JPH09131273A - 入浴装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 入浴者の体格差によって快適に入浴できず、
これを解決する必要があった。 【解決手段】 シャワー室本体１と、その中央下部に入
浴者が入浴する際に着席する椅子３と、入浴室内での入
浴者の行動を認識する検知認識手段４と、認識した入浴
者の動きをもとにシャワー用ノズル２と椅子３を制御す
る制御手段５と、制御手段５により椅子座面を傾斜させ
る傾斜手段６とを備えており、入浴者の行動や体格を認
識し、その情報を元にノズル２や椅子３を制御すること
により、どのような体格の入浴者も快適に入浴すること
ができる。また、椅子３の座面傾斜手段６により、足腰
の不自由な入浴者も椅子への立ち座りが容易にでき、安
全な自立入浴が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はシャワー方式の入浴
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種類の入浴装置は、入浴室本
体と、入浴者の身体に向け、この身体のまわり各所から
湯水を霧状に噴出させる個別の複数の霧状噴出ノズル
と、入浴時に着席するための入浴室本体１に固定された
椅子とで構成されている。すなわち、立ち座りを補助す
る補助具がなかった。またシャワー用ノズルの高さも、
椅子の高さも一定であった。また身体の不自由な入浴者
は、介護者に介護されながら狭い入浴室内を移動してい
る際に、入浴者または介護者の身体の一部分がシャワー
の操作部に触れて誤動作することがあった（例えば、特
開平５−７６４５９号公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の入浴
装置では、入浴者の体格差や身体状況を的確につかめ
ず、入浴者の体格によっては椅子の高さやノズルの高さ
が適当でなく快適な入浴が実現できないという課題があ
った。また足腰の不自由な入浴者にとっては、椅子への
立ち座りは、立ち座りを補助する補助具がなければ自力
で立ち座りすることは困難であるという課題と、入浴装
置内の床は湯水で濡れていることが多く、特に足腰の不
自由な人にとっては、転倒などの可能性が高いという課
題があった。また入浴者の体格は千差万別であるが、ノ
ズルの高さも、椅子の高さも一定であるため、体格によ
っては快適に入浴ができる人とそうでない人とがいると
いう課題があった。また身体の不自由な入浴者は、介護
者に介護されながら狭い入浴室内を移動しているが、そ
の移動の際に入浴者または介護者の身体の一部分がシャ
ワーの操作部に触れて誤操作するという課題があった。

【０００４】本発明はこのような従来の課題を解決する
もので、入浴者の動作を検知し、ノズルと椅子を制御す
ることによって、入浴者に快適な入浴を提供することを
第１の目的とする。

【０００５】また第２の目的は、入浴者の動作を検知
し、入浴者の椅子への立ち座りを容易にすることにあ
る。

【０００６】また第３の目的は、入浴者の動作を検知
し、得た情報に基づいて入浴者に適した椅子の高さに調
節して楽な着座姿勢が保てるようにすることにある。

【０００７】また第４の目的は、入浴者の動作を検知
し、得た情報に基づいて入浴者に適したノズルの高さに
調節して快適なシャワー入浴ができるようにすることに
ある。

【０００８】また第５の目的は、入浴者の動作を検知
し、得た情報に基づいて入浴者に適した位置に椅子とノ
ズルが高さ調節してより快適にシャワー入浴ができるよ
うにすることにある。

【０００９】また第６の目的は、入浴者の動作を検知
し、入浴者が椅子に着席した時に初めて制御手段が稼働
状態になるようにして誤操作を防止することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、入浴時に着席する椅子と、着席時に身体を
包み込むように湯水を噴出するノズルと、入浴者の動作
を検知する検知手段と、前記検知手段によって得た情報
に基づいて前記ノズルと前記椅子を制御する制御手段を
備えている。

【００１１】

【発明の実施の形態】第１の発明は入浴時に着席する椅
子と、着座時に身体を包み込むように湯水を噴出するノ
ズルと、入浴者の動作を検知する検知手段と、前記検知
手段によって得た情報に基づいて前記ノズルと前記椅子
を制御する制御手段を備えており、入浴者が入浴室に入
室すると検知手段によって入浴者の動作が検知され、そ
の情報に基づいて入浴者の椅子への立ち座りをスムーズ
に行えるよう座面傾斜手段によって座面が傾くようにな
っている。

【００１２】第２の発明は検知手段によって得た情報に
基づいて入浴者の椅子への立ち座りを補助するよう前記
椅子の座面を傾斜させる座面傾斜手段を備えており、入
浴者が入浴室に入室すると検知手段によって入浴者の動
作が検知され、その情報に基づいて入浴者の椅子への立
ち座りをスムーズに行えるよう座面傾斜手段によって座
面が傾くようになっている。

【００１３】第３の発明は検知手段によって得た情報に
基づいて入浴者に適した椅子の高さに高さ調節する高さ
調節手段を備えており、入浴者が入浴室に入室すると検
知手段によって入浴者の動作が検知され、その情報に基
づいて高さ調節手段によって、入浴者が快適に入浴でき
るように入浴者の体型に合わせて椅子の高さが調節でき
るようになっている。

【００１４】第４の発明は検知手段によって得た情報に
基づいてシャワーノズルを入浴者に適した位置に動かせ
るノズル調節手段を備えており、入浴者が入浴室に入浴
すると検知手段によって入浴者の動作が検知され、その
情報に基づいて入浴者が快適に入浴できるように入浴者
の体型に合わせてシャワーノズルの高さや位置が調節で
きるようになっている。

【００１５】第５の発明は検知手段によって得た情報に
基づいて入浴者に適した椅子の高さに高さ調節する手段
と、ノズルを入浴者に適した位置に動かせるノズル調節
手段を備えており、入浴者が入浴室に入室すると検知手
段によって入浴者の動作が検知され、その情報に基づい
て高さ調節手段とシャワーノズル調節手段によって、入
浴者が快適に入浴できるように入浴者の体型に合わせて
椅子の高さやシャワーノズルの高さや位置を調節できる
ようになっている。

【００１６】第６の発明は制御手段を検知手段によって
得た情報に基づいて入浴者が椅子に着席した際に初めて
稼働可能になる構成としてあり、入浴者が入浴室に入浴
すると検知手段によって入浴者の動作が検知され、その
情報に基づいて入浴者が椅子に着席した際に初めて制御
手段が稼働可能になり、着席前に誤動作がないようにな
っている。

【００１７】以下本発明の実施の形態を図１および図２
を用いて説明する。図１において、合成樹脂製のシャワ
ー室本体１には、その中央下部に座部である椅子３と、
入浴者１０の行動を画像で把握する例えば画像認識方式
の検知手段４と、その把握した画像をもとに、シャワー
室本体１のさまざまな機能を制御する制御手段５があ
る。入浴者１０が椅子３に立ち座りする動作が検知手段
４によってとらえられ、入浴者１０が座部３に座わると
いう情報が制御手段５に送られると、制御手段５から座
面傾斜手段６に信号が送られ、入浴者１０が座部３に座
るのを補助するために、入浴者１０が座部３に座る動作
に合わせて、図２に示すとおり、座部３の座面の後部が
持ち上がり入浴者１０の臀部を迎えにいった後、初期の
座部３座面の状態である床と平行な位置まで戻るという
動きをする。

【００１８】また検知手段４によって、入浴者１０が退
席する情報が制御手段５に送られると、制御手段５から
座面傾斜手段６に信号が送られ、入浴者１０が座部３か
ら立ち上がる動作に合わせて、座部３の座面の後部が持
ち上がり、入浴者１０が座部３から立ち上がった後、初
期の座部３座面の状態である床と平行な位置まで戻ると
いう動きをする。

【００１９】また入浴者１０が座部３に着席すると、検
知手段４により、入浴者１０の身長や肩幅、胸厚などの
身体特徴に関する情報が制御手段５に送られ、その情報
に基づいて、制御手段５からノズル高さ調節手段７に信
号が送られ、シャワー用ノズル２の高さを入浴者１０の
体格にあわせて変動させ、入浴者１０の体格差に関係な
く、快適な入浴を入浴者に提供することができる。

【００２０】また検知手段４によって、入浴者１０が椅
子に着席したという情報が制御手段５に送られた時の
み、シャワーの湯水の出湯を可能にする着座スイッチ８
に信号が送られ、シャワーの湯水出湯を可能にする。し
たがって、入浴者１０が入浴室内の椅子３までの移動中
に入浴者１０の体が、シャワーのスイッチに触れ誤操作
する等のことがない。

【００２１】本発明の実施の形態として、検知手段４と
して画像認識するものを例示したが、これはそのほか
に、赤外線センサーや超音波センサーなどを用いて、入
浴室の入口や座部周辺にセンサーを張り巡らせ、入浴者
１０の身体によるセンサーのさえぎり度合いによって、
入浴者１０の身長などを検知するようにすることも考え
られる。

【００２２】さらに本発明の他の実施の形態として、入
浴者の体格にあわせて、ノズル２とともに椅子３の高さ
がともに可変する手段を具備させることも考えられる。

【００２３】

【発明の効果】本発明の入浴装置によれば、下記の効果
が得られる。

【００２４】（１）入浴者の行動を検知し、検知した情
報に基づいてノズルと椅子の高さを制御することによ
り、入浴者の体格差や足腰が不自由などの身体状況差に
関係なく、安全で快適な入浴が実現できる。

【００２５】（２）入浴者が椅子に立ち座りする際に、
座面が傾斜し立ち座りを補助することにより、足腰の不
自由な入浴者でも、容易に椅子への立ち座りができるよ
うになる。

【００２６】（３）入浴者に適した椅子の高さに自動で
高さ調節する手段を備えたことにより、入浴者の体格差
に関係なく、どのような体格の入浴者でも楽な姿勢で入
浴することができる。

【００２７】（４）ノズルの位置を入浴者に適した位置
に自動で調節することにより、どのような体格の入浴者
でも快適に入浴することができる。

【００２８】（５）椅子の高さ・ノズルの位置ともに入
浴者に適した位置に自動で調節することにより、どのよ
うな体格の入浴者でもより快適に入浴することができ
る。

【００２９】（６）椅子に着座したことを検知して作動
状態となるようにしたことにより、シャワースイッチ等
の誤操作の回避や安全性の確保につながる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の入浴装置の実施の形態を示す断面図

【図２】同装置の椅子の立ち上がりの状況を示す断面図

【符号の説明】

２ ノズル ３ 椅子 ４ 検知手段 ５ 制御手段 ６ 座面傾斜手段 ７ ノズル高さ調節手段 ８ 着座スイッチ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】入浴時に着席する椅子と、身体を包み込む
   ように湯水を噴出するノズルと、入浴者の動作を検知す
   る検知手段と、前記検知手段によって得た情報に基づい
   て前記ノズルと前記椅子を制御する制御手段を備えた入
   浴装置。
2. 【請求項２】椅子の座面を傾斜させる座面傾斜手段を備
   え、制御手段は検知手段によって得た情報に基づいて入
   浴者の椅子への立ち座りを補助するよう前記椅子の座面
   を制御する請求項１記載の入浴装置。
3. 【請求項３】椅子の高さ調節手段を備え、制御手段は検
   知手段によって得た情報に基づいて、入浴者に適した椅
   子の高さに高さ調節する請求項１記載の入浴装置。
4. 【請求項４】ノズルの位置を移動させるノズル調節手段
   を備え、制御手段は検知手段によって得た情報に基づい
   てノズルが入浴者に適した位置に動くようにノズル調節
   手段を制御する請求項１記載の入浴装置。
5. 【請求項５】椅子の高さ調節手段とノズルの位置を移動
   させるノズル調節手段を備え、制御手段は検知手段によ
   って得た情報に基づいて、入浴者に適した椅子の高さに
   調節する高さ調節手段と、ノズルを入浴者に適した位置
   に動かせるシャワーノズル調節手段を制御する請求項１
   記載の入浴装置。
6. 【請求項６】制御手段は、検知手段によって得た情報に
   基づいて、入浴者が椅子に着席した際に初めて稼働可能
   になる構成とした請求項１記載の入浴装置。