JPH09127568A - 高周波移相器アレー - Google Patents

高周波移相器アレー

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JPH09127568A
JPH09127568A JP28531795A JP28531795A JPH09127568A JP H09127568 A JPH09127568 A JP H09127568A JP 28531795 A JP28531795 A JP 28531795A JP 28531795 A JP28531795 A JP 28531795A JP H09127568 A JPH09127568 A JP H09127568A
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JP
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light
signal
optical
high frequency
local oscillation
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JP28531795A
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Osamu Kobayashi
理 小林
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数個の高周波信号の移相を並列的に処理す
るために用いる回路に関し、光信号処理技術を適用した
高周波信号移相器のアレーの出力信号の安定化と光学系
の構成の簡略化を図ることを課題とする。 【解決手段】 高周波信号を入力とし、高周波信号の周
波数スペクトルの形を保存して重畳した信号光と、局部
発振光とを互いに直交する偏波の状態で多重して出力す
るEO変換手段をN個備え、そのN個の出力を、それぞ
れ、N個の複屈折性を利用した光移相器に入力して各々
の光移相器において信号光と局部発振光の間に位相差を
与え、そのN個の出力を、直交する偏光を合成する手段
に接続し、信号光と局部発振光を合成し、そのN個の出
力を、それぞれ、N個のOE変換手段に接続し、N個の
高周波信号を取り出すように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波移相器に関す
るもので、複数個の高周波信号の移相を並列的に処理す
るために用いる回路に係るものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波帯の高周波信号の位相を制御
するための技術に、光波を媒介にして信号処理を行なう
手法がある。これは、高周波信号を一旦光信号に変換
し、光波の位相の制御を行ない、光ヘテロダイン法によ
り光信号から再び高周波信号を取り出す方法である。こ
の手法は信号の位相の操作を必要とするので、光ヘテロ
ダイン法の適用は必須である。
【0003】移相器の物理的な大きさは、処理を行なう
信号の波長オーダとなる。分布定数線路より構成される
高周波信号の移相器は、その波長オーダであるミリメー
トルからセンチメートル以上の大きさである。そこで、
高周波信号を光信号に変換し、物理的な大きさが光の波
長オーダ(マイクロメートル)である光移相器を用いて
位相の制御を行なうことが考えられ、これにより回路の
大幅な小型化が期待できる。また、光信号は耐電磁干渉
に優れ、信号の並列処理にも適する。
【0004】図6は、従来の光信号処理技術を適用した
高周波信号を入出力とする移相器のアレーを示す図であ
って、その動作原理は以下に記載するとおりである。装
置はアレーとなっているが、まず、アレーを構成する1
つの信号経路について説明する。
【0005】レーザ光源1011 の出力は、光ファイバ
102a1 を経て、コリメータ103a1 によりコリメ
ートされた平行光線として空間に出射される。この光線
はハーフミラー104aにより、反射光と透過光に二分
される。
【0006】ハーフミラー104aの反射光は光周波数
シフタ1051 に入射している。光周波数シフタ105
1 には高周波信号源1061 から信号が入力されてお
り、入射光の光周波数を高周波信号の周波数分シフトさ
せた光波が出力される。
【0007】つまり、光周波数シフタ1051 の入射光
の角光周波数をωopt1、高周波信号源1061 の出力の
角周波数をωrf1 とするとき、光周波数シフタ1051
からは、cos(ωopt1+ωrf1 )tなる光波が出射さ
れる。
【0008】光周波数シフタ1051 の出射光はミラー
107aを経て、次いで光移相器1081 に入射してい
る。光波は、光移相器1081 を透過することにより位
相の変化を受ける。位相の変化の量をφ1 とすると、光
移相器1081 の出力はcos{(ωopt1+ωrf1 )t
−φ1 }となる。光移相器1081 の出力はハーフミラ
ー104bを透過し、コリメータ103b1 に入射して
いる。
【0009】一方、ハーフミラー104aの透過光は、
ミラー107b及びハーフミラー104bを経て、コリ
メータ103b1に入射している。高周波信号により周
波数を、シフトならびに所定の値に位相が設定された光
波cos{(ωopt1+ωrf1 )t−φ1 }と、レーザ光
源の出射光cosωopt1tはハーフミラー104b上で
合成され、コリメータ103b1 に同時に入射してい
る。コリメータ103b1 に入射した2つの光は、光フ
ァイバ102b1 を通り、光受信機1091 の入力とな
っている。
【0010】光受信機1091 において2つの光信号は
二乗検波され、そのビート成分として高周波信号が取り
出される。この信号は、Acos(ωrf1 t−φ1)と
なる。ただし、Aは比例定数である。光受信機の出力高
周波信号Acos(ωrf1 t−φ1)の位相は、光移相
器1081 で設定する位相に応じて変化する。
【0011】系は全体はアレー化されており、レーザ光
源1011 〜101N のアレー、光周波数シフタ105
1 〜105N のアレー、光受信機1091 〜109N
アレー、光ファイバ102a1 〜102aN ,102b
1 〜102bN のアレー、コリメータ103a1 〜10
3aN ,103b1 〜103bN のアレーが使われてい
る。
【0012】他の信号系統についても動作は同様であ
り、図6に示した系ではN個の高周波信号の位相を制御
することが可能である。光信号処理の1つの特徴は、並
列信号処理に適することである。レーザ光源や光移相器
は並列に配列されたものが開発されており、この回路に
もこれらの素子を使用することが可能である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来
の、複数の高周波信号の位相を制御する回路(高周波移
相器のアレー)の構成では以下の点で問題がある。
【0014】先ず、1つは、出力高周波信号の位相の安
定性の問題である。図6の構成は、マッハツェンダー型
の干渉計をアレー化したものである。マッハツェンダー
型の干渉計には2つのアームがある。図6では、ハーフ
ミラー104aとミラー107aで反射されハーフミラ
ー104bに到達する光路と、ハーフミラー104aを
透過しミラー107bで反射されハーフミラー104b
に到達する光路がこれに当たる。
【0015】前者の経路における光信号の位相回転の量
をφa (ただし光移相器における位相変化分を除く)、
後者の経路における光信号に対する位相長をφb とする
とき、光波信号はそれぞれcos{(ωopt +ωrf)t
−φ−φa },cos(ωop t t−φb )となる。
【0016】高周波信号はこれらビート信号成分で、こ
れはcos{ωrft−φ−(φa −φb )}と書ける。
出力高周波信号の位相項には(φa −φb )が加わる。
振動、空気の揺らぎ、温度変化を原因として、実効的な
経路長、すなわち、(φa −φb )は変動する。
【0017】変動の量がマイクロメータのオーダ程度と
わずかなものであっても、これは光の波長とコンパラブ
ルであり、光信号の位相に換算すれば大きな値となる。
光ヘテロダイン法により光の位相の変化はそのまま高周
波信号の位相の変化となるので、高周波信号出力の位相
は大きな影響を受ける。
【0018】2つめの問題点は、光学系の構成が複雑な
ことである。図6において、光波はハーフミラー104
aにより分岐され、ミラー107aまたは107bによ
り反射され、ハーフミラー107bで再び合成され光受
信機の入力となっている。複数の光路についてこれを行
なう必要があるために、ミラー及びハーフミラーの位置
や角度の調整にかなりの困難を伴う。
【0019】本発明は、光信号処理技術を適用した高周
波信号移相器のアレーに関して、出力信号の位相の安定
化と、光学系の構成の簡略化を図ることが可能な高周波
移相器アレーを提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】高周波信号を重畳した信
号光と局部発振光を同時に同一伝送路を伝送し、そのう
ち信号光の位相を選択的に制御(局部発振光の位相を制
御してもよい)した後、信号光と局部発振光を合成し光
ヘテロダイン法により高周波信号を取り出す構成によ
り、高周波信号の伝送と位相の制御ができる。
【0021】信号光と局部発振光の伝送において、伝送
路を自由空間や定偏波光ファイバとし、2つの直交する
偏光あるいは独立な伝送モードを使う。複屈折性を有す
る光学素子を信号伝送経路中に挿入することにより、信
号光または局部発振光の位相を選択的に制御できる。本
発明は、上述の手法の組み合わせにより、課題を解決す
る。
【0022】すなわち、請求項1の発明は、高周波信号
を入力とし、高周波信号の周波数スペクトルの形を保存
して重畳した信号光と、局部発振光とを互いに直交する
偏波の状態で多重して出力するEO変換手段をN個備
え、該N個のEO変換手段の各出力を、それぞれ、N個
の複屈折性を利用した光移相器に入力して各々の光移相
器において信号光と局部発振光の間に位相差を与え、
【0023】該N個の光移相器の各出力を、直交する偏
光を合成する手段に接続し、信号光と局部発振光を合成
し、そのN個の出力を、それぞれ、N個のOE変換手段
に接続し、N個の高周波信号を取り出すように構成した
高周波移相器アレーである。
【0024】請求項2の発明は、2つのレーザ光源があ
り、その内の1つのレーザ光源は、高周波信号及びフィ
ードバック信号を入力とし、その2つの信号を比較し、
差が常にゼロになるように制御する手段により制御さ
れ、その光出力には高周波信号の周波数スペクトルの形
を保存して重畳し、該光出力と他のレーザ光源の出力と
を合成手段に入力し、
【0025】互いに直交する偏波の状態で多重し、その
出力を1:(N+1)の光分配器に入力し、該光分配器
の出力の1つを直交する偏波を合成する手段に入力し、
次いでOE変換手段に接続してビート信号成分を取り出
し、そのビート信号成分をフィードバック信号とし、前
述のレーザを制御する手段に入力し、
【0026】1:(N+1)の光分配器の残りのN個の
出力を、それぞれ、N個の光移相器を並列に配列して構
成した光移相器のアレーに接続して、各々の移相器にお
いて2つの直交する偏波の信号の間に位相差を与え、
【0027】該N個の光移相器の出力を、直交する偏光
を合成する手段に接続し、該合成手段のN個の出力を、
それぞれ、N個のOE変換手段に接続し、N個の高周波
信号を取り出すように構成した高周波移相器アレーであ
る。
【0028】請求項3の発明は、高周波信号を入力と
し、高周波信号の周波数スペクトルの形を保存して重畳
した信号光、ならびに、局部発振光とを互いに直交する
偏波の状態で多重して出力するEO変換手段を備え、そ
の出力を、N本に分岐する手段に接続し、該分岐手段の
N個の出力を、それぞれ、N個の複屈折性を利用する光
移相器に入力して、
【0029】各々の光移相器において信号光と局部発振
光の間に位相差を与え、該N個の光移相器の出力を、直
交する偏光を合成する手段に接続し、信号光と局部発振
光を合成し、該直交する偏光を合成する手段のN個の出
力を、それぞれ、N個のOE変換手段に接続し、N個の
高周波信号を取り出すように構成した高周波移相器アレ
ーである。
【0030】ここで、本発明における基本要素技術とな
る、偏波多重光ヘテロダイン法を適用した高周波信号の
伝送と位相の制御について説明する。
【0031】図5は、偏波多重光ヘテロダイン法を適用
して高周波信号の位相を制御する系の基本構成を示した
ものである。入力する高周波信号をcosωrftとする
とき、高周波信号はEO変換手段によりcos(ωopt
+ωrf)tなる光信号に変換される。
【0032】ここで、ωrfとωopt は、それぞれ、高周
波信号の角周波数と光源の光角周波数を表わしている。
EO変換された出力cos(ωopt +ωrf)tは「信号
光」として作用するもので、一般的には、高周波信号の
信号スペクトルをそのままの形に保って高周波信号が光
信号に重畳していると解釈できる。
【0033】EO変換手段は同時に「局部発振光」とし
てcosωopt tなる光波信号も出力している。「局部
発振光」は図中では「局発光」と表示している。これは
以降説明する他の図においても同様である。
【0034】EO変換手段の出力は、図5に示すように
XYZ直交座標系110において、信号光111aと局
部発振光112aをそれぞれ直交する直線偏波の状態で
出力する。図では、光波の伝搬方向をZ軸にとり、信号
光をY軸に平行な偏波面に、局部発振光をX軸に平行な
偏波面に割り当てている。
【0035】EO変換手段の出力は複屈折性光学素子1
13に入射する。複屈折は偏波により屈折率が異なる性
質である。複屈折性光学素子は2つの光軸を有する。光
軸と一致する偏波面の直線偏波の光波については、入射
と出射で偏波は同一であるが、2つの光軸において屈折
率が異なるために、それぞれ光波には異なる量の位相遅
れが与えられる。
【0036】図5では、2つの光軸をXYZ直交座標系
110のX軸とY軸に一致させて複屈折性光学素子11
3を置いている。複屈折性光学素子のX軸に平行な直線
偏波の屈折率をnX 、Y軸に平行な直線偏波の屈折率を
Y とするとき、複屈折性光学素子113を透過するこ
とにより信号光111aと局部発振光112aは異なる
位相の遅れを受ける。信号はそれぞれ、“数1”のよう
に書き表わされる。
【0037】
【数1】 ただし、kは真空中の光波の波数、dは複屈折性光学素
子113の光波伝搬方向の厚さを表わしている。また、
局部発振光を局発光と表示している。
【0038】上述の異なる量の位相変化が与えられた信
号光と局部発振光は、複屈折性光学素子に後置した傾き
角をθa (115)とする検光子114により合成さ
れ、信号光111b、局部発振光112bとして出力さ
れる。合成された信号を二乗検波することにより、信号
光と局部発振光のビート成分として高周波信号を取り出
すことが可能である。
【0039】この信号はAcos{ωrtt−k(ny
x )d}と書ける。ただし、Aは高周波信号の振幅を
表わしている。出力される高周波信号は、入力高周波信
号cosωrftに対して位相がk(ny −nx )d遅れ
たものであり、系は移相器として動作していることがわ
かる。
【0040】電界制御複屈折型(ECBモード)ネマテ
ィック液晶素子113aを図5の複屈折性光学素子11
3として用いれば、移相量を電圧により制御することが
可能である。ECBモードネマティック液晶素子は、素
子に加える電圧の大きさにより2つの複屈折率のうちの
一方を可変とする。
【0041】ネマティック液晶分子は細長い回転楕円体
で、楕円体の長軸に平行な偏波の光波についてはne
楕円体の短軸に平行な偏波の光波についてはno なる屈
折率を有する。ホモジニアス配向処理されたECBモー
ドネマティック液晶素子は、透明電極を形成した平行な
2枚のガラス板の間にネマティック液晶材料を封入して
作られる。
【0042】電圧を与えない状態でネマティック液晶分
子の長軸がガラス板と平行に配向しており、かつ、2枚
のガラス板で配向は同一方向としている。液晶素子に電
圧を加えると、電界方向に沿うように液晶分子は傾く。
【0043】ECBモードネマティック液晶素子113
aをXYZ直交座標系110において、ガラス板がXY
平面に平行な面内に来るように、また電圧を与えない状
態のネマティック液晶分子の長軸方向とY軸が一致する
ように置くとき、X軸及びY軸に平行な偏光についての
屈折率nX ならびにnY は“数2”で表わされる。
【0044】
【数2】 ただし、液晶層で分子の傾き角は一様であることを仮定
し、θS (117)は液晶分子のガラス板からの傾き角
を表わしている。液晶素子に電圧を加えると、液晶分子
の傾き角θS は0°から最大90°まで変化する。
【0045】“数2”から、液晶分子の傾き角θS 、す
なわち液晶素子に加える電圧の変化に対して、nX は一
定であるのに対して、nY はne からno の間で変化す
ることがわかる。通常、ne >no であるので、液晶電
圧の増加に伴って、nYは単調に減少する。nY 、すな
わち、液晶素子に加える電圧を変えることにより位相遅
れの量は制御できる。
【0046】以上に説明した原理に基づき、図5に示し
た構成により高周波信号の移相を光波信号を媒介にして
行なうことができることがわかる。
【0047】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態の第1
の例を示す図であって、光波信号処理を適用した高周波
信号移相器のN個のアレーを示している。
【0048】高周波信号118a1 〜118aN が入力
信号で、それぞれ、EO変換手段1191 〜119N
より光信号に変換されている。EO変換手段1191
119N は「課題を解決するための手段」の項で図5に
基づいて説明した機能を有するもので、それぞれ、入力
高周波信号cosωrftに対して、信号光cos(ω
opt +ωrf)tと局部発振光cosωopt tを直交する
偏波の状態で出力する。
【0049】図4は、EO変換手段119の構成例を示
したものである。同図において、レーザ光源101cは
単一周波数・単一モードで連続発振し、コリメート光を
出射している。出射光線の偏光は紙面に垂直な直線偏光
であると仮定する。この光はハーフミラー104cによ
り2つの経路に分岐される。
【0050】ハーフミラー104cを透過する経路の光
は、光周波数シフタ105cに入射している。光周波数
シフタには高周波信号が入力しており、入射光の光周波
数を電気信号の周波数分だけシフトした光を出射する。
入射光の角周波数をωopt 、高周波信号の角周波数をω
rfとするとき、角周波数が(ωopt +ωrf)なる光波が
出力される。
【0051】光周波数シフタ105cの出力はミラー1
07dにより反射され、偏光ビームスプリッタ126に
入射している。ハーフミラー104cにより反射された
もう一方の経路の光波は、ミラー107cにより反射さ
れ、半波長板127に入射している。半波長板127に
より、光波の偏波は垂直偏光から水平偏光に変換され
る。
【0052】2つの経路の光波は、偏光ビームスプリッ
タ126により再び1つの経路に合成される。偏光ビー
ムスプリッタ126の出射光は、2つの異なる周波数の
光波が直交した直線偏波で合成されたもので、水平偏光
の光波が角周波数ωopt 、垂直偏光の光波が角周波数
(ωopt +ωrf)となっている。
【0053】この出射光はファイバコリメータ103e
により、定偏波光ファイバ120aに導かれている。図
4に示した構成は全体として、高周波信号を入力とし、
高周波信号が重畳した光波信号を出力する系となってい
ることがわかる。
【0054】図1のEO変換手段119には、2つのレ
ーザ光源とフィードバック回路を用いる別の構成を採用
することもできる。そのような構成に関しては、後述す
る「本発明の実施の形態」の第2の例の説明の中で記述
している。
【0055】EO変換手段1191 〜119N の出力の
それぞれは、定偏波光ファイバ120a1 〜120aN
に入力され、コリメータ103c1 〜103cN により
平行光として出射される。なおここで、コリメータ10
3c1 〜103cN は信号光を紙面に垂直な偏光で、ま
た、局部発振光を紙面に水平な偏光で出射するように置
く。
【0056】コリメータから出射した光線は、ECBモ
ードネマティック液晶素子113bに入射している。液
晶素子にはN個のセル113b1 〜113bN が形成さ
れており、それぞれのセルに独立に電圧を加えて、複屈
折率を制御することができる。ECBモードネマティッ
ク液晶素子113bは、電圧を加えない状態で液晶分子
の長軸が紙面に垂直になるように設置してある。
【0057】ECBモードネマティック液晶素子の動作
は「課題を解決するための手段」の項で図5に基づいて
説明したとおりで、電圧を加えることにより紙面に垂直
な偏光(信号光111)に対して位相遅れを与えること
ができる。紙面に水平な偏光(局部発振光112)に対
しては、位相は変化しない。このようにして、信号光と
局部発振光の間に位相差を与える。
【0058】ECBモードネマティック液晶素子の透過
光は、検光子114に入射される。検光子は紙面に対し
て45°傾いた偏光成分を透過するように置かれてい
る。検光子において、信号光と局部発振光のそれぞれは
一括して合成される。
【0059】合成された信号光と局部発振光のそれぞ
れ、コリメータ103d1 〜103d N に入射しシング
ルモード光ファイバ121a1 〜121aN によりOE
変換手段109a1 〜109aN に入力されている。O
E変換手段109a1 〜109aN では、信号光と局部
発振光のビート信号として、入力と同じ周波数を有する
高周波信号が取り出される。取り出される高周波信号の
位相は液晶素子のセルに与える電圧により制御可能であ
り、図1で示した構成は、高周波移相器のN個のアレー
として動作する。
【0060】図1において、系は信号の1次元アレーと
して図示したが、2次元アレーとする構成も考えること
ができる。コリメータ103c1〜103cN,103d
1〜103dNは2次元的に配列したものも作製できる。
また、ネマティック液晶素子113bもセルを2次元的
に配列させたものを用意できる。このようなコンポーネ
ントを使用することにより、系の2次元アレー化が可能
となる。2次元アレー化により信号のさらなる大規模な
並列信号処理を小さな体積で行なうことが期待できる。
これも本発明の特徴の1つである。2次元アレー化は、
後に説明する図2や図3においても実施可能である。
【0061】図2は本発明の実施の形態の第2の例を示
す図で、1つの高周波信号を入力とし、所望の位相に設
定したN個の高周波信号を出力する回路を示している。
高周波信号118cを入力信号とし、EO変換手段11
9aにより光信号に変換する。EO変換手段119aは
前述のEO変換手段と同様な機能を有するもので、入力
高周波信号cosωrftに対して、信号光cos(ω
opt +ωrf)tと局部発振光cosωopt tを直交する
偏波の状態で出力する。
【0062】図2に記載のEO変換手段119aは、2
つのレーザ光源101aと101bを有する。高周波信
号118cと後述するフィードバック信号122はコン
トローラ123の入力となっている。コントローラ12
3は、2つの信号の周波数を比較し、それが常に一致す
るように、レーザの片方(101b)の注入電流や温度
を変えることにより、レーザの発振周波数を制御する機
能を有する。
【0063】入力高周波信号118cの角周波数を
ωrf、レーザ光源101aの出射波の角周波数をωopt
とするとき、レーザ光源101bの出射波は角周波数
(ωopt +ωrf)に設定される。このようにして高周波
信号118cは光信号に重畳される。レーザ101aの
出力は局部発振光、レーザ101bの出力は信号光とし
て作用する。レーザ光源101aと101bの出力は、
合成器124によって、直交する偏波の状態で合成され
る。
【0064】EO変換手段119aの出力は、定偏波光
ファイバ120aに入力され、次いで1:(N+1)の
光分配器125aにより分配される。分配器の出力の1
つは、定偏波光ファイバ120bN+1 を経て、経路中に
検光子114aによって信号光と局部発振光が合成さ
れ、シングルモード光ファイバ121aを経て、OE変
換手段109bN+1 に入力される。
【0065】OE変換手段109bN+1 において、信号
光と局部発振光のビート成分である高周波信号が取り出
される。高周波電気信号はフィードバック信号122と
して、EO変換手段内のコントローラ123の入力の1
つになっている。
【0066】光分配器の残りのN本の光出力に加えられ
る処理は、「発明の実施の形態」の第1の例の説明中の
記載と同じである。光分配器125aの出力は、定偏波
光ファイバ120b1 〜120bN を経て、コリメータ
103e1 〜103eN により空間に出射される。コリ
メータ103e1 〜103eN は、信号光を紙面に垂直
な偏光で、局部発振光を紙面に水平な偏光で出射する。
【0067】コリメータ103e1 〜103eN から出
射した光波は、ECBモードネマティック液晶素子11
3cに入射され、信号光についてのみ選択的に、それぞ
れ位相の変化を受ける。ECBモードネマティック液晶
素子113cの透過光は、後置の検光子114において
信号光と局部発振光が合成される。
【0068】合成された信号光と局部発振光のペアは、
それぞれ、コリメータ103f1 〜103fNに入射し
シングルモード光ファイバ121b1 〜121bN を経
てOE変換手段109b1 〜109bN に入力される。
OE変換手段109b1 〜109bN において、信号光
と局発光のビート成分が取り出される。
【0069】取り出された高周波信号118c1 〜11
8cN は入力信号と同じ周波数で、それらの位相は液晶
素子のセル113c1 〜113c8 に与える電圧により
所望の値に設定されている。以上の原理で、図2に記載
した回路は1入力N出力の高周波移相器のアレーとして
動作する。
【0070】図3は本発明の実施の形態の第3の例を示
したものである。この例は先の第2の例に示した回路と
同様な機能を有する回路で、1つの高周波信号を入力と
し所望の位相に設定されたN個の高周波信号を出力す
る。
【0071】高周波信号118dを入力信号とし、EO
変換手段119bにより光信号に変換する。EO変換手
段119bは実施例1に記載のものと同様なもので、入
力高周波信号cosωrftに対して、信号光cos(ω
opt +ωrf)tと局部発振光cosωopt tを直交する
偏波の状態で出力する。EO変換手段119bの出力は
定偏波光ファイバ120dに入力され、次いで接続され
た1:Nの光分配器125bにより分配される。
【0072】N個に分配された信号のそれぞれは定偏波
光ファイバ120c1 〜120cNを経て、コリメータ
103g1 〜103gN により平行光として出射され
る。なお、コリメータは、信号光111を紙面に垂直な
偏光で、局部発振光112を紙面に水平な偏光で出射す
る。
【0073】コリメータ103g1 〜103gN から出
射した光波は、先に説明した実施の形態の第1の例に記
載の処理と全く同様の操作を受ける。N個のセル113
1〜103dNにより構成されるECBモードネマティ
ック液晶素子113dにより、それぞれの光路において
は、信号光と局部発振光の位相差が制御される。ECB
モードネマティック液晶素子113dの透過光は検光子
114に入射し、信号光と局部発振光は一括して合成さ
れる。
【0074】合成された信号光と局部発振光のそれぞれ
は、コリメータ103h1 〜103hN に入射しシング
ルモード光ファイバ121c1 〜121cN を経て、O
E変換手段109c1 〜109cN に入力している。O
E変換手段109c1 〜109cN において、信号光と
局発光のビート成分が取り出される。取り出された高周
波信号118d1 〜118dN は入力された高周波信号
118aと同じ周波数で、それらの位相は液晶セル11
3d1 〜113dN に与える電圧により所望の値に設定
される。
【0075】以上に説明した動作原理に基づいて、図3
に記載した回路は1入力N出力の高周波移相器のアレー
として動作する。
【0076】
【発明の効果】本発明は、光ヘテロダイン法を適用した
高周波移相器アレーに関して、信号光と局部発振光を直
交した偏波で多重化した構成を採るものである。光信号
を媒介にする高周波移相器は、従来は、マッハツェンダ
ー干渉計により構成されていたので、N本のアレー化を
図る場合、2つの光路を経た光波をN本の信号系統につ
いて合成する必要があったが、このような光学系を構築
し構成するにはかなりの困難が伴うという問題があっ
た。
【0077】本発明によれば、信号光と局発光は1つの
伝送路により伝送され、光学系はコリメータの対により
構成される。そして、1つの光路上に1つの干渉計が置
かれているため、光学系は大幅に簡略化される。また、
信号光と局部発振光が同一経路を伝搬するため、系に外
乱が加わってもそれは2つの光信号に同じに作用する。
【0078】このような外乱は、ヘテロダイン検波によ
り除去され、出力される高周波信号の位相の安定化を図
ることができる。本発明により、光信号処理を利用した
高周波移相器に関して、出力の位相が安定で、かつ、大
規模なアレーを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1の例を示す図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態の第2の例を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態の第3の例を示す図であ
る。
【図4】本発明で使用するEO変換手段の構成の例を示
す図である。
【図5】偏波多重光ヘテロダイン法を適用して高周波電
気信号の位相を制御する系の基本構成を示す図である。
【図6】従来の光信号処理技術を適用した高周波信号を
入出力する移相器のアレーを示す図である。
【符号の説明】
101a,101b,101c,1011 〜101N
レーザ光源 102a1 〜102aN ,102b1 〜102bN
光ファイバ 103a1 〜103aN ,103b1 〜103bN ,1
03c1 〜103cN ,103d1 〜103dN ,10
3e,103e1 〜103eN ,103f1 〜103f
N ,103g1 〜103gN ,103h1 〜103hN
コリメータ 104a,104b,104c ハーフミラー 1051 〜105N ,105c 光高周波シフタ 1061 〜106N 高周波信号源 107a,107b,107c,107d ミラー 1081 〜108N 光移相器 1091 〜109N 光受信機 109a1 〜109aN ,109b1 〜109bN+1
109c1 〜109cN OE変換手段 110 XYZ直交座標系 111 信号光 111a 信号光(入力) 111b 信号光(出力) 112 局発光 112a 局発光(入力) 112b 局発光(出力) 113 複屈折性光学素子 113a,113b,113b1 〜113bN ,113
c,113c1〜113cN ,113d,113d1
113dN ECBモードネマティック液晶素子 114,114a 検光子 115 検光子の傾き角(θa ) 116 ネマティック液晶分子 117 ネマティック液晶分子の傾き角(θs ) 118a,118a1 〜118aN ,118c,118
d 高周波信号(入力) 118b1 〜118bN ,118c1 〜118cN ,1
18d1 〜118dN 高周波信号(出力) 119a,119b,1191 〜119N EO変換
手段 120a,120a1 〜120aN ,120b1 〜12
0bN+1 ,120c1 〜120cN ,120d 定偏
波光ファイバ 121a1 〜121aN ,121b1 〜121bN ,1
21c1 〜121cN シングルモード光ファイバ 122 フィードバック信号 123 コントローラ 124 合成器 125a 1:(N+1)光分配器 125b 1:N光分配器 126 偏光ビームスプリッタ 127 半波長板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波信号を入力とし、高周波信号の周
    波数スペクトルの形を保存して重畳した信号光と、局部
    発振光とを互いに直交する偏波の状態で多重して出力す
    るEO変換手段をN個備え、 該N個のEO変換手段の各出力を、それぞれN個の複屈
    折性を利用した光移相器に入力して各々の光移相器にお
    いて信号光と局部発振光の間に位相差を与え、 該N個の光移相器の各出力を、直交する偏光を合成する
    手段に接続して、信号光と局部発振光を合成し、 該合成手段のN個の出力を、それぞれ、N個のOE変換
    手段に接続し、N個の高周波信号を取り出す、ように構
    成したことを特徴とする高周波移相器アレー。
  2. 【請求項2】 2つのレーザ光源があり、 その内の1つのレーザ光源は、高周波信号及びフィード
    バック信号を入力とし、その2つの信号を比較し、差が
    常にゼロになるように制御する手段により制御され、そ
    の光出力には高周波信号の周波数スペクトルの形を保存
    して重畳し、 上記光出力と、2つのレーザ光源の内の他のレーザ光源
    の出力とを、合成手段に入力して、互いに直交する偏波
    の状態で多重し、 該合成手段の出力を1:(N+1)の光分配器に入力
    し、 該光分配器の各出力の1つを直交する偏波を合成する手
    段に入力し、次いでOE変換手段に接続してビート信号
    成分を取り出し、 そのビート信号成分をフィードバック信号とし、前述の
    レーザを制御する手段に入力し、 1:(N+1)の光分配器の残りのN個の出力を、それ
    ぞれ、N個の光移相器を並列に配列して構成した光移相
    器のアレーに接続して、各々の移相器において2つの直
    交する偏波の信号の間に位相差を与え、 該N個の光移相器の各出力を、直交する偏光を合成する
    手段に接続し、 該合成手段のN個の出力を、それぞれ、N個のOE変換
    手段に接続し、N個の高周波信号を取り出す、ように構
    成したことを特徴とする高周波移相器アレー。
  3. 【請求項3】 高周波信号を入力とし、高周波信号の周
    波数スペクトルの形を保存して重畳した信号光、ならび
    に、局部発振光とを互いに直交する偏波の状態で多重し
    て出力するEO変換手段を備え、 該EO変換手段の出力を、N本に分岐する手段に接続
    し、 該分岐手段のN個の出力を、それぞれ、N個の複屈折性
    を利用する光移相器に入力して、各々の光移相器におい
    て信号光と局部発振光の間に位相差を与え、 該N個の光移相器の各出力を、直交する偏光を合成する
    手段に接続し、信号光と局部発振光を合成し、 該直交する偏光を合成する手段のN個の出力を、それぞ
    れ、N個のOE変換手段に接続し、N個の高周波信号を
    取り出す、ように構成したことを特徴とする高周波移相
    器アレー。
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