JPH09129184A - 蛍光ランプ、蛍光ランプ装置、光触媒装置、照明装置および物品 - Google Patents

蛍光ランプ、蛍光ランプ装置、光触媒装置、照明装置および物品

Info

Publication number
JPH09129184A
JPH09129184A JP25415095A JP25415095A JPH09129184A JP H09129184 A JPH09129184 A JP H09129184A JP 25415095 A JP25415095 A JP 25415095A JP 25415095 A JP25415095 A JP 25415095A JP H09129184 A JPH09129184 A JP H09129184A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorescent lamp
photocatalyst
main body
rare gas
ultraviolet rays
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP25415095A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3551279B2 (ja
Inventor
Akiko Saito
明子 斉藤
Akira Taya
明 田屋
Miho Saito
美保 斉藤
Keiji Hatakeyama
圭司 畠山
Kunio Yuasa
邦夫 湯浅
Ariyoshi Ishizaki
有義 石崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Lighting and Technology Corp filed Critical Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority to JP25415095A priority Critical patent/JP3551279B2/ja
Publication of JPH09129184A publication Critical patent/JPH09129184A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3551279B2 publication Critical patent/JP3551279B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】低温雰囲気でも効果的に光触媒作用を得ること
ができる蛍光ランプ、脱臭装置、照明装置および物品を
提供することを目的とする。 【解決手段】蛍光ランプ2は、透光性気密容器2aと;
前記容器2内に封入されたキセノンを主体とした希ガス
を含む放電媒体と;前記容器2内に放電を生起させる手
段と;前記容器内面に形成され、希ガスが放射する紫外
線によって励起されて少なくとも300〜400nmの
波長領域内の紫外線を発光する蛍光体層と;を具備して
いることを特徴とする。この蛍光ランプ2に光学的に対
向して光触媒体1を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光ランプおよび
この蛍光ランプの光を利用する光触媒体を有する光触媒
装置、照明装置および物品に関する。
【0002】
【従来の技術】光触媒作用を利用した装置は、例えば特
公平6−44976号公報に記載されたものが知られて
いる。この装置は脱臭装置であり、主に紫外線を放射す
る放電ランプと光触媒体とから構成されている。光触媒
体は、例えば酸化チタン等を基体上に膜形成したもので
あり、放電ランプから放射された紫外線が照射される
と、光触媒体が活性化されてその表面は酸化分解力を生
じ、表面に付着する有機物等を分解する。この光触媒体
に窒素化合物や硫黄化合物等の臭気を含む空気を送風す
る送風機を設けることにより、臭気が効果的に分解され
るので雰囲気中の脱臭を行うことができる。紫外線を放
射する放電ランプとしては、殺菌ランプや水銀ランプ等
の水銀が封入された放電ランプが用いられている。この
放電ランプは、主に水銀が放射する波長254nmの紫
外線が利用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記放電ランプの発光
効率は水銀蒸気圧に依存するが、この蒸気圧は周囲温度
によって変化する。周囲温度が低温になると水銀蒸気圧
も低下するので、光束が低下するとともに光束立上がり
が遅くなってしまう。したがって、従来の脱臭装置は、
冷蔵庫内や冬季の低温状態では、十分な脱臭効果が得ら
れなという問題がある。
【0004】また、水銀が放射する波長254nmの紫
外線は、皮膚や目等の人体に及ぼす影響が大きく、また
樹脂材料等が変色ないし劣化しやすいので、こうした紫
外線が人体や周辺物体に照射される環境に使用すること
は好ましくない。したがって、装置の使用形態を制限し
たり、装置からこうした紫外線が漏れないようにカバー
等の特別な構造を用いなければならない。
【0005】本発明は、低温雰囲気でも効果的に光触媒
作用を得ることができる蛍光ランプ、光触媒装置、照明
装置および物品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の蛍光ランプ
は、透光性気密容器と;前記容器内に封入されたキセノ
ンを主体とした希ガスを含む放電媒体と;前記容器内に
放電を生起させる手段と;前記容器内面に形成され、希
ガスが放射する紫外線によって励起されて少なくとも3
00〜400nmの波長帯域内の紫外線を発光する蛍光
体層と;を具備していることを特徴とする。
【0007】本請求項および以下の請求項において、透
光性気密容器は、ソーダライムガラス、石英ガラスおよ
びセラミックス等の透光性材料で形成され、内部に放電
空間が形成される。一般的なソーダライムガラスやほう
珪酸ガラスの一種等は300nm未満の波長の紫外線が
透過しない。このため、このガラスを容器の材料に用い
ると、人体や周辺物体へおよぼす影響の大きい紫外線が
透過しないので、好ましい。
【0008】放電媒体は、キセノンを主体とした希ガス
を含んだものであり、キセノン以外の希ガスとしてアル
ゴンやクリプトン等を含んでいてもよい。
【0009】放電を生起させる手段としては、容器内に
配設される熱陰極形または冷陰極形の内部電極や、容器
外に配設される外部電極、高周波電磁界を印加して無電
極放電を行わせるための励起コイル等を用いることがで
きる。
【0010】蛍光体層は、希ガスが放射する紫外線、例
えばキセノンが放射する波長147nmおよび190n
mの輝線の紫外線によって励起されて少なくとも300
〜400nmの波長帯域内の紫外線を発光するものであ
ればよく、発光中に大部分ないし一部分可視光線を含ん
でいてもよい。したがって、既知の蛍光体を単体または
混合して用いることができる。
【0011】次に、作用について説明する。本発明の蛍
光ランプが点灯すると、希ガス中のキセノンガス放電に
より、波長147nmおよび190nmの紫外線が発生
する。この紫外線が蛍光体層に入射すると、蛍光体は励
起されて少なくとも300〜400nmの波長帯域内の
紫外線が蛍光体層から放射される。さらに、この紫外線
は容器を透過して蛍光ランプの外部に放射される。した
がって、蛍光ランプの発する光のうち少なくとも一部帯
域の紫外線が照射されるような光学的な関係に光触媒体
を配設しておけば、光触媒体を活性化することができ
る。活性化した光触媒体により、既知の脱臭、防汚等の
作用を行わせることができる。また、この紫外線には波
長300nm未満の紫外線はほとんど含まれていないの
で、人体や周辺物体に及ぼす影響が極めて少ない。
【0012】ところで、本発明の蛍光ランプは放電媒体
の少なくとも一部がキセノンガスで構成されており、キ
セノンガスは低温でもその圧力変化が少ないから、放電
によって発生する紫外線量も変化が少ないし、また放電
の立上がりも早い。
【0013】請求項2の蛍光ランプは、請求項1記載の
蛍光ランプにおいて、蛍光体層は、一般式YPO4:C
e,Ce(Mg,Ba)Al11O19,LaPO4:Ce
およびBaSi2O5:Pbで表される蛍光体のうち少な
くとも1種を含んで構成されていることを特徴とする。
【0014】請求項3の蛍光ランプは、請求項1または
2記載の蛍光ランプにおいて、蛍光体層は、希ガスが放
射する紫外線によって励起されて可視光線を発光する蛍
光体を含んでいることを特徴とする。
【0015】本請求項において、蛍光体層は、希ガスが
放射する紫外線、例えばキセノンが放射するの147n
mおよび172nmの輝線の紫外線によって励起されて
可視光線を発光する蛍光体と、300〜400nmの波
長帯域内の紫外線を発光する蛍光体とを混合または2層
状に分けて形成されている。この蛍光体としては、例え
ば、一般式Y3(Al,Ga)5O18、Y2SiO5:C
e、BaAl12O19:Mn、Y3Al5O12:Ceで表さ
れる蛍光体が適用可能であるが、これらに限定されな
い。また、蛍光体層は、希ガスが放射する紫外線によっ
て励起されて可視光線および紫外線を発光する1種類の
蛍光体で構成されもよい。
【0016】請求項4の蛍光ランプは、請求項1ないし
3のいずれか一記載の蛍光ランプにおいて、放電媒体は
水銀を含み、蛍光体層は水銀が放射する紫外線によって
励起されて発光する蛍光体を含んでいることを特徴とす
る。
【0017】水銀は、所定圧の希ガスとともに所定量容
器に封入される。
【0018】また、水銀が放射する254nmの輝線の
紫外線によって励起される周知の蛍光体を蛍光体層に混
合または2層状に分けて形成してもよい。
【0019】この蛍光ランプは、低温時には希ガスの放
電を主体として紫外線を放射するとともに、常温時には
水銀の放電を主体として紫外線を放射する。
【0020】また、水銀が放射する365nmの輝線の
紫外線が放射されるので、この紫外線が光触媒作用に利
用できる。
【0021】請求項5の蛍光ランプは、請求項1ないし
4のいずれか一記載の蛍光ランプにおいて、容器外面に
形成された光触媒膜を具備していることを特徴とする請
求項1ないし4のいずれか一記載の蛍光ランプ。
【0022】光触媒膜は、300〜400nmの波長帯
域内の紫外線を吸収して、光触媒作用を有する金属酸化
物等からなる半導体であり、透光性を有している。光触
媒膜は、主に酸化チタン(TiO2)を主体として形成
されるが、この他に、酸化亜鉛(ZnO)、酸化セリウ
ム(Ce2O3)、酸化テルビウム(Tb2O3)、酸化マ
グネシウム(MgO)および酸化エルピウム(Er2O
3)等が適用可能である。なお、酸化チタンを用いると
きは、アナターゼ結晶を用いるのが望ましい。
【0023】光触媒膜は、金属酸化物ゾル液をディップ
法で形成し、乾燥、焼成して膜形成する方法や、金属酸
化物微粒子をバインダー溶液に分散させて塗布、乾燥さ
せて膜形成する方法等で得ることができる。
【0024】この光触媒膜は、300〜400nmの波
長帯域内の紫外線が照射されると、表面に強い酸化分解
力を持つように作用し、表面に付着した臭気等の有害物
質や有機物質を分解する。
【0025】請求項6の蛍光ランプ装置は、請求項1な
いし4のいずれか一記載の蛍光ランプと;蛍光ランプか
らの光が照射されるように蛍光ランプに光学的に対向し
て配設された光触媒体と;を具備していることを特徴と
する。
【0026】本請求項および以下の請求項において、光
触媒体は、蛍光ランプの光が照射される基体表面に光触
媒膜が形成されたもので、この基体はアルミニウム、鉄
等の金属、ガラス、セラミックス、樹脂等から形成され
る。また、光触媒体の形状は、板状、球状、ハニカム構
造を有する形状または粒状等任意である。また、基体表
面に酸化珪素や酸化アルミニウム等から形成されるアン
ダーコート層を形成し、このアンダーコート層上に光触
媒膜を形成するようにしてもよい。
【0027】また、光触媒体は、ガラスビーズ、ガラス
ウール、活性炭粉末、銅粉またはアルミナ粒子等からな
る基体に光触媒作用を有する酸化チタン等の金属酸化物
を担持させて構成してもよい。ガラスビーズ、アルミナ
粒子の平均粒径は、数mm〜数μmのものが適用可能で
ある。
【0028】請求項7の光触媒装置は、装置本体と;装
置本体に配設される請求項1ないし4のいずれか一記載
の蛍光ランプと;蛍光ランプを点灯させる点灯装置と;
蛍光ランプからの光が照射されるように装置本体に配設
された光触媒体と;を具備していることを特徴とする。
【0029】装置本体に、光触媒体に臭気を含んだ空気
を送風する送風機を配設すれば、脱臭等の作用を一層効
率的にすることができる。
【0030】請求項8の照明装置は、器具本体と;器具
本体に配設される請求項3または4記載の蛍光ランプ
と;蛍光ランプを点灯させる点灯装置と;蛍光ランプか
らの光が照射されるように器具本体に配設された光触媒
体と;を具備していることを特徴とする。
【0031】器具本体は、ソケットおよびスイッチ手段
の他に、セード、グローブ、ルーバまたはプリズムカバ
ー等の制光体や、反射体、透光カバー等の部品も含まれ
るものであり、蛍光ランプの光が照射される部品の部位
であれば光触媒膜を設けることで光触媒体を形成するこ
ともできる。この場合、脱臭およまたは防汚の作用を有
する。
【0032】請求項9の物品は、請求項7記載の光触媒
装置と;光触媒装置が配設された本体と;本体内に低温
雰囲気を形成する冷却手段と;を具備していることを特
徴とする。
【0033】請求項10の物品は、請求項8記載の照明
装置と;照明装置が配設された本体と;本体内に低温雰
囲気を形成する冷却手段と;を具備していることを特徴
とする。
【0034】冷却手段を有する物品としては、冷蔵庫、
冷凍庫、車輌および船舶等の輸送体、エアコンディショ
ナー等が含まれ、一般的な物品の定義に含まれないが、
本発明では冷凍倉庫および冷蔵倉庫等の建造物も含まれ
る。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。
【0036】図1は、本発明の蛍光ランプ装置の第1実
施形態を示し、(a)は斜視図、(b)は(A)のb−
b線概略断面図、(c)は(b)の要部拡大断面図であ
る。
【0037】1は光触媒体、2蛍光ランプである。蛍光
ランプ2は、U字形の透光性気密容器2a、容器内2a
壁面に形成された例えばYPO4:Ceからなる紫外線
用蛍光体層2b、希ガスを主体とした放電媒体、容器2
aの両端側に配設された筒形のニッケル電極からなる放
電を生起させる手段としての電極手段(図示しない)か
ら構成されている。この構成は冷陰極形の蛍光ランプで
ある。また、放電媒体の希ガスとして、キセノンガスが
約9300Pa封入さている。容器2aは、U字型に曲
成加工されており、直径8mm、全長100mmの寸法
を有している。
【0038】3は蛍光ランプ装置3であり、光触媒体1
と蛍光ランプ2から構成される。
【0039】光触媒体1は支持体1aの表面ほぼ全体に
亘って、平均粒径約0.04μmのTiO2を主体とし
た微粒子を約20g被着することによって光触媒膜1b
を形成している。
【0040】次に、光触媒体1の形成方法について説明
する。まず、テトライソプロピルチタネートモノマーを
グリセリンおよびアセチルアセトンでキレート化したも
の、およびガラス質形成剤(P2O5)を、酢酸エチル−
エタノール系混合溶媒に加えて溶液化した後、この混合
溶液中に、平均粒径7mm、比表面積300m2/gの
アナターゼ結晶型のTiO2超微粒子を分散・懸濁させ
て、懸濁液を調製する。この懸濁液を、予め用意してお
いた断面略X字型のセラミックス製または金属製支持体
1a面に塗布し、150℃×30分間焼成処理を施し
て、アナターゼ結晶型のTiO2微粒子を主体とする光
触媒膜1bが形成される。
【0041】蛍光ランプ装置3は、その一部をなす蛍光
ランプ2に、図示してないパルス点灯のインバータを介
して、約5mA(実行値)の電流を流したとき、蛍光ラ
ンプ2外周面から2mm離れたところでの紫外線強度が
約0.4mW/cm2であった。 図2は、蛍光ランプ
装置3の殺菌効果を評価した結果を示すグラフである。
測定は、大腸菌のコローニを蛍光ランプ装置3の周囲に
撒いて、点灯・照射時間(分)と生菌数の数とを調べ
た。その結果、図2に示すような滅菌傾向が確認され
た。縦軸は生菌数[cm-2]、横軸は照射時間である。
【0042】図3および図4は、蛍光ランプ装置3の他
の変形例の概略断面図である。本変形例は、光触媒体1
を断面C形にして、蛍光ランプ2の直管部両側、または
光触媒体1を断面E形にして、蛍光ランプ2の直管部に
平行的にそれぞ配置した構成である。
【0043】なお、蛍光ランプ2は、曲成部のほぼ中央
を境界にして両直管と内壁面の蛍光体層2bを、一般的
な白色蛍光体とYPO4:Ce、Ce(Mg,Ba)A
l11O19、LaPO4:CeおよびBaSi2O5Pbで
示される少なくとも1種を主体とした蛍光体で塗り分け
た構成としてもよい。
【0044】図5は、本発明の蛍光ランプの第2実施形
態の蛍光ランプを示し、(a)は蛍光ランプ2の縦断面
図、(b)は一部拡大断面図である。本形態は、第1実
施形態と同寸法の蛍光ランプ2の外周面に、透光性を有
するアナターゼ結晶形のTiO2微粒子を主体とする光
触媒膜1bを一体的に形成した構成である。この蛍光ラ
ンプ2を、第1実施形態と同様に殺菌効果について評価
したところ、同様の結果が得られた。
【0045】図6は、本発明の蛍光ランプの第3実施形
態を示し、(a)は一部を拡大した縦断面図、(b)は
同じく横断面図、(c)は光触媒作用を有する微粒子の
概念図である。
【0046】まず、平均粒径7nm、比表面積300m
m/gのアナターゼ結晶形のTiO2超微粒子および活
性炭微粒子を分散・懸濁させて、懸濁液を調製した。こ
の懸濁液を、第1実施形態と同様の蛍光ランプ2の容器
2a外面に塗布し、150℃×30分間乾燥処理を施し
て、活性炭微粒子1b1を含有するアナターゼ結晶形の
TiO2微粒子1b2系の光触媒膜1′を作成した。な
お、光触媒膜1′においては、図6(c)に示すよう
に、活性炭微粒子1b1表面に、アナターゼ結晶形のT
iO2微粒子1b2が付着した状態で混在している。
【0047】この蛍光ランプ2の点灯状態で、長期間に
亘って消臭作用を試験評価したところ、活性炭の消臭作
用または脱臭作用と相俟って、消臭効果の向上が認めら
れた。また、この過程において、たとえばTiO2微粒
子1b2に対して、微粒子1b1を1:2の割合で混在さ
せた場合、活性炭自体も常に活性化されて半永久的に、
良好な消臭機能を呈することが確認された。
【0048】図7は支持体の変形例を示す一部拡大図で
ある。支持体1a′は、円板状ハニ力ム構造体を使用し
ており、光触媒作用面がより広く確保されるため、殺
菌、消臭作用、有機物の酸化分解作用等がさらに助長さ
れる。この支持体1a′に、第3実施形態の光触媒膜の
ような活性炭微粒子1b1表面にアナターゼ結晶形のT
iO2微粒子1b2が付着した光触媒膜1′を形成しても
よい。
【0049】図8は、本発明の蛍光ランプの第4実施形
態を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)を一部拡
大した断面図である。
【0050】まず、平均粒径7nm、比表面積300m
m2/gのアナターゼ結晶形のTiO2超微粒子および平
均粒径1mmのガラスビーズ粒子(光散乱剤)を分散・
懸濁させて、懸濁液を調製した。ここで、懸濁液中のT
iO2超微粒子とガラスビーズ粒子との割合は、1:
0.1である。
【0051】次に、第1実施形態と同様の蛍光ランプ2
の容器2a外周面に、懸濁液を塗布・乾燥、焼成して、
ガラスビーズ粒子1b3を含有するTiO2超微粒子1b
2系の光触媒膜1″が形成する。
【0052】図9は、蛍光ランプ2の殺菌効果を評価し
た結果を示すグラフである。測定は、蛍光ランプ2を、
第1実施形態と同様に殺菌効果について評価した。図9
に示すように、本実施形態においても光触媒作用につい
て良好な結果が得られた。
【0053】図10は、本発明の蛍光ランプ装置の第5
実施形態を示す正面図である。
【0054】この蛍光ランプ装置3は、断面X字形の光
触媒体1、この光触媒体1が直管部間に配設されるU字
形蛍光ランプ2、安定器等の点灯装置4、ソケット部5
から構成されている。
【0055】この蛍光ランプ装置3を冷蔵庫内に設置し
て、その殺菌、消臭効果を試験したところ、4℃程度の
低温でも所要の照明用光源として機能するとともに、第
1および第3実施形態と同様の結果が得られた。
【0056】さらに、蛍光ランプ装置3の蛍光ランプ2
に、図5、図6および図8にそれぞれ例示する光触媒膜
1′,1″を形成しても同様な作用効果が認められた。
【0057】図11は、本発明の照明装置の第6実施形
態を示し、(a)は斜視図、(b)は縦断面図である。
【0058】容器2aは、直径6mm、全長200mm
の寸法を有している。6はアルミニウム系反射板を有す
る装置本体、1aはアルミニウム系反射板の反射内壁面
に配設された比表面積を大きくしたハニカム構造体、た
とえばセラミックス製で厚さ方向に貫通孔が設けられた
断面C字形の曲成板であり、この曲成板の貫通孔内壁面
を含む全面に、平均粒径0.04μmのTiO2超微粒
子を塗布、焼成して光触媒膜1bを担持させている。
【0059】容器2a内壁面には、BaSi2O5:P
b、YPO4:Ce、Ce(Mg,Ba)Al11O19、
LaPO4:Ce、(Ca,Zn)3(PO4)2:Tlま
たはSrB4O7:Euの紫外線用蛍光体層が設けられ
る。また、放電媒体としてキセノンガス(希ガス)が約
3990Pa封入またはキセノンガス約3990Paと
所定量の水銀とが封入される。 蛍光ランプ2の光出力
を、各蛍光体および放電媒体毎に測定した結果を表1に
示す。なお、相対光出力(%)は、SrB4O7:Euを
蛍光体層とし、希ガス−水銀を封入した蛍光ランプの光
出力を基準(100%)としたものである。
【0060】
【表1】 BaSi2O5:Pbを蛍光体層とし、希ガスを封入した
蛍光ランプの光出力は、当初43.3%で大きいが点灯
中での劣化が大きく、光出力および寿命特性の点で、Y
PO4:Ce、Ce(Mg,Ba)Al11O19、LaP
O4:Ceを蛍光体層として備えた場合が好ましい。
【0061】図12はこの照明装置の脱臭効果について
評価した結果を示すグラフである。照明装置を−5℃の
冷蔵室内に設置し、パルス点灯方式または交流を整流し
た回路を用いて点灯し、玉葱の臭気物質であるメチルカ
プタン10ppmの濃度変化から脱臭効果を試験した。
また、比較例として、放電媒体を水銀−アルゴン系とし
た蛍光ランプを用いた他は、同じ構成とした照明装置に
ついて、前記と同様の条件で、脱臭効果を試験したとこ
ろ曲線Aで示すごとくであった。
【0062】図12の各特性曲線A,aから分かるよう
に、本実施形態の照明装置の場合は、60分後でメチル
カプタン濃度が80%も減少していたのに対して、比較
例の場合は60分後でメチルカブタン濃度が30%低減
しているに過ぎなかった。
【0063】なお、蛍光ランプ2の蛍光体層をYPO
4:Ceで形成する代わりに、Ce(Mg,Ba)Al1
1O19またはLaPO4:Ce、YPO4:Ce、Ce
(Mg,Ba)Al11O19、LaPO4:Ceの2種以
上の混合系、またはYPO4:Ce、Ce(Mg,B
a)Al11O19、LaPO4:Ce等を主成分とした混
合系の場合でも、希ガスが放射する紫外線で効率よく発
光して、光触媒膜を効率よく作用させることが確認され
た。
【0064】図13は、本発明の物品の第7の実施形態
を示す概念図である。
【0065】6は冷蔵庫本体で。この本体6には冷蔵室
7、コンプレサー等からなる冷却手段8、脱臭装置等の
光触媒装置9から構成されている。10は冷蔵庫本体6
の開閉扉である。
【0066】光触媒装置9は、第1実施形態と同様に希
ガスが封入された蛍光ランプ9aと光触媒体9bとが配
設されている。この光触媒装置9は、冷蔵室7内の空気
を光触媒体9bに送風させる通気孔または送風機(図示
しない)等の構成を有している。蛍光ランプ9aは、3
00〜400nmの紫外線とともに可視光線を放射する
ものでもあってもよく、この場合には庫内灯としても作
用する。また、本体6の背面部に形成された通気路出口
付近には、冷却手段8で発生した冷気を冷蔵室7内へ循
環させる送風機8aが配設されている。
【0067】こうして、光触媒装置9が冷蔵室7内の臭
気を酸化分解して、消臭等の作用を行う。光触媒装置9
の蛍光ランプ9aには、希ガスが封入されているので、
冷蔵室7内のように5℃以下の低温雰囲気でも光束が低
下することなく点灯し、効率的な光触媒作用が行われ
る。
【0068】
【発明の効果】本発明の蛍光ランプ、蛍光ランプ装置、
光触媒装置、照明装置および物品によれば、人体および
周辺物体に及ぼす影響が少なく、かつ低温雰囲気であっ
ても、光触媒作用を得ることができ、低温雰囲気内の脱
臭、殺菌等を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光ランプ装置の第1実施形態を示
し、(a)は斜視図、(b)は(A)のb−b線概略断
面図、(c)は(b)の要部拡大断面図。
【図2】第1の実施形態の殺菌効果を評価した結果を示
すグラフ。
【図3】第1の実施形態の他の変形例の概略断面図。
【図4】第1の実施形態の他の変形例の概略断面図。
【図5】本発明の蛍光ランプの第2実施形態を示し、
(a)は縦断面図、(b)は一部拡大断面図。
【図6】本発明の蛍光ランプの第3実施形態を示し、
(a)は一部を拡大した縦断面図、(b)は同じく横断
面図、(c)は光触媒作用を有する微粒子の概念図。
【図7】上記各実施形態の支持体の変形例を示す一部拡
大図。
【図8】本発明の蛍光ランプの第4実施形態を示し、
(a)は縦断面図、(b)は(a)を一部拡大した断面
図。
【図9】第4の実施形態の殺菌効果を評価した結果を示
すグラフ。
【図10】本発明の蛍光ランプ装置の第5実施形態を示
す正面図。
【図11】本発明の照明装置の第6実施形態を示し、
(a)は斜視図、(b)は縦断面図。
【図12】第6の実施形態の脱臭効果について評価した
結果を示すグラフ。
【図13】本発明の物品の第7の実施形態を示す概念
図。
【符号の説明】
1…光触媒体、 1′,1″,1b…光触媒膜、 2…蛍光ランプ、 2a…蛍光体層、 2b…透光性気密容器、 3…蛍光ランプ装置、 4…点灯装置、 6…装置本体、 7…冷蔵庫としての物品、 9…光触媒装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 61/52 H01J 61/52 L (72)発明者 畠山 圭司 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 湯浅 邦夫 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 石崎 有義 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性気密容器と;前記容器内に封入され
    たキセノンを主体とした希ガスを含む放電媒体と;前記
    容器内に放電を生起させる手段と;前記容器内面に形成
    され、希ガスが放射する紫外線によって励起されて少な
    くとも300〜400nmの波長帯域内の紫外線を発光
    する蛍光体層と;を具備していることを特徴とする蛍光
    ランプ。
  2. 【請求項2】蛍光体層は、一般式YPO4:Ce,Ce
    (Mg,Ba)Al11O19,LaPO4:CeおよびB
    aSi2O5:Pbで表される蛍光体のうち少なくとも1
    種を含んで構成されていることを特徴とする請求項1記
    載の蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】蛍光体層は、希ガスが放射する紫外線によ
    って励起されて可視光線を発光する蛍光体を含んでいる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の蛍光ランプ。
  4. 【請求項4】放電媒体は水銀を含み、蛍光体層は水銀が
    放射する紫外線によって励起されて発光する蛍光体を含
    んでいることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    一記載の蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】容器外面に形成された光触媒膜を具備して
    いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記
    載の蛍光ランプ。
  6. 【請求項6】請求項1ないし4のいずれか一記載の蛍光
    ランプと;蛍光ランプからの光が照射されるように蛍光
    ランプに光学的に対向して配設された光触媒体と;を具
    備していることを特徴とする蛍光ランプ装置。
  7. 【請求項7】装置本体と;装置本体に配設される請求項
    1ないし4のいずれか一記載の蛍光ランプと;蛍光ラン
    プを点灯させる点灯装置と;蛍光ランプからの光が照射
    されるように装置本体に配設された光触媒体と;を具備
    していることを特徴とする光触媒装置。
  8. 【請求項8】器具本体と;器具本体に配設される請求項
    3または4記載の蛍光ランプと;蛍光ランプを点灯させ
    る点灯装置と;蛍光ランプからの光が照射されるように
    器具本体に配設された光触媒体と;を具備していること
    を特徴とする照明装置。
  9. 【請求項9】請求項7記載の光触媒装置と;光触媒装置
    が配設された本体と;本体内に低温雰囲気を形成する冷
    却手段と;を具備していることを特徴とする物品。
  10. 【請求項10】請求項8記載の照明装置と;照明装置が
    配設された本体と;本体内に低温雰囲気を形成する冷却
    手段と;を具備していることを特徴とする物品。
JP25415095A 1995-05-25 1995-09-29 低温用光触媒装置付き物品および低温用照明装置付き物品 Expired - Fee Related JP3551279B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25415095A JP3551279B2 (ja) 1995-05-25 1995-09-29 低温用光触媒装置付き物品および低温用照明装置付き物品

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12651295 1995-05-25
JP22380195 1995-08-31
JP7-223801 1995-08-31
JP7-126512 1995-08-31
JP25415095A JP3551279B2 (ja) 1995-05-25 1995-09-29 低温用光触媒装置付き物品および低温用照明装置付き物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09129184A true JPH09129184A (ja) 1997-05-16
JP3551279B2 JP3551279B2 (ja) 2004-08-04

Family

ID=27315339

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25415095A Expired - Fee Related JP3551279B2 (ja) 1995-05-25 1995-09-29 低温用光触媒装置付き物品および低温用照明装置付き物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3551279B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294230A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Kasei Optonix Co Ltd 真空紫外線励起用アルミノ珪酸塩蛍光体及びその蛍光体を用いた真空紫外線励起発光素子
JP2002358926A (ja) * 2001-05-31 2002-12-13 Harison Toshiba Lighting Corp 紫外線蛍光ランプ
EP1929503A2 (en) * 2005-09-29 2008-06-11 Osram-Sylvania Inc. Uv-emitting phosphors, phosphor blend and lamp containing same
CN114249379A (zh) * 2021-12-24 2022-03-29 内蒙古工业大学 一种光催化污染物降解反应装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294230A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Kasei Optonix Co Ltd 真空紫外線励起用アルミノ珪酸塩蛍光体及びその蛍光体を用いた真空紫外線励起発光素子
JP2002358926A (ja) * 2001-05-31 2002-12-13 Harison Toshiba Lighting Corp 紫外線蛍光ランプ
EP1929503A2 (en) * 2005-09-29 2008-06-11 Osram-Sylvania Inc. Uv-emitting phosphors, phosphor blend and lamp containing same
EP1929503A4 (en) * 2005-09-29 2009-01-14 Osram Sylvania Inc UV-EMITTING PHOSPHORES, PHOSPHORUS MIXTURE AND LAMP COMPRISING THE SAME
CN114249379A (zh) * 2021-12-24 2022-03-29 内蒙古工业大学 一种光催化污染物降解反应装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3551279B2 (ja) 2004-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3508894B2 (ja) 蛍光ランプ、脱臭装置、照明装置、建築構造体および移動体
JP3573392B2 (ja) 光触媒体、光源および照明器具
JP4647745B2 (ja) 水殺菌装置
JP2001187124A (ja) 脱臭装置および冷蔵庫
HU201176B (en) Metal-vapour gas discharge lamp
JP2001081460A (ja) 紫外発光物質及びこれを使用した紫外線発光蛍光ランプ、紫外発光素子
JP2001172624A (ja) 紫外発光物質及びこれを使用した紫外線発光蛍光ランプ、紫外発光素子
JP2004166996A (ja) 光触媒ユニット、脱臭装置及び冷蔵庫
JP3551279B2 (ja) 低温用光触媒装置付き物品および低温用照明装置付き物品
HU181471B (en) Low-pressure mercury vapour discharge lamps
JP2013536545A (ja) Uv−a又はuv−b放射放電ランプ
JP3978688B2 (ja) 屋外用照明装置
JP4159276B2 (ja) 紫外線発光器
JPH0929103A (ja) 光触媒体、光触媒装置、光源および照明器具
JP2001155690A (ja) 光触媒機構、光触媒脱臭器および光触媒脱臭機能付装置
JP3491382B2 (ja) 蛍光ランプおよび照明器具
JP2000279494A (ja) 空気清浄装置および光触媒用蛍光ランプ
JPH09262483A (ja) 光触媒体およびランプならびに照明器具
JP2001506403A (ja) 低圧水銀放電ランプ
JP4459022B2 (ja) 清浄装置
JP3772388B2 (ja) 光触媒体、白熱電球、放電ランプおよび照明器具
JPH1050261A (ja) 放電ランプ、照明装置、および表示装置
JP3396993B2 (ja) 蛍光ランプおよび照明器具
JPH119994A (ja) 光触媒体および光源
JP2000005606A (ja) 光触媒体、ランプおよび照明器具

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040115

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20040401

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20040414

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees