JPH0913133A - アルミニウム青銅及びそれを用いた摺動部材 - Google Patents

アルミニウム青銅及びそれを用いた摺動部材

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JPH0913133A
JPH0913133A JP16330195A JP16330195A JPH0913133A JP H0913133 A JPH0913133 A JP H0913133A JP 16330195 A JP16330195 A JP 16330195A JP 16330195 A JP16330195 A JP 16330195A JP H0913133 A JPH0913133 A JP H0913133A
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JP
Japan
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weight
manganese
iron
silicon
aluminum
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JP16330195A
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Shigeru Kikuchi
菊池  茂
Noboru Baba
馬場  昇
Masaru Sakakura
勝 坂倉
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、高い強度と優れた加工性を合わせも
ち、かつ耐摩耗性を向上させるための、アルミニウム青
銅の適正組成を提供するものである。 【構成】本発明に係るアルミニウム青銅は、4〜12重
量%のアルミニウム、1〜7重量%のニッケル、3重量
%以上の鉄、3.4〜5.9重量%のマンガン、1重量%
以上のシリコンを含み、残部が銅及び不純物で構成さ
れ、かつ、鉄とマンガンとシリコンの合計量を10重量
%以下としたものである。 【効果】摺動部材としての十分な強度を有し、種々の部
品形状への加工が容易で、耐摩耗性に優れたアルミニウ
ム青銅が得られ、摺動特性の優れた摺動部材が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性に優れたアル
ミニウム青銅に係り、また、耐摩耗性に優れたアルミニ
ウム青銅を用いた摺動特性に優れた各種軸受材,摺動部
材に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延機,工作機械,建設機械,船舶用機
器,自動車用機器などの機械設備は、摺動部を有し、摺
動部にアルミニウム青銅等が使用される。
【0003】また、軸受,歯車,ウォームホイール,ス
リッパーメタル,シェル金型などの摺動部材にも同様に
アルミニウム青銅等が使用される。
【0004】このような各種摺動部材に用いられるアル
ミニウム青銅の耐摩耗性を改善するために、アルミニウ
ム青銅中に硬質相である鉄珪化物を分散させる方法があ
る。この鉄珪化物は、原料として添加される鉄とシリコ
ンが合金の鋳造,凝固時に晶出し、マトリックス中に分
散する。鉄珪化物が耐摩耗性を改善する効果は特開昭52
−138014号公報にも記載されており、アルミニウム青銅
の伸びを維持したまま耐摩耗性を改善することができ、
加工性に優れた耐摩耗アルミニウム青銅が得られる。
【0005】しかし、各種軸受材,摺動部材等に対する
要求特性は年々厳しくなってきており、アルミニウム青
銅に関しても更なる耐摩耗性の向上が求められた。
【0006】また、歯車,軸受等に用いる場合には、摺
動部材としてのみならず、構造材としての強度ももち合
わせなければならないが、固溶シリコン量を多くするこ
とで引張強さ、硬さともに大きくなるため、固溶シリコ
ンを含む鉄珪化物分散アルミニウム青銅は各種摺動部材
に適用されてきた。
【0007】また、特開昭62−202039公報には、マンガ
ン添加量を増加させて、鉄及びマンガンの合計量とシリ
コン量との比を限定することにより、耐焼付性を改善さ
せたアルミニウム青銅が記載されている。
【0008】特開平4−221033 号公報には、ボロンと亜
鉛を添加し、珪素とマンガンとの混合量を規定して、電
気及び熱の伝導性に優れ、かつ耐食性及び強度に優れた
特殊銅合金が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固溶シ
リコンを多く含む上記鉄珪化物分散アルミニウム青銅
は、耐摩耗性に優れ、強度が高いが、伸びが小さく、加
工性に乏しいため、種々の部品形状に加工することが困
難であった。
【0010】また、特開昭62−202039号公報では、マン
ガン添加量が多過ぎ、伸びが低下するため、耐摩耗性を
向上し、かつ伸びを低下させないことが出来ない。
【0011】すなわち、摺動部材として最も必要な耐摩
耗性を向上する事と、伸びを低下させない事との双方の
特性の向上が出来ない。
【0012】また、特開平4−221033 号公報では、摺動
に関する耐摩耗性については考慮されておらず、硬さ及
び引張強さが高過ぎて、摺動部材としては適用出来なか
った。
【0013】すなわち、摺動部材として最も必要な耐摩
耗性が劣っているという問題があった。
【0014】本発明の目的は、摺動部材に好適な高い強
度と、優れた加工性とを合わせもち、かつ、耐摩耗性を
向上させたアルミニウム青銅を提供することにある。ま
た、摺動部材に好適な高い強度と、優れた加工性とを合
わせもち、かつ、耐摩耗性を向上させたアルミニウム青
銅の提供により、摺動特性に優れた摺動部材を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のアルミニウム青
銅は、4〜12重量%のアルミニウム,1〜7重量%の
ニッケル,3重量%以上の鉄,3.4〜5.9重量%のマ
ンガン及び1重量%以上のシリコンを含み、かつ鉄,マ
ンガン及びシリコンの合計量が10重量%以下であるこ
とを特徴とする。
【0016】本発明のアルミニウム青銅は、4〜12重
量%のアルミニウム,1〜7重量%のニッケル,3〜
6.2 重量%の鉄,3.4〜5.9重量%のマンガン及び
1〜3.2 重量%のシリコンを含み、かつ鉄,マンガン
及びシリコンの合計量が10重量%以下であることを特
徴とする。
【0017】本発明のアルミニウム青銅は、6〜10重
量%のアルミニウム,1〜5重量%のニッケル,3〜
6.2 重量%の鉄,3.4〜5.7重量%のマンガン及び
1〜2.0 重量%のシリコンを含み、かつ鉄,マンガン
及びシリコンの合計量が10重量%以下であることを特
徴とする。
【0018】本発明のアルミニウム青銅は、7.5〜8.
5 重量%のアルミニウム,2.5〜3.5重量%のニッ
ケル,3〜5.5重量%の鉄,3.4〜5.7重量%のマ
ンガン及び1〜1.2 重量%のシリコンを含み、かつ
鉄,マンガン及びシリコンの合計量が10重量%以下で
あることを特徴とする。
【0019】本発明の加工性及び耐摩耗性に優れた摺動
部材用アルミニウム青銅は、7.5〜8.5重量%のアル
ミニウム,2.5〜3.5重量%のニッケル,3〜5.5
重量%の鉄,3.4〜5.7重量%のマンガン及び1〜
1.2 重量%のシリコンを含み、かつ鉄,マンガン及び
シリコンの合計量が10重量%以下であることを特徴と
する。
【0020】本発明のアルミニウム青銅は、引張強さが
680〜750MPa,ブリネル硬さが150〜180
HBであって、伸びが5〜20%であり、かつ荷重が1
8.9Kg,摺動距離が200mという条件でのステンレス
鋼との摩耗試験で摩耗量が0.02mm3 以下であることを特
徴とする。
【0021】本発明のアルミニウム青銅は、4〜12重
量%のアルミニウム,1〜7重量%のニッケル,3重量
%以上の鉄、3.4〜5.9重量%以上のマンガン及び1
重量%以上のシリコンを含み、かつ鉄,マンガン及びシ
リコンの合計量が10重量%以下であり、引張強さが6
80〜750MPa,ブリネル硬さが150〜180H
Bであって、伸びが5〜20%であることを特徴とす
る。
【0022】本発明のアルミニウム青銅は、4〜12重
量%のアルミニウム,1〜7重量%のニッケル,3重量
%以上の鉄,3.4〜5.9重量%以上のマンガン及び1
重量%以上のシリコンを含み、かつ鉄,マンガン及びシ
リコンの合計量が10重量%以下であり、伸びが5〜2
0%であり、かつ荷重が18.9Kg,摺動距離が200mと
いう条件でのステンレス鋼との摩耗試験で摩耗量が0.
02mm3以下であることを特徴とする。
【0023】本発明の摺動部材は、4〜12重量%のア
ルミニウム,1〜7重量%のニッケル,3重量%以上の
鉄,3.4〜5.9重量%以上のマンガン及び1重量%以
上のシリコンを含み、かつ鉄,マンガン及びシリコンの
合計量が10重量%以下であるアルミニウム青銅からな
ることを特徴とする。
【0024】本発明の摺動部材は、引張強さが680〜
750MPa,ブリネル硬さが150〜180HBであっ
て、伸びが5〜20%であり、かつ荷重が18.9Kg ,
摺動距離が200mという条件でのステンレス鋼との摩
耗試験で摩耗量が0.02mm3以下である加工性及び耐摩
耗性に優れたアルミニウム青銅を少なくとも摺動部に使
用することを特徴とする。
【0025】本発明のアルミニウム青銅を、軸受,歯
車,ウォームホイール,スリッパーメタル,シェル金型
などの摺動部材の少なくとも摺動部に使用することが望
ましい。
【0026】本発明のアルミニウム青銅を、圧延機,工
作機械,建設機械,船舶用機器、自動車用機器などの機
械設備の摺動部材の少なくとも摺動部に使用する事が望
ましい。
【0027】
【作用】鉄珪化物分散アルミニウム青銅の固溶シリコン
量が増えると、耐摩耗性は向上するが伸びは低下する。
従って、加工性を確保するためには固溶シリコン量は少
ない方が望ましい。そこで本発明者らは、固溶シリコン
を多く含んだ場合でも伸びの低下を抑制し、強度及び耐
摩耗性の向上に効果のある添加元素の検討を行った。そ
の結果、マンガンが有効であることを見出した。
【0028】従って、前記の目的を達成するための本発
明のアルミニウム青銅は、銅,アルミニウム,鉄,マン
ガン,シリコンのほか、一般のアルミニウム青銅に含ま
れるニッケル及び不純物からなるものである。
【0029】本発明のアルミニウム青銅において、鉄は
3重量%以上、マンガンは3.4 〜5.9 重量%、シリ
コンは1重量%以上で、かつ、これらの合計量は10重
量%以下とする。
【0030】鉄,マンガン及びシリコンそれぞれの含有
量を上記の範囲で調整することで、鋳造後のアルミニウ
ム青銅中には鉄珪化物が生成し、固溶マンガンが含まれ
る他、固溶シリコンかあるいは固溶鉄が含まれる。鉄珪
化物は粒状または樹枝状の形をなす化合物で、これらが
マトリックス中に分散することで摩擦面の荷重を支え、
マトリックスの摩耗を抑える役目をする。
【0031】この鉄珪化物は硬質相であるが、マトリッ
クス中に分散するのみで、アルミニウム青銅全体の硬さ
にはさほど影響しないため、伸びが低下することはな
い。固溶マンガンには比較的軟らかいβ相が硬いγ2
を含むα+γ2 共析晶に分解するのを遅らせる作用があ
り、これによりアルミニウム青銅の伸びの低下を抑制で
きる。
【0032】これは、特に冷却速度が小さい大型鋳造の
場合に大きな効果が得られる。
【0033】固溶シリコンは、前述したように耐摩耗性
を向上させる効果がある。固溶鉄には組織を微細化させ
る作用があり、伸びを維持し脆化を防ぐとともに、強度
の向上にもつながる。
【0034】鉄,マンガン及びシリコンの含有量により
上記の鉄珪化物,固溶物の生成量は変わるが、それらの
相乗効果により伸びの低下が少なく、適切な強度と加工
性及び耐摩耗性に優れたアルミニウム青銅が得られる。
【0035】これらの効果は、鉄が3〜6.2 重量%、
マンガンが3.4〜5.9重量%、シリコンが1〜3.2
重量%で、かつ、鉄,マンガン及びシリコンの合計量が
10重量%以下の場合に、顕著に現われる。
【0036】また、これらの効果は、鉄が3〜6.2 重
量%、マンガンが3.4〜5.7重量%、シリコンが1〜
2.0 重量%で、かつ、鉄,マンガン及びシリコンの合
計量が10重量%以下の場合に、より顕著に現われる。
【0037】さらに、これらの効果は、鉄が3〜5.5
重量%,マンガンが3.4〜5.7重量%、シリコンが1
〜1.2 重量%で、かつ、鉄,マンガン及びシリコンの
合計量が10重量%以下の場合に、最も顕著に現われ
る。
【0038】なお、鉄,マンガン及びシリコンの合計量
が10重量%以上では、上記鉄珪化物、固溶物の含有量
が過剰になり、次のような問題が生ずる。鉄珪化物が多
すぎると、マトリックスが脆くなる。固溶マンガンには
伸びの低下を抑制する効果があるが、後述実施例で示す
ように多すぎるとかえって伸びが低下する。固溶シリコ
ンが多いと、前述のように伸びが低下し、加工性が悪く
なる。固溶鉄は多すぎても組織を微細化させる効果は変
わらず、脆化を防ぐ効果は上がらない。
【0039】本発明のアルミニウム青銅に含まれるアル
ミニウム量は、一般のアルミニウム青銅に含まれている
のと同様に4〜12重量%が適当である。アルミニウム
が4重量%以下では鋳造のままの強度が小さく、12重
量%以上ではγ2 相の析出により脆くなってしまい、と
もに実用に不向きとなる。アルミニウム量はアルミニウ
ム青銅の機械的特性に大きく影響するため、その用途や
加工性を考慮して含有量を決定するのが望ましい。この
際、6〜10重量%が好ましく、7.5〜8.5重量%が
より好ましい。
【0040】本発明のアルミニウム青銅には、一般のア
ルミニウム青銅において強度増大のために含まれるニッ
ケルを含ませることができる。ニッケルの含有量は、一
般のアルミニウム青銅と同様に1〜7重量%がよい。こ
の際、1〜5重量%が好ましく、2.5〜3.5重量%が
より好ましい。
【0041】また、アルミニウム青銅には不純物として
亜鉛が含まれることがあるが、亜鉛量は0.5 重量%を
超えないようにすべきである。
【0042】以上のようなアルミニウム青銅は、引張強
さが680〜750MPa,ブリネル硬さが150〜1
80HBであって、伸びが5〜20%であり、適切な強
度と優れた加工性を備えている。
【0043】また、伸びが5〜20%であり、かつ荷重
が18.9Kg ,摺動距離が200mという条件でのステ
ンレス鋼との摩耗試験で摩耗量が0.02mm3以下である
優れた耐摩耗性及び加工性を備えている。
【0044】本発明のアルミニウム青銅は、鋳造のま
ま、あるいは鍛造、あるいは熱処理して用いることがで
きる。
【0045】用途は、圧延機,工作機械,建設機械,船
舶用機器,自動車用機器などの摺動部品であり、例え
ば、歯車,軸受,ウォームホイール,スリッパーメタ
ル、あるいはシェル金型などに適用することができる。
【0046】
【実施例】
(実施例1)本発明に係る実施例として、表1に示す組
成をもつ24種類のアルミニウム青銅を作製した。
【0047】
【表1】
【0048】表1において、No.1〜4がマンガンを含
まない比較材、No.5〜10がマンガンを含む比較材、
No.11〜24がマンガンを添加した本発明材である。
【0049】アルミニウム青銅の作製は、原料を高周波
誘導加熱炉を用いて溶解し、その後、直径50mm、長さ
200mmの金型に鋳造した。溶解温度は1250℃、鋳
込温度は1200℃である。
【0050】作製したアルミニウム青銅の引張強さ,伸
び及び硬さを表1に示す。さらに、アルミニウム青銅の
マンガン量と引張強さ及び伸びとの関係は、図1及び図
2のようになる。
【0051】図1から、マンガンを添加することによっ
てアルミニウム青銅の強度が向上することがわかる。
【0052】また、図2から、マンガンを添加すること
でアルミニウム青銅の伸びが向上することがわかる。な
お、マンガン量を多くするほどアルミニウム青銅の強度
は大きくなるが、図2に示すように、マンガン量が約6
重量%以上では伸びが低下するため、好ましくない。
【0053】マンガン量が3.4〜5.9重量%で、伸び
が約16%以上あり、伸びの低下防止に効果を奏するこ
とがわかる。
【0054】また、マンガン量が3.4〜5.7重量%
で、伸びが約17%以上あり、さらに伸びの低下防止に
効果を奏することがわかる。
【0055】作製したアルミニウム青銅について、大越
式摩耗試験機を用いて摩耗試験を行った。摩耗試験は、
相手材にSUS304を用い、油中において荷重18.9Kg 、
摺動距離200mを一定として、摺動速度を0.20
8,0.94及び1.97m/sの3条件に変化させて行
った。摩耗試験結果を図3に示す。
【0056】また、各摺動速度における摩耗量の総和
(総摩耗量)とマンガン量との関係を整理すると、図4
のようになる。
【0057】図4から、マンガンを添加することで、ア
ルミニウム青銅の耐摩耗性が向上することがわかる。
【0058】以上より、マンガンを添加することにより
強度が増し、加工性にも優れ、さらに耐摩耗性が改善さ
れたアルミニウム青銅が得られ、本発明の目的に好適な
材料であることが証明された。
【0059】特に、表1中の発明材であるNo.11,1
3,16,18,19,20,22,23,24では、
引張強さが680〜750MPa,ブリネル硬さが15
0〜180HBであって、伸びが5〜20%であり、適
切な強度と優れた加工性を備えていることがわかった。
また、表1及び図3より発明材であるNo.11,13,
16,18,19,20,22,23,24では、伸び
が5〜20%であり、かつ荷重が18.9Kg ,摺動距離
が200mという条件でのステンレス鋼との摩耗試験で
摩耗量が0.02mm3以下である優れた耐摩耗性及び加工
性を備えていることがわかった。
【0060】次に、鉄,マンガン及びシリコンの合計量
と伸びの関係を図5に示す。
【0061】図5から、鉄,マンガン及びシリコンの合
計量が10重量%を越えると、伸びが2%以下になって
いることがわかる。伸びが2%以下であると所望の部品
形状に加工することが困難であり、鉄,マンガン及びシ
リコンの合計量を10重量%以下にして、加工性が向上
することがわかった。
【0062】ここで、シリコンが1.0〜2.0重量%の
範囲、すなわち、シリコンの添加量を少なめにすること
で伸びの低下防止に効果があるといえるが、特に、シリ
コンが1.0重量%以上で1.9重量%未満の試料No.1
1,13,16,18,19,20,22,23,24
の伸びが顕著に良いことがわかる。
【0063】(実施例2)本発明材を摺動部材に適用し
た例として、建設部材の回転部のシール部品の作成例を
示す。
【0064】図6に回転部の部品の構成を示す。
【0065】図6において、1は回転軸、2は潤滑油、
3及び4は本実施例で作成したフローティングシールと
呼ばれるシール部品、5はOリング、6は摺動面であ
る。
【0066】フローティングシールと呼ばれるシール部
品3及びシール部品4は、潤滑油2を介して回転軸1に
対して浮いた状態で設置される。
【0067】そして、シール部品3及びシール部品4
は、いずれか一方が固定部材で、他方が回転部材であ
り、固定部材と回転部材とは摺動面6で摺接する。
【0068】本実施例のアルミニウム青銅の製造条件
は、実施例1と同様であるが、金型の寸法は直径250
mm,厚さ50mmのものを用いた。
【0069】また、成分組成は、重量%で、アルミニウ
ム:8.0%,鉄:3.2,マンガン:3.9%,ニッケ
ル:3.0%,シリコン:2.0% と製造上不可避の不
純物と残部が銅である。
【0070】得られたアルミニウム青銅の引張強さは7
15MPa,伸びは5.2% であった。
【0071】この材料は、フローティングシールの形状
に加工するための穴開け加工や研削加工をする上で十分
な伸びを有しており、また、適用上強度的にも問題の無
いものであった。
【0072】この材料を実際の建設機械に適用し、実機
試験を行った結果、従来用いられてきた特殊鋳鉄と比べ
ても遜色の無い耐摩耗性を有しており、本発明材が摺動
部材として適した材料であることがわかった。
【0073】
【発明の効果】本発明によると、アルミニウム青銅で、
摺動部材に好適な高い強度と、優れた加工性とを合わせ
もち、かつ、耐摩耗性を向上させるという効果を奏す
る。
【0074】また、摺動部材に好適な高い強度と、優れ
た加工性とを合わせもち、かつ、耐摩耗性を向上させた
アルミニウム青銅を摺動部材に用いることで、摺動部の
摺動特性が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるアルミニウム青銅の引
張強さとマンガン量との関係である。
【図2】本発明の一実施例であるアルミニウム青銅の伸
びとマンガン量との関係である。
【図3】本発明の一実施例であるアルミニウム青銅の摩
耗試験結果である。
【図4】本発明の一実施例であるアルミニウム青銅の総
摩耗量とマンガン量との関係である。
【図5】本発明の一実施例であるアルミニウム青銅の
鉄,マンガン及びシリコンの合計量と伸びとの関係図で
ある。
【図6】本発明の一実施例である摺動部を有する建設機
械の摺動部材の回転部の断面図である。
【符号の説明】
1…回転軸、2…潤滑油、3,4…シール部品、5…O
リング、6…摺動面。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4〜12重量%のアルミニウム,1〜7重
    量%のニッケル,3重量%以上の鉄,3.4〜5.9重量
    %のマンガン及び1重量%以上のシリコンを含み、かつ
    鉄,マンガン及びシリコンの合計量が10重量%以下で
    あることを特徴とするアルミニウム青銅。
  2. 【請求項2】4〜12重量%のアルミニウム,1〜7重
    量%のニッケル,3〜6.2 重量%の鉄,3.4〜5.9
    重量%のマンガン及び1〜3.2重量%のシリコンを含
    み、かつ鉄,マンガン及びシリコンの合計量が10重量
    %以下であることを特徴とするアルミニウム青銅。
  3. 【請求項3】6〜10重量%のアルミニウム,1〜5重
    量%のニッケル,3〜6.2 重量%の鉄,3.4〜5.7
    重量%のマンガン及び1〜2.0重量%のシリコンを含
    み、かつ鉄,マンガン及びシリコンの合計量が10重量
    %以下であることを特徴とするアルミニウム青銅。
  4. 【請求項4】7.5〜8.5重量%のアルミニウム,2.
    5〜3.5重量%のニッケル,3〜5.5重量%の鉄,
    3.4〜5.7重量%のマンガン及び1〜1.2重量%の
    シリコンを含み、かつ鉄,マンガン及びシリコンの合計
    量が10重量%以下であることを特徴とするアルミニウ
    ム青銅。
  5. 【請求項5】7.5〜8.5重量%のアルミニウム,2.
    5〜3.5重量%のニッケル,3〜5.5重量%の鉄,
    3.4〜5.7重量%のマンガン及び1〜1.2重量%の
    シリコンを含み、かつ鉄,マンガン及びシリコンの合計
    量が10重量%以下であることを特徴とする加工性及び
    耐摩耗性に優れた摺動部材用アルミニウム青銅。
  6. 【請求項6】引張強さが680〜750MPa,ブリネ
    ル硬さが150〜180HBであって、伸びが5〜20
    %であり、かつ荷重が18.9Kg ,摺動距離が200m
    という条件でのステンレス鋼との摩耗試験で摩耗量が
    0.02mm3以下であることを特徴とするアルミニウム青
    銅。
  7. 【請求項7】4〜12重量%のアルミニウム,1〜7重
    量%のニッケル,3重量%以上の鉄,3.4〜5.9重量
    %以上のマンガン及び1重量%以上のシリコンを含み、
    かつ鉄,マンガン及びシリコンの合計量が10重量%以
    下であり、引張強さが680〜750MPa,ブリネル
    硬さが150〜180HBであって、伸びが5〜20%
    であることを特徴とするアルミニウム青銅。
  8. 【請求項8】4〜12重量%のアルミニウム,1〜7重
    量%のニッケル,3重量%以上の鉄,3.4〜5.9重量
    %以上のマンガン及び1重量%以上のシリコンを含み、
    かつ鉄,マンガン及びシリコンの合計量が10重量%以
    下であり、伸びが5〜20%であり、かつ荷重が18.
    9Kg ,摺動距離が200mという条件でのステンレス
    鋼との摩耗試験で摩耗量が0.02mm3以下であることを
    特徴とするアルミニウム青銅。
  9. 【請求項9】4〜12重量%のアルミニウム,1〜7重
    量%のニッケル,3重量%以上の鉄,3.4〜5.9重量
    %以上のマンガン及び1重量%以上のシリコンを含み、
    かつ鉄,マンガン及びシリコンの合計量が10重量%以
    下であるアルミニウム青銅からなる摺動部材。
  10. 【請求項10】引張強さが680〜750MPa,ブリ
    ネル硬さが150〜180HBであって、伸びが5〜2
    0%であり、かつ荷重が18.9Kg ,摺動距離が200
    mという条件でのステンレス鋼との摩耗試験で摩耗量が
    0.02mm3以下である加工性及び耐摩耗性に優れたアル
    ミニウム青銅を少なくとも摺動部に使用することを特徴
    とする摺動部材。
  11. 【請求項11】請求項1〜請求項8のいずれかに記載の
    アルミニウム青銅を少なくとも摺動部に使用する軸受,
    歯車,ウォームホイール,スリッパーメタル,シェル金
    型などの摺動部材。
  12. 【請求項12】請求項1〜請求項8のいずれかに記載の
    アルミニウム青銅を少なくとも摺動部に使用する圧延
    機,工作機械,建設機械,船舶用機器,自動車用機器な
    どの機械設備。
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