JPH09135648A - 冷房設備を有する鶏舎 - Google Patents

冷房設備を有する鶏舎

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JPH09135648A
JPH09135648A JP32370695A JP32370695A JPH09135648A JP H09135648 A JPH09135648 A JP H09135648A JP 32370695 A JP32370695 A JP 32370695A JP 32370695 A JP32370695 A JP 32370695A JP H09135648 A JPH09135648 A JP H09135648A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鶏を快適な環境で飼育し、鶏糞を効率よく処
理できる冷房設備を有する鶏舎を提供する。 【解決手段】 鶏舎1は、飼育ブロック2を建物の内部
に配設している。飼育ブロック2は、多数の鶏を飼育す
るための飼育ケージ3を備える。飼育ブロック2は、建
物床から離されて配設され、飼育ブロック2と建物床と
の間に、鶏糞を乾燥させるための糞乾燥チャンバー9を
設ける。糞乾燥チャンバー9には、鶏糞を水平方向に移
送しながら乾燥させる糞乾燥コンベア10を多段に配設
している。飼育ケージ3で飼育される鶏が排出する鶏糞
は、排出コンベア8から糞乾燥コンベア10に移送さ
れ、糞乾燥コンベア10に送られた鶏糞は、水平方向に
移送されながら上段の糞乾燥コンベア10から下段の糞
乾燥コンベア10に移送されて、次第に乾燥させるよう
に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多数の鶏を多段
の飼育ケージで快適に飼育する、冷房設備のある鶏舎に
関する。とくに、本発明の鶏舎は、鶏を快適な環境で飼
育すると共に、飼育する鶏から排出される鶏糞を乾燥し
て排出できる鶏舎に関する。
【0002】
【従来の技術】鶏を飼育する鶏舎に非常に大切なこと
は、鶏を快適な環境で飼育することである。快適な環境
で飼育される鶏は、薬物の投与量を少なくして、元気に
飼育される。このことは、鶏肉や卵に含まれる残存薬物
量を少なくできると共に、薬剤費を低減できる。さら
に、鶏肉や卵を美味にできる特長も実現する。鶏を飼育
する環境を非常に悪くしているのが、夏期の暑さであ
る。冬期の鶏舎は、飼育する鶏が放射する熱でほとんど
暖房することなく快適な環境にできる。夏期の環境を快
適にするために、近年、夏期に冷房できる鶏舎が次第に
増加している。鶏舎の冷房は、ランニングコストと設備
コストを低減することが大切である。経済的に採算が合
わなくなると、実際には冷房できなくなるからである。
【0003】このことを実現する鶏舎として、本発明者
は、冷水フィルターを装備する鶏舎を開発した。この鶏
舎は、図10に示すように、建物の両端およびその周辺
を大きく開口して強制的に換気する。外気を吸入する鶏
舎1の開口部には、冷水フィルター7を配設する。冷水
フィルター7は、空気を通過できる空隙がある。冷水フ
ィルター7には、上部に水を補給して流下させる。冷水
フィルター7を流下する水は、ここを通過する空気に直
接に接触する。水に接触する空気は、水を気化させて、
気化熱で冷却される。さらに、水の温度を外気よりも低
くして、水で直接に空気を冷却することもできる。冷水
フィルター7を配設する鶏舎1の反対側の開口部には、
多数の強制送風ファン6を配設している。強制送風ファ
ン6は、鶏舎1から空気を強制的に排気する。この構造
の鶏舎1は、強制送風ファン6でもって、冷水フィルタ
ー7を通過させ外気を鶏舎1に換気して、建物内の空気
温度を低くして冷却できる。冷水フィルター7は、水と
空気とが直接に接触するので、極めて能率よく空気を冷
却できる。さらに、冷水フィルター7は、水を水密な水
路に通過させる必要がないので、極めて簡単な構造とし
て、安価にできる。このため、この構造の鶏舎は、設備
コストとランニングコストを著しく低減できる特長があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この構造の
鶏舎1は、飼育ブロック2で飼育する多数の鶏の環境を
均一にして、全ての鶏を快適な温度環境とするのが難し
い欠点がある。とくに、多量の鶏を飼育するために、飼
育ケージ3を多段に積み重ねる構造は、上段と下段の飼
育ケージ3で飼育される鶏の湿度と温度を均一にできな
い欠点がある。上段の飼育ケージ3で飼育される鶏は、
温度が高く、下段の飼育ケージ3で飼育される鶏は、温
度が低くなる欠点がある。
【0005】さらに、鶏を飼育において極めて大切なこ
とに、鶏糞処理の問題がある。鶏糞処理ができないと鶏
を飼育できなくなるので、鶏糞を処理できる量が、鶏の
飼育可能な羽数を制限しているのが実状である。従来
は、鶏舎とは別の棟に鶏糞の処理プラントを併設してい
る。鶏舎から発生する鶏糞は、併設される処理プラント
に搬送して処理している。この方式は、鶏糞処理をする
ための設備コストが相当に高くなる欠点がある。さら
に、処理プラントを併設するために、広い敷地も必要
で、狭い敷地に多数の鶏を飼育するのが難しい欠点もあ
る。このことは、面積当りの鶏の飼育数を少なくして、
敷地を含む投資効率を低下させている。
【0006】本発明は、このような欠点を解決すること
を目的に開発されたもので、この発明の重要な目的は、
鶏を快適な温度環境で飼育できると共に、設備コストと
ランニングコストとを低減でき、さらに、鶏糞を効率よ
く処理できる冷房設備を有する鶏舎を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の鶏舎は、前述
の目的を達成するために、下記の全ての構成を備えてい
る。 (a) 鶏舎1は、飼育ブロック2を建物の内部に配設
している。飼育ブロック2は、多数の鶏を収納して飼育
する。 (b) 鶏舎1は、室内を冷房するために、外気を吸入
する吸入路4と、室内空気を排気する排気路5とを開口
している。吸入路4は外気を室内に吸入させる。室外の
空気は、強制送風ファン6で強制的に排気されて、建物
内が換気される。 (c) 鶏舎1の吸入路4には、外気を冷却して室内に
吸入させるために、冷水フィルター7を配設している。 (d) 冷水フィルター7は、水と空気を熱交換して、
吸入される空気を冷却する。したがって、冷水フィルタ
ー7は、上から下に水を流下させると共に、これに空気
を通過させて外気を冷却して建物内に流入させる。 (e) 飼育ブロック2は、多数の鶏を飼育するための
飼育ケージ3を備える。飼育ケージ3は、飼育ブロック
2を多段にして、多数の鶏を多段に飼育する。 (f) 多段の飼育ケージ3は、飼育する鶏が排出する
鶏糞を縦に移送する排出コンベア8を配設している。排
出コンベア8は、それぞれの飼育ケージ3の下方に配設
されており、飼育ケージ3に飼育される鶏糞を一定の方
向に移送する。 (g) 飼育ブロック2は、建物床から離されて配設さ
れている。飼育ブロック2と建物床との間に、鶏糞を乾
燥させるための糞乾燥チャンバー9を設けるためであ
る。本発明の鶏舎1は、鶏糞を乾燥させるために、別棟
の乾燥室を設けない。鶏糞は、飼育ブロック2の下方に
設けた糞乾燥チャンバー9で乾燥される。 (h) 糞乾燥チャンバー9には、鶏糞を水平方向に移
送しながら乾燥させる糞乾燥コンベア10を多段に配設
している。多段の糞乾燥コンベア10は、鶏糞を移送し
ながら乾燥する。 (i) 飼育ケージ3で飼育される鶏が排出する鶏糞
は、排出コンベア8から糞乾燥コンベア10に移送さ
れ、糞乾燥コンベア10に送られた鶏糞は、水平方向に
移送されながら上段の糞乾燥コンベア10から下段の糞
乾燥コンベア10に移送されて、次第に乾燥させるよう
に構成されている。
【0008】さらに、本発明の請求項2に記載される冷
房設備を有する鶏舎は、糞乾燥チャンバー9を乾燥ダク
ト11で区画している。乾燥ダクト11は、換気ファン
12を介して建物外に連結されている。建物内を冷房す
る状態で、乾燥ダクト11には外気が換気されて鶏糞が
乾燥される。
【0009】本発明の冷房設備を有する鶏舎は、飼育ブ
ロック2の下方に糞乾燥チャンバー9を設け、ここに多
段に糞乾燥コンベア10を配設して鶏糞を乾燥させる。
ここに糞乾燥チャンバー9を設けるためには、飼育ブロ
ック2の脚を高くするのみで足りる。このため、極めて
簡単な構造で、しかも、設備コストを著しく低減して、
糞乾燥チャンバー9を設けることができる。鶏舎と別棟
の乾燥室を設ける従来のシステムでは到底想像もできな
いコストで、糞乾燥チャンバー9を設けることができ
る。
【0010】さらに、糞乾燥チャンバー9に多段に糞乾
燥コンベア10を配設することにより、飼育ブロック2
から排出される鶏糞を、一年中効率よく乾燥できる。と
くに、冬期においては、鶏の熱で糞乾燥チャンバー9が
適温に加温されるので、鶏糞を効率よく乾燥できる。鶏
舎と別棟の乾燥室を設ける従来のように、鶏糞の乾燥室
をバーナー等で加温する必要がない。このため、冬期に
おいても、低コストに、しかも短時間で効率よく鶏糞を
乾燥できる特長がある。
【0011】夏期においては、鶏舎1の室内温度は高く
なるので、鶏糞の乾燥時間はさらに短くなる。ただ、建
物の内部に糞乾燥チャンバー9を設けると、夏期におい
ては、糞乾燥チャンバー9から蒸発される水分が建物内
の湿度を高くする弊害がある。夏期は室内温度が高いの
で、鶏糞の乾燥時間は相当に短く、いいかえると、鶏糞
から蒸発される水分量も多くなる。本発明の鶏舎は、こ
の弊害を独得の構造で防止する。夏期における鶏糞の水
分気化量を少なくするために、糞乾燥チャンバー9は飼
育ブロック2の下方、いいかえると、飼育ブロック2と
建物の床との間に配設される。建物の床に接近して配設
される糞乾燥チャンバー9は、鶏糞からの気化水分量を
少なく抑制する。飼育ブロック2の下方は、湿った環境
で相対湿度が高くなるからである。
【0012】相対湿度は、空気に含まれる水分量と温度
をパラメーターとして決定される。空気に含まれる水分
量を同じとすれば、温度が低くなると湿度は高くなる。
温度が低くなると、空気中に水蒸気の状態で含まれる水
分量が少なくなるからである。たとえば、30℃の空気
は、乾燥空気1kgに、270gの水分を水蒸気の状態
で含むことができる。ところが、25℃の空気は、同じ
量の乾燥空気に200gの水蒸気しか含むことができな
い。このように、温度が低下すると空気中に含有できる
水分量が少なくなるので、相対湿度が高くなる。
【0013】鶏舎1は、建物内部の空気に含まれる水分
量はほぼ同じである。ただ、建物内を冷房しても、建物
の天井部分と床部分では温度が相当に変化する。室内空
気を冷房しても、建物は暑い外気に加熱され、さらに、
飼育ブロック2の鶏が熱を発生するからである。このた
め、建物は天井部分で温度が高く、床の部分で温度が低
くなる。このため、建物の床上部分の相対湿度は、天井
部分に対して相当に高くなる。相対湿度が高い空気は、
水分が飽和状態に近く、鶏糞の乾燥を少なくする。いい
かえると、鶏糞から気化される水分量を少なく制限でき
る。したがって、本発明の鶏舎は、暑い夏期に、鶏糞が
多量の水分を蒸発して、建物内を蒸し暑い環境とするの
を防止できる。
【0014】夏期のこの状態を実現することは、鶏の飼
育環境を快適化するために、非常に大切なことである。
とくに、安価に建物内を冷房するために、冷水フィルタ
ー7を使用する鶏舎にとってさらに大切なことである。
冷水フィルター7は、通過する空気の相対湿度を相当に
高くするからである。冷水フィルター7で建物の空気に
水分が補給され、さらに鶏糞からも多量の水分が補給さ
れると、建物内の湿度は著しく高くなって、極めて蒸し
暑い環境となってしまう。このため、夏期に建物を冷水
フィルター7で冷房するときには、鶏糞からの水分補給
を少なくすることが非常に大切である。
【0015】本発明の鶏舎は、極めて簡単な構造で、鶏
糞からの水分気化量を制限して、夏期における鶏の飼育
環境を快適にする。糞乾燥チャンバー9が、飼育ブロッ
ク2の下方に配設され、建物の床に近い高湿度な部分で
鶏糞からの水分気化量を抑制するからである。高湿度と
なる建物の床上に配設された糞乾燥チャンバー9は、鶏
糞の気化水分量を少なくできる。いいかえると、鶏糞か
ら空気中への水分補給量を少なくして、室内の湿度上昇
を少なくできる。
【0016】たとえば、建物の天井部分の温度を32
℃、相対湿度を70%、床上の空気温度を27℃とすれ
ば、床上の相対湿度は95%と高くなり、鶏糞から気化
される水分量を少なくできる。このため、本発明の鶏舎
は、鶏糞から建物の空気中に水分が気化される量を少な
くして、蒸し暑い環境となるのを有効に防止できる特長
がある。
【0017】本発明の請求項2に記載される鶏舎は、夏
期の飼育環境をさらに快適にできる特長がある。それ
は、飼育ブロック2の下方に設けた糞乾燥チャンバー9
を乾燥ダクト11とし、ここに外気を換気させるからで
ある。糞乾燥チャンバー9を乾燥ダクト11として、鶏
を飼育する部分から区画する鶏舎1は、鶏糞から気化す
る水分が建物内の空気に補給されない。さらに、外気を
換気する糞乾燥チャンバー9は、冷房された建物内に比
較して温度も高くなる。このため、鶏糞が効率よく乾燥
されるにもかかわらず、鶏糞の気化水分が建物内の鶏飼
育環境を蒸し暑くすることがない。
【0018】さらに、飼育ブロック2の下方に配設され
た乾燥ダクト11は、冷房された室内温度に比較して温
度が高くなる。このことは、多段に鶏を飼育する飼育ケ
ージ3の鶏をより快適な環境とする。夏期に冷房された
建物内の温度は、天井部分で高く、床部分で低くなる。
このため、多段の飼育ケージ3は、上段の鶏の飼育温度
が高く、下段の鶏の飼育温度が低くなり、上段と下段で
温度差ができる。この状態は、下段の鶏を快適温度にす
ると上段の鶏は暑くなり、上段の鶏を快適温度にする
と、下段の鶏が過剰に冷房した状態となってしまう。夏
期に冷房して鶏を快適な環境で飼育することは大切であ
るが、過剰な冷房は、人間と同じように決して好ましい
環境ではない。
【0019】本発明の請求項2に記載される鶏舎は、下
段の飼育ケージ3で飼育される鶏を過剰冷房とせずに、
上端の飼育ケージ3で飼育される鶏を快適な環境で飼育
する。すなわち、上下の飼育ケージ3で飼育される全て
の鶏を快適な環境で飼育する。それは、本発明の請求項
2の鶏舎が、飼育ブロック2の下方に乾燥ダクト11を
設け、ここに外気を換気するからである。夏期に乾燥ダ
クト11に外気を換気させると、乾燥ダクト11の表面
温度は、冷房された建物内の空気温度よりも高くなる。
このため、飼育ケージ3の下段で飼育される鶏は、外気
で暖められた乾燥ダクト11の輻射熱で加温される。こ
のため、下段の飼育ケージ3で飼育される鶏が、過剰冷
房となることなく、上段の飼育ケージ3の温度環境を快
適にできる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。但し、以下に示す実施の形態
は、この発明の技術思想を具体化するための鶏舎を例示
するものであって、この発明は冷房設備を有する鶏舎を
下記のものに特定しない。
【0021】更に、この明細書は、特許請求の範囲を理
解し易いように、実施の形態に示される部材に対応する
番号を、「特許請求の範囲」、および「課題を解決する
ための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ
特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に
特定するものでは決してない。
【0022】本発明の冷房設備を有する鶏舎を図1に示
す。この図に示す鶏舎1は、左側に外気の吸入路4を、
右側に室内空気の排気路5を備えている。吸入路4は、
鶏舎1の壁面の一面に、あるいは図3に示すようにその
周辺部まで含んだコ字状に設けられ、建物外部から外気
を建物内部に吸入する開口部を有する。排気路5は、吸
入路4から吸入された外気に代わり、室内空気を排気す
るための開口部を設けている。排気路5は、吸入路4を
設けた壁面と対向する壁面、またはその周辺部に設けら
れており、室内の空気を流れやすくして吸入、排気をス
ムーズにする。さらに鶏舎1は、強制送風ファン6を備
える。強制送風ファン6でもって、吸入路4から外気を
吸入し、一方で室内の空気を排気路5から排気する。図
1において、強制送風ファン6は排気路5の全面にコ字
状に備えられているが、強制送風ファン6は吸入路4に
設けることもでき、また吸入路4と排気路5に設けるこ
とも、あるいはコ字状でなく平面状に設けることもでき
る。強制送風ファン6は、複数枚の羽根を有するファン
を数基〜数十基設けており、鶏舎内の空気を十分排出で
きる風力を備える。排気路5の開口面に一面に設けられ
た強制送風ファン6は、鶏舎内の空気を換気して吸入路
4から外部の空気を取り込むことができる。
【0023】鶏舎1の吸入路4には、冷水フィルター7
が配設されている。冷水フィルター7は吸入される空気
を冷却するためのものである。冷水フィルター7は網状
にして、空気が通過できるように多数の空隙を有する。
冷水フィルター7には、水を流下させるための流水管が
配設されており、冷水フィルター7の上部から水または
冷水を流水管に供給するよう構成されている。水がフィ
ルター内を上から下に通過する際、フィルターを水平方
向に通過する空気と接触し、熱交換されて空気が冷却さ
れる。熱交換は、空気と接触した水が気化する際の気化
熱が空気から奪われることによって、あるいは冷水を空
気に接触させて直接空気を冷やすこと等によって行われ
る。冷却された空気は強制送風ファン6によって鶏舎1
内に供給され、鶏舎1内を冷房できる。このように、簡
単な構造の冷水フィルター7で安価に鶏舎1内を冷房し
て、鶏を快適に飼育することができる。
【0024】鶏舎1内には、飼育ブロック2と糞乾燥チ
ャンバー9が配設される。飼育ブロック2は、複数段の
飼育ケージ3で構成される。各段の飼育ケージ3の下面
には、それぞれ排出コンベア8が配設される。飼育ブロ
ック2は鶏舎1の床面から1m〜2m離れて配設されて
おり、飼育ブロック2と床面の間に糞乾燥チャンバー9
が配設される。糞乾燥チャンバー9には、複数段の糞乾
燥コンベア10が配設される。
【0025】飼育ブロック2は、多数の鶏を収納して飼
育する部分である。図1〜図3に示すように、飼育ブロ
ック2は細長い直方体状で、鶏舎1内に複数台が並んで
配設される。各々の飼育ブロック2は、鉄パイプ、鉄骨
等で枠状に組まれた外枠に、上下方向に複数段に分割さ
れて、各段に飼育ケージ3を配設している。図1〜図3
に示す鶏舎1には、3つの飼育ブロック2が並んで配設
され、各飼育ブロック2は3段に分割されて3つの飼育
ケージ3を有する。
【0026】飼育ケージ3に鶏が収納されて、ここで飼
育される。飼育ケージ3は仕切りを設けず広い部屋とし
て使うこともでき、また隔壁で縦横に区画することもで
きる。例えば一部屋の大きさを縦200cm、横70c
m、高さ30cmとして、ここに鶏が5〜8羽飼育でき
る。鶏は、ブロイラー、レイヤー、種鶏等に使用でき
る。飼育ケージ3には、図示しないが、餌、飲み水等を
与えるための餌供給部材、および暗い鶏舎内を明るくす
る照明等が装備されている。
【0027】各段の飼育ケージ3の下面には、それぞれ
排出コンベア8が配設される。排出コンベア8は、鶏が
排出する鶏糞を受けて、これを糞乾燥チャンバー9に移
送するためのものである。排出コンベア8にはベルトコ
ンベアが使用でき、その大きさは飼育ケージ3の下面全
体をカバーできるよう、飼育ケージ3の幅とほぼ同じ幅
を有し、全長は飼育ケージ3の全長と同じかそれよりも
長くして、糞乾燥コンベア10上に鶏糞を確実に落下で
きるようにする。排出コンベア8は飼育ケージ3の下面
と平行に、飼育ケージ3と若干離して設置される。例え
ば50cm離して設置すると、排出コンベア8上に鶏が
乗れるスペースを設けることができる。これは飼育ケー
ジ3から鶏を取り出す作業を容易にするためである。排
出コンベア8には柵がないので、飼育ケージ3の下面を
抜き取る等して開口し、一旦排出コンベア8の上に鶏を
落とすことで、ここから容易に鶏を取り出すことができ
る。
【0028】飼育ケージ3の下面は網状となっている。
網目の大きさは鶏が通過せず、鶏糞が通過できる程度と
している。鶏糞は網目を通過して下面に設けられた排出
コンベア8上に落下する。排出コンベア8上に落下され
た鶏糞がある程度溜まると、排出コンベア8を駆動して
一方の端部まで移送し、ここから下部の糞乾燥コンベア
10上に落下される。排出コンベア8の排出側の端部に
は、円周面でコンベア表面に接して剥離板13を、コン
ベアの移送方向と直交して配置している。図4に示すよ
うに、剥離板13でもって、排出コンベア8の表面にこ
びりついた鶏糞をそぎ落とし、確実に糞乾燥コンベア1
0上に移送することができる。
【0029】多段に重ねた飼育ケージ3で、上下の排出
コンベア8の端部が重なると、上部の排出コンベア8か
ら落下される鶏糞の一部が、下部の排出コンベア8上に
落ち、さらに下の排出コンベア8上に落ちて、最終的に
糞乾燥コンベア10に送られることがある。各排出コン
ベア8は同時に駆動されるとは限らず、鶏糞を移送する
効率が低下することがある。図4に示すように、排出コ
ンベア8を上下で位置をずらせて配設するか、上下で排
出コンベア8の全長を変える等して鶏糞の落下点をずら
すと、排出コンベア8から直接糞乾燥コンベア10に鶏
糞を落下することができ、より確実かつ迅速に鶏糞を移
送することもできる。
【0030】飼育ブロック2は鶏舎1の床面よりも高い
位置に設け、飼育ブロック2と床面の間に隙間を設け
る。この隙間部分に、糞乾燥チャンバー9を配設する。
糞乾燥チャンバー9は、複数段の糞乾燥コンベア10を
有する。図1および図2に示す糞乾燥チャンバー9は、
4段の糞乾燥コンベア10を有する。糞乾燥コンベア1
0もベルトコンベアで構成され、上段の糞乾燥コンベア
10から下段の糞乾燥コンベア10に鶏糞を移送できる
ように端部を位置ずれさせて固定し、また排出コンベア
と同様に端部には剥離板(図示せず)を設けている。
【0031】各段の飼育ケージ3から排出された鶏糞
は、排出コンベア8から糞乾燥コンベア10に集めら
れ、ここで乾燥されて移送される。図1において、各排
出コンベア8上の鶏糞は右方向に移送され、右端から下
方に落下して、糞乾燥コンベア10の1段目の右端部に
集まる。1段目の糞乾燥コンベア10は、鶏糞をゆっく
りと左方向に移送して、左端から2段目の糞乾燥コンベ
ア10の左端に降下させる。2段目の糞乾燥コンベア1
0は、鶏糞を左から右方向に移送して、3段目の糞乾燥
コンベア10に右端から供給する。同様に、4段目の糞
乾燥コンベア10まで移送されていく。鶏糞は、長い距
離をゆっくりと移送されながら次第に乾燥されていき、
4段目の糞乾燥コンベア10から排出されるときには十
分に乾燥させることができる。十分に乾燥されて、含有
される水分が少なくなった鶏糞は、容易に焼却して処理
できる。
【0032】糞乾燥コンベア10は、常時ゆっくりと駆
動して、鶏糞を移送しながら乾燥させることもできる
が、糞乾燥コンベア10上に均一に鶏糞を載せた状態で
運転を停止し、静止状態で乾燥させることもできる。鶏
は、決まった時間に鶏糞を排出するのでなく、不規則な
時間に、また飼育ケージ3の部屋内を自由に動き回って
糞を排出するので、排出コンベア8上に鶏糞が溜まるま
でに一定の時間がかかる。したがって、ある程度の鶏糞
が溜まった時点で、その排出コンベア8を駆動して糞乾
燥コンベア10に移送し、1段目の糞乾燥コンベア10
上に鶏糞を均一に配した状態でコンベアを停止して乾燥
させる。また、別の飼育ケージ3で排出コンベア8に鶏
糞が溜まってくると、1段目の糞乾燥コンベア10と2
段目の糞乾燥コンベア10を駆動して2段目の糞乾燥コ
ンベア10に移送し、1段目の糞乾燥コンベア10を空
にする。そして、排出コンベア8を駆動して、空になっ
た1段目の糞乾燥コンベア10を駆動しながらこの上に
新たに鶏糞を移送して乾燥させる。2段目の糞乾燥コン
ベア10に移送された鶏糞は、さらにここで静置されて
乾燥されていく。このようにして、糞乾燥コンベア10
と排出コンベア8を連動させて駆動し、さらに各飼育ケ
ージ3の排出コンベア8から時間をずらして順次糞乾燥
コンベア10に移送することで、効率よく各段の糞乾燥
コンベア10を活用でき、鶏糞を能率良く乾燥させるこ
とができる。
【0033】鶏糞の乾燥に要する時間は、コンベア上に
溜まる鶏糞の厚みによって変化する。コンベア上の鶏糞
が厚く積もるほど鶏糞の乾燥時間は長くなり、反対に薄
いほど乾燥時間は短くなる。各コンベアの移送速度およ
びコンベア間の相対速度によって、コンベア上に溜まる
鶏糞の厚みは変化する。また一度に処理できる鶏糞の量
は、糞乾燥コンベアの面積および枚数で決定される。し
たがって、鶏糞の処理能力を考慮して、鶏糞の乾燥時間
が最適となるように、各コンベアの駆動速度を調整す
る。また、鶏糞の積もり方にむらがあると、一部で乾燥
しても他の部分でまだ湿気ていることがあり、乾燥時間
を一定にできないので、上部のコンベアと下部のコンベ
アを連動して一定の速度で同時に駆動することで、コン
ベア上に鶏糞をむらのない厚さで均一に分散して、乾燥
時間が一定となるようにできる。
【0034】糞乾燥チャンバー9で十分乾燥された鶏糞
は、焼却して簡単に処理できる。図5に示す鶏舎1は、
鶏舎1に隣接して鶏糞焼却部14を設けている。この図
において、鶏舎1と鶏糞焼却部14とは地下で連結して
いる。ただ、鶏舎1と鶏糞焼却部14の連結は、地下で
なく地上に設けることもできる。図1において、鶏舎1
の床面には糞排出口15が開口されている。糞排出口1
5は各糞乾燥チャンバー9ごとに設けることもでき、ま
た、図5に示すように1つの大きな糞排出口15を設け
て、ここに複数の糞乾燥チャンバー9を連結することも
できる。各糞乾燥チャンバー9で4段目の糞乾燥コンベ
ア10の右端部は、糞排出口15付近に配設される。糞
排出口15は図5に示すように、地下の連結部を介して
鶏糞焼却部14と連結されている。糞乾燥コンベア10
から移送される鶏糞は、糞排出口15に集められ、糞排
出口15からベルトコンベア等により、地下を通じて鶏
糞焼却部14に移送され、ここで焼却される。焼却され
た鶏糞の灰は、体積が減少するので、畑等に散布して処
分できる。鶏糞は鶏舎1から搬出される際にすでに十分
乾燥されているので、特別に鶏糞を乾燥させる設備を設
けなくてもそのまま焼却でき、簡単な設備で安価に処理
できる。ただ、本発明の冷房設備を有する鶏舎は、鶏糞
焼却炉を別に設けなくても、乾燥した鶏糞を肥料として
利用することもでき、あるいは乾燥した鶏糞を集めて、
トラック等でまとめて処理施設に輸送することもでき
る。
【0035】糞乾燥チャンバー9は、熱伝導の良い金属
板等の平板で側面をシールドしている。さらに上面も平
板でシールドすることで、飼育ブロック2と隔離でき、
糞乾燥チャンバー9内で蒸発する鶏糞の水分が、飼育ケ
ージ3内に混入するのを防ぐことができる。図2に示す
糞乾燥チャンバー9は、側面に換気口16を1または複
数設けて、ここから空気を糞乾燥チャンバー9内に吸
入、換気して鶏糞を乾燥しやすくする。換気口16には
図1〜図3に示すように、換気ファン12を設けること
もできる。ただ、全ての換気口16に換気ファン12を
設けなくてもよい。糞乾燥チャンバー9は両端部を開口
しており、両端の開口部からは糞乾燥コンベア10が突
出している。両端で突出する糞乾燥コンベア10は、排
出コンベア8から落下してくる鶏糞を受け取ることがで
きるように配設されている。
【0036】さらに糞乾燥チャンバー9は、図6および
図7に示すように、平行に並んだ糞乾燥チャンバー9同
士を連結して、乾燥ダクト11とすることができる。乾
燥ダクト11は、換気口16等で連結して複数の糞乾燥
チャンバー9を連結しており、また鶏舎の外部に対し外
気換気口17を複数開口している。一方で、鶏舎内部に
対して換気口を開口しないので、乾燥ダクト11は鶏舎
1内で飼育ブロック2と切り放して、独自に乾燥ダクト
11内を換気する。さらに、外気換気口17付近に換気
ファン12が配設される。換気ファン12は、外気換気
口17の一方のみに設けるほか、乾燥ダクト11の両端
で外気換気口12に設けることもでき、さらに糞乾燥チ
ャンバー9同士の連結部にも設けることができる。この
構造の乾燥ダクト11は、換気ファン12でもって鶏舎
1の外部から空気を乾燥ダクト11内に吸入し、また乾
燥ダクト11内部の空気を排出する。図2に示す糞乾燥
チャンバー9のように鶏舎内の空気を換気するのと異な
り、外部の空気で換気するので、湿気の少ない空気でよ
り効率よく鶏糞を乾燥できる。特に湿度の高くなる夏期
において、鶏舎内の水分量の多い空気でなく、外部の乾
燥した空気を吸入することで鶏糞は乾燥し易くなり、ま
た鶏舎内の冷房された空気よりも温度の高い空気により
鶏糞が温められ、乾燥が促進される。さらに乾燥ダクト
11で蒸発して含有水分の多くなった空気を、鶏舎内で
なく、外部に排気することで、鶏舎内の湿度を上げるこ
ともなく、内部がむしむしした環境となるのを防止でき
る。
【0037】乾燥ダクト11は、図8に示すように複数
部で糞乾燥チャンバー同士を連結することもでき、また
外気換気口17も多数設けて、より内部の空気を換気し
やすい環境とできる。さらにまた換気ファン12も、外
気換気口17や糞乾燥チャンバー同士の連結部に多数設
置でき、鶏糞の乾燥をさらに加速できる。あるいは、図
9に示すように飼育ブロック2が2連、すなわち糞乾燥
チャンバー9が2列の場合は、糞乾燥チャンバー同士を
連結することなく、各々の糞乾燥チャンバー9の両端で
外気換気口17を設けることができる。この構造の乾燥
ダクト11は、ダクトを直線状の簡単な形状として空気
を通りやすくでき、かつ全長を短くして、ダクトの中間
や出口付近で換気が悪くなり湿度が高くなる弊害を防止
できる。
【0038】糞乾燥チャンバー9を、飼育ブロック2と
区画した乾燥ダクト11とする構造は、鶏糞を乾燥しや
すい環境とする。それは、乾燥ダクト11は鶏舎1の一
部分の狭い領域であるから容易に加温されやすいからで
ある。金属板で囲まれた狭い領域は熱がこもりやすく、
鶏糞自体が持つ熱によっても乾燥ダクト11内部の気温
は上がる。また、加温されやすい乾燥ダクト11は、熱
伝導の良い金属板で覆われているので、乾燥ダクト11
を鶏舎1の下面に配設することで、熱の対流によって、
鶏舎1内の温度分布を均一に近づける効果もある。とく
に飼育ブロック2は飼育ケージ3を縦に積み上げる構造
であるから、上部の鶏と下部の鶏の飼育する環境を同一
とすることで、質のそろった良質のブロイラー等とする
ことができる。
【0039】さらに、鶏糞が乾燥する過程において、水
分が蒸発しても、蒸発した水分が鶏舎1内の湿度を上げ
ることがない。鶏糞から蒸発した水分は、乾燥ダクト1
1内で換気ファン12によって独自に換気され、また、
乾燥ダクト11と飼育ブロック2が隔離されているの
で、水分が飼育ブロック2の空気中に混入し難いからで
ある。したがって、鶏糞から蒸発した水分によって鶏舎
1の空気中の水分量を上げることなく、夏期でも湿気で
じめじめした環境とならずに、飼育ブロック2で鶏を快
適な環境として飼育できる。
【0040】このことは、冷房設備を有する鶏舎にとっ
て極めて大切なことである。特に、冷房が必要となる夏
期において、冷水フィルター7を使用して室内空気を冷
却すると、水分を含んだ空気によって過湿状態となり易
いからである。本発明の冷房設備を有する鶏舎は、安価
な冷水フィルター7を使用すると同時に、糞乾燥チャン
バー9を下部に配設することで、温度と湿度の関係を利
用して鶏糞の乾燥を抑え、鶏舎1内の空気中への水分補
給を抑えることができる。それは、温度が低い、すなわ
ち相対湿度の高くなる下部に糞乾燥チャンバー9を配設
することで、鶏糞を過飽和状態に近い環境中に置き、水
分の蒸発を抑制できるからである。夏期は気温が十分に
高いので、湿度の高い環境に鶏糞を放置しておいても、
糞乾燥コンベア10で移送され排出されるまでには、十
分に乾燥することができる。
【0041】とくに、糞乾燥チャンバー9を乾燥ダクト
11とすることで、より確実に鶏糞を乾燥できる。それ
は、鶏舎内の飼育ブロック2と糞乾燥チャンバー9と
を、乾燥ダクト11によって隔離できるからである。鶏
舎1とは別に、乾燥ダクト11を換気ファン12で外部
に対して換気できるので、乾燥ダクト11の内部を風通
しの良い環境として、鶏糞を乾燥しやすくできる。さら
に、鶏糞から蒸発した水分が鶏舎1内に入り込まないよ
うに換気できるので、より快適な鶏の飼育環境とでき
る。したがって、鶏糞の処理能力は問題なく確保でき、
同時に鶏の飼育にもより快適な環境が実現される。
【0042】
【発明の効果】本発明の冷房設備を有する鶏舎は、鶏を
飼育する飼育ブロックは従来のものと同じ構造として、
飼育ブロックの脚部を延長し床面から離して設置するだ
けで、糞乾燥チャンバーを配設することができる。鶏舎
の下部に糞乾燥チャンバーを設置できるスペースを確保
するだけで、鶏糞を処理しやすいように乾燥できる設備
を鶏舎内に設置できる。このため、従来であれば鶏糞処
理のためのプラント等を鶏舎に隣接して設けていたもの
が、同じ棟の中で処理できるようになり、広い場所と設
備を必要とせず、スペース、コストの大幅な削減が可能
となる。さらに、糞乾燥チャンバー自体は、特別な加熱
装置等を必要としない簡単な装置である。飼育ブロック
と糞乾燥チャンバーの連結も、下方に落下される鶏糞を
受けるだけであるから、複雑な連結設備を必要としな
い。したがって、設置も容易で手間もかからず、設備自
体のコストも設置のためのコストも安価に抑えることが
できる。
【0043】また、糞乾燥チャンバーに複数段の糞乾燥
コンベアを配設しているので、多量の鶏糞をここで蓄
え、静置したままで自然に乾燥させることができる。鶏
舎内には多数の鶏が飼育されているので、鶏が発する熱
量も相当なものとなり、この熱で鶏舎内の室温が上が
り、自然に乾燥できる環境とできる。さらに、複数段の
糞乾燥コンベア上で移送されながらゆっくりと時間をか
けて乾燥できるので、確実に無理なく鶏糞を乾燥でき
る。このため、鶏糞を乾燥させるためのバーナーや乾燥
室が不要となり、手間やコストが削減できる。さらに、
従来は手作業で鶏糞を狭いケージから掻き出して取り出
し、また鶏糞を乾燥させるのに鶏舎外の敷地に積み上げ
て放置し、数日間自然乾燥させることがあった。これら
の作業は極めて重労働であり、汚物の処理のため作業環
境も悪く、さらに鶏舎外に放置した鶏糞は悪臭を放ち、
付近に迷惑をかける弊害もあった。本発明の鶏舎は、コ
ンベアで鶏糞を移送して集めて排出できるので、労力も
かからず、手も汚さず、また鶏舎内で乾燥できるので場
所もとらず、1日もかけずに、ほとんど自動で処理済み
となった鶏糞を集めることができる。
【0044】さらに、飼育ブロックの下面に配設する糞
乾燥チャンバーは、鶏舎内で鶏の飼育環境を、特に夏期
において快適にできる特長も実現される。それは、鶏糞
から蒸発する水分を抑制して、鶏舎内の水分量の増加を
抑えることができるからである。すなわち、鶏舎内の空
気に含有される水分の総量が同じでも、鶏舎の上部と下
部では温度差が生じるため、湿度も上部と下部とでは変
わってくるからである。熱の対流により、鶏舎の下部は
温度が低くなるので、相対的に湿度は高くなる。したが
って、湿度の高い環境に置かれた鶏糞は乾燥し難くな
り、水分の蒸発が抑制される。
【0045】このことは、冷房設備を有する鶏舎にとっ
て極めて大切なことである。特に、冷房が必要となる夏
期においては、冷水フィルターで鶏舎内の空気を冷却す
ると、冷水フィルターの作用で水分を含んだ冷気が鶏舎
内に送り込まれる。このため、鶏舎内の空気は水分量が
多くなりやすい環境となる。適度な湿気は鶏の飼育に必
要であるが、過剰に湿度が高いとじめじめして蒸し暑く
なり、さらにカビ、細菌等の繁殖しやすい悪い環境とな
る。とくに鶏は病原菌に弱いので、薬物の投与や消毒等
の処理が必要となることもある。
【0046】本発明の冷房設備を有する鶏舎は、湿度の
高い下方、すなわち飼育ブロックと床面の間に糞乾燥チ
ャンバーを配設することで、鶏糞の乾燥による空気中の
水分量の増加を抑制する。したがって、湿気を抑えて快
適な環境を保持でき、鶏に投与する薬物等を減らして飼
育して、健康的で質が良く、薬物の残存量の少ない美味
なブロイラーや鶏卵を得ることができる。
【0047】また、糞乾燥チャンバーを飼育ブロックの
下方に配設する本発明の冷房設備を有する鶏舎は、鶏糞
の熱で糞乾燥チャンバーが加温されて鶏糞が効率よく乾
燥される。さらに、冬期においても、糞乾燥チャンバー
によって下方から鶏舎に熱を与え、通常であれば上部よ
りも気温の下がる下部にある飼育ブロックの鶏を快適に
飼育する環境も実現される。
【0048】さらに、本発明の請求項2に記載される冷
房設備を有する鶏舎は、飼育ブロックと乾燥ダクトが別
個に外気を換気するので、特に夏場においては、暑い外
気を鶏舎は水フィルターで冷却して取り込み、飼育ブロ
ックを冷房できる。一方、乾燥ダクトでは暑い外気を冷
房する必要がなく、逆に直接取り込むことで、熱を利用
して効率よく鶏糞を乾燥できる環境とすることができ
る。さらに、熱伝導の良い乾燥ダクトを飼育ブロックの
下面に配設しているので、飼育ブロックの下面を温め
て、熱の対流により鶏舎内の温度を均一にし、また鶏舎
内の過剰冷房を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す鶏舎内部の側面
【図2】図1に示す鶏舎内部の正面図
【図3】図1に示す鶏舎内部の平面図
【図4】排出コンベアの端部を示す断面図
【図5】鶏舎と糞焼却部の連結状態を示す概略図
【図6】この発明の他の実施の形態を示す鶏舎内部の正
面図
【図7】この発明の他の実施の形態を示す鶏舎内部の乾
燥ダクトの平面図
【図8】この発明の他の実施の形態を示す鶏舎内部の乾
燥ダクトの平面図
【図9】この発明の他の実施の形態を示す鶏舎内部の乾
燥ダクトの平面図
【図10】従来の冷房設備を有する鶏舎内部の側面図
【符号の説明】
1…鶏舎 2…飼育ブロック 3…飼育ケージ 4…吸入路 5…排気路 6…強制送風ファン 7…冷水フィルター 8…排出コンベア 9…糞乾燥チャンバー 10…糞乾燥コンベア 11…乾燥ダクト 12…換気ファン 13…剥離板 14…鶏糞焼却部 15…糞排出口 16…換気口 17…外気換気口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の全ての構成を有する冷房設備を有
    する鶏舎。 (a) 鶏舎(1)は、多数の鶏を収納して飼育する細長
    い飼育ブロック(2)を建物の内部に配設している。 (b) 鶏舎(1)は、外気を吸入する吸入路(4)と、室内
    空気を排気する排気路(5)とを開口しており、吸入路(4)
    から外気を吸入して、排気路(5)から室内の空気を排気
    する強制送風ファン(6)を備える。 (c) 鶏舎(1)の吸入路(4)には、冷水フィルター(7)
    を配設している。 (d) 冷水フィルター(7)は、水を流下させると共
    に、これに空気を通過させて外気を冷却して建物内に流
    入させる。 (e) 飼育ブロック(2)は、鶏を多段に収納する飼育
    ケージ(3)を複数段に配設している。 (f) 多段の飼育ケージ(3)は、飼育する鶏が排出す
    る鶏糞を縦に移送する排出コンベア(8)を配設してい
    る。 (g) 飼育ブロック(2)は建物床から離されて配設さ
    れており、飼育ブロック(2)と建物床との間に、鶏糞を
    乾燥させるための糞乾燥チャンバー(9)を設けている。 (h) 糞乾燥チャンバー(9)には、鶏糞を水平方向に
    移送しながら乾燥させる糞乾燥コンベア(10)を多段に配
    設している。 (i) 飼育ケージ(3)で飼育される鶏が排出する鶏糞
    は、排出コンベア(8)から糞乾燥コンベア(10)に移送さ
    れ、糞乾燥コンベア(10)に送られた鶏糞は、水平方向に
    移送されながら上段の糞乾燥コンベア(10)から下段の糞
    乾燥コンベア(10)に移送されて、次第に乾燥させるよう
    に構成されている。
  2. 【請求項2】 糞乾燥チャンバー(9)が乾燥ダクト(11)
    で区画されており、乾燥ダクト(11)が換気ファン(12)を
    介して建物外に連結されており、建物内が冷房される状
    態で、乾燥ダクト(11)に外気が換気されて鶏糞が乾燥さ
    れるように構成されてなる請求項1に記載の冷房設備を
    有する鶏舎。
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