JPH09132798A - ベルト洗浄剤及び搬送用歯付ベルト - Google Patents

ベルト洗浄剤及び搬送用歯付ベルト

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JPH09132798A
JPH09132798A JP31724795A JP31724795A JPH09132798A JP H09132798 A JPH09132798 A JP H09132798A JP 31724795 A JP31724795 A JP 31724795A JP 31724795 A JP31724795 A JP 31724795A JP H09132798 A JPH09132798 A JP H09132798A
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JP
Japan
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belt
weight
cleaning agent
oil
isopropyl alcohol
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Application number
JP31724795A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Nishio
裕之 西尾
Kuniharu Uto
邦治 宇都
Takahide Mizuno
高秀 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送精度が要求されるカード、紙幣、紙等を
搬送する搬送用ベルトにおいて、ベルト物性を低下させ
ることなしに洗浄によってベルト背面の油分、汚れ等を
十分取り所定の摩擦係数を維持し、搬送精度を向上させ
るとともに、洗浄時の環境衛生を向上させる。 【解決手段】 カード、紙幣、紙等を搬送する搬送用ベ
ルトの洗浄剤において、洗浄剤がイソプロピルアルコー
ルからなり、洗浄剤中のイソプロピルアルコールの量を
95重量%以上とする。また、洗浄剤中の他の成分とし
て香料である、レモン油、レモングラス油、またはオレ
ンジ油を1〜5重量%添加したものを使用した洗浄剤を
提供する。また、ゴム層内に多孔質充填剤が5〜80重
量部添加された歯付ベルトやポリウレタンエラストマー
製歯付ベルトを、上記洗浄剤で洗浄した搬送用ベルトも
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はベルト洗浄剤及び搬
送用歯付ベルトに係り、詳しくはベルトに付着した油等
を落とし、摩擦係数を高くする目的でベルトを洗浄する
際に使用する洗浄剤及び当洗浄剤で洗浄した搬送用歯付
ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カード、紙幣、コピー用紙などを
ベルト背面とロール、ベルト背面とベルト背面で挟み搬
送する方法が多く使われている。しかし、使用中にカー
ドに付着した手垢、汗、油、又紙幣やコピー用紙などの
紙粉、あるいはトナーのベルトへの付着によって、ベル
トの搬送能力、主に搬送物との摩擦係数の低下による不
具合が発生していた。そこで、上記不具合を改良するた
めにベルトの洗浄が行われていた。その洗浄剤として実
開昭60−60459で開示されている、金属の洗浄剤
として用いられている炭化水素系洗浄剤や、エチルアル
コール、あるいは水が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、炭化水素系洗
浄剤を用いると、ベルト構成材であるゴムが膨潤し、ベ
ルト歯とベルトプーリ溝との大きさが異なってくるた
め、かみ合い時の干渉が大きくなり搬送速度にムラが生
じ、搬送精度に悪影響を及ぼしたりベルト物性(ベルト
引張強さ、心線接着力)が低下しベルト寿命が短くなっ
ていた。また、ベルト洗浄剤としてエチルアルコールを
用いてもベルト構成材であるゴムまたはウレタンが膨潤
し、上記不具合が生じていた。なおかつ、ゴム及びウレ
タン表面が粘着状態となり、2つのベルトの背面間で搬
送物を挟持してこれを送る場合、搬送装置の起動時にベ
ルト背面間で粘着を起こしてしまい、搬送物を挟持でき
ない等の不具合が発生した。更に、洗浄剤として水又は
中性洗剤を使用すると、油分の除去能力が小さくベルト
背面が所定の摩擦係数を維持できず、カード等が滑りや
すくなり搬送精度が悪かった。
【0004】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、搬送精度が要求されるカード、紙幣、紙等を搬
送する搬送用ベルトにおいて、洗浄によってベルト物性
を低下させることなしにベルト背面の油分、汚れ等を十
分取り所定の摩擦係数を維持し、搬送精度を向上させる
とともに、洗浄時の環境衛生を向上させる洗浄剤および
その洗浄剤で洗浄した搬送用ベルトを提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明はカード、
紙幣、紙等を搬送する搬送用ベルトの洗浄剤において、
洗浄剤がイソプロピルアルコールからなり、洗浄剤中の
イソプロピルアルコールの量が95重量%以上であるベ
ルト洗浄剤にある。
【0006】ここで、上記本発明はイソプロピルアルコ
ールの他に香料を含有した洗浄剤も含み、また、その香
料がレモン油、レモングラス油、またはオレンジ油であ
るベルト洗浄剤も含む。
【0007】上記の各構成を総合すると、カード、紙幣
等を搬送する搬送用ベルトの洗浄剤において、洗浄剤が
イソプロピルアルコールからなり、洗浄剤中イソプロピ
ルアルコールの量が95重量%以上であり、他の成分と
して香料であるレモン油、レモングラス油、またはオレ
ンジ油を含むベルト洗浄剤も特徴とするところである。
【0008】更に、本発明は請求項5に記載のとおり、
長さ方向に沿って配置した複数の歯部と、心線を埋設し
た背部とを有し、上記歯部の表面に歯布を被覆したカー
ド、紙幣、紙等を搬送するゴム製歯付ベルトにおいて、
上記背部もしくは背部と歯部からなるゴム層に、少なく
ともゴム100重量部に対して多孔質充填剤を5〜80
重量部添加し、上記背部を研磨することにより多孔質充
填剤を表面に表出させ、しかも歯布としてレゾルシンー
ホルマリンーラテックス液のみで処理した帆布を使用し
た搬送用歯付ベルトを、95〜99重量%のイソプロピ
ルアルコールと少なくともレモン油、レモングラス油、
そしてオレンジ油から選ばれた香料を1〜5重量%含む
洗浄剤で背面を洗浄したことを特徴とする搬送用歯付ベ
ルトも含む。
【0009】また、本発明は請求項6に記載の通り、長
さ方向に沿って配置した複数の歯部と、心線を埋設した
背部とを有し、カード、紙幣、紙等を搬送するポリウレ
タンエラストマー製歯付ベルトにおいて、95〜99重
量%のイソプロピルアルコールと少なくともレモン油、
レモングラス油、そしてオレンジ油から選ばれた香料を
1〜5重量%含む洗浄剤で背面を洗浄したことを特徴と
する搬送用歯付ベルトも他の特徴とするところである。
【0010】
【作用】本発明によれば、カード、紙幣等を搬送する搬
送用ベルトの洗浄剤において、イソプロピルアルコール
を95重量%以上含む洗浄剤を使用することによって、
ベルト背面の油分、汚れ等を十分除去することができ、
ベルト背面の摩擦係数を油分等の付着前の水準に維持で
きることより搬送能力が低下しない。又、イソプロピル
アルコールを用いることによってベルト構成材であるゴ
ムまたはウレタンの膨潤によるベルト物性の低下やベル
ト背面の粘着等の不具合は発生しない。
【0011】また、洗浄剤の他の成分として香料である
レモン油、レモングラス油、またはオレンジ油を1〜5
重量%含有することによって、イソプロピルアルコール
独特の不快な匂いを解消できる。
【0012】更に、ゴム製歯付ベルトのゴム層に、少な
くともゴム100重量部に対して多孔質充填剤を5〜8
0重量部添加し、ベルト背部を研磨し多孔質充填剤を表
面に表出させることにより、ベルト背面に付着した油分
や水がある程度この多孔質充填剤に吸収され、頻繁にベ
ルト背面を洗浄する必要がなくなり、ベルト背面の摩擦
係数の安定を図れる。また歯布がレゾルシンーホルマリ
ンーラテックス液のみで処理した帆布である為、歯部の
ゴムが帆布の開口部から露出することなく、ゴム粉の紙
幣、カード、切符等の搬送物への付着を阻止することが
できる。
【0013】また搬送用歯付ベルトをポリウレタンエラ
ストマー製とした場合、歯部が殆ど摩耗しない為にベル
ト歯部の摩耗粉が紙幣、カード、切符等の搬送物へ付着
することはほとんどない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、更に本発明の実施の形態を
説明する。図1は本発明に係るゴム製搬送用歯付ベルト
の断面斜視図であり、搬送用歯付ベルト1はベルト長手
方向に沿って複数の歯部3と心線4を埋設した背部2と
からなり、上記歯部3の表面には歯布5が貼着されてい
る。上記歯部3のピッチは、3mm以下が好ましく、こ
れより速度変動率を小さくして送り精度を高めることが
できる。また、搬送物は背部2間に挟持して搬送する。
【0015】前記背部2及び歯部3に使用されるゴム
は、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリル
ゴム、天然ゴム、EPT(エチレン・プロピレン・ター
ポリマー)、スチレンーブタジエンゴム、ブチルゴム、
クロロスルフォン化ポリエチレンゴム等を用いたゴム組
成物からなる。上記ゴムの中には配合剤として、カーボ
ンブラック、亜鉛華、ステアリン酸、可塑剤、老化防止
剤等が添加され、また加硫剤として硫黄、有機過酸化物
があるが、これらの配合剤や加硫剤は特に制限されな
い。
【0016】そして、上記ゴム組成物中には、潤滑油を
吸着させていない多孔質充填剤が添加される。この多孔
質充填剤は平均粒子径が10μm〜30μmの無機質の
多孔質粉末であり、具体的には珪藻土、ゼオライト、活
性炭、そしてシリカゲルを挙げることができる。多孔質
充填剤の添加量は、ゴム100重量部に対して5〜80
重量部であり、好ましくは20〜80重量部である。5
重量部未満の場合には、油や水分の吸着効果が少なく、
また80重量部を越えると、ゴム組成物の粘度が高くな
り、成型時に於ける歯部3の出具合が悪くなる傾向があ
り、歯部3の出具合をよくするために軟化剤を増量する
と、耐摩耗性が低下するとともに粘着摩耗しやすくな
る。
【0017】背部2中のゴム組成物に添加された多孔質
充填剤がベルト背面に付着した油分や水を吸着しやすく
するために、背部2をグラインダーにより研磨すること
により多孔質充填剤をベルト背面に表出させることが望
ましい。ベルトの背部2を研磨する方法は、加硫したベ
ルトスリーブを研磨機の2つのプーリに掛架し、ベルト
スリーブを走行させながらグラインダーで研磨する。
【0018】上記心線4としては、Eガラスまたは高強
度ガラスの5〜9μmのフィラメントを撚りあわしたも
のを、ゴム組成物からなる保護剤あるいは接着剤である
RFL液等で処理されたものである。また、有機繊維と
しては応力に対して伸びが小さく、引っ張り強度が大き
いパラ系アラミド繊維(商品名:ケブラー、テクノー
ラ)の0.5〜2.5デニールのフィラメントを撚り合
わせ、RFL液、エポキシ溶液、イソシアネート溶液と
ゴム組成物との接着剤で処理された撚りコードが使用さ
れる。しかし、本発明ではこれらに限定されることはな
い。
【0019】歯布5として用いられる帆布は、6ナイロ
ン、66ナイロン、ポリエステル、アラミド繊維等であ
って、単独あるいは混合されたものであってもよい。歯
布5の経糸(ベルト幅方向)や緯糸(ベルト長さ方向)
の構成も前記繊維のフィラメント糸または紡績糸であ
り、織構成も平織物、綾織物、朱子織物でいずれでも良
い。なお、緯糸には伸縮性を有するウレタン弾性糸を一
部使用するのが好ましい。
【0020】そして、上記歯布5は、RFL液によって
のみ処理され、RFL液が乾燥して得られたRFL液の
固形分付着量が30〜50重量%になっている。上記R
FL液の固形分は、RFの樹脂とラテックスの固形分か
らなっている。RFL液の固形分付着量は、〔処理後の
帆布重量−未処理の帆布重量〕/〔未処理の帆布重量〕
×100(%)により求めることができる。
【0021】RFL液は、リゾルシンとホルマリンとの
初期縮合物をラテックスに混合したものであり、レゾル
シンとホルマリンとのモル比は1対1〜3である。ま
た、レゾルシンとホルマリンとの初期縮合物とラテック
スとの重量%比は、1対1〜10である。ここで使用す
るラテックスとしてはスチレンーブタジエンービニルピ
リジンー三元共重合体、水素化ニトリルゴム、クロロス
ルフォン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンなどのラ
テックスである。
【0022】上記歯布5の具体的な処理方法としては、
帆布をRFL液に浸漬し、一対のロールにより絞り圧約
0.3〜0.8kgf/cm(ゲージ圧)でディップ処
理を行って乾燥したあと、更に同様にRFLを使って、
帆布に付着するRFL液の固形分付着量を30〜50重
量%に調節した。尚、RFL液の固形分付着量が多くな
ってベルトの歯部の形状が正確に出現しなくなる問題が
ある。
【0023】図2は本発明に係るポリウレタンエラスト
マー製搬送用歯付ベルトの断面斜視図であり、搬送用歯
付ベルト6はベルト長手方向に沿って複数の歯部3と心
線4を埋設した背部2とからなる。上記歯部3のピッチ
は、3mm以下が好ましく、これにより速度変動率を小
さくして送り精度を高めることが出来る。
【0024】前記歯部3及び背部2に使用される材料
は、ポリエーテル系ポリウレタンエラストマーが使用さ
れる。上記エラストマーの中には配合剤として、可塑
剤、顔料、耐光安定剤等が添加され、又架橋剤としてフ
ェニレンジアミン系のものがあるが、これらの配合剤や
架橋剤は、特に制限されない。
【0025】上記心線4としては、ポリエステル繊維、
又はパラ系アラミド繊維(商品名:ケブラー、テクノー
ラ、トワロン)のいずれでもよく、その構成、太さ、撚
り数等には左右されない。
【0026】上記材料および製造方法で作ったベルトを
使用する場合にカード、紙幣、紙等を搬送する動作中に
紙粉、カードに付着している手垢、汗、油、又コピー用
トナーのベルトへの付着によって、搬送物との摩擦係数
の低下から搬送能力の低下という不具合が起こる場合が
ある。ここで、この不具合を解消するためにベルトの洗
浄を行う。洗浄剤としてはイソプロピルアルコールを使
用し、洗浄剤中のイソプロピルアルコールの量は95重
量%以上とする。ここで、イソプロピルアルコールの量
が95重量%未満になると、ベルト背面に付着した油
分、汚れ等が十分に除去できない。
【0027】また、洗浄剤中に香料を含ませるとイソプ
ロピルアルコール独特の不快な匂いを抑え作業環境を良
好に保つことができる。ここで、香料としてはレモン
油、レモングラス油、オレンジ油のいずれを用いてもよ
く、洗浄剤中の含有量としては1〜5重量%が好まし
い。ここで、香料が1重量%未満になると消臭効果が少
なく、又5重量%を超えるとイソプロピルアルコールの
含有量が95重量%未満となり、ベルト背面に付着した
油分、汚れ等が十分に除去できなくなる。
【0028】洗浄方法としては、ベルト背面2を上記洗
浄剤を浸した布地により数回拭くことにより行う。次に
本発明の洗浄剤にて洗浄を終えたベルトを乾燥する。乾
燥は通常自然乾燥で行うが、送風にて乾燥させると、短
時間で乾燥する。乾燥を終えたベルトの背面は油分、汚
れが付着する以前の摩擦係数を維持し搬送能力も回復
し、油分、汚れが付着する以前と同等の搬送能力とな
る。
【0029】
【実施例】以下、更に本発明の実施例を説明する。ここ
で、搬送用ベルトとして構成材料がクロロプレンゴム、
天然ゴムとスチレンブタジエンゴムとのブレンド品、ポ
リウレタンエラストマーを用いた。 (1)ゴム製歯付搬送用ベルト 140デニールの66ナイロンからなる経糸と280デ
ニールの66ナイロンと140デニールのウレタン弾性
糸からなる緯糸で、経糸密度180(本/5cm)で緯
糸密度160(本/5cm)で綾織帆布に製織した後、
織物を水中で振動を与えて製織時の幅の約1/2幅まで
収縮させた後、帆布を表2に示すRFL液に浸漬し、一
対のロールに0.5kgf/cm(ゲージ圧)で絞った
後、乾燥し、更にこの処理済の帆布を同じRFL液に浸
漬し、同様の絞り圧で絞った後、乾燥し、RFL液の固
形分付着量が40重量%となる歯布とした。尚、RFL
液の固形分付着量は〔処理後の帆布重量−未処理の帆布
重量〕/〔未処理の帆布重量〕×100(%)により求
めた。
【0030】次に、心線として、素線径約9μのガラス
繊維フィラメントを束ねてストランドを形成し、このス
トランドをRFL液に浸漬し、250°Cで2分間乾燥
後、上記ストランドを3本寄せ集め、4.0回/10c
mの撚り数にして撚ったECG−150−3/0からな
るコードである。
【0031】上記歯布をエンドレス状の筒状体に仕上
げ、これを金型にセットし、その上からS、Z一対のガ
ラス繊維コードをピッチ0.5mmで交互に配置するよ
うに張力各0.9kg/本で巻き付け、その上から表1
のゴム組成物からなる圧延シートを巻きつけ、通常の圧
入による加硫方法によって、加硫後、加硫スリーブの背
面をグラインダーによって研磨したあと、これを所定の
幅に切断して個々のベルトを作製した。得られたベルト
は、ベルトの歯形:STPD、歯数:140、ベルト
幅:6.4mm、歯ピッチ:1.5mmであった。成形
後のベルト歯部の形状は良好であり、また成形後のベル
ト歯部表面には、ゴムが帆布の開口部から露出しておら
ず、しかも付着していなかった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】(2)ポリウレタンエラストマー製歯付搬
送用ベルト 所定間隔で溝部を有する内型の外面に、パラ系アラミド
繊維(商品名:ケブラー:東レデュポン社製)200デ
ニール/1×2を引き揃え、S方向に48.0±7.0
回/10cm、Z方向28.5±3.5回/10cmの
割合で撚られたS、Z一対の撚りコードを心線とし、こ
の心線を接着処理せずにスピニングした。
【0035】上記内型に外型を組み込み液状ポリウレタ
ン原料(プレポリマー100重量部、3,3′−ジクロ
ロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンである硬化剤
12重量部、可塑剤40重量部、着色剤1.0重量部、
耐光安定剤1.0重量部)を注入し、型内を密閉して型
を回転させて遠心成形を施し、所定温度で液状ポリウレ
タンを硬化させた。この時の金型温度は110°Cであ
った。硬化後にベルトスリーブを金型から抜き取り、輪
状に切断して歯付ベルトを得た。得られたベルトは、ベ
ルトの歯形:STPD、歯数:140、ベルト幅:6.
4mm、歯ピッチ:1.5mmであった。
【0036】洗浄剤としては次の洗浄剤を使用した。実
施例1の洗浄剤はイソプロピルアルコールが100重量
%であるものを使用した。実施例2では洗浄剤がイソプ
ロピルアルコールを98重量%含み、他の成分として香
料であるレモン油が2重量%含まれている洗浄剤を使用
した。 また、比較例として次の洗浄剤を使用した。比
較例1の洗浄剤は炭化水素系洗浄剤が100重量%のも
のを使用し、比較例2ではエチルアルコールが100重
量%のものを使用し、比較例3ではエチルアルコールを
45重量%、水を55重量%含有したものを使用した。
比較例4では、イソプロピルアルコールを45重量%、
水を55重量%含有したものを使用した。最後に比較例
5として中性洗剤を10重量%、水を90重量%含有し
たものを使用した。各洗浄剤の内容をまとめて表3に示
す。
【0037】
【表3】
【0038】次にベルト背面の摩擦係数の測定および粘
着度合いの観察を行った。ここでベルトに油を付着させ
るためにテレフォンカードを油水中に完全に浸漬し、扇
風機で20秒間乾燥したのちテレフォンカードを上下ベ
ルトに挟持し、上ベルトを引張り上ベルト背面に油水が
移行するようにした。これを1サイクルとし10サイク
ル繰り返してベルトに油水を塗布した。油水は人の汗や
脂の成分に近づけ、かつ脂分を均一に分散させるため
に、人工汗(100cc)にエタノール(100cc)
とラード(5g)を添加したものを使用した。ベルト背
面の洗浄は、各洗浄剤にて5回背面を拭くことによって
行った。ベルト背面の摩擦係数の測定は図3に示される
摩擦係数測定装置にて行った。摩擦係数測定装置7にお
いて重り10に歯付ベルト背面が、移動テーブル上に設
置されたテレフォンカード磁気面と対峙するように搬送
用ベルトの切片8を装着し、そしてバネ秤11と重り1
0を糸13で連結した。ここで、重り10を100gと
した。次に耐寒モータ、平歯車、ラックを利用して移動
テーブルを300mm/minの速度で移動させた。こ
の時にテレフォンカード磁気面とベルト背面間で発生す
る摩擦力によって、バネ秤11が引張力を受ける。この
時のバネ秤の値Fgfをよみ、次式にて摩擦係数を算出
した。 摩擦係数μ=F/100 この時の雰囲気温度としては25°Cであった。
【0039】次にベルト背面の粘着度合いの観察を行っ
た。結果としては官能評価で表している。摩擦係数およ
び粘着度合いの評価結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】実施例1及び2の洗浄剤で洗浄すると、ベ
ルト背面は未使用時の摩擦係数と同水準程度に回復し粘
着もしていないが、比較例2、3は粘着が見られ比較例
4、5は未使用時の背面摩擦係数程度の水準に回復して
いないことがわかる。
【0042】次に各洗浄剤のベルト物性への影響を調べ
た。各構成のベルトを25°Cの液温に調節した各洗浄
剤に7日間浸漬し、浸漬後のベルト引張強さと心線接着
強さを測定した。その結果を表5に示す。未洗浄ベルト
の引張強さと心線接着強さを100とし、各洗浄剤で洗
浄したベルトの引張強さと心線接着強さを保持率(%)
で表した。
【0043】
【表5】
【0044】実施例1、2の洗浄剤で洗浄したベルトの
物性保持率は80%を越しているが、比較例1〜5の洗
浄剤で洗浄したベルトの物性保持率は低くなっており、
全ての項目、ベルト構成材料に対して80%以上物性を
保持しているものはない。
【0045】更に各洗浄剤の匂いの試験を行った。試験
人数は10人で官能評価とした。その結果を表6に示
す。
【0046】
【表6】
【0047】実施例1では、臭いと感じた人数が9人い
たが、実施例2で香料を添加することによって1人に減
っている。このことより、香料を添加する効果が出てい
ることが判る。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明では、ベルトの洗浄
剤としてイソプロピルアルコールを使用し、少なくとも
イソプロピルアルコールが95重量%以上含まれている
ことによりベルトの物性低下やベルト背面の粘着が起こ
ることなしに、油分、汚れ等を十分除去でき、所定の摩
擦係数を維持できるという効果がある。また、香料を1
〜5重量%使用することによってイソプロピルアルコー
ル独特の不快な匂いを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るゴム製搬送用歯付ベルトの断面斜
視図である。
【図2】本発明に係るポリウレタンエラストマー製搬送
用歯付ベルトの断面斜視図である。
【図3】本発明に係る搬送用ベルトの摩擦係数測定装置
である。
【符号の説明】
1 ゴム製搬送用歯付ベルト 2 ベルト背面(洗浄面) 3 ベルト歯部 4 心線 5 歯布 6 ウレタンエラストマー製搬送用歯付ベルト 7 摩擦係数測定装置 8 搬送用ベルト切片 9 移動テーブル 10 重り 11 バネ秤 12 相手材 13 連結糸

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カード、紙幣、紙等を搬送する搬送用歯
    付ベルトの洗浄剤において、洗浄剤がイソプロピルアル
    コールを主成分とし、洗浄剤中のイソプロピルアルコー
    ルの量が95重量%以上であることを特徴とするベルト
    洗浄剤。
  2. 【請求項2】 イソプロピルアルコールの他に香料を含
    んだことを特徴とする請求項1記載のベルト洗浄剤。
  3. 【請求項3】 香料としてレモン油、レモングラス油、
    又はオレンジ油を1〜5重量%使用した請求項2記載の
    ベルト洗浄剤。
  4. 【請求項4】 カード、紙幣、紙等を搬送する搬送用歯
    付ベルトの洗浄剤において、洗浄剤がイソプロピルアル
    コールと少なくともレモン油、レモングラス油、そして
    オレンジ油から選ばれた香料からなり、洗浄剤中のイソ
    プロピルアルコールの量が95重量%以上であることを
    特徴とするベルト洗浄剤。
  5. 【請求項5】 長さ方向に沿って配置した複数の歯部
    と、心線を埋設した背部とを有し、上記歯部の表面に歯
    布を被覆したカード、紙幣、紙等を搬送するゴム製歯付
    ベルトにおいて、上記背部もしくは背部と歯部からなる
    ゴム層に、少なくともゴム100重量部に対して多孔質
    充填剤を5〜80重量部添加し、上記背部を研磨するこ
    とにより多孔質充填材を表面に表出させ、しかも歯布と
    してレゾルシンーホルマリンーラテックス液のみで処理
    した帆布を使用した搬送用歯付ベルトを、95〜99重
    量%のイソプロピルアルコールと少なくともレモン油、
    レモングラス油、そしてオレンジ油から選ばれた香料を
    1〜5重量%含む洗浄剤で背面を洗浄したことを特徴と
    する搬送用歯付ベルト。
  6. 【請求項6】 長さ方向に沿って配置した複数の歯部
    と、心線を埋設した背部とを有し、カード、紙幣、紙等
    を搬送するポリウレタンエラストマー製歯付ベルトにお
    いて、95〜99重量%のイソプロピルアルコールと少
    なくともレモン油、レモングラス油、そしてオレンジ油
    から選ばれた香料を1〜5重量%含む洗浄剤で背面を洗
    浄したことを特徴とする搬送用歯付ベルト。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015186435A1 (ja) * 2014-06-03 2017-04-20 フォルボ・ジークリング・ジャパン株式会社 コンベヤベルト

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JPWO2015186435A1 (ja) * 2014-06-03 2017-04-20 フォルボ・ジークリング・ジャパン株式会社 コンベヤベルト

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