JPH09137978A - 給気噴霧式の小型加湿器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被加湿空間に設置する加湿器の加湿機能を効
果的に増大させ、大幅な小型化、低廉化をも実現する。 【構成】 小型加湿器において下半部に、液水量の増減
に伴い外部給液路が開閉可能に設けられた液水タンクが
収容されたノズルケーシングの上部に複数個の噴霧ノズ
ルを装着可能なノズル部が設けられてなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は加湿が必要な使用空間、
例えば雰囲気湿度を所望のレベルにするような調湿また
は静電気の帯電防止等を実現する要のある印刷工場、塗
装工場等々、あるいはきのこ等の、調湿を要する栽培場
等に採用して有用な給気噴霧式の小型加湿器に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記の使用空間に使用可能な加湿器とし
ては例えば日本特開平５−７９６６４に開示のものが挙
げられる。この特開平５−７９６６４発明にはケーシン
グに取付けたノズルに圧縮空気と水液との供給手段を具
備させ、ケーシングが上部と下部とに仕切られ、その下
部に水液タンクが設けられると共にその上部にノズルと
圧縮空気および水液の供給手段のアダプタとを設置し、
水液タンクの底面近傍に垂下させた吸液パイプをアダプ
タの吸流孔に連通させ、且つこの水液タンクに貯液量に
応じて昇降するフロートを装着し、このフロートの上端
にケーシングに設置された止水弁装置の止水レバーを貯
液量を少量に制御せしめるよう連係させた加湿器が開示
される。当該加湿器においてはノズルに圧縮空気を通過
させて液水タンクから吸液パイプを介し液水を吸い上げ
つつ圧縮空気と水液とを混合し、ノズルから噴霧が行な
われることになる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来の加湿装置
にあっては水液タンクの貯液量を出来る限り少量にする
ことによって細菌の発生等を防止すること、且つケーシ
ングを上部と下部とに仕切って隔離せしめることにより
ケーシング上部と下部との夫々に装着せしめる構成部材
の脱着を自在にすることのような作用は一応実現されよ
う。

【０００４】一方特に印刷工場、塗装工場あるいはま
た、きのこなどの栽培場等における雰囲気湿度の所定の
レベルへの調整、ないしは帯電防止のための加湿等々を
実現する加湿器は大量に使用されるから、一の加湿器に
よる加湿機能を増大せしめると共に加湿器の設置空間を
最小限にするため大幅な小型化を図ることが要求されて
いる。

【０００５】しかしながら上述の従来の加湿装置にあっ
ては、例えばケーシングが上部と下部とに隔絶するよう
に区分されるから、水液タンクの小形化が図られても、
ケーシングが上、下部に区分けして配列される上、加湿
機能を増大すべく複数個のノズルを上部に設置すれば加
湿器の外形が相当大になり、また多数個の加湿器を設置
すれば設置空間が大になる問題がある。

【０００６】しかして本発明の目的は充分に加湿機能を
増大させ得ると共に、大幅に小形化を促進し得、且つま
た充分な低廉化をも図り得る給気噴霧式小形加湿器を提
供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明においては、ノズ
ルケーシング１０Ａと、ノズルケーシング内の下半部に
収容される液水タンク１８と、ノズルケーシング１０Ａ
の上部に配設されるノズル部１１と、液水タンク１８内
に配設され、液水タンク１８内の液水量に応じて変位す
るフロート２８と、フロート２８の変位に応動し、外部
からの給液路を開閉する弁体とを備え、ノズル部１１は
複数個の噴霧ノズル１１Ａを装着可能な装着部１３と、
給気口１４および給気口１４に連通し装着部１３に達す
る内部給気路１５と、液水タンク１８に接続されたサイ
ホン管１９に連通し装着部１３に達する内部給液路１６
とを具備し、噴霧ノズル１１は内部給気路１５並びに内
部給液路１６と連通し、給気の外部への送出に伴い、内
部給液路内の液水を装着部１３方向へ吸引して気液を衝
突・混合し噴霧可能に設けられてなる給気噴霧式の小型
加湿器によって上記の目的が達成される。

【０００８】

【作用】上述の構成により本発明の給気噴霧式の小形加
湿器にあっては、単一の液水タンクに複数のノズルを具
備させるから加湿機能を増大でき、且つ複数個のノズル
の一以上を弾性栓体に置換可能に設けることにより調湿
を容易にし得ると共に多様性を持たせ得る。

【０００９】

【実施例】図１〜図６を参照するに、本発明による給気
噴霧式の小形加湿器１０が示されており、この小形加湿
器１０にはノズルケーシング１０Ａが包有される。ノズ
ルケーシング１０Ａは好ましくは下ケーシング１０Ａ１
に上ケーシング１０Ａ２を嵌着させて一体化され得、ノ
ズルケーシング１０Ａの上部にはノズル部１１が設置さ
れる。ノズル部１１にはノズル本体１２が備えられ、ノ
ズル本体１２は複数の装着部１３を具備している。装着
部１３は図示の実施例では４個具備されるが、必要に応
じ３個以下、あるいは５個以上を設けることもできる。
またノズル本体１２はその上端部に給気口１４が具備さ
れており、給気口１４は内部給気路１５と連通され、内
部給気路１５は複数個の装着部１３の端面に達して開口
される。更にノズル本体１２には複数個の装着部１３の
夫々に達するような内部給液路１６が設けられ、各装着
部１３の端面で開口されている。この場合内部給液路１
６は各装着部１３において中心部に位置するように形成
され、且つ内部給気路１５はこの内部給液路１６を外囲
する位置に形成される。内部給気路１５並びに内部給液
路１６は図示のように４個の装着部１３を具備する構成
では底面から見て十字路態様に形成される。

【００１０】且つまた内部給液路１６はノズルケーシン
グ１０Ａ内においてその中心線に沿い垂直に延びる接続
管部１７を有し、ノズルケーシング１０Ａの下半部に形
成された液水タンク１８から延出されるサイホン管１９
に液密に接続される。接続管部１７とサイホン管１９と
の連係は止めビス２０等によりノズルケーシング１０Ａ
内の、好ましくは液水タンク１８の直上に設置されるタ
ンクカバー２１面上で行なわれ得る。この場合サイホン
管１９がタンクカバー２１を貫通して上向きに突出さ
れ、内部給液路１６の接続管部１７に接続される。

【００１１】タンクカバー２１の周部の適所にはニード
ルガイド２２に支承されたニードル弁体２３が装着さ
れ、ニードル弁体２３はニードル弁座２４に離接可能に
設けられている。またニードル弁体２３はノズルケーシ
ング１０Ａ内に垂直に貫通された外部給液菅２５に接続
され、延いてはストレーナ２６を介し給液口２７に連通
される。

【００１２】液水タンク１８内にはこの液水タンク１８
の下半分を越えるような大きさに設けられたフロート２
８が配設され、このフロート２８にはサイホン管１９が
貫通されていてフロート２８がサイホン管１９に沿って
上下動可能に設けられる。またフロート２８には突出部
２９が具備され、且つ一端が液水タンク１８内の壁部近
傍において好適な支持部を介し枢支された作動レバー３
０の自由端が位置せしめられる。作動レバー３０にはニ
ードル弁体２３の相応する位置に突部３１が具備され、
液水タンク１８内の液水量に応じたフロート２８の上下
動に伴い、ニードル弁体２３が開閉動作せしめられる。

【００１３】一方ノズル本体１２の装着部１３には噴霧
ノズル１１Ａあるいは弾性体で形成された止栓体１１Ｂ
が装着可能に設けられる。噴霧ノズル１１Ａおよび止栓
体１１Ｂは輪郭が実質的に同一になるように形成されて
おり、相互に互換性が持たせられている。噴霧ノズル１
１Ａは弾性体のノズルパッキン３２を介して各装着部１
３の端部に液密に直接装着されるノズルボディ３３と、
このノズルボディ３３に抱合され、装着部１３の端部に
嵌着されるノズルキャップ３４により固定されるノズル
チップ３５とを有する。ノズルボディ３３とノズルチッ
プ３５とには内部給液路１６の端部に連通する貫通路３
６と液送出口３７が具備され、且つ貫通路３６並びに液
送出口３７を外囲する位置に配置され、内部給気路１５
に連通する導入気路３８とジェット気流送出口３９とが
具備されている。当該噴霧ノズル１１Ａは精度を持たせ
て形成されるノズルチップ３５を除き、強化プラスチッ
クで形成せしめ、軽量化を図ることが望ましい。

【００１４】上述の小型加湿器１０において、液水タン
ク１８内に所定レベル以上の液水量が確保されていると
きはフロート２８が上動して作動レバー３０の突部３１
を介しニードル弁体２３が押上げられ、ニードル弁座２
４にニードル弁体２３が着座して外部給液管２５から液
水タンク１８への液水の供給が遮断される。一方液水タ
ンク１８内の液水量が所定レベル以下になると、フロー
ト２８の下動に伴い、作動レバー３０の突部３１がニー
ドル弁座２４から離間し、ニードル弁体２３が外部給液
管２５を経て流入する液水の圧力を受けて下動する。こ
れにより外部給液管２５からの液水が液水タンク１８へ
円滑に供給される。

【００１５】また給気口１４から圧縮気が給送され、内
部給気路１５を経て噴霧ノズル１１Ａのノズルボディ３
３、並びにノズルチップ３５の導入気路３８並びにジェ
ット気流送出口３９を経、噴霧ノズル１１Ａの噴霧中心
に向い噴出されると、内部給液路１６に対し貫通路３６
並びに液送出口３７の方向に向かう吸引作用が生じる。
これに伴い液水タンク１８、サイホン管１９、内部給液
路１６、貫通路３６並びに液送出口３７の経路で液水が
送出され、噴霧ノズルの噴霧中心で圧縮気と衝突・混合
され、噴霧ノズル１１Ａの使用空間に混合気流を噴霧
し、加湿する。

【００１６】このときノズル本体１２の全装着部１３に
噴霧ノズル１１Ａを装着してもよく、また装着部１３の
一以上に止栓体１１Ｂを装着して噴霧・加湿レベルを減
じることもできる。

【００１７】更に図７に示すように複数個の小型加湿器
１０を、一対の給気ライン４０と給液ライン４１とを夫
々、給気口１４と外部給液管２５とに接続させて配列せ
しめ、必要ならば給気ライン４０と給気口１４との間に
配設した給気レギュレータ４２、並びに給液ライン４１
と外部給液管２５との間に配設した調整バルブ４３を適
宜に制御動作せしめて、給気、給液を制御・調整しつ
つ、複数個の小型加湿器１０から好適な加湿動作を実行
できる。また例えば給気ライン４０にソレノイド弁装置
４４並びに給気加熱装置４５を装着せしめ、給気温を適
切に制御し、且つソレノイド弁装置４４を遠隔制御して
給気してもよい。図７の実施態様の場合一対のみの給
気、給液ライン４０、４１を共用して複数の小型加湿器
１０を配列するから、小型加湿器１０の設置空間を最小
限にできる。

【００１８】

【発明の効果】上述の構成の小型加湿器１０において
は、単一の液水タンク１８を併用してノズル本体１２の
複数個の装着部１３に複数個の噴霧ノズル１１Ａを夫々
設置するから、加湿機能を顕著に増大でき、且つ一以上
の装着部１３に適宜に、噴霧ノズル１１Ａと互換性のあ
る止栓体１１Ｂを装着せしめて加湿機能の加減も遂行し
得、また単一の加湿器１０に複数個の噴霧ノズル１１Ａ
の設置を可能にするから超小型化をも実現でき、且つ構
成が簡潔でコンパクトな構成にすることにより、量産性
に富ませ、低廉化を図ることができる等の効果を達成で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明による給気噴霧式の小型加湿器の
実施例の正面図である。

【図２】図２は図１の小型加湿器の分解斜視図である。

【図３】図３は図１の小型加湿器の断面図である。

【図４】図４は図１の小型加湿器の一部を切開して示す
側面図である。

【図５】図５は図１の小型加湿器の部分断面図である。

【図６】図６は図１の小型加湿器における噴霧ノズルの
部分断面図である。

【図７】図７は図１の小型加湿器の別の実施態様の斜視
図である。

【符号の説明】

１０ 小型加湿器 １０Ａ ノズルケーシング １０Ａ１ 下ケーシング １０Ａ２ 上ケーシング １１ ノズル部 １１Ａ 噴霧ノズル １１Ｂ 止栓体 １２ ノズル本体 １３ 装着部 １４ 給気口 １５ 内部給気口 １６ 内部給液路 １７ 接続菅部 １８ 液水タンク １９ サイホン管 ２０ 止めビス ２１ タンクカバー ２２ ニードルガイド ２３ ニードル弁体 ２４ ニードル弁座 ２５ 外部給液菅 ２６ ストレーナ ２７ 給液口 ２８ フロート ２９ 突出部 ３０ 作動カバー ３１ 突部 ３２ ノズルパッキン ３３ ノズルボディ ３４ ノズルキャップ ３５ ノズルチップ ３６ 貫通路 ３７ 液送出口 ３８ 導入気路 ３９ ジェット気流送出口 ４０ 給気ライン ４１ 給液ライン ４２ 給気レギュレータ ４３ 調整バルブ ４４ ソレノイド弁装置 ４５ 給気加熱装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ノズルケーシング１０Ａと、ノズルケー
   シング内の下半部に収容される液水タンク１８と、ノズ
   ルケーシング１０Ａの上部に配設されるノズル部１１
   と、液水タンク１８内に配設され、液水タンク１８内の
   液水量に応じて変位するフロート２８と、フロート２８
   の変位に応動し、外部からの給液路を開閉する弁体とを
   備え、ノズル部１１は複数個の噴霧ノズル１１Ａを装着
   可能な装着部１３と、給気口１４および給気口１４に連
   通し装着部１３に達する内部給気路１５と、液水タンク
   １８に接続されたサイホン管１９に連通し装着部１３に
   達する内部給液路１６とを具備し、噴霧ノズル１１は内
   部給気路１５並びに内部給液路１６と連通し、給気の外
   部への送出に伴い内部給液路内の液水を装着部１３方向
   へ吸引して気液を衝突・混合し噴霧可能に設けられてな
   る給気噴霧式の小型加湿器。
2. 【請求項２】 ノズル部１１の装着部１３に噴霧ノズル
   １１Ａと同一の輪郭を持ち、且つ噴霧ノズルと互換性を
   持たせた止栓体１１Ｂが装着可能に設けられてなる請求
   項１の小型加湿器。
3. 【請求項３】 噴霧ノズル１１Ａは精度を持たせて形成
   されるノズルチップ３５を除き他部がプラスチック材で
   形成され、止栓体１１Ｂは弾性材で形成されてなる請求
   項２の小型加湿器。