JPH0811974B2 - 歯付ベルト - Google Patents

歯付ベルト

Info

Publication number
JPH0811974B2
JPH0811974B2 JP4225038A JP22503892A JPH0811974B2 JP H0811974 B2 JPH0811974 B2 JP H0811974B2 JP 4225038 A JP4225038 A JP 4225038A JP 22503892 A JP22503892 A JP 22503892A JP H0811974 B2 JPH0811974 B2 JP H0811974B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
belt
tooth
latex
fiber cord
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4225038A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05215186A (ja
Inventor
高秀 水野
信隆 大迫
武史 村上
恭典 中井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP4225038A priority Critical patent/JPH0811974B2/ja
Priority claimed from US07/959,057 external-priority patent/US5310386A/en
Publication of JPH05215186A publication Critical patent/JPH05215186A/ja
Publication of JPH0811974B2 publication Critical patent/JPH0811974B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歯付ベルトに係り、耐熱
性、耐屈曲性そして耐摩耗性をともに改善した歯付ベル
トに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の歯付ベルトは、クロロプレンを原
料ゴムとするゴム配合物を歯ゴムと背ゴムに、SBR系
のビニルピリジンラテックスをラテックス成分とするR
FL(レゾルシン・ホルマリン・ラテックス)液にて接
着処理されたガラス繊維コードもしくはアラミド繊維コ
ードを心線に、そして捲縮加工されたナイロンを緯糸と
してベルト長手方向に使用された歯布から構成されてい
る。
【0003】自動車用OHC駆動(オーバーヘッドカム
駆動)の歯付ベルトは、エンジンルームのコンパクト化
やFF化によって使用する環境温度が高温となり、従来
のクロロプレンを原料ゴムとする歯付ベルトでは、背ゴ
ムや歯元部のクラックから歯欠けに至る現象、又は高温
下での屈曲によるガラス心線の劣化によってベルトが切
断しやすかった。そこで、近年特に自動車用歯付ベルト
の長寿命化の要求に対して、クロロスルフォン化ポリエ
チレン(CSM)やアクリロニトリル−ブタジエン共重
合体を水素添加して得られる水素化ニトリルゴム(HN
BR)がゴム配合物の原料ゴムとして使用されるように
なってきた。例えば、特開昭62−159827号公報
に開示されている。
【0004】一方、心線としては一部アラミド繊維が使
用されているが、依然としてガラス繊維コードが主に使
用され、歯布としてはクロロプレンの歯付ベルトと同様
にナイロン帆布が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、歯付ベルトの
走行寿命は、背ゴムや歯ゴムのゴム組成物、心線である
ガラス繊維コードもしくはアラミド繊維コードの接着
層、そして歯布の材質等がそれぞれ密接な関係にあって
互いに相互作用している。例えば、歯付ベルトを高温環
境下で走行させた場合、たとえ耐熱性を有する水素化ニ
トリルゴムやクロロスルフォン化ポリエチレンゴムから
なるゴム組成物を背ゴムや歯ゴムに使用しても、ガラス
繊維コードもしくはアラミド繊維コードに付着したレゾ
ルシン・ホルマリン・ラテックス液の固型物が熱老化
し、ガラス繊維コードと該ゴム組成物間は接着力の低下
によって剥離した。更に、ベルトの耐屈曲性も大きく低
下した。
【0006】また、このような走行条件下では、プーリ
歯部と接するベルト歯底の歯布も早期に摩耗して、ベル
ト歯部を充分に保護できず、ベルト歯元部からクラック
を発生させる要因となっていた。本発明はこのような問
題点を改善するものであり、高温環境したの走行でも耐
熱性、耐屈曲性、耐摩耗性を維持して走行寿命の長い歯
付ベルトを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の特徴は長
さ方向に沿って配置した複数の歯ゴムと、心線を埋設し
た背ゴムとを有し、上記歯ゴムの表面に歯布を被覆した
歯付ベルトであり、前記歯ゴムと背ゴムが、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体の分子中の2重結合が80
%以上水素添加された水素化ニトリルゴムあるいはクロ
ロスルフォン化ポリエチレンゴムを原料ゴムとする有機
過酸化物によって架橋されたゴム弾性体であり、また心
線がレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液を付着させ
たガラス繊維コードあるいはアラミド繊維コードであっ
て、上記レゾルシン−ホルマリン−ラテックス液のラテ
ックス成分の固型分として少なくとも60重量%がアク
リロニトリル−ブタジエン共重合体の分子中の2重結合
のうち80%以上が水素添加された水素化ニトリルある
いはクロロスルフォン化ポリエチレンのラテックスであ
る。また、歯布としてはベルト長手方向にアラミド繊維
を50vol%以上を含む糸からなる帆布を用いる。
【0008】第1図は本発明に係る歯付ベルトの断面斜
視図であり、歯付ベルト1はベルト長手方向に沿って複
数の歯ゴム2とガラス繊維コードあるいはアラミド繊維
コードからなる心線3を埋設した背ゴム4とからなり、
上記歯ゴム2の表面には歯布5が貼着されている。前記
歯ゴム2及び背ゴム4に使用される原料ゴムの水素化ニ
トリルゴムは、水素添加率が80%以上であり、耐熱性
及び耐オゾン性の特性を発揮するために好ましくは90
%以上が良い。水素添加率80%未満の水素化ニトリル
ゴムは、耐熱性及び耐オゾン性は極度に低下する。
【0009】水素化ニトリルゴムあるいはクロロスルフ
ォン化ポリエチレンゴムを架橋するのに使用する有機過
酸化物は、加工時の温度で架橋反応が極度に進行しない
ものであればいずれでも良く、好ましくは半減期が10
時間で分解温度が80℃以上であるジアルキルパーオキ
サイドが良い。例えば、ジ−t−ブチル−パーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、2.5−ジメチル−2.5ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、ベンゾイル−パーオキサイド、
α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼン等が挙げられる。
【0010】有機過酸化物の配合量は原料ゴム100重
量部に対し、1/10〜1/1000モルが通常使用さ
れる。又、ゴム組成物の他の配合剤としては有機過酸化
物の反応を極度に抑制しない老化防止剤や、補強剤とし
てカーボンブラック可塑剤、及び共架橋剤等が配合され
る。
【0011】ガラス繊維コードあるいはアラミド繊維コ
ードの処理に用いるRFL液は、従来そのラテックス成
分がビニルピリジン−スチレン−ブタジエン3元共重合
体を乳化したラテックスを主にその他ブタジエン−スチ
レン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体
等をブレンドして用いられてきた。しかし、これらのビ
ニルピリジンラテックスを主とするラテックスを使用し
たRFL液で処理されたガラス繊維コードあるいはアラ
ミド繊維コードは、ゴム組成物中に埋設された場合、ゴ
ム組成物中の有機過酸化物の分解の際に発生するラジカ
ルによって架橋反応が極度に進行し、ガラス繊維コード
あるいはアラミド繊維コードのフィラメントの周りに付
着されたRFL液がベルト加硫時に硬化し、コードの柔
軟性が失われる。このためベルトが使用により屈曲され
ると、フィラメントが切損し、引っ張り強さの低下を引
き起こし、早期にベルトが切断する現象が見られた。特
に、ガラスフィラメントは元来柔軟性に欠けるため、屈
曲疲労しやすい。
【0012】これに対し、水素化ニトリルゴム及びクロ
ロスルフォン化ポリエチレンのラテックスを使用したR
FL液ににて処理されたガラス繊維コードあるいはアラ
ミド繊維コードは、ベルト加硫時の硬化が起こりにくく
耐屈曲性も優れることが見出された。この原因として
は、ラテックス成分のポリマー種による有機過酸化物に
対する架橋効率の差のためであると考えられる。つま
り、ゴム配合物の原料ゴムである水素化ニトリルゴムあ
るいはクロロスルフォン化ポリエチレンゴムの架橋を行
うための有機過酸化物の量では、通常のガラス繊維コー
ドあるいはアラミド繊維コードのRFL液のラテックス
種として用いられるビニルピリジン、SBR等は架橋効
率が高いため架橋による3次元構造が極度に進行し、む
しろ架橋により樹脂化が進行するものと考えられる。架
橋効率がベルト本体の原料ゴムと同等以下のポリマーと
しては、CR、NR、IR、NBRが考えられるが、こ
れらのポリマーのラテックスは耐熱性が悪いため、歯付
ベルトの実使用に対して意味がない。そのため、架橋効
率の低い水素化ニトリルゴム及びクロロスルフォン化ポ
リエチレンのラテックスを使用すれば、接着層の硬化が
小さい。
【0013】以上の架橋効率及び耐熱性の両面から、使
用しうるラテックスとしては、80%以上水素添加され
た水素化ニトリルゴム、又はクロロスルフォン化ポリエ
チレンラテックスが少なくともラテックス全量のうち6
0重量%あるRFL液である必要がある。60重量%未
満では他のポリマーラテックスの硬化により、極度に繊
維コードの耐屈曲性が低下する。歯付ベルトの長寿命化
はゴム弾性体として有機過酸化物架橋される水素化ニト
リルゴムあるいはクロロスルフォン化ポリエチレンゴム
を使用し、且つガラス繊維コードあるいはアラミド繊維
コードの処理剤であるRFL液のラテックス成分の60
重量%以上を水素化ニトリルゴム又はクロロスルフォン
化ポリエチレンのラテックスとすることにより、耐熱性
と耐屈曲性に優れる歯付ベルトが得られる。
【0014】ベルト使用の際において負荷とともに張力
の大きい条件下では、歯付ベルトの歯布5が異常に摩耗
を起こし、歯元部にクラックが生じ、やがて歯欠けによ
る寿命となる場合がある。高負荷、高張力の条件下では
さらに歯布5の補強が必要である。そのため本発明者等
は歯布5として用いられる帆布の組成及び構成を下記の
ものとすることにより耐摩耗性及び耐歯欠け性を向上さ
せることを見出した。
【0015】歯布5として用いられる帆布の組成は、従
来の6.6ナイロンに代わってアラミド繊維をベルト長
手方向に少なくとも50vol%含む糸を打ち込むこと
によって達成された。アラミド繊維はパラ系繊維のフィ
ラメント糸(例えば、商品名ケブラー、テクノーラ、ト
ワロン)のマルチ糸、又はメタ系繊維(例えば、商品名
ノーメックス、コーネックス等)の紡績糸のいずれでも
良い。ベルト長手方向に使用する糸の構成として、上記
のアラミド繊維を帆布に打ち込む方法は、アラミド糸単
独又は他の繊維との合撚糸の使用、あるいはアラミド糸
及び他の繊維との交互打ち込み等のいずれでも良く、ベ
ルト長手方向のアラミド繊維の割合が50vol%以上
であれば打ち込み方法に制限がない。
【0016】上記のベルト長手方向に50vol%以上
のアラミド糸を含む帆布を、有機過酸化物架橋された水
素化ニトリルゴム組成物あるいはクロロスルフォン化ポ
リエチレンゴム組成物、及び水素化ニトリルゴムあるい
はクロロスルフォン化ポリエチレンラテックスを使用し
たRFL液にて処理されたガラス繊維コードあるいはア
ラミド繊維コードと接着させるために、同様の水素化ニ
トリルゴムをラテックス成分として用いるRFL液で処
理又はイソシアネート、エポキシにて処理する。
【0017】
【作用】本発明の歯付ベルトでは、歯ゴムと背ゴムがア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体の分子中の2重結
合が80%以上の水素添加された水素化ニトリルゴムあ
るいはクロロスルフォン化ポリエチレンであって有機過
酸化物によって架橋されたゴム弾性体であり、且つ心線
としてRFL液のラテックス成分として少なくとも60
重量%が前記同様の水素化ニトリルあるいはクロロスル
フォン化ポリエチレンのラテックスを組み合わせて使用
することで、心線に付着した接着層が硬化しにくくて柔
軟性を保持し、これによって高温雰囲気下でしかも多軸
走行させても走行前のベルトの引張強さはもちろん、走
行後のベルトの引張強さ、引張強さの保持率、更にベル
ト耐熱性、耐屈曲性において優れている。
【0018】
【実施例】以下実施例にて詳細に説明する。 実施例1〜8、比較例1〜6 溶融紡糸され、シランカップリング剤で表面処理された
素線径約9mmのガラス繊維フィラメント約200本を
束ねてストランドとし、3本のストランドを引き揃えて
表1の各RFL液中に浸漬し、130℃で2分間乾燥、
250〜300℃で2分間ベーキング後、下撚りを約1
2回/10cmにてS方向に撚った下撚り糸と、同回数
Z方向に撚った下撚り糸を準備した。
【0019】
【表1】
【0020】次にS方向の下撚り糸を13本引き揃え、
上撚りを約8回/10cmの割合でZ方向に撚られたガ
ラス繊維コードとし、また同様にZ撚り下撚り糸を同様
に13本引き揃え、S方向に8回/10cmの撚り数の
ガラス繊維コードとし、各RFL液に対し、上撚り方向
がS、Zの各一対のRFL処理ガラス繊維コードとし
た。そして、各RFL処理ガラス繊維コードを背ゴム、
歯ゴムそして歯布に接着させるために、更にゴム組成物
を溶剤に溶解させ、イソシアネートを添加したオーバー
コート液に浸漬、乾燥させてベルト用心線となるガラス
繊維コードを作製した。
【0021】歯布として、経糸に210デニールの6.
6ナイロン、緯糸に140デニールの6.6ナイロンを
2本と、140デニールのウレタン弾性糸を引き伸ばし
て合撚したものを使用し、構成は6.6ナイロン〔21
D /1×(6.6ナイロン140D /2+ウレタン1
40D /1)/1〕/〔120本/5cm×130本/
5cm〕の2/2綾織帆布を製織した。製織後、帆布を
水中にて振動を与えて製織時の幅の1/2幅まで収縮さ
せた後、表2のゴム配合物(a)をメチルエチルケトン
中に溶解し、イソシアネートを添加した処理液に浸漬、
乾燥し0.9mmの歯布用処理帆布とした。上記帆布は
緯糸方向をベルトの長手方向に使用される。
【0022】
【表2】
【0023】走行試験用ベルトの作成は、歯布として前
記の6.6ナイロン処理帆布を、背ゴム、歯ゴムのゴム
配合物として表2の有機過酸化物架橋される水素化ニト
リルゴム配合物(a)と表3の硫黄架橋される水素化ニ
トリルゴム配合物(b)を、心線として表1の各RFL
処理液により処理されたガラス繊維コードとを組み合わ
せることにより、従来の圧入法によって得た。ベルトの
サイズは88ZA19(ベルトの歯型:ZAタイプ、歯
数:88、ベルト幅:19.1mm、歯ピッチ:9.5
25mm)であった。
【0024】
【表3】
【0025】各ベルトを多軸走行試験機にて雰囲気温度
100℃、駆動プーリの回転数5,500rpm、軸荷
重50kgにて500時間走行させた後のベルトの引張
強さを測定した結果を表4に示す。上記多軸走行試験機
では、駆動プーリ(歯数20)と3つの従動プーリ(い
ずれも歯数20)が相対向するように上下左右に配列さ
れ、各プーリ間にはアイドラープーリ(直径30mm)
が設けられている。歯付ベルトは前記4つのプーリに巻
き掛けられ、1つの従動プーリに与えられた荷重(50
kg)により張力を受ける。
【0026】
【表4】
【0027】ゴム配合物が有機過酸化物にて架橋された
場合でしかもRFL液のラテックス成分の固型分として
水素化ニトリルゴムあるいはクロロスルフォン化ポリエ
チレンゴムが60%未満の場合(比較例1〜4)には、
極端に走行後の引張強さが低下している。また、比較例
5、6の硫黄加硫系ゴム配合物を使用したベルトの引張
強さの保持率が非常に低下していることにより、特に有
機過酸化物架橋されるゴム配合物を使用した場合は、水
素化ニトリル及びクロロスルフォン化ポリエチレンのラ
テックスの使用は効果があることが判る。
【0028】実施例9〜11、比較例7〜11 実施例1〜8で作成したベルトの一部を3軸走行試験機
のレイアウトにて、雰囲気温度120℃、駆動プーリの
回転数7,200rpm、従動プーリの負荷5ps、初
張力15kgfにて1,000時間走行後のベルト引張
強さ測定した結果を表5に示す。尚、3軸走行試験機は
駆動プーリ(歯数18)と1つの従動プーリ(歯数3
6)とからなり、両プーリ間にテンションプーリ(直径
52mm)を有している。
【0029】
【表5】
【0030】実施例1〜8と同様に1,000時間、3
軸走行後のベルト引張強さも、有機過酸化物架橋される
ゴム配合物を使用したベルトは、ガラス心線のRFL液
のラテックス成分の固型分の成分として水素化ニトリル
又はクロロスルフォン化ポリエチレンが60%未満の場
合に極端に引張強さが低下する。
【0031】実施例12〜15、比較例12〜14 実施例1〜8で使用した歯布用帆布の材質及び構成を表
6の通りとして、実施例1〜8と同一の接着処理を施
し、表7の各部材からなるベルトNo.B−15〜B−
21までのベルトを実施例1〜8と同一サイズのベルト
を作成した。高温雰囲気中で高負荷条件下でのベルトの
耐歯欠け性及び歯布の耐摩耗性を測定するため、ベルト
を駆動プーリ(歯数18)と2つの従動プーリ(いずれ
も歯数18)に120°で巻き掛け、120℃雰囲気
中、駆動プーリの回転数6,000rpm、従動プーリ
の負荷7ps、従動プーリの噛み合い歯数6歯として、
歯欠け寿命時間のそ測定と、ベルトの寿命時外観を観測
した結果を表7に示す。
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】表7の結果より、歯布の長手方向の糸の組
成が50vol%以上のアラミド糸からなる帆布を使用
したベルトの歯欠けに至る寿命は,アラミド糸が50v
ol%以下及び脂肪族ポリアミドからなる帆布を使用し
たベルトより長く、又歯布の摩耗も少ないことが明らか
である。
【0035】実施例16〜26、比較例15〜25 アラミド繊維(商品名テクノーラ:帝人社製)1500
デニールを2本引き揃えたストランドを15回/10c
mの割合でS方向又はZ方向に撚りをかけて、S、Z各
一対のアラミド繊維コードを作製し、S、Zアラミド繊
維コードを表1の各RFL液中に浸漬し、130°Cで
20分間乾燥し、200〜250°Cで2分間ベーキン
グ後、更に実施例1〜8と同様に表2あるいは表3に示
すゴム組成物を溶剤に溶解させ、イソシアネートを添加
したオーバーコート液に浸漬、乾燥させてベルト用心線
となるアラミド繊維コードを作製した。上記アラミド繊
維コードを用いて、実施例1〜8と同様に歯付ベルトを
作製するとともに、走行試験を行った。その結果を表8
に示す。
【0036】
【表8】
【0037】また、この歯付ベルトを実施例9〜11と
同様の試験方法でベルト引張強さ測定した結果を表9に
示す。
【0038】
【表9】
【0039】これらの結果より、アラミド繊維コードを
使用した場合も、ガラス繊維コードと同様に水素化ニト
リル及びクロロスルフォン化ポリエチレンのラテックス
を使用した場合の効果がある。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明の歯付ベルトでは、
歯ゴムと背ゴムがアクリロニトリル−ブタジエン共重合
体の分子中の2重結合が80%以上の水素添加された水
素化ニトリルゴムあるいはクロロスルフォン化ポリエチ
レンであって有機過酸化物によって架橋されたゴム弾性
体であり、且つ心線としてRFL液のラテックス成分と
して少なくとも60重量%が前記同様の水素化ニトリル
あるいはクロロスルフォン化ポリエチレンのラテックス
を使用することにより、高温雰囲気下でしかも多軸走行
させても走行前のベルトの引張強さはもちろん、走行後
のベルトの引張強さ、そして引張強さの保持率が優れて
おり、更にベルト耐熱性、耐屈曲性において優れてい
る。
【0041】しかも、歯布としてベルト長手方向の糸に
アラミド繊維を50vol%以上含めたものを使用する
ことにより、ベルト歯元部のクラックが起こりにくく耐
久性に優れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯付ベルトの斜視図である。
【符号の説明】
1 歯付ベルト 2 歯ゴム 3 心線 4 背ゴム 5 歯布

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に沿って配置した複数の歯ゴム
    と、心線を埋設した背ゴムとを有し、上記歯ゴムの表面
    に歯布を被覆した歯付ベルトにおいて、前記歯ゴムと背
    ゴムが、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の分子
    中の2重結合が80%以上水素添加された水素化ニトリ
    ルゴムあるいはクロロスルフォン化ポリエチレンゴムを
    原料ゴムとする有機過酸化物によって架橋されたゴム弾
    性体であり、また心線がレゾルシン−ホルマリン−ラテ
    ックス液を付着させたガラス繊維コードもしくはアラミ
    ド繊維コードであって、上記レゾルシン−ホルマリン−
    ラテックス液のラテックス成分の固型分として少なくと
    も60重量%がアクリロニトリル−ブタジエン共重合体
    の分子中の2重結合のうち80%以上が水素添加された
    水素化ニトリルあるいはクロロスルフォン化ポリエチレ
    ンのラテックスであることを特徴とする歯付ベルト。
  2. 【請求項2】 歯布の構成がベルト長手方向にアラミド
    繊維を50vol%以上含む糸からなる請求項1記載の
    歯付ベルト。
JP4225038A 1991-10-09 1992-07-31 歯付ベルト Expired - Fee Related JPH0811974B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4225038A JPH0811974B2 (ja) 1991-10-09 1992-07-31 歯付ベルト

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-290523 1991-10-09
JP29052391 1991-10-09
JP4225038A JPH0811974B2 (ja) 1991-10-09 1992-07-31 歯付ベルト
US07/959,057 US5310386A (en) 1991-10-09 1992-10-09 Toothed belt having coated cores exhibiting improved resistance

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05215186A JPH05215186A (ja) 1993-08-24
JPH0811974B2 true JPH0811974B2 (ja) 1996-02-07

Family

ID=27330986

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4225038A Expired - Fee Related JPH0811974B2 (ja) 1991-10-09 1992-07-31 歯付ベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0811974B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08233037A (ja) * 1994-12-28 1996-09-10 Mitsuboshi Belting Ltd 搬送用歯付ベルト

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05215186A (ja) 1993-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3025618B2 (ja) 動力伝達ベルト、およびこの動力伝達ベルトに用いる心線と帆布
JP2514568B2 (ja) 歯付ベルト
JP2003014052A (ja) 動力伝動用ベルト
JPH071054B2 (ja) 歯付ベルト
US5310386A (en) Toothed belt having coated cores exhibiting improved resistance
JPH0772578B2 (ja) アラミド繊維コード及びこれを用いた動力伝動用ベルト
JP2854812B2 (ja) ゴム組成物及びこれを用いた動力伝動用ベルト
JPH10159908A (ja) 帆布およびこの帆布を用いた歯付きベルト
JP2000240730A (ja) 歯付ベルト
JPH0811974B2 (ja) 歯付ベルト
JP3055897B1 (ja) 歯付きベルト
JP3923818B2 (ja) 動力伝動ベルト
JPH048947A (ja) 歯付ベルト
JP2000320616A (ja) 伝動ベルト用心線及びこれを用いた伝動ベルト
JP6945323B2 (ja) 極太ディップコード及びその製造方法
JP2002168297A (ja) 歯付ベルト
JP2001140988A (ja) 動力伝動用ベルト
JP2005024075A (ja) 歯付ベルト
JPH08157609A (ja) 繊維からなる補強用ゴム製品構成部材
JPH0232397B2 (ja)
CN117419138A (zh) 动力传输带及相应的传输系统
JPH07127690A (ja) 動力伝動ベルト用心線およびこれを用いた動力伝動ベルト
JP2001124146A (ja) 動力伝動用ベルト
JPH0727179A (ja) ガラス繊維コードおよびそれを用いた伝動ベルト
JP2506289B2 (ja) 歯付ベルト

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080207

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090207

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees