JPH09133055A - 吸気用エアファンネル - Google Patents

吸気用エアファンネル

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JPH09133055A
JPH09133055A JP7317221A JP31722195A JPH09133055A JP H09133055 A JPH09133055 A JP H09133055A JP 7317221 A JP7317221 A JP 7317221A JP 31722195 A JP31722195 A JP 31722195A JP H09133055 A JPH09133055 A JP H09133055A
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cylinder
air funnel
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thin plate
intake
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Takayuki Nishigaki
隆之 西垣
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造容易で長さ変更範囲が大きく、しか
も内面に段差がなくて吸気効率上このましいエアファン
ネルを提供する。 【解決手段】 リボン状の弾性薄板である鋼帯2を複数
回巻き重ねることによって長さ変更可能な円筒を形成
し、これをエアファンネル1の吸気用の管とした。鋼帯
2としては厚さ0.1mm・幅9.1mmのものを円形
に20回巻き、最も内側の端部は、気化器20と接続さ
れる環状のフランジ部材3と結合させ、最も外側の端部
は、外に広がった滑らかな曲面を有する環状の開口端部
材4と結合させている。このエアファンネル1の最短時
の全長Lは20mm、最長時の全長Lは65mmと
し、それらの間の倍率を3以上と大きく設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気化器(キャブレ
ター)等の吸気口に接続されるエアファンネルに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】気化器は、周知のように燃料を霧状にし
てエンジン(シリンダ)へ送り込む装置であるが、その
吸気口すなわち上流側の開口にはエアファンネルが接続
されることがある。エアファンネルは一般に、漏斗(フ
ァンネル)に似た筒形の部品であり、エアクリーナを経
た空気を効率的に気化器に送る作用がある。
【0003】エアファンネルについては、吸気の脈動等
の関係で、その管の部分が長いほどエンジンの低速回転
時の出力を向上させ、短いほど高速回転時の出力を増す
作用がある。したがって、従来、低速時や高速時のエン
ジンの出力特性を改善する目的で、長さを変更可能にし
たエアファンネルが開発されている。特開平5−272
340号公報に記載された装置も、同様の観点からエア
ファンネルの管の長さを可変にしたものである。
【0004】図5は、その公報に記載されたエアファン
ネル1’等の構造を示す断面図である。気化器20’に
連結した吸気管(内管)3’の外に可動吸気管(外管)
4’をスライド自在に挿入し、その外管4’を、駆動・
制御手段(図示せず)に接続されたケーブル12’およ
びプーリー11’、ならびにそのプーリー11’ととも
に回転する揺動アーム6’の作用で長さ方向にスライド
させる構造をとっている。すなわち、吸気用の管をいわ
ば望遠鏡のような入れ子式に構成して、その長さを変更
できるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図5のような従来の入
れ子式エアファンネルは、つぎのような点で最適なもの
とは言い難い。すなわち、イ ) 外管は、内管の外側にわずかの隙間を介してスライ
ド可能に挿入される必要があるので、その内側(スライ
ド部分)は径が一定の真円筒面でなければならず、吸気
効率の点で最適なラッパ状の円錐面にすることはできな
い。また、スライド部分等には相当の機械加工精度が求
められるため、必ずしも製作が容易であるとはいえず、
コスト上も当然に不利である。
【0006】ロ) 図5のように二段構造のものでは、外
管を加えた吸気用の管の全長が、内管のみの場合に比べ
て最大でも2倍にしかならない。すなわちエアファンネ
ルの管の、最短時に対する最長時の長さの倍率が2以下
に限られてしまい、エンジンの出力特性をごくわずかし
か改善し得なくなる。改善の程度を顕著にすべく2以上
の倍率で長さを変更しようとすれば、三段以上の内・外
管をスライド可能に接続しなければならないが、そうす
ることは、上記イ)で述べた製作上の不利を増大させるほ
か、エアファンネルの外径が大きくなり、それを気化器
とともに複数設ける場合などに搭載スペース上の不都合
を招くことにもなる。
【0007】ハ) 外管を内管の先に伸ばしたときなど
に、図5のように両者のつなぎめの部分に段差の生じる
ことが避けられないため、そこで吸気の流れが乱れ、し
たがってエアクリーナへの空気の充填効率上このましく
ない。内管などには、機械加工を円滑に行う必要性から
一定以上(たとえば1mm程度以上)の厚みが必要なの
で、長さの変更範囲内のいずれかの状態で、当該厚み相
当の段差がエアファンネルの内面にできてしまうのであ
る。
【0008】本発明の目的は、上記のような観点から、
製造容易で長さ変更範囲が大きく、しかも内面に段差が
なくて吸気効率上このましいエアファンネルを提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の吸気用
エアファンネルは、リボン状(帯状)の弾性薄板を複数
回巻き重ねることによって長さ変更可能な円筒を形成
し、これを吸気用の管としたものである。なお、この管
での吸気の漏れを少なく保ちながら長さ変更をスムーズ
に行うために、管として使用する状態で、巻き重ねたこ
とによって内外に隣接する薄板各部の間に百分の1mm
台(0.01〜0.1mm)の隙間ができるようにする
のが好ましい。
【0010】上記のように構成したエアファンネルに
は、作用上つぎのような特徴がある。すなわち、 1) 弾性を有する表面の滑らかなリボン状(帯状)の薄
板を複数回巻き重ねて形成した円筒は、特別な機械加工
を施さなくても長さ変更自在なものとなる。すなわち、
長さの変更は、円筒の中心側の端部と外側の端部とを互
いに接近または離反する向きに(つまり円筒の軸心と平
行な方向に、またはさらに周方向の変位も加えながら)
相対移動させるだけで実現できる。したがって、エアフ
ァンネルは製作容易でコストも低いものとなる。
【0011】2) 上記外側の端部が気化器から遠ざかり
得るようにして管を気化器に接続すれば、管の内面に、
気化器に近いほど内径の小さくなるラッパ状の円錐面が
形成される。そのため、気化器に対する吸気効率が高
い。
【0012】3) 弾性薄板の幅や巻き数しだいで、最短
時に対する最長時の長さの倍率をかなり大きくとること
ができる。したがって、エンジンの出力特性を顕著に改
善することが可能である。
【0013】4) 薄板が弾性を有するものであるため、
円筒の長さを変更したのちは自己復元作用を発揮し、管
の長さが円滑に元に戻る。すなわち、長さの復元または
動きの円滑化のために別にばねを設けたりする必要がな
く、その分だけ構造を簡単化することができる。
【0014】5) 事前にその厚みにされた弾性薄板を円
筒に巻き重ねるのであって、円筒にしたのちに当該薄板
に機械加工を施すのではないため、機械加工を受けるた
めの強度は薄板には不要であり、したがって薄板をかな
り薄いものとすることができる。薄いものを巻き重ねた
場合、隣接の部分との間に生じる段差が小さくなって円
筒の内面が平滑面に近くなるので、吸気の流れに乱れが
発生せず、エアクリーナへ空気を充填する意味で効率的
である。また、板が薄いとエアファンネルとしての外径
を小さくでき、自動二輪車等への搭載が容易であるとい
う利点もある。
【0015】請求項2の吸気用エアファンネルは、上記
のエアファンネルにおいて、厚さが0.05〜0.5m
m、幅が5〜30mmのばね鋼を上記の弾性薄板とし、
これを5〜50回だけ巻き重ねて上記の円筒を形成した
ものである。なお、これらの数値は、所期の作用効果を
発揮するための望ましい範囲にすぎず、たとえば巻き重
ねが5回以下(2回以上)または50回以上の場合に上
記および下記の作用が全くないというものではない。
【0016】この請求項2のようにしたエアファンネル
には、上記1)〜5)に加えてつぎのような作用もある。す
なわち、 6) 弾性薄板としてばね鋼を使用するため、その弾性に
基づいて円筒に自己復元性をもたせやすいうえ、かなり
薄いものを使用しても必要な剛性および強度・耐久性を
円筒に付与することができる。
【0017】7) そのばね鋼の厚さが0.05〜0.5
mmであるため、薄すぎることが原因で円筒が必要な剛
性を有しないという不都合がなく、一方、厚いゆえに管
の内面に段差ができて吸気流れを乱してしまうとか、長
さ変更に必要な力が大きすぎるとかいった不都合も生じ
ない。また、この程度の厚さのばね鋼なら規格品(市販
品)が存在するため、製造コストの面でも有利である。
【0018】8) 幅が5〜30mmの弾性薄板を5〜5
0回だけ巻き重ねて円筒を形成するため、自動車や自動
二輪車等の吸気用エアファンネルとして実際に使用され
得る長さを有し、かつ望ましい倍率でその長さを変更で
きる実用的な管を構成することができる。すなわち、管
の最短時の長さが30mm以下で、最長時の長さが最短
時の3〜4倍またはそれ以上、といった大きな倍率(つ
まり広い範囲)で長さ変更のできるエアファンネルを構
成可能である。また、上記のような巻き数(巻き重ねの
回数)ならエアファンネルの外径が大きくなりすぎるこ
ともない。上記範囲内の薄板の幅に対応させて上記範囲
内から巻き数を適切に選べば、円筒を長く伸ばしたとき
にも内外の隣接薄板間に十分な重なり代(隣接する薄板
が重なった部分を薄板の幅方向すなわち円筒の軸長方向
に測定した寸法)を確保できるため、吸気の漏れを防止
するのも容易である。
【0019】請求項3の吸気用エアファンネルは、請求
項1または2に記載のエアファンネルにおいて、a)弾性
薄板のうち上記円筒の中心側にある端部を気化器との接
続用の環状部材(フランジ部材)に結合させる一方、弾
性薄板のうち円筒の外側の端部は、外周面にピンを有す
るほか上記円筒の軸心と平行な方向のガイド穴を備える
上流側の環状部材(開口端部材)に結合させ、b)円筒の
軸心と平行に延びたガイドロッドを前者の環状部材に固
定して後者の環状部材のガイド穴に通し、c)エンジンの
回転数(すなわち回転速度)を反映する制御手段を介し
て角度変更させられる揺動アームを後者の環状部材のピ
ンに係合させた−ものである。
【0020】このエアファンネルでは、吸気用の管であ
る円筒の長さ変更をつぎのようにして行う。上記c)の
制御手段が揺動アームを角度変更させ、それが係合して
いるピンを移動させる。当該制御手段はエンジンの回転
数を反映するので、揺動アームの角度やピンの移動量も
その回転数に対応する。そのピンの移動とともに、上
記a)に示した上流側の環状部材が上記円筒の長さ方向に
移動する。上記のピンはa)のように上流側の環状部材に
付属しており、その環状部材はb)のガイドロッドによっ
て円筒の軸心と平行な方向に案内されているので、揺動
アームがピンを移動すれば、当該環状部材が円筒の軸心
と平行に、すなわち円筒の長さ方向に移動するわけであ
る。上流側のその環状部材が移動することにより、上
記の円筒すなわち吸気用の管の長さが変わる。上記a)の
とおり、上流側の環状部材は弾性薄板の外側の端部と固
着し、弾性薄板のうち円筒の中心側の端部は別の環状部
材と固着して気化器に接続されるので、上流側の環状部
材が円筒の軸心と平行に移動することによって、弾性薄
板からなる円筒は気化器の上流側にラッパ状の円錐面を
形成しながら長さを変更するわけである。以上により、
エンジンの回転数に応じて吸気用の管の長さが変化する
ので、このエアファンネルによると、高速回転時・低速
回転時のそれぞれにおいて出力を高くすべくエンジンの
出力特性を改善することができる。
【0021】請求項3のこのエアファンネルの場合、弾
性薄板と接続された上流側の環状部材がb)のガイドロッ
ドに沿って移動するので、円筒の長さ変更が円滑に行わ
れるほか、長期の使用によっても全体の形状等がくずれ
ることなく維持される。ただし、ガイドロッドがあるた
め弾性薄板が周方向には変位不能であることから、巻き
締まりを起こさずに円筒がスムーズに長さ変更するため
には、長さの変更倍率に比べて弾性薄板の巻き数を十分
にとり、巻き重ねた内外の薄板間に適切な隙間を設けて
おくことが必要である。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜図4に発明の一実施例を示
す。図1はエアファンネル1を気化器20とともに示す
縦断面図(図2におけるI−I断面図)、図2はエアファ
ンネル1や気化器20等を正面から見て示す全体図、図
3(a)・(b)はエアファンネル1の駆動機構を示す側面
図(それぞれ図2におけるa−a矢視図・b−b矢視
図)、そして、図4は、このエアファンネル1を使用す
る場合のエンジンの出力曲線である。
【0023】図面に示したこの実施例は、4気筒エンジ
ン(図示せず)を搭載したレース用の自動二輪車(図示
せず)に設けられる吸気用エアファンネルに関するもの
である。図2のように、気化器20(いわゆるVM型の
もの)の各上流側開口にエアファンネル1が1台ずつ接
続されており、それら4組が一つに組み付けられたう
え、エアクリーナ(図示せず)につながるボックス25
によって全体が覆われている。気化器20の下流側の開
口(図1の左端部分)が、別の管(図示せず)を介して
エンジンに接続されていることは言うまでもない。
【0024】さて、気化器20の上流側にそれぞれ連結
した各エアファンネル1は、以下のように構成してい
る。
【0025】まず、図1のように(図中、上半分はエア
ファンネル1が最長の状態を示し、下半分は最短の状態
を示している)、エアファンネル1のうち吸気用の管と
なる部分に、薄い鋼帯2を巻き重ねて形成した円筒を組
み込んでいる。鋼帯2としては、弾性に富み強度や耐久
性にもすぐれるステンレスのばね鋼(JIS−G431
3に規定の「ばね用ステンレス鋼帯」SUS304−C
SP)を使用した。鋼帯2は表面の滑らかなものを用
い、その寸法は厚さ0.1mm・幅9.1mmとし、最
も内側(円筒の中心側)の部分の直径を約45mmとし
て円形に20回巻いている。鋼帯2の内外の各隣接部分
間に0.03mm程度の隙間ができるように巻き、最も
外側の直径が約50mmとなるようにした。鋼帯2の最
も内側の端部は、気化器20との接続面を有する環状の
フランジ部材3に接着剤(たとえばエポキシ系の接着
剤。図示せず)にて結合させ、最も外側の端部は、外に
広がった滑らかな曲面を有する環状の開口端部材4に、
やはり接着剤(同上。図示せず)にて結合させている。
したがって、フランジ部材3を気化器20に接続してお
いて開口端部材4を円筒の軸長方向に移動すれば、図示
上半分のようにその円筒を長くし、または図示下半分の
ように円筒を短くすることができる。鋼帯2が弾性の範
囲内で変形して円筒が伸縮するうえ、鋼帯2の表面が滑
らかであり、しかもその内外の隣接部分間に上記のとお
り適当な隙間が存在するので、このような伸縮もスムー
ズに行える。
【0026】エアファンネル1の最短時の全長Lを2
0mm、最長時の全長Lを65mmとし、それらの間
の倍率を3以上に大きく設定したが、いずれの状態でも
円筒の側面から吸気が漏れて不都合をきたすことはな
い。鋼帯2のほぼ全幅が内外の隣接部分と重なった状態
にある最短時(鋼帯2は自然状態でこうなるように巻い
ている)にはもちろん、最長時においても鋼帯2の各部
間に十分な重なり代が確保される(図1中の拡大部分参
照)ためである。すなわち、鋼帯2を20回と十分に巻
いているため、(65−20)mm=45mm だけ円筒
を長くしても、鋼帯2の1巻きあたりのスライド量が
45/20≒2.3mm と小さく、したがって最長時
にも各部間に (9.1−2.3)mm=6.8mm の
重なり代が確保される。そしてこれだけの幅にわたり、
上述のような僅かな隙間しか存在しないために、それを
横切っては吸気が漏れにくいのである。
【0027】なお、円筒の長さ変更のための力は、フラ
ンジ部材3と開口端部材4とを介して鋼帯2の両端部分
のみに直接的には作用するが、その力は円筒の全体に及
ぶため、部材3・4にはさまれた中ほどの部分を含めて
円筒の全体がほぼ均等に伸縮する。長さ変更の力が円筒
の全体に及ぶのは、鋼帯2が弾性に富んだばね鋼であっ
て力を伝えやすいこと、また前記のように鋼帯2の表面
が滑らかであるうえ内外の隣接部分間に適当な隙間が存
在するために力や変位がスムーズに伝達されること、な
どによる。
【0028】そのほか、フランジ部材3の背面(気化器
20との接続面でない側)に、外に広がった滑らかな曲
面を有するリング3aを取り付けている。このリング3
aの当該曲面は、開口端部材4の内側の曲面とほぼ平行
な面であるため、図1の下半分のように円筒が最短の状
態にあって鋼帯2の一方の端(図1における左端)がこ
の曲面に接する場合には、鋼帯2による円筒の内面に、
開口端部材4の内面に続く滑らかな曲面(ただし鋼帯2
の厚さに応じた段差はある)ができ、吸気の流入をスム
ーズにする。
【0029】エアファンネル1において、鋼帯2等から
なる上記の管(円筒)の長さを変更する駆動機構は、図
3のように構成している。
【0030】すなわち、まず図3(a)のように、フラン
ジ部材3を気化器20に取り付けるとともに、そのフラ
ンジ部材3の上に円筒の軸心と平行にガイドロッド5を
固定し、円筒の上流側に結合した開口端部材4のガイド
穴4bにそのガイドロッド5を通す。ガイドロッド5
は、図2のようにエアファンネル1の1台につき2本と
し、それらの先端部分(開口端部材4から突出した部
分)をプレート5a(図3(a)。図2では図示省略)で
つないでその倒れ防止等を図っている。ガイドロッド5
によって開口端部材4が案内されるため、円筒は円滑
に、また形をくずすことなく真っすぐ軸長方向に長さを
変えることができる。
【0031】そして、開口端部材4の外周面上に図3
(a)のように付設したピン4aに、支軸10を中心にし
て角度変更自在な揺動アーム6を係合させる。ピン4a
は、図2のように、隣接する開口端部材4を二つずつ連
結するものでもあるので、エアファンネル1が4台ある
のに対して揺動アーム6の数は二つである。図3(a)の
とおり揺動アーム6の先端には二股のやや長い爪6aを
形成してその間にピン4aを係合させるので、アーム6
が揺動運動をするにもかかわらず、開口端部材4をガイ
ドロッド5に沿って直線的に動かすことができる。な
お、支軸10に関しては、4台の気化器20を組みつけ
ているシャフト8とボルト7aとによって各気化器20
にブラケット7を固定し、四つあるそのブラケット7の
先端部を一連に貫通させて回転自在に支軸10を設けて
いる。そして各揺動アーム6は、その支軸10と一体的
に回転するよう支軸10上に固定している。
【0032】揺動アーム6の回転(揺動)は支軸10と
ともに行うが、その支軸10を回転させるため、図3
(b)のとおりプーリー11を支軸10上(図2のように
中央付近)に固定し、そのプーリー11を、コントロー
ルケーブル12を介して図2のとおり操作用モータ15
に接続している。モータ15は、エンジン(図示せず)
の回転数に応じた出力をする制御手段(図示せず)から
の信号を受けて、エンジン回転数に対応した角度だけ駆
動用のプーリー16を回転させるものである。モータ1
5によるプーリー16や図3(a)のアーム6等の駆動の
向きは、鋼帯2からなる円筒を、後述のようにエンジン
回転数が低い場合には長くし、同回転数が高い場合には
短くする向きである。
【0033】以上のとおり構成したことにより、図1〜
図3のエアファンネル1は、エンジン回転数の変化に合
わせてつぎのように機能する。回転数が低い間は、上
述の制御手段(図示せず)からの出力信号を受けてモー
タ15(図2)が、図3(a)の揺動アーム6を図示右方
(実線で示す位置)へ回転させる。アーム6は、鋼帯2
と結合した開口端部材4のピン4aと係合しているの
で、自然状態を保とうとする鋼帯2の弾性に抗して当該
円筒を長くし、その状態を保つ。エンジン回転数が上
昇すると、モータ15(図2)がアーム6を図示左方へ
回転させ、上記制御手段の出力に応じて鋼帯2の円筒を
短くする。アーム6が当該円筒と係合しているのはピン
4aという一点を介してにすぎないが、円筒をなす鋼帯
2には自然状態に復帰しようとする自己復元力があるた
め、円筒は短い状態へスムーズに移行する。前述したよ
うに、エアファンネル1の最長時の長さLと最短時の
長さLとの比は 65:20 すなわち 3.25:1
である。なお、エンジンが息つき的な現象を起こすこと
を防止する観点から、加速時にはエアファンネル1の長
さを速やかに短くするよう上記制御手段にセッティング
されている。
【0034】回転数に応じてエアファンネル1が上記の
ように広い範囲で長さを変えると、低速・高速のそれぞ
れにおいてエンジンの出力が高く引き出される。その点
は、たとえば、エアファンネル1の最長時(長さL2
と最短時(長さL1)でのエンジンの各出力特性を示す
図4に基づいて説明することができる。図示のように、
エアファンネル1が最長(L)に伸びたときにはエン
ジンは低速型となって比較的低回転で最大出力を発揮す
る一方、最短(L)に縮んだ状態では高速型になり、
高回転域で高い出力を発揮する。このエアファンネル1
では、長さの変化する範囲が広いため、双方の特性の間
に大きな相違がある。実施例のエアファンネル1による
と、このように相違の際だった二つの特性および双方の
中間的な特性を回転数に合わせて適切に選択ことができ
るので、広い回転域にわたってエンジンに高い出力を発
揮させ得ることになる。
【0035】以上、一実施例を紹介したが、本発明はこ
の例に限るものではなく、たとえばつぎのようにも実施
することができる。
【0036】イ) 揺動アーム6(図3(a))等を駆動す
るための手段として、モータ(図2における符号15)
に替えて他のアクチュエータを使用することも可能であ
る。すなわち、油圧モータや空気圧式のモータ、さらに
はソレノイドや機械式のガバナ等を使用することができ
る。上記実施例のようにエアファンネルの長さを連続的
に変更できることは必ずしも不可欠でなく、最長・最短
の各状態を切り換えるするオン・オフ型のアクチュエー
タであってもよい。
【0037】ロ) 鋼帯2(図1)に代えて他の材料等か
らなる弾性薄板、たとえば非鉄金属製の帯状板やプラス
チック等からなるリボンシートを用いて円筒を形成する
のもよい。必要な長さ変更が可能であって復元力を発揮
し、かつ耐久性等を有するものであれば、原則的には材
料を問わないからである。
【0038】ハ) 弾性薄板で形成した円筒は、最短の状
態を自然状態とするものに限る理由はない。自然状態で
最長になるか、または自然状態で最長・最短の中間の状
態になるようなものであっても差し支えない。
【0039】ニ) 上記の実施例では弾性薄板(鋼帯2)
の幅を一定(9.1mm)にしながらも、フランジ部材
3の背面にリング3aを付けることによって最短時に円
筒の内面に滑らかな曲面ができるようにしたが、これも
不可欠な事項ではない。たとえば、リング3aやこれに
類するものは付けないものとし、弾性薄板の幅を部位に
より異ならせることによって最短時に同様の曲面を形成
する、という方法でも吸気の流入をスムーズにする効果
はもたらされる。
【0040】ホ) 弾性薄板の両方の端部と環状部材(フ
ランジ部材3および開口端部材4)との結合は、接着剤
によるばかりでなく、溶接やピン止め、またはカシメな
ど、多様な手段によって行うことができる。
【0041】ヘ) 以上には気化器に接続するエアファン
ネルを示したが、燃料噴射装置等に接続するものとして
もよい。
【0042】ト) 円筒を形成する弾性薄板は、各部分で
少なくとも2枚が重なっているようにすれば実用上差し
支えない。
【0043】
【発明の効果】請求項1の吸気用エアファンネルにはつ
ぎの効果がある。
【0044】1) 吸気用の管である長さ変更可能な円筒
を、特別な機械加工を施さずに形成できるため、製作が
容易でコスト上も有利である。
【0045】2) 管の内面に、気化器に近いほど内径の
小さくなるラッパ状の円錐面を形成できるので、気化器
に対する吸気効率が高い。
【0046】3) 最短時に対する最長時の長さの倍率を
かなり大きくし得るため、エンジンの出力特性が顕著に
改善される。
【0047】4) 薄板の弾性等に基づいて、別にばね等
がなくても管が円滑に動き、長さも復元するので、エア
ファンネル1の構造が簡単になる。
【0048】5) 弾性薄板がかなり薄いもので足りるた
め、管の内面に、段差の小さい、平滑面に近い面を形成
することができ、エアクリーナへの空気の充填が効率的
になる。また、板が薄いためにエアファンネルとしての
外径が小さくなり、自動二輪車等への搭載が容易であ
る。
【0049】請求項2のエアファンネルには、上記に加
えてつぎのような効果もある。すなわち、 6) 弾性薄板がばね鋼であるため円筒の自己復元性が強
いうえ、それが薄板でありながらエアファンネルとして
必要な剛性や耐久性等を備えているため、使用上このま
しい。
【0050】7) ばね鋼について、薄すぎるために円筒
に剛性が備わらないとか、厚いゆえに管の内面に段差が
できて吸気流れを乱してしまうとかいった不都合がな
い。また、規格品(市販品)を使用できるため製造上有
利である。
【0051】8) 自動車や自動二輪車等の吸気用エアフ
ァンネルとして実際に使用され得る長さを有し、かつ大
きな倍率でその長さを変更できる望ましいエアファンネ
ルを構成することができる。このエアファンネル1で
は、外径が大きくなりすぎる不都合がなく、また吸気の
漏れも容易に防止できる。
【0052】請求項3の吸気用エアファンネルの場合
は、さらに、 9) 弾性薄板と接続された上流側の環状部材がガイドロ
ッドに沿って移動するので、円筒の長さ変更が円滑に行
われるほか、長期の使用によっても全体の形状等がくず
れることなく維持される。
【0053】10) 回転数に応じて自動的に長さを変える
ため、低速および高速におけるエンジンの出力を適切に
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施例であるエアファンネル1を気化器
20とともに示す縦断面図で、図2におけるI−I断面図
である。
【図2】一体に組みつけたエアファンネル1や気化器2
0等を正面から見た状態を示す全体図である。
【図3】エアファンネル1の駆動機構を示す側面図で、
図3(a)・(b)はそれぞれ、図2におけるa−a矢視図
およびb−b矢視図である。
【図4】このエアファンネル1を使用するエンジンの出
力曲線である。
【図5】従来のエアファンネルを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 エアファンネル 2 鋼帯(弾性薄板) 3 フランジ部材(環状部材) 4 開口端部材(環状部材) 4a ピン 4b ガイド穴 5 ガイドロッド 6 揺動アーム 20 気化器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リボン状の弾性薄板を複数回巻き重ねる
    ことによって長さ変更可能な円筒を形成し、これを吸気
    用の管としたことを特徴とする吸気用エアファンネル。
  2. 【請求項2】 厚さが0.05〜0.5mm、幅が5〜
    30mmのばね鋼を上記の弾性薄板とし、これを5〜5
    0回だけ巻き重ねて上記の円筒を形成したことを特徴と
    する請求項1に記載の吸気用エアファンネル。
  3. 【請求項3】 弾性薄板のうち上記円筒の中心側にある
    端部を気化器との接続用の環状部材に結合させる一方、
    弾性薄板のうち円筒の外側の端部は、外周面にピンを有
    するほか上記円筒の軸心と平行な方向のガイド穴を備え
    る上流側の環状部材に結合させ、 円筒の軸心と平行に延びたガイドロッドを、前者の環状
    部材に固定して後者の環状部材のガイド穴に通し、 エンジンの回転数を反映する制御手段を介して角度変更
    させられる揺動アームを、後者の環状部材のピンに係合
    させたことを特徴とする請求項1または2に記載の吸気
    用エアファンネル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1845240A2 (en) * 2006-04-14 2007-10-17 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Vehicle
JP2007303456A (ja) * 2006-04-14 2007-11-22 Yamaha Motor Co Ltd 車両

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