JPH09133746A - 磁気センサ装置およびその製造方法 - Google Patents

磁気センサ装置およびその製造方法

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JPH09133746A
JPH09133746A JP7291096A JP29109695A JPH09133746A JP H09133746 A JPH09133746 A JP H09133746A JP 7291096 A JP7291096 A JP 7291096A JP 29109695 A JP29109695 A JP 29109695A JP H09133746 A JPH09133746 A JP H09133746A
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JP
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ferrite
resin
sensor device
magnetic sensor
magnetic
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JP7291096A
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English (en)
Inventor
Katsuji Tara
勝司 多良
Toshio Fujiwara
俊夫 藤原
Toshio Matsuda
俊夫 松田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electronics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気センサ装置の高感度を実現するととも
に、樹脂封止工程における樹脂の膨張・収縮による応力
による特性のばらつきを抑制する。 【解決手段】 フェライト基板11上に、SiO2 膜1
2とSi3 4 膜13を介して磁気感受部14を形成
し、磁気感受部14上にコンタクト電極15およびSi
3 4 膜16を形成し、その上にゴム状のレジン18を
介してフェライト17を設置している。また、フェライ
ト基板11はゴム状のレジン18を介してリードフレー
ム19上に設置している。そして、全体を樹脂20で封
止している。磁気感受部14の上下のフェライト(1
1,17)により高感度を実現し、封止工程での樹脂の
応力は、ゴム状のレジン18により吸収され、磁気感受
部14に直接加わらず、樹脂の膨張・収縮により生ずる
歪の影響を抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フェライトを用
いた磁気センサ装置およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】磁電変換素子、特に磁気センサ装置は、
小型で信頼性が高く、ビデオやオーディオのモータのブ
ラシのかわりや、自動車の回転センサなど様々な用途に
幅広く応用されている。ホール素子の磁気感受部を形成
する材料としては、GaAsやInSb等の半導体が用
いられている。磁気感受部にGaAsを用いたものは、
禁止帯幅が大きく、温度特性に優れ、温度特性が重視さ
れる自動車等の分野で用いられるのに対し、InSbを
用いたものは、電子の移動度が大きく、磁気感度に優
れ、消費電力を重視する分野で用いられる。
【0003】感度を決める移動度は、室温でInSbは
GaAsの8倍以上であるが、温度係数を決める禁止帯
幅がInSbはGaAsの8分の1程度であるため、高
温時には同じ感度となり、InSbのみでは高温時の消
費電力の利点がGaAsに対して得られない。そこでI
nSbも高感度を更に得るため、フェライトの上に形成
することで、フェライトの磁気収束効果により、より高
感度化を図っている(例えば、特開昭51−32556
号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】また、高感度を得るた
めにフェライトを磁気感受部の上部に形成する場合、フ
ェライトを磁気感受部の上部に形成した後、全体を樹脂
封止するが、この封止工程において生じる樹脂の膨張・
収縮による応力について考慮されていなかった。磁気セ
ンサ装置の等価回路は、図2に示されるように抵抗の集
合で近似される。図2の近似において、例えば磁気感受
部の厚さのばらつきが大きいと、磁気感受部のパターン
をエッチングにより形成する際に、エッチングのばらつ
きが生じ、不平衡電圧VHO(印加磁場0下での感度)の
ばらつきが発生する。このようなV HOのばらつきは、ウ
エハーの検査段階で除去しており、封止工程での応力
が、図2の抵抗の各部に均一に加えられればVHOとして
は変動しない。しかし、封止工程での応力が不均一に加
えられると、VHOは次の数1で与えられるので、封止工
程中の変動をうけVHOは変化しばらつきが発生する。
【0005】
【数1】
【0006】例えば、印加電圧VC を1Vとし、抵抗R
1 ,R2 ,R3 ,R4 のうち、R1が他の抵抗に比べて
大きな応力が加えられ、10%異なった抵抗値をとった
場合、47mVのVHOが生ずる。このばらつきは、モー
タ等のセットのオフセットとして働き、回転ムラの要因
になる。この発明の目的は、高感度を実現するととも
に、樹脂封止工程における樹脂の膨張・収縮による応力
による特性のばらつきを抑制できる磁気センサ装置およ
びその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の磁気セン
サ装置は、フェライト基板の上部に磁気感受部を設け、
磁気感受部上にコンタクト電極を設け、磁気感受部の上
部にゴム状のレジンを介してフェライトを設置し、樹脂
封止している。この構成により、磁気感受部の上下にフ
ェライトが配置され、高感度を実現するとともに、封止
工程での樹脂の応力は、ゴム状のレジンにより吸収さ
れ、磁気感受部に直接加わらず、樹脂の膨張・収縮によ
り生ずる歪の影響を受けず、VHOの特性変動を抑えられ
る。
【0008】請求項2記載の磁気センサ装置は、請求項
1記載の磁気センサ装置において、コンタクト電極の上
部にフェライトの底面が位置したことを特徴とする。こ
れにより、樹脂の膨張・収縮によりフェライトに加わる
応力は、コンタクト電極に加わり、磁気感受部に加わら
ないため、樹脂の膨張・収縮により生ずる歪の影響を受
けず、VHOの特性変動を抑えられる。
【0009】請求項3記載の磁気センサ装置は、請求項
2記載の磁気センサ装置において、フェライトの底面は
正方形状であり、フェライトの底面の一辺を隣接するコ
ンタクト電極の間隔の√2倍以上としたことを特徴とす
る。これにより、コンタクト電極の上部にフェライトの
底面を確実に位置させることができ、フェライトの位置
ずれによる特性変動を抑え、高い歩留りを実現できる。
【0010】請求項4記載の磁気センサ装置は、請求項
2記載の磁気センサ装置において、フェライトの底面を
磁気感受部に対して45度±5度の方向に配置したこと
を特徴とする。これにより、コンタクト電極の上部にフ
ェライトの底面を確実に位置させることができ、フェラ
イトの位置ずれによる特性変動を抑え、高い歩留りを実
現できる。
【0011】請求項5記載の磁気センサ装置は、請求項
1,2,3または4記載の磁気センサ装置において、フ
ェライト基板を、フェライト基板の底面の中心に対して
略点対称な設置板に設置したことを特徴とする。これに
より、封止工程での応力が磁気感受部の各抵抗に対称に
加えられ、樹脂の膨張・収縮により生ずる歪の影響を受
けにくくなり、VHOの特性変動をより抑えられる。
【0012】請求項6記載の磁気センサ装置は、請求項
5記載の磁気センサ装置において、フェライト基板をゴ
ム状のレジンを介して設置板に設置したことを特徴とす
る。これにより、封止工程における設置板に加わる樹脂
の応力は、ゴム状のレジンにより吸収され、VHOの特性
変動をさらにより抑えられる。請求項7記載の磁気セン
サ装置は、請求項1,2,3,4,5または6記載の磁
気センサ装置において、フェライト基板と磁気感受部と
の間に絶縁性の多層膜を形成したことを特徴とする。こ
れにより、製造工程中における磁気感受部への悪影響を
除き、ばらつきのすくない良好な感度を実現できる。
【0013】請求項8記載の磁気センサ装置は、請求項
7記載の磁気センサ装置において、絶縁性の多層膜と接
するフェライト基板の表面の凸凹が0.2μm以下であ
ることを特徴とする。これにより、絶縁性の多層膜のカ
バレージが良くなり、より良好な感度を実現できる。請
求項9記載の磁気センサ装置は、請求項7または8記載
の磁気センサ装置において、絶縁性の多層膜はSiO2
膜およびSi3 4 膜を含むことを特徴とする。
【0014】請求項10記載の磁気センサ装置の製造方
法は、フェライト基板の上部に磁気感受部を設け、磁気
感受部上にコンタクト電極を設け、磁気感受部の上部に
フェライトを設置し、樹脂封止した磁気センサ装置の製
造方法であって、板状のフェライトの下部に液状のレジ
ンを全面塗布した後、熱処理してレジンをゴム状とし、
板状のフェライトをゴム状のレジンとともに所望のサイ
ズに分割する工程と、磁気感受部の上部にゴム状のレジ
ンを介して分割したフェライトを設置する工程とを含む
ことを特徴とする。この方法により、同じサイズのフェ
ライトとゴム状のレジンを容易に精度良く得られ、磁気
感受部とフェライトの間に封止樹脂が入り込むことがな
く、封止工程での樹脂の応力は、ゴム状のレジンにより
吸収され、磁気感受部に直接加わらず、樹脂の膨張・収
縮により生ずる歪の影響を受けず、VHOの特性変動を抑
えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照しながら説明する。図1はこの発明の
実施の形態におけるホール素子からなる磁気センサ装置
の構成を示し、図1(a)はその平面配置図、図1
(b)はその断面図であり、この磁気センサ装置(ホー
ル素子)の等価回路を図2に示す。
【0016】この磁気センサ装置は、表面の凸凹が0.
2μm以下であるフェライト基板11の表面に、絶縁性
の多層膜としてSiO2 膜12とSi3 4 膜13を形
成し、この上に磁気感受部14を形成している。そし
て、磁気感受部14の上にコンタクト電極15およびS
3 4 膜16を形成し、その上にゴム状のレジン18
を介して、底面が正方形状で直方体のフェライト17
を、その底面がコンタクト電極15の上部に位置するよ
うに設置している。また、フェライト基板11は、ゴム
状のレジン18を介して非磁性体(例えば銅)からなる
リードフレーム(設置板)19上に設置している。そし
て、全体を樹脂20で封止している。
【0017】以下、この磁気センサ装置の製造方法とと
もに、より詳しい構成について説明する。図1におい
て、まず、表面の凸凹が0.2μm以下のポリシュ仕様
によるフェライト基板11上に、SiO2 膜12を30
0度以上,550度までの温度で500Å〜10000
Åの厚さで気相成長し、その上にプラズマCVD法によ
りSi3 4 膜13を500Å〜10000Åの厚さで
形成する。この後、磁気センサの磁気感受部14となる
InSb膜を、InおよびSbの個々の蒸着源から蒸着
する。この際、蒸着温度は常温から融点付近まで幅広い
範囲の任意の温度で可能である。形成されたInSb膜
は、後工程での特性変動を抑えるため、550度の融点
付近の500度の温度で5分以上の熱処理を行う。
【0018】その後、レジストを用いて所望の活性層に
パターンニングを行い、InSb膜のみを塩化第2鉄や
硝酸を含む酸で選択的にエッチングを行ってInSb膜
からなる磁気感受部14を形成する。その後、コンタク
ト電極15となるNiPtTiAl膜を蒸着する。N
i、Tiは密着剤であり、PtはInとAlのバリアメ
タルで、InとAlの合金化を防ぐ目的の金属である。
この後、磁気感受部14の上に、250度から400度
の温度でSi3 4 膜16を形成する。ここまで形成し
たものを、以下の説明ではチップという。
【0019】このチップを、硬化してゴム状のレジン1
8となる絶縁ペーストを介してリードフレーム19にダ
イスボンドする。さらに、ダイスボンドされたチップの
上部に硬化してゴム状のレジン18となる絶縁ペースト
を介してフェライト17をダイスボンドし、その後、全
体を樹脂20で樹脂封止する。この封止工程は、樹脂2
0を150度から200度の高温で形成する。なお、ゴ
ム状のレジン18となる絶縁ペーストは、150度から
200度の熱処理後もゴム状である。
【0020】ここで、フェライト基板11とInSb膜
の磁気感受部14との間の絶縁層を、上記実施の形態の
ようにSiO2 膜12とSi3 4 膜13の2層構造と
した場合と、SiO2 膜またはSi3 4 膜のみの1層
構造とした場合とにおいて、InSb膜を500度の温
度で熱処理をした後の感度の比較をした結果を図3に示
す。図3に示すように、この実施の形態のように絶縁層
を2層構造とすれば、1層構造とした場合に比べてばら
つきが小さいことがわかる。これは、1層構造の場合、
SiO2 膜のみだとInが拡散してフェライトの鉄と反
応しInSbの結晶が得られず、また、Si3 4 膜の
みだと熱処理の際にワレが生じてInSbとフェライト
の鉄とが反応しInSbの結晶が得られない。そこで、
SiO2膜,Si3 4 膜の2層構造にすると、SiO
2 膜とSi3 4 膜の膨張係数の差によりSi3 4
のみの場合の熱処理の際のワレを防止でき、また、Si
2 膜のみの場合のInの拡散をSi3 4 膜により防
げるためである。
【0021】したがって、フェライト基板11とInS
b膜の磁気感受部14の間の絶縁層は、SiO2 膜とS
3 4 膜とを含む多層構造であればよく、例えば、S
iO 2 膜とSi3 4 膜とSi3 4 膜の3層構造にし
ても同じ効果が得られる。また、図4に、フェライト基
板11表面の凸凹と感度の関係を調べた結果を示す。表
面の凸凹が0.2μm以下の場合、良好な結果を得る。
これは、表面の凸凹が0.2μm以上であると、SiO
2 膜やSi3 4 膜でフェライト基板11の表面を十分
カバレージすることが困難なためと推定される。
【0022】上記実施の形態における封止工程で、樹脂
20を150度から200度の高温で形成した後、樹脂
20が常温にもどる際、樹脂の膨張係数と弾性係数によ
る力がチップに応力として働く。この応力は封止前後の
HOの特性変動の要因となる。ここで、絶縁ペーストと
して、150度から200度の熱処理後も上記実施の形
態のようにゴム状であるレジン18を用いた場合と、硬
化タイプのレジンを用いた場合とにおいて、封止前後の
HOの特性変動を、図5に示す。また、我々の実験によ
るとゴム状のレジン18は、硬化タイプのレジンに比
べ、封止工程での応力を三分の一に低減した。このた
め、磁気感受部(InSb膜)14の上部にゴム状のレ
ジン18を介してフェライト17をダイスボンドするこ
とにより、封止工程での樹脂20の応力は、ゴム状のレ
ジン18により吸収され、磁気感受部14に直接加わら
ず、樹脂20の膨張・収縮により生ずる歪の影響を受け
ず、V HOの特性変動を抑えられたと考えられる。
【0023】また、封止工程での樹脂20の膨張・収縮
による応力は、チップの端面に集中する。ここで、上記
実施の形態のように磁気感受部14のコンタクト電極1
5の上部に直方体のフェライト17が形成される構造を
図6(a)のように簡略化して示し、この場合と、図6
(a)に対して図6(b)に示される構造の場合とにお
いて、封止前後のVHOの特性変動を、図7に示す。図6
(b)の構造では、樹脂20の膨張・収縮によりフェラ
イト17に加わる応力が磁気感受部14に加わるが、図
6(a)の構造では、フェライト17に加わった応力は
コンタクト電極15に加わることになり、磁気感受部1
4に加わらないため、樹脂20の膨張・収縮により生ず
る歪の影響を受けず、図7に示すように、VHOの特性変
動を抑えられる。
【0024】ここで、磁気感受部14の上部に形成され
るフェライト17は、正方形状の底面を有する直方体で
あり、フェライト17の底面の一辺を、隣接するコンタ
クト電極15の間隔の√2倍以上で形成することによ
り、図6(b)のように、フェライト17の端面(底
面)が必ずコンタクト電極15の上部に載置される構造
となり、上述したように、樹脂20の膨張・収縮により
生ずる歪の影響を受けず、VHOの特性変動を抑えられ
る。図8に、フェライト17の底面の一辺を、隣接する
コンタクト電極15の間隔の√2倍以上で形成した場合
と、隣接するコンタクト電極15の間隔の√2倍未満で
形成した場合について、樹脂封止前後のVHOの特性変動
を示す。図8より上記の効果が判る。
【0025】また、磁気感受部14とフェライト17の
角度、すなわち図1においてフェライト基板11とフェ
ライト17との上部から見た辺の成す角度θ(図1では
角度θ=45度)をパラメータとして、同じサイズのフ
ェライト17をダイスボンドした際の、印加磁界B=0
ガウス,図2のVC =1VにおけるVHOの分布の実験結
果を、図9に示す。図1のように、磁気感受部14とフ
ェライト17の角度θを45度にすることで、フェライ
ト17の端面がコンタクト電極15の上部にかかりやす
い構造となり、同じサイズのフェライト17をダイスボ
ンドした際、樹脂20の膨張により生ずるチップ端面へ
の歪の影響が一番受けにくいことが判る。なお、磁気感
受部14とフェライト17の角度θは45度±5度であ
れば、上記効果は得られる。
【0026】フェライト17の一辺がコンタクト電極1
5の間隔と同じ場合、図9に示すように、不平衡電圧V
HOは角度θが45度のとき最も小さな値となる。また、
フェライト17の一辺がコンタクト電極15の間隔の√
2倍以上であっても、角度θが0度および45度以外の
ときには、磁気感受部14にかかるフェライト17が左
右非対称であるため、不平衡電圧VHOは大きな値とな
る。角度θが0度の場合と45度の場合を比較すると、
0度より45度の方がフェライト17がコンタクト電極
15にかかる面積が大きく、樹脂20の膨張により生ず
るチップ端面への歪の影響を一番受けにくい。
【0027】また、リードフレーム19の上にゴム状の
レジン18を介してチップを設置しているが、図10に
示すように、リードフレーム19はチップAの底面の対
角線に対して対称な形状とすることが、封止前後のVHO
の特性変動の上から好ましい。リードフレーム19の形
状が、チップAの底面の対角線に対して対称である場合
と、非対称である場合とについて、樹脂封止前後のVHO
の特性変動を図11に示す。封止工程において、チップ
A下部からの応力はリードフレーム19の形状が非対称
であると、抵抗ブリッジの回路で示される磁気感受部1
4(図1)に不均一に応力が働き、VHOの特性変動を引
き起こす。磁気センサのダイスボンドされるリードフレ
ーム19の部分を線対称とすることにより、封止工程で
の応力が磁気感受部14の各抵抗に対称に印加され、樹
脂の膨張・収縮により生ずる歪の影響を受けにくいこと
がわかる。
【0028】また、フェライト17の下部をゴム状のレ
ジン18でコートした場合と、ゴム状のレジン18でコ
ートしていない場合とについて、封止前後のVHOの特性
変動を、図12に示す。フェライト17の下部をゴム状
のレジン18でコートすることにより、封止工程での樹
脂20の応力は、ゴム状のレジン18により吸収され、
磁気感受部14に直接加わらず、樹脂20の膨張・収縮
により生ずる歪の影響を受けず、VHOの特性変動を抑え
られる。
【0029】また、ゴム状のレジン18がフェライト1
7のサイズより小さいと、磁気感受部14とフェライト
17の間に封止樹脂20が入り込み、磁気感受部14上
に封止樹脂20が存在することが生ずる。これを回避す
るためには、ゴム状のレジン18はフェライト17と同
サイズ以上である必要がある。このフェライト17の下
部にゴム状のレジン18を形成する方法について、図1
3を参照しながら説明する。
【0030】まず、板状のフェライト121の下部に、
ゴム状に硬化するレジスト等のレジン122をコートし
(図13(a))、150度から300度でレジン12
2をゴム状に硬化した後、テープ123に接着する(図
13(b))。その後、ダイシングソー124を用い、
所望のサイズに切裂する。これにより、ゴム状のレジン
18と同じサイズのフェライト17を容易に精度良く得
られる。なお、磁気センサのチップは、磁気感受部14
(図1)が0.2から0.6mmであるため、これより
0.1mmサイズの大きい0.3から0.7mmが適切
な設定である。
【0031】また、図1のフェライト基板11とゴム状
のレジン18も、図13と同様にして形成することがで
きる。なお、ゴム状のレジン18は、シリコーンゴムか
らなるジャンクションコーティングレジンJCR(トー
レ・シリコーン社製)等を用いて形成することができ
る。
【0032】
【発明の効果】以上のようにこの発明の磁気センサ装置
は、フェライト基板の上部に磁気感受部を設け、磁気感
受部上にコンタクト電極を設け、磁気感受部の上部にゴ
ム状のレジンを介してフェライトを設置し、樹脂封止し
ている。これにより、磁気感受部の上下にフェライトが
配置され、高感度を実現するとともに、封止工程での樹
脂の応力は、ゴム状のレジンにより吸収され、磁気感受
部に直接加わらず、樹脂の膨張・収縮により生ずる歪の
影響を受けず、VHOの特性変動を抑えられる。
【0033】さらに、コンタクト電極の上部にフェライ
トの底面が位置したことにより、樹脂の膨張・収縮によ
りフェライトに加わる応力は、コンタクト電極に加わ
り、磁気感受部に加わらないため、樹脂の膨張・収縮に
より生ずる歪の影響を受けず、VHOの特性変動をより抑
えられる。また、フェライトの底面が正方形状であり、
フェライトの底面の一辺を隣接するコンタクト電極の間
隔の√2倍以上としたことにより、コンタクト電極の上
部にフェライトの底面を確実に位置させることができ、
フェライトの位置ずれによる特性変動を抑え、高い歩留
りを実現できる。
【0034】また、フェライトの底面を磁気感受部に対
して45度±5度の方向に配置したことを特徴とする。
これにより、コンタクト電極の上部にフェライトの底面
を確実に位置させることができ、フェライトの位置ずれ
による特性変動を抑え、高い歩留りを実現できる。さら
に、フェライト基板を、フェライト基板の底面の中心に
対して略点対称な設置板に設置したことにより、封止工
程での応力が磁気感受部の各抵抗に対称に加えられ、樹
脂の膨張・収縮により生ずる歪の影響を受けにくくな
り、VHOの特性変動をより抑えられる。このとき、フェ
ライト基板をゴム状のレジンを介して設置板に設置する
ことにより、封止工程における設置板に加わる樹脂の応
力は、ゴム状のレジンにより吸収され、VHOの特性変動
をさらにより抑えられる。
【0035】さらに、フェライト基板と磁気感受部との
間に、例えばSiO2 膜およびSi 3 4 膜を含む絶縁
性の多層膜を形成したことにより、製造工程中における
磁気感受部への悪影響を除き、ばらつきのすくない良好
な感度を実現できる。また、絶縁性の多層膜と接するフ
ェライト基板の表面の凸凹を0.2μm以下としたこと
により、絶縁性の多層膜のカバレージが良くなり、より
良好な感度を実現できる。
【0036】また、この発明の磁気センサ装置の製造方
法は、板状のフェライトの下部に液状のレジンを全面塗
布した後、熱処理してレジンをゴム状とし、板状のフェ
ライトをゴム状のレジンとともに所望のサイズに分割す
ることにより、磁気感受部の上部に設置する同じサイズ
のフェライトとゴム状のレジンを容易に精度良く得ら
れ、磁気感受部とフェライトの間に封止樹脂が入り込む
ことがなく、封止工程での樹脂の応力は、ゴム状のレジ
ンにより吸収され、磁気感受部に直接加わらず、樹脂の
膨張・収縮により生ずる歪の影響を受けず、VHOの特性
変動を抑えられる。
【0037】したがって、この発明により、感度が良好
でVHOの特性の良好な信頼性の高い磁気センサ装置を、
高歩留まりで安価な供給が可能となる。これにより装置
の小型化、高信頼性化、低価格化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態における磁気センサ装置
の構成を示す平面図および断面図である。
【図2】磁気センサの等価回路である。
【図3】この発明の実施の形態における効果を示す図で
ある。
【図4】この発明の実施の形態における効果を示す図で
ある。
【図5】この発明の実施の形態における効果を示す図で
ある。
【図6】この発明の実施の形態における効果を説明する
ための構成図である。
【図7】この発明の実施の形態における効果を示す図で
ある。
【図8】この発明の実施の形態における効果を示す図で
ある。
【図9】この発明の実施の形態における効果を示す図で
ある。
【図10】この発明の実施の形態における効果を説明す
るための構成図である。
【図11】この発明の実施の形態における効果を示す図
である。
【図12】この発明の実施の形態における効果を示す図
である。
【図13】この発明の実施の形態における磁気センサ装
置に用いる材料の製造工程フロー図である。
【符号の説明】
11 フェライト基板 12 SiO2 膜 13 Si3 4 膜 14 磁気感受部(InSb膜) 15 コンタクト電極(NiPtTiAl膜) 16 Si3 4 膜 17 フェライト 18 ゴム状のレジン 19 リードフレーム(設置板) 20 樹脂 121 板状のフェライト 122 ゴム状のレジン 123 テープ 124 ダイシングソー

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト基板の上部に磁気感受部を設
    け、前記磁気感受部上にコンタクト電極を設け、前記磁
    気感受部の上部にゴム状のレジンを介してフェライトを
    設置し、樹脂封止した磁気センサ装置。
  2. 【請求項2】 コンタクト電極の上部にフェライトの底
    面が位置したことを特徴とする請求項1記載の磁気セン
    サ装置。
  3. 【請求項3】 フェライトの底面は正方形状であり、前
    記フェライトの底面の一辺を隣接するコンタクト電極の
    間隔の√2倍以上としたことを特徴とする請求項2記載
    の磁気センサ装置。
  4. 【請求項4】 フェライトの底面を磁気感受部に対して
    45度±5度の方向に配置したことを特徴とする請求項
    2記載の磁気センサ装置。
  5. 【請求項5】 フェライト基板を、前記フェライト基板
    の底面の中心に対して略点対称な設置板に設置したこと
    を特徴とする請求項1,2,3または4記載の磁気セン
    サ装置。
  6. 【請求項6】 フェライト基板をゴム状のレジンを介し
    て設置板に設置したことを特徴とする請求項5記載の磁
    気センサ装置。
  7. 【請求項7】 フェライト基板と磁気感受部との間に絶
    縁性の多層膜を形成したことを特徴とする請求項1,
    2,3,4,5または6記載の磁気センサ装置。
  8. 【請求項8】 絶縁性の多層膜と接するフェライト基板
    の表面の凸凹が0.2μm以下であることを特徴とする
    請求項7記載の磁気センサ装置。
  9. 【請求項9】 絶縁性の多層膜はSiO2 膜およびSi
    3 4 膜を含むことを特徴とする請求項7または8記載
    の磁気センサ装置。
  10. 【請求項10】 フェライト基板の上部に磁気感受部を
    設け、前記磁気感受部上にコンタクト電極を設け、前記
    磁気感受部の上部にフェライトを設置し、樹脂封止した
    磁気センサ装置の製造方法であって、 板状のフェライトの下部に液状のレジンを全面塗布した
    後、熱処理して前記レジンをゴム状とし、前記板状のフ
    ェライトをゴム状の前記レジンとともに所望のサイズに
    分割する工程と、 前記磁気感受部の上部に前記ゴム状のレジンを介して分
    割した前記フェライトを設置する工程とを含むことを特
    徴とする磁気センサ装置の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100715648B1 (ko) * 2004-08-11 2007-05-08 (주) 아모센스 반도체 칩 매장형 수지 패키지, 반도체 칩 매장형 수지패키지의 제조 방법 및 반도체 칩 매장형 수지 패키지를이용한 자기 센서

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