JPH09131341A - Ｘ線診断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 停電時でも被検体に負担が掛からないように
寝台の状態を迅速に戻すことができ、被検体および操作
者に掛かる負担を軽減することが可能なＸ線診断装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】 寝台１０１を動作させるモータ１１１
と、このモータ１１１に電流を供給する交流電源１１３
と、モータ１１１に電流を一時的に供給する交流バッテ
リー１１と、交流電源１１３の出力電圧を監視して停電
を検知する電源監視部１３と、電源監視部１３により停
電が検知された場合は、交流バッテリー１１からモータ
１１１に電流を供給させ、電源監視部１３により停電が
検知された場合を除く通常時は交流電源１１３からモー
タ１１１に電流を供給させる交流バッテリー側スイッチ
１５とを備えて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、Ｘ線診断装置に関
し、特に、停電時でも所定の動作につては一定時間は行
うことができるＸ線診断装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、Ｘ線診断装置では、被検体を
寝台に載置した状態で寝台を傾動させることにより、被
検体を所定の角度に傾けて診断が行われている。このよ
うなＸ線診断装置を図２に示す。図２に示すようにＸ線
診断装置１００は、被検体が載置される天板１０１ａと
天板１０１ａに載置される被検体を支えるフットレスト
１０１ｂとを備える寝台１０１と、寝台１０１を支持す
るガントリ１０３と、被検体のＸ線像を撮像する撮像系
１０５とを有する。

【０００３】Ｘ線診断装置１００は、寝台１０１の長手
方向と直交する所定の軸を中心にして矢印ａで示す方向
に寝台１０１を起倒させる寝台起倒動作と、寝台１０１
の長手方向と平行な所定の軸を中心に矢印ｂで示す方向
に寝台１０１を回転させる寝台回転動作と、天板１０１
ａの長手方向と平行な所定の軸を中心に矢印ｃで示す方
向に天板１０１ａのみを回転させる天板回転動作と、撮
像系１０５を矢印ｄで示す被検体に近付く方向もしくは
遠のく方向に動かすスポット前後動作と、撮像系１０５
を被検体軸と直行する矢印ｅで示す方向に動かすスポッ
ト左右動作と、フットレスト１０１ｂを矢印ｆで示す被
検体軸方向に動かすフットレスト上下動作等を行うこと
ができる。これらの動作を行うためにＸ線診断装置１０
０は、図３に示すように、前記の動作毎に設けられモー
タ１１１-1〜１１１-6と、モータ１１１-1〜１１１-6に
対して交流電流を供給する交流電源１１３と、交流電源
１１３からの交流電流の供給先を分配する分配器１１５
と、モータ１１１-1〜１１１-6毎にスイッチ１１７-1〜
１１７-6を備え、操作者の操作を基にこのスイッチ１１
７-1〜１１７-6をＯＮ／ＯＦＦして分配器１１５に対し
て操作信号を出力する操作卓１１９と、操作卓１１９を
動作させるために交流電源１１３から供給される交流電
流を直流電流に変換する変換器１２１とを有している。
尚、モータ１１１-1〜１１１-6、分配器１１５および変
換器１２１は、寝台１０１内に設けられている。また、
操作卓１１９は、各動作に対応する操作スティックまた
は操作スイッチ（いずれも図示せず）が設けられてお
り、この操作スティックまたは操作スイッチの操作に対
応させて操作信号を分配器１１５に出力する。

【０００４】このＸ線診断装置１００を用いて、寝台起
倒動作、寝台回転動作等を行い、被検体に負担が掛かる
状態で診断を行っている最中に停電した場合は、電源１
１３から電流がモータ１１１-1〜１１１-6に供給されな
いため、寝台起倒動作、寝台回転動作、天板回転動作等
を手動で行って、被検体に負担が掛からない状態に戻し
ていた。これら手動による寝台起倒動作、寝台回転動
作、天板回転動作等は、操作者が所定の位置にハンドル
等の工具を取り付け、この工具を用いて行っていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
Ｘ線診断装置では、被検体に負担が掛かる状態（無理な
姿勢の状態）で停電した場合、操作者が手動で寝台起倒
動作、寝台回転動作等を行って被検体に負担が掛からな
い状態に戻していたので、手動による操作に手間取り、
被検体に負担を掛ける時間が長くなる場合があった。ま
た被検体に負担が掛からない状態に手動で戻すため、労
力が掛かるばかりか、手動による操作手順も熟知する必
要もある。

【０００６】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、停電時でも被検体に負担が掛からないように寝台の
状態を迅速に戻すことができ、被検体および操作者に掛
かる負担を軽減することが可能なＸ線診断装置を提供す
ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項１記載の発明は、寝台を動作させるモータと、こ
のモータに電流を供給する電源と、前記モータに電流を
一時的に供給するバッテリーと、前記電源の出力電圧を
監視して停電を検知する電源監視手段と、この電源監視
手段により停電が検知された場合は、前記バッテリーか
ら前記モータに電流を供給させ、前記電源監視手段によ
り停電が検知された場合を除く通常時は前記電源から前
記モータに電流を供給させる切換え手段とを有すること
を要旨とする。

【０００８】請求項１記載のＸ線診断装置にあっては、
寝台を動作させるモータに電流を一時的に供給するバッ
テリーを備え、電源の出力電圧を監視して停電を検知す
る電源監視手段により停電が検知された場合は、前記バ
ッテリーから前記モータに電流を供給させ、前記電源監
視手段により停電が検知された場合を除く通常時は前記
電源から前記モータに電流を供給させる。これにより、
停電時でも被検体に負担が掛からないように寝台の状態
を通常時と同一の操作で迅速に戻すことができ、被検体
および操作者に掛かる負担を軽減することができる。

【０００９】また、請求項１記載のモータは、寝台の動
作毎に設けられ、前記切換え手段は、電源監視手段によ
り停電が検知された場合は、前記バッテリーから前記モ
ータの内、所定のモータにのみ電流を供給させ、前記電
源監視手段により停電が検知された場合を除く通常時は
前記電源から前記モータの全てに電流を供給させるよう
にしても良い。さらに、請求項１または請求項２記載の
バッテリーは、前記電源と電気的に接続され、停電時を
除く通常時は、前記電源により充電されるようにしても
良い。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図面を参照して説明する。図１は本発明に係るＸ線診断
装置の一実施形態を示したブロック図である。尚、図
中、図２で示したものと同一のものは同一の記号を付し
て詳細な説明を省略した。

【００１１】図１に示すように、Ｘ線診断装置１０は、
従来のＸ線診断装置１００に加えて、バッテリーとして
の交流バッテリー１１と、電源監視手段としての電源監
視部１３と、切換え手段としての交流バッテリー側スイ
ッチ１５と、分配部１７と、直流バッテリー１９と、直
流バッテリー側スイッチ２１とを備えたものである。

【００１２】交流バッテリー１１は、停電時にモータ１
１１-1〜１１１-6に交流電流を一時的に供給する。ま
た、交流バッテリー１１は、交流電源１１３と電気的に
接続されており、通常時は交流電源１１３により充電さ
れる。

【００１３】電源監視部１３は、交流電源１１３の出力
電圧を監視し、停電を検知する。また、電源監視部１３
は、停電を検知した場合、停電検知信号を交流バッテリ
ー側スイッチ１５、分配部１７および直流バッテリー側
スイッチ２１に対して出力する。

【００１４】交流バッテリー側スイッチ１５は、通常時
は交流電源１１３と分配部１７を電気的に接続し、電源
監視部１３から停電検知信号が出力された時は交流電源
１１３を分配部１７から切り離し、交流バッテリー１１
と分配部１７とを電気的に接続する。

【００１５】分配部１７は、通常時は操作卓１１９から
出力される操作信号に対応するモータ１１１と電源１１
３とを接続し、電源監視部１３から停電検知信号が出力
された時は被検体に対して負担を掛ける可能性がある寝
台起倒動作、寝台回転動作、天板回転動作、スポット前
後動作に対応するモータ１１１-1〜１１１-4内で、操作
卓１１９から出力される操作信号に対応するモータ１１
１と交流バッテリー１１とを接続する。なお、停電時に
は、スポット左右動作と、フットレスト上下動作を行う
ことができないが、これは交流バッテリー１１と、直流
バッテリー１９に掛かる負荷を少なくして動作可能時間
を長くするためである。

【００１６】直流バッテリー１９は、停電時に操作卓１
１９に直流電流を一時的に供給する。また、直流バッテ
リー１９は、交流電流を直流電流に変換する変換器１２
１に電気的に接続されており、通常時は交流電源１１３
により充電される。

【００１７】直流バッテリー側スイッチ２１は、通常時
は変換器１２１と操作卓１１９を電気的に接続し、電源
監視部１３から停電検知信号が出力された時は変換器１
２１を操作卓１１９から切り離し、直流バッテリー１９
と操作卓１１９とを電気的に接続する。

【００１８】また、交流バッテリー１１、電源監視部１
３、交流バッテリー側スイッチ１５、分配部１７、直流
バッテリー１９、直流バッテリー側スイッチ２１および
変換器１２１は、制御手段（Ｘ線診断装置１０全体を制
御する）を収納するコントロールキャビネット３０内に
設けられている。

【００１９】次に、本実施形態のＸ線診断装置１０の動
作を説明する。通常時、交流バッテリー側スイッチ１５
は、交流電源１１３と、分配部１７を電気的に接続す
る。また、直流バッテリー側スイッチ２１は、交流電源
１１３と、分配部１７を電気的に接続する。

【００２０】これにより、各モータ１１１-1〜１１１-6
には、交流電源１１３から交流電流が供給され、操作卓
１１９には、交流電源１１３からの交流電流が変換器１
２１により直流電流に変換されて供給される。

【００２１】このとき、交流バッテリー１１と直流バッ
テリー１９は、交流電源１１３によって充電されてい
る。この状態で、電源監視部１３により交流電源１１３
の停電が検知された場合、電源監視部１３では、停電検
知信号を交流バッテリー側スイッチ１５、分配部１７お
よび直流バッテリー側スイッチ２１に対して出力する。

【００２２】停電検知信号が電源監視部１３から出力さ
れると、交流バッテリー側スイッチ１５は、交流電源１
１３を分配部１７から切り離し、交流バッテリー１１と
分配部１７とを電気的に接続する。

【００２３】また、停電検知信号が電源監視部１３から
出力されると、分配部１７は、被検体に対して負担を掛
ける可能性がある寝台起倒動作、寝台回転動作、天板回
転動作、スポット前後動作に対応するモータ１１１-1〜
１１１-4内で、操作卓１１９から出力される操作信号に
対応するモータ１１１と交流バッテリー１１とを接続す
る。

【００２４】さらに、停電検知信号が電源監視部１３か
ら出力されると、直流バッテリー側スイッチ２１は、変
換器１２１を操作卓１１９から切り離し、直流バッテリ
ー１９と操作卓１１９とを電気的に接続する。

【００２５】これらにより、モータ１１１-1〜１１１-4
には、交流バッテリー１１から交流電流が供給され、操
作卓１１９には、直流バッテリー１９から直流電流が供
給される。

【００２６】このため、モータ１１１-1〜１１１-4に対
応する寝台起倒動作、寝台回転動作、天板回転動作およ
びスポット前後動作を通常時と同一の操作で行うことが
可能となる。

【００２７】なお、電源監視部１３により停電が検知さ
れたとき、操作卓１１９上に寝台起倒動作、寝台回転動
作、天板回転動作、スポット前後動作のみ行うことが可
能であることを示す警告灯の表示、文字情報の表示、音
声出力等を行うようにしても良い。これにより、操作者
は、停電時に操作可能な動作を知ることができる。

【００２８】このように、本実施形態のＸ線診断装置１
０では、停電時は交流バッテリー１１からモータ１１１
-1〜１１１-4に交流電流を供給するとともに、直流バッ
テリー１９から操作卓１１９に直流電流を供給するよう
にしているので、停電時に被検体が無理な状態にあって
も、速かに寝台１０１、天板１０１ａ、撮像系１０５を
基の状態（被検体に負担が掛からない状態）に戻すこと
ができるので、被検体に対する負担を軽減することがで
きる。また、操作者は、停電時も通常時と同一の操作で
寝台起倒動作、寝台回転動作、天板回転動作、スポット
前後動作を行うことができるので、操作者に対する負担
も軽減することができる。

【００２９】なお、本実施形態のＸ線診断装置１０で
は、交流バッテリー１１、電源監視部１３、交流バッテ
リー側スイッチ１５、分配部１７、直流バッテリー１
９、直流バッテリー側スイッチ２１および変換器１２１
は、コントロールキャビネット３０内に設けているが、
本発明はこれに限定されること無く、ガントリ１０３内
に設けるようにしても良い。

【００３０】また、本実施形態のＸ線診断装置１０で
は、操作卓１１９は、変換器１２１により変換された直
流電流および直流バッテリー１９から供給される直流電
流によって動作させるようにしているが、交流電源１１
３および交流バッテリー１１から供給される交流電流に
よって動作させるようにしても良い。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、電源の出
力電圧を監視し、停電時はバッテリーからモータに電流
を供給するようにしているので、停電時も通常時と同一
の操作で迅速に寝台を動作させることができ、停電時に
被検体および操作者に掛かる負担を軽減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るＸ線診断装置の一実施形態を示し
たブロック図である。

【図２】Ｘ線診断装置の代表的な外観構成を示した図で
ある。

【図３】従来のＸ線診断装置の内部構成を示した図であ
る。

【符号の説明】

１０ Ｘ線診断装置 １１ 交流バッテリー １３ 電源監視部 １５ 交流バッテリー側スイッチ １７ 分配部 １９ 直流バッテリー ２１ 直流バッテリー側スイッチ ３０ コントロールキャビネット １０１ 寝台 １０１ａ 天板 １０１ｂ フットレスト １０３ ガントリ １０５ 撮像系 １１１ モータ １１３ 交流電源 １１９ 操作卓 １２１ 変換器

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 寝台を動作させるモータと、 このモータに電流を供給する電源と、 前記モータに電流を一時的に供給するバッテリーと、 前記電源の出力電圧を監視して停電を検知する電源監視
   手段と、 この電源監視手段により停電が検知された場合は、前記
   バッテリーから前記モータに電流を供給させ、前記電源
   監視手段により停電が検知された場合を除く通常時は前
   記電源から前記モータに電流を供給させる切換え手段
   と、 を有することを特徴とするＸ線診断装置。
2. 【請求項２】 前記モータは、寝台の動作毎に設けら
   れ、前記切換え手段は、電源監視手段により停電が検知
   された場合は、前記バッテリーから前記モータの内、所
   定のモータにのみ電流を供給させ、前記電源監視手段に
   より停電が検知された場合を除く通常時は前記電源から
   前記モータの全てに電流を供給させることを特徴とする
   請求項１記載のＸ線診断装置。
3. 【請求項３】 前記バッテリーは、前記電源と電気的に
   接続され、停電時を除く通常時は、前記電源により充電
   されることを特徴とする請求項１または請求項２のいず
   れか記載のＸ線診断装置。