JPH09139680A - 通信装置 - Google Patents

通信装置

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JPH09139680A
JPH09139680A JP29870695A JP29870695A JPH09139680A JP H09139680 A JPH09139680 A JP H09139680A JP 29870695 A JP29870695 A JP 29870695A JP 29870695 A JP29870695 A JP 29870695A JP H09139680 A JPH09139680 A JP H09139680A
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JP
Japan
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communication device
generating means
variable frequency
antenna
input
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Withdrawn
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JP29870695A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Baba
芳彦 馬場
Toshio Akiyama
季夫 秋山
Yoshihiro Konishi
良弘 小西
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Uniden Corp
Original Assignee
Uniden Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 当該通信装置内での送信波のフィードバック
によるC/N劣化を改善した通信装置を提供することを
目的とする。 【解決手段】 共振を利用した可変周波数発生手段10
1と,可変周波数発生手段101による送信周波数に基
づいて電力を放射するアンテナ103とを備える通信装
置において,アンテナ103からの放射電力の一部が可
変周波数発生手段101にフィードバックする際のフィ
ードバック経路を構成し,所定のクロック信号CLKに
より動作する部分回路104を具備し,部分回路104
に関わる信号線131,132及び133に,該信号線
の電圧を減衰させる減衰手段121−1〜121−nを
選択的に具備して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は移動体通信機等の通
信装置に係り,特に,当該通信装置内での送信波のフィ
ードバックによるC/N劣化を改善した通信装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年,移動体通信機においては,小型
化,軽量化を目的とする一方で,ネットワークのシステ
ム制御も複雑化してきており,そのため,CPUを含ん
だデジタル回路で構成される制御回路が必要とされてい
る。
【0003】筐体内に送信機と制御回路を一緒に組み込
んだ移動体通信機を開発する際,機器内でのフィードバ
ックによる送信波のC/N劣化が発生している。一方,
各国の電波法においては,送信波のC/N値について規
格化されており,製品によっては非常に厳しい値に制限
されているものもある。
【0004】従って,C/N値をこれらの規格に基づく
制限範囲内に抑える必要があり,その対策方法として
は,送信部,制御回路等をそれぞれシールドケースで覆
って,相互の干渉を無くす方法や,特に影響の大きい部
分については相対的に離れた配置とする方法などが採ら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記従
来の通信装置においては,C/N劣化の対策方法として
シールドや部品配置による方法を採用していたので,シ
ールドケース及びシールド作業工程に伴うコスト増とい
う問題や,部品距離を離間させる配置が通信装置の小型
化,軽量化の妨げとなるという問題があった。
【0006】本発明は,上記従来の問題点に鑑みてなさ
れた通信装置内での送信波のフィードバックによるC/
N劣化対策方法であって,より低コストで,且つ装置の
小型化,軽量化の妨げとなることなくC/N劣化を改善
し得る通信装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,本発明の第1の特徴の通信装置は,共振を利用した
可変周波数発生手段と,前記可変周波数発生手段による
送信周波数に基づいて電力を放射するアンテナとを備え
る通信装置において,前記アンテナからの放射電力の一
部が前記可変周波数発生手段にフィードバックする際の
フィードバック経路を構成し,所定のクロック信号によ
り動作する部分回路を具備し,前記部分回路に関わる信
号線に関し,該信号線の高周波電圧を減衰させる減衰手
段を当該信号線の入/出力ノード近傍に選択的に具備す
るものである。
【0008】また,第2の特徴の通信装置は,共振を利
用した可変周波数発生手段と,前記可変周波数発生手段
による送信周波数に基づいて電力を放射するアンテナと
を備える通信装置において,前記アンテナからの放射電
力の一部が前記可変周波数発生手段にフィードバックす
る際のフィードバック経路を構成し,所定のクロック信
号により動作する部分回路を具備し,前記部分回路に関
わる入出力信号線に関し,選択的にライン抵抗をその入
/出力ノード近傍に接続したものである。
【0009】また,第3の特徴の通信装置は,共振を利
用した可変周波数発生手段と,前記可変周波数発生手段
による送信周波数に基づいて電力を放射するアンテナと
を備える通信装置において,前記アンテナからの放射電
力の一部が前記可変周波数発生手段にフィードバックす
る際のフィードバック経路を構成し,所定のクロック信
号により動作する部分回路を具備し,前記可変周波数発
生手段の入力に,前記フィードバックする信号の位相を
調整する位相調整手段を選択的に具備するものである。
【0010】また,第4の特徴の通信装置は,請求項3
記載の通信装置において,前記可変周波数発生手段は電
圧制御発振器であって,前記位相調整手段は,少なくと
も前記電圧制御発振器の発振周波数を制御する信号入力
に接続されるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下,本発明の原理的説明につい
て,並びに,本発明の通信装置の実施例について,〔実
施例1〕,〔実施例2〕の順に図面を参照して詳細に説
明する。
【0012】〔本発明の原理的説明〕図3は,一般的な
移動体通信機の代表的な構成図である。また図4は,本
発明の原理を説明するための説明図であり,図3に示す
移動体通信機において,C/N劣化に関わる代表的な構
成要素のみを表した構成図である。
【0013】図3において,移動体通信機の発振部は,
電圧制御発振器(以下,VCOと略記する)101を用
いたPLL回路303で構成されており,VCO101
の変調端子には音声信号202が加えられている。
【0014】送信周波数の切り替えは,制御部104か
らのPLLデータ132によりPLL回路303の分周
比を制御することによって行われている。尚,送信電力
は,携帯電話の場合で,数10[mW]から数[W]程
度までの範囲で可変となっており,制御部104により
コントロールされている。
【0015】また,アンテナ103はλ/4(λ:波
長)のホイップ型が基本で,デュプレクサ310との整
合をとるための整合回路311が付加されている。
【0016】更に,制御部104は,マイクロプロセッ
サ等の主としてC−MOS型のロジック回路で実現さ
れ,該マイクロプロセッサや液晶表示器等の動作クロッ
クを生成する基準クロック発振器(図示せず)から,ク
ロック信号CLKの供給を受けて動作している。制御部
104は,PLLデータ132や他の制御信号133等
を生成し,また,キーボードや液晶表示器等とユーザイ
ンタフェース305を介して接続されている。
【0017】このような構成の移動体通信機において
は,図4の等価的な構成図に示すように,VCO101
の発振源からアンプゲインAで増幅され,アンテナ10
3から放射された電力の一部はゲインβ1で制御部10
4に入り,制御部104の素子の歪みが振幅変調波を発
生させ,更にVCO101に対してゲインβ2でフィー
ドバックされるといったフィードバック経路が存在す
る。ここで,ゲインA,β1及びβ2はベクトル量であ
る(以下同じ)。
【0018】制御部104で発生する振幅変調波の変調
信号はクロック信号CLKであり,その変調度はゲイン
β1に依存する。VCO101にゲインβ2でフィード
バックした信号電圧とVCO101における発振電流と
に位相差がある場合は,周波数変化を発生する。実際に
は,移動体通信機内の部品間の配列や信号配線の長さ等
でゲインβ1及びβ2並びにフィードバックの位相が定
まり,送信波のスペクトラムのC/Nが劣化することに
なる。
【0019】(C/N劣化の解析)このC/N劣化につ
いて,以下,定式的に解析する。尚,VCO101には
シールド115が施されており,また,共振を用いた発
振であることから,等価的な回路として抵抗111
(R),インダクタンス113(L)及びコンデンサ1
14(C)の直列回路として表している。また,抵抗1
12(−R)は負性抵抗である。
【0020】(i)図4において,VCO101におけ
るLCR回路の共振電流I(ベクトル量,以下同じ)
は,回路の起電力をe(ベクトル量,以下同じ)とする
とき,次式となる。
【0021】
【数1】
【0022】(ii)図4に示す如く,抵抗111(R)
の両端にかかる電圧eがA・β(ここで,β=β1+β
2;従って,βはベクトル量である,以下同じ)倍され
て,VCO101のLCR共振回路にフィードバック
し,Δef (ベクトル量,以下同じ)の電圧を発生した
とすれば,該起電力Δef により回路電流はI’(ベク
トル量)に変化したことになる。
【0023】(iii)ここで,LCR共振回路を定電流源
(電流一定)の回路として考えれば,起電力Δef の印
加に対し,一定の電流Iを得るために回路インピーダン
スがZ(ベクトル量,以下同じ)に変化したことにな
る。このとき回路電流Iは次式となる。
【0024】
【数2】
【0025】(iv)この場合のインピーダンス変化につ
いて解析する。(1)式及び(2)式より,
【0026】
【数3】 周波数変化が発生するためには,フィードバックした信
号電圧とVCO101における発振電流とに位相差があ
ることが必要であるから,インピーダンス変化分Δz
(ベクトル量,以下同じ)がリアクタンス成分となれば
よい。即ち,Z=R+jXとおけば,
【0027】
【数4】 より,(Δef /e)が虚数成分であることが必要とな
る。
【0028】(v)次に,(2)式及び(3)式の関係
式,即ち,
【0029】
【数5】 に,e=I・R,Δef =e・A・βを代入すると,
【0030】
【数6】 となるから,
【0031】
【数7】 の関係が得られ,e=I・Rから,次式が得られる。
【0032】
【数8】 (4)式において,実数部のΔrは発振回路の負性抵抗
112(−R)で吸収されるとすれば,虚数部のΔjX
のみが残ることになる。従って,Δzのリアクタンス成
分ΔjXは,次式で表される。
【0033】
【数9】
【0034】(vi)いま,‖A・β‖が,制御部104
の非直線歪みにより,振幅変化を受けるとすれば,α<
<1を振幅変調度として,
【0035】
【数10】 と表すことができる。
【0036】(vii)(5)式及び(6)式から,次式が
得られる。
【0037】
【数11】
【0038】(viii)ここで,(7)式に至るまでの解
析の持つ意味をまとめる。即ち,フィードバック信号に
よる起電力Δef が発生すると,インピーダンス変化Δ
zが発生するが,Δzの実数部は発振回路の負性抵抗1
12(−R)でキャンセルされて,虚数部ΔjXだけが
発生する。ここで,ΔjXをインピーダンス変化の虚数
部Xf として,‖A・β‖が振幅変化している場合に
は,Xf は,Xf0を中心値とし,振幅α・Xf0のcos
ωm tによる変化をしていることとなる。
【0039】(ix)次に,(7)式におけるΔXf によ
る周波数変化Δfは,ΔXf がゼロの場合(即ち,Xf0
のみの場合)の発振周波数をf0 とすれば,Δf<<f
0 の場合, Δf/f0 ≒ΔXf /2ωL の関係から,
【0040】
【数12】 で表されることとなり,Δfは角周波数ωm で変化する
から周波数変調を受けていることとなる。
【0041】(x)一方,Xf による発振周波数fは,
次式で表される。 f=f0 +Δf・cosωm t =f0 (1+(Δf/f0 )・cosωm t) (9) 即ち,A・βによるフィードバックが発生すると,A・
βの振幅変化が無い場合(α=0)には,フィードバッ
クが無いときの周波数に対してXf0により周波数変化が
発生し,発振周波数はf0 になる。また,A・βに振幅
変化がある場合(α≠0)には,周波数f0 をキャリア
として,最大周波数偏位Δfで角周波数ωm の周波数変
調がかかることとなる。
【0042】(xi)次に発振回路の帰還Qと周波数変調
との関係を解析する。帰還QはQ=ωL/Rで表される
から,(8)式より,
【0043】
【数13】 となり,最大周波数偏位ΔfはQ値と反比例の関係を持
つこととなる。
【0044】(C/N劣化解析結果の検証)次に,上述
の解析結果を検証すべく行った実験の結果について説明
する。実験回路は,図5に示す回路構成を使用した。即
ち,発振部としては800[MHz]帯のVCO501
(Qの大きいものと小さいものの2種類)を使用し,ア
ンプ502としてはゲインが27.5[dB]のものを
使用し,制御部504の回路としてクロック信号CLK
で動作する1個のC−MOS型インバータ回路を使用し
た。尚,相互の干渉を無くすために,各々を完全にシー
ルドケースに納めて定量データが採取できる環境で行っ
た。
【0045】フィードバックゲインβ1=−10[d
B]のとき,制御部504で発生する振幅変調波形を図
6(a)に示す。クロック信号CLKは100[kH
z]の正弦波で,振幅変調度αは約10[%]である。
この時の最大周波数偏位Δfについて,Q=110,Q
=24の2種類のVCO501を用いて測定した実験値
と,(10)式から求めた理論値との比較を図6(b)に
示す。尚,この時,A・β=−32.5[dB]であ
る。
【0046】また,Q=110,Q=24の2種類のV
CO501を用いて測定したフィードバックの位相変化
に対する最大周波数偏位Δfの変化をそれぞれ図7
(a)及び図8(a)に示す。ここで,位相変化(位相
差)はフィードバックした信号電圧とVCO101にお
ける発振電流との位相差をいう。フィードバック信号電
圧と発振電流とが同相または逆相のときに最大周波数偏
位Δfが最小で,相互に90[度]の位相差を持つとき
に最大周波数偏位Δfが最大となっている。
【0047】更に,Q=110,Q=24の2種類のV
CO501を用いて位相差が90[度]の場合について
測定した送信波スペクトラムをそれぞれ図7(b)及び
図8(b)に示す。
【0048】以上の解析及び実験結果から,送信波のC
/N劣化について,フィードバックの結合度合を示すβ
と制御部104の非直線性歪みが大きな原因であること
が確認され,また,フィードバック信号による周波数変
化ΔfがQ値に反比例する関係が確認された。
【0049】〔実施例1〕次に実施例について説明す
る。図1は本発明の実施例1に係る通信装置において,
C/N劣化に関わる代表的な構成要素のみを表した構成
図である。尚,本実施例の通信装置は,図3に示す構成
の移動体通信機等に適用され,移動体通信機の概要は上
述の通りである。
【0050】図1において,本実施例の通信装置は,共
振を利用した可変周波数発生手段としてのVCO101
と,VCO101の出力をゲインAで増幅するアンプ1
02と,VCO101による送信周波数に基づいて電力
を放射するアンテナ103と,アンテナ103からの放
射電力の一部がVCO101にフィードバックする際の
フィードバック経路を構成し,且つ,クロック信号CL
Kにより動作する部分回路としての制御部104とを具
備して構成されている。尚,VCO101はシールド1
15により覆われている。
【0051】また,前記フィードバック経路は,アンテ
ナ103から制御部104へのフィードバックゲインβ
1の経路,制御部104,並びに,制御部104からV
CO101の入力信号線へのフィードバックゲインβ2
による経路から構成されている。また,制御部104に
関わる入出力信号線131,132及び133に,選択
的にライン抵抗121−1〜121−nが接続されてい
る。
【0052】アンテナ103からの送信電力は,主とし
て,上記各構成部品を実装するためのプリント基板上の
配線パターンを介して制御部104の内部に到達し,制
御部104の非直線歪みにより振幅変調波を発生するこ
とから,本実施例の通信装置では,制御部104に関わ
る入出力信号線131,132及び133に,選択的に
ライン抵抗121−1〜121−nを接続して,振幅変
調波の発生を抑え,送信波のC/N劣化の改善を図るこ
ととしたものである。
【0053】また,ライン抵抗の接続により,上述の解
析の(8)式におけるフィードバックゲインβ(=β1
+β2)を減少させることにより,発生している周波数
変調波における最大周波数偏位を減少させ得ることか
ら,結果として,送信波のC/N劣化を改善できる。
【0054】制御部104に関わる入出力信号線へのラ
イン抵抗の選択的な接続は,移動体通信機内の部品間の
配列や信号配線の長さ等でフィードバックゲインβ1及
びβ2が定まることから,該信号線の電流容量,信号配
線長,信号線の相対的な位置関係等により,経験的に選
択されることとなる。例えば,電流容量が大きく,信号
配線長が比較的長く,またフィードバック経路及びVC
O101に相対的に近い信号線については,上記フィー
ドバック経路における振幅変調波及び周波数変調波に対
して影響力が大きいことが推察され,従ってライン抵抗
を接続するのが望ましい。
【0055】次に,ライン抵抗121−1〜121−n
の抵抗値の設定について説明する。ここでは,模擬的な
実験回路を使用してライン抵抗の接続による効果を検証
し,該実験結果から具体的な抵抗値についての考察を行
う。
【0056】図9は,模擬的な実験回路の回路図であ
る。即ち,FET906を制御部104におけるロジッ
ク回路と想定し,FET906のゲート電極に,動作用
のクロック入力Sinと,アンテナ103からの放射電
力の一部入力としての論理入力とが供給されたときの,
出力端子P2のスペクトラムを測定したものである。
【0057】尚,論理入力は周波数100[kHz]で
振幅9[Vp-p ]の正弦波電圧入力であり,周波数83
0[MHz]のクロック入力Sinを−50[dBm]
から10[dBm]に渡って変化させて測定を行った。
また図中,901,902,903はコンデンサであ
り,それぞれ容量C11=C12=2[pF],C13
=0.01[μF]であり,905はコイルであってイ
ンダクタンスL11=10[mH]であり,904はラ
イン抵抗であって抵抗値Rg=0,47及び220
[Ω]の値をとる。
【0058】このときの出力P2のスペクトラムにおけ
るキャリア及び2次側帯波の変化を図10に示す。該測
定結果から,ライン抵抗Rg=47[Ω]のとき,非接
続時に対して約6[dB]の減少を得ており,47
[Ω]のライン抵抗の接続により,振幅変調波の成分を
約6[dB]減衰させ得ることが検証された。また,ラ
イン抵抗Rg=220[Ω]のとき,非接続時に対して
約20[dB]の減少を得ており,220[Ω]のライ
ン抵抗の接続により,振幅変調波の成分を約20[d
B]減衰させ得ることが検証された。
【0059】従って,フィードバック経路におけるライ
ン抵抗を接続すべき信号線の振幅変調波及び周波数変調
波に対する影響力によって,ライン抵抗の抵抗値を設定
するのが望ましい。
【0060】〔実施例2〕次に,図2(a)は本発明の
実施例2に係る通信装置において,C/N劣化に関わる
代表的な構成要素のみを表した構成図である。尚,本実
施例の通信装置は,図3に示す構成の移動体通信機等に
適用され,移動体通信機の概要は上述の通りである。
【0061】図2(a)において,本実施例の通信装置
は,共振を利用した可変周波数発生手段としてのVCO
101と,VCO101の出力をゲインAで増幅するア
ンプ102と,VCO101による送信周波数に基づい
て電力を放射するアンテナ103と,アンテナ103か
らの放射電力の一部がVCO101にフィードバックす
る際のフィードバック経路を構成し,且つ,クロック信
号CLKにより動作する部分回路としての制御部104
とを具備して構成されている。尚,VCO101はシー
ルド115により覆われている。
【0062】また,前記フィードバック経路は,アンテ
ナ103から制御部104へのフィードバックゲインβ
1の経路,制御部104,並びに,制御部104からV
CO101の入力信号線へのフィードバックゲインβ2
による経路から構成されている。
【0063】また,VCO101への入力の内,VCO
101における発振周波数を制御する入力202には,
位相器201が選択的に接続されている。これは,他の
電源Vdd,接地,或いは,PLLデータ203の入力
と比較して,制御入力(音声入力)202のフィードバ
ックゲインβ2に対する影響力が非常に大きいことによ
るものである。
【0064】上記解析において述べたように,周波数変
化が発生するためには,フィードバックした信号電圧と
VCO101における発振電流とに位相差があることが
必要であるが,ここで,この性質についての補足的な説
明を行う。
【0065】上記解析(iv)及び(v)から,次式が得
られる。
【0066】
【数14】 両式は,同じZに関する式であるが,フィードバック信
号の位相に注目すると,Δzが虚数成分となる(即ち,
リアクタンス成分となり,周波数変調波を発生する)た
めには,(11)式ではΔef /eが虚数成分に,(12)
式ではΔef /Iが虚数成分になる必要があるから,起
電力e及びΔef ,並びに,電流I及び起電力Δef に
位相差が存在しなければならないこととなる。尚,共振
時には起電力eと電流Iとは同位相である。
【0067】また反対に,虚数成分がない場合,即ち,
起電力e及びΔef ,並びに,電流I及び起電力Δef
が同相または逆相の場合には,Δzは抵抗変化のみであ
って,発振回路の負性抵抗112(−R)によりキャン
セルすることが可能となる。
【0068】尚,以上の性質は,解析結果の検証におい
て行った実験結果においても明確に現れている。即ち,
図7(a)及び図8(a)に示される,位相差に対する
最大周波数偏位Δfの変化では,フィードバック信号電
圧(Δef )と発振電流(I)とが同相または逆相のと
きに最大周波数偏位Δfが最小で,相互に90[度]の
位相差を持つときに最大周波数偏位Δfが最大となるこ
とが,明確に現れている。
【0069】本実施例の通信装置では,以上のような性
質を利用するものであって,VCO101への入力に位
相器201を選択的に接続し,フィードバック信号電圧
とVCO101における発振電流との位相差をなくす,
或いは両者が逆相の関係となるように,位相器201を
調整することにより周波数変調波の発生を抑制し,残る
振幅変調波については負性抵抗112(−R)によって
抑制することにより,送信波のC/N劣化を改善するも
のである。
【0070】図2(b)及び(c)に位相器201の具
体例を示す。図2(b)はコイル231及びコンデンサ
232,233による構成であって,コイル231のイ
ンダクタンスLxを調整することによって,フィードバ
ック信号電圧と発振電流とを同相または逆相の関係とす
るものである。尚,コイル及びコンデンサをそれぞれコ
ンデンサ及びコイルに置換した構成の位相器であっても
よい。
【0071】また図2(c)に示す位相器201は,長
さがlのストリップライン235によって構成されるも
のであり,長さが異なる複数本のストリップラインを選
択的に使用する構成や,配線の接続/非接続によってス
トリップライン235の長さlを調整する構成などが考
えられる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように,本発明の第1及び
第2の特徴の通信装置によれば,共振を利用した可変周
波数発生手段による送信周波数に基づいて電力を放射す
るアンテナを備える通信装置においては,アンテナから
の放射電力の一部が可変周波数発生手段にフィードバッ
クする際のフィードバック経路を構成し,且つ,所定の
クロック信号により動作する部分回路が存在し,該フィ
ードバック経路によって送信波のC/N劣化が発生する
が,部分回路に関わる(入出力)信号線について,該信
号線の高周波電圧を減衰させる(ライン抵抗等の)減衰
手段を当該信号線の入/出力ノード近傍に選択的に接続
することとしたので,振幅変調波の発生を抑えると共
に,発生する周波数変調波の最大周波数偏位を減少させ
ることができ,結果として,より低コストで,且つ装置
の小型化,軽量化の妨げとなることなく送信波のC/N
劣化を改善し得る通信装置を提供することができる。
【0073】また,第3及び第4の特徴の通信装置によ
れば,共振を利用した可変周波数発生手段による送信周
波数に基づいて電力を放射するアンテナを備える通信装
置においては,アンテナからの放射電力の一部が可変周
波数発生手段にフィードバックする際のフィードバック
経路を構成し,且つ,所定のクロック信号により動作す
る部分回路が存在し,該フィードバック経路によって送
信波のC/N劣化が発生するが,可変周波数発生手段の
入力,特に発振周波数を制御する信号入力に,フィード
バックする信号の位相を調整する位相調整手段を選択的
に接続することとしたので,フィードバック信号電圧と
可変周波数発生手段における発振電流との位相差をなく
す,或いは両者が逆相の関係となるよう位相調整手段を
調整することにより周波数変調波の発生を抑制すること
ができ,結果として,より低コストで,且つ装置の小型
化,軽量化の妨げとなることなく送信波のC/N劣化を
改善し得る通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る通信装置において,C
/N劣化に関わる代表的な構成要素のみを表した構成図
である。
【図2】本発明の実施例2に係る通信装置において,C
/N劣化に関わる代表的な構成要素のみを表した構成図
である。
【図3】一般的な移動体通信機の代表的な構成図であ
る。
【図4】本発明の原理を説明するための説明図である。
【図5】C/N劣化解析結果を検証するための実験回路
の構成図である。
【図6】図6(a)は検証実験において制御部で発生す
る振幅変調波スペクトラムを説明する説明図であり,図
6(b)は実験値と理論値の比較をする説明図である。
【図7】図7(a)はフィードバックの位相変化に対す
る最大周波数偏位Δfの変化(Q=110の場合)を説
明する説明図であり,図7(b)は送信波スペクトラム
(Q=110の場合)を説明する説明図である。
【図8】図8(a)はフィードバックの位相変化に対す
る最大周波数偏位Δfの変化(Q=24の場合)を説明
する説明図であり,図8(b)は送信波スペクトラム
(Q=24の場合)を説明する説明図である。
【図9】実施例1の通信装置を検証する模擬的な実験回
路の回路図である。
【図10】図9の実験における出力P2のスペクトラム
におけるキャリア及び2次側帯波の変化を説明する特性
説明図である。
【符号の説明】
101 電圧制御発振器(VCO)(可変周波数発生手
段) 102 アンプ 103 アンテナ 104 制御部(部分回路) 111 抵抗 112 負性抵抗 113 インダクタンス 114 コンデンサ 115 シールド 121−1〜121−n ライン抵抗 131,132,133 入出力信号線 132,203 PLLデータ 133,134 他の制御信号 CLK クロック信号 201 位相器(位相調整手段) 202 音声信号(制御信号) 211,212 端子 231 コイル 232,233 コンデンサ 235 ストリップライン 302 位相比較器 303 PLL回路 305 ユーザインタフェース 306 マイク 307,309 アンプ 308 バッファ 310 デュプレクサ 311 整合回路 β,β1,β2 フィードバックゲイン A アンプゲイン 501 VCO 502 アンプ 504 制御部 507 位相器 901,902,903 コンデンサ 904 抵抗 905 コイル 906 FET

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共振を利用した可変周波数発生手段と,
    前記可変周波数発生手段による送信周波数に基づいて電
    力を放射するアンテナとを備える通信装置において,前
    記アンテナからの放射電力の一部が前記可変周波数発生
    手段にフィードバックする際のフィードバック経路を構
    成し,所定のクロック信号により動作する部分回路を有
    し,前記部分回路に関わる信号線に関し,該信号線の高
    周波電圧を減衰させる減衰手段を当該信号線の入/出力
    ノード近傍に選択的に有することを特徴とする通信装
    置。
  2. 【請求項2】 共振を利用した可変周波数発生手段と,
    前記可変周波数発生手段による送信周波数に基づいて電
    力を放射するアンテナとを備える通信装置において,前
    記アンテナからの放射電力の一部が前記可変周波数発生
    手段にフィードバックする際のフィードバック経路を構
    成し,所定のクロック信号により動作する部分回路を有
    し,前記部分回路に関わる入出力信号線に関し,選択的
    にライン抵抗をその入/出力ノード近傍に接続したこと
    を特徴とする通信装置。
  3. 【請求項3】 共振を利用した可変周波数発生手段と,
    前記可変周波数発生手段による送信周波数に基づいて電
    力を放射するアンテナとを備える通信装置において,前
    記アンテナからの放射電力の一部が前記可変周波数発生
    手段にフィードバックする際のフィードバック経路を構
    成し,所定のクロック信号により動作する部分回路を有
    し,前記可変周波数発生手段の入力に,前記フィードバ
    ックする信号の位相を調整する位相調整手段を選択的に
    有することを特徴とする通信装置。
  4. 【請求項4】 前記可変周波数発生手段は電圧制御発振
    器であって,前記位相調整手段は,少なくとも前記電圧
    制御発振器の発振周波数を制御する信号入力に接続され
    ることを特徴とする請求項3記載の通信装置。
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