JPH09138331A - 気送用光ファイバ心線およびその選別方法 - Google Patents

気送用光ファイバ心線およびその選別方法

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JPH09138331A
JPH09138331A JP7295112A JP29511295A JPH09138331A JP H09138331 A JPH09138331 A JP H09138331A JP 7295112 A JP7295112 A JP 7295112A JP 29511295 A JP29511295 A JP 29511295A JP H09138331 A JPH09138331 A JP H09138331A
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optical fiber
coating
layer
core wire
air
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JP7295112A
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Inventor
Kinji Taguchi
欣司 田口
Hiroaki Sano
裕昭 佐野
Shigeru Tanaka
茂 田中
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧送特性、伝送特性に優れた気送用光ファイ
バ心線を提供する。 【解決手段】 7本の光ファイバ素線1のうち、1本が
中心に、この周囲の円周上に6本が配列されて1層が形
成され、発泡ポリエチレンの被覆2により直接に被覆さ
れた6心用の気送用光ファイバ心線である。発泡ポリエ
チレンの被覆2は、内壁面が、隣接する光ファイバ素線
1の外周の間に生じた空隙に適度に食い込むように製造
されている。全ての光ファイバ素線1を一括して17c
mにわたり被覆2から引き抜く際に生じる引き抜き力の
最大値は、外層の6本の光ファイバ素線の1本当たり、
50〜160gである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チューブ内を送通
布設される気送用光ファイバ心線の構造および気送用光
ファイバ心線の選別方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ心線の布設方法として、あら
かじめ布設されたチューブ内に光ファイバ心線を気流に
より送通布設する圧送工法が知られている。図9は、従
来の気送用光ファイバ心線の断面図である。図中、1は
光ファイバ素線、3は介在紐、11は一次被覆、12は
二次被覆である。この従来技術は、例えば特開平2−2
8905号公報に記載されているような気送用光ファイ
バ心線であって、4本の光ファイバ素線1と3本の介在
紐3を集束し、一次被覆11を施した外周に、さらに二
次被覆12を施した構造の光ファイバ心線である。1本
の介在紐3の周囲に4本の光ファイバ素線1と2本の介
在紐3が1層となって配置されている。光ファイバ素線
1と介在紐3が同径である場合には、両者の配置および
本数が任意に変更できる。
【0003】光ファイバ素線1は、外径0.125mm
φのガラスファイバに紫外線硬化型樹脂が塗布された外
径0.25mmφのものであり、介在紐3は、外径0.
25mmφのポリエステル紐である。一次被覆11とし
てナイロン、二次被覆12として発泡ポリエチレンを用
いた、外径が2mmφの気送用光ファイバ心線である。
【0004】図9に示した従来技術では、一次被覆11
の物性を適切なものとして伝送特性を良好にしている。
しかし、2層の被覆が必要であるため、製造設備の複雑
化、あるいは製造工程の多工程化が必須であり、製造性
が低く、製造コストが高くなる。
【0005】また、伝送特性を高めるために利用した一
次被覆11は弾性率が高い密な構造体のため、光ファイ
バ心線端末等で内部の光ファイバ素線1を取り出す際
に、高弾性の1次被覆11がはがれにくく、分離がむず
かしいという問題があり、介在紐3の少なくとも1本に
引き裂き紐の機能を持たせる必要があった。
【0006】この一次被覆11を除去することも考えら
れるが、不用意に一次被覆11をなくした場合には、二
次被覆12である発泡ポリエチレンの収縮応力等が光フ
ァイバ素線1に直接的に作用するため、安定した伝送性
能が確保できなかった。また、圧送性能も不安定とな
る。例えば、1000m長を5気圧の空気を用いて圧送
した際に、所要圧送時間が長くなったり、全長の圧送が
できなくなる現象が見られた。このような理由で、一次
被覆11のない気送用光ファイバ心線は、従来顧みられ
ることがなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、あらかじめ布設されたチュ
ーブ内を気流により送通される光ファイバ心線であっ
て、特に簡素な構造で圧送特性,伝送特性ともに優れる
気送用光ファイバ心線を提供すること、および、このよ
うな気送用光ファイバ心線を容易に選別できる気送用光
ファイバ心線の選別方法を提供することを目的とするも
のである。本発明は、一次被覆をなくした上述の気送用
光ファイバ心線の特性を安定させるための検討を行なっ
た結果なされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おいては、気送用光ファイバ心線において、少なくとも
1本の光ファイバ素線を含む複数本の心材が円周上に配
列されてなる層を少なくとも1層有し、発泡ポリエチレ
ンの被覆が前記層の最外層の上に直接に被覆され、前記
心材を一括して17cmにわたり前記被覆から引き抜く
際に生じる引き抜き力の最大値が、前記最外層にある前
記心材の1本当たり、50〜160gであることを特徴
とするものである。
【0009】請求項2に記載の発明においては、気送用
光ファイバ心線において、少なくとも1本の光ファイバ
素線を含む複数本の心材が円周上に配列されてなる層を
少なくとも1層有し、発泡ポリエチレンの被覆が前記層
の最外層の上に直接に被覆され、前記心材を一括して1
7cmにわたり前記被覆から引き抜く際に生じる引き抜
き力の最大値が、前記最外層にある前記心材の1本当た
り、50〜120gであることを特徴とするものであ
る。
【0010】請求項3に記載の発明においては、少なく
とも1本の光ファイバ素線を含む複数本の心材が円周上
に配列されてなる層を少なくとも1層有し、発泡ポリエ
チレンの被覆が前記層の最外層の上に直接に被覆された
気送用光ファイバ心線の選別方法であって、前記心材を
一括して前記被覆から引き抜く際に生じる引き抜き力の
最大値を測定することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の気送用光ファイ
バ心線の第1の実施の形態の断面図である。図中、図9
と同様な部分には同じ符号を用いて説明を省略する。2
は被覆であり、図9の二次被覆12と同様のものであ
る。この実施の形態は、7本の光ファイバ素線1を有
し、そのうちの1本が中心に、この周囲の円周上に6本
が配列されて1層が形成され、発泡ポリエチレンの被覆
2により直接に被覆された6心の気送用光ファイバ心線
である。なお、中心の光ファイバ素線など1本の光ファ
イバ素線を使用しないことで6心となるが、全ての光フ
ァイバ素線を使用してもよい。光ファイバ素線1は、シ
ングルモード型,グレーデッド・インデックス等のマル
チモード型など、いずれでもよく種別を問わない。
【0012】発泡ポリエチレンの被覆2は、直接に光フ
ァイバ素線1の上に被覆されるが、被覆2の層は、ほぼ
円筒形状であって、断面外周は円形であるが、内壁面が
部分的に光ファイバ素線1の外周の間に食い込み、光フ
ァイバ素線1との接触面積が適度に増加するように製造
されている。具体的に説明すると、光ファイバ素線1の
配列構造上、6本の光ファイバ素線1の外周に接する外
接円と光ファイバ素線1の外周との間に空隙が生じる。
この空隙に被覆2の発泡ポリエチレン層が適度に食い込
むように製造されている。
【0013】発泡ポリエチレン層は熱可塑性樹脂や硬化
型樹脂などとは異なり、成型時の収縮が少なく、成型時
には光ファイバ素線1を締めつける力が少ない。このた
め、被覆2と光ファイバ素線1が密に付着している場合
には、発泡ポリエチレン層の周囲温度変化による収縮や
膨張により、光ファイバ素線1に歪みが加わるため、伝
送損失が増加する。一方、圧送時に締め付け力が小さい
場合には、光ファイバ素線1が発泡ポリエチレン層の被
覆2と離れて動くため、曲がったチューブ中を送通され
る途中で、簡単に曲がり癖がついてしまい、圧送性能が
低下する。したがって、空隙に被覆2の発泡ポリエチレ
ン層が適度に食い込むように製造条件が定められる。
【0014】図2は、本発明の気送用光ファイバ心線の
第2の実施の形態の断面図である。図中、図9,図1と
同様な部分には同じ符号を用いて説明を省略する。この
実施の形態は、中心に配置された介在紐3の周囲の円周
上に8本の光ファイバ素線1が配列されて1層が形成さ
れ、発泡ポリエチレンの被覆2により直接に被覆された
8心の気送用光ファイバ心線である。図1を参照して説
明した第1の実施の形態と同様に、隣接する光ファイバ
素線1の外周の間の間隙に被覆2の発泡ポリエチレン層
が適度に食い込むように製造される。
【0015】図3は、本発明の気送用光ファイバ心線の
第3の実施の形態の断面図である。図中、図9,図1と
同様な部分には同じ符号を用いて説明を省略する。この
実施の形態は、4本の光ファイバ素線1が中心点の周囲
の仮想の円周上に配列されて1層が形成され、発泡ポリ
エチレンの被覆2により直接に被覆された4心の気送用
光ファイバ心線である。図1,図9を参照して説明した
第1,第2の実施の形態と同様に、隣接する光ファイバ
素線1の外周の間の間隙に被覆2の発泡ポリエチレン層
が適度に食い込むように製造される。
【0016】また、上述した各実施の形態においては、
図2の介在紐3を除き、全ての心材を複数本の光ファイ
バ素線1としたが、従来技術と同様に、これらの光ファ
イバ素線1の一部を介在紐3に置き換えてもよい。光フ
ァイバ素線1と介在紐3とは、心材として同様に扱うこ
とができる。
【0017】気送用光ファイバ心線の伝送損失増加およ
び圧送性能を測定することにより、異なる製造条件で製
造された良好な気送用光ファイバ心線を選別して、最適
な製造条件を見いだしたり、同一条件で製造された複数
の気送用光ファイバ心線から良好な気送用光ファイバ心
線を選別して使用することができる。
【0018】あるいは、光ファイバ素線1の動き易さが
伝送損失増加および圧送性能に関係すると考えられるた
めに、この動き易さで気送用光ファイバ心線を選別する
ことができる。光ファイバ素線1の動き易さを直接的に
評価する方法として、光ファイバの引き抜き力を定義す
ることができる。複数本の光ファイバ素線1をまとめて
一体とし、これを被覆2から引き抜くとき、外側の層を
構成する光ファイバ素線1の1本当たりに生じる最大の
力の大きを引き抜き力と定義する。なお、図1に示した
第1の実施の形態では、外側の層を構成する光ファイバ
素線1の数は6本である。具体的には、後述する実施例
で説明する。
【0019】この光ファイバの引き抜き力を測定するこ
とにより、伝送損失増加および圧送性能を測定すること
なく、気送用光ファイバ心線を容易に選別することがで
きる。なお、図1ないし図3に示した各実施の形態で
は、光ファイバ素線1の層数は1層であったが、2層以
上でもよく、この場合、最外層の光ファイバ素線1の層
と発泡ポリエチレンの被覆2との間の引き抜き力が光フ
ァイバ素線1の動き易さに関与するため、最外層の光フ
ァイバ素線1の1本当たりの引き抜き力をパラメータと
すればよい。
【0020】
【実施例】図1ないし図3を参照して説明した、第1な
いし第3の実施の形態の気送用光ファイバ心線を、押出
ダイスの径、クロスヘッド(ニップル)の温度、樹脂圧
力等を変えて試作した。光ファイバ素線1は、ガラス径
0.125mmφのシングルモード光ファイバが紫外線
硬化型樹脂で被覆されたもので外径が0.25mmφで
ある。図1の構造において、発泡ポリエチレンの被覆2
の外径は1.5mmである。図2の構造において、介在
紐3は、外径0.40mmφのポリエチレンテレフタレ
ート(PET)であり、発泡ポリエチレンの被覆2の外
径は1.8mmである。図3の構造において、発泡ポリ
エチレンの被覆2の外径は1.3mmである。
【0021】図4は、シングルモード光ファイバを用い
て試作した気送用光ファイバ心線について、製造条件、
引き抜き力、伝送特性、圧送特性の測定結果を表わす説
明図である。内径6mmで全長1000mのチューブに
7気圧で試作品を圧送した測定結果を示し、心数、ダイ
ス径(mm)、ダイス温度(゜C)、樹脂圧力(BA
R)、最外層の光ファイバ素線の1心当たりの引き抜き
力(g)、伝送損失増加(dB/km)、圧送距離
(m)が示されている。
【0022】引き抜き力の測定方法について説明する。
全長200mmの気送用光ファイバ心線の端末から、発
泡ポリエチレンの被覆2を、30mmにわたり除去し
て、複数本の光ファイバ素線1等の心材部分をまとめて
一体として歪みゲージに固定する。残りの170mmの
部分を粘着テープにより移動台に貼り付ける。この移動
台を5cm/分の速度で移動させたときに発生する最大
発生応力を測定する。この最大発生応力を、最外層の光
ファイバ素線1本当たりに換算した値として引き抜き力
を定義した。
【0023】伝送損失増加とは、室温から−20゜Cま
で温度を下げた際の光ファイバ素線1の伝送損失の増加
量であるが、特に、複数本の光ファイバ素線1のそれぞ
れの伝送損失の増加量の中で、最大となる値を用いた。
測定波長は1.55μmである。
【0024】圧送距離は、気送用光ファイバ心線が圧送
された距離を表わすが、この値が1000mのときは、
チューブを通り抜けたことを意味する。1000m未満
であるときは、チューブの途中で引っかかり、それぞれ
の伝送距離の位置で停止したことを意味する。
【0025】図5は、図4の測定結果に基づいて、引き
抜き力に対する圧送特性および伝送特性の関係を表わす
線図である。図中、横軸は最外層の光ファイバ素線の1
心当たりの引き抜き力(g)、縦軸左側は圧送距離
(m)、縦軸右側は伝送損失増加(dB/Km)を表わ
す。この図4,図5から明らかなように、伝送特性およ
び圧送特性は、気送用光ファイバ心線の最外層の心数に
よらず、ほぼ同一線上に並ぶことがわかった。これは、
最外層の光ファイバ素線1が発泡ポリエチレンの被覆2
と接して直接影響を受けるためと考えられる。
【0026】1000mの圧送性能が確保できるのは、
引き抜き力が50g/心以上の範囲であった。また、伝
送損失増加が、測定限界に近い十分小さな0.03dB
/km以下となるのは、引き抜き力が120g/心以下
であった。室温から−20゜Cまで温度を下げた際の伝
送損失増加が0.10dB/km以下となるのは、引き
抜き力が160g/心以下であった。伝送損失増加が
0.03dB/km以下である場合には、高品位な伝送
特性が得られるが、0.10dB/km以下であれば実
用上十分な伝送特性が得られる。
【0027】図6は、6心の気送用光ファイバ心線の試
作品の概略断面図であり、図6(A)は引き抜き力の小
さいもの、図6(B)は、引き抜き力の大きいものの概
略断面図である。図中、図9,図1と同様な部分には同
じ符号を用いて説明を省略する。図6(A)は試作番号
4、図6(B)は試作番号8の概略断面図である。な
お、上述した図1の断面図は試作番号6の概略断面図で
ある。引き抜き力の増加に対応して、発泡ポリエチレン
層の被覆2が光ファイバ素線1の空隙に食い込み、光フ
ァイバ素線1との接触面が増加している。それととも
に、圧送距離は長くなるが伝送損失が増加する。
【0028】図7は、8心の気送用光ファイバ心線の試
作品の概略断面図であり、図7(A)は引き抜き力の小
さいもの、図7(B)は、引き抜き力の大きいものの概
略断面図である。図中、図9,図1と同様な部分には同
じ符号を用いて説明を省略する。図7(A)は試作番号
9、図7(B)は試作番号14の概略断面図である。な
お、上述した図2の断面図は試作番号11の概略断面図
である。引き抜き力の増加に対応して、図6と同様の傾
向を有する。
【0029】図8は、マルチモード光ファイバを用いて
試作した気送用光ファイバ心線について、引き抜き力に
対する伝送特性の関係を表わす線図である。光ファイバ
素線1は、コア径62.5μm、ガラス径125μm、
紫外線硬化型樹脂の被覆径250μmのグレーデッドイ
ンデックス型マルチモード光ファイバである。図1,図
2の構造において、光ファイバ素線1の外径、発泡ポリ
エチレンの被覆2の外径、ポリエチレンテレフタレート
(PET)の介在紐3の外径は、図4,図5を参照して
説明したシングルモード光ファイバを使用した実施例と
同様である。測定波長は1.3μmである。
【0030】なお、構造上はシングルモード光ファイバ
と同じであるため、圧送特性については、図4,図5と
同様の特性になり、1000mの圧送性能が確保できる
のは、引き抜き力が50g/心以上の範囲であった。
【0031】図8から明らかなように、マルチモード光
ファイバの伝送特性も、気送用光ファイバ心線の最外層
の心数によらず、ほぼ同一線上に並んだ。室温から−2
0゜Cまで温度を下げた際の伝送損失増加が、単心の光
ファイバ素線並であって外被による損失変動のない領域
となるのは、引き抜き力が120g/心以下であった。
伝送損失増加が0.2dB/km以下を確保できる領域
は、引き抜き力が160g/心以下であった。シングル
モード光ファイバを使用した場合に比べ、伝送損失増加
が大きくなることは避けられない。しかし、マルチモー
ド光ファイバを使用するという前提、あるいは、低温環
境では使用しないという前提に立てば、0.2dB/k
m以下のときには、実用上十分な伝送特性が得られる。
【0032】光ファイバ素線1がシングルモード光ファ
イバ、マルチモード光ファイバ、いずれであっても、心
材を一括して17cmにわたり前記被覆から引き抜く際
に生じる引き抜き力の最大値が、最外層にある心材の1
本当たり、50〜160gであること、あるいは、さら
に50〜120gであることを条件として、低温環境で
の伝送損失増加が少なく圧送性能が良好な気送用光ファ
イバ心線を選別することができる。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、少なくとも1本の光ファイバ
素線を含む複数本の心材が円周上に配列されてなる層を
少なくとも1層有し、発泡ポリエチレンの被覆が層の最
外層の上に直接に被覆され、心材を一括して17cmに
わたり被覆から引き抜く際に生じる引き抜き力の最大値
が、最外層にある心材の1本当たり、50〜160gで
あることから、簡素な構造で圧送特性、伝送特性に優れ
るという効果がある。
【0034】具体的には、例えば、シングルモード光フ
ァイバを使用した場合、室温から−20゜Cまで温度を
下げた際の光ファイバ素線1の伝送損失の増加量の最大
値は、0.10dB/km以下となり、実用上十分な伝
送特性が得られる。一方、内径6mmのチューブにおい
て7気圧で1000mの圧送性能が確保できる。心線数
が4心,6心,8心に関わらず同等の特性が得られる。
【0035】一回の被覆工程により気送光ファイバ心線
を製造できるため、製造コストの低減、材料費の削減が
でき、1次被覆がない分だけ気送光ファイバ心線自体の
外径を小さくすることができるという効果がある。さら
に、多孔質で容易に除くことのできる発泡ポリエチレン
の被覆は除去性に優れ、心線の端末処理作業が容易にな
るという効果がある。
【0036】請求項2に記載の発明によれば、少なくと
も1本の光ファイバ素線を含む複数本の心材が円周上に
配列されてなる層を少なくとも1層有し、発泡ポリエチ
レンの被覆が層の最外層の上に直接に被覆され、心材を
一括して17cmにわたり被覆から引き抜く際に生じる
引き抜き力の最大値が、最外層にある心材の1本当た
り、50〜120gであることから、簡素な構造で圧送
特性、伝送特性に優れるという効果がある。
【0037】具体的には、例えば、シングルモード光フ
ァイバを使用した場合、室温から−20゜Cまで温度を
下げた際の光ファイバ素線1の伝送損失の増加量の最大
値は、0.03dB/km以下となり、高品位な伝送特
性が得られる。一方、内径6mmのチューブにおいて7
気圧で1000mの圧送性能が確保できる。心線数が4
心,6心,8心に関わらず同等の特性が得られる。
【0038】請求項1に記載の発明と同等の圧送性能が
確保でき、また、請求項1に記載の発明と同様に、製造
コストの低減、材料費の削減、心線自体の外径を小さく
することができ、心線の端末処理作業が容易になるとい
う効果がある。
【0039】請求項3に記載の発明によれば、少なくと
も1本の光ファイバ素線を含む複数本の心材が円周上に
配列されてなる層を少なくとも1層有し、発泡ポリエチ
レンの被覆が層の最外層の上に直接に被覆された気送用
光ファイバ心線の選別方法であって、心材を一括して前
記被覆から引き抜く際に生じる引き抜き力の最大値を測
定することから、低温環境での伝送損失増加が少なく圧
送性能が良好な気送用光ファイバ心線を容易に選別する
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気送用光ファイバ心線の第1の実施の
形態の断面図である。
【図2】本発明の気送用光ファイバ心線の第2の実施の
形態の断面図である。
【図3】本発明の気送用光ファイバ心線の第3の実施の
形態の断面図である。
【図4】シングルモード光ファイバを用いて試作した気
送用光ファイバ心線について、製造条件、引き抜き力、
伝送特性、圧送特性の測定結果を表わす説明図である。
【図5】図4の測定結果に基づいて、引き抜き力に対す
る圧送特性および伝送特性の関係を表わす線図である。
【図6】6心の気送用光ファイバ心線の試作品の概略断
面図であり、図6(A)は引き抜き力の小さいもの、図
6(B)は、引き抜き力の大きいものの概略断面図であ
る。
【図7】8心の気送用光ファイバ心線の試作品の概略断
面図であり、図7(A)は引き抜き力が小さいもの、図
7(B)は、引き抜き力の大きいものの概略断面図であ
る。
【図8】マルチモード光ファイバを用いて試作した気送
用光ファイバ心線について、引き抜き力に対する伝送特
性の関係を表わす線図である。
【図9】従来の気送用光ファイバ心線の断面図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ素線、2…被覆、3…介在紐、11…一
次被覆、12…二次被覆。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1本の光ファイバ素線を含む
    複数本の心材が円周上に配列されてなる層を少なくとも
    1層有し、発泡ポリエチレンの被覆が前記層の最外層の
    上に直接に被覆され、前記心材を一括して17cmにわ
    たり前記被覆から引き抜く際に生じる引き抜き力の最大
    値が、最外層にある前記心材の1本当たり、50〜16
    0gであることを特徴とする気送用光ファイバ心線。
  2. 【請求項2】 少なくとも1本の光ファイバ素線を含む
    複数本の心材が円周上に配列されてなる層を少なくとも
    1層有し、発泡ポリエチレンの被覆が前記層の最外層の
    上に直接に被覆され、前記心材を一括して17cmにわ
    たり前記被覆から引き抜く際に生じる引き抜き力の最大
    値が、最外層にある前記心材の1本当たり、50〜12
    0gであることを特徴とする気送用光ファイバ心線。
  3. 【請求項3】 少なくとも1本の光ファイバ素線を含む
    複数本の心材が円周上に配列されてなる層を少なくとも
    1層有し、発泡ポリエチレンの被覆が前記層の最外層の
    上に直接に被覆された気送用光ファイバ心線の選別方法
    であって、前記心材を一括して前記被覆から引き抜く際
    に生じる引き抜き力の最大値を測定することを特徴とす
    る気送用光ファイバ心線の選別方法。
JP7295112A 1995-11-14 1995-11-14 気送用光ファイバ心線およびその選別方法 Pending JPH09138331A (ja)

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