルカリイ
オン水21のpH濃度を検知して制御部20に伝達し、
制御部20は所定のpH濃度になるように陰電極31及
び陽電極30に印加する電力の大きさを制御する。36
は陽極室32で生成する酸性イオン水を吐出する酸性イ
オン水吐出路である。
【0017】原水路35から給水された原水は電解槽3
8に通水される。流量が約1リットル/分の原水を通水
しながら陰電極31と陽電極30に直流(電圧約40
V、電流約5A)を印加すると、通水された原水はここ
で電気分解され陰極室33にはアルカリイオン水21が
生成し、陽極室32には酸性イオン水が生成する。この
とき生成するアルカリイオン水21の流量は約0.8リ
ットル/分である。生成したイオン水はそれぞれの吐出
路から吐出する。このように原水を通水しながら電気分
解することによって連続してpH=10程度のアルカリ
イオン水21を生成することができる。この吐出するア
ルカリイオン水21のpH濃度は印加する直流の大きさ
によって任意に制御することができる。例えば電圧が約
30V、電流が3A程度の直流を印加するとpH=8程
度のアルカリイオン水21を得ることができる。
【0018】以上のように構成された高圧容器1を使用
した高圧食材抽出方法について図1に基づいて説明す
る。高圧容器1に設けた上蓋3を容器2から取り外し、
予め約1cm角程度の大きさにきざんだ北海道道東産の
昆布を約10g収納したバスケット23を容器2の底面
に収容する。次に上蓋3密閉して閉じスタートボタンを
押すと、制御部20は給水を開始する。最初に、まず高
圧バルブ12、7が開けられるとともに高圧バルブ9が
閉じられる。つぎに制御部20は加圧ポンプ11を駆動
し、予め貯水槽17に貯水されたアルカリイオン水21
を加圧して給水路14を通して高圧容器1内に給水す
る。このアルカリイオン水21は食材22の種類によっ
て必要に応じ加熱部16をON−OFF制御することに
より予め所定の温度に保温しておいたものである。この
実施の形態においては加熱せず常温のアルカリイオン水
21を使用した。またこのアルカリイオン水21はイオ
ン水生成部40で予め所定のpH濃度になるように調整
されている。食材22エキスの抽出のためにはpH濃度
が大きい方が望ましいが、pH濃度が余りに大きいとア
ルカリイオン水21を生成する装置にかかる負担が大き
くなったり、コストが高くなったりする。したがって後
述するようにpH=10程度に調整したアルカリイオン
水21を使用するのが適当である。
【0019】高圧容器1内にアルカリイオン水21を約
1リットル給水して満杯にし、高圧バルブ7の開口部か
らアルカリイオン水21がオーバーフローすると圧力セ
ンサ6が所定値を越えるから、制御部20は高圧バルブ
7を閉じる。引き続き制御部20からの指示によって加
圧ポンプ11が給水動作を継続され、高圧容器1内に満
たされたアルカリイオン水21は次第に加圧される。こ
の加圧されたアルカリイオン水21の圧力の大きさは圧
力センサ6で検出され制御部20に伝達される。この圧
力の大きさは50〜200MPaの間で選択されるのが
適当で、これより小さいと食材22エキスの抽出に時間
がかかるし、これより大きいと高圧容器1の制作コスト
が高くなる。予め制御部20に50〜200MPaのう
ちの所定の圧力の大きさを記憶させておけば、その圧力
に達すると圧力センサ6の検知信号によって制御部20
は加圧ポンプ11に指示を出して加圧動作を止め、漏れ
等によって所定の圧力より小さくなると再度加圧動作を
開始することができる。所定時間高圧容器1内をこの加
圧状態に保持することで食材22に含まれるグルタミン
酸等のエキスはアルカリイオン水21に抽出される。食
材22の場合10分以下で充分である。この食材22は
等方圧によって加圧されているので圧力が均一に無駄な
く作用し、短時間に高濃度のエキスを抽出することがで
きる。またアルカリイオン水21を使用しているためさ
らに容易に抽出することができる。
【0020】ここで高圧食材抽出装置について補足する
と、制御部20からの指示でイオン水生成部40は連続
してpH制御されたアルカリイオン水21を生成し貯水
槽17に貯水している。貯水槽17に貯水されたアルカ
リイオン水21が使用され減少すると、水位センサ(図
示せず)等によって水位を検出して制御部20に伝達
し、制御部20はイオン水生成部40に指示を出してア
ルカリイオン水21を生成し、必要量を貯水槽17に常
に貯水する。pH濃度は任意に調整することができる。
ここでは生成したアルカリイオン水21を一旦貯水槽1
7に貯水しているが、アルカリイオン水吐出路15を給
水路14に直結して直接給水することもできる。こうす
ることで貯水槽17や給水ポンプ13が必要でなくな
り、高圧食材抽出装置を小型軽量にすることができる。
なお加圧ポンプ11は電動形のもので説明したが、手動
形のものであってもよい。
【0021】ところで加圧動作を終了する前に抽出液に
昆布のエキスが飽和濃度近くまで抽出されたかどうかを
調査する必要がある。そこでこの実施の形態1において
は高圧バルブ7を開けて抽出液の一部を吐出させ、pH
センサ8で抽出液のpH濃度を検知し、抽出が充分に行
われたかどうかを判断する。これはタイマを設け所定時
間が経過するごとに制御部20が高圧バルブ7を若干開
放することで達成される。食材22のエキスの抽出液の
グルタミン酸の飽和濃度は常温で約600mg/リット
ルであり、そのときにはpH濃度は約6.5以下であ
る。このグルタミン酸の飽和濃度とpH濃度の関係は一
義的であり、グルタミン酸が飽和濃度に達するとpH濃
度は小さくなるという関係にある。したがって例えばp
Hセンサ8が検知するpH濃度が約8の時にはグルタミ
ン酸がまだ飽和濃度にまで達していないものと判断し、
高圧バルブ7、9を閉じ加圧ポンプ11によって再び高
圧容器1を加圧し抽出動作を継続する。このようにすれ
ば効果的にエキスを抽出でき食材22を無駄にすること
がない。またこの高圧容器1を調理現場近くに設置すれ
ば、回収容器19に回収された食材22のエキスの抽出
液をそのまま調理現場で料理の味付けに利用することが
できる。
【0022】(実施の形態2)つぎに、高圧容器の圧力
の大きさを変えたとき食材22のエキスの抽出量が変化
する様子を図2に基づいて説明する。図2は本発明のも
う一つの実施の形態による高圧食材抽出方法の高圧容器
の圧力と抽出量を示す関係図である。ここでは温度が常
温でpH=10のアルカリイオン水21を1リットルと
食材22とともに高圧容器1に収容し、圧力を50から
200MPaまで50MPaのステップでそれぞれ5分
間加圧した。食材22のエキスの抽出量は、抽出液に含
まれるグルタミン酸を柳本アミノ酸自動分析計(Yan
aco L−7型)によって定量分析して求めた。使用
した食材22の量は5g、10g、15gおよび400
gの4種類で、それぞれ2a、2b、2cおよび2dで
示してある。いずれの場合にも圧力が大きくなると抽出
量は増えている。2aで示した5gの場合には食材22
の量が少なすぎるため、圧力を200MPaまで大きく
しても抽出量は200mg/リットル程度と少ない。食
材22の量を10gとした2bや、15gとした2cは
圧力が大きくなるに伴って抽出量は増え、圧力を200
MPaまで大きくすると抽出量は600mg/リットル
とグルタミン酸の飽和濃度にまで達する。一方、2dに
示したように食材22の量を400gとし充分すぎるぐ
らいに多くすれば、常圧下(0.1MPa)でも飽和濃
度近くにまで抽出されることがわかる。つまりアルカリ
イオン水21とともに食材22を200MPaまで加圧
して抽出することで、食材22の量が10gもあれば飽
和濃度近くにまで容易に抽出することができるもので、
必要とする食材22の量は約1/4程度にまで少なくす
ることができるのである。また、従来の水出し法によっ
て10gの食材22をpH=10のアルカリイオン水1
リットル中に浸したとき、グルタミン酸が飽和濃度にま
で達するのに約14時間要した。しかし図2の2bによ
れば200MPaで僅か5分間の加圧で飽和濃度にまで
達することができ、約6/1000の時間にまで短縮す
ることができる。
【0023】この圧力の大きさは50〜200MPaの
範囲にあることが望ましく、50MPa以下では抽出量
の飽和濃度に達するのに時間がかりすぎるし、200M
Pa以上ではそれ以上抽出濃度は高くならないからであ
る。
【0024】(実施の形態3)つぎに、つぎにアルカリ
イオン水21のpH濃度を変えたとき食材22のエキス
の抽出量が変化する様子を図3に基づいて説明する。図
3は本発明のさらにもう一つの実施の形態による高圧食
材抽出方法のアルカリイオン水21のpH濃度と抽出量
の関係図である。ここでは温度が約20℃のアルカリイ
オン水21を1リットルと食材22を15gとともに高
圧容器1に収容し、圧力を100MPa(3aで示す)
と200MPa(3bで示す)で5分間加圧した。食材
22のエキスの抽出量は、(実施の形態2)に準じて計
測した。そしてアルカリイオン水21のpH濃度をpH
=7(中性水)からpH=13まで変化させた。圧力が
100MPaの3aの場合には、pH濃度が高くなって
アルカリ度が大きくなると抽出量が増え、pH=10近
くになるとグルタミン酸の飽和濃度にまで達している。
一方3bのように圧力を200MPaにまで大きくする
と、pH=7のものでも飽和濃度にまで達している。つ
まりここではpH=10のアルカリイオン水21を使用
することで圧力を1/2にまで下げることができること
になる。またこの実施の形態3では食材22の量を15
gにした場合にはアルカリイオン水21のpH=10程
度が適当であるが、食材22の量を15gより多くすれ
ばpH=10以下にし、15gより少なくすればpH=
10以上にするようにして適当なpH濃度のアルカリイ
オン水21を選択すればよい。
【0025】このようにアルカリイオン水21を用いて
食材22のエキスのアルカリ抽出ができ、NaOHを使
用する場合のように取り扱いが煩雑でなく、抽出液にN
aイオンが混入することもなく、食材22の本来の風
味、旨み及びコク等の味を保つことができる。
【0026】(実施の形態4)つぎに、図4に基づいて
高圧容器1に加圧ピストンを設け、この加圧ピストンに
よってアルカリイオン水21を加圧する高圧食材抽出装
置について説明する。図4は本発明の他の実施の形態に
よる高圧食材抽出装置の概略構成図である。図1と同一
符号のものは本実施の形態においても基本的に同一であ
るため、説明を省略する。図4において高圧容器1は円
筒状の容器2、上蓋3及び加圧ピストン4で構成されて
いる。加圧ピストン4の容器2との摺動部には耐圧Oリ
ング等を装着し、容器2は300MPa程度の圧力に耐
え得る構造にしている。給水路14には高圧バルブ12
と、貯水槽17に貯水されたアルカリイオン水21を吸
引して吐出する給水ポンプ13が設けられている。11
は加圧ポンプで高圧バルブ10を介して油圧によって加
圧ピストン4を押し上げ、高圧容器1の内部に充填され
たアルカリイオン水21を加圧する。20は制御部で、
圧力センサ6からの検知信号によって加圧ポンプ11に
供給する電力を制御することで圧力調整する。24はリ
リーフ弁で加圧回路の油吐出路26に設けられ一定圧力
となるように圧力調整する。なお加圧ピストン4は、油
圧シリンダで駆動されるがカウンタバランス回路を設け
て加圧状態を解いたときにも急激な変化が生じないよう
になっている。
【0027】以上のように構成された高圧容器1を使用
した高圧食材抽出方法について図4に基づいて説明す
る。高圧容器1に設けた上蓋3を容器2から取り外し、
予め約1cm角程度に大きにきざんだ北海道道東産の食
材22を約10g収納したバスケット23を加圧ピスト
ン4の上面に収容する。次に上蓋3密閉して閉じスター
トボタン(図示しない)を押すと、制御部20は給水を
開始する。最初に、まず高圧バルブ12、7が開けられ
るとともに高圧バルブ9が閉じられる。つぎに制御部2
0は給水ポンプ13を駆動し、予めイオン水生成部40
で生成され貯水槽17に貯水されたアルカリイオン水2
1を給水路14に通して高圧容器1内に給水する。ここ
では実施の形態1で述べたと同様にpH=10程度に調
整した常温のアルカリイオン水21を使用した。なお貯
水槽17にヘッド差を持たせれば給水ポンプ13を省略
することができる。
【0028】高圧容器1内にアルカリイオン水21を約
1リットル給水して満杯にし、高圧バルブ7の開口部か
らアルカリイオン水21がオーバーフローするのを確認
してストップボタンを押すと、制御部20は給水ポンプ
13を止める。同時に制御部20は高圧バルブ12、7
を閉じ、高圧容器1を密閉状態とする。次いで高圧バル
ブ10が開けられ、制御部20からの指示によって加圧
ポンプ11が動作を開始され、加圧ピストン4を容器2
内に押し上げる。押し上げられた加圧ピストン4は高圧
容器1内に満たされたアルカリイオン水21を次第に加
圧する。この加圧されたアルカリイオン水21の圧力の
大きさは圧力センサ6で検出され制御部20に伝達され
る。予め制御部20に50〜200MPaのうちの所定
の圧力を記憶させおけば、その圧力に達すると圧力セン
サ6の検知信号によって制御部20は加圧ポンプ11に
指示を出して加圧動作を止め、所定の圧力より小さくな
ると加圧動作を再開することができる。この加圧ポンプ
11からの回路の油吐出路26にリリーフ弁24を設け
てあるため、加圧ポンプ11のON−OFF動作は少な
くてすむ。また、加圧後に高圧バルブ10を閉止すると
いうのもよい。所定時間この加圧状態を保持することで
食材22に含まれるグルタミン酸等のエキスはアルカリ
イオン水21に抽出される。この食材22は加圧ピスト
ン4によって加圧されたアルカリイオン水21の静水圧
によって加圧されているので圧力が均一に無駄なく作用
し、短時間に高濃度のエキスを抽出することができる。
【0029】加圧動作中は常時pHセンサ8によって高
圧容器1内の抽出液のpH濃度が検知され制御部20に
その信号が伝達されている。したがって制御部20は所
定のpH濃度に達したのを検知し、加圧ポンプ11を停
止し、加圧ピストン4は押し戻される。このとき制御部
20はリリーフ弁24に併設された油排出弁27を開放
するので、これによって高圧容器1内の圧力は常圧まで
低下する。高圧容器1が常圧に戻ったのを圧力センサ6
で確認してから高圧バルブ7、9を開け、抽出液を回収
容器19に回収する。上記の説明は油圧で加圧ピストン
4を押し上げたが、食品を扱う以上水圧で押し上げるの
もよい。
【0030】ここでは昆布のエキスの抽出について説明
したが、昆布に限らずアルカリ抽出によってエキスが抽
出できるものであれば他の食材22を使用しても同じ効
果が得られる。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、昆布等の
食材を所定の大きさにきざむとともに水を電気分解し、
電気分解によって生成したアルカリイオン水と食材とを
高圧容器に収容し、50MPa〜200MPaに加圧す
るから、エキスの抽出量を最大にして食材の使用量を少
なく抑え、ビタミンや色素及び香りが損なわれることな
く、食材本来の風味、旨み及びコク等の味が変化しない
という効果を有する。
【0032】また、水を電気分解するイオン水生成部
と、イオン水生成部で生成されたアルカリイオン水と食
材を収容して加圧する加圧容器と、加圧容器に圧力を加
える加圧ポンプとを備えたものであり、簡単な構造で、
抽出動作の制御が容易で、調理場に設置して安全で容易
に抽出できるという効果を有する。
【0033】また、加圧容器内の抽出液のpHを検出す
るpHセンサーと、pHセンサーで検出したpH値から
抽出液の濃度を算出して加圧ポンプを制御する制御手段
を備えたものであり、さらにエキスの抽出量を最大にし
て食材の使用量を少なく抑えるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による高圧食材抽出装置
の高圧容器の概略構成図
【図2】本発明のもう一つの実施の形態による高圧食材
抽出方法の高圧容器の圧力と抽出量を示す関係図
【図3】本発明のさらにもう一つの実施の形態による高
圧食材抽出方法のアルカリイオン水のpH濃度と抽出量
の関係図
【図4】本発明の他の実施の形態による高圧食材抽出装
置の概略構成図
【符号の説明】
1 高圧容器 2 容器 3 上蓋 4 加圧ピストン 5 温度センサ 6 圧力センサ 7、9、10、12 高圧バルブ 11 加圧ポンプ 13 給水ポンプ 14 給水路 15 アルカリイオン水吐出路 16 加熱部 17 貯水槽 18 排出路 19 回収容器 20 制御部 21 アルカリイオン水 22 食材 23 バスケット 24 リリーフ弁 25 油タンク 26 油吐出路 27 油排出弁 30 陽電極 31 陰電極 32 陽極室 33 陰極室 34 隔壁 35 原水路 36 酸性イオン水吐出路 37 第2pHセンサ 38 電解槽 40 イオン水生成部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】昆布等の食材を所定の大きさにきざむとと
    もに水を電気分解し、電気分解によって生成したアルカ
    リイオン水と前記食材とを高圧容器に収容し、50MP
    a〜200MPaに加圧して前記食材に含まれるエキス
    を抽出することを特徴とする高圧食材抽出方法。
  2. 【請求項2】水を電気分解するイオン水生成部と、前記
    イオン水生成部で生成されたアルカリイオン水と前記食
    材を収容して加圧する加圧容器と、前記加圧容器に圧力
    を加える加圧ポンプとを備えたことを特徴とする高圧食
    材抽出装置。
  3. 【請求項3】前記加圧容器内の抽出液のpHを検出する
    pHセンサーと、前記pHセンサーで検出したpH値か
    ら抽出液の濃度を算出して前記加圧ポンプを制御する制
    御手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の高圧食
    材抽出装置。
JP7307062A 1995-11-27 1995-11-27 高圧食材抽出方法及び高圧食材抽出装置 Pending JPH09140337A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999008861A1 (fr) * 1997-08-20 1999-02-25 H.K.M. Company Co., Ltd. Appareil de pressurisation poussee
US7264828B2 (en) * 2001-12-30 2007-09-04 Shouqin Zhang Process of extracting small molecular ingredients from biological materials under super high pressure
JP2013518575A (ja) * 2010-02-05 2013-05-23 センス フォー テイスト 食品のフレーバーを変える方法

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