JPH09133658A - 被検査物の欠陥の超音波検出方法。 - Google Patents

被検査物の欠陥の超音波検出方法。

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JPH09133658A
JPH09133658A JP7303591A JP30359195A JPH09133658A JP H09133658 A JPH09133658 A JP H09133658A JP 7303591 A JP7303591 A JP 7303591A JP 30359195 A JP30359195 A JP 30359195A JP H09133658 A JPH09133658 A JP H09133658A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス瓶などの首部の欠陥に対して高精度の
欠陥検出方法を提供する。 【解決手段】 送波器から被検査物に連続超音波を照射
し超音波音場を形成し、被検査物の欠陥に由来する出力
波形の異常を受波器で検出し、これを電気信号に変換
し、正常電気信号と比較することにより容器表面の欠陥
を検出する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平滑表面上に曲率を持つ
物体、特に容器の欠陥の検出方法及びその装置に関す
る。特に、硝子瓶の生産工程で発生する欠陥(泡、筋、
焼き傷等)の検出方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス製品、窯業製品等の平滑表面上に
曲率を持つ物体の製造における品質管理において、欠陥
品を見つけることは重要である。特に、ガラス瓶等の容
器において使用者が口をつける部分の欠陥は特に注意を
要する。欠陥検出についてはこれまで、様々な方法が採
られているが、一般的には光学的手法と目視によって行
われている。光学的手法としては、例えば、光の屈折率
の差を検出する方法、レーザービームの面掃引により欠
陥の不規則信号を検出する方法、光学画像のビデオ信号
を信号処理する方法等が存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
光学的手法では、表面が艶消し加工された被検査物に対
しては、反射波が極めて小さくなるため欠陥検出は困難
である。さらに、表面が平滑であっても、字、模様等の
ため表面に色の濃淡が存在する場合、色に光が応答する
ために、その影響と欠陥との区別がつかず欠陥検出は困
難であった。又、光のような短い波長を用いると、表面
に曲率或いは滑らかな凹凸(歪曲)を有するとその微妙
な形状変化に対しても鋭敏な反応をすることになる。
又、目視では微小な欠陥は識別困難であり生産性も低
い。このため超音波を用いる方法が考えられるが、超音
波方式として、接触式と非接触式が有る。
【0004】接触式には、機械的探触子を接触させて表
面掃引により形状の異常を検出する方法、超音波探触子
を接触させ、且つ表面掃引により内部欠陥を検出する方
法があり、非接触式には、超音波ビームを照射・掃引
し、反射波・散乱波の異常により欠陥を検出する方法、
光波ビームを照射・掃引し反射波・散乱波の異常により
欠陥を検出する方法等が存在する。接触式では機械的探
触子は接触子の機械共振周波数によって検出速度に限界
があって、実用的ではない。また、超音波探触子は曲面
への密着性に問題点がある。したがって、硝子瓶のよう
な平面状に曲率を有する物体には非接触式が実用的であ
ると考えられる。
【0005】しかしながら、非接触式に超音波を使用す
る方法にしても、例えばネジ状の首の部分ではその凹凸
の存在のため、欠陥の検出はこれまで極めて困難であっ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、被検査物表面
からの超音波反射波の振幅の変化、即ち包絡線の変化に
着目したものである。振幅の変化、即ち包絡線の変化分
には被検査物の表面形状、例えば概形や微細形状と欠陥
に対応する変化分が含まれている。この変化分の内、概
形に対応する部分は比較的周波数が低く、表面の凹凸が
ある形状(微細形状)に対応する部分は、概形部分より
高い周波数成分を含む。
【0007】欠陥は一般に微細形状より更に形状が微小
なため、概形形状や微細形状より更に高い周波数成分に
なる。
【0008】欠陥検出の高域フィルターの遮断周波数
は、欠陥成分の周波数成分と概形及び微細形状の周波数
成分の中間にとり、欠陥成分のみを通過させ、概形及び
微細形状成分を遮断せしめる。
【0009】従って、本発明は、前記課題を解決するた
めに、色彩や濃淡に応答せず、比較的波長の長い超音波
波動を用いた容器の欠陥検出方法及び装置において、被
検査物に対して、連続超音波を被検査物表面に照射し、
その反射波の振幅或いは位相等の形状の異常を捉えるこ
とにより欠陥の有無を検出する方法を提供するものであ
る。
【0010】すなわち、本発明は、送波器から被検査物
に連続超音波を照射し超音波音場を形成し、被検査物の
欠陥に由来する出力波形の異常を受波器で検出し、これ
を電気信号に変換し、正常電気信号と比較することによ
り容器表面の欠陥を検出する方法を提供する。好ましく
は、前記超音波を被検査物の表面に対して斜め方向から
照射する方をも提供する。また、前記超音波は80kH
zから1000kHzであることが好ましい。さらに、
前記超音波音場は、音圧の変化が単調な遠距離音場の領
域を利用することが好ましい。さらに、出力波形をスペ
クトルに分解することにより、雑音成分の基本特性を示
す周波数成分を認識し易くする方法も提供する。また、
出力波形を特定の遮断周波数を有するハイパスフィルタ
で処理することにより、被検査物の基本特性を示す周波
数成分を削減し、容器表面の欠陥の信号を残す方法を提
供する。さらに、欠陥のない瓶からの出力波形を加算し
その平均を取った波形(平均波形)を、個々の波形から
減算処理する方法も提供する。そして、被検査物が平滑
表面上に曲率を持つ物体である場合の方法も提供する。
そして被検査物がビンであり、前記欠陥が瓶胴部の欠陥
であり、欠陥が瓶首部の欠陥であり、欠陥が瓶首部の欠
け傷、変形である場合の方法をそれぞれ提供する。さら
に、送波器からの超音波の焦点を瓶首部の山の頂点と
し、被検査物の基本特性が、瓶首部の基本特性であり、
遮断周波数を20KHz以下に設定する場合の各方法を
提供する。また、ネジの始まりの部分に対する応答を同
期させて平均波形を取る方法、減算処理の後、さらにハ
イパスフィルタによる低周波成分の削減処理を行う方法
を提供するものである。
【0011】まず、本発明において基礎となる原理を以
下に説明する。即ち、欠陥を有する平滑な表面上に音波
の波動が入射すると、その反射波には欠陥の不規則性に
よる散乱波及び干渉波が重畳する。これらの現象によ
り、反射音圧は、見かけ上の吸収減衰が生じる。平滑表
面上の欠陥検出は、原理的にこの音圧レベルの低下を検
出する問題に帰するものである。
【0012】被検査面に対して、送波器に一定の角度を
保たせ、連続超音波を送波する。表面上で音波を反射さ
せて、その反射波を受波器により電気信号に変換する。
ここで、送・受波器は効率良く音波を反射・受波させる
ために、被検査物の法線に対して同角度を持ち、その法
線を含む同一平面上に位置しなければならない。受波信
号は、反射波と散乱波及び干渉波の和となるが、受波信
号波形はそれらの波を変調信号とする振幅変調波と考え
られ、故に、散乱波(以後、干渉波も含んだ意味で使用
する。)による振幅変化、即ち包絡線の変化をs(t)
とすると、受波信号p(t)は、 p(t)=Acosωt(1+s(t)) と表現できる。ここで、Aは反射波の振幅、ωは反射波
の角周波数を表わす。そして、包絡線成分s(t)を散
乱波成分として検出、欠陥の有無の判定を行う。
【0013】本発明方法で使用できる周波数は、100
kHzから1000kHz(波長に換算すると、3.4
mmから0.34mm)程度である。波長が短い程、検
出の分解能は原理上は向上するが、被検査物が完全な曲
面や平面でないこと及び大気の乱れの影響で波長が短い
と欠陥検出は困難となる。このため100kHzから1
000kHzに最適周波数が存在する。最適周波数は、
欠陥の種類、欠陥の大きさ、被検査物の移動装置の振動
等によって変化する。
【0014】本発明方法は、出力波形の電気信号の処理
手段として好ましくは次の3つの検出方法を含む。すな
わち、(1)H.P.F.を利用する検出方法、(2)
加算平均を利用する検出方法及び(3)加算平均を利用
し、更に、H.P.F.を利用する検出方法である。
(1)のH.P.F.を利用する検出方法の場合、以下
の明細書の実施例で詳述するように、実際に首の部分に
欠陥を有する瓶について測定する代わりに、剛球を付着
させ測定し欠陥の検出に有効であった。次に、(2)加
算平均を利用する検出方法の場合、ネジの始まりの部分
の応答を同期させることにより、検出波形(検出対象と
する瓶の出力波形から、加算平均によって求められた平
均波形を減算するという処理を施した波形)のネジの始
まりの部分の応答を大幅に減衰させることが可能であっ
た。変形等の欠陥を有する瓶についても検出に成功し
た。最後に(3)加算平均を利用し、更に、H.P.
F.を利用する検出方法の場合、(2)の検出方法にお
いて得られる検出波形(検出対象とする瓶の出力波形か
ら、加算平均によって求められた平均波形を減算すると
いう処理を施した波形)に更に、H.P.F.を通すと
いう方法である。遮断周波数を適当に設定するとおおま
かな凹凸は削減することが可能であった。H.P.F.
を通す理由は、雑音成分を除去し、微分特性により信号
成分を強調することにある。
【0015】理想的な円形ピストン振動面から放射され
る音波の音場は、理論解析が可能であるが、現実の超音
波送受波器の振動面は一様な振動をしない。振動分布も
製品毎に異なる。本発明において利用しうる超音波音場
は、送受波面近傍の近距離音場では音圧の極大点、極小
点(又は無音点)が多数存在するので、音圧の変化の単
調な遠距離音場の領域を利用することが好ましい。本発
明で使用される送・受波器は、欠陥検出能力、即ち散乱
波成分の程度に影響を与える重要な要素である。その特
性は、欠陥検出能力に影響を与える。例えば、ビーム幅
は分解能を決定する重要な要素であり、安定した音場は
必要な条件である。
【0016】入射超音波源は発散性音波よりは収縮性音
波を送波せしめるものを用いるのが好ましい。収縮性音
波を用いると欠陥成分の検出が容易となる。また、検出
の分解能も向上する一方、集束性を強くすると検査範囲
が狭くなる。
【0017】本発明における最適ビーム幅は、振動面の
感度分布、形状、寸法、周波数の関数であり、欠陥と振
動によって最適値は適宜選択可能である。更に、最適周
波数と最適ビーム幅は、被検査物の寸法(誤差)分布、
被検査物の移動装置と回転装置の機械振動の振幅と周波
数スペクトルによっても変化しうる。
【0018】本発明方法では拡散性放射音場ではなく集
束性音場が好ましい。さらには、強い集束性ではなく弱
い集束性が好ましい。
【0019】本発明方法により欠陥の検出可能な物体と
しては、平面上の欠陥、及び平滑表面上に曲率を持つ固
体物体である。特に、被検査物容器の部分としては、ガ
ラス瓶の腹の部分、ガラス瓶の首の部分、キャップを閉
めるネジ条の部分等が好適な部分である。
【0020】
【実施例】以下に、図面を参照しながら実施例を用いて
本発明を詳細に説明する。
【0021】実施例1 超音波音場実験 80kHzの振動子の音場を標準広帯域マイクロホン
(B&K社製、デンマーク)を用いて中心軸上の音場を
観測した。送・受波器の外形は47mmであり、内部に
直径23mmのセラミック振動子を使用した。その結
果、垂直入射の場合には送波振動面とマイクロホンの受
波面の間に反射による定在波の存在が顕著に認められ
た。したがって、現実の探傷イステムでは、近距離音場
の極大値、極小値だけでなく、送受波器間の定在波の影
響も検討する必要があることが判明した。
【0022】実施例2 アクリル円柱を被検査物とする
探傷実験1 本発明の第1の実施例として、アクリル円柱を被検査物
とする探傷実験を行った。瓶、パイプ等の円柱状物体を
対象として超音波による欠陥検出に際して、表面が滑ら
かで断面が真円に近いアクリル円柱を用い、超音波探傷
に関わる種々の要素について探求した。
【0023】2−1 被検査物の振動の影響 被検査物を移動(回転)させると、円柱状物の中心と回
転の中心が一致しなかったり、円柱状の形状が真円でな
いため、それに伴い被検査物の円周位置が変化する。そ
の移動により、音波の反射点の移動、反射角の変化が生
じる。すると、音波はあらぬ方向に反射され、距離及び
指向性の変化により、受波信号が変化する。この信号の
変化が雑音の一つとして大きく現われると考えられ。図
1で示すように、アクリル円柱(直径30mm)1を本
来の位置(送受波面の中心軸が円柱表面上で交差する位
置)から一定間隔おきに前後(遠近)に移動させ、受波
音圧の変化を測定した。その結果、入射角θの大きいほ
うが、ピークディップの差が小さく曲線が滑らかであっ
た。したがって、入射角θを大きくすると雑音を低減す
ることができることが判明した。
【0024】2−2 測定系 図2に本実施例の測定系を示す(送波周波数400kH
z)。被検査物1をターンテーブル(図示せず)を用い
て、その軸を中心に回転(45rpm)させ、その表面
に連続正弦超音波を送波した。表面上で反射された音波
を受波し、電気信号に変換した。受波信号は見かけ上振
幅変調波となる。散乱成分はAM復調回路(ダイオード
検波回路)により検出し、ある幅(ビーム幅)の帯の一
周り分の欠陥検出を行った。更に、欠陥の位置を明確に
するため一回転おきに信号を印加するトリガ回路をター
ンテーブルに取付けた。
【0025】2−3 欠陥モデルについて 図3は欠陥モデルを示す。瓶の欠陥には一般に「傷」の
外に、「筋」、「しわ」と呼ばれる凸状のものが存在す
る。欠陥検出原理が散乱検出に帰着するならば、凹状の
ものも凸状のものも本質的に違いはなく、同一のものと
して扱ってもよく、そのほうが欠陥の大きさ、形状を決
定しやすいという利点を有する。この理由から、凸状の
不規則体を円柱表面に貼り付け、欠陥モデルとした。
【0026】2−4 欠陥検出の確認 図4はトリガと検出信号による散乱波成分の検出を示
す。送受波器として共振周波数400kHzのトランス
デューサーを用いた。直径30mmのアクリル円柱表面
にその軸方向に不規則体としてタングステン線(直径
0.5mm)を接着した。そのタングステン線をトリガ
信号が印加される位置を基準(ψ=0度)として回転方
向にψ=0,60,120,180,240,300度
の位置に移動させ、各々の検出信号を比較した。この結
果、パルス状の信号が散乱波成分であることが確認でき
た。
【0027】2−5 入射角に関する検討 図5は、入射角に対する検出信号の信号と雑音レベルを
示す図である。前記2−4で得られた信号のスペクトル
をFFTにより求めた。このスペクトルより散乱波成分
の信号(最大値)と雑音(平均値)のレベルを測定し
た。信号レベルは大きいほど高分解能であることを、雑
音レベルは小さいほど雑音が抑制されていることが判明
した。その結果入射角に対する雑音レベルの変化は信号
レベルの変化に比べて遙に大きかった。この結果から、
分解能を高めるよりも雑音を抑制する方法をとることが
有効であることが判明した。故に入射角は60度とし
た。
【0028】実施例3 アクリル円柱を被検査物とする
探傷実験2 直径20、30、69mmの3通りのアクリル円柱に不
規則体として、直径0.3、0.5、1.0mmのタン
グステン線を接着した欠陥モデルを用い、400kHz
の超音波を送波したときの散乱波形について検討した。3−1 検出信号波形の観察 図6は、直径30mmの円柱について1.5回転分の検
出波形である。図7は、時間軸に対して図6を拡大した
ものである。その結果、パルス状の波形に微細な高周波
成分が重畳しており、円柱表面上の距離を求めた結果
0.5mmとなり、この振動的変化は、反射波成分と散
乱波成分の干渉によるものであることが判明した。
【0029】3−7 周波数分析 図8は、一周期分の検出信号をFFTにかけ、そのスペ
クトルを求めた。スペクトルの基準(0dB)は、直径
1.0mmのタングステン線の最大値としてある。不規
則体の有無に対してそのスペクトルを比較した。50H
zまでの低い周波数成分と100から200Hzの高い
周波数成分とに明確にその相違が現われた。 高周波成
分は円柱直径により異なっていた。低周波成分は散乱波
形のパルス部分を、高周波成分はそれに重畳する振動部
分に相当し、これら二つの周数成分から不規則体(欠
陥)の検出は可能であることが判明した。不規則体の大
きさの情報は、時間幅Twとしてパルス部分に含まれて
いる。
【0030】実施例4 アクリル円柱を被検査物とする
探傷実験3 4−1 超音波に関する検討 図9は、200kHzの超音波を用いて実施例3と同様
に実施した検出波形図である。検出波形は、400kH
zの場合と比較して雑音が全体的に小さかった。周波数
の低下は散乱の低下をもたらし、欠陥検出能力は低下す
ることが判明した。図10はそのスペクトル図である。
全体的に雑音レベルがかなり抑制されていることが判明
した。低い周波数の雑音が多い場合には、振動成分から
検出する方法が適切であることが判明した。
【0031】4−2 被検査物の回転速度に関する検討 信号の周期は回転速度により決定されるため、スペクト
ルもそれに大きく依存する。ここで、回転速度がスペク
トルに及ぼす影響を検討した。その結果、回転速度が変
化するとスペクトルはその傾向は同じであったが、周波
数帯域が広った。
【0032】4−3 送・受波器の走査に関する検討 図12は不規則体近辺で送・受波器を図11のように上
下させ、波形の最大振幅の変化を測定したものである。
欠陥検出を可能とする距離を、最大値から3dB低下す
る迄と定めた。この距離は、ビーム幅に比例することが
判明した。したがって、スキャンする範囲はビーム幅に
より決定されるが、それは数mmと狭く、円柱全体にわ
たってスキャンが完了するまでに時間を要する。このた
め、送・受波器のアレイを用いて、信号の並列処理を行
うことでこの問題を解決することが可能であることが判
明した。
【0033】実施例5 クリル円柱を被検査物とする探
傷実験4 軸方向に貼り付けた線は、欠陥モデルとして最も検出し
やすいと考えられるため、本実施例ではそれ以外の形状
の欠陥モデルについて検討した。送・受波周波数は40
0kHz、アクリル円柱は直径30mmを使用した。
【0034】5−1 剛球による散乱 直径1.0,2.0mmの2種類の剛球を接着した。そ
の結果、タングステン線の場合と比較して検出信号は小
さく、振動部分も目立たなかった。時間幅についてはほ
とんど変化はなかった。スペクトルは高周波成分が低減
していた。
【0035】5−2 円形膜状モデルによる散乱 粒径5ミクロンのタングステンの粉を均一にして円状に
貼り付けた。直径は0.3,0.5,0.8,1.0,
1.5mmの5種を用いた。検出波形は、正弦状に振動
した波形で、微細な振動成分は見られなかった。波形の
最大振幅は、粉を貼り付けた面積に比例していたが、振
動周波数はほとんど変化していなかった。
【0036】5−2 凹状モデルによる散乱 円柱表面上にドリルで直径0.3,0.5,0.8,
1.0,1.5mm、深さ1.0mmの穴をあけた。そ
の散乱波成分は十分に検出でき、その波形の形状、最大
振幅及び時間幅は剛球による散乱波形と大差なかった。実施例6 アクリル円柱を被検査物とする探傷実験5
【0037】6−1 被検査物の移動による雑音 図13(a)は、直径30mmの表面が滑らかで凹凸の
ないアクリル円柱を回転させ、その移動距離がおよそ1
mmの場所を選び、その信号を検出したものである。そ
の結果、規則性が見られ、その周波数成分は数Hzであ
った。
【0038】実施例7 アクリル円柱を被検査物とする
探傷実験6 7−1 送・受波器の走査による雑音 図13(a)は、送受波器に人工的な振動(1分間12
0回床を叩く)を与え、検出波形を測定したものであ
る。その結果は、微細な高周波成分が全体に重畳してい
た。
【0039】実施例8 アクリル円柱を被検査物とする
探傷実験7 8−1 媒質(空気)の揺らぎによる雑音 図13(c)は、送受波器に人工的な振動(1分間12
0回床を叩く)を与え、検出波形を測定したものであ
る。これまでの実施例では装置に風防を取付けていた
が、風防を取り除き、人口風(およそ1mの距離からそ
よ風程度の風)を送り、そのときの波形を観察した。そ
の結果、一見波形は乱雑で、規則性は無いように見え
た。しかしながら、図14は、そのスペクトルである
が、その結果は100Hz以下の周波数に限られている
ことが判明した。
【0040】実施例9 アクリル円柱を被検査物とする
探傷実験7 9−1 内部欠陥検出に関する検討 図15は、本実施例で使用する円柱上面から穴をあけた
欠陥モデルである。この欠陥モデルを製作し、図16の
配置でL.P.F.(fo=50Hz)を取付け、測定
した。検出波形にはそれによる欠陥による波形変化が見
られた。
【0041】実施例10ビンを被検査物とする探傷実験 10−1 欠陥試料 図18は、本実施例で使用するビンの外形を示す模式図
である。図19は、本実施例で使用するビン欠陥の概略
模式図である。本発明の検査方法で用いる試料として
は、ビン製造工程で生じた欠陥品を用いる。ビンの欠陥
には様々な種類が存在する。本発明では表面欠陥を中心
として、8種類の試料を用意した。サンプル1から5は
φ68±1mm(胴部分)のビンで(商品名PS−VE
N、色FL)で順番に「表面泡」、「焼き傷」、「胴ひ
っつき」、「のろ」、「しわ」の欠陥を有する。サンプ
ル6から8はφ45±1mm(胴部分)のビンで(商品
名5C、色AM)で順番に「表面泡(縦方向)」、「表
面泡(横方向)」、「しわ」の欠陥を有する。ビンには
「継ぎ目」があり、それは凸状でビンの口から底にかけ
て縦方向についている。時には欠陥より大きい。そのた
め検出波形に影響を及ぼすと考えられるので継ぎ目と欠
陥との相対的な位置関係を図20に示す。
【0042】10−2 測定方法 本実施例の測定系は実施例2と基本的に同じであるが
(送波周波数400kHz)、高域の雑音を除去するた
めL.P.F.(f0=260Hz)を検波回路の後段
に取付けたものを用いた。「欠陥」の位置を基準(ψ=
0度)に対してψ=70゜から80゜にした。欠陥によ
る波形変化を確認するため欠陥部分と、欠陥のない部分
の二部分について測定した。ただし、サンプル2につい
ては欠陥が胴全体にわたっているため、欠陥部分につい
てのみ測定した。
【0043】図21から図26はその結果である検出波
形である。欠陥位置にはなんらかの波形変化が身られ
た。欠陥による波形(パルス状波形)は鋭敏であり、そ
の時間幅(パルス幅)は小さいことが判明した。
【0044】10−3 周波数分析 得られた検出波形の周波数分析を行なった。その結果、
欠陥波形は周波数帯が広かった。欠陥波形は20から5
0Hzの成分が膨らんでいることが判明した。
【0045】10−4 フィルタリングによる波形処理 図27から図34はフィルタリングによる波形処理した
波形図である。実際の探傷では処理時間を短縮する必要
がある。そこでフィルタリングによる波形処理を行っ
た。H.P.F.(f0=20Hz)を検波回路の後段
に取付けた。欠陥部分の検出にフィルタリングの有効性
が判明された。
【0046】実施例11 ガラス瓶の首の部分の超音波
探傷に関する実験 11−1 測定装置 図35は、本発明における送波器の構造を示す。村田製
作所製トランスデューサーMA400A1、MA200
A1を使用した。それぞれ共振周波数は400KH、2
00KHzのセラミック振動子11がバッフル板兼用の
ケース10内に収められ、その上部に整合層9が付着し
ているものを用いた。
【0047】図36は本実施例における検査装置の概略
平面図である。送受波経路長は、近距離音場を用いると
検査面上での音圧分布が不均一になる。一方、遠距離過
ぎると音圧は著しく低下し、S/N比は劣化する。よっ
て、最終極大値が生じる距離より僅かに遠い程度の距離
を用いることが適切である。超音波の入射角度について
は理論上小さいほど分解能は高くなるが入射角が大きい
ほど雑音は小さい。これらのことにより、送受波経路長
はそれぞれ、10mm、入射角度度は60度と設定した
装置を用いた。
【0048】図37は本発明における探査面の距離の出
力電圧の影響をしめす。探査面からの距離は5mmを基
準として、この5mmmの距離が前後にずれることによ
る出力電圧の変化を示した。ここでは直径25mmのア
クリル円柱を用いた。第38図は本発明における測定系
をしめす。発振器の周波数は400KHzを用いた。
【0049】11−2 硝子瓶の首の部分の出力電圧の
測定 図39は本発明の実施例で用いた硝子瓶の首の部分の概
略図である。山と谷が交互にあり、瓶を回転させると回
転角によって山の位置が上下に変わったり、山が一つで
あったりする。瓶を回転させると山が上下に移動するよ
うに見える。
【0050】図40はスキャン位置を示す概念図であ
る。図41は本発明の実施例で用いた硝子瓶の首の部分
に超音波を照射して反射波を検出、その電圧値を測定し
た。(A)は山に焦点をあわせたときのトランスデュー
サーの高さに対する出力電圧を示す。、(B)は谷に焦
点をあわせたときのトランスデューサーの高さに対する
出力電圧を示す。谷に焦点を合わせたときは(B)に示
すように山谷に対応した特性にならない。従って、山に
焦点を合わしたほうがネジ状の要素は把握しやすいとい
うことが判明した。
【0051】第42図はAの高さとBの高さでトランス
デューサーを固定し、瓶を回転させ、その回転角度に対
する出力電圧を測定したものである。Aの高さの場合ト
ランスデューサーのビームは山の位置から半回転で谷の
位置に照射され、更に半回転で下の位置に戻ることが分
かる。
【0052】11−3 検波回路を用いた出力波形 第43図はAM復調回路である。受波信号波は散乱波と
干渉波とを変調信号とする振幅変調波と考えることがで
き、本発明では検波回路としてAM復調回路を用いた。
この回路を図38のアンプとオシロスコープ3の間に接
続した。このAM復調回路は、R=240KΩ、C=
4,7μFで時定数は1/RC=1,.01128とな
る。
【0053】図44は瓶(K6)を回転装置のターンテ
ーブルの中央に設置し、45回転/1分間、つまり1回
転約1.33秒で回転させ、時間をパラメーターとし、
A、Bの高さで測定した出力波形を示す。
【0054】図45は、これら出力波形を前記検波回路
で処理した場合の出力波形である。図45(b)の矢印
の位置における高周波成分は、ネジの始まりの部分に対
する応答である。Aの高さではこの信号は検出されなか
った。
【0055】11−4 ハイパスフィルタによる周波数
遮断 首の部分の欠陥の検出に於ては、首の部分の基本特性で
あるネジ状の要素を除去することができればより欠陥が
検出しやすくなる。又、欠け傷等の鋭い欠陥の場合は受
波信号の中に散乱波が生じ、その周波数成分は首の部分
の基本特性を示す周波数成分より比較的高い周波数域に
分布すると考えられる。そこで、出力波形をハイパスフ
ィルタ(H.P.F)で処理することによって首の基本
特性を示す周波数成分を削減し、欠陥の信号を残す方法
を行った。
【0056】図46は、欠け傷等の比較的高い周波数成
分を含む急峻な応答を示すものの代用として直径2mm
の鋼球(ベアリング球)を付着させた瓶の出力波形と、
付着する前の同じ瓶の出力波形とを測定し、それぞれ高
速フーリエ変換し、周波数スペクトルを採ったものであ
る。波線が付着させる前の出力波形の周波数スペクトル
であり、実線が付着させた時の出力波形の周波数スペク
トルである。図からこれら二つのスペクトルの違いはほ
ぼ20Hz以上の周波数について顕著に現われているこ
とが判明した。これから、ハイパスフィルタの遮断周波
数を20Hz近傍に設定した。ハイパスフィルタ遮断周
波数fcの位置で−3dB、fc/2の位置で−48dB
プラマイ4dB減衰する特性のものを使用した。
【0057】図47は、欠陥のない良品の瓶を用い、遮
断周波数を1Hzから20Hzの間で変化させて、出力
波形を検出したものである。使用した瓶のサンプルはK
7であった。(a)はH.P.F.を通していない元の
波形である。遮断周波数を大きくするほど、瓶の首の特
性は減衰し、おおまかな波は平坦に近づいた。
【0058】図48から図50は、大きさの異なる鋼球
を付着させたときの出力波形を示す。図48は、瓶K7
を用い、直径2.0mmmの剛球を半周期の位置に付着
させたものの波形で、(a)は剛球を付着させる前の出
力波形、(b)は剛球を付着させた後の出力波形、
(c)(d)(e)(f)はそれぞれ遮断周波数を5,
10,15,20Hzに設定してH.P.F.を通した
出力波形である。ここで三角印が剛球に対する応答であ
る。 この結果、H.P.H.を使用すれば出力波形を
全体的に平坦にすることができることができた。剛球に
対する応答も捉えることができた。
【0059】11−5 加算平均を施した波形との比較
による検出法 実際に不良品とされる瓶は欠け傷等の鋭い欠陥だけでな
く、変形を有する、例えば、首のネジ状の部分が変形し
ていて、キャップが閉まらないような欠陥もある。この
ような場合、いくつかの出力波形を加算しその平均をと
った波形を個々の波形から減算処理する方法を行った。
【0060】図51は、首の部分に欠陥のない同種類の
サンプル瓶としてK4、K5、K6、K7、K8、K9
の6本の瓶を用いそれぞれ出力波形を測定したものであ
る。出力波形の形はほぼ同じだが、バラツキの幅が大き
い位置がみられた。このバラツキの原因は空気の揺ら
ぎ、瓶のつくりのあいまいさによるものと思われる。こ
こで、矢印の位置はネジの始まりの部分に対する応答で
ある。
【0061】次に、図52は、これらの6つの出力波形
を加算してその平均波形である。ここで、矢印の位置は
ネジの始まりの部分に対する応答であるが、各々の出力
波形のこの部分に対する応答と比べて緩やかになってい
る。このようにして得られた平均波形をAve、検出提
唱とする瓶の出力波形をSamとした。
【0062】図53は、SamからAveを減算処理し
た波形S−Aである。
【0063】K8、K7、K5、K4にそれぞれ、2.
0mm、1.0mm、0.7mm、0.5mmの剛球を
付着した。剛球を付着させる位置は出力波形の半周期の
位置で出力波形の中央に剛球に対する応答があらわれる
ようにした。
【0064】図54は、SamからAveを減算処理し
た波形S−Aである。ここで、三角印の位置は剛球に対
する応答である。
【0065】図52、53、54において、(a)はK
8、(b)はK7(c)はK5、(d)はK4の瓶を用
いた。
【0066】11−6 欠陥を有する不良品の瓶の測定 ここでは実際に瓶の首の部分に欠け傷、変形等の欠陥を
有し、そのために不良品とされた瓶について、本発明方
法により欠陥の検出を行った。欠陥のない良品の瓶のサ
ンプルとしてL5、L6、L7、L8、L9の瓶を用い
た。欠陥を有する不良品の瓶としては、首の部分の変形
したL1、欠け傷を有するL3を用いた。
【0067】図55は、(a)がL7、(b)がL1、
(c)がL3の外形の概略図である。(a)に於て、黒
丸印の位置が、トランスデューサーの中心の高さであ
り、中心線から矢印の方向に向かって探査した。
【0068】欠陥の検出可能な容器の部分としては、ガ
ラス瓶の腹の部分、ガラス瓶の首の部分、キャップを閉
めるネジ条の部分等が可能である。
【0069】図56は、良品の瓶(L5、L6、L7、
L8、L9)についてそれらの出力波形を示した。ここ
では、ネジの始まりの部分に対する応答を同期させた。
その位置が矢印の位置である。
【0070】図57、これらの6つの出力波形を加算し
てその平均波形である。
【0071】図58は、(a)がL7、(b)がL1、
(c)がL3の出力波形Samである。
【0072】図59は、SamからAveを減算処理し
た波形S−Aである。(a)は僅かに首の部分の基本特
性を示す凹凸を残しているもののネジの始まりの部分に
対する応答は図58(a)と比べると大きく減衰してい
た。(b)は変形した瓶に対する応答で、検出に成功し
た。(c)の三角印の位置の応答は欠け傷に対する応答
で、検出に成功した。
【0073】11−7 加算平均を行い更にH.P.
F.の使用による処理 平均波形から減算処理した後、更に、計算機上で、H.
P.F.による低周波成分の削除を行った。
【0074】図60は、図54の出力波形に遮断周波数
5Hzとして処理を行った波形を示す。図61は、同様
に遮断周波数20Hzとして処理を行った波形を示す。
図62(a)(c)は、図59の出力波形に遮断周波数
5Hzとして処理を行った波形を示す。図63は、同様
に遮断周波数20Hzとして処理を行った波形を示す。
H.P.F.による処理によって首の基本特性を示す凹
凸を減衰でき平坦に近づけることが可能であった。
【作用】本発明方法では、超音波を用いたので、緩やか
な曲率に対する応答はすくなく、容器に欠け傷等の欠陥
による鋭い形状変化に対しては、そこに入射された超音
波は散乱を生じ、反射波は振幅、位相等に変化を生じ
る。これを検出することにより欠陥の検出ができる。さ
らに、出力波形を信号処理することにより雑音成分を低
減し、欠陥の検出が容易になる。
【発明の効果】以上のように本発明は、被検査物に連続
超音波を照射し、被検査物の欠陥に由来する反射波の形
状の異常を検出し、これを電気信号に変換し、正常電気
信号と比較することにより容器表面の欠陥を精度よく検
出できる。特に、従来極めて困難であったガラス瓶など
の首部の欠陥に対して高精度の欠陥検出を行うことが可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 被検査物の振動に対する受波音圧の測定装置
の概念図。
【図2】 被検査物の測定系を示す概念図。
【図3】 欠陥モデルの模式式図
【図4】 トリガと検出信号による散乱波成分の検出を
示す受波信号図。
【図5】 入射角に対する検出信号の信号と雑音レベル
を示す図。
【図6】 直径30mmの円柱についての1.5回転分
の検出波形図。
【図7】 図6を時間軸について拡大した図。
【図8】 一周期分の検出信号をFFTにかけたスペク
トル図。
【図9】 200kHzの超音波を用いて場合の検出波
形図。
【図10】 図9のスペクトル図。
【図11】 送・受波器を上下させる概念図。
【図12】 送・受波器を上下させたときの最大振幅を
示す図。
【図13】 種々のノイズが検出波形に与える影響を示
す検出波形図。
【図14】 図13のスペクトル図。
【図15】 内部欠陥モデルの模式図。
【図16】 実施例9の測定系を示す模式図。
【図17】 実施例9の検出波形図。
【図18】 実施例10で使用するビンの外形を示す模
式図。
【図19】 実施例10で使用するビン欠陥の概略模式
図。
【図20】 欠陥とジョイントの一関係を示す模式図。
【図21】 実施例10のサンプル3の検出波形図。
【図21】 実施例10のサンプル4の検出波形図。
【図21】 実施例10のサンプル5の検出波形図。
【図24】 実施例10のサンプル6の検出波形図。
【図25】 実施例10のサンプル7の検出波形図。
【図26】 実施例10のサンプル8の検出波形図。
【図27】 実施例10のサンプル1のフィルタリング
後の波形図。
【図28】 実施例10のサンプル2のフィルタリング
後の波形図。
【図29】 実施例10のサンプル3のフィルタリング
後の波形図。
【図30】 実施例10のサンプル4のフィルタリング
後の波形図。
【図31】 実施例10のサンプル5のフィルタリング
後の波形図。
【図32】 実施例10のサンプル6のフィルタリング
後の波形図。
【図33】 実施例10のサンプル7のフィルタリング
後の波形図。
【図34】 実施例10のサンプル8のフィルタリング
後の波形図。
【図35】 実施例10のサンプル5の検出波形図。
【図36】 実施例10のサンプル6の検出波形図。
【図37】 実施例10のサンプル7の検出波形図。
【図38】 実施例10のサンプル8の検出波形図。
【図39】 実施例11で用いた硝子瓶の首の部分の概
略図。
【図40】 スキャン位置を示す概念図
【図41】 硝子瓶の首の部分に超音波を照射して反射
波を検出、その電圧値の測定図。
【図42】 Aの高さとBの高さでトランスデューサー
を固定し、瓶を回転させ、その回転角度に対する電圧を
測定して得た電圧図。
【図43】 AM復調回路図。
【図44】 瓶(K6)をレコードプレーヤーのターン
テーブルの中央に設置し、45回転/1分間、つまり1
回転約1.33秒で回転させ、時間をパラメーターと
し、A、Bの高さで測定して得た出力波形図。
【図45】 出力波形を前記検波回路で処理して得た出
力波形図。
【図46】 欠け傷等の比較的高い周波数成分を含む急
峻な応答を示すものの代用として直径2mmの鋼球(ベ
アリング球)を付着させた瓶の出力波形と、付着する前
の同じ瓶の出力波形とを測定し、それぞれ高速フーリエ
変換して得た周波数スペクトル図。
【図47】 欠陥のない良品の瓶を用い、遮断周波数を
1Hzから20Hzの間で変化させて得た出力波形図。
【図48】 直径2.0mmの鋼球を付着させたときの
出力波形図。
【図49】 直径1.0mmの鋼球を付着させたときの
出力波形図。
【図50】 直径0.5mmの鋼球を付着させたときの
出力波形図。
【図51】 K4、K5、K6、K7、K8、K9の6
本の瓶を用いそれぞれの出力波形図。
【図52】 図51の6つの出力波形を加算してその平
均を取った波形図。
【図53】 SamからAveを減算処理した波形図
(S−A)。
【図54】 SamからAveを減算処理した波形図
(S−A)。
【図55】 (a)がL7、(b)がL1、(c)がL
3の外形の概略図
【図56】 良品の瓶(L5、L6、L7、L8、L
9)についてそれらの出力波形図。
【図57】 図56の6つの出力波形を加算してその平
均波形
【図58】 (a)がL7、(b)がL1、(c)がL
3の出力波形図(Sam)。
【図59】 SamからAveを減算処理した波形図
(S−A)。
【図60】 図54の出力波形に遮断周波数5Hzとし
て処理を行った波形図。
【図61】 図54の出力波形に遮断周波数20Hzと
して処理を行った波形図。
【図62】 図59の出力波形に遮断周波数5Hzとし
て処理を行った波形図。
【図63】 図59の出力波形に遮断周波数20Hzと
して処理を行った波形図。
【符号の説明】
1 シリンダー 2 ジェネレーター 3 オシロスコープ 4 トランスデューサー 5 アンプ 6 鋼球 7 欠陥 8 ジョイント 9 マッチング層 10 ケース 11 セラミック振動子 12 被検査物 13 周波数カウンター

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送波器から被検査物に連続超音波を照射
    し超音波音場を形成し、被検査物の欠陥に由来する出力
    波形の異常を受波器で検出し、これを電気信号に変換
    し、正常電気信号と比較することにより容器表面の欠陥
    を検出する方法。
  2. 【請求項2】 前記超音波が80kHzから1000k
    Hzであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記超音波音場が、音圧の変化の穏やか
    な遠距離音場の領域を利用することを特徴とする請求項
    1記載の方法。
  4. 【請求項4】 出力波形をスペクトルに分解することに
    より、雑音成分の基本特性を示す周波数成分を認識し易
    くすることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 出力波形を特定の遮断周波数を有するハ
    イパスフィルタで処理することにより、被検査物の基本
    特性を示す周波数成分を削減し、容器表面の欠陥の信号
    を残すことを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 欠陥のない瓶からの出力波形を加算しそ
    の平均を取った波形(平均波形)を、個々の波形から減
    算処理することを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 被検査物が平滑表面上に曲率を持つ物体
    である請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 被検査物がビンである請求項8記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 前記欠陥が瓶胴部の欠陥である請求項1
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記欠陥が瓶首部の欠陥である請求項
    1記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記欠陥が瓶首部の欠け傷、変形であ
    る請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 送波器からの超音波の焦点を瓶首部の
    山の頂点とする請求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】 被検査物の基本特性が、瓶首部の基本
    特性である請求項6記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記遮断周波数を20KHz以下に設
    定する請求項5記載の方法。
  15. 【請求項15】 ネジの始まりの部分に対する応答を同
    期させて平均波形を取る請求項6記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記減算処理の後、さらにハイパスフ
    ィルタによる低周波成分の削減処理を行う請求項6記載
    の方法。
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