JPH09137236A - カドミウムの回収方法およびスポンジカドミウム - Google Patents

カドミウムの回収方法およびスポンジカドミウム

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JPH09137236A
JPH09137236A JP7314938A JP31493895A JPH09137236A JP H09137236 A JPH09137236 A JP H09137236A JP 7314938 A JP7314938 A JP 7314938A JP 31493895 A JP31493895 A JP 31493895A JP H09137236 A JPH09137236 A JP H09137236A
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arsenic
copper
filtrate
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JP7314938A
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Yoshiaki Ihara
義昭 井原
Hiroshi Sato
浩 佐藤
Yasushi Isshiki
靖志 一色
Hidehiro Kuwabara
英広 桑原
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製錬工程で発生した銅、砒素、亜鉛、カドミ
ウムを含む廃酸から、カドミウムを回収する。 【解決手段】 亜砒酸製造プロセスの置換終液におい
て、Cu/As≧0.5として、濾過後、pHを4〜6
として、銅と砒素を沈澱させて除去した後に、カドミウ
ムを分離回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅製錬工程から排
出される廃酸からカドミウムや亜鉛を回収する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】銅製錬原料中には鉛、亜鉛、カドミウ
ム、砒素、ビスマスなどが不純物として存在しており、
これらを分離することが純度の高い電気銅を得るために
は不可欠となっている。また、公害防止の観点から、こ
れらの不純物元素を完全に回収することが求められてい
る。これらの不純物元素を分離、回収する方法として
は、まず不純物元素を転炉煙灰等に濃縮させ、これらの
煙灰を酸浸出等により分離回収するのが一般的である。
これらの方法は「銅製錬煙灰・含銅鉛ドロスの一括浸出
処理」(資源・素材’92(秋季大会)、p75)や、
特開平6−25763号公報、あるいは「佐賀関製錬所
における転炉ダストの湿式処理について」(日本鉱業会
誌/100・1154(’84−4)p375)などに
詳細に紹介されている通りである。ちなみに、これらの
方法の中で代表的なもののフローチャートを図2に示
す。
【0003】この方法では、煙灰を硫酸溶液で浸出し、
得られた浸出液に硫化水素を吹き込み、浸出液中の大部
分の銅イオンを硫化銅として沈澱させ、分離回収する。
次いで、得た脱銅終液に炭酸カルシウム等を添加し、p
Hを調整して硫酸根を石膏として系列に除去し、さらに
pHを調整し、液中の3価の鉄イオンと砒素とを沈澱さ
せるとともに、砒素を安定な砒酸鉄として、系外に除去
する。得られた中和終液に硫化水素を通して液中の銅イ
オンを完全に硫化銅として沈澱させ、系外に除去する、
次に、要すれば2価の鉄イオンを補給し、酸化処理をし
た後、pH調整し、鉄澱物を得、これを系外に除去す
る。この様にして得られた中和終液中にはZnとCdと
が含まれている。そのため、亜鉛粉末を添加し、Cdを
セメンテーションにより析出させて系外に除去し、水酸
化カルシウムを用いてpHを調節し、Znを水酸化亜鉛
として回収する。このようにして回収した銅化合物は、
銅製錬の原料として繰り返し、鉛、亜鉛、カドミウムを
主成分とする回収物は、鉛・亜鉛精錬用の原料として用
い、鉄、砒素化合物は銅製錬工程の乾式工程に繰り返し
てスラグ中に固定し、安定な形態として廃棄するか、亜
砒酸等の化合物や金属砒素用原料としている。
【0004】ところで、この様な煙灰等からの不純物の
回収方法には、以下のような問題がある。 1.全体のフローが複雑であり、また浸出工程や各分離
工程では複雑な工程管理が必要となる。 2.処理する煙灰量が比較的多量(100トン/月)で
あるため、設備投資、ランニングコスト、労務費が多大
になる。 3.回収物間の分離が完全でないため、あるいは回収物
の純度が低いために、鉛、亜鉛、カドミウムなどを含ん
だ回収物を鉛、亜鉛製錬工程で再精製する必要がある。 4.砒素が製品化できないので、中和工程の残滓を銅製
錬工程へ繰り返し、硫化砒素の保存、砒酸鉄としての積
立等を行っている。しかしながら、これらの方法には砒
素の銅製錬系への蓄積や環境上の問題、そして外部業者
への委託処理コストの問題などが残る。 5.煙灰を処理原料とするので、置き場の確保、物硫コ
ストの増加、さらには仕掛り金利の発生等の問題もあ
る。
【0005】これらの欠点の中で最も大きな問題は、砒
素が製品化できない点である。これに関し、煙灰の繰り
返し量を増やすなどにより、砒素をできるだけ排ガス中
に分配させ、排ガス洗浄時に発生する廃酸中に濃縮し、
この廃酸より主として砒素を回収しようとする方法があ
る。この方法は、図3に示すように、排ガス洗浄工程、
石膏回収工程、脱銅工程、置換抽出工程、AsO2 析出
工程、酸化抽出工程、還元析出工程とからなる。具体的
には、まず、製錬炉より排出される排ガスを洗浄して得
た廃酸に炭酸カルシウムを添加し、廃酸中の硫酸分を石
膏として回収する。その後、石膏回収後の液に硫化剤を
添加し、液中の銅と砒素とを硫化澱物として沈澱させ、
分離回収する。回収終液は他の廃水と合一して廃水処理
し、排出する。得られた硫化澱物は、硫酸銅水溶液によ
って置換抽出し、硫化澱物中の銅以外の金属(砒素、亜
鉛、カドミウム)を液中に溶出させる。
【0006】この置換抽出反応は以下の式1〜4に従う
と思われる。 [式1] As23+3CuSO4+4H2O → 2HAsO2
3CuS+3H2SO4 [式2] 2HAsO2 → As23+H2O [式3] ZnS+CuSO4 → ZnSO4+CuS [式4] CdS+CuSO4 → CdSO4+CuS
【0007】この抽出液中のHAsO2 を冷却し、As
23を析出させて、固液分離することにより、砒素を固
体として回収し、亜鉛、カドミウムは濾液として除去で
きる。この濾液(置換終液)の一部は、石膏回収工程に
払い出す。析出したAs23とCuSから成る置換残渣
を酸化抽出することにより、砒素を完全にH3AsO4
して液中に溶出させる。酸化抽出後、濾過を行い、Cu
Sを酸化抽出残渣として分離し、濾液は次の還元工程に
送られる。還元工程では、 酸化抽出液中のH3AsO4
を溶解度の低いHAsO2に還元することにより、As2
3を再析出させ、その後脱水、乾燥し、製品としてい
る。硫化澱物よりAs23を製造するプロセス、すなわ
ち図3中の破線で囲まれた範囲を亜砒酸製造プロセスと
称している。亜砒酸製造プロセスでは、鉛やビスマスは
廃酸を濾過した後の残渣として系外に払い出すことが可
能であり、亜鉛については脱銅工程における沈澱率が5
0%なので、残り50%は排水処理澱物中に安定な形で
固定し、廃棄可能である。しかし、カドミウムの分離、
回収が不可能という問題点が指摘されている。
【0008】すなわち、製錬工程で揮発したカドミウム
の一部は排ガス洗浄工程に入り、ここで発生する廃酸中
に全量吸収される。そして、上記脱銅工程で廃酸中のカ
ドミウムは、硫化カドミウムとして100%沈澱する。
そして、この沈澱物を硫酸銅水溶液で置換抽出すると、
カドミウムは100%抽出される。得られた抽出液(置
換終液)の1部は石膏回収工程に繰り返されるので、こ
の繰り返し液中のカドミウムは、置換抽出工程と石膏回
収工程と脱銅工程との間を循環し、置換終液中に次第に
蓄積して行く。カドミウムの1部は酸化抽出残渣に付着
し、銅製錬工程(自熔炉)に繰り返されるが、循環の輪
が拡大するだけで、カドミウムの効果的な系外への抜き
出しができない。したがって本プロセスには、唯一カド
ミウムだけが分離、回収できないという欠点を抱えてい
る。この問題を解消する手段として、酸化抽出渣量を増
やし、酸化抽出残渣への付着カドミウム量を増やす等の
手段がある。しかし、この手段は、製品化率を低下させ
るのみで、抜本的な解決とはいえない。また、煙灰の繰
り返し量を制限して、排ガスへ分配されるカドミウム量
を低減するという手段もある。しかし、この手段は、煙
灰の積み立て量を増加させることになり、これに伴う煙
灰中の有価金属の金利負担増という事態を招く。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、廃酸より銅
や砒素を回収するに際して、カドミウムの早期回収を可
能とする方法の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の方法
は、銅、砒素、亜鉛、カドミウムを含む硫酸性水溶液中
の銅と砒素との重量比(Cu/As)を0.5以上に調
整し、pHを4〜6として、銅と砒素を一括沈澱分離し
た後、得た濾液よりカドミウムを分離回収する。なお、
カドミウムの分離回収方法として、(1)該濾液に炭酸
ナトリウムを加えて炭酸カドミウムとしてカドミウムを
回収する方法、(2)該濾液に亜鉛粉末を加えて金属カ
ドミウムとしてカドミウムを回収する方法、(3)該濾
液のpHを上げて水酸化カドミウムとしてカドミウムを
回収する方法、(4)該濾液に硫化水素または硫化水素
ナトリウムを加えて硫化カドミウムとしてカドミウムを
回収する方法などがある。また、該濾液中の砒素を5価
に酸化した後、pHを4〜6として銅と砒素とを一括分
離した後、あるいは一括分離後の濾液にさらに鉄イオン
を添加して酸化により鉄と砒素とを沈澱分離して、砒素
を完全に分離した後、前記各種の方法によりカドミウム
を回収すれば、カドミウム中の砒素含有量を極少に抑え
られる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のカドミウム回収方法を図
1を用いて具体的に説明する。この方法は、銅、砒素、
亜鉛、カドミウムを含む硫酸性水溶液として図3の置換
終液を用い、これよりカドミウムを直接回収しようとす
る例で、1次中和工程、2次中和工程、および炭酸化工
程とから基本的に構成される。
【0012】図1の1次中和工程では、置換終液に粗酸
化銅を添加し、置換終液中の遊離硫酸を酸化銅で中和す
る。置換終液は、前記したように銅、砒素、亜鉛、カド
ミウムを含んだ硫化澱物を硫酸銅水溶液で置換抽出する
ことによって得られたものであり、通常50〜100g
/lの遊離硫酸が含まれている。1次中和工程の主目的
は、置換終液中の遊離硫酸で粗酸化銅中の酸化銅(Cu
OおよびCu2O) を溶解し、銅と砒素との割合を重量
比でCu/As=0.5以上に調整すると共に、次工程
での水酸化ナトリウム消費量と硫酸ナトリウム生成量を
抑えることである。なお、この工程は、置換終液中のC
u/Asが0.5以上となっていれば、省略することが
できる。また、亜砒酸製造プロセスで必要となる図3中
の硫酸銅水溶液(L−2抽出液)にもカドミウムと銅と
が多量に含有されており、このL−2抽出液を処理原液
として用いれば、1次中和工程を省略することもでき
る。次に、2次中和工程では、1次中和後の濾液を水酸
化ナトリウムで中和してpHを4〜6とする。ここで、
2次中和後の濾液中の銅と砒素濃度を下げるためには、
pHは高い方が好ましいが、高すぎると砒酸カドミウム
や水酸化カドミウムの沈澱物が生成して、カドミウム回
収率を低下させてしまう。したがって、2次中和工程の
pHは4から6の間に設定することが望ましい。また、
1次中和後の濾液を硫化銅の酸化触媒で空気酸化する
か、過酸化水素水で酸化して、あらかじめ濾液中の3価
の砒素を5価にしておけば、2次中和工程での砒素の除
去はより確実なものとなる。
【0013】2次中和工程では、砒酸銅(Cu(AsO
32・Cu3(AsO42・2H2OまたはCu3(As
42・4H2O)と水酸化第2銅(Cu(OH)2
ないしは銅と砒酸の複塩 (NaCaCu5(AsO44
ClまたはCu2(AsO4)OH)として、銅と砒素が
一括除去できる。2次中和工程で生成した沈澱物は、硫
酸で銅と砒素を再抽出することにより、亜砒酸製造プロ
セスの銅および砒素原料として使用でき、完全なクロー
ズドプロセスとなる。最後に、2次中和後の濾液に炭酸
ナトリウムを加えて、pH6〜9とし、生成した沈澱物
を濾過してカドミウムを炭酸カドミウムとして回収す
る。なお、この際亜鉛も水酸化亜鉛として共沈してく
る。この工程でpHを上げ過ぎるのは、炭酸ナトリウム
消費量が増加するだけでなく、水酸化亜鉛の生成量も増
えるので、あまり好ましくない。したがって炭酸化工程
でのpHは6〜9好ましくは7〜8とするのが良い。こ
の炭酸化工程で生成する沈澱物中の砒素を可能な限り低
減させるためには、2次中和後の濾液に過酸化水素水と
硫酸第一鉄等の鉄塩を加えて砒酸鉄を生成させた後、濾
過を行えば良い(精脱砒工程)。この精脱砒工程での試
薬量としては、過酸化水素が砒素との当量比で8倍以
上、硫酸第一鉄が砒素との当量比で3倍以上必要であ
る。
【0014】このようにして得られた炭酸カドミウム中
の銅と砒素の含有率は0.2%以下、カドミウム含有率
は40〜60%、亜鉛含有率は2〜8%である。この炭
酸カドミウムを再溶解し、亜鉛粉末を添加してスポンジ
カドミウムを生成させれば、これをそのまま蒸溜鋳造し
て、直ちに99.9%のカドミウムメタルを得ることが
できる。炭酸カドミウム中の砒素含有率は極めて低いた
めに、これを溶解して得た液には、亜鉛粉末を添加する
に際して有毒なアルシンガスが発生しない特徴がある。
なお、上記のようにして除去された砒素は、亜砒酸製造
プロセスにおける砒素製品の原料となることはいうまで
もない。
【0015】
【実施例】次に実施例を用いて本発明を更に説明する。 [実施例1]1次中和工程 亜砒酸製造プロセスで発生したCu2g/l、As22
g/l、Zn13g/l、Cd50g/l、遊離H2
468g/lの置換終液17m3 に粗酸化銅550K
gを溶解した。反応条件は、温度70℃、空気吹き込み
量3m3 /分であり、反応時間は4時間であった。ま
た、反応終了時のpHは0.6であった。得られた濾液
は16m3 であり、組成はCu32g/l、As23g
/l、Zn12g/l、Cd48g/lであった。酸化工程 次に、1次中和後の濾液16m3 に、酸化触媒としてC
u35%、As4%、Zn1%、Cd5%の粗硫化銅2
tを加え、空気吹き込み量6m3 /分で24時間の酸化
反応を行った。反応温度は65℃とし、最終ORPは4
00mV(Ag/AgCl電極)であった。得られた濾
液は9m3 であり、組成はCu31g/l、As21g
/l、Zn12g/l、Cd45g/lであった。
【0016】2次中和工程 この酸化後の濾液に17%水酸化ナトリウム水溶液を4
リットル/分の流量でpH6になるまで添加し、中和し
た。中和終了までに12時間を要した。なお、反応温度
は65℃とした。発生した澱物を除去して濾液を得た。
得られた濾液は10m3 であり、組成はCu0.2g/
l、As0.1g/l以下、Zn8g/l、Cd29g
/lであった。炭酸化工程 次にこの濾液に炭酸ナトリウムを500kg添加し9時
間にわたり反応させた。反応温度は60℃とし、反応p
Hは9とした。この炭酸化反応スラリーを濾過して、炭
酸カドミウム800kgを回収した。回収した沈澱物の
分析値はCu0.2%、As0.1%、Zn10%、C
d36%であった。
【0017】[実施例2]2次中和工程 亜砒酸製造プロセスで発生したL−2抽出液(Cu44
g/l、As16g/l、Zn20g/l、Cd49g
/l)9m3 に、17%水酸化ナトリウム水溶液を4リ
ットル/分の流量でpH6になるまで添加し、中和し
た。中和終了までに12時間を要した。なお、反応温度
は65℃とした。発生した沈澱物を除去して濾液を得
た。得られた濾液は8m3 であり、組成はCu0.1g
/l、As0.1g/l、Zn4g/l、Cd28g/
lであった。精脱As工程 次いで、2次中和後の濾液に40%過酸化水素水20k
gを加えて、1時間保持した後、硫酸第一鉄水溶液(鉄
濃度50g/l)80リットルを添加して10時間攪拌
した。なお、反応温度は65℃とした。発生した沈澱物
を除去して濾液を得た。得られた濾液は8m3 であり、
組成はCu0.1g/l、As0.002g/l、Zn
4g/l、Cd28g/lであった。炭酸化工程 最後に、精脱Asの濾液に炭酸ナトリウムを230kg
添加し、4時間反応させた。反応温度は60℃とし、反
応pHは7とした。この炭酸化反応スラリーを濾過し
て、炭酸カドミウム500kgを回収した。回収した炭
酸カドミウムの分析値はCu0.09%、As0.00
5%以下、Zn7%、Cd44%であった。
【0018】[実施例3]実施例2で得た炭酸カドミウ
ムを濃度200g/lの硫酸溶液2m3 に溶解し、攪拌
しつつ純度99.9%の亜鉛粉末を130kg添加して
カドミウムを還元した。得られたスポンジカドミウムは
220kgであり、その分析値はCu0.2%、As
0.005%以下、Zn0.6%、Cd99.2%であ
った。
【0019】[実施例4]2次中和工程 亜砒酸製造プロセスで発生したL−2抽出液(Cu44
g/l、As16g/l、Zn20g/l、Cd49g
/l)9m3 に、17%水酸化ナトリウム水溶液を4リ
ットル/分の流量でpH6になるまで添加し、中和し
た。中和終了までに12時間を要した。なお、反応温度
は65℃とした。発生した沈澱物を除去して濾液を得
た。得られた濾液は8m3 であり、組成はCu0.1g
/l、As0.1g/l、Zn4g/l、Cd28g/
lであった。精脱As工程 次いで、2次中和後の濾液に40%過酸化水素水20k
gを加えて、1時間保持した後、硫酸第一鉄水溶液(鉄
濃度50g/l)80リットルを添加して10時間攪拌
した。なお、反応温度は65℃とした。発生した沈澱物
を除去して濾液を得た。得られた濾液は8m3 であり、
組成はCu0.1g/l、As0.002g/l、Zn
4g/l、Cd28g/lであった。金属化工程 最後に、精脱Asの濾液に亜鉛粉末を120kg添加
し、4時間反応させた。反応温度は50℃とし、反応p
Hは6とした。このとき生じたスラリーを濾過して、カ
ドミウム210kgを回収した。回収したカドミウムの
分析値はCu0.4%、As0.01%以下、Zn1
%、Cd98%であった。
【0020】[実施例5]2次中和工程 亜砒酸製造プロセスで発生したL−2抽出液(Cu44
g/l、As16g/l、Zn20g/l、Cd49g
/l)9m3 に、17%水酸化ナトリウム水溶液を4リ
ットル/分の流量でpH6になるまで添加し、中和し
た。中和終了までに12時間を要した。なお、反応温度
は65℃とした。発生した沈澱物を除去して濾液を得
た。得られた濾液は8m3 であり、組成はCu0.1g
/l、As0.1g/l、Zn4g/l、Cd28g/
lであった。精脱As工程 次いで、2次中和後の濾液に40%過酸化水素水20k
gを加えて、1時間保持した後、硫酸第一鉄水溶液(鉄
濃度50g/l)80リットルを添加して10時間攪拌
した。なお、反応温度は65℃とした。発生した沈澱物
を除去して濾液を得た。得られた濾液は8m3 であり、
組成はCu0.1g/l、As0.002g/l、Zn
4g/l、Cd28g/lであった。水酸化工程 最後に、精脱Asの濾液に17%水酸化ナトリウム水溶
液を1.5kg/m3添加し、pHを10とした。。反
応温度は60℃とした。これにより生じたスラリーを濾
過して、水酸化カドミウム470kgを回収した。回収
した水酸化カドミウムの分析値はCu0.2%、As
0.005%以下、Zn7%、Cd48%であった。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように本発明の方法によれば
銅、砒素、亜鉛、カドミウムを含む溶液からカドミウム
を選択的に分離回収することが可能である。そして、得
られる回収物は高純度のカドミウムを得る原料として最
適である。また、本発明の方法を、銅製錬工程から発生
する廃酸から砒素を回収するプロセスである亜砒酸製造
プロセスに追加的に組み込むだけで、砒素を極めて高純
度の亜砒酸として回収することが可能になるのみなら
ず、カドミウムを高純度のカドミウム原料として回収す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカドミウム回収工程の1例を示したフ
ローチャートである。
【図2】煙灰からCu、Pb、Zn、Cdを回収する従
来技術の一例を示すフローチャートである。
【図3】排ガス中に分配させた砒素を、排ガス洗浄時に
発生する廃酸中に濃縮し、この廃酸より主として砒素を
回収する方法の1例を示したフローチャートである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅、砒素、亜鉛、カドミウムを含む硫酸
    性水溶液中の銅と砒素との重量比を0.5以上に調整
    し、pHを4〜6として銅と砒素とを沈澱させて除去し
    た後に、カドミウムを回収することを特徴とするカドミ
    ウムの回収方法。
  2. 【請求項2】 銅、砒素、亜鉛、カドミウムを含む硫酸
    性水溶液中の銅と砒素との重量比を0.5以上に調整
    し、かつ砒素を5価に酸化した後、pHを4〜6として
    銅と砒素を沈澱除去した後に、カドミウムを回収するこ
    とを特徴とするカドミウムの回収方法。
  3. 【請求項3】 銅と砒素の沈澱除去を濾過で行い、そし
    て濾液に炭酸ナトリウムを加えてカドミウムを炭酸カド
    ミウムとして回収する請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 銅と砒素の沈澱除去を濾過で行い、そし
    て濾液に亜鉛粉末を加えてカドミウムを金属カドミウム
    として回収する請求項1または2記載の方法。
  5. 【請求項5】 銅と砒素の沈澱除去を濾過で行い、そし
    て濾液のpHを上げてカドミウムを水酸化カドミウムと
    して回収する請求項1または2記載の方法。
  6. 【請求項6】 銅と砒素の沈澱除去を濾過で行い、そし
    て濾液に硫化水素または硫化水素ナトリウムを加えてカ
    ドミウムを硫化カドミウムとして回収する請求項1また
    は2記載の方法。
  7. 【請求項7】 濾液にさらに鉄イオンを添加して酸化し
    て鉄と砒素とを沈澱除去した後に、カドミウムを回収す
    る請求項3〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 製錬排ガスを冷却洗浄工程より排出され
    る廃酸より重金属類を硫化物として沈澱回収し、当該硫
    化物を原料の一つとして、亜砒酸を製造する方法におい
    て、前記硫化物を硫酸性抽出液で置換・冷却した後の置
    換終液を請求項1〜7記載の硫酸性水溶液に用いて、カ
    ドミウムを回収する方法を程に組み込んだことを特徴と
    する亜砒酸の製造方法。
  9. 【請求項9】 銅、砒素、亜鉛、カドミウムを含む硫酸
    性水溶液中の銅と砒素との重量比を0.5以上に調整
    し、pHを4〜6として銅と砒素とを沈澱させて除去し
    た後に、銅と砒素の沈澱除去を濾過で行い、そして濾液
    に炭酸ナトリウムを加えてカドミウムを炭酸カドミウム
    として回収する方法で製造されたスポンジカドミウム。
JP7314938A 1995-11-09 1995-11-09 カドミウムの回収方法およびスポンジカドミウム Pending JPH09137236A (ja)

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