JPH09129953A - レーザ用電源装置 - Google Patents

レーザ用電源装置

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JPH09129953A
JPH09129953A JP28713495A JP28713495A JPH09129953A JP H09129953 A JPH09129953 A JP H09129953A JP 28713495 A JP28713495 A JP 28713495A JP 28713495 A JP28713495 A JP 28713495A JP H09129953 A JPH09129953 A JP H09129953A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング損失を低減し、高効率で低ノイ
ズなレーザ用電源装置を得る。 【解決手段】 交流電圧を直流電圧に変換するコンバー
タ部、スイッチング素子及びこれに並列接続された環流
ダイオードを対として構成され、上記コンバータ部の直
流出力電圧を交流電圧に変換するインバータ部、このイ
ンバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘電体電
極の静電容量と直列共振回路を構成するインダクタンス
を有したトランス、上記インバータ部の出力電流の立ち
上がりが上記インバ−タ部の出力電圧の立ち上がりより
遅れるように上記インバ−タ部を制御するインバ−タ制
御手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、交流電圧を供給
して放電を発生させるレーザ用電源装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置として図18、図1
9及び図20に示すようなレーザ用電源装置があった。
図18において、1は、商用電源、2は、この商用電源
1に入力側が接続されたコンバータ部、3は、このコン
バータ部2の出力側に入力側が接続されたインバータ
部、4は、このインバータ部3の出力側に入力側(一次
側)が接続された高周波トランス、5a、5bは、この
高周波トランス4の出力側(二次側)に接続されて放電
6を発生する誘電体電極であり、これら高周波トランス
4及び誘電体電極5a、5bは、上記高周波トランス4
のインダクタンス(漏れインダクタンス等を利用)と誘
電体電極5a、5bの静電容量とで直列共振回路を構成
している。7は、高周波トランス4の出力側に設けら
れ、誘電体電極5a、5b間に流れる放電電流を検出す
る電流検出手段、8は、上記放電電流の大きさを設定す
る電流設定手段、9は、この電流設定手段8及び上記電
流検出手段7の信号を入力としてパルス幅Twの信号T
w及び周波数fsoの信号fsoをゲート回路14に出
力し、これに基づきインバータ部3を制御するパルス幅
制御手段である。
【0003】図19は、上記図18における上記インバ
ータ部3の構成を詳細に示す図であり、 図において、
11a、11b、11c、11dは,スイッチング素
子、12a、12b、12c、12dは,このスイッチ
ング素子11a、11b、11c、11dに各々並列に
接続した環流ダイオードであり、これら環流ダイオード
12a、12b、12c、12dは、上記スイッチング
素子11a、11b、11c、11dと共に単相電圧型
インバータを構成している。14は、上記パルス幅制御
手段9のパルス幅信号Tw及び周波数信号fsoを入力
としてスイッチング素子11a、11b、11c、11
dを制御するためのゲート信号を出力するゲート回路で
ある。
【0004】図20は、上記パルス幅制御手段9の構成
を示す図であり、15は、上記電流設定手段8の電流設
定値と上記電流検出手段7で検出した電流検出値の差を
増幅し、誤差信号aを出力する誤差増幅器、16は、設
定電圧に比例した周波数の三角波b及び方形波d(周波
数信号fso)を発振する電圧制御発振回路(いわゆる
VCO)、17は誤差増幅器15の出力aと電圧制御発
振回路16の三角波bの大きさを比較し、信号c(パル
ス幅信号Tw)を出力するコンパレータである。なお、
三角波b及び方形波dの周波数は同一で、所定の値fs
oに固定されている。
【0005】次に、従来のレーザ用電源装置の動作につ
いて説明する。商用電源1の交流電圧はコンバータ部2
で直流電圧に変換され、インバータ部3に入力される。
インバータ部3では、ゲート回路14のゲート信号によ
りスイッチング素子11a、11b、11c、11dが
オンオフし、直流電圧が図21に示すような±Vの方形
波交流電圧に変換される。インバータ部3の出力電圧V
は、高周波トランス4で昇圧され、誘電体電極5a、5
b間に印加され放電6が発生する。高力率でインバータ
部3を動作させるため、インバータ部3の出力電圧Vの
周波数(以下スイッチング周波数と呼ぶ)は、高周波ト
ランス4のインダクタンスLと誘電体電極5a,5bの
静電容量Cで決まる直列共振周波数fr(=1/2π√
(LC))より少し高い値fsoに固定される。この周波数
fsoは、パルス幅制御手段9のVCO16によって定
められる値である。一方で、放電電流を高速制御するた
め、パルス幅制御手段9により出力電圧Vのパルス幅T
wを変化させるパルス幅制御を行っている。図21にパ
ルス幅制御時のインバータ部3の出力電圧Vと出力電流
Iの波形を示す。この図21において、図21(a)
は、高出力時の出力電圧Vと出力電流Iの波形、図21
(b)は、低出力時の出力電圧Vと出力電流Iの波形で
ある。なお、この図において、出力電圧Vはパルス幅T
wの方形波となり、出力電流Iはインバータ部3の負荷
が直列共振に近いためほぼ正弦波となる。
【0006】出力電圧Vのパルス幅Twは、パルス幅制
御手段9にて誤差増幅器15の誤差信号aと電圧制御発
振回路16の三角波bを比較し、誤差信号a≧三角波b
となる期間で定められ、この期間をコンパレータ17か
ら出力される信号cで指令する。図22は誤差信号a、
三角波b、パルス幅信号c、及び出力電圧Vのタイムチ
ャートを示すもので、図22(a)はパルス幅Twが広
くなる高出力時、図22(b)パルス幅Twが狭くなる
低出力時である。電流設定手段8により設定された所望
の電流設定値に対して、誤差増幅器15は電流検出手段
7で検出した電流検出値がこの電流設定値に一致するよ
うに誤差信号aの値を可変してフィードバック制御を行
う。なお、電圧制御発振回路16の方形波出力dはスイ
ッチング周波数fsoの指令信号としてゲート回路14
に出力される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のレ
ーザ用電源装置では、高周波トランス4により誘電体電
極5a、5bと直列共振回路を構成し、インバータ部3
の出力電圧の周波数を固定しパルス幅を変化させて放電
電流を制御するパルス幅制御を行っているため放電電流
を高速に制御できる反面、次のような問題点がある。図
21に示すインバータ部3の出力電圧Vと出力電流Iが
交差するポイントでは、スイッチング素子11a、11
b、11c、11dが、オンオフする際に発生するスイ
ッチング損失と呼ぶ電力損失を生じる。オフからオンす
る際のスイッチング損失をターンオン損失、オンからオ
フする際のスイッチング損失をターンオフ損失と呼び、
図21の(a)のように出力電圧Vのパルス幅が長い場
合はターンオフ損失が生じ、図21の(b)のように出
力電圧Vのパルス幅が短い場合はターンオン損失及びタ
ーンオフ損失の両方が生じる。特に図21の(b)のよ
うに出力電圧Vのパルス幅が短い場合は、ターンオフ損
失にターンオン損失が加わるため損失が大きい。図21
の(b)でターンオン損失が生ずるのは、出力電流Iの
立ち上がりのポイントtiが出力電圧Vの立ち上がりの
ポイントtvより進むモードになり、このモードではス
イッチング素子11a、11b、11c、11dがオン
する前に直列に接続した環流ダイオード12a、12
b、12c、12dに環流電流が流れるので、スイッチ
ング素子11a、11b、11c、11dがオンする際
に環流ダイオード12a、12b、12c、12dのリ
カバリー電流が流れ込むためである。例えば図21の
(b)のtiからtvまでの期間は図19の環流ダイオ
ード12aに回路共振による環流電流IFが流れ、図2
1の(b)のtvのポイントでスイッチング素子11b
がオフからオンし、環流ダイオード12aのリカバリー
電流IRがスイッチング素子11bに急速に流れ込みタ
ーンオン損失が生ずる。一方、図21の(a)のように
出力電流Iの立ち上がりのポイントtiが出力電圧Vの
立ち上がりのポイントtvより遅れるモードでは、並列
に接続した環流ダイオード12a、12b、12c、1
2dに環流電流が流れている状態でスイッチング素子が
オンするので、電圧ゼロでスイッチングし、またリカバ
リー電流も流れないためターンオン損失は生じない。
【0008】以上のようにターンオン損失が生じるの
は、出力電流Iの立ち上がりのポイントtiが出力電圧
Vの立ち上がりのポイントtvより進むモードになる場
合であり、以下に示す誘電体電極に交流放電を発生させ
るガスレーザ装置等、容量性負荷を備えた装置特有の負
荷特性により、高出力側の一部の領域以外のほとんどの
領域でこのモードとなる。図23は誘電体電極5a、5
bの静電容量Cと放電電流idの関係を示し、放電電流
idの低下に伴い、放電6が発生する誘電体5a、5b
の放電面積が減少するため、静電容量Cが減少する特性
を有している。したがって、放電電流idの低下に伴い
直列共振周波数fr(=1/2π√(LC)が上昇しス
イッチング周波数fsoより大きくなると、インバータ
部3から見た負荷特性は電流が遅れる誘導性から電流が
進む容量性の特性に変化する。このため、放電電流id
の低下に伴う出力電圧Vのパルス幅の現象と相まって広
範囲な動作領域にわたってターンオン損失が生じる上記
の動作モードとなってしまう。
【0009】また、ターンオフ損失の低減に対してはス
イッチング素子に並列にスナバコンデンサを接続するこ
とが考えられるが、ターンオン損失が生じる動作モード
では、スイッチング素子に並列にターンオフ損失の低減
に効果的なスナバコンデンサを接続した場合、ターンオ
ン時に環流ダイオードのリカバリー電流に加えスナバコ
ンデンサのディスチャージ電流がスイッチング素子に流
れ込むためターンオン損失がさらに増加する。したがっ
て、広範囲な動作領域にわたってターンオン損失が生じ
る動作モードとなる場合は、ターンオフ損失の低減に効
果的なスナバコンデンサを使用することができずターン
オフ損失の低減が困難となる。
【0010】そして、これらのスイッチング損失の問題
は、数十KHz以上の高周波で使用する場合にさらに問
題になり、この場合スイッチング損失による電力損失が
大きくなり装置の効率が悪化し、また放熱のために装置
が大型化するという問題点があった。さらに、環流ダイ
オード12a、12b、12c、12dのリカバリー電
流はターンオン損失を生ずると同時にスイッチングノイ
ズを発生させるためノイズ誤動作などの問題点があっ
た。
【0011】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたものであり、スイッチング損失を低減し、高
効率で低ノイズなレーザ用電源装置を提供することを目
的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係わるレーザ
用電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換するコンバー
タ部、スイッチング素子及びこれに並列接続された環流
ダイオードを対として構成され、上記コンバータ部の直
流出力電圧を交流電圧に変換するインバータ部、このイ
ンバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘電体電
極の静電容量と直列共振回路を構成するインダクタンス
を有したトランス、上記インバータ部の出力電流の立ち
上がりが上記インバ−タ部の出力電圧の立ち上がりより
遅れるように上記インバ−タ部を制御するインバ−タ制
御手段を備えたものである。
【0013】また、この発明の別の発明に係わるレーザ
用電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換するコンバー
タ部、スイッチング素子及びこれに並列接続された環流
ダイオードを対として構成され、上記コンバータ部の直
流出力電圧を交流電圧に変換するインバータ部、このイ
ンバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘電体電
極の静電容量と直列共振回路を構成するインダクタンス
を有したトランス、このトランスの出力側に設けられた
電流検出手段、上記誘電体電極間に発生する放電電流の
値を設定する電流設定手段、この電流設定手段で設定し
た電流設定値と上記電流検出手段で検出した電流検出値
が一致するように上記インバータ部の出力電圧のパルス
幅を制御するパルス幅制御手段、上記インバータ部の出
力電流の立ち上がりが上記インバ−タ部の出力電圧の立
ち上がりより遅れるように上記放電電流の減少に応じて
上記インバ−タ部のスイッチング周波数を増加させる周
波数指令手段を備えたものである。
【0014】また、この発明の更に別の発明に係わるレ
ーザ用電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換するコン
バータ部、スイッチング素子及びこれに並列接続された
環流ダイオードを対として構成され、上記コンバータ部
の直流出力電圧を交流電圧に変換するインバータ部、こ
のインバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘電
体電極の静電容量と直列共振回路を構成するインダクタ
ンスを有したトランス、このトランスの出力側に設けら
れた電流検出手段、上記誘電体電極間に発生する放電電
流の値を設定する電流設定手段、この上記電流設定手段
で設定した電流設定値と上記電流検出手段で検出した電
流検出値が一致するように上記インバータ部のスイッチ
ング周波数を直列共振回路の共振周波数以上の範囲で制
御する周波数制御手段、上記誘電体電極間に発生する放
電電流が所定の値以下になると放電電流の減少に従いイ
ンバ−タ部の出力電圧のパルス幅を減少させるパルス幅
制御手段を備えたものである。
【0015】また、この発明の更に別の発明に係わるレ
ーザ用電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換するコン
バータ部、スイッチング素子及びこれに並列接続された
環流ダイオードを対として構成され、上記コンバータ部
の直流出力電圧を交流電圧に変換するインバータ部、こ
のインバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘電
体電極の静電容量と直列共振回路を構成するインダクタ
ンスを有したトランス、このトランスの出力側に設けら
れた電流検出手段、上記誘電体電極間に発生する放電電
流の値を設定する電流設定手段、この電流設定手段で設
定した電流設定値と上記電流検出手段で検出した電流検
出値が一致するように上記インバータ部の出力電圧のパ
ルス幅を制御するパルス幅制御手段、上記電流設定手段
で設定した電流設定値と上記電流検出手段で検出した電
流検出値が一致するように上記インバータ部のスイッチ
ング周波数を直列共振回路の共振周波数以上の範囲で制
御する周波数制御手段、上記放電電流が所定の値以下に
なると放電電流の制御を上記周波数制御手段から上記パ
ルス幅制御手段に切り替える切り替え手段を備えたもの
である。
【0016】また、この発明の更に別の発明に係わるレ
ーザ用電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換するコン
バータ部、スイッチング素子及びこれに並列接続された
環流ダイオードを対として構成され、上記コンバータ部
の直流出力電圧を交流電圧に変換するインバータ部、こ
のインバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘電
体電極の静電容量と直列共振回路を構成するインダクタ
ンスを有したトランス、このトランスの出力側に設けら
れた電流検出手段、上記誘電体電極間に発生する放電電
流の値を設定する電流設定手段、この電流設定手段で設
定した電流設定値と上記電流検出手段で検出した電流検
出値が一致するように上記インバータ部の出力電圧のパ
ルス幅を制御するパルス幅制御手段、上記インバータ部
の出力側に上記高周波トランスのインダクタンスと直列
に接続された飽和リアクトルを備えたものである。
【0017】また、この発明の更に別の発明に係わるレ
ーザ用電源装置は、上記のような発明の構成における周
波数指令手段に、周波数が所定の範囲内にあるように制
御する上限下限リミッター回路を設けたものである。
【0018】また、この発明の更に別の発明に係わるレ
ーザ用電源装置は、上記のような発明の構成におけるイ
ンバータ部が、スイッチング素子と、これに並列に接続
されたスナバコンデンサとを備えるようにしたものであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1 図1、図2、及び図3はこの発明の一実施の形態を示す
構成図である。図1において、1は、商用電源、2は、
この商用電源1に入力側が接続されたコンバータ部、3
は、このコンバータ部2の出力側に入力側が接続された
インバータ部、4は、このインバータ部3の出力側に入
力側(一次側)が接続された高周波トランス、5a、5
bは、この高周波トランス4の出力側(二次側)に接続
されて放電6を発生する誘電体電極であり、これら高周
波トランス4及び誘電体電極5a、5bは、上記高周波
トランス4のインダクタンス(漏れインダクタンス等を
利用)と誘電体電極5a、5bの静電容量とで直列共振
回路を構成している。7は、高周波トランス4の出力側
に設けられ、誘電体電極5a、5b間に流れる放電電流
を検出する電流検出手段、8は、加工条件に応じた上記
放電電流の大きさを設定する電流設定手段、9は、この
電流設定手段8及び上記電流検出手段7の信号を入力と
してパルス幅Twの信号Tw及び周波数fsoの信号f
soをゲート回路14(含:ロジック回路)に出力し、
これに基づきインバータ部3を制御するパルス幅制御手
段である。10は、電流設定手段8の電流設定値が入力
され、(この実施の形態では電流設定値はピーク値を1
0Aとし、平均値を5Aとしている。)電流設定値に応
じて周波数設定信号をパルス幅制御手段9に出力する周
波数指令手段である。図2は、本実施の形態のインバー
タ部3の構成を示し、図において、13a、13b、1
3c、13dは、スイッチング素子11a、11b、1
1c、11dに各々並列に接続したスナバコンデンサで
ある。図3は、本実施の形態の周波数指令手段10の構
成を示し、図において、18は、電流設定手段8によっ
て設定された放電電流の設定値による設定電圧値が一方
に入力され、その値から予め設定された所定の電圧値を
減算する減算回路、19は、減算回路18の出力の上限
値と下限値を規定する上限下限リミッター回路であり
(この実施の形態では、上限値は8A、下限値は3Aで
ある。)、上限下限リミッター回路19の出力は、パル
ス幅制御手段9の電圧制御発振回路(VCO)16に入
力される。
【0020】前記のように構成されたレーザ用電源装置
においては、周波数指令手段10において減算回路18
により所定の電圧値から電流設定値が減算され、加工条
件の変更に基づく作業者による電流設定値の増加、すな
わち、差の増加に従い電圧制御発振回路(VCO)16
に対し、スイッチング周波数fsを減少する信号が出力
される。このとき上限下限リミッター回路19によりス
イッチング周波数fsの上限値と下限値が設定される一
方、限界値内の場合は差に応じて周波数fsを変化させ
る信号を出力する。上限下限リミッター回路19の出力
はインバータ部3のスイッチング周波数fsを指令する
周波数指令信号として電圧制御発振回路16に入力され
るため電流設定手段8で設定される放電電流に応じてス
イッチング周波数fsが可変されることになる。図4は
電流設定値idsとスイッチング周波数fsの特性を示
したものであり、電流設定値idsが低い時は上限下限
リミッター回路19で設定される上限周波数fsmax
に固定され、電流設定値idsが所定の値以上になると
電流設定値の増加に従い直線的に減少し、さらに上昇す
ると上限下限リミッター回路19で設定される下限周波
数fsminに固定される。下限周波数fsminは、
直列共振周波数frより少し高い値に設定され、これは
従来例の固定されたスイッチング周波数fsoに対応す
る。上限周波数fsmaxはスイッチング素子11a、
11b、11c、11d、ゲート回路14、高周波トラ
ンス4等の部品の性能で決まる通常スイッチング周波数
fs(マッチング周波数)の1.1から2倍程度に設定
される。
【0021】図5は、図21の(b)で示したようなタ
ーンオン損失、すなわちインバータ部の出力電流Iの立
ち上がりtiが出力電圧Vの立ち上がりtvより遅れる
ことにより生じるターンオン損失を生じない動作(誘導
性動作)となるスイッチング周波数fsと放電電流id
の範囲を示し、図中斜線部が誘導性動作範囲である。ま
た、図中idmax−fs特性の曲線は出力電圧Vのパ
ルス幅が最大の場合の放電電流idとスイッチング周波
数fsの関係を示すいわゆる共振曲線である。図5に示
すようにスイッチング周波数fsの増加に従い誘導性動
作になる放電電流idの下限は低くなるが最大放電電流
idmaxも低下する。従って、下限周波数fsmin
を従来例のスイッチング周波数fsoとほぼ同じにし、
さらに、図4に示した電流設定値idsとスイッチング
周波数fsの特性が図5の誘導性動作範囲内にほぼ入る
ように電流設定値idsとスイッチング周波数fsの傾
きを設定することにより、放電電流idの最大値は従来
例と同じとし、更にターンオン損失が生じない放電電流
idの範囲を従来例より大幅に広くすることができる。
図6は、図5における下限周波数fsminの点(a)
及び図5における上限周波数fsmaxと下限周波数f
sminの間の点(b)でのインバータ部3の出力電圧
Vと出力電流Iの波形を示している。この図6から明ら
かなように本実施の形態では図6の(a)のごとく出力
電圧Vのパルス幅が長い高出力領域はもとより、図6の
(b)のごとく出力電圧Vのパルス幅が短い低出力領域
においても出力電流Iの立ち上がりが出力電圧Vの立ち
上がりより遅れるため、ターンオン損失を生ずることが
ない。放電電流の電流設定値と電流検出値を一致させる
フィードバック制御は従来例と同様パルス幅制御手段9
で行う。
【0022】次に、本実施の形態では広範囲な動作領域
にわたってターンオン損失が生じない動作モードとなる
ため、ターンオフ損失の低減に効果的なスナバコンデン
サ13a、13b、13c、13dを接続することがで
きる。図7はスナバコンデンサによるターンオフ損失の
低減効果を示した図で、図に示すようにスイッチング素
子がオンからオフする際に充電される電圧Vcの上昇率
がスナバコンデンサの無い従来例に比べて緩やかにな
る。一方、スイッチング素子に流れる電流Icの立ち下
がりはスイッチング素子の特性でほぼ決まるため従来例
とほとんど同じである。したがって、Vcの上昇率が緩
やかになる分VcとIcの積であるターンオフ損失は従
来例より低減される。
【0023】以上述べたように、本実施の形態では誘電
体電極5a、5bの静電容量が放電電流の変化により変
化しても周波数指令手段10により放電電流idの変化
は誘導性動作範囲での変化となるから、放電電流の広い
範囲でターンオン損失を生ずることがない。また、スナ
バコンデンサ13a、13b、13c、13dを接続す
ることができるため、ターンオフ損失が低減され、装置
の効率が向上しノイズも低減されることになる。
【0024】なお、本実施の形態では図4に示す電流設
定値idsとスイッチング周波数fsの特性を限界値内
において直線的に変化させたが図5の誘導性動作範囲に
沿って曲線的に変化させても同様な効果を期待できる。
【0025】実施の形態2.上記実施の形態1では周波
数指令手段10に電流設定手段8の電流設定値を入力す
る構成であるが、本実施の形態では図8に示すように、
電流検出手段7の電流検出値を周波数指令手段10に入
力する構成である。本実施の形態では電流検出値に応じ
て図5の放電電流idが誘導性動作範囲になるようにス
イッチング周波数fsを制御するものであり、実施の形
態1と同様な効果を期待できる。
【0026】実施の形態3.実施の形態1、及び実施の
形態2では放電電流idとスイッチング周波数fsの特
性を誘導性動作範囲の中に入るように電流設定値ids
とスイッチング周波数fsの特性を設定するため、回路
定数のばらつきにより誘導性動作範囲がばらつくとその
都度電流設定値idsとスイッチング周波数fsの特性
を調整する必要があるが、実施の形態3ではその調整が
不要となるような構成例を示す。図9に示される実施の
形態3では、電流設定値idsと電流検出値が入力され
電流設定値idsと電流検出値が一致するようにインバ
ータ部3のスイッチング周波数fsを制御する周波数制
御手段20、入力される電流設定値idsが所定の値以
下になると電流設定値idsの減少に応じてインバータ
部の出力電圧のパルス幅を減少させるパルス幅指令手段
21を設けたものである。インバータ部3の各スイッチ
ング素子には実施の形態1と同様にスナバコンデンサが
並列に接続されている。図10は周波数制御手段20、
及びパルス幅指令手段21の構成を示す。
【0027】パルス幅指令手段21は、ids(電流設
定値)≧ido(idoは、最大放電電流idmaxの
1/2で、4.5A程度である。)の時、パルス幅信号
Twを最大値Twmaxに固定してインバータ3が最大
点弧角(180°)で動作するようにする。また、id
s<idoの時、電流設定値idsの減少に応じてパル
ス幅信号Twが減少するように制御する。すなわち、パ
ルス幅指令手段21では電流設定値idsが折れ線増幅
回路22{この折れ線増幅回路22は、入力となる電流
設定値idsがids≧idoの時、電流設定値ids
を所定倍数(1より大きい倍数)で増幅し、ids<i
doの時、電流設定値idsを所定倍数(1より小さい
倍数)で減少させる回路である。}により所定の値に増
幅され、これをコンパレータ17により電圧制御発振回
路16の三角波bと比較する。これにより、増幅信号a
≧三角波bとなる期間コンパレータ17からパルス幅信
号Twを最大値Twmaxに固定してインバータ3が最
大点弧角(180°)で動作するようにパルス幅信号T
wが指令される。図11は電流設定値idsとパルス幅
信号Twの関係を示し、パルス幅信号Twはids≧i
do(idoは、最大放電電流idmaxの1/2で、
4.5A程度である。)の時最大値Twmaxに固定さ
れ、ids<idoの時idsの減少に応じて減少する
ように折れ線増幅回路22で制御される。周波数制御手
段20では、電流検出値と電流設定値の差が演算回路1
5で増幅され上限下限リミッター回路19を経て電圧制
御発振回路16に入力される。図12は図5と同様共振
曲線、及び誘導性動作範囲を示す図であり、ids≧i
doの時は図11よりパルス幅信号Twが最大値Twm
axになるため、放電電流idとスイッチング周波数ス
イッチング周波数fsの関係は共振曲線に沿って変化す
る。
【0028】本実施の形態は以上のように構成されてい
るため、放電電流の広い範囲でターンオン損失を生ずる
ことがなく、また、スナバコンデンサを接続できターン
オフ損失も低減されるため、装置の効率が向上しノイズ
も低減されることになる。さらに、共振曲線に沿ってi
dとスイッチング周波数fsが変化するので回路定数の
ばらつきにより誘導性動作範囲がばらついてもその都度
idsとスイッチング周波数fsの特性を調整する必要
が無い。
【0029】実施の形態4.図示しないが、実施の形態
3ではパルス幅指令手段21に電流設定手段8の電流設
定値を入力する構成であるが、電流検出手段7の電流検
出値をパルス幅指令手段21に入力する構成としても実
施の形態3と同様な効果を期待できる。
【0030】実施の形態5.図13に示される実施の形
態では、電流設定値と電流検出値が入力され電流設定値
と電流検出値が一致するようにインバータ部3の出力電
圧のパルス幅を制御するパルス幅制御手段9、電流設定
値と電流検出値が入力され電流設定値と電流検出値が一
致するようにインバータ部3のスイッチング周波数を制
御する周波数制御手段20、電流設定値が入力され電流
設定値が所定の値以下になると放電電流の制御を周波数
制御手段20からパルス幅制御手段9に切り替える切換
手段23を設けたものである。インバータ部3の各スイ
ッチング素子には実施の形態1と同様にスナバコンデン
サが並列に接続されている。図14は周波数制御手段2
0、パルス幅制御手段9、及び切換手段23の構成を示
す。
【0031】切換手段23では電流判別回路24により
電流設定値idsが所定の電流値idoに対する大小を
検出し検出信号を切換信号発生回路25に出力する。切
換信号発生回路25は検出信号により切換スイッチ26
a、26bをids≧idoの時(1)の位置に設定し
ids<idoの時(2)の位置に設定する。ids≧
idoの場合、パルス幅制御手段9でインバータ部3の
出力電圧Vのパルス幅が最大値Twmaxに固定され、
放電電流idは周波数制御手段20により上記実施の形
態4と同様スイッチング周波数スイッチング周波数fs
を可変してフィードバック制御される。次に、ids<
idoの場合、周波数制御手段20でスイッチング周波
数スイッチング周波数fsが上限周波数スイッチング周
波数fsmaxに固定され、放電電流idはパルス幅制
御手段9より従来例と同様パルス幅Twを可変してフィ
ードバック制御される。図15は本実施の形態の放電電
流idとスイッチング周波数スイッチング周波数fsの
特性を示す図であり、id≧idoとなる領域ではid
とスイッチング周波数fsは共振曲線に沿って変化し、
id<idoとなる領域ではスイッチング周波数fsが
上限周波数スイッチング周波数fsmaxで固定されて
変化する。スイッチング周波数fsの可変範囲が誘導性
動作範囲になるように、下限周波数スイッチング周波数
fsminは直列共振回路の共振周波数frより大きい
値に設定される。
【0032】本実施の形態は以上のように構成されてい
るので、共振曲線に沿って変化するスイッチング周波数
fsの最大値を上限周波数スイッチング周波数fsma
xまで上げることができ、ターンオン損失を生じない放
電電流の範囲が最も広くなる。また、スナバコンデンサ
を接続できターンオフ損失も低減されるため、装置の効
率が向上しノイズも低減されることになる。さらに、共
振曲線に沿ってidとスイッチング周波数fsが変化す
るので回路定数のばらつきにより誘導性動作範囲がばら
ついてもその都度idsとスイッチング周波数fsの特
性を調整する必要が無い。
【0033】実施の形態6.図示しないが、実施の形態
5では切換手段23に電流設定手段8の電流設定値を入
力する構成であるが、電流検出手段7の電流検出値を切
換手段23入力する構成としても実施の形態5と同様な
効果を期待できる。
【0034】実施の形態7.図16で示される実施の形
態では、インバータ部3と高周波トランス4の間に飽和
リアクトル27が接続される。インバータ部3の各スイ
ッチング素子には実施の形態1と同様にスナバコンデン
サが並列に接続されている。スイッチング周波数スイッ
チング周波数fsは従来例と同様スイッチング周波数f
soに固定され、放電電流idは従来例と同様パルス幅
制御手段9でフィードバック制御される。図17は飽和
リアクトル27に流れる電流と磁束の関係を示し、電流
の増加に応じて磁束が飽和するため、電流の増加に応じ
てインダクタンスが低下する特性を有している。インバ
ータ部3から見た直列共振回路のインダクタンスは飽和
リアクトル27のインダクタンスlと高周波トランス4
のインダクタンスLの和となり、直列共振周波数frは
次式のようになる。 fr=1/2π√((L+l)C) 飽和リアクトル27にはインバータ部3の出力電流Iが
流れ、出力電流Iが低い領域では飽和リアクトル27の
インダクタンスlが増加するので誘電体電極5a、5b
の静電容量Cが低下しても直列共振周波数frは低下す
ることが無い。したがて、インバータ部3から見るとス
イッチング周波数スイッチング周波数fsを増加させた
のと等価的には同じことになり、ターンオン損失を生じ
ない誘導性動作範囲を低電流域まで広げることができ
る。また、スナバコンデンサを接続できターンオフ損失
も低減されるため、装置の効率が向上しノイズも低減さ
れることになる。
【0035】実施の形態8.図示しないが、実施の形態
7では飽和リアクトル27をインバータ部3と高周波ト
ランス4の間に接続したが、高周波トランス4と誘電体
電極5a、5bの間に接続しても実施の形態7と同様な
効果を期待できる。
【0036】なお、前記実施の形態1から6に実施の形
態7、または実施の形態8の飽和リアクトルを組合せた
構成にすると実施の形態1から6の誘導性動作範囲がさ
らに広がるため、実施の形態1から6の効果をより安定
に実現できる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係わる
レーザ用電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換するコ
ンバータ部、スイッチング素子及びこれに並列接続され
た環流ダイオードを対として構成され、上記コンバータ
部の直流出力電圧を交流電圧に変換するインバータ部、
このインバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘
電体電極の静電容量と直列共振回路を構成するインダク
タンスを有したトランス、上記インバータ部の出力電流
の立ち上がりが上記インバ−タ部の出力電圧の立ち上が
りより遅れるように上記インバ−タ部を制御するインバ
−タ制御手段を備えたので、スイッチング損失を低減
し、高効率で低ノイズなレーザ用電源装置を得ることが
できる。
【0038】また、この発明の別の発明に係わるレーザ
用電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換するコンバー
タ部、スイッチング素子及びこれに並列接続された環流
ダイオードを対として構成され、上記コンバータ部の直
流出力電圧を交流電圧に変換するインバータ部、このイ
ンバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘電体電
極の静電容量と直列共振回路を構成するインダクタンス
を有したトランス、このトランスの出力側に設けられた
電流検出手段、上記誘電体電極間に発生する放電電流の
値を設定する電流設定手段、この電流設定手段で設定し
た電流設定値と上記電流検出手段で検出した電流検出値
が一致するように上記インバータ部の出力電圧のパルス
幅を制御するパルス幅制御手段、上記インバータ部の出
力電流の立ち上がりが上記インバ−タ部の出力電圧の立
ち上がりより遅れるように上記放電電流の減少に応じて
上記インバ−タ部のスイッチング周波数を増加させる周
波数指令手段を備えたので、簡単な回路でスイッチング
損失を低減し、高効率で低ノイズなレーザ用電源装置を
得ることができる。。
【0039】また、この発明の更に別の発明に係わるレ
ーザ用電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換するコン
バータ部、スイッチング素子及びこれに並列接続された
環流ダイオードを対として構成され、上記コンバータ部
の直流出力電圧を交流電圧に変換するインバータ部、こ
のインバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘電
体電極の静電容量と直列共振回路を構成するインダクタ
ンスを有したトランス、このトランスの出力側に設けら
れた電流検出手段、上記誘電体電極間に発生する放電電
流の値を設定する電流設定手段、この上記電流設定手段
で設定した電流設定値と上記電流検出手段で検出した電
流検出値が一致するように上記インバータ部のスイッチ
ング周波数を直列共振回路の共振周波数以上の範囲で制
御する周波数制御手段、上記誘電体電極間に発生する放
電電流が所定の値以下になると放電電流の減少に従いイ
ンバ−タ部の出力電圧のパルス幅を減少させるパルス幅
制御手段を備えたので、回路定数のばらつきにより誘導
性動作範囲がばらついたとしても、その都度放電電流−
スイッチング周波数特性を調整する必要がなく、しかも
スイッチング損失を低減し、高効率で低ノイズなレーザ
用電源装置を得ることができる。
【0040】また、この発明の更に別の発明に係わるレ
ーザ用電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換するコン
バータ部、スイッチング素子及びこれに並列接続された
環流ダイオードを対として構成され、上記コンバータ部
の直流出力電圧を交流電圧に変換するインバータ部、こ
のインバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘電
体電極の静電容量と直列共振回路を構成するインダクタ
ンスを有したトランス、このトランスの出力側に設けら
れた電流検出手段、上記誘電体電極間に発生する放電電
流の値を設定する電流設定手段、この電流設定手段で設
定した電流設定値と上記電流検出手段で検出した電流検
出値が一致するように上記インバータ部の出力電圧のパ
ルス幅を制御するパルス幅制御手段、上記電流設定手段
で設定した電流設定値と上記電流検出手段で検出した電
流検出値が一致するように上記インバータ部のスイッチ
ング周波数を直列共振回路の共振周波数以上の範囲で制
御する周波数制御手段、上記放電電流が所定の値以下に
なると放電電流の制御を上記周波数制御手段から上記パ
ルス幅制御手段に切り替える切り替え手段を備えたの
で、共振曲線に沿って変化するスイッチング周波数の最
大値を上限周波数まで上げることができ、ターンオン損
失を生じない放電電流の範囲が最も広くなる結果、最も
スイッチング損失を低減し、高効率で低ノイズなレーザ
用電源装置を得ることができる。
【0041】また、この発明の更に別の発明に係わるレ
ーザ用電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換するコン
バータ部、スイッチング素子及びこれに並列接続された
環流ダイオードを対として構成され、上記コンバータ部
の直流出力電圧を交流電圧に変換するインバータ部、こ
のインバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘電
体電極の静電容量と直列共振回路を構成するインダクタ
ンスを有したトランス、このトランスの出力側に設けら
れた電流検出手段、上記誘電体電極間に発生する放電電
流の値を設定する電流設定手段、この電流設定手段で設
定した電流設定値と上記電流検出手段で検出した電流検
出値が一致するように上記インバータ部の出力電圧のパ
ルス幅を制御するパルス幅制御手段、上記インバータ部
の出力側に上記高周波トランスのインダクタンスと直列
に接続された飽和リアクトルを備えたので、ターンオン
損失を生じない誘導性動作範囲を低電流域まで広げるこ
とができ、低電流域においてもスイッチング損失を低減
し、高効率で低ノイズなレーザ用電源装置を得ることが
できる。
【0042】また、この発明の更に別の発明に係わるレ
ーザ用電源装置は、上記のような発明の構成におけるイ
ンバータ部が、スイッチング素子と、これに並列に接続
されたスナバコンデンサとを備えるようにしたので、タ
ーンオフ損失も有効に低減でき、もって全体としてのス
イッチング損失を低減し、高効率で低ノイズなレーザ用
電源装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示す回路構成図であ
る。
【図2】この発明の実施の形態1のインバータ部を示す
回路構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1のパルス幅制御手段及
び周波数指令手段を示す回路構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1のターンオフ損失の低
減効果を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1の電流設定値ids とス
イッチング周波数fsの特性図である。
【図6】この発明の実施の形態1のインバータ部の出力
電圧と出力電流を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1のスナバコンデンサに
よるターンオフ損失の低減効果を示した図である。
【図8】この発明の実施の形態2を示す回路構成図であ
る。
【図9】この発明の実施の形態3を示す回路構成図であ
る。
【図10】この発明の実施の形態3の周波数制御手段及
びパルス幅指令手段を示す回路構成図である。
【図11】この発明の実施の形態3の電流設定値ids と
パルス幅信号Tw の特性図である。
【図12】この発明の実施の形態3の放電電流idとスイ
ッチング周波数fsの特性図である。
【図13】この発明の実施の形態5を示す回路構成図で
ある。
【図14】この発明の実施の形態5の周波数制御手段、
パルス幅制御手段及び切換手段を示す回路構成図であ
る。
【図15】この発明の実施の形態5の放電電流idとスイ
ッチング周波数fsの特性図である。
【図16】この発明の実施の形態7を示す回路構成図で
ある。
【図17】この発明の飽和リアクトルの電流と磁束の関
係を示す図である。
【図18】従来のレーザ用電源装置を示す回路構成図で
ある。
【図19】従来のレーザ用電源装置のインバータ部を示
す回路構成図である。
【図20】従来のレーザ用電源装置のパルス幅制御手段
を示す回路構成図である。
【図21】従来のレーザ用電源装置のインバータ部の出
力電圧と出力電流を示す図である。
【図22】従来のレーザ用電源装置のタイムチャートを
示す図である。
【図23】従来のレーザ用電源装置の誘電体電極の静電
容量Cと放電電流idの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 商用電源 2 コンバータ部 3 インバータ部 4 高周波トランス 5 誘電体電極 7 電流検出手段 8 電流設定手段 9 パルス幅制御手段 10 周波数指令手段 11 スイッチング素子 13 スナバコンデンサ 20 周波数制御手段 21 パルス幅指令回路 23 切換手段 27 飽和リアクトル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ
    部、 スイッチング素子及びこれに並列接続された環流ダイオ
    ードを対として構成され、上記コンバータ部の直流出力
    電圧を交流電圧に変換するインバータ部、 このインバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘
    電体電極の静電容量と直列共振回路を構成するインダク
    タンスを有したトランス、 上記インバータ部の出力電流の立ち上がりが上記インバ
    −タ部の出力電圧の立ち上がりより遅れるように上記イ
    ンバ−タ部を制御するインバ−タ制御手段、を備えたこ
    とを特徴とするレーザ用電源装置。
  2. 【請求項2】交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ
    部、 スイッチング素子及びこれに並列接続された環流ダイオ
    ードを対として構成され、上記コンバータ部の直流出力
    電圧を交流電圧に変換するインバータ部、 このインバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘
    電体電極の静電容量と直列共振回路を構成するインダク
    タンスを有したトランス、 このトランスの出力側に設けられた電流検出手段、 上記誘電体電極間に発生する放電電流の値を設定する電
    流設定手段、 この電流設定手段で設定した電流設定値と上記電流検出
    手段で検出した電流検出値が一致するように上記インバ
    ータ部の出力電圧のパルス幅を制御するパルス幅制御手
    段、 上記インバータ部の出力電流の立ち上がりが上記インバ
    −タ部の出力電圧の立ち上がりより遅れるように上記放
    電電流の減少に応じて上記インバ−タ部のスイッチング
    周波数を増加させる周波数指令手段、を備えたことを特
    徴とするレーザ用電源装置。
  3. 【請求項3】交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ
    部、 スイッチング素子及びこれに並列接続された環流ダイオ
    ードを対として構成され、上記コンバータ部の直流出力
    電圧を交流電圧に変換するインバータ部、 このインバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘
    電体電極の静電容量と直列共振回路を構成するインダク
    タンスを有したトランス、 このトランスの出力側に設けられた電流検出手段、 上記誘電体電極間に発生する放電電流の値を設定する電
    流設定手段、 この上記電流設定手段で設定した電流設定値と上記電流
    検出手段で検出した電流検出値が一致するように上記イ
    ンバータ部のスイッチング周波数を直列共振回路の共振
    周波数以上の範囲で制御する周波数制御手段、 上記誘電体電極間に発生する放電電流が所定の値以下に
    なると放電電流の減少に従いインバ−タ部の出力電圧の
    パルス幅を減少させるパルス幅制御手段、を備えたこと
    を特徴とするレーザ用電源装置。
  4. 【請求項4】交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ
    部、 スイッチング素子及びこれに並列接続された環流ダイオ
    ードを対として構成され、上記コンバータ部の直流出力
    電圧を交流電圧に変換するインバータ部、 このインバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘
    電体電極の静電容量と直列共振回路を構成するインダク
    タンスを有したトランス、 このトランスの出力側に設けられた電流検出手段、 上記誘電体電極間に発生する放電電流の値を設定する電
    流設定手段、 この電流設定手段で設定した電流設定値と上記電流検出
    手段で検出した電流検出値が一致するように上記インバ
    ータ部の出力電圧のパルス幅を制御するパルス幅制御手
    段、 上記電流設定手段で設定した電流設定値と上記電流検出
    手段で検出した電流検出値が一致するように上記インバ
    ータ部のスイッチング周波数を直列共振回路の共振周波
    数以上の範囲で制御する周波数制御手段、 上記放電電流が所定の値以下になると放電電流の制御を
    上記周波数制御手段から上記パルス幅制御手段に切り替
    える切り替え手段、を備えたことを特徴とするレーザ用
    電源装置。
  5. 【請求項5】交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ
    部、 スイッチング素子及びこれに並列接続された環流ダイオ
    ードを対として構成され、上記コンバータ部の直流出力
    電圧を交流電圧に変換するインバータ部、 このインバータ部の出力側に接続されレーザ発振器の誘
    電体電極の静電容量と直列共振回路を構成するインダク
    タンスを有したトランス、 このトランスの出力側に設けられた電流検出手段、 上記誘電体電極間に発生する放電電流の値を設定する電
    流設定手段、 この電流設定手段で設定した電流設定値と上記電流検出
    手段で検出した電流検出値が一致するように上記インバ
    ータ部の出力電圧のパルス幅を制御するパルス幅制御手
    段、 上記インバータ部の出力側に上記高周波トランスのイン
    ダクタンスと直列に接続された飽和リアクトル、を備え
    たことを特徴とするレーザ用電源装置。
  6. 【請求項6】周波数指令手段は、周波数が所定の範囲内
    にあるように制御する上限下限リミッター回路を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5記載のレーザ用
    電源装置。
  7. 【請求項7】インバータ部は、 スイッチング素子と、 これに並列に接続されたスナバコンデンサと、を備えた
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6記載のレーザ用
    電源装置。
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