JPH0912786A - 耐放射線性樹脂組成物 - Google Patents
耐放射線性樹脂組成物Info
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- JPH0912786A JPH0912786A JP7169811A JP16981195A JPH0912786A JP H0912786 A JPH0912786 A JP H0912786A JP 7169811 A JP7169811 A JP 7169811A JP 16981195 A JP16981195 A JP 16981195A JP H0912786 A JPH0912786 A JP H0912786A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A30/00—Adapting or protecting infrastructure or their operation
- Y02A30/14—Extreme weather resilient electric power supply systems, e.g. strengthening power lines or underground power cables
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- Insulated Conductors (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 放射線劣化抑制効果を有し、分散性と添加性
に優れた添加剤を配合することによって、放射線劣化に
対してバラツキの少ない安定した耐放射線性の得られる
ポリオレフィン系樹脂組成物を得る。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
て、4, 4′-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノー
ル)を0.1〜3.0重量部及び2-(2′-ヒドロキシ-5′-t-オ
クチルフェニル)ベンゾトリアゾールを0.1〜3.0重量部
含有する耐放射線性樹脂組成物。
に優れた添加剤を配合することによって、放射線劣化に
対してバラツキの少ない安定した耐放射線性の得られる
ポリオレフィン系樹脂組成物を得る。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
て、4, 4′-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノー
ル)を0.1〜3.0重量部及び2-(2′-ヒドロキシ-5′-t-オ
クチルフェニル)ベンゾトリアゾールを0.1〜3.0重量部
含有する耐放射線性樹脂組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電線・ケーブルの
絶縁体、シース等の樹脂組成物、樹脂製パイプ及びその
他の樹脂製品の樹脂組成物、特に、長期間にわたる放射
線暴露に対する耐放射線性を有する樹脂組成物に関す
る。
絶縁体、シース等の樹脂組成物、樹脂製パイプ及びその
他の樹脂製品の樹脂組成物、特に、長期間にわたる放射
線暴露に対する耐放射線性を有する樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所、核燃料サイクル施設等の
放射線環境下に布設される電線・ケーブルの絶縁被覆に
は、通常のケーブル用に必要とされる材料特性に加え
て、一般に40年以上と想定されるプラント寿命におけ
る長期間の放射線暴露に対してその性能を維持できると
いう厳しい要求がある。このような原子力施設の一般領
域(格納容器内等の高線量領域を除く)においては、4
0年間に電線・ケーブルが受ける放射線の総線量は、60
Co−γ線にて0.5MGyに及ぶと考えられている
(電気学会技術報告(II部)第139号、昭和57年11
月)。放射線環境に電線・ケーブルが曝されるとき、そ
の絶縁被覆材料である樹脂組成物は、分子鎖の切断や架
橋などの化学反応によって特性が低下(劣化)してい
く。
放射線環境下に布設される電線・ケーブルの絶縁被覆に
は、通常のケーブル用に必要とされる材料特性に加え
て、一般に40年以上と想定されるプラント寿命におけ
る長期間の放射線暴露に対してその性能を維持できると
いう厳しい要求がある。このような原子力施設の一般領
域(格納容器内等の高線量領域を除く)においては、4
0年間に電線・ケーブルが受ける放射線の総線量は、60
Co−γ線にて0.5MGyに及ぶと考えられている
(電気学会技術報告(II部)第139号、昭和57年11
月)。放射線環境に電線・ケーブルが曝されるとき、そ
の絶縁被覆材料である樹脂組成物は、分子鎖の切断や架
橋などの化学反応によって特性が低下(劣化)してい
く。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂組
成物において一般に酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤等の熱、酸化、光などによる劣化防止のための添加剤
は種々開発され、実用化されているが(例えば特開昭6
0−120733号公報)、上記のような、長期間にわ
たる過酷な放射線暴露に対して有効な放射線防御効果を
有する添加剤については、未だ殆ど開発されていないの
が現状である。
成物において一般に酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤等の熱、酸化、光などによる劣化防止のための添加剤
は種々開発され、実用化されているが(例えば特開昭6
0−120733号公報)、上記のような、長期間にわ
たる過酷な放射線暴露に対して有効な放射線防御効果を
有する添加剤については、未だ殆ど開発されていないの
が現状である。
【0004】特開平3−24137号公報に、放射線劣
化を防止するための技術として、ポリオレフィン系樹脂
100重量部に対して、酸化防止剤4,4′−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.1〜
1.0重量部及びサルチレート系紫外線吸収剤0.1〜
1.0重量部を併用する技術が挙げられている。しかし
ながら、同公報記載のサルチレート系紫外線吸収剤を併
用した場合には、電線・ケーブルの被覆用樹脂組成物の
混練あるいは押出加工において、その融点が加工温度よ
り高いため、添加剤としての分散が不充分であったり、
あるいは、使用温度領域において逆にその融点が使用温
度より低いため、絶縁体材料からの添加剤のブリード
(樹脂からの染み出し)が発生しやすい、特に、各添加
剤の放射線劣化に対する抑制効果を高めるためにその配
合量を増加させると(1.0重量部以上)、ブリードが
発生し、実質的に増量効果が得られず、所望の効果が得
られにくい等の課題があることが判明した。
化を防止するための技術として、ポリオレフィン系樹脂
100重量部に対して、酸化防止剤4,4′−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.1〜
1.0重量部及びサルチレート系紫外線吸収剤0.1〜
1.0重量部を併用する技術が挙げられている。しかし
ながら、同公報記載のサルチレート系紫外線吸収剤を併
用した場合には、電線・ケーブルの被覆用樹脂組成物の
混練あるいは押出加工において、その融点が加工温度よ
り高いため、添加剤としての分散が不充分であったり、
あるいは、使用温度領域において逆にその融点が使用温
度より低いため、絶縁体材料からの添加剤のブリード
(樹脂からの染み出し)が発生しやすい、特に、各添加
剤の放射線劣化に対する抑制効果を高めるためにその配
合量を増加させると(1.0重量部以上)、ブリードが
発生し、実質的に増量効果が得られず、所望の効果が得
られにくい等の課題があることが判明した。
【0005】従って、本願発明は、優れた耐放射線性、
特に長期間にわたる放射線暴露に対しても充分な耐放射
線性を有するとともに、公知の耐放射線性組成物の有す
る上記課題を有効に解決できる耐放射線性ポリオレフィ
ン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
特に長期間にわたる放射線暴露に対しても充分な耐放射
線性を有するとともに、公知の耐放射線性組成物の有す
る上記課題を有効に解決できる耐放射線性ポリオレフィ
ン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ポ
リオレフィン系樹脂100重量部に対して、4,4′−
チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)を
0.1〜3.0重量部及び2−(2′−ヒドロキシ−
5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールを
0.1〜3.0重量部含有することを特徴とする耐放射
線性樹脂組成物により達成されることが見出された。
リオレフィン系樹脂100重量部に対して、4,4′−
チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)を
0.1〜3.0重量部及び2−(2′−ヒドロキシ−
5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールを
0.1〜3.0重量部含有することを特徴とする耐放射
線性樹脂組成物により達成されることが見出された。
【0007】本発明で用いられる4,4′−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)は下記の構
造式で表わされ(融点:160〜164℃)、いわゆる
酸化防止剤として公知の化合物である(以下化合物イと
称する)。
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)は下記の構
造式で表わされ(融点:160〜164℃)、いわゆる
酸化防止剤として公知の化合物である(以下化合物イと
称する)。
【0008】
【化1】
【0009】本発明で用いられる2−(2′−ヒドロキ
シ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール
は、下記の構造式で表わされ(融点:102〜106
℃)、いわゆる紫外線吸収剤として公知の化合物である
(以下化合物ロと称する)。
シ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール
は、下記の構造式で表わされ(融点:102〜106
℃)、いわゆる紫外線吸収剤として公知の化合物である
(以下化合物ロと称する)。
【0010】
【化2】
【0011】紫外線吸収剤とは、太陽光中の紫外線を吸
収し、紫外線による劣化を防止すること、即ち、紫外線
の保有する破壊的な分解エネルギーを非破壊的な熱エネ
ルギーに変換することを目的とするものであり、本願発
明の目的である放射線劣化(γ線等の放射線暴露による
劣化)防止とは、その要因も機構も異なるものである。
同様に、酸化防止剤や光安定剤とも、その要因や機構が
異なるものであるから、添加剤として熱、酸化、光など
による劣化防止効果を目的とする公知の化合物が必ずし
も放射線防止効果を有するものではない。
収し、紫外線による劣化を防止すること、即ち、紫外線
の保有する破壊的な分解エネルギーを非破壊的な熱エネ
ルギーに変換することを目的とするものであり、本願発
明の目的である放射線劣化(γ線等の放射線暴露による
劣化)防止とは、その要因も機構も異なるものである。
同様に、酸化防止剤や光安定剤とも、その要因や機構が
異なるものであるから、添加剤として熱、酸化、光など
による劣化防止効果を目的とする公知の化合物が必ずし
も放射線防止効果を有するものではない。
【0012】本発明では、ポリオレフィン系樹脂組成物
に、上記化合物イ及び化合物ロを組み合わせて添加する
ことにより、極めて優れた放射線防止効果が得られると
ともに、樹脂組成物における分散性が優れ、得られる特
性が安定していることを見出したものである。また、組
成物からの添加剤のブリード性が改良されることから、
添加量を増大させることが可能となり、更に優れた放射
性劣化抑制効果が得られる。
に、上記化合物イ及び化合物ロを組み合わせて添加する
ことにより、極めて優れた放射線防止効果が得られると
ともに、樹脂組成物における分散性が優れ、得られる特
性が安定していることを見出したものである。また、組
成物からの添加剤のブリード性が改良されることから、
添加量を増大させることが可能となり、更に優れた放射
性劣化抑制効果が得られる。
【0013】本発明のポリオレフィン系樹脂としては、
本分野で通常用いられる種々のポリオレフィン系樹脂を
用いることができ、これらは耐熱性向上のために架橋さ
れていてもよい。具体的には、エチレン、プロピレン、
ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−
1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1な
どのオレフィン系炭化水素モノマーの単独重合体、及び
これら2種以上のモノマーの共重合体(例えば、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合
体など)、並びにこれらのオレフィン系炭化水素モノマ
ーと少量のビニルエステル系モノマーや(メタ)アクリ
レート系モノマーとの共重合体(例えば、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重
合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体など)
が挙げられる。これらは単独又は二種以上を組み合わせ
て使用することもできる。
本分野で通常用いられる種々のポリオレフィン系樹脂を
用いることができ、これらは耐熱性向上のために架橋さ
れていてもよい。具体的には、エチレン、プロピレン、
ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−
1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1な
どのオレフィン系炭化水素モノマーの単独重合体、及び
これら2種以上のモノマーの共重合体(例えば、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合
体など)、並びにこれらのオレフィン系炭化水素モノマ
ーと少量のビニルエステル系モノマーや(メタ)アクリ
レート系モノマーとの共重合体(例えば、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重
合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体など)
が挙げられる。これらは単独又は二種以上を組み合わせ
て使用することもできる。
【0014】本発明のポリオレフィン組成物は、更に必
要に応じて、難燃性、半導電性等を付与する目的で難燃
剤、導電性付与剤等の添加剤を含有することができる。
要に応じて、難燃性、半導電性等を付与する目的で難燃
剤、導電性付与剤等の添加剤を含有することができる。
【0015】本発明の樹脂組成物は、原子力発電所、核
燃料サイクル施設等の放射線環境下に布設される電線・
ケーブルの絶縁被覆材料に用いることができる。図1に
本発明の樹脂組成物を使用した代表的なケーブルの構造
例を示す。図1は、原子力発電所の一般領域に適用され
る低圧CVケーブルの一例である。耐放射線性ケーブル
10は、導体1に本発明の耐放射線性樹脂組成物からな
る絶縁体2を押出し被覆した絶縁線心を2本合わせ、介
在3を介在させて撚り合わせ、その上から押さえテープ
4を巻き回して施し、しかる後押さえテープ4の上にシ
ース5を被覆して形成される。
燃料サイクル施設等の放射線環境下に布設される電線・
ケーブルの絶縁被覆材料に用いることができる。図1に
本発明の樹脂組成物を使用した代表的なケーブルの構造
例を示す。図1は、原子力発電所の一般領域に適用され
る低圧CVケーブルの一例である。耐放射線性ケーブル
10は、導体1に本発明の耐放射線性樹脂組成物からな
る絶縁体2を押出し被覆した絶縁線心を2本合わせ、介
在3を介在させて撚り合わせ、その上から押さえテープ
4を巻き回して施し、しかる後押さえテープ4の上にシ
ース5を被覆して形成される。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により例証する。 実施例1〜3及び比較例1〜4 LDPE(低密度ポリエチレン)100重量部に対し
て、第1表に示す通りの各添加剤をそれぞれ第1表に示
す配合量で、170℃に設定した電熱ロールにて配合混
練した後、180℃にてプレス成型シートを作製し、60
Co−γ線を室温空気中にて、線量率約10kGyで総
線量1.0MGy照射し、引張伸び率(JIS3号ダン
ベル)を測定した。尚、比較例1〜3で使用した紫外線
吸収剤A〜Cは、特開平3−24137号公報の実施例
において放射線防止効果があるとして実施例で実証され
た紫外線吸収剤である。
て、第1表に示す通りの各添加剤をそれぞれ第1表に示
す配合量で、170℃に設定した電熱ロールにて配合混
練した後、180℃にてプレス成型シートを作製し、60
Co−γ線を室温空気中にて、線量率約10kGyで総
線量1.0MGy照射し、引張伸び率(JIS3号ダン
ベル)を測定した。尚、比較例1〜3で使用した紫外線
吸収剤A〜Cは、特開平3−24137号公報の実施例
において放射線防止効果があるとして実施例で実証され
た紫外線吸収剤である。
【0017】
【表1】
【0018】LDPE:低密度ポリエチレン(密度=
0.92、MFR=3.2g/10分) 化合物イ:4,4′−チオビス(3−メチル−6−t
−ブチルフェノール) 化合物ロ:2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オク
チルフェニル)ベンゾトリアゾール 紫外線吸収剤A:2,4−ジ−t−ブチルフェニル−
3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンゾ
エート(融点192〜197℃) 紫外線吸収剤B:フェニルサリシレート(融点40〜43
℃) 紫外線吸収剤C:4−t−ブチル−フェニルサリシレ
ート(融点62〜65℃)60 Co−γ線照射=1MGy後(線量率=約10k
Gy/h)の JIS 3号ダンベルによる引張試験結果。r
数=15の破断時伸び率の平均値(初期、照射後)と標
準偏差(照射後)
0.92、MFR=3.2g/10分) 化合物イ:4,4′−チオビス(3−メチル−6−t
−ブチルフェノール) 化合物ロ:2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オク
チルフェニル)ベンゾトリアゾール 紫外線吸収剤A:2,4−ジ−t−ブチルフェニル−
3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンゾ
エート(融点192〜197℃) 紫外線吸収剤B:フェニルサリシレート(融点40〜43
℃) 紫外線吸収剤C:4−t−ブチル−フェニルサリシレ
ート(融点62〜65℃)60 Co−γ線照射=1MGy後(線量率=約10k
Gy/h)の JIS 3号ダンベルによる引張試験結果。r
数=15の破断時伸び率の平均値(初期、照射後)と標
準偏差(照射後)
【0019】第1表の結果から、本発明によれば、照射
後の引張伸び率の標準偏差(r数=15)が小さくな
り、特性値のばらつきが少なくなっており、特性の安定
した良好な耐放射線性が得られることが判る。また、添
加剤(化合物イ、化合物ロ)の添加量増加が可能となり
(実施例2、3)、それに伴いγ線照射後の破断時伸び
率も向上し、放射線劣化の抑制に対する添加剤増量効果
も得られている。
後の引張伸び率の標準偏差(r数=15)が小さくな
り、特性値のばらつきが少なくなっており、特性の安定
した良好な耐放射線性が得られることが判る。また、添
加剤(化合物イ、化合物ロ)の添加量増加が可能となり
(実施例2、3)、それに伴いγ線照射後の破断時伸び
率も向上し、放射線劣化の抑制に対する添加剤増量効果
も得られている。
【0020】本発明の紫外線吸収剤(化合物ロ)は、そ
の融点が102〜106℃であり、その加工温度(組成
物の混練及び押出成形温度)より低いことから、添加剤
の分散性が向上し、照射後の引張伸び率の標準偏差(r
数=15)が小さくなり特性値のばらつきが少なくなる
とともに、通常の電線・ケーブルに許容される使用温度
(例えばポリエチレン絶縁材料の場合は75℃、架橋ポ
リエチレンの場合は90℃)より高いことから、組成物
からのブリード性が改良され、添加量の増加が可能にな
り、より優れた耐放射線性を樹脂組成物に付与できる。
の融点が102〜106℃であり、その加工温度(組成
物の混練及び押出成形温度)より低いことから、添加剤
の分散性が向上し、照射後の引張伸び率の標準偏差(r
数=15)が小さくなり特性値のばらつきが少なくなる
とともに、通常の電線・ケーブルに許容される使用温度
(例えばポリエチレン絶縁材料の場合は75℃、架橋ポ
リエチレンの場合は90℃)より高いことから、組成物
からのブリード性が改良され、添加量の増加が可能にな
り、より優れた耐放射線性を樹脂組成物に付与できる。
【0021】
【発明の効果】本発明の化合物イ及び化合物ロを添加剤
として含有するポリオレフィン系樹脂組成物は、長期間
の放射線暴露に対して優れた放射線防止効果を有すると
ともに、該添加剤の分散性が優れ、放射線劣化に対して
バラツキの少ない安定した特性が得られる。また、組成
物からの添加剤のブリード性が改良されることから、添
加剤の含有量を増大させることが可能となり、更に優れ
た放射性劣化抑制効果が得られる。
として含有するポリオレフィン系樹脂組成物は、長期間
の放射線暴露に対して優れた放射線防止効果を有すると
ともに、該添加剤の分散性が優れ、放射線劣化に対して
バラツキの少ない安定した特性が得られる。また、組成
物からの添加剤のブリード性が改良されることから、添
加剤の含有量を増大させることが可能となり、更に優れ
た放射性劣化抑制効果が得られる。
【図1】本発明の樹脂組成物を絶縁体層に用いたケーブ
ルの構造例を示す図。
ルの構造例を示す図。
1 導体 2 絶縁体 3 介在 4 押さえテープ 5 シース 10 ケーブル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】紫外線吸収剤とは、太陽光中の紫外線を吸
収し、紫外線による劣化を防止すること、即ち、紫外線
の保有する破壊的な分解エネルギーを非破壊的な熱エネ
ルギーに変換することを目的とするものであり、本願発
明の目的である放射線劣化(γ線等の放射線暴露による
劣化)防止とは、その要因も機構も異なるものである。
同様に、酸化防止剤や光安定剤とも、その要因や機構が
異なるものであるから、添加剤として熱、酸化、光など
による劣化防止効果を目的とする公知の化合物が必ずし
も放射線防御効果を有するものではない。
収し、紫外線による劣化を防止すること、即ち、紫外線
の保有する破壊的な分解エネルギーを非破壊的な熱エネ
ルギーに変換することを目的とするものであり、本願発
明の目的である放射線劣化(γ線等の放射線暴露による
劣化)防止とは、その要因も機構も異なるものである。
同様に、酸化防止剤や光安定剤とも、その要因や機構が
異なるものであるから、添加剤として熱、酸化、光など
による劣化防止効果を目的とする公知の化合物が必ずし
も放射線防御効果を有するものではない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明では、ポリオレフィン系樹脂組成物
に、上記化合物イ及び化合物ロを組み合わせて添加する
ことにより、極めて優れた放射線防御効果が得られると
ともに、樹脂組成物における分散性が優れ、得られる特
性が安定していることを見出したものである。また、組
成物からの添加剤のブリード性が改良されることから、
添加量を増大させることが可能となり、更に優れた放射
性劣化抑制効果が得られる。
に、上記化合物イ及び化合物ロを組み合わせて添加する
ことにより、極めて優れた放射線防御効果が得られると
ともに、樹脂組成物における分散性が優れ、得られる特
性が安定していることを見出したものである。また、組
成物からの添加剤のブリード性が改良されることから、
添加量を増大させることが可能となり、更に優れた放射
性劣化抑制効果が得られる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により例証する。 実施例1〜3及び比較例1〜4 LDPE(低密度ポリエチレン)100重量部に対し
て、第1表に示す通りの各添加剤をそれぞれ第1表に示
す配合量で、170℃に設定した電熱ロールにて配合混
練した後、180℃にてプレス成型シートを作製し、60
Co−γ線を室温空気中にて、線量率約10kGy/h
で総線量1.0MGy照射し、引張伸び率(JIS3号
ダンベル)を測定した。尚、比較例1〜3で使用した紫
外線吸収剤A〜Cは、特開平3−24137号公報の実
施例において放射線防御効果があるとして実施例で実証
された紫外線吸収剤である。
て、第1表に示す通りの各添加剤をそれぞれ第1表に示
す配合量で、170℃に設定した電熱ロールにて配合混
練した後、180℃にてプレス成型シートを作製し、60
Co−γ線を室温空気中にて、線量率約10kGy/h
で総線量1.0MGy照射し、引張伸び率(JIS3号
ダンベル)を測定した。尚、比較例1〜3で使用した紫
外線吸収剤A〜Cは、特開平3−24137号公報の実
施例において放射線防御効果があるとして実施例で実証
された紫外線吸収剤である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【発明の効果】本発明の化合物イ及び化合物ロを添加剤
として含有するポリオレフィン系樹脂組成物は、長期間
の放射線暴露に対して優れた放射線防御効果を有すると
ともに、該添加剤の分散性が優れ、放射線劣化に対して
バラツキの少ない安定した特性が得られる。また、組成
物からの添加剤のブリード性が改良されることから、添
加剤の含有量を増大させることが可能となり、更に優れ
た放射性劣化抑制効果が得られる。
として含有するポリオレフィン系樹脂組成物は、長期間
の放射線暴露に対して優れた放射線防御効果を有すると
ともに、該添加剤の分散性が優れ、放射線劣化に対して
バラツキの少ない安定した特性が得られる。また、組成
物からの添加剤のブリード性が改良されることから、添
加剤の含有量を増大させることが可能となり、更に優れ
た放射性劣化抑制効果が得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
して、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)を0.1〜3.0重量部及び2−(2′
−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾト
リアゾールを0.1〜3.0重量部含有することを特徴
とする耐放射線性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7169811A JPH0912786A (ja) | 1995-07-05 | 1995-07-05 | 耐放射線性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7169811A JPH0912786A (ja) | 1995-07-05 | 1995-07-05 | 耐放射線性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0912786A true JPH0912786A (ja) | 1997-01-14 |
Family
ID=15893345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7169811A Pending JPH0912786A (ja) | 1995-07-05 | 1995-07-05 | 耐放射線性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0912786A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2036946A1 (en) | 2007-09-14 | 2009-03-18 | Fujikura Ltd. | Radiation resistant resin composition and radiation-proof wire/cable |
WO2013094437A1 (ja) | 2011-12-20 | 2013-06-27 | 株式会社Adeka | オレフィン樹脂組成物の製造方法 |
JP2017101688A (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-08 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 原子力設備用配管、原子力設備用配管継手構造および原子力設備用流体輸送装置 |
-
1995
- 1995-07-05 JP JP7169811A patent/JPH0912786A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2036946A1 (en) | 2007-09-14 | 2009-03-18 | Fujikura Ltd. | Radiation resistant resin composition and radiation-proof wire/cable |
JP2009084571A (ja) * | 2007-09-14 | 2009-04-23 | Fujikura Ltd | 耐放射線性樹脂組成物及び耐放射線性電線・ケーブル |
US7977414B2 (en) | 2007-09-14 | 2011-07-12 | Fujikura Ltd. | Radiation-resistant resin composition and radiation-proof wire/cable |
WO2013094437A1 (ja) | 2011-12-20 | 2013-06-27 | 株式会社Adeka | オレフィン樹脂組成物の製造方法 |
JP2017101688A (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-08 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 原子力設備用配管、原子力設備用配管継手構造および原子力設備用流体輸送装置 |
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