JPH09140180A - モータ速度制御装置 - Google Patents

モータ速度制御装置

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JPH09140180A
JPH09140180A JP7316057A JP31605795A JPH09140180A JP H09140180 A JPH09140180 A JP H09140180A JP 7316057 A JP7316057 A JP 7316057A JP 31605795 A JP31605795 A JP 31605795A JP H09140180 A JPH09140180 A JP H09140180A
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motor
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speed control
phase
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明はモータが目標速度に到達した際、速や
かに目標速度に安定させるモータ速度制御装置を提供す
る。 【解決手段】モータ19の目標速度への加減速時は、立
ち上げ電圧発生回路16の立ち上げ電圧Vにより速度制
御を行い、目標速度に到達すると、MPU21が目標速
度から同期時の位相差δθを予測して、エンコーダパル
ス信号Eに対して当該位相差δθを持ち、かつ、目標速
度に対応した周波数の基準信号Rを生成して位相比較回
路11へ出力する。位相比較回路11は基準信号Rとエ
ンコーダパルス信号Eとの位相差に対応する位相誤差信
号Vθを加算器13に出力し、加算器13は位相誤差信
号Vθにオフセット電圧V0 を加算してモータドライバ
18に出力する。その後、MPU21は目標速度に対応
する周期のT/2周期と位相偏差δθから求めたδT時
間から算出される待ち時間(T/2−δT)だけ待って
基準信号Rを反転させ、その後T/2毎に基準信号Rを
反転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ速度制御装
置に関し、詳細には、速やかに、かつ、安定して目標速
度に制御するモータ速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、モータの速度制御方式として
は、いわゆる位相同期制御方式(PLL制御方式)が知
られており、このPLL(Phase Locked Loop )制御方
式は、一定の周波数の基準信号と、モータの速度に比例
したエンコーダパルス等の速度信号と、の位相差を位相
比較器により検出して、その位相差に比例した制御量
(例えば、電圧)をフィードバックすることにより、モ
ータの速度制御を行うものである。
【0003】ところが、PLL制御でのみモータの制御
を行うと、定トルク加速を行うことができず、加減速時
間が長くなるだけでなく、使用する位相比較器によって
は、基準信号の周波数の整数倍あるいは整数分の1の周
波数でも位相がロックして、目標速度に適切に制御する
ことができないという問題があった。
【0004】そこで、モータの回転速度を検出するエン
コーダの周波数誤差をフィードバックする制御方式を併
用するのが、従来からの一般的なモータ制御方法であ
る。
【0005】具体的には、エンコーダの検出信号を周波
数/電圧変換(F/V変換)し、このF/V変換した電
圧と、目標速度に対応する電圧と、比較して、フィード
バックするアナログサーボ速度制御をPLL制御に併用
することが行われている。
【0006】この制御方式によると、周波数同期過程、
すなわち、モータの速度が目標速度に到達するまでの過
程においては、PLL制御方式により周波数誤差制御方
式のフィードバック量が大きくなるようにゲインを設定
して、速度を周波数誤差制御方式により目標速度に加減
速し、その後、位相同期過程においては、周波数誤差制
御方式の出力が一定になるので、PLL制御方式のフィ
ードバック量が相対的に大きくなって、位相同期状態、
すなわち、位相ロック状態に入る。
【0007】また、従来、周波数同期過程と位相同期過
程で、制御系を切り換えるモータ速度制御方式がある。
すなわち、モータの速度制御においては、周波数同期過
程では周波数誤差制御方式が、位相同期過程ではPLL
制御方式が、適切な制御を行うことができるので、周波
数同期を判別して、それぞれ制御系を切り換えて制御し
ている。
【0008】ところが、一般に基準信号と速度信号(す
なわち、エンコーダ信号)の位相は相互に何等制約がな
く、上記制御系を切り換える制御方式において、PLL
制御方式に切り換えた直後の基準信号の位相と速度信号
の位相とに位相差が発生することがあるが、この位相差
があると、その位相差によっては、位相同期が速やかに
完了しない場合があり、応答が遅くなり、目標速度に安
定するまでに時間がかかるという問題があった。
【0009】この問題に解決するものとして、従来、特
開平5−292776号公報に記載された直流モータ速
度制御装置が提案されている。
【0010】この直流モータ速度制御装置は、モータを
加速させる手段と、検出されたモータの速度信号と基準
信号との位相誤差信号に基づいてモータの速度を制御す
る第1の制御手段と、前記速度信号と基準信号との周波
数誤差信号に基づいてモータの速度を制御する第2の制
御手段とを備え、前記モータを加速させる手段によりモ
ータの速度を加速し、目標速度に到達したら前記モータ
を加速させる手段から第1、第2の制御手段の出力信号
の加算信号による制御、あるいは第1の制御手段の出力
信号のみによる制御に切り換える直流モータ速度制御装
置において、モータの速度が目標速度に到達した場合
に、前記第1の制御手段に対して速度信号と位相が一致
し、かつ、目標速度に対応した周波数の信号を基準信号
として入力することを特徴としている。
【0011】すなわち、モータの速度が目標速度に達し
た場合に、第1の制御手段(位相フィードバック手段と
いえる。)と第2の制御手段(周波数フィードバック手
段といえる。)の出力の加算信号による制御、あるい
は、位相フィードバック手段のみによる制御に切り換え
るとともに、速度信号(エンコーダ信号)と位相が一致
し、かつ、目標速度に対応した周波数の信号を基準信号
として入力することで、移相差が0になって、位相同期
を速やかに完了させ、応答をすみやかに行わせることを
目的としている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のモータ速度制御装置にあっては、目標到達速
度に達した後の速度信号と基準信号の位相差に基づく過
渡応答特性を速やかに解決するには、なお不十分であ
り、目標速度に安定するまでになお時間がかかるという
問題があった。
【0013】すなわち、特開平5−292776号公報
の請求の範囲に記載されている条件として、「モータの
速度が目標速度に到達した場合に、第1の制御手段に対
して速度信号と位相が一致し、かつ、目標速度に対応し
た周波数の信号を基準信号として入力する」ことを要求
し、実施例において、基準周波数信号に対してエンコー
ダパルスの位相が進んでいるときには、その位相差に応
じた位相進み信号を出力し、位相が遅れているときに
は、同様の位相遅れ信号を出力する位相比較回路を使用
することにより、図22に示すように、位相比較範囲が
−2π〜2πの範囲となって、基準信号と速度信号の位
相が一致、すなわち、位相差が0となって、位相同期が
完了するとしている。
【0014】ところが、位相比較回路として、例えば、
EXOR(EXclusive OR)型の位相比較器を用いると、
位相比較範囲は、図23に示すように、0〜πの範囲で
あり、かつ、位相差が0の点は、特異点となる。その結
果、モータの制御が不安定となる。
【0015】すなわち、特開平5−292776号公報
に記載されている直流モータ速度制御装置は、実施例に
記載されているような位相比較回路を用いて始めて達成
される技術である。
【0016】例えば、図24に示すようなPLL制御系
を考えた場合、位相比較回路1には、基準信号Rとエン
コーダ2からモータ3の回転速度を検出した速度信号V
E が入力され、位相比較回路1は、基準信号Rと速度信
号VE を比較して、その位相差δθに対応する誤差信号
Vθをフィルタ4を介して加算器5に出力する。加算器
5には、オフセット電圧V0 が入力されており、加算器
5は、誤差信号Vθにオフセット電圧V0 を加算して、
入力制御電圧V(V=V0 +Vθ)をモータドライバ6
に出力する。モータドライバ6は、この入力制御電圧V
に基づいてモータ3を駆動する。
【0017】いま、説明を簡単化するために、モータド
ライバ6入力される入力制御電圧Vとエンコーダ2の出
力する速度信号VE の周波数fvとの間には、図25に
示すような直線関係があるものとすると、位相比較回路
1は、図22に示す特性をもつものとする。
【0018】ここで、frを基準信号Rの周波数とし、
図25から分かるように、オフセット電圧V0 に対応す
る周波数をf0 とすると、位相同期状態においては、次
式が成立するような位相差δθの定常偏差が存在する。
【0019】 f0 =K×V0 Vθ=Kθ×δθ fr=K×(V0 +Vθ)=f0 +K×Kθ×δθ・・・(1) すなわち、通常は、位相差δθを有した状態で位相同期
し、この位相差δθは、オフセット電圧V0 その他によ
って種々変化するものである。
【0020】ところが、上記特開平5−292776号
公報においては、あたかも位相差0で位相同期が完了す
るかのごとく記載されているが、実際には、当該公報記
載の第1の制御手段と第2の制御手段の出力信号の加算
信号による制御と、第1の制御手段の出力信号のみの制
御と、では、位相の定常偏差δθは、同じではあり得な
い。
【0021】すなわち、上記加算信号による制御の場合
には、周波数フィードバック手段(第1の制御手段)の
信号が、図24のオフセット電圧V0 の役割を果たして
おり、オフセット電圧V0 の効果で、fr≒f0 となる
ため、δθ≒0付近で位相同期する。
【0022】また、第1の制御手段のみによる制御の場
合には、V0 =0となるので、上記(1)式から分かる
ように、δθ≒fr/(K×Kθ)付近で位相同期す
る。
【0023】なお、オフセット電圧V0 を別に加算する
ような制御系を組み込んだ場合には、定常偏差、すなわ
ち、位相差δθは、さらに異なったものとなる。
【0024】上述のように、同期時の定常偏差(位相差
δθ)によっては、上記第1の制御手段と第2の制御手
段を切り換えるとき、位相差δθを0にすることは、応
答を早めるどころか、逆に応答を不安定にして、位相同
期を遅くする原因にもなる。
【0025】したがって、上記特開平5−292776
号公報に記載されている直流モータ速度制御装置では、
目標到達速度に達した後の速度信号と基準信号の位相差
に基づく過渡応答特性を速やかに解決するには、なお不
十分であり、目標速度に安定するまでになお時間がかか
るという問題があった。
【0026】そこで、請求項1記載の発明は、モータの
速度が目標速度に到達すると、制御系を位相同期制御手
段に切り換えてモータの速度制御を行わせするととも
に、位相同期制御手段に、目標速度に対応した周波数
で、かつ、速度信号に対して位相同期後と同じ位相差を
有した基準信号を入力することにより、速度信号と基準
信号の位相差に基づく速度制御系の過渡応答特性を大幅
に向上させて、目標速度に安定するまでの時間を短縮す
るとともに、速度制御系を安定化させることのできるモ
ータ速度制御装置を提供することを目的としている。
【0027】請求項2記載の発明は、請求項1の場合
に、モータが目標速度に到達するまでオープンループ制
御することにより、速度制御系全体の構成を簡単化する
モータ速度制御装置を提供することを目的としている。
【0028】請求項3記載の発明は、請求項1の場合
に、モータが目標速度に到達するまで周波数誤差信号に
基づく速度のフィードバック制御を行うことにより、イ
ナーシャが大きく応答の遅い制御系の場合であっても、
確実に周波数を同期させることのできるモータ速度制御
装置を提供することを目的としている。
【0029】請求項4記載の発明は、モータの速度が目
標速度に到達すると、所定の速度制御信号によりモータ
を加減速する速度制御手段の出力する速度制御信号と位
相同期制御手段の出力する速度制御信号の加算出力によ
り制御するとともに、位相同期制御手段に、目標速度に
対応した周波数で、かつ、速度信号に対して位相同期後
と同じ位相差を持った基準信号を入力することにより、
モータの速度が目標速度に到達して、制御系を切り換え
た際、速度信号と基準信号の位相差に基づく、速度制御
系の過渡応答特性をより一層大幅に向上させて、目標速
度に安定するまでの時間をより一層短縮することのでき
るモータ速度制御装置を提供することを目的としてい
る。
【0030】請求項5記載の発明は、モータの速度が所
定の目標速度に到達すると、制御系を位相同期制御手段
に切り換えてモータの速度制御を行わせるとともに、目
標速度に対応した周波数で、かつ、速度信号に対して位
相同期制御手段の動作範囲の中心付近の位相差を有した
基準信号を位相同期制御手段に入力することにより、位
相同期制御手段へ制御系を切り換えた後に、位相比較の
動作範囲から外れるのを抑制して、位相同期制御手段の
過渡応答特性を向上させることのできるモータ速度制御
装置を提供することを目的としている。
【0031】請求項6記載の発明は、請求項5の場合
に、モータが目標速度に到達するまでオープンループ制
御することにより、速度制御系全体の構成を簡単化する
モータ速度制御装置を提供することを目的としている。
【0032】請求項7記載の発明は、請求項5の場合
に、モータが目標速度に到達するまで周波数誤差信号に
基づく速度のフィードバック制御を行うことにより、イ
ナーシャが大きく応答の遅い制御系の場合であっても、
確実に周波数を同期させることのできるモータ速度制御
装置を提供することを目的としている。
【0033】請求項8記載の発明は、モータの速度が目
標速度に到達すると、所定の速度制御信号によりモータ
を加減速する速度制御手段の出力する速度制御信号と位
相同期制御手段の出力する速度制御信号の加算出力によ
る制御に切り換えるとともに、位相同期制御手段に、目
標速度に対応した周波数で、かつ、速度信号に対して前
記位相同期制御手段の動作範囲の中心付近の位相差を有
した基準信号を入力することにより、制御系を切り換え
た際、位相比較の動作範囲から外れるのを抑制して、位
相同期制御手段の過渡応答特性を向上させることのでき
るモータ速度制御装置を提供することを目的としてい
る。
【0034】請求項9記載の発明は、周波数同期制御手
段によりモータを加減速して、モータの速度が目標速度
に到達して、制御系を周波数同期制御手段と位相同期制
御手段との加算制御系に切り換えた際、目標速度に対応
した周波数で、かつ、速度制御信号が連続する位相差を
有した基準信号を位相同期制御手段に入力することによ
り、制御系を切り換えた際の制御量の連続性を保ち、速
度制御系の過渡応答特性を大幅に向上させて、目標速度
に安定するまでの時間をより一層短縮できるとともに、
速度制御系をより一層安定化させることのできるモータ
速度制御装置を提供することを目的としている。
【0035】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のモ
ータ速度制御装置は、モータの速度を検出して速度信号
として出力する検出手段と、前記検出手段の出力する速
度信号と所定の基準信号との位相誤差信号に基づく速度
制御信号を出力して、前記モータの速度を制御する位相
同期制御手段と、所定の速度制御信号を出力して、前記
モータを加減速させる速度制御手段と、前記位相同期制
御手段の出力する前記速度制御信号と前記速度制御手段
の出力する前記速度制御信号を択一的に選択して出力す
る選択手段と、前記選択手段から入力される前記速度制
御信号に基づいて前記モータの駆動を行う駆動手段と、
前記モータの加減速時には、前記選択手段に、前記速度
制御手段の出力する前記速度制御信号を選択させ、前記
モータの速度が所定の目標速度に到達すると、前記位相
同期制御手段の出力する前記速度制御信号を選択させる
とともに、前記目標速度に対応した周波数で、かつ、前
記速度信号に対して位相同期後と同じ位相差を有した基
準信号を生成して、前記位相同期制御手段に入力する制
御手段と、を備えることにより、上記目的を達成してい
る。
【0036】ここで、検出手段は、モータの回転速度を
適切に検出して、当該速度に対応したパルス等の速度信
号を適切に出力できるものであれば、どのようなもので
あってもよく、例えば、エンコーダ等が利用される。
【0037】位相同期制御手段は、この検出手段の出力
する速度信号と所定の基準信号との位相誤差信号に基づ
いて、駆動手段に速度制御信号を出力することにより、
モータの速度制御を行い、この基準信号は、例えば、目
標速度に対応する速度信号である。
【0038】選択手段は、例えば、スイッチ等を利用す
ることができるが、これに限るものでないことは言うま
でもない。
【0039】制御手段は、例えば、検出手段の出力する
速度信号を目標速度と比較することにより、モータの速
度が目標速度に到達したかどうかを判別し、モータ速度
が目標速度に到達するまでは、選択手段に速度制御手段
の出力する速度信号を選択させて、モータを加減速する
ことにより、モータの速度を制御し、モータの速度が目
標速度に到達すると、選択手段に位相同期制御手段の出
力する速度制御信号を選択させて、位相同期制御手段の
出力する速度制御信号によりモータの速度制御を行わせ
するとともに、位相同期制御手段に、目標速度に対応し
た周波数で、かつ、位相同期後と同じ位相差を有した基
準信号を入力して、この基準信号と検出手段の出力する
速度信号との位相差に基づいてモータの速度を制御させ
る。
【0040】上記構成によれば、速度信号と基準信号の
位相差に基づく速度制御系の過渡応答特性を大幅に向上
させることができ、目標速度に安定するまでの時間を短
縮することができるとともに、速度制御系を安定化させ
ることができる。
【0041】この場合、例えば、請求項2に記載するよ
うに、前記速度制御手段は、前記モータが許容する一定
電圧、一定電流、あるいは、予め設定された制御信号を
前記速度制御信号として出力するオープンループ制御に
より前記モータを加減速制御するものであってもよい。
【0042】上記構成によれば、速度制御系全体の構成
を簡単なものとすることができ、ハード的に回路を組み
込む場合には、回路構成が簡単なものとなり、コストを
低減させることができ、また、ソフト的に構成する場合
には、ソフト処理が簡単になり、計算処理等の負荷を小
さくして、処理速度を向上させることができる。
【0043】また、モータ駆動系のイナーシャ等が小さ
く、位相同期過程の応答が速い系では、上記速度制御手
段から位相同期制御手段への制御系の切換時の不安定性
が少なくなっているので、従来、速度フィードバックル
ープにより加減速していた制御系をオープンループ制御
手段により、モータの加減速を行うことができ、適用範
囲を広げることができる。
【0044】さらに、例えば、請求項3に記載するよう
に、前記速度制御手段は、前記検出手段の検出した前記
速度信号と前記基準信号との周波数誤差信号に基づく前
記速度制御信号を出力して、前記モータの速度をフィー
ドバック制御する周波数同期制御手段であってもよい。
【0045】上記構成によれば、周波数誤差信号に基づ
く速度のフィードバック制御を行うことができ、イナー
シャが大きく応答の遅い制御系の場合であっても、確実
に周波数を同期させることができるとともに、上記速度
制御手段から位相同期制御手段への制御系の切換時の不
安定性が少なくなっているので、速度信号と基準信号の
位相差に基づく速度制御系の過渡応答特性を、さらに大
幅に向上させることができ、目標速度に安定するまでの
時間をより一層短縮することができるとともに、速度制
御系をより一層安定化させることができる。
【0046】請求項4記載の発明のモータ速度制御装置
は、モータの速度を検出して速度信号として出力する検
出手段と、前記検出手段の出力する速度信号と所定の基
準信号との位相誤差信号に基づく速度制御信号を出力し
て、前記モータの速度を制御する位相同期制御手段と、
前記検出手段の出力する前記速度信号と前記所定の基準
信号の周波数誤差信号に基づく速度制御信号を出力し
て、前記モータの速度をフィードバック制御する周波数
同期制御手段と、前記位相同期制御手段の出力する前記
速度制御信号と前記周波数同期制御手段の出力する前記
速度制御信号を択一的に選択して、あるいは、加算して
出力する選択手段と、前記選択手段から入力される前記
速度制御信号に基づいて前記モータの駆動を行う駆動手
段と、前記モータの加減速時には、前記選択手段に、前
記周波数同期制御手段の出力する前記速度制御信号を選
択させ、前記モータの速度が所定の目標速度に到達する
と、前記周波数同期制御手段の出力する前記速度制御信
号と前記位相同期制御手段の出力する前記速度制御信号
とを加算して出力させるとともに、前記目標速度に対応
した周波数で、かつ、前記速度信号に対して位相同期後
と同じ位相差を有した基準信号を生成して、前記位相同
期制御手段に入力する制御手段と、を備えることによ
り、上記目的を達成している。
【0047】ここで、選択手段は、位相同期制御手段の
出力する速度制御信号と速度制御手段の出力する速度制
御信号を択一的に選択する選択機能と、これらの両手段
の出力する速度制御信号を加算する加算機能を備えてお
り、例えば、スイッチと加算器とで構成することができ
る。
【0048】制御手段は、モータを目標速度に加減速す
る加減速時には、選択手段に、速度制御手段の出力する
速度制御信号を選択させて、この速度制御信号により駆
動手段にモータを駆動させ、モータの速度が目標速度に
到達すると、選択手段に、速度制御手段の出力する速度
制御信号と位相同期制御手段の出力する速度制御信号を
加算して出力させるとともに、位相同期制御手段に、目
標速度に対応した周波数で、かつ、速度信号に対して位
相同期後と同じ位相差を持った基準信号を入力する。
【0049】上記構成によれば、モータの速度が目標速
度に到達して、制御系を切り換えた際、速度信号と基準
信号の位相差に基づく、速度制御系の過渡応答特性をよ
り一層大幅に向上させることができ、目標速度に安定す
るまでの時間をより一層短縮することができるととも
に、速度制御系を安定させることができる。
【0050】請求項5記載の発明のモータ速度制御装置
は、モータの速度を検出して速度信号として出力する検
出手段と、前記検出手段の出力する速度信号と所定の基
準信号との位相誤差信号に基づく速度制御信号を出力し
て、前記モータの速度を制御する位相同期制御手段と、
所定の速度制御信号を出力して、前記モータを加減速さ
せる速度制御手段と、前記位相同期制御手段の出力する
前記速度制御信号と前記速度制御手段の出力する前記速
度制御信号を択一的に選択して出力する選択手段と、前
記選択手段から入力される前記速度制御信号に基づいて
前記モータの駆動を行う駆動手段と、前記モータの加減
速時には、前記選択手段に、前記速度制御手段の出力す
る前記速度制御信号を選択させ、前記モータの速度が所
定の目標速度に到達すると、前記位相同期制御手段の出
力する前記速度制御信号を選択させるとともに、前記目
標速度に対応した周波数で、かつ、前記速度信号に対し
て前記位相同期制御手段の動作範囲の中心付近の位相差
を有した基準信号を生成して、前記位相同期制御手段に
入力する制御手段と、を備えることにより、上記目的を
達成している。
【0051】上記構成によれば、モータの速度が目標速
度に到達して、制御系を位相同期制御手段に切り換えた
際、目標速度に対応した周波数で、かつ、速度信号に対
して位相同期制御手段の動作範囲の中心の位相差を有し
た基準信号を位相同期制御手段に入力するので、位相同
期制御手段に制御系を切り換えた後に、位相比較の動作
範囲から外れるのを抑制することができ、位相同期制御
手段の過渡応答特性を向上させることができる。
【0052】したがって、目標速度に安定するまでの時
間をより一層短縮することができるとともに、速度制御
系をより一層安定化させることができる。
【0053】また、位相同期制御手段の動作範囲の中心
の位相差は、予め分かっており、かつ、周波数は変える
必要があるが、目標速度によって位相差を変える必要が
ないため、基準信号を簡単に生成することができ、回路
構成を簡略化することができる。
【0054】この場合、例えば、請求項6に記載するよ
うに、前記速度制御手段は、前記モータが許容する一定
電圧、一定電流、あるいは、予め設定された制御信号を
前記速度制御信号として出力するオープンループ制御に
より前記モータを加減速制御するものであってもよい。
【0055】上記構成によれば、速度制御系全体の構成
を簡単なものとすることができ、ハード的に回路を組み
込む場合には、回路構成が簡単なものとなり、コストを
低減させることができ、また、ソフト的に構成する場合
には、ソフト処理が簡単になり、計算処理等の負荷を小
さくして、処理速度を向上させることができる。
【0056】また、モータ駆動系のイナーシャ等が小さ
く、位相同期過程の応答が速い系では、上記制御系の切
換時の不安定性が少なくなっているので、従来、速度フ
ィードバックループにより加減速していた制御系をオー
プンループ制御手段により、モータの加減速を行うこと
ができ、適用範囲を広げることができる。
【0057】さらに、例えば、請求項7に記載するよう
に、前記速度制御手段は、前記検出手段の検出した前記
速度信号と前記基準信号との周波数誤差信号に基づく前
記速度制御信号を出力して、前記モータの速度をフィー
ドバック制御する周波数同期制御手段であってもよい。
【0058】上記構成によれば、周波数誤差信号に基づ
く速度のフィードバック制御を行うことができ、イナー
シャが大きく応答が遅い制御系の場合であっても、確実
に周波数を同期させることができるとともに、上記速度
制御手段から位相同期制御手段への制御系の切換時の不
安定性が少なくなっているので、速度信号と基準信号の
位相差に基づく速度制御系の過渡応答特性を、さらに大
幅に向上させることができ、目標速度に安定するまでの
時間をより一層短縮することができるとともに、速度制
御系をより一層安定化させることができる。
【0059】請求項8記載の発明のモータ速度制御装置
は、モータの速度を検出して速度信号として出力する検
出手段と、前記検出手段の出力する速度信号と所定の基
準信号との位相誤差信号に基づく速度制御信号を出力し
て、前記モータの速度を制御する位相同期制御手段と、
前記検出手段の出力する前記速度信号と前記所定の基準
信号の周波数誤差信号に基づく速度制御信号を出力し
て、前記モータの速度をフィードバック制御する周波数
同期制御手段と、前記位相同期制御手段の出力する前記
速度制御信号と前記速度制御手段の出力する前記速度制
御信号を択一的に選択して、あるいは、加算して出力す
る選択手段と、前記選択手段から入力される前記速度制
御信号に基づいて前記モータの駆動を行う駆動手段と、
前記モータの加減速時には、前記選択手段に、前記周波
数同期制御手段の出力する前記速度制御信号を選択さ
せ、前記モータの速度が所定の目標速度に到達すると、
前記周波数同期制御手段の出力する前記速度制御信号と
前記位相同期制御手段の出力する前記速度制御信号とを
加算して出力させるとともに、前記目標速度に対応した
周波数で、かつ、前記速度信号に対して前記位相同期制
御手段の動作範囲の中心付近の位相差を有した基準信号
を生成して、前記位相同期制御手段に入力する制御手段
と、を備えることにより、上記目的を達成している。
【0060】上記構成によれば、モータの速度が目標速
度に到達して、制御系を速度制御手段と位相同期制御手
段との加算制御系に切り換えた際、目標速度に対応した
周波数で、かつ、速度信号に対して位相同期制御手段の
動作範囲の中心の位相差を有した基準信号を位相同期制
御手段に入力するので、制御系を切り換えた後に、位相
比較の動作範囲から外れるのを抑制することができ、位
相同期制御手段の過渡応答特性を向上させることができ
る。
【0061】したがって、目標速度に安定するまでの時
間をより一層短縮することができるとともに、速度制御
系をより一層安定化させることができる。
【0062】また、位相同期制御手段の動作範囲の中心
の位相差は、予め分かっており、かつ、周波数は変える
必要があるが、目標速度によって位相差を変える必要が
ないため、基準信号を簡単に生成することができ、回路
構成を簡略化することができる。
【0063】請求項9記載の発明のモータ速度制御装置
は、モータの速度を検出して速度信号として出力する検
出手段と、前記検出手段の出力する速度信号と所定の基
準信号との位相誤差信号に基づく速度制御信号を出力し
て、前記モータの速度を制御する位相同期制御手段と、
前記検出手段の出力する前記速度信号と前記所定の基準
信号の周波数誤差信号に基づく速度制御信号を出力し
て、前記モータの速度をフィードバック制御する周波数
同期制御手段と、前記位相同期制御手段の出力する前記
速度制御信号と前記周波数同期制御手段の出力する前記
速度制御信号を択一的に選択して、あるいは、加算して
出力する選択手段と、前記選択手段から入力される前記
速度制御信号に基づいて前記モータの駆動を行う駆動手
段と、前記モータの加減速時には、前記選択手段に、前
記周波数同期制御手段の出力する前記速度制御信号を選
択させ、前記モータの速度が所定の目標速度に到達する
と、前記周波数同期制御手段の出力する前記速度制御信
号と前記位相同期制御手段の出力する前記速度制御信号
とを加算して出力させるとともに、前記目標速度に対応
した周波数で、かつ、前記速度制御信号の位相差が連続
する基準信号を生成して、前記位相同期制御手段に入力
する制御手段と、を備えることにより、上記目的を達成
している。
【0064】上記構成によれば、周波数同期制御手段に
よりモータを加減速して、モータの速度が目標速度に到
達し、制御系を周波数同期制御手段と位相同期制御手段
との加算制御系に切り換えた際、目標速度に対応した周
波数で、かつ、速度制御信号が連続する位相差を有した
基準信号を位相同期制御手段に入力するので、制御系を
切り換えた際の制御量の連続性が保たれ、速度制御系の
過渡応答特性を大幅に向上させることができる。
【0065】したがって、目標速度に安定するまでの時
間をより一層短縮することができるとともに、速度制御
系をより一層安定化させることができる。
【0066】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0067】尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の
好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の
限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明に
おいて特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これ
らの態様に限られるものではない。
【0068】図1〜図5は、本発明のモータ速度制御装
置の第1の実施の形態を示す図であり、本実施の形態
は、モータが目標速度に到達するまでは、一定電圧でモ
ータを加減速するものである。
【0069】図1は、本発明のモータ速度制御装置の第
1の実施の形態を適用したモータ速度制御装置の回路構
成図である。
【0070】図1において、モータ速度制御装置10
は、位相比較回路11、スイッチ12、加算器13、オ
フセット電圧発生回路14、スイッチ15、立ち上げ電
圧発生回路16、スイッチ17、モータドライバ18、
モータ19、エンコーダ20、MPU(Micro Processi
ng Unit )21及びカウンタ22等を備えており、例え
ば、ファクシミリ装置、複写機あるいはプリンタ等に用
いられるモータの速度制御を行うのに利用される。
【0071】MPU(制御手段)21は、モータ速度制
御装置10の各部を統括的に制御し、スイッチ17の切
換信号を出力する端子SC1、スイッチ12及びスイッ
チ15の切換信号を出力する端子SC2及び基準信号R
をスイッチ12を介して位相比較回路11に出力する端
子Rを備えている。
【0072】スイッチ12及びスイッチ(切換手段)1
5は、MPU21の制御下で動作して、モータ19が所
定速度に達するまでは、(イ)側に接続されており、所
定の速度に達すると、(ロ)側に切り換えられる。
【0073】また、スイッチ17は、MPU21からモ
ータ19を回転させるための切換信号が入力されると、
オンし、停止させるための切換信号が入力されると、オ
フする。
【0074】エンコーダ(検出手段)20は、モータ1
9の回転速度を検出して、当該回転速度に対応するエン
コーダパルス信号EをMPU21、スイッチ12及び位
相比較回路11に出力する。
【0075】カウンタ22は、エンコーダ20からのエ
ンコーダパルス信号Eに基づいてモータ19の回転速度
を検出及び図示しない主制御手段から指示されたモータ
19の目標速度に対応する基準信号Rを生成等するため
に用いられるカウンタである。
【0076】MPU21は、エンコーダ20からのエン
コーダパルス信号Eに基づいてカウンタ22を利用し
て、モータ19の回転速度を検出し、当該検出したモー
タ19の回転速度と目標速度とを比較して、モータ19
の回転が目標速度に到達したかどうかを判断する。
【0077】MPU21は、モータ19の回転速度が目
標速度に到達すると、スイッチ12及びスイッチ15に
切換信号を出力して、スイッチ12及びスイッチ15を
(イ)側から(ロ)側に切り換える。
【0078】また、MPU21は、目標速度から同期時
の速度信号に対する基準信号の位相差δθを予測して、
エンコーダパルス信号Eに対して当該位相差δθを持
ち、かつ、目標速度に対応した周波数の基準信号を生成
して、R端子からスイッチ12を介して位相比較回路1
1へ基準信号Rとして出力する。この速度検出動作及び
信号生成動作については、後で詳述する。
【0079】上記位相比較回路(位相同期制御手段)1
1は、図2に示すように回路構成されており、位相比較
器31、カウント信号発生器32、スイッチ33、3
4、カウンタ35及びD/A変換器36等を備えてい
る。
【0080】位相比較器31には、上記エンコーダパル
ス信号Eと基準信号Rが入力され、この位相比較器31
に入力される基準信号Rは、モータ19の回転速度が目
標速度に到達するまでは、スイッチ12が(イ)側であ
るので、エンコーダパルス信号Eであり、その後、モー
タ19の回転速度が目標速度に到達すると、スイッチ1
2が(ロ)側に切り換えられるので、MPU21からの
基準信号である。
【0081】位相比較器31は、このエンコーダパルス
信号Eと基準信号Rの位相を比較して、進み信号あるい
は遅れ信号を対応するスイッチ33、34に出力する。
すなわち、位相比較器31は、基準信号Rに対してエン
コーダパルス信号Eの位相が進んでいるときには、当該
位相差に対応した位相進み信号をスイッチ33に出力
し、基準信号Rに対してエンコーダパルス信号Eの位相
が遅れているときには、当該位相差に対応した位相遅れ
信号をスイッチ34に出力する。
【0082】具体的には、位相比較器31は、図3
(a)に示す基準信号Rと図3(b)に示すエンコーダ
パルス信号Eを比較し、いま、図3では、エンコーダパ
ルス信号Eの方が、基準信号Rよりも、その位相が進ん
でいるので、図3(c)に示すように、当該位相差分の
幅に対応する期間だけローレベルとなる位相進み信号を
スイッチ33に出力する。このとき、エンコーダパルス
信号Eの方が位相が進んでいるので、位相遅れ信号は、
図3(d)に示すように、ハイレベルの状態のままであ
る。
【0083】スイッチ33及びスイッチ34は、位相比
較器31からの進み信号あるいは遅れ信号によりオン/
オフするスイッチであり、ローレベルの進み信号あるい
は遅れ信号が入力されると、オンして、カウント信号発
生器32から入力されるカウント信号をカウンタ35に
出力する。
【0084】カウント信号発生器32は、図3(e)に
示すように、一定の高周波数のカウント信号を発生し、
スイッチ33及びスイッチ34に出力する。
【0085】カウント信号発生器32の出力するカウン
ト信号は、スイッチ33あるいはスイッチ34がオンし
ているときにのみ、スイッチ33あるいはスイッチ34
を介して、カウントUP信号あるいは、カウントDOW
N信号としてカウンタ35に入力される。
【0086】図3では、基準信号Rよりもエンコーダパ
ルス信号Eの方が位相が進んでいるので、図3(c)に
示すように、ローレベルの進み信号がスイッチ33に出
力されて、スイッチ33がオンし、カウンタ35には、
図3(f)に示すように、カウントUP信号が、進み信
号がオンしている期間だけ、カウント信号のパルス列と
して入力される。このとき、カウントDOWN信号は、
図(g)に示すように、0レベルを維持している。
【0087】カウンタ35は、スイッチ33あるいはス
イッチ34から入力されるカウントUP信号あるいはカ
ウントDOWN信号のパルス列の数を逐次カウントアッ
プ、あるいは、カウントダウンして、D/A変換器36
に出力する。D/A変換器36は、図3(h)に示すよ
うに、カウンタ35のカウント結果をD/A(ディジタ
ル−アナログ)変換して、上記エンコーダパルス信号E
と基準信号Rの位相差に対応するアナログの位相誤差信
号Vθとして、図1に示した加算器13に出力する。
【0088】すなわち、位相比較回路11は、エンコー
ダパルス信号Eの位相が基準信号Rよりも進んでいる場
合には、位相比較器31から位相差に対応した位相進み
信号がスイッチ33に出力され、スイッチ33がオンと
なって、カウント信号発生器32の出力するカウント信
号がスイッチ33を介してカウントUP信号としてカウ
ンタ35に入力される。カウンタ35は、カウントUP
信号が位相進みに対応するカウント信号のパルス列とし
て入力されると、カウント信号をカウントアップして、
カウント結果をD/A変換器36に出力し、D/A変換
器36は、カウンタ35のカウント結果をD/A変換し
て、位相差に対応するアナログの位相誤差信号Vθとし
て図1に示した加算器13に出力する。
【0089】また、位相比較回路11は、エンコーダパ
ルス信号Eの位相が基準信号Rよりも遅れている場合に
は、位相比較器31から位相差に対応した位相遅れ信号
がスイッチ34に出力され、スイッチ34がオンとなっ
て、カウント信号発生器32の出力するカウント信号が
スイッチ34を介してカウントDOWN信号としてカウ
ンタ35に入力される。カウンタ35は、カウントDO
WN信号が位相遅れに対応するカウント信号のパルス列
として入力されると、カウントUP信号の場合とは逆
に、カウント信号をカウントダウンして、カウント結果
をD/A変換器36に出力し、D/A変換器36は、カ
ウンタ35のカウント結果をD/A変換して、位相差に
対応するアナログの位相誤差信号Vθとして図1に示し
た加算器13に出力する。
【0090】すなわち、上述のように、位相比較回路1
1は、エンコーダパルス信号Eと基準信号Rの位相差を
検出し、その位相差に対応したアナログの位相誤差信号
Vθを生成して、加算器13に出力する。
【0091】なお、上記位相比較回路11の位相比較器
31の機能は、MPU21が行うようにしてもよく、ま
た、D/A変換器36の代わりに、CR能動フィルタを
用いてもよい。
【0092】オフセット電圧発生回路(速度制御手段)
14は、所定のオフセット電圧V0を発生し、加算器1
3に出力する。
【0093】加算器13は、オフセット電圧発生回路1
4から入力されるオフセット電圧V0 と位相比較回路1
1から入力される位相誤差信号Vθを加算して、加算出
力をスイッチ15及びスイッチ17を介してモータドラ
イバ18に出力する。
【0094】スイッチ15(選択手段)には、加算器1
3の加算出力と立ち上げ電圧発生回路16の立ち上げ電
圧Vが入力されており、スイッチ15は、これらの加算
器13の加算出力と立ち上げ電圧発生回路16の立ち上
げ電圧Vの一方を択一的に選択して、スイッチ17を介
してモータドライバ18に速度制御信号として出力す
る。
【0095】モータドライバ(駆動手段)18は、スイ
ッチ17を介して入力される速度制御信号に基づいてモ
ータ19を回転駆動する。
【0096】次に、動作を説明する。
【0097】まず、図示しない制御装置からモータを回
転させる指令が出たとき、MPU21は、初期設定を行
う。
【0098】すなわち、MPU21は、初期状態におい
て、図4に示すように、A点でスイッチ12及びスイッ
チ15を(イ)側に接続し、スイッチ17をオンにし
て、初期設定が完了すると、位相比較回路11は、エン
コーダパルス信号Eと基準信号Rから誤差信号Vθを生
成して、加算器13に出力する。
【0099】なお、図4は、図1の信号各部の波形を示
した図であり、図4(a)は、エンコーダパルス信号
E、(b)は、位相比較回路11に入力される基準信号
R、(c)は、位相比較回路11の出力する誤差信号V
θ、(d)は、モータ19の回転速度である。
【0100】まず、図示しない主制御装置からモータ回
転の指令が出ると、MPU21は、目標速度から同期時
の位相差δθ、具体的には、位相差δθに相当する待ち
(wait)時間を設定する。
【0101】いま、位相比較回路11は、上述のよう
に、図22に示した特性を持つフリップフロップ型で、
その位相比較範囲(動作範囲)は、−2π〜2πであ
る。
【0102】したがって、同期後の位相差δθは、図2
5に示した場合と同様に考えることができ、次式で与え
られる。
【0103】 δθ=(fr−f0 )/(K×Kθ) =(fr−K×V0 )/(K×Kθ)・・・(2) 但し、δθは、基準信号Rに対して速度信号が遅れてい
る場合を、+、進んでいる場合を、−、としている。
【0104】また、位相差δθ分のwait時間は、次
式で与えられる。
【0105】δT=δθ/(2πfr)・・・(3) ここで、オフセット電圧V0 の役割は、同期可能な回転
速度の速度帯域を設定することにあり、理想的には、次
式の周波数範囲で同期可能となる。
【0106】 f0 +K×Kθ×2π>f>f0 −K×Kθ×2π・・・(4) 初期設定の後、図4に示す初期状態A点でMPU21
は、スイッチ12及びスイッチ15を(イ)側に接続す
るとともに、スイッチ17をオンする。これらのスイッ
チ12、15、17の初期設定は、上述のように、MP
U21により、その端子SC1及び端子SC2から出力
される切換信号により行われる。
【0107】これによりモータ19は、立ち上げ電圧V
の一定電圧で加速され、この立ち上げ電圧Vは、所定速
度に到達できる電圧でなければならないが、モータ19
の仕様内であれば、これに限るものではない。
【0108】モータ19が始動を開始すると、モータ1
9の回転速度は、逐一エンコーダ20により検出され、
位相比較回路11にエンコーダパルス信号Eとして入力
されるとともに、MPU21及びスイッチ12に入力さ
れる。
【0109】いま、スイッチ12は、(イ)側に接続さ
れているので、エンコーダ20の出力するエンコーダパ
ルス信号Eは、スイッチ12を介して、基準信号Rとし
て位相比較回路11に入力される。
【0110】したがって、モータの加速時には、位相比
較回路11にエンコーダパルス信号E及び基準信号Rと
してエンコーダ20の出力する同じエンコーダパルス信
号Eが入力されるので、位相差が発生せず、位相比較回
路11は、図4(c)に示すように、0レベルの位相誤
差信号Vθを出力し、加算器13は、この位相誤差信号
Vθとオフセット電圧V0 を加算して出力するが、い
ま、スイッチ15が(イ)側、すなわち、立ち上げ電圧
発生回路16側に接続されているため、加算器13の加
算出力はモータドライバ18には、出力されずに、立ち
上げ電圧発生回路16からの立ち上げ電圧Vがスイッチ
17を介して速度制御信号としてモータドライバ18に
入力される。
【0111】モータドライバ18は、この速度制御信号
である立ち上げ電圧Vに基づいてモータ19を加減速し
て、回転駆動する。
【0112】この加速中においては、MPU21は、図
5に示すように、加速制御処理を行う。
【0113】すなわち、MPU21は、モータ19が始
動すると、まず、最初のエンコーダパルス信号Eのエッ
ジが立ち上がりで始まるのか、立ち下がりで始まるのか
を検出し(ステップS1)、例えば、立ち下がりエッジ
で始まるとすると、カウンタ22をスタート、すなわ
ち、カウント動作を開始して(ステップS2)、次の半
周期の立ち上がりエッジを検出するまで待つ(ステップ
S3)。
【0114】ステップS3で、次の立ち上がりエッジを
検出すると、MPU21は、カウンタ22をストップ、
すなわち、カウント動作を停止させ(ステップS4)、
カウンタ22のカウント値と予め内部メモりに格納され
ている目標速度に対応した周波数Tの1/2周期(T/
2)に相当する値(以下、1/2周期値という。)とを
比較して、一致するかどうかチェックする(ステップS
5)。
【0115】MPU21は、カウンタ22のカウント値
と1/2周期値とが一致すると、目標速度に到達したと
判断して、出力端子Rの出力信号、すなわち、基準信号
Rをハイレベル(High)に立ち上げ(ステップS
6)、スイッチ12及びスイッチ15を(イ)側から
(ロ)側に切り換える(ステップS7)。
【0116】いま、立ち上げ開始直後であるので、目標
速度に到達していないため、ステップS5で、カウンタ
22のカウント値と1/2周期値とが一致せず、MPU
21は、ステップS8に移行して、再度、カウンタ22
のカウント動作を開始し(ステップS8)、次の半周期
のエンコーダパルス信号Eの立ち下がりエッジを検出す
るまで待つ(ステップS9)。
【0117】ステップS9で、次の立ち下がりエッジを
検出すると、MPU21は、カウンタ22のカウント動
作を停止させ(ステップS10)、これによりエンコー
ダパルス信号Eの立ち上がりエッジから立ち下がりエッ
ジまでの半周期分の時間を測定し、カウンタ22のカウ
ント値と上記1/2周期値とを比較して、一致するか、
すなわち、モータ19の速度が目標速度に到達したかチ
ェックする(ステップS11)。
【0118】MPU21は、カウンタ22のカウント値
と1/2周期値とが一致すると、目標速度に到達したと
判断して、出力端子Rの出力信号(基準信号R)をロー
レベル(Low)に立ち下げ(ステップS6)、スイッ
チ12及びスイッチ15を(イ)側から(ロ)側に切り
換える(ステップS7)。
【0119】また、ステップS11で、目標速度に到達
していおらず、ステップS11で、カウンタ22のカウ
ント値と1/2周期値とが一致しないときには、MPU
21は、ステップS2に移行して、上記同様の処理を行
う。
【0120】すなわち、MPU21は、エンコーダパル
ス信号Eの半周期の時間を測定し、かつ、その都度、目
標速度と比較して、モータ19が目標速度に到達したか
どうか判別している(ステップS2〜ステップS5、ス
テップS8〜ステップS11)。
【0121】この間、モータ19は、図4(d)に示す
ように、立ち上げ電圧発生回路16からの立ち上げ電圧
Vに基づくモータドライバ18のドライブ動作により目
標速度に向かって、回転速度を上げていく。
【0122】また、MPU21は、検出した直前のエン
コーダパルス信号Eが立ち上がりであれば、これに応じ
て、出力端子Rの出力信号(基準信号R)をハイレベル
に立ち上げ(ステップS6)、直前のエンコーダパルス
信号Eが立ち下がりであれば、これに応じて、出力信号
(基準信号R)をローレベルに立ち下げる(ステップS
12)。
【0123】このようにして、半周期毎にモータ19の
速度が目標速度に到達したかチェックして、目標速度に
到達すると(ステップS5、ステップS11)、上記出
力端子Rの出力信号(基準信号R)の立ち上げ(ステッ
プS6)、あるいは、立ち下げ(ステップS12)を行
って、スイッチ12及びスイッチ15を(イ)側から
(ロ)側に切り換えて、接続する(ステップS7)。
【0124】すなわち、図4に示すように、A点で初期
設定を完了して、立ち上げ電圧発生回路16からの立ち
上げ電圧Vに基づいてモータ19の回転を開始し、B点
でモータ19の回転速度が目標速度に到達したとする
と、B点においては、いま、エンコーダパルス信号E
は、図4(a)に示すように、立ち上がりエッジである
ので、MPU21は、これに合わせて、図4(b)に示
すように、出力端子Rからハイレベルの基準信号Rをス
イッチ12を介して位相比較回路11に出力する。
【0125】その後、MPU21は、上記(3)式に示
したように、目標速度に対応する周期の1/2周期(T
/2)と位相差δθから求めたδT時間から算出される
待ち時間(wait)時間(T/2−δT)だけ待って
(ステップS13)、出力端子Rの出力信号、すなわ
ち、基準信号Rを、図4(b)に示すように、反転させ
る(ステップS14)。いま、図4では、B点で基準信
号Rを立ち上げたので、待ち時間だけ待った後、基準信
号Rを立ち下げる。
【0126】このように、MPU21は、予め同期後の
位相差δθを推定して基準信号Rの位相差δθを作製し
ているので、切り換え直後に、PLL速度制御系、すな
わち、位相比較回路11において強制的に位相がロック
される。
【0127】その後は、MPU21は、目標速度に対応
する周期の1/2周期(T/2)だけ待って(ステップ
S15)、出力信号(基準信号R)を反転させる(ステ
ップS14)。すなわち、MPU21は、目標速度に到
達して、基準信号Rの位相の調整を行うと、図4に示す
ように、目標速度に対応した周波数の1/2周期毎に出
力信号(基準信号R)を反転させて、位相比較回路11
に出力する。
【0128】したがって、MPU21は、図4(b)に
示すように、C点以降は、エンコーダパルス信号Eに対
して、−δθの位相差を持ち、目標速度に対応した周波
数の基準信号Rを位相比較回路11に出力する。なお、
基準信号Rに対するエンコーダパルス信号Eの位相差を
δθとしているので、基準信号Rの位相差には、−が付
与される。
【0129】そして、MPU21から上記基準信号Rが
位相比較回路11に入力されると、位相比較回路11
は、上述の動作処理を行って、図4(c)に示すよう
に、エンコーダパルス信号Eと基準信号Rの位相差δθ
に対応する位相誤差信号Vθを加算器13に出力する。
【0130】加算器13は、この誤差信号Vθとオフセ
ット電圧発生回路14から供給されるオフセット電圧V
0 を加算して、スイッチ15及びスイッチ17を介し
て、モータドライバ18に出力し、モータドライバ18
は、この加算器13からの加算出力に基づいてモータ1
9を駆動する。
【0131】したがって、従来のように、エンコーダパ
ルス信号Eと基準信号Rの位相差δθによるモータ19
の速度のオーバーシュートを、図4(d)に示すよう
に、抑制することができ、速度制御手段としての立ち上
げ電圧発生回路16からの立ち上げ電圧Vによるオープ
ンループにより立ち上げを行っても、位相同期制御手段
としてのPLL速度制御(位相比較回路11)系の過渡
応答特性を向上させることができる。
【0132】その結果、モータ19を速やかに目標速度
に上昇させることができるとともに、目標速度に到達す
ると、速やかに安定させることができる。
【0133】図6〜図11は、本発明のモータ速度制御
装置の第2の実施の形態を示す図であり、本実施の形態
は、位相比較回路の位相比較器にEXOR型を使用した
ものである。
【0134】本実施の形態は、上記第1の実施の形態と
同様のモータ速度制御装置に適用したものであり、本実
施の形態の説明において、上記図1及び図2と同様の構
成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省
略する。
【0135】図6において、モータ速度制御装置40
は、位相比較回路41、スイッチ42、加算器13、オ
フセット電圧発生回路14、スイッチ15、立ち上げ電
圧発生回路16、スイッチ17、モータドライバ18、
モータ19、エンコーダ20、MPU43及びカウンタ
22等を備えており、上記第1の実施の形態とは、位相
比較回路41、スイッチ42及びMPU43が異なって
いる。
【0136】すなわち、位相比較回路(位相同期制御手
段)41は、図7に示すように構成され、位相比較器4
4、カウント信号発生器32、スイッチ45、カウンタ
46及びD/A変換器36等を備えている。
【0137】位相比較器44は、いわゆるEXOR型の
位相比較回路であり、位相比較器44には、図8(a)
に示すエンコーダパルス信号Eと、図8(b)に示す基
準信号Rが入力されている。
【0138】位相比較器44は、この入力されるエンコ
ーダパルス信号Eと基準信号RのEXOR(排他的論理
和)を取って、図8(c)に示すハイとローに切り換わ
る位相検出信号Pをスイッチ45に出力し、スイッチ4
5は、ハイの位相検出信号Pが入力されると、オンし
て、カウント信号発生器32から入力されるカウント信
号をカウンタ46に出力する。
【0139】カウント信号発生器32は、上記第1の実
施の形態と同様に、図8(d)に示すように、一定の高
周波数のカウント信号を発生して、スイッチ45に出力
し、スイッチ45は、カウント信号発生器32から入力
されるカウント信号を図8(e)に示すカウントUP信
号としてカウンタ46に出力する。
【0140】カウンタ46は、スイッチ45を介して入
力されるカウントUP信号を計数して、D/A変換器3
6に出力する。
【0141】D/A変換器36は、カウンタ46のカウ
ント結果をD/A変換して、図8(f)に示す位相差に
対応するアナログの位相誤差信号Vθとして、図7に示
した加算器13に出力する。
【0142】したがって、位相比較回路41は、図23
に示したように、位相比較範囲(動作範囲)として、0
〜πの範囲を持つような特性を有するが、位相比較回路
41においては、その信号の取扱上の理由から、図9に
示すように、位相差π/2における誤差信号Vθが0に
なるように、D/A変換器36にオフセットを設定して
いる。
【0143】その結果、図9からも明らかなように、同
期時の位相差δθ’は、次式で与えられるような値とな
る。
【0144】δθ’=δθ+π/2 また、モータ速度制御装置40においては、フィードバ
ック係数K、Kθを同じに設定しており、図22に示し
た位相差δθと図9に示した位相差δθは、同じ位相差
になるが、実際に同期する位相差δθ’は、π/2だけ
異なる。また、位相差δθ’に相当する待ち(wai
t)時間δT’は、次式のようになる。
【0145】 δT’=δθ’/(2πfr)=(δθ+π/2)/(2πfr) =δT+T/4・・・(5) したがって、具体的な初期位相の待ち(wait)時間
は、(5)式を用いて計算すると、以下の式のようにな
る。
【0146】 T/2−δT’=T/2−(δT+T/4)=T/4−δT・・・(6) MPU43は、上記第1の実施の形態と同様の動作を行
うが、上記待ち時間の算出等において、異なる処理を行
う。
【0147】また、スイッチ42は、MPU43の制御
下でオン/オフし、オンのとき、MPU43の出力端子
Rから入力される基準信号Rを位相比較回路41に出力
する。
【0148】次に、本実施の形態の動作を、図10に示
すフローチャートに基づいて説明する。
【0149】なお、図10の説明において、上記図5と
同様の処理ステップにおいては、同一のステップナンバ
ーを付して、その詳細な説明を省略する。
【0150】モータ速度制御装置40のMPU43は、
その加速段階での制御は、上記図5の場合と同様に行い
(ステップS1〜S6、ステップS8〜S12)、モー
タ19の速度が同期速度に到達すると、スイッチ42を
オンにして(ステップS21)、位相比較回路41に基
準信号Rを入力する。
【0151】すなわち、図11のA点で初期設定を完了
して、立ち上げ電圧発生回路16からの立ち上げ電圧V
に基づいてモータ19の回転を開始し、B点でモータ1
9の回転速度が目標速度に到達したとすると、スイッチ
42をオンにして(ステップS21)、位相比較回路4
1に基準信号Rを入力する。
【0152】このとき、MPU43は、エンコーダパル
ス信号Eがハイレベルであると、ハイレベルの誤差信号
Vθを、エンコーダパルス信号Eがローレベルである
と、ローレベルの誤差信号Vθを、出力端子Rから出力
する(ステップS6、ステップS12)。
【0153】その後、MPU43は、上記(6)式に示
した初期位相分の待ち時間(T/4−δT)だけ待つと
(ステップS22)、出力端子Rから出力している誤差
信号Vθを反転させ(ステップS14)、位相比較回路
41の特性から、T/2だけ待って(ステップS1
5)、スイッチ15を(イ)側から(ロ)側に切り換え
る(ステップS23)。
【0154】すなわち、位相比較回路41の特性からT
/2を待つ間に始めの誤差信号Vθの出力がある。具体
的には、図11(c)に示すように、C点で誤差信号V
θが出力されることになる。
【0155】したがって、図11に示すD点で制御系を
立ち上げ電圧発生回路16から位相比較回路41に切り
換えると、エンコーダパルス信号Eと基準信号Rがほぼ
同期状態の位相差になるので、PLL速度制御(位相比
較回路41)系において、強制的に位相がロックされ
る。
【0156】その後、MPU43は、出力端子Rから出
力する基準信号Rを反転させた後(ステップS24)、
目標速度に対応した周波数の1/2周期(T/2)待っ
て(ステップS25)、ステップS24に戻って、同様
に誤差信号Vθを反転させる(ステップS24)。すな
わち、その後は、MPU43は、目標速度の周波数の1
/2周期毎に出力端子Rの出力信号、すなわち、基準信
号Rを反転させる。
【0157】したがって、、MPU43は、図11
(b)に示すように、D点以降は、エンコーダパルス信
号Eに対して、−δθ’の位相差を持ち、目標速度に対
応した周波数の基準信号Rを出力する。
【0158】その結果、図11(d)に示すように、エ
ンコーダパルス信号Eと基準信号Rの位相差によるモー
タ19の速度のオーバーシュートは低減され、一定電圧
である立ち上げ電圧Vのオープンループで立ち上げて
も、PLL速度制御系の過渡応答特性を向上させること
ができる。
【0159】なお、上記第1の実施の形態の位相比較回
路11は、その比較範囲が−2π〜2πと広いが、過去
の状態に強く左右されるメモリ(フリップフロップ)型
であるので、ノイズに弱い。これに対して、本実施の形
態の位相比較回路41は、その比較範囲が0〜πと狭い
が、非メモリ型であるので、ノイズに強いという特徴を
有している。上記位相比較回路11と位相比較回路41
の相違は、主にその位相比較器31と位相比較器44の
性質による。
【0160】上述のように、本発明においては、上記位
相比較回路11と位相比較器44のいずれを用いても、
十分発明の目的を達成することができる。
【0161】図12は、本発明のモータ速度制御装置の
第3の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、上
記第1の実施の形態のモータドライバの出力を電流フィ
ードバックして、一定電流で立ち上げるものである。
【0162】そこで、本実施の形態の説明において、第
1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付
して、その詳細な説明を省略する。
【0163】すなわち、図12において、モータ速度制
御装置50は、位相比較回路11、スイッチ12、加算
器13、オフセット電圧発生回路14、スイッチ15、
立ち上げ電圧発生回路16、スイッチ17、モータドラ
イバ18、電流フィードバック回路51、モータ19、
エンコーダ20、MPU21及びカウンタ22等を備え
ており、図1のモータ速度制御装置10と同様の回路構
成を有しているが、ただ、モータドライバ18の出力を
モータドライバ18に電流フィードバックさせる電流フ
ィードバック回路51が設けられている。
【0164】すなわち、本実施の形態においては、立ち
上げ電圧発生回路16と電流フィードバック回路51を
含めた回路が速度制御手段として機能する。
【0165】したがって、本実施の形態のモータ速度制
御装置50においては、モータ19が目標速度に到達す
るまでの加速過程において、電流フィードバック回路5
1によりフィードバックされる電流に基づいてモータ1
9に供給する駆動電流を一定に制御することができ、加
速過程において、モータ19を一定電流で加速制御する
ことができる。
【0166】図13は、本発明のモータ速度制御装置の
第4の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、上
記第3の実施の形態の立ち上げ電圧発生回路の立ち上げ
電圧を徐々に上昇させて滑らかな加速を行うものであ
る。
【0167】そこで、本実施の形態の説明においては、
図12のモータ速度制御装置50と同様の構成部分に
は、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0168】図13において、モータ速度制御装置60
は、図12と同様の構成を相しているが、ただ、立ち上
げ電圧発生回路61が異なる。
【0169】すなわち、立ち上げ電圧発生回路61は、
MPU21から加速命令が入力されると、予め設定され
た電圧上昇プログラムに基づいて、図13中にグラフで
示すように、立ち上げ電圧Vを徐々に上昇させる。
【0170】このMPU21からの加速命令は、その端
子SC1からスイッチ17に出力するスイッチ17の切
換信号が利用されている。
【0171】また、モータ速度制御装置60は、上記第
3の実施の形態の場合と同様に、モータドライバ18の
出力が電流フィードバック回路51によりモータドライ
バ18にフィードバックされている。
【0172】したがって、本実施の形態のモータ速度制
御装置60においては、MPU21は、モータ19の回
転が開始が指示されると、スイッチ17及び立ち上げ電
圧発生回路61に切換信号を出力して、スイッチ17を
オンするとともに、スイッチ15及びスイッチ12を
(イ)側に接続させ、立ち上げ電圧発生回路61から徐
々に上昇する立ち上げ電圧Vをスイッチ15及びスイッ
チ17を介してモータドライバ18に出力する。
【0173】モータドライバ18は、この徐々に上昇す
る立ち上げ電圧Vに基づいてモータ19を回転駆動する
が、電流フィードバック回路51によりモータ19に出
力する電流がフィードバックされているので、当該徐々
に上昇する立ち上げ電圧Vに対応させて電流を徐々に上
昇させることができ、モータ19を滑らかに加速させる
ことができる。
【0174】なお、この場合、電流フィードバック回路
51を設けなくても、モータドライバ18からモータ1
9に供給する電圧を徐々に上昇させることができ、滑ら
かにモータ19を加速させることができる。
【0175】図14及び図15は、本発明のモータ速度
制御装置の第5の実施の形態を示す図であり、本実施の
形態は、上記第1の実施の形態において、速度制御手段
として、立ち上げ電圧発生回路の代わりに周波数誤差フ
ィードバックを適用したものである。
【0176】そこで、本実施の形態の説明においては、
上記第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符
号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0177】図14において、モータ速度制御装置70
は、位相比較回路11、スイッチ12、スイッチ71、
加算器13、スイッチ17、モータドライバ18、モー
タ19、エンコーダ20、MPU72、カウンタ22及
びD/A変換器73等を備えており、位相比較回路1
1、スイッチ12、加算器13、スイッチ17、モータ
ドライバ18、モータ19、エンコーダ20及びカウン
タ22は、上記第1の実施の形態と同様のものである。
【0178】加算器13には、MPU72からの周波数
誤差フィードバック信号Vfとスイッチ71を介して位
相比較回路11からの位相誤差信号Vθが入力され、モ
ータ19が目標速度に到達するまでは、スイッチ71が
オフして、周波数誤差フィードバック信号Vfのみが加
算器13に入力される。
【0179】スイッチ71は、MPU72の端子SC2
からスイッチ12に出力される切換信号によりオン/オ
フし、スイッチ12が(イ)側から(ロ)側に切り換え
られるタイミングで、オンとなる。
【0180】MPU72には、第1の実施の形態の場合
と同様に、エンコーダ20のエンコーダパルス信号Eが
入力されており、MPU72は、エンコーダパルス信号
Eの半周期をカウンタ22を用いてカウントして、目標
速度に対応した半周期分のカウントとの誤差をD/A変
換器73にカウンタ誤差信号として出力する。
【0181】D/A変換器73は、このカウンタ誤差信
号をD/A変換して、周波数誤差フィードバック信号V
fとして加算器13に出力する。
【0182】したがって、MPU72及びD/A変換器
73は、検出手段としてのエンコーダ20の出力する検
出信号(エンコーダパルス信号E)と所定の基準信号で
ある目標速度の周波数誤差信号に基づく速度信号(周波
数誤差フィードバック信号Vf)を出力して、モータ1
9の速度をフィードバック制御する周波数同期制御手段
として機能し、加算器13は、この周波数同期制御手段
と位相同期制御手段である位相比較回路11の出力する
速度制御信号(誤差信号Vθ)を加算して出力する選択
手段として機能する。
【0183】次に、本実施の形態の動作を、図15のフ
ローチャートに基づいて、以下、説明する。
【0184】なお、以下の説明においては、上記第1の
実施の形態の図5の処理ステップと同様の処理ステップ
には、同一のステップナンバーを付して、その詳細な説
明を省略する。
【0185】MPU72は、モータ19が始動すると、
上記同様に、最初のエンコーダパルス信号Eのエッジが
立ち上がりか、立ち下がりかを検出し(ステップS
1)、立ち下がりエッジで始まるとすると、カウンタ2
2のカウント動作を開始して(ステップS2)、次の立
ち上がりエッジを検出するまで待つ(ステップS3)。
ステップS3で、次の立ち上がりエッジを検出すると、
MPU21は、カウンタ22のカウント動作を停止させ
(ステップS4)、カウンタ誤差信号をD/A変換器7
3に出力する(ステップS31)。
【0186】そして、D/A変換器73は、このカウン
タ誤差信号をD/A変換して、周波数誤差フィードバッ
ク信号Vfとして加算器13に出力し、いま、スイッチ
71はオフであるので、加算器13は、この周波数誤差
フィードバック信号Vfをスイッチ17を介してモータ
ドライバ18に出力する。
【0187】モータドライバ18は、周波数誤差フィー
ドバック信号Vfに基づいてモータ19を駆動させる。
【0188】次に、MPU72は、カウンタ22のカウ
ント値と予め内部メモりに格納されている目標速度に対
応した周波数Tの1/2周期値とを比較して、一致する
かどうかチェックする(ステップS5)。MPU72
は、カウンタ22のカウント値と1/2周期値とが一致
すると、目標速度に到達したと判断して、出力端子Rの
出力信号をハイレベル(High)に立ち上げ(ステッ
プS6)、スイッチ12を(イ)側から(ロ)側に切り
換えるとともに、スイッチ71をオンさせる(ステップ
S33)。
【0189】いま、立ち上げ開始直後であるので、目標
速度に到達していないため、ステップS5で、カウンタ
22のカウント値と1/2周期値とが一致せず、MPU
21は、ステップS8に移行して、再度、カウンタ22
のカウント動作を開始し(ステップS8)、次のエンコ
ーダパルス信号Eの立ち下がりエッジを検出するまで待
つ(ステップS9)。ステップS9で、次の立ち下がり
エッジを検出すると、MPU72は、カウンタ22のカ
ウント動作を停止させ(ステップS10)、上記同様
に、カウンタ誤差信号をD/A変換器73に出力する
(ステップS32)。
【0190】次に、MPU72は、エンコーダパルス信
号Eの立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの半
周期分の時間を測定し、カウンタ22のカウント値と上
記1/2周期値とを比較して、一致するかチェックする
(ステップS11)。MPU72は、カウンタ22のカ
ウント値と1/2周期値とが一致すると、目標速度に到
達したと判断して、出力端子Rの出力信号をローレベル
(Low)に立ち下げ(ステップS6)、スイッチ12
を(イ)側から(ロ)側に切り換えるととに、スイッチ
71をオンさせる(ステップS33)。
【0191】したがって、この時点で、加算器13に
は、周波数誤差フィードバック信号Vfと位相比較回路
11からの誤差信号Vθが入力され、加算器13は、こ
の周波数誤差フィードバック信号Vfと誤差信号Vθを
加算して、速度制御信号としてスイッチ17を介してモ
ータドライバ18に出力する。
【0192】また、ステップS11で、目標速度に到達
していおらず、ステップS11で、カウンタ22のカウ
ント値と1/2周期値とが一致しないときには、MPU
72は、ステップS2に移行して、上記同様の処理を行
う。
【0193】すなわち、MPU72は、エンコーダパル
ス信号Eの半周期の時間を測定し、かつ、カウンタ誤差
をD/A変換器73に出力するとともに、その都度、目
標速度と比較して、モータ19が目標速度に到達したか
どうか判別している(ステップS2〜ステップS4、ス
テップS31、ステップS5、ステップS8〜ステップ
S10、ステップS32、ステップS11)。
【0194】この間、モータ19は、MPU72からD
/A変換器73を介して加算器13に供給される周波数
誤差フィードバック信号Vfに基づいてモータドライバ
18のドライブ動作により目標速度に向かって、回転速
度を上げていく。
【0195】すなわち、MPU72は、エンコーダパル
ス信号Eの半周期をカウンタ22によりカウントし、ま
た、目標速度に対応した半周期分をカウントして、エン
コーダパルス信号Eの半周期分のカウントと目標速度の
半周期分のカウントとの誤差をD/A変換器73に出力
し、D/A変換器73でD/A変換して、周波数誤差フ
ィードバック信号Vfとして加算器13に出力する。
【0196】いま、目標速度の半周期分のカウント数を
0 、エンコーダパルス信号Eのカウント数をNe とす
ると、本来の周波数誤差は、次式のようになる。
【0197】 1/Ne −1/N0 =(N0 −Ne )/(N0 ×Ne )・・・(6) ところが、本実施の形態においては、計算を簡単にする
ため、 (N0 −Ne )/(N0 ×Ne )≒KN ×(N0 −Ne )・・・(7) としている。
【0198】したがって、本実施の形態においては、周
波数誤差フィードバック信号Vfによりモータ19の回
転速度が目標速度に収束するので、イナーシャが大きく
て応答速度の遅い制御対象についても、安定して周波数
同期を起こさせることができるとともに、同期後の位相
差δθを持つ(本実施の形態においては、δθ=0)基
準信号Rを位相比較回路11に入力しているので、制御
系を切り換えた直後に位相同期に引き込まれ、モータ1
9の速度がオーバーシュートすることをより一層抑制す
ることができ、PLL速度制御系の過渡応答特性をより
一層向上させることができる。
【0199】また、本実施の形態においては、モータ1
9の立ち上げだけでなく、回転速度を変化させる場合に
おいても、同様の動作を行うことにより、良好な過渡特
性を得ることができる。
【0200】すなわち、図示しない制御手段から速度変
更の命令がMPU72に入ると、MPU72内で目標速
度の周期Tの設定を変更し、次に、スイッチ71をオフ
にするとともに、スイッチ12を(イ)側に戻して、周
波数誤差フィードバック信号Vfだけの制御系、すなわ
ち、周波数同期制御手段の制御系に切り換える。
【0201】その後は、上記図15のフローチャートに
基づいて、上記同様に制御を行い、モータ19の回転速
度が変更後の目標速度に到達すると、上記同様に、初期
位相を合わせて、位相同期制御を行う。
【0202】したがって、本実施の形態は、モータ19
の回転速度を加減速して変更するような場合において
も、モータ19の回転速度の変更時の応答特性を向上さ
せることができる。
【0203】図16は、本発明のモータ速度制御装置の
第6の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、上
記第5の実施の形態の位相比較回路11を上記第2の実
施の形態の位相比較回路41に置き換えたものである。
【0204】そこで、本実施の形態の説明においては、
上記図14、図6及び図7と同様の構成部分には、同一
の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0205】図16において、モータ速度制御装置80
は、位相比較回路41、スイッチ42、スイッチ71、
加算器13、スイッチ17、モータドライバ18、モー
タ19、エンコーダ20、MPU72、カウンタ22及
びD/A変換器73等を備えており、上記第5の実施の
形態とは、位相比較回路41が異なっている。
【0206】すなわち、位相比較回路41は、上述のよ
うに、図7に示したように構成され、位相比較器44、
カウント信号発生器32、スイッチ45、カウンタ46
及びD/A変換器36等を備えている。
【0207】位相比較器44は、いわゆるEXOR型の
位相比較回路であり、上記同様の処理を行って、誤差信
号Vθをスイッチ71を介して加算器13に出力する。
【0208】したがって、この場合、初期位相は、δ
θ’=π/2でなければならず、初期位相の待ち(wa
it)時間、すなわち、目標速度に到達したときの待ち
時間は、T/4である。
【0209】すなわち、本実施の形態においては、モー
タ19の立ち上げ動作は、図15のフローチャートに示
した処理と同様に行われ、回転速度は、上記第5の実施
の形態の場合と同様に、周波数誤差フィードバック信号
Vfの作用により目標速度に収束する。
【0210】その後、スイッチ71がオンすることによ
り、位相誤差信号Vθを加算器13で加算する制御系に
切り換えるが、この初期位相の待ち時間をT/4に設定
して、上記第2の実施の形態の場合と同様にその後の処
理を行う。
【0211】したがって、本実施の形態によれば、非メ
モリ型の位相比較回路41を使用しているので、ノイズ
に強く、また、周波数誤差をフィードバックしているの
で、位相比較範囲が広くなくて適切に動作させることが
でき、第5の実施の形態のようにメモリ型の位相比較回
路11を使用した場合よりも、安定した制御系を形成す
ることができる。
【0212】図17は、本発明のモータ速度制御装置の
第7の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、上
記第5の実施の形態と同様に周波数誤差のフィードバッ
クを行うが、周波数誤差のフィードバックをMPUを介
さないで行うものである。
【0213】そこで、本実施の形態の説明において、図
14と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その
詳細な説明を省略する。
【0214】図17において、モータ速度制御装置90
は、位相比較回路11、スイッチ12、スイッチ71、
加算器13、スイッチ17、モータドライバ18、モー
タ19、エンコーダ20、MPU91、カウンタ22、
周波数同期制御回路92及び電流フィードバック回路9
3等を備えており、周波数同期制御回路92(周波数同
期制御手段)は、基準電圧発生器94、F/V変換器9
5及び電圧比較器96等を備えている。
【0215】モータ速度制御装置90では、周波数誤差
のフィードバックをMPU91を介さないで行っている
ため、MPU91は、第1の実施の形態のMPU21と
同様の機能を備えたものである。ただ、MPU91の端
子SC2からの切換信号がスイッチ12とスイッチ71
入力され、スイッチ12の切り換えタイミングでスイッ
チ71がオンされる。
【0216】周波数同期制御回路92は、その基準電圧
発生器94により、基準周波数に対応する周波数の基準
電位V0 (V0 =fr/K)を発生させて、電圧比較器
96に出力し、電圧比較部96には、さらに、F/V変
換器95の出力電圧が入力されている。
【0217】F/V変換器95には、エンコーダ20か
らのエンコーダパルス信号Eが入力され、F/V変換器
95は、エンコーダパルス信号Eの周波数を電圧に変
換、すなわち、F/V変換して、電圧比較器96に出力
する。
【0218】電圧比較器96は、上記基準電圧発生器9
4からの基準電位V0 とF/V変換器95からの電圧を
比較することにより、エンコーダパルス信号Eと基準電
位V0 の差、すなわち、エンコーダパルス信号Eの周波
数と基準信号の周波数の差に対応する周波数誤差信号を
生成して、加算器13に出力する。
【0219】また、モータ速度制御装置90には、電流
フィードバック回路93が設けられておりこの電流フィ
ードバック回路93は、図12あるいは図13に示した
電流フィードバック回路51と同様であり、モータドラ
イバ18によりモータ19を一定電流で加速制御するた
めのものである。
【0220】そして、モータ速度制御装置90では、位
相比較回路11がメモリ型であるため、初期位相の待ち
(wait)時間は、T/2である。
【0221】したがって、上記第6の実施の形態と同様
に、周波数誤差をフィードバックしているので、位相比
較範囲が広くなくても適切に速度制御を行うことがで
き、安定した制御系を形成することができるとともに、
周波数誤差フィードバックループをMPU91を介さな
いで行っているので、MPU91の負担を軽減すること
ができる。
【0222】また、本実施の形態は、制御切換時の初期
位相に着目したもので、周波数同期制御手段(速度制御
手段)としての周波数同期制御回路92を、MPU91
から切り離して、別回路としても、適切に処理すること
ができる。
【0223】また、本実施の形態においては、エンコー
ダパルス信号Eの周波数と基準周波数の周波数差に基づ
いて、周波数誤差フィードバック処理を行っているが、
周波数誤差フィードバック処理は、これに限るものでは
なく、例えば、回転速度に対して、いわゆるPI制御、
あるいは、PID制御を行うことにより、回転速度を目
標速度に到達させてもよい。
【0224】図18は、本発明のモータ速度制御装置及
びモータ速度制御方法の第8の実施の形態を示す図であ
り、本実施の形態は、周波数誤差フィードバックにより
モータ回転速度を目標速度に向かって加減速するととも
に、目標速度に到達すると、目標速度に設定した基準電
圧と位相誤差信号との加算信号による位相同期制御に切
り換えるものである。
【0225】本実施の形態の説明において、上記図1、
図6、あるいは、図14と同様の構成部分については、
同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0226】図18において、モータ速度制御装置10
0は、位相比較回路41、スイッチ12、加算器13、
D/A変換器102、スイッチ15、17、モータドラ
イバ18、モータ19、エンコーダ20、MPU10
1、カウンタ22及びD/A変換器73等を備えてい
る。
【0227】モータ速度制御装置100では、図6に示
したメモリ型の位相比較回路41が使用されており、位
相比較回路41は、エンコーダパルス信号Eとスイッチ
12を介して入力されるエンコーダパルス信号E自身、
あるいは、MPU101から入力される基準信号Rの位
相を比較して、誤差信号Vθを加算器13に出力する。
【0228】MPU101は、目標速度に対応したディ
ジタル出力をD/A変換器102に出力し、D/A変換
器102は、このディジタル出力をD/A変換して、目
標速度に対応した基準電圧V0 を加算器13に出力す
る。
【0229】また、MPU101は、エンコーダパルス
信号Eの半周期をカウンタ22によりカウントするとと
もに、目標速度に対応した半周期分をカウントして、エ
ンコーダパルス信号Eの半周期分のカウントと目標速度
の半周期分のカウントとの誤差をD/A変換器73に出
力し、D/A変換器73でD/A変換して、周波数誤差
フィードバック信号Vfとしてスイッチ15に出力す
る。
【0230】本実施の形態においては、加減速時、スイ
ッチ12及びスイッチ15を(イ)側に接続し、MPU
101からD/A変換器73を介してスイッチ15に入
力される周波数誤差フィードバック信号Vfによりモー
タ19を目標速度へ加減速制御する。すなわち、モータ
速度制御装置100は、加減速時においては、周波数誤
差同期制御によりモータ10の加減速制御を行って、モ
ータ10を目標速度に加減速する。
【0231】モータ19の回転速度が目標速度に到達す
ると、スイッチ12及びスイッチ15を(ロ)側に切り
換え、位相比較回路41の出力する位相誤差信号Vθと
MPU101からD/A変換器102を介して出力する
目標速度に対応した基準電圧V0 を加算器13で加算し
て、この加算結果に基づいて、モータ19の回転制御を
行う。
【0232】そして、基準電圧V0 を用い、位相比較回
路41としてメモリ型を使用しているので、位相差δθ
は、δθ=0であり、初期位相の待ち(wait)時間
は、T/2である。
【0233】このように、本実施の形態においては、P
LL制御が位相同期状態に引き込もうとするとき、位相
誤差信号Vθにより周波数を微妙に変えることができ、
位相をずらして、位相同期を実現することができる。
【0234】このとき、周波数は、微妙ではあるが、変
化するので、制御対象(モータ19)の特性やフィード
バックゲインによっては、無視できない程度の大きさで
周波数誤差信号が発生することがあり、位相同期制御を
不安定にする。
【0235】このような場合は、本実施の形態のよう
に、基準電圧V0 を設けて、位相同期過程では、周波数
誤差フィードバック信号Vfを切り離すことにより、対
応することができる。
【0236】また、本実施の形態によれば、MPU10
1内の目標速度を変えることで、容易にモータ19の回
転速度を変えることができ、目標速度が変化するモータ
19の制御にも適用することができる。
【0237】さらに、本実施の形態においては、メモリ
型の位相比較回路41を使用しているが、非メモリ型の
ものにも容易に変更することができる。
【0238】図19〜図21は、本発明のモータ速度制
御装置の第9の実施の形態を示す図であり、本実施の形
態は、周波数誤差信号に基づくフィードバック制御によ
り目標速度まで加減速して、モータの回転速度が目標速
度に到達したときに、位相同期制御に制御系を切り換え
るとともに、モータドライバに供給する制御信号が連続
になるようにするものである。
【0239】本実施の形態においては、位相比較回路と
してメモり型のものを使用しているので、本実施の形態
の説明においては、上記図1及び図2と同様の構成部分
については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省
略する。
【0240】図19において、モータ速度制御装置11
0は、位相比較回路11、スイッチ12、加算器13、
スイッチ15、スイッチ17、モータドライバ18、モ
ータ19、エンコーダ20、MPU111、カウンタ2
2、D/A変換器112、制御信号発生器113、F/
V変換器114及びA/D変換器115等を備えてい
る。
【0241】位相比較回路11は、上記図1及び図2に
示したものと同様のメモリ型であり、図20(a)に示
すようなエンコーダパルス信号Eと図20(b)に示す
ような基準信号Rから位相誤差信号Vθを生成して、加
算器13に出力する。
【0242】加算器13は、これらの位相誤差信号Vθ
と基準電圧V0 を加算して、加算信号をスイッチ15に
出力する。
【0243】MPU111は、目標速度に対応したディ
ジタル出力をD/A変換器112に出力し、D/A変換
器112は、このディジタル出力をD/A変換して、目
標速度に対応した基準電圧V0 を加算器13及び制御信
号発生器113に出力する。
【0244】F/V変換器114には、エンコーダ20
からのエンコーダパルス信号Eが入力され、F/V変換
器114は、このエンコーダパルス信号Eの周波数を電
圧信号に変換して、制御信号発生器113に出力する。
【0245】制御信号発生器113は、PI方式あるい
はPID方式の制御信号発生器であり、このF/V変換
器114から入力される電圧信号と、D/A変換器11
2を介してMPU111から入力される基準電圧V0
基づいて、図20(d)に示すような速度制御信号を発
生して、スイッチ15に出力する。すなわち、制御信号
発生器113は、F/V変換器114から入力される電
圧信号と基準電位V0の差に対応する速度制御信号を生
成する。
【0246】スイッチ15は、上記各実施の形態と同様
に、MPU6によりその動作が制御され、モータ19が
目標速度に到達するまでは、(イ)側に接続されて、モ
ータ19が目標速度に到達して、所定の待ち時間経過す
ると、(ロ)側に切り換えられる。
【0247】スイッチ15からの出力は、スイッチ17
を介してモータドライバ18に入力されるとともに、A
/D変換器115にも入力され、A/D変換器115
は、このモータドライバ18に供給されるアナログの信
号をディジタル変換して、MPU111に出力する。
【0248】したがって、上記D/A変換器112、制
御信号発生器113及びF/V変換器114は、所定の
基準信号としての基準電位V0 と検出手段としてのエン
コーダ20の検出信号であるエンコーダパルス信号Eの
周波数誤差信号に基づく速度制御信号を出力する周波数
同期制御手段として機能する。
【0249】そして、MPU111は、この速度制御信
号をA/D変換器115を介して取り込んで、モータ1
0の速度が目標速度に到達した後で、加算器13から出
力される速度制御信号が連続したものとなるように、基
準信号を設定して、出力端子Rから出力する。
【0250】位相比較回路11は、モータ10の回転速
度が目標速度に達すると、スイッチが(ロ)側に切り換
えられて、上記MPU11からの基準信号が基準信号R
として入力されるので、この基準信号Rとエンコーダパ
ルス信号Eから、図20(c)に示す誤差信号Vθを生
成して、加算器13に出力し、加算器13は、この誤差
信号Vθと基準電位V0 を加算して、図20(d)に示
す速度制御信号をスイッチ15、17を介してモータド
ライバ18に出力する。
【0251】したがって、モータドライバ18に供給さ
れる速度制御信号は、図20(d)に示すように、連続
したものとなる。
【0252】次に、本実施の形態の動作を、図21に示
すフローチャートに基づいて、以下説明する。
【0253】なお、図21において、上記図5と同様の
処理ステップには、同一のステップナンバーを付して、
その詳細な説明を省略する。
【0254】モータ速度制御装置110のMPU111
は、加速段階での制御は、上記図5の場合と同様に行い
(ステップS1〜S6、ステップS8〜S12)、モー
タ19の速度が同期速度に到達すると、スイッチ42を
オンにして(ステップS21)、位相比較回路41に基
準信号Rを入力する。
【0255】すなわち、図20のA点で、スイッチ12
及びスイッチ15を(イ)側に接続し、スイッチ17を
オンにして、初期設定を完了すると、制御信号発生器1
13からの速度制御信号に基づいてモータ19の回転を
開始し、B点でモータ19の回転速度が目標速度に到達
すると、出力端子Rから出力する基準信号Rをエンコー
ダパルス信号Eがハイレベルであるか、ローレベルであ
るかに応じて、ハイレベルあるいはローレベルに設定し
て、出力する(ステップS6、ステップS12)。
【0256】その後、MPU43は、A/D変換器11
5を介して取り込(ステップS41)、初期位相δθ及
び待ち(wait)時間δTを算出して(ステップS4
2)、スイッチ12及びスイッチ15を(ロ)側に切り
換える(ステップS43)。これにより、位相比較回路
11の出力する誤差信号VθとMPU111の出力する
基準電位V0 を加算器13で加算した加算出力が、スイ
ッチ15及びスイッチ17を介して、速度制御信号とし
てモータドライバ18に供給され、モータドライバ18
は、この速度制御信号により速度制御を開始する。
【0257】その後、MPU111は、初期位相分の待
ち時間(T/2−δT)だけ待つと(ステップS4
4)、図20(b)に示すように、出力端子Rから出力
している基準信号Rを反転させ(ステップS14)、目
標速度に対応した周波数の1/2周期(T/2)待って
(ステップS15)、図20のD点において、出力信号
(基準信号R)を反転させる処理を順次繰り返す(ステ
ップS14)。すなわち、MPU111は、目標速度に
到達して、基準信号Rの位相の調整を行うと、図20に
示すように、目標速度に対応した周波数の1/2周期毎
に基準信号Rを反転させて、位相比較回路11に出力す
る。
【0258】したがって、MPU111は、図20
(b)に示すように、D点以降は、エンコーダパルス信
号Eと同期し、目標速度に対応した周波数の基準信号R
を位相比較回路11に出力する。
【0259】そして、MPU111から上記基準信号R
が位相比較回路11に入力されると、位相比較回路11
は、上述の動作処理を行って、図4(c)に示すよう
に、エンコーダパルス信号Eと基準信号Rの位相差に対
応する位相誤差信号Vθを加算器13に出力する。
【0260】加算器13は、この誤差信号VθとD/A
変換器112を介してMPU111から供給されるオフ
セット電圧V0 を加算して、スイッチ15及びスイッチ
17を介して、モータドライバ18に出力し、モータド
ライバ18は、この加算器13からの加算出力に基づい
てモータ19を駆動する。
【0261】そして、図20(d)に示すように、速度
制御信号は、モータ19の回転速度が目標速度に近づく
と、モータ19の回転を抑制する方向に反転するが、上
述のように、モータ19の回転が目標速度に到達した時
点で、この速度制御信号が連続するように、制御系の切
り換えが行われるので、制御量の連続性が保たれ、速度
制御系の過渡応答特性を大幅に向上させることができ
る。
【0262】したがって、エンコーダパルス信号Eと基
準信号Rの位相差によるモータ19の速度のオーバーシ
ュートを、図4(d)に示すように、抑制することがで
き、位相同期制御手段としてのPLL速度制御(位相比
較回路11)系の過渡応答特性を向上させることができ
る。
【0263】その結果、目標速度に安定するまでの時間
を大幅に短縮させることができるとともに、速度制御系
を安定させることができる。
【0264】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0265】例えば、上記第1の実施の形態から第4の
実施の形態においては、モータ19の回転速度が目標速
度に到達したとき、目標速度に対応した周波数で、か
つ、エンコーダパルス信号Eの位相同期後の位相差と同
じ位相差を有した基準信号Rを生成して、位相比較回路
11あるいは位相比較回路41に供給するようにしてい
るが、このとき、初期位相差が位相同期手段である位相
比較回路11あるいは位相比較回路41の動作範囲の中
心になるように基準信号Rを生成して、供給するように
してもよいこの場合、ハード的構成は、上記各実施の形
態と同様であるが、ただ、各MPUは初期位相差δθが
全て動作範囲の中心にくるように、初期位相の待ち(w
ait)時間を決定する。
【0266】すなわち、図1あるいは図2に示したメモ
リ型の位相比較回路11においては、δθ=0、すなわ
ち、待ち時間をT/2に決定し、図6あるいは図7に示
した非メモリ型の位相比較回路41においては、δθ’
=π/2、すなわち、待ち時間をT/4に決定する。
【0267】具体的には、例えば、第2の実施の形態に
おいては、図9に示したように、最終的に位相同期して
安定するのは、安定点として示した位相差δθ’の点で
あり、モータ19の回転速度が目標速度に到達して、制
御系を位相比較回路41に切り換えた直後では、第2の
実施の形態においては、位相差がδθ’であるので、安
定点に引き込み易い。
【0268】ところが、モータ19の負荷のイナーシャ
が大きい場合など、応答が遅い場合には、直に安定点に
収束するとは限らず、安定点の回りを振動しながら収束
する。当然のことながら、振動の振り幅は、制御系を切
り換えた直後が最も大きい。すなわち、図9のように安
定点が位相比較範囲の端にある場合、振り幅によって
は、位相比較範囲を外れるおそれがあり、位相比較範囲
を外れると、一旦大きく位相をくずしてから同期するの
で、同期するまでに、かえって長く時間を要することと
なる。
【0269】そこで、上述のように、初期位相差が位相
同期手段である位相比較回路11あるいは位相比較回路
41の動作範囲の中心になる位相タイミングで基準信号
Rを生成して、供給すると、位相比較範囲の中心から同
期過程が開始されるので、位相比較範囲を外れることを
防止することができ、より一層確実に、かつ、速やかに
安定させることができる。
【0270】また、初期位相の設定を単純化することが
でき、制御手段であるMPUを簡単に構成することがで
きる。
【0271】上記第5の実施の形態から第9の実施の形
態においては、周波数誤差をフィードバックしており、
あるいは、基準電位V0 を目標速度に対応させている効
果により、すでに初期位相が、位相比較回路11あるい
は位相比較回路41の動作範囲の中心に存在しており、
上記効果を有している。
【0272】
【発明の効果】請求項1記載の発明のモータ速度制御装
置によれば、速度信号と基準信号の位相差に基づく速度
制御系の過渡応答特性を大幅に向上させることができ、
目標速度に安定するまでの時間を短縮することができる
とともに、速度制御系を安定化させることができる。
【0273】請求項2記載の発明のモータ速度制御装置
によれば、速度制御系全体の構成を簡単なものとするこ
とができ、ハード的に回路を組み込む場合には、回路構
成が簡単なものとなり、コストを低減させることがで
き、また、ソフト的に構成する場合には、ソフト処理が
簡単になり、計算処理等の負荷を小さくして、処理速度
を向上させることができる。
【0274】また、モータ駆動系のイナーシャ等が小さ
く、位相同期過程の応答が速い系では、上記速度制御手
段から位相同期制御手段への制御系の切換時の不安定性
が少なくなっているので、従来、速度フィードバックル
ープにより加減速していた制御系をオープンループ制御
手段により、モータの加減速を行うことができ、適用範
囲を広げることができる。
【0275】請求項3記載の発明のモータ速度制御装置
によれば、周波数誤差信号に基づく速度のフィードバッ
ク制御を行うことができ、イナーシャが大きく応答の遅
い制御系の場合であっても、確実に周波数を同期させる
ことができるとともに、上記速度制御手段から位相同期
制御手段への制御系の切換時の不安定性が少なくなって
いるので、速度信号と基準信号の位相差に基づく速度制
御系の過渡応答特性を、さらに大幅に向上させることが
でき、目標速度に安定するまでの時間をより一層短縮す
ることができるとともに、速度制御系をより一層安定化
させることができる。
【0276】請求項4記載の発明のモータ速度制御装置
によれば、モータの速度が目標速度に到達して、制御系
を切り換えた際、速度信号と基準信号の位相差に基づ
く、速度制御系の過渡応答特性をより一層大幅に向上さ
せることができ、目標速度に安定するまでの時間をより
一層短縮することができるとともに、速度制御系を安定
させることができる。
【0277】請求項5記載の発明のモータ速度制御装置
によれば、モータの速度が目標速度に到達して、制御系
を位相同期制御手段に切り換えた際、目標速度に対応し
た周波数で、かつ、速度信号に対して位相同期制御手段
の動作範囲の中心の位相差を有した基準信号を位相同期
制御手段に入力するので、位相同期制御手段に制御系を
切り換えた後に、位相比較の動作範囲から外れるのを抑
制することができ、位相同期制御手段の過渡応答特性を
向上させることができる。
【0278】したがって、目標速度に安定するまでの時
間をより一層短縮することができるとともに、速度制御
系をより一層安定化させることができる。
【0279】また、位相同期制御手段の動作範囲の中心
の位相差は、予め分かっており、かつ、周波数は変える
必要があるが、目標速度によって位相差を変える必要が
ないため、基準信号を簡単に生成することができ、回路
構成を簡略化することができる。
【0280】請求項6記載の発明のモータ速度制御装置
によれば、速度制御系全体の構成を簡単なものとするこ
とができ、ハード的に回路を組み込む場合には、回路構
成が簡単なものとなり、コストを低減させることがで
き、また、ソフト的に構成する場合には、ソフト処理が
簡単になり、計算処理等の負荷を小さくして、処理速度
を向上させることができる。
【0281】また、モータ駆動系のイナーシャ等が小さ
く、位相同期過程の応答が速い系では、上記制御系の切
換時の不安定性が少なくなっているので、従来、速度フ
ィードバックループにより加減速していた制御系をオー
プンループ制御手段により、モータの加減速を行うこと
ができ、適用範囲を広げることができる。
【0282】請求項7記載の発明のモータ速度制御装置
によれば、周波数誤差信号に基づく速度のフィードバッ
ク制御を行うことができ、イナーシャが大きく応答が遅
い制御系の場合であっても、確実に周波数を同期させる
ことができるとともに、上記速度制御手段から位相同期
制御手段への制御系の切換時の不安定性が少なくなって
いるので、速度信号と基準信号の位相差に基づく速度制
御系の過渡応答特性を、さらに大幅に向上させることが
でき、目標速度に安定するまでの時間をより一層短縮す
ることができるとともに、速度制御系をより一層安定化
させることができる。
【0283】請求項8記載の発明のモータ速度制御装置
によれば、モータの速度が目標速度に到達して、制御系
を速度制御手段と位相同期制御手段との加算制御系に切
り換えた際、目標速度に対応した周波数で、かつ、速度
信号に対して位相同期制御手段の動作範囲の中心の位相
差を有した基準信号を位相同期制御手段に入力するの
で、制御系を切り換えた後に、位相比較の動作範囲から
外れるのを抑制することができ、位相同期制御手段の過
渡応答特性を向上させることができる。
【0284】したがって、目標速度に安定するまでの時
間をより一層短縮することができるとともに、速度制御
系をより一層安定化させることができる。
【0285】また、位相同期制御手段の動作範囲の中心
の位相差は、予め分かっており、かつ、周波数は変える
必要があるが、目標速度によって位相差を変える必要が
ないため、基準信号を簡単に生成することができ、回路
構成を簡略化することができる。
【0286】請求項9記載の発明のモータ速度制御装置
によれば、周波数同期制御手段によりモータを加減速し
て、モータの速度が目標速度に到達し、制御系を周波数
同期制御手段と位相同期制御手段との加算制御系に切り
換えた際、目標速度に対応した周波数で、かつ、速度制
御信号が連続する位相差を有した基準信号を位相同期制
御手段に入力するので、制御系を切り換えた際の制御量
の連続性が保たれ、速度制御系の過渡応答特性を大幅に
向上させることができる。
【0287】したがって、目標速度に安定するまでの時
間をより一層短縮することができるとともに、速度制御
系をより一層安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータ速度制御装置の第1の実施の形
態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図2】図1の位相比較回路の詳細な回路構成図。
【図3】図1のモータ速度制御装置の各部の信号のタイ
ミング図。
【図4】図1及び図2の位相比較回路の各部の信号のタ
イミング図
【図5】図1のモータ速度制御装置によるモータの速度
制御処理を示すフローチャート。
【図6】本発明のモータ速度制御装置の第2の実施の形
態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図7】図6の位相比較回路の詳細な回路構成図。
【図8】図6のモータ速度制御装置の各部の信号のタイ
ミング図。
【図9】図6のモータ速度制御装置の位相比較回路の動
作特性図。
【図10】図6のモータ速度制御装置によるモータの速
度制御処理を示すフローチャート。
【図11】図6及び図7の位相比較回路の各部の信号の
タイミング図
【図12】本発明のモータ速度制御装置の第3の実施の
形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図13】本発明のモータ速度制御装置の第4の実施の
形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図14】本発明のモータ速度制御装置の第5の実施の
形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図15】図14のモータ速度制御装置によるモータの
速度制御処理を示すフローチャート。
【図16】本発明のモータ速度制御装置の第6の実施の
形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図17】本発明のモータ速度制御装置の第7の実施の
形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図18】本発明のモータ速度制御装置の第8の実施の
形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図19】本発明のモータ速度制御装置の第9の実施の
形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図20】図19の位相比較回路の各部の信号のタイミ
ング図
【図21】図19のモータ速度制御装置によるモータの
速度制御処理を示すフローチャート。
【図22】メモリ型の位相比較回路の動作特性図。
【図23】非メモリ型の位相比較回路の動作特性図。
【図24】従来のPLL制御系を用いたモータ速度制御
装置の回路構成図。
【図25】図24のモータドライバへの入力電圧とエン
コーダの出力するエンコーダパルス信号の周波数との関
係を示す図。
【符号の説明】
10 モータ速度制御装置 11 位相比較回路 12、15、17、33、34 スイッチ 13 加算器 14 オフセット電圧発生回路 16 立ち上げ電圧発生回路 18 モータドライバ 19 モータ 20 エンコーダ 21 MPU 22、35 カウンタ 31 位相比較器 32 カウント信号発生器 36 D/A変換器 40 モータ速度制御装置 41 位相比較回路 42、45 スイッチ 43 MPU 44 位相比較器 46 カウンタ 50 モータ速度制御装置 51 電流フィードバック回路 60 モータ速度制御装置 61 立ち上げ電圧発生回路 70 モータ速度制御装置 71 スイッチ 72 MPU 73 D/A変換器 80 モータ速度制御装置 90 モータ速度制御装置 91 MPU 92 周波数同期制御回路 93 電流フィードバック回路 94 基準電圧発生回路 95 F/V変換器 96 電圧比較器 100 モータ速度制御装置 101 MPU 102 D/A変換器 110 モータ速度制御装置 111 MPU 112 D/A変換器 113 制御信号発生器 114 F/V変換器 115 A/D変換器 R 基準信号 E エンコーダパルス信号 Vθ 誤差信号 δθ 位相差

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータの速度を検出して速度信号として出
    力する検出手段と、 前記検出手段の出力する速度信号と所定の基準信号との
    位相誤差信号に基づく速度制御信号を出力して、前記モ
    ータの速度を制御する位相同期制御手段と、 所定の速度制御信号を出力して、前記モータを加減速さ
    せる速度制御手段と、 前記位相同期制御手段の出力する前記速度制御信号と前
    記速度制御手段の出力する前記速度制御信号を択一的に
    選択して出力する選択手段と、 前記選択手段から入力される前記速度制御信号に基づい
    て前記モータの駆動を行う駆動手段と、 前記モータの加減速時には、前記選択手段に、前記速度
    制御手段の出力する前記速度制御信号を選択させ、前記
    モータの速度が所定の目標速度に到達すると、前記位相
    同期制御手段の出力する前記速度制御信号を選択させる
    とともに、前記目標速度に対応した周波数で、かつ、前
    記速度信号に対して位相同期後と同じ位相差を有した基
    準信号を生成して、前記位相同期制御手段に入力する制
    御手段と、 を備えたことを特徴とするモータ速度制御装置。
  2. 【請求項2】前記速度制御手段は、 前記モータが許容する一定電圧、一定電流、あるいは、
    予め設定された制御信号を前記速度制御信号として出力
    するオープンループ制御により前記モータを加減速制御
    することを特徴とする請求項1記載のモータ速度制御装
    置。
  3. 【請求項3】前記速度制御手段は、 前記検出手段の検出した前記速度信号と前記基準信号と
    の周波数誤差信号に基づく前記速度制御信号を出力し
    て、前記モータの速度をフィードバック制御する周波数
    同期制御手段であることを特徴とする請求項1記載のモ
    ータ速度制御装置。
  4. 【請求項4】モータの速度を検出して速度信号として出
    力する検出手段と、 前記検出手段の出力する速度信号と所定の基準信号との
    位相誤差信号に基づく速度制御信号を出力して、前記モ
    ータの速度を制御する位相同期制御手段と、 前記検出手段の出力する前記速度信号と前記所定の基準
    信号の周波数誤差信号に基づく速度制御信号を出力し
    て、前記モータの速度をフィードバック制御する周波数
    同期制御手段と、 前記位相同期制御手段の出力する前記速度制御信号と前
    記周波数同期制御手段の出力する前記速度制御信号を択
    一的に選択して、あるいは、加算して出力する選択手段
    と、 前記選択手段から入力される前記速度制御信号に基づい
    て前記モータの駆動を行う駆動手段と、 前記モータの加減速時には、前記選択手段に、前記周波
    数同期制御手段の出力する前記速度制御信号を選択さ
    せ、前記モータの速度が所定の目標速度に到達すると、
    前記周波数同期制御手段の出力する前記速度制御信号と
    前記位相同期制御手段の出力する前記速度制御信号とを
    加算して出力させるとともに、前記目標速度に対応した
    周波数で、かつ、前記速度信号に対して位相同期後と同
    じ位相差を有した基準信号を生成して、前記位相同期制
    御手段に入力する制御手段と、 を備えたことを特徴とするモータ速度制御装置。
  5. 【請求項5】モータの速度を検出して速度信号として出
    力する検出手段と、 前記検出手段の出力する速度信号と所定の基準信号との
    位相誤差信号に基づく速度制御信号を出力して、前記モ
    ータの速度を制御する位相同期制御手段と、 所定の速度制御信号を出力して、前記モータを加減速さ
    せる速度制御手段と、 前記位相同期制御手段の出力する前記速度制御信号と前
    記速度制御手段の出力する前記速度制御信号を択一的に
    選択して出力する選択手段と、 前記選択手段から入力される前記速度制御信号に基づい
    て前記モータの駆動を行う駆動手段と、 前記モータの加減速時には、前記選択手段に、前記速度
    制御手段の出力する前記速度制御信号を選択させ、前記
    モータの速度が所定の目標速度に到達すると、前記位相
    同期制御手段の出力する前記速度制御信号を選択させる
    とともに、前記目標速度に対応した周波数で、かつ、前
    記速度信号に対して前記位相同期制御手段の動作範囲の
    中心付近の位相差を有した基準信号を生成して、前記位
    相同期制御手段に入力する制御手段と、 を備えたことを特徴とするモータ速度制御装置。
  6. 【請求項6】前記速度制御手段は、 前記モータが許容する一定電圧、一定電流、あるいは、
    予め設定された制御信号を前記速度制御信号として出力
    するオープンループ制御により前記モータを加減速制御
    することを特徴とする請求項5記載のモータ速度制御装
    置。
  7. 【請求項7】前記速度制御手段は、 前記検出手段の検出した前記速度信号と前記基準信号と
    の周波数誤差信号に基づく前記速度制御信号を出力し
    て、前記モータの速度をフィードバック制御する周波数
    同期制御手段であることを特徴とする請求項5記載のモ
    ータ速度制御装置。
  8. 【請求項8】モータの速度を検出して速度信号として出
    力する検出手段と、 前記検出手段の出力する速度信号と所定の基準信号との
    位相誤差信号に基づく速度制御信号を出力して、前記モ
    ータの速度を制御する位相同期制御手段と、 前記検出手段の出力する前記速度信号と前記所定の基準
    信号の周波数誤差信号に基づく速度制御信号を出力し
    て、前記モータの速度をフィードバック制御する周波数
    同期制御手段と、 前記位相同期制御手段の出力する前記速度制御信号と前
    記速度制御手段の出力する前記速度制御信号を択一的に
    選択して、あるいは、加算して出力する選択手段と、 前記選択手段から入力される前記速度制御信号に基づい
    て前記モータの駆動を行う駆動手段と、 前記モータの加減速時には、前記選択手段に、前記周波
    数同期制御手段の出力する前記速度制御信号を選択さ
    せ、前記モータの速度が所定の目標速度に到達すると、
    前記周波数同期制御手段の出力する前記速度制御信号と
    前記位相同期制御手段の出力する前記速度制御信号とを
    加算して出力させるとともに、前記目標速度に対応した
    周波数で、かつ、前記速度信号に対して前記位相同期制
    御手段の動作範囲の中心付近の位相差を有した基準信号
    を生成して、前記位相同期制御手段に入力する制御手段
    と、 を備えたことを特徴とするモータ速度制御装置。
  9. 【請求項9】モータの速度を検出して速度信号として出
    力する検出手段と、 前記検出手段の出力する速度信号と所定の基準信号との
    位相誤差信号に基づく速度制御信号を出力して、前記モ
    ータの速度を制御する位相同期制御手段と、 前記検出手段の出力する前記速度信号と前記所定の基準
    信号の周波数誤差信号に基づく速度制御信号を出力し
    て、前記モータの速度をフィードバック制御する周波数
    同期制御手段と、 前記位相同期制御手段の出力する前記速度制御信号と前
    記周波数同期制御手段の出力する前記速度制御信号を択
    一的に選択して、あるいは、加算して出力する選択手段
    と、 前記選択手段から入力される前記速度制御信号に基づい
    て前記モータの駆動を行う駆動手段と、 前記モータの加減速時には、前記選択手段に、前記周波
    数同期制御手段の出力する前記速度制御信号を選択さ
    せ、前記モータの速度が所定の目標速度に到達すると、
    前記周波数同期制御手段の出力する前記速度制御信号と
    前記位相同期制御手段の出力する前記速度制御信号とを
    加算して出力させるとともに、前記目標速度に対応した
    周波数で、かつ、前記速度制御信号の位相差が連続する
    基準信号を生成して、前記位相同期制御手段に入力する
    制御手段と、 を備えたことを特徴とするモータ速度制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7229163B2 (en) 1998-09-30 2007-06-12 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Printer
CN110857646A (zh) * 2018-08-24 2020-03-03 罗伯特·博世有限公司 尾气后处理系统及其操作方法和计算机可读存储载体
CN114337384A (zh) * 2021-12-30 2022-04-12 西安翔迅科技有限责任公司 一种双桨转速、相位同步控制方法及系统

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