JPH09129179A - 放電ランプ用電極およびその製造方法 - Google Patents

放電ランプ用電極およびその製造方法

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JPH09129179A
JPH09129179A JP30969195A JP30969195A JPH09129179A JP H09129179 A JPH09129179 A JP H09129179A JP 30969195 A JP30969195 A JP 30969195A JP 30969195 A JP30969195 A JP 30969195A JP H09129179 A JPH09129179 A JP H09129179A
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Susumu Nakanishi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の電極よりも約1000℃低い動作温度で
あるため、電極の蒸発、黒化、磨耗の少ない放電ランプ
用電極を提供することにある。 【解決手段】電子放射性物質と高融点金属粉末の混合物
22が、先端が略円錐形状をした基体金属21の中に加
圧挿入されてなり、当該先端において前記混合物22が
露出してなることを特徴とする。また、電子放射性物質
は、主成分がアルカリ土類金属の酸化物、ランタンやイ
ットリウムの酸化物であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光化学産業分
野、半導体デバイスの製造分野、照明分野などで使用す
る放電ランプの電極に関する。
【0002】
【従来の技術】放電ランプは、石英ガラスの容器の中に
陽極と陰極が対向配置して、水銀、キセノン、アルゴン
などが必要に応じて封入されてなり、電極間に生じるア
ーク放電によって発光する。このような放電ランプを、
長時間にわたって安定点灯させるためには、第1に点灯
時間の経過とともに生じる電極先端のアーク放出部分の
変形をできるだけ少なくさせて、第2に石英ガラスの内
面を汚すことなく、さらに、電極間に生じるアークを常
に安定させることが必要である。このうち、電極の変形
は、ランプ点灯中の高温条件下で電極自体が磨耗するこ
とで起こることが多く、磨耗が起こると、電極の構成物
が発光管内面に汚れとなり、また、アークも変動させて
しまう。つまり、長時間にわたって安定点灯させる上記
3つの要件のうち電極の磨耗が原因として大きく、磨耗
によって他の2つの現象が派生しているといえる。
【0003】一般に、放電ランプの電極の先端形状は、
陰極は電子放射を容易にするべく急峻な円錐形状をな
し、一方、陽極は放射された電子を受けやすくするため
ほぼ平坦に近い形状をなす。そして、例えば、約5mm程
度の間隙をもって配置されている。また、放電ランプ
は、点灯中に高温となる陽極を下方に垂直点灯する場合
が多く、この場合、陰極の先端は陽極側から輻射熱、対
流熱として多大な熱を受けることになり、これにより、
熔融を招いて磨耗化を進める原因となる。特に、陰極先
端は、前述のごとく、急峻な円錐形状をしているので、
その熱容量は小さいものであり先端部で受けた熱を容易
に後端部に伝達することができない。また、先端部のみ
ならず円錐形の側面部からも熱を受けてしまい磨耗化を
より一層進めることになる。このような問題に対処すべ
く、陰極の先端を陽極と同じように、ほぼ平坦状、ある
いは、限りなく平坦に近くして熱容量が大きく耐熱性が
あるものにできるが、電子の放射という観点からは好ま
しくない。
【0004】ここで、陰極は、一般には、タングステン
の中に電子放射性物質としてトリヤ(ThO2)を含有したも
のが用いられる。このトリヤ含有型の電極は、動作温度
が、例えば、2500℃程度の高いものであり、この高温に
よって磨耗を招いてしまう。つまり、陰極から電子を放
射するために高い温度を必要として、その温度自体で陰
極の磨耗を導いてしまうことになる。また、陰極は高温
条件下にさらされると、単結晶構造と変化してしまい、
陰極後端部から先端部への電子放射性物質(トリヤ)の
供給が不十分となり、この結果アーク放電に影響を与え
てしまう。このようなことが起こると、アークの輝点位
置が変動して、ランプからの放射光量が減少して、さら
には、アーク放電の輝点を中心に設計した光学系の集光
効率の低下も招く。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明が解
決しようとする課題は、磨耗の少ない放電ランプ用電極
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる放電ラ
ンプ用電極は、電子放射性物質と高融点金属粉末の混合
物が、先端が略円錐形状をした筒状の基体金属の中に加
圧挿入されてなり、当該先端において前記混合物が露出
してなることを特徴とする。さらに、電子放射性物質に
は、従来のトリヤ含有型の電極に比べて約1000℃低
い動作温度を持つものがよく、具体的には主成分がアル
カリ土類金属酸化物であることを特徴とする。さらに、
電子放射性物質と高融点金属粉末の混合物が、先端が略
円錐形状をした筒状の基体金属の中に加圧挿入されてな
り、さらにその後方には、前記電子放射性物質を還元作
用する金属粉末を含む物質が加圧挿入されてなることを
特徴とする。
【0007】この発明にかかる放電ランプ用電極の製造
方法は、略棒状の金属に穴加工を施すことで有底筒状の
基体金属を形成する工程と、前記基体金属の底部を面取
り加工することで先端を略円錐形状にする工程と、当該
基体金属の内部に電子放射性物質と高融点金属粉末の混
合物を加圧挿入する工程よりなることを特徴とする。さ
らに、基体金属の内部に電子放射性物質と高融点金属粉
末の混合物を加圧挿入する工程の後に、さらに、電子放
射性物質を還元作用する金属粉末を加圧挿入する工程
と、還元された電子放射性物質が電流供給用芯線挿入穴
の隙間から拡散蒸発することを防ぐ蓋部材を加圧挿入す
る工程よりなることを特徴とする。
【0008】
【作用】この発明では、放電ランプの電極、特に陰極
が、基体金属によってその内部の混合物を先端の一部を
除いて全体を覆いつくすように構成しているので、ラン
プ点灯中の高温によって、陰極自体が磨耗変形すること
は実質的にはありえない。さらに、電子放射性物質を含
む混合物は、基体金属によって保護されているので、直
接的に熱の影響を受けることが少なく、単結晶化も防止
できる。つまり、長時間にわたって電子放射性物質の供
給を安定して行うことが可能になる。
【0009】
【実施例】図1は、この発明にかかる電極を使用した放
電ランプの全体図を示す。石英ガラスからなる放電ラン
プ10の中央には略球状の発光部12と、その両端に封
止部13が形成される。発光部12の内部には水銀、キ
セノン、アルゴンなどが封入され、かつ、陰極2と陽極
3が対向配置されてなる。このような放電ランプ10に
は、例えば、定格電圧30V、定格電力2KWで点灯す
る水銀ランプが使われる。図2は陰極2の拡大図を示
す。陰極の基体を構成する基体金属21は、その内部に
略円筒状の中空部を有してなり、その中空部に電子放射
性物質と高融点金属粉末の混合物22が圧入され、中空
部の封止部側には電流供給用の芯線23が挿入されてな
る。基体金属21の中空部内面には、焼結工程を終え
て、内部に固着した混合物22に対する移動防止用凹凸
24が形成されている。基体金属21は、混合物22を
内部に包含してなり、その先端部においてのみが混合物
22が外部に露出され、その他の部分は発光空間に露出
しないで保護されるように混合物22の外部を覆い尽く
している。
【0010】ここで、基体金属21は、ランプ点灯中に
高温に耐えられるだけの融点の高いものであって、切削
加工を行い易いものが適用される。このような条件を満
たした金属としてタングステン(W) 、モリブデン(Mo)、
タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)などが該当するが、この中で
もタングステンは最も好適な材料といえる。基体金属2
1の先端開口部、すなわち、混合物22が外部に露出す
る部分の大きさは、例えば、φ1.0 mm〜φ2.0mm であ
る。
【0011】ここで、電子放射性物質には、ストロンチ
ウム(Sr)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)などのアルカ
リ土類金属の酸化物を主成分としたものが適用される。
これは電極自体の磨耗を防止するためには、できるだけ
低い温度で機能するものが好ましいからである。アルカ
リ土類金属の酸化物を主成分としたものは、例えば、Ba
(1.8) Sr(0.2)Ca(1.0) WO3(1.0)などが適用される。し
かし、必ずしもアルカリ土類金属金属を主成分にする必
要はなく、これ以外の物質、例えば、ランタン(La)、イ
ットリウム(Y) 、セリウム(Ce)の酸化物、あるいは、こ
れらを含む混合物を必要に応じて電子放射性物質として
使うこともできる。
【0012】ここで、電子放射性物質と一緒に混合され
る金属粉末として高融点の金属が適用される。これは、
融点が低ければランプ点灯中において蒸発して黒化する
からであり、例えば、タングステンの粉末が使われる。
【0013】ここで、電流供給用の芯線23は、その先
端に取り付けられた基体金属21を重量的に保持するこ
とができて、かつ、良好に電流を供給できるだけの材
質、太さのある材料が適用される。このような条件を満
たすものとして、例えば、タングステンやモリブデンを
使用でき、例えば、φ4.0 mm〜φ8.0 mmのものが使われ
る。
【0014】次に、この電極の製造方法について説明す
る。図3(a)に示すごとく、塊状かつ棒状である金属
タングステン30に旋盤などの工作機械を使って所望の
穴加工を施し、前述の中空部を形成する。かかる穴形状
は、その内部に電子放射性物質を混入することを目的と
したものであって、側面には前述の抜け防止用凹凸を設
けるとともに、先端部は円錐形状に対応した構造を形成
する。尚、この状態においては円錐形状の先端は外部空
間には貫通することなく有底状態としておく。次に、図
3(b)に示すように、電子放射性物質とタングステン
の金属粉末の混合物22を前述の中空部に加圧挿入す
る。かかる混合物は電子放射性物質とタングステンの金
属粉末を適当な方法で混ぜ合わせたものであって、この
混合物を粉状の状態で穴加工を施した中空部に流しこ
み、押し込むような形で加圧挿入するとともに、その
後、例えば、約1600℃〜1900℃の高温状態の真空焼結炉
の中で焼成される。この状態から金属タングステン30
の先端部を円錐形状にするべく不要部分31を面取りの
ように切削加工で削除する。また、混合物22の先端が
外部空間に露出するための電子放出部32を形成するた
めに同様に不要部分が切削加工される。尚、電子放出部
32は、電極の長手方向に沿って若干の平行部分を有す
るが、これは電子放出部32を形成する際の切削加工の
作業性の便宜的なものであって必ずしも必要なものとい
うわけではない。ここまでの工程によって金属タングス
テによる基体金属21に電子放射性物質とタングステン
の金属粉末の混合物22を合体したものが出来上がる。
この工程で特徴的なところは、金属タングステン21が
混合物22に対して製造段階においては「型」としての
機能を果たすとともに、最終的には「保護カバー」とし
ての機能をも有している点にある。次に、タングステン
芯線23が金属タングステン21の中空部の後端側から
挿入される。同様に高温加熱処理などによって固着され
る。
【0015】陰極の先端形状は、図4(a) に示すよう
に、基体金属21の先端開口部41から露出する混合物
22は突き出たように形成されてもよく、また、図4
(b) に示すように基体金属21の先端開口部41に合わ
せて混合物22も平坦に加工されていても構わない。
【0016】図5に、この発明にかかる放電ランプ用電
極をさらに改良したものを示す。基体金属21の中で先
端開口部41側には、電子放射性物質と高融点金属粉末
の混合物22が存在して、その後方に、上記混合物22
に還元剤が適量添加された物質25が存在する。この還
元剤は電子放射性物質に対して還元作用を行う。この構
造によれば、還元剤によって、バリウム(Ba)などの電子
放射性物質が還元されて先端開口部41に良好に供給さ
れ、還元材として、例えば、粉末状のジルコニウム(Z
r)、チタニウム(Ti)が適用される。
【0017】さらに、この還元剤を含む物質25の後方
であって、電流供給用芯線23との間には蓋部材26が
挿入される。この蓋部材26によって、過剰の電子放射
性物質が生じた時に、基体金属21と芯線23との隙間
から拡散蒸発することを防止できる。蓋部材26には、
タングステンの金属粉末が適用される。
【0018】この発明にかかる放電ランプの数値例を示
す。高圧放電ランプであり、定格電力2000W、定格
電圧30V、定格電流65Aである。また、陰極の構造
は、基体金属21に金属タングステンを用い、全長20
mm、外径φ10mm、内径φ3.5 mm、先端切削角度70
°、先端の混合物22が露出した部分の穴径φ1mmであ
る。また、芯線23は外径φ6mmであり、基体金属21
内の先端部に加圧挿入された混合物22は、バリウム系
の電子放射性物質が10%と他にタングステン、その後
方には、バリウム系電子放射性物質が10%とタングス
テン金属粉末80%と還元剤(ジルコニウムとチタン)
が10%が挿入されてなる。さらに、その後方には厚さ
3mmの金属タングステンが蓋部材として挿入されてな
る。一方、陽極には、例えば、外径φ12mm、長さ20
mmのものが適用されて、また、発光管は最大内径がφ6
0mmであり、その内部には水銀と不活性ガスの混合体
が、ランプ点灯時に約40気圧になるように封入されて
なる。この発明にかかる電極は、その適用範囲が特に制
限されるものではなく、放電ランプ一般に使用すること
ができるが、電極の磨耗を良好に抑えるという利点を有
するので電極自体が高温化する大電力ランプに特に有効
といえる。具体的には定格電力1KW以上のものに好適
に採用される。
【0019】次に、この発明にかかる電極を使った場合
の寿命の効果について説明する。図6において本発明に
かかる電極を使った放電ランプを「A」で表し、従来の
電極を使った放電ランプを「B」で表す。ここで、従来
の電極とはタングステンの中に酸化トリウム(ThO2) を
混合させたものである。図において、横軸はランプの点
灯経過時間を表し、縦軸には点灯初期の放射光量を10
0%として各時間における光量をその比較において表
す。この結果、本発明にかかる電極を使った放電ランプ
では、点灯3000時間経過後においても初期光量の8
0%を維持することができているのに対し、従来の電極
を使った放電ランプでは、点灯1500時間において初
期光量の80%に達していることがわかる。ここで、点
灯初期の光量の80%という数値は、まだ十分に産業上
利用できることを意味しており、本願発明にかかる電
極、すなわち、電子放射性物質と高融点金属粉末の混合
物が、先端が略円錐形状をした筒状の基体金属の中に加
圧挿入されてなり、当該先端において前記混合物が露出
してなる電極を使えば、実質的にランプの使用時間を2
倍以上長くできることを意味する。
【0020】次に、この発明にかかる電極を使った場合
のアークの安定性という効果について説明する。図7に
おいて本発明にかかる電極を使った放電ランプを「A」
で表し、従来の電極を使った放電ランプを「B」で表
す。ここで、従来の電極とはタングステンの中に酸化ト
リウム(ThO2)を混合させたものである。図において、横
軸はランプの点灯経過時間を表し、縦軸は放射光量の
「ブレ」(アークの安定性)を表すもので平均的な放射
光量の何%の光量の増減があるかを表している。この結
果、本発明にかかる電極を使った放電ランプでは、30
00時間ランプを点灯させても、その間に光量の変動が
なく、ほとんど一定値で安定していることがわかる。そ
の一方で、従来の電極を使ったランプにあっては、±3
〜4%の範囲で大きく放射光量が変動していることがわ
かる。
【0021】このように、本発明にかかる電極を使った
放電ランプが、点灯寿命、アーク安定性のいずれの効果
においても優れているということは、陰極の動作温度が
従来の陰極に比べて約1000℃低い温度で動作してい
るので、陰極先端の蒸発及び磨耗が少ないため、長時間
安定していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる電極を使った放電ランプを示
す。
【図2】この発明にかかる電極を示す。
【図3】この発明にかかる電極の製造方法を示す。
【図4】この発明にかかる電極の先端部を示す。
【図5】この発明にかかる電極の他の実施例を示す。
【図6】この発明の効果を表す実験データを示す。
【図7】この発明の効果を表す実験データを示す。
【符号の説明】
2 陰極 3 陽極 10 放電ランプ 12 発光部 13 封止部 21 基体金属 22 電子放射性物質と高融点金属粉末の混合物 23 電流供給用芯線
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】次に、この電極の製造方法について説明す
る。図3(a)に示すごとく、塊状かつ棒状である金属
タングステン30に旋盤などの工作機械を使って所望の
穴加工を施し、前述の中空部を形成する。かかる穴形状
は、その内部に電子放射性物質を混入することを目的と
したものであって、側面には前述の抜け防止用凹凸を設
けるとともに、先端部は円錐形状に対応した構造を形成
する。尚、この状態においては円錐形状の先端は外部空
間には貫通することなく有底状態としておく。次に、図
3(b)に示すように、電子放射性物質とタングステン
の金属粉末の混合物22を前述の中空部に加圧挿入す
る。かかる混合物は電子放射性物質とタングステンの金
属粉末を適当な方法で混ぜ合わせたものであって、この
混合物を粉状の状態で穴加工を施した中空部に流しこ
み、押し込むような形で加圧挿入するとともに、その
後、例えば、約1600℃〜1900℃の高温状態の真
空焼結炉の中で焼成される。この状態から金属タングス
テン30の先端部を円錐形状にするべく不要部分31を
面取りのように切削加工で削除する。また、混合物22
の先端が外部空間に露出するための電子放出部32を形
成するために同様に不要部分が切削加工される。尚、電
子放出部32は、電極の長手方向に沿って若干の平行部
分を有するが、これは電子放出部32を形成する際の切
削加工の作業性の便宜的なものであって必ずしも必要な
ものというわけではない。ここまでの工程によって金属
タングステによる基体金属21に電子放射性物質とタ
ングステンの金属粉末の混合物22を合体したものが出
来上がる。この工程で特徴的なところは、金属タングス
テン21が混合物22に対して製造段階においては
「型」としての機能を果たすとともに、最終的には「保
護カバー」としての機能をも有している点にある。次
に、タングステン芯線23が金属タングステン21の中
空部の後端側から挿入される。同様に高温加熱処理など
によって固着される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】この発明にかかる放電ランプの数値例を示
す。高圧放電ランプであり、定格電力2000W、定格
電圧30V、定格電流65Aである。また、陰極の構造
は、基体金属21に金属タングステンを用い、全長20
mm、外径φ10mm、内径φ3.5mm、先端切削角
度70°、先端の混合物22が露出した部分の穴径φ1
mmである。また、芯線23は外径φ6mmであり、基
体金属21内の端部に加圧挿入された混合物22は、
バリウム系の電子放射性物質が10%と他にタングステ
ン、その後方には、バリウム系電子放射性物質が10%
とタングステン金属粉末80%と還元剤(ジルコニウム
とチタン)が10%が挿入されてなる。さらに、その後
方には厚さ3mmの金属タングステンが蓋部材として挿
入されてなる。一方、陽極には、例えば、外径φ12m
m、長さ20mmのものが適用されて、また、発光管は
最大内径がφ60mmであり、その内部には水銀と不活
性ガスの混合体が、ランプ点灯時に約40気圧になるよ
うに封入されてなる。この発明にかかる電極は、その適
用範囲が特に制限されるものではなく、放電ランプ一般
に使用することができるが、電極の磨耗を良好に抑える
という利点を有するので電極自体が高温化する大電力ラ
ンプに特に有効といえる。具体的には定格電力1KW以
上のものに好適に採用される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子放射性物質と高融点金属粉末の混合物
    が、先端が略円錐形状をした筒状の基体金属の中に加圧
    挿入されてなり、当該先端において前記混合物が露出し
    てなることを特徴とする放電ランプ用電極。
  2. 【請求項2】前記電子放射性物質は、主成分がアルカリ
    土類金属酸化物であることを特徴とする請求項1記載の
    放電ランプ用電極。
  3. 【請求項3】前記電子放射性物質と高融点金属粉末の混
    合物が、先端が略円錐形状をした筒状の基体金属の中に
    加圧挿入されてなり、さらにその後方には、前記電子放
    射性物質を還元作用する金属粉末を含む物質が加圧挿入
    されてなることを特徴とする請求項1記載の放電ランプ
    用電極。
  4. 【請求項4】略棒状の金属に穴加工を施すことで有底筒
    状の基体金属を形成する工程と、 前記基体金属の底部を面取り加工することで先端を略円
    錐形状にする工程と、 当該基体金属の内部に電子放射性物質と高融点金属粉末
    の混合物を加圧挿入する工程と、 よりなることを特徴とする放電ランプ用電極の製造方
    法。
  5. 【請求項5】前記基体金属の内部に電子放射性物質と高
    融点金属粉末の混合物を加圧挿入する工程の後に、さら
    に、 前記電子放射性物質を還元作用する金属粉末を加圧挿入
    する工程と、 還元された電子放射性物質が電流供給用芯線挿入穴の隙
    間から拡散蒸発することを防ぐ蓋部材を加圧挿入する工
    程とよりなることを特徴とする請求項4記載の放電ラン
    プ用電極の製造方法。
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