JPH0912727A - 樹脂粒子およびfrp組成物 - Google Patents

樹脂粒子およびfrp組成物

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JPH0912727A
JPH0912727A JP7160648A JP16064895A JPH0912727A JP H0912727 A JPH0912727 A JP H0912727A JP 7160648 A JP7160648 A JP 7160648A JP 16064895 A JP16064895 A JP 16064895A JP H0912727 A JPH0912727 A JP H0912727A
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沢 容 一 滝
Masayuki Yamagishi
岸 雅 幸 山
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の樹脂粒子は、ポリマー粒子芯材と、
このポリマー粒子芯材の平均粒子径の1/10〜1/1
000の平均粒子径を有し、このポリマー粒子芯材の表
面に固定されている無機質微粒子と、この無機質微粒子
に結合したアルキルシラン化合物および/またはカップ
リング剤とからなる。本発明のFRP組成物は、この樹
脂粒子が樹脂マトリックス中に分散してなる。 【効果】 本発明の樹脂粒子は、樹脂に添加して成形体
を製造する際の低収縮材として好適であり、特に人工大
理石を製造する際の組成物に配合することにより、寸法
精度および耐煮沸性に優れ、しかも美麗な大理石のよう
な外観を有する成形体を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、新規な構成を有する樹脂
粒子に関し、さらに例えばFRPを形成する際に樹脂に
添加される樹脂粒子、およびこの樹脂粒子を含有するF
RP組成物に関する。さらに詳しくは本発明は、FR
P、特にSMC及びBMCと呼ばれるFRPを製造する
際に樹脂に配合される樹脂粒子、特に人工大理石と呼ば
れるFRPを形成する際に好適に用いられる樹脂粒子お
よびこの粒子を含有する大理石のような外観を有する成
形体を製造することができる樹脂組成物に関する。さら
に本発明は、耐煮沸性、透明性、着色性、機械的強度等
が低下することが少なく、低収縮性である成形体を形成
し得る樹脂粒子およびこの樹脂粒子を含有する樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来技術】近年、FRP成形体はその機械的強度、耐
薬品性、生産性などの面から多種多様の用途に使用さ
れ、それぞれの用途によりそれぞれ要求される性能の向
上のため多くの研究がなされている。
【0003】たとえば、FRP成形体を製造する際に硬
化時間を短縮して生産性を、向上させるために、高温で
成形する方法が採られる。こうした成形温度を高温にす
ることにより、硬化時間は短縮できる反面、硬化に伴う
組成物の体積収縮により生ずる内部応力によって成形体
にクラックが生じたり、あるいは体積収縮のために、成
形体の寸法精度が低下する。さらに、成形体の表面平滑
性が損なわれやすくなることから、成形体の表面光沢が
低下するなどの問題がある。
【0004】このような問題を解消する方法として、F
RP組成物には低収縮剤、あるいは無収縮剤などと呼ば
れる添加剤を配合する方法が採られている。しかしなが
ら、この添加剤の添加によりFRP成形体の着色性およ
び透明性が低下するといった新たな問題が生ずる。さら
に、こうした添加剤を配合した成形体について経時的に
観察すると、耐水性、耐煮沸性、あるいは耐熱水性など
と呼ばれる性能も低下する。
【0005】ところで、FRP成形体の一分野に、人工
大理石があり、そのうちでもBMC人工大理石は生産性
に優れている。この人工大理石は、樹脂に無機粉末等を
配合すると共に、大理石に似せて着色したFRP成形体
であり、キッチンや洗面台のカウンタートップあるいは
バスタブとして使用されている。このような人工大理石
の用途から、このFRPには、透明性、均一な着色性、
表面光沢等の成形体の美観を構成する特性が重視され、
添加剤の添加によっても成形体の着色性および透明性が
低下しないように、添加剤を選定する必要がある。
【0006】さらに、このFRPの成形体であるバスタ
ブについては、40℃前後の温水に晒されるため、添加
剤の添加による成形体の変質(通常このような特性を
「耐煮沸性」という)が大きな問題となっている。殊に
最近は、24時間風呂と呼ばれる常時入浴可能な風呂の
システムが普及してきており、このようなシステムで
は、人工大理石バスタブが常時40℃前後の温水と接触
しているので、従来の人工大理石バスタブにも増して、
上記耐煮沸性が重要な特性になってきている。すなわ
ち、従来のBMC人工大理石バスタブを使用すると、そ
の使用条件下ではバスタブの劣化が著しく促進され、短
時間でバスタブの外観が美観に欠けるものとなってしま
うという問題が生じてきている。
【0007】このような人工大理石から形成されたバス
タブの耐煮沸性の問題に対して種々の改良法が提案され
ている。例えばFRP組成物に使用する充填剤として、
アルキルシラン化合物、あるいはシランカップリング剤
等のカップリング剤にて処理された無機物を用いる方
法、あるいはFRP組成物を調製する際に、シランカッ
プリング剤等のカップリング剤を他のFRP組成物を構
成する資材に添加、混練するなどの方法等が知られてい
る(例えば、特開昭58−173114号、特開昭63
−235358号、特開平02−99509号、特開平
03−50257号、特開平05−170971号、特
開昭62−259837号、特開平03−45542号
および特開平05−229860号等の各公報参照)。
【0008】こうした改良によってFRP成形体である
バスタブの耐煮沸性はある程度改善されるが、依然とし
て24時間風呂等の過酷な条件での使用に耐えることは
できない。これは、これらの改良は、総じてFRP用樹
脂と無機物充填剤との界面の状態を改善して成形体の耐
煮沸性を改善しようとするものであり、こうした界面状
態の改善だけでは低収縮剤あるいはクラック防止剤によ
り成形体の耐煮沸性が低下するという問題を解消するに
は至らない。
【0009】なお、上記の問題点は、樹脂粒子の用途と
して、最近クローズアップされているFRPに添加する
樹脂粒子を中心に記載したものであり、樹脂粒子には、
上記のようなFRPへの添加剤としての用途のほかにも
たとえば塗料用では、良好なチキソ性を与える流動制御
剤、あるいは、ビヒクル成分と相溶性が良好なつや消し
剤など種々の用途がある。
【0010】
【発明の目的】本発明は、新規な樹脂粒子を提供するこ
とを目的としている。本発明は、樹脂に添加した際に、
透明性、着色性、機械的特性、表面光沢、耐煮沸性、低
収縮性に優れた樹脂成形体を形成可能な樹脂粒子を提供
することを目的としている。
【0011】また、本発明は、特に樹脂に配合してFR
P成形体を形成するのに適した樹脂粒子およびこの樹脂
粒子を含有するFRP組成物を提供することを目的とし
ている。
【0012】さらに本発明は、樹脂に添加することによ
り、着色性、透明性、表面光沢などの成形体の外観、お
よび、成形体の機械的強度などは勿論、成形体の耐煮沸
性を低下させることなく、成形体の収縮性を低下させる
ことができる樹脂粒子および上記のような樹脂粒子を配
合することにより上記のような特性を有する成形体を製
造可能なFRP組成物を提供することを目的としてい
る。
【0013】
【発明の概要】本発明の樹脂粒子は、ポリマー粒子芯材
と、該ポリマー粒子芯材の平均粒子径の1/10〜1/
1000の平均粒子径を有し、該ポリマー粒子芯材の表
面に固定されている無機質微粒子と、該無機質微粒子に
結合した、アルキルシラン化合物および/またはカップ
リング剤とからなることを特徴としている。
【0014】また、本発明のFRP組成物は、樹脂マト
リックス中に、ポリマー粒子芯材と、該ポリマー粒子芯
材の平均粒子径の1/10〜1/1000の平均粒子径
を有し、該ポリマー粒子芯材の表面に固定されている無
機質微粒子と、該無機質微粒子に結合した、アルキルシ
ラン化合物および/またはカップリング剤とからなる樹
脂粒子が分散されていることを特徴としている。
【0015】本発明の樹脂粒子は、樹脂芯材の表面に固
定された無機微粉末にアルキルシラン化合物またはカッ
プリング剤の少なくともいずれか一方または両者が結合
している粒子である。
【0016】このような樹脂粒子を樹脂に配合した樹脂
組成物を用いることにより、透明性、着色性、機械的強
度、耐煮沸性および低収縮性に優れたFRP成形体を製
造することができる。
【0017】すなわち、本発明の樹脂粒子を樹脂マトリ
ックス中に添加することにより、成形体の着色性、透明
性、表面光沢などの特性に優れた成形体を形成すること
ができると共に、成形体の機械的強度などはもちろんの
事、成形体の耐煮沸性をも低下させることなく、成形体
の収縮性を低減することができると共に耐クラック性な
どの特性を向上させることができる。
【0018】
【発明の具体的説明】次に本発明の樹脂粒子およびこの
樹脂粒子を配合したFRP組成物について具体的に説明
する。
【0019】本発明の樹脂粒子は、芯材を形成するポリ
マー粒子と、この芯材であるポリマー粒子の表面に固定
された無機質微粒子と、この無機質微粒子に結合したア
ルキルシラン化合物および/またはカップリング剤とか
らなる。
【0020】本発明において、芯材を形成するポリマー
粒子は、種々の樹脂を使用して形成することができる
が、特に本発明では、FRP成形体を形成するのに使用
される樹脂およびこのような樹脂を含有するFRP組成
物の溶剤として使用される重合性単量体に溶解されず、
かつこのFRP組成物を構成するいずれかの成分に対し
て膨潤性を有する樹脂で形成されていることが好まし
い。
【0021】ここで「ポリマー粒子が重合性単量体に膨
潤する」とは、以下に記載する測定法に従ってポリマー
の膨潤度を測定し、この膨潤度によって定められる特性
である。
【0022】本発明におけるポリマー粒子の膨潤度の測
定方法は次の通りである。内径14mm、高さ135mm、
目盛り刻み0.2ml、無色ガラス性の20mlのメスシリ
ンダーに試料0.5gを正確に秤量して入れ、数回タッ
ピングする。その後、スチレンモノマーを静かに壁面を
伝わらせて20mlの目盛りまで加える。室温で16〜2
4時間静置し、膨潤したゲルの高さをmlで表示して読み
とる。
【0023】上記のようにして測定した値から次式によ
り算出した値を膨潤度と定義する。膨潤度=(読み取り
値(ml)×0.5)/試料採取料(g)本発明において、この
ポリマー粒子は、スチレン系および/またはアクリル系
のビニル基を1個有する単量体から形成することができ
る。
【0024】ここでスチレン系単量体の例としては、ス
チレンのほか、α-スチレン、ビニルトルエン、p-t-ブ
チルスチレンなどのスチレン誘導体を挙げることができ
る。また、アクリル系単量体の例としては、アクリル酸
およびアクリル酸の誘導体、ならびに、メタクリル酸お
よびメタクリル酸の誘導体を挙げることができる。具体
的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリ
ル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、
アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸グリシジル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸
プロポキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリ
ル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸エトキ
シジエチレングリコール、アクリル酸メトキシエチレン
グリコール、アクリル酸ブトキシトリエチレングリコー
ル、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アク
リル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェノキシジエチ
レングリコール、アクリル酸フェノキシテトラエチレン
グリコール、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘ
キシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル
酸ジシクロペンテニル、アクリル酸ジシクロペンテニル
オキシエチル、アクリル酸N-ビニル-2-ピロリドン、ア
クリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロ
ピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸-2-ヒ
ドロキシ-3-フェニルオキシプロピル、アクリロニトリ
ル、アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、ジ
アセトンアクリルアミドを挙げることができる。また、
メタクリル酸の誘導体の具体的な例としては、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタ
クリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル
酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシ
ル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、
メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メトキシエチ
ル、メタクリル酸プロポキシエチル、メタクリル酸ブト
キシエチル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコー
ル、メタクリル酸エトキシジエチレングリコール、メタ
クリル酸メトキシエチレングリコール、メタクリル酸ブ
トキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシ
ジプロピレングリコール、メタクリル酸フェノキシエチ
ル、メタクリル酸フェノキシジエチレングリコール、メ
タクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、メタ
クリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタ
クリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ジシク
ロペンテニル、メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシ
エチル、メタクリル酸N-ビニル-2-ピロリドン、メタク
リロニトリル、メタクリルアミド、N-メチロールメタク
リルアミド、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタ
クリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシ
ブチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシ
プロピル、ビニルピリジンなどの分子内に1個のビニル
基を有するビニル系単量体を挙げることができる。これ
らの単量体は単独であるいは組み合わせて使用すること
ができる。
【0025】さらに、このようなモノマーを(共)重合
させることにより製造されるポリマー粒子には、架橋構
造が形成されていることが好ましい。上述のポリマー粒
子の膨潤度は、ポリマー粒子中に橋架け構造を形成する
ことにより調整することができ、この架橋構造は、2官
能性単量体あるいは多官能性単量体の配合量を調整して
制御できる。架橋構造が形成されることにより、例えば
FRP組成物を構成する重合性単量体に対して溶解性は
示すことなく、好適な膨潤度を示すポリマー粒子を容易
に製造することができる。架橋構造を形成するのに使用
される2官能性単量体あるいは多官能性単量体の例とし
ては、ジビニルベンゼン、グリコールとメタクリル酸あ
るいはアクリル酸との反応性生物、例えばエチレングリ
コールジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジメ
タクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、
1,5-ペンタンジオールメタクリレート、1,6-ヘキサンジ
オールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエ
チレングリコールジメタクリレート、トリプロピレング
リコールジメタクリレートなどを挙げることができる。
これらの化合物は単独であるいは組み合わせて使用する
ことができる。ただし、本発明で使用することができる
多官能性単量体は、上記例示した化合物に限定されるも
のではなく、本発明では上記の化合物と同等の作用を有
する化合物を使用することができる。
【0026】上記のような2官能性単量体あるいは多官
能性単量体は、ポリマー粒子を形成する際に使用する単
官能性モノマー100重量部に対して、通常は0.00
5〜2.0重量部、好ましくは0.1〜1.0重量部の量
で使用される。
【0027】本発明において、芯材であるポリマー粒子
として架橋ポリマー粒子を使用する場合には、架橋ポリ
スチレン粒子、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋
ポリスチレン・メタクリル酸メチル共重合物粒子が好ま
しい。
【0028】このようなポリマー粒子の製造法は特に制
限されるものではなく、例えば、溶液重合、塊状重合、
鋳込み重合、乳化重合、多段階シード重合、懸濁重合な
どの重合法を採用して製造することができる。例えば、
塊状重合、鋳込み重合などの方法でポリマー粒子を製造
するには、重合終了後、ポリマーを所望の粒径にまで粉
砕し、この粉砕物を分級した後、得られた粒子を球状化
する。また、乳化重合、多段階シード重合、懸濁重合な
ど重合法を採用して予め予定した粒子径のポリマー粒子
を製造することができる。これらの重合法の中でも、懸
濁重合法は、無機質微粒子の固定をポリマー粒子の製造
と同時に行うことが可能であり、さらに粒子径の制御も
容易であり、本発明では好ましい方法である。
【0029】このポリマー粒子は、通常は10〜100
μm、好ましくは30〜70μmの平均粒子径を有して
おり、特に本発明の樹脂粒子を人工大理石を製造するた
めの粒子として使用する場合には、40〜60μmの平
均粒子径を有していることが好ましい。さらに、このポ
リマー粒子は、粒子径が揃っていることが好ましく、こ
のポリマー粒子の相対標準偏差が30%以下の真球状単
分散粒子であることが好ましい。
【0030】本発明の樹脂粒子においては、上記のよう
なポリマー粒子の表面に無機質微粒子が固定されてい
る。本発明の樹脂粒子において、ポリマー粒子の表面に
固定されている無機質微粒子の例としては、ガラス、水
酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ等を挙げる
ことができるが、このほかに、アルミナ、チタニア、ジ
ルコニアなどの金属酸化物、水酸化マグネシウム、水酸
化カルシウム等の水酸化アルミニウム以外の金属酸化
物、あるいは燐酸カルシウム等の燐酸金属塩を挙げるこ
とができる。このような無機質微粒子は単独であるいは
組み合わせて使用することができる。
【0031】特に本発明の樹脂粒子を配合して形成され
る人工大理石用BMC組成物中には、本発明の樹脂粒子
の他に、無機充填材粒子が配合されるのが一般的である
が、このようにFRP組成物が無機充填材粒子を含有す
る場合には、ポリマー粒子の表面に固定される無機質微
粒子としては、FRP組成物中に含有される無機充填材
粒子と同等の組成を有する無機質微粒子を使用すること
が好ましく、こうした観点からすると、ガラス、水酸化
アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカが好ましい。
【0032】この無機質微粒子は、芯材であるポリマー
粒子の平均粒子径の1/10〜1/1000、好ましく
は1/100〜1/1000の平均粒子径を有してお
り、ポリマー粒子の表面に容易に脱離しないように固定
されている。従って、この無機質微粒子の平均粒子径
は、通常は0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1
0μmの範囲内にある。無機質微粒子の平均粒子径が
0.01μm未満である場合には無機質微粒子自体の分
散が困難となり、ポリマー粒子表面に安定に固定するこ
とが困難になる。また、比表面積が大きくなるため、そ
の処理に大量のアルキルシラン化合物および/またはカ
ップリング剤が必要になる。また、無機質微粒子の平均
粒子径が10μmより大きい場合には、相対的に比表面
積が小さいため、核となるポリマー粒子表面に本発明に
おいて必要とされる被覆面積を得るため固定されり無機
質微粒子が大量に必要になる。また、芯材となるポリマ
ー粒子との粒径の比が小さくなることにより、本発明の
樹脂粒子を製造する際に、ポリマー粒子の表面に無機質
微粒子が安定に固定されにくくなる。
【0033】また、本発明において無機質微粒子がポリ
マー粒子の表面に固定されているとは、無機質微粒子お
よびポリマー粒子の両者を溶解もしくは膨潤させること
のない液体中に、無機質微粒子が固定されたポリマー粒
子を分散させて充分に撹拌して24時間放置した後、ポ
リマー粒子と液体とを分離し、分離されたポリマー粒子
を電子顕微鏡で観察した際に、液体に分散させる前にポ
リマー粒子表面に存在していた無機質微粒子の数の50
%以上が残存するようにポリマー粒子表面に無機質微粒
子が係合されていることを意味する。従って、この無機
質微粒子は、ポリマー粒子表面に、化学的係止力、物理
的係止力あるいは物理化学的係止力などいずれの係止力
で固定されていてもよい。
【0034】これらの無機質微粒子をポリマー粒子の表
面に固定するには、例えばポリマー粒子懸濁液中、また
はポリマー粒子が分散している気相中で、例えば化学反
応を利用してこのポリマー粒子の表面に無機質微粒子を
析出させる方法、自動乳鉢やメカノケミカル法を利用し
た粉体複合装置のような粉体複合装置を使用して、ポリ
マー粒子の表面に無機質微粒子を固定する方法、ポリマ
ー粒子を懸濁重合など、液体状の媒体中で製造する際
に、重合性単量体を媒体に分散する懸濁剤として使用さ
れる無機質微粒子を生成されるポリマー粒子の表面に固
定させる方法などの方法を採用することができる。ここ
で懸濁剤の代表的な例としては、ガラス、水酸化アルミ
ニウム、炭酸カルシウム、シリカ、燐酸三カルシウム、
ヒドロキシアパタイト、酸化チタンおよび水酸化カルシ
ウムを挙げることができる。これらの懸濁剤の中には単
独では懸濁剤の機能を有しないかあるいは懸濁剤として
の機能が低いものもあるが、こうした懸濁剤を使用する
場合には、懸濁助剤を併用することができる。ここで使
用される懸濁助剤としては、陽イオン系界面活性剤、陰
イオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を挙げるこ
とができる。本発明で懸濁助剤として界面活性剤を使用
する場合には、陰イオン系界面活性剤が好ましい。陰イ
オン系界面活性剤の例としてはアルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウ
ム、アルキルスルホン酸ナトリウム、およびこれらのナ
トリウム以外の金属塩(例:カリウム塩、リチウム塩、
カルシウム塩等)を挙げることができる。これらの懸濁
助剤はポリマー粒子を重合する際に用いる水性媒体10
0重量部に対して、1×10-4〜0.1重量部の範囲内
の量で添加することが望ましい。また、これらの懸濁助
剤の使用は本発明において何ら悪影響を及ぼすものでは
ない。
【0035】特に本発明において、メカノケミカル法を
利用すると、使用するポリマー粒子が塊状重合、鋳込み
重合などの後、粉砕、分級を行った不定形の粒子に対し
て、ポリマー粒子の球形化とポリマー粒子表面への無機
質微粒子の固定化とが同時に行える場合もある。
【0036】本発明において、無機質微粒子をポリマー
粒子の表面に固定するための装置の例としては、メカノ
ミル(岡田精工(株)製)、メカノフージョンシステム
(ホソカワミクロン(株)製)、KOSMOS(川崎重
工業(株)製)、DISPACOAT(日精製粉(株)
製)コートマイザー(フロイント産業(株)製)サーフ
ュージングシステム(日本ニューマチック工業(株)
製)、ハイブリダイゼーションシステムNHS-1型
((株)奈良機械製作所製)などを挙げることができ、
さらにスプレードライヤーを利用して固定化することも
できる。
【0037】なお、本発明において、上記のような無機
質微粒子のポリマー粒子表面への固定は、複数の方法を
組み合わせて行うこともできる。また、ポリマー粒子表
面に固定される無機質微粒子は、ポリマー粒子表面を均
一にあるいは全面を被覆する必要はなく、ポリマー粒子
表面の全面積に対する無機質微粒子による被覆面積は、
通常は50〜100%、好ましくは75〜100%であ
る。ポリマー粒子表面の全面積に対して無機質微粒子に
よる被覆面積が上記範囲を逸脱して少なすぎるとFRP
成形体の耐煮沸性を低下する傾向があり、また、無機質
微粒子の添加量がポリマー粒子表面の面積を完全被覆す
る量(被覆率100を超える量の無機質微粒子が存在す
る場合)、すなわち、余剰の無機質微粒子が存在する場
合には無機質微粒子が無駄になるばかりでなく、樹脂に
配合して例えばFRP成形体を製造する場合、得られる
成形体の透明性が低下しやすく、また充分な低収縮性が
得られないことがある。
【0038】本発明の樹脂粒子は、上記のようにしてポ
リマー粒子の表面に固定された無機質微粒子には、アル
キルシラン化合物および/またはカップリング剤が結合
している。
【0039】本発明で使用されるアルキルシラン化合物
は、式;RnSiY4-n(式中、Rはアルキル基、Yは加
水分解性基を意味し、nは1〜3の整数である)で示さ
れる化合物である。
【0040】ここでアルキル基は、直鎖状であっても、
あるいは分岐状であってもよく、また、nが2あるいは
3の場合は、これらのアルキル基は同一であっても、異
なっていてもよい。特に本発明では、このRで表される
アルキル基は、炭素数が3〜10であることが好まし
く、さらに炭素数が3〜10でかつ、直鎖状の構造を有
していることが好ましい。すなわち、上記のようなアル
キル基を有するアルキルシラン化合物を樹脂に配合して
例えばFRP組成物を製造すると、アルキルシラン化合
物に起因するアルキル基がFRP用樹脂中に分子レベル
で物理的に絡み合うようして本発明の樹脂粒子をFRP
用樹脂中に安定化させることができる。そして、アルキ
ル基の炭素数が3に満たないと、このアルキル基部分の
親油性があまり高くならないので、FRP組成物中にお
ける本発明の樹脂粒子の分散性が充分には向上しないこ
とがあり、また、FRP組成物中における本発明の樹脂
粒子の安定性も向上しないことがある。逆にアルキル基
の炭素数が10を超えるとアルキルシランの親油性が過
度に高くなるため、樹脂粒子をアルキルシランで処理す
る際の処理能率が低下することがある。さらに、アルキ
ル基が直鎖状であるものは、分岐構造を有するアルキル
基よりも分子鎖長が長く、FRP成形体中ではより効果
的にFRP用樹脂中に入り込み良好な分散安定性を示
す。
【0041】本発明で使用されるアルキルシラン化合物
の有する加水分解性基は、加水分解を起こしシラノール
基となって無機質微粒子と脱水縮合する。この加水分解
性基の例としては、アルコキシ基、アセトキシ基を挙げ
ることができ、特に、そのなかでも無機物に対しての反
応性のよいアルコキシ基が好ましく、さらにエトキシ基
および/またはメトキシ基が特に好ましい。
【0042】さらに、前述の式において、nは1〜3の
整数であれば特に制限されるものではないが、特にnが
1であることが好ましい。これは本発明の樹脂粒子にお
いては、nの数が小さいほど無機質微粒子による層に対
してのアルキルシラン化合物の結合がより強固になるた
めであり、また同時にアルキルシラン分子中のアルキル
基の数が減少することにより、アルキル基同士の立体障
害による悪影響を防止することが可能となる。
【0043】このようなアルキルシラン化合物のうち、
好ましい例としては、ノルマルプロピルトリメトキシシ
ラン、ノルマルヘキシルトリメトキシシラン、ノルマル
デシルトリメトキシシラン、ノルマルプロピルトリエト
キシシラン、ノルマルヘキシルトリエトキシシランおよ
びノルマルデシルトリエトキシシラン等を挙げることが
できる。
【0044】このアルキルシラン化合物はその性能に影
響が及ばない範囲で2種類以上を併用することができ
る。本発明において、上記アルキルシラン化合物とは別
にあるいはアルキルシラン化合物と共に使用されるカッ
プリング剤は、無機物と有機物との間にカップリング反
応を起こす化合物であり、具体的には、本発明で使用さ
れるカップリング剤の例としては、シランカップリング
剤、有機チタン系カップリング剤、クロム系カップリン
グ剤、シリルペルオキシド、有機リン系カップリング
剤、アルミニウム系カップリング剤等を挙げることがで
きる。
【0045】ここで、シランカップリング剤は、式(X
R)nSiY4-nで表される化合物である。ここで、Xは
FRP用樹脂を構成する樹脂、あるいはこの樹脂の溶剤
として配合されている重合性単量体と反応性を有する官
能基であり、Rは有機基、Yは加水分解性基を意味し、
nは1〜3の整数である。
【0046】上記式中「X」で表されるFRP用樹脂を
構成する樹脂あるいは樹脂の溶剤として添加されている
重合性単量体と反応性を有する官能基の例として、ビニ
ル基、メタクリロキシ基、グリシドキシ基、アミノ基等
を挙げることができる。殊に本発明ではメタクリロキシ
基が好ましい。
【0047】また、上記式中「R」で表される有機基と
しては、通常はアルキル基のような炭化水素基あるいは
この炭化水素基に酸素、窒素、イオウ等の原子が結合し
た基であり、この有機基は直鎖状であってもあるいは分
岐状であってもよい。FRP成形体中ではシランカップ
リング剤分子中の、FRP用樹脂およびこの樹脂の溶剤
として添加されている重合性単量体と反応性を有する官
能基が、FRP用樹脂あるいはこの樹脂の溶剤として添
加されている重合性単量体と反応していると考えられ
る。
【0048】また、シランカップリング剤一般式中の加
水分解性基は、加水分解を起こしシラノール基となって
ポリマー粒子表面に固定された無機質微粒子と脱水縮合
する基である。この加水分解性基としては一般のアルコ
キシ基、アセトキシ基が例として挙げられるが、そのな
かでも無機質微粒子に対しての反応性のよいアルコキシ
基が好ましく、さらにエトキシ基、及びメトキシ基が特
に好ましい。
【0049】さらに、上記式において、nは、通常は1
〜3の整数であり、好ましくはnが1である。これは本
発明の樹脂粒子においては、nの数が小さいほど無機質
微粒子による層に対してのシランカップリング剤の結合
がより強固になるためであり、また同時にシランカップ
リング剤中の官能基を有した有機基の数が減少すること
により、有機基同士の立体障害による悪影響を防止する
ことができる。
【0050】こうしたシランカップリング剤の例として
はビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β-(3,4-
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等
を挙げることができる。
【0051】また、有機チタン系カップリング剤の例と
しては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネー
ト、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネ
ート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェ
ート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチ
ルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジ
トリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジ
アリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジ-トリデシル)
ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホス
フェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオク
チルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプ
ロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメ
タクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイ
ソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルト
リ(ジオクチルホスフェート)チタネート、ジイソプロ
ピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ
(N-アミドエチル・アミノエチル)チタネート、ジクミ
ルフェニルオキシアセテートチタネートおよびジイソス
テアロイルエチレンチタネートを挙げることができる。
【0052】またシリルペルオキシドの例としては、ペ
ンチルトリメチルシリルペルオキシド、ブチルトリメチ
ルシリルペルオキシド、t-ブチルジメチルシリルペルオ
キシド、t-ブチルジメチルフェノキシシリルペルオキシ
ド、ビス(t-ブチルジメチルシリル)ペルオキシド、ジ
メチルフェニルシリルペルオキシドを挙げることができ
る。
【0053】さらに有機リン酸系カップリング剤の例と
しては、リン酸エチル、リン酸ブチル、リン酸イソアミ
ル、メチルホスホン酸ジメチル、エチルホスホン酸ジエ
チル、2-エチルヘキシルホスホン酸ジメチル、亜リン酸
ジプロピル、亜リン酸オクチル、亜リン酸メチルを挙げ
ることができる。
【0054】さらに、アルミニウム系カップリング剤の
例としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロ
ピオネートを挙げることができ、クロム系カップリング
剤の例としては、メタクリル酸クロム塩化物錯化合物
(商品名:Volan A, Dupont社製)を挙げることができ
る。
【0055】本発明において、カップリング剤として
は、上記のいずれのカップリング剤を使用することもで
きるが、カップリング性能、取扱の容易さなどからシラ
ン系カップリング剤が好ましく使用される。
【0056】シラン系カップリング剤(アルキルシラン
化合物を含む)と、チタネート系カップリング剤および
アルミニウム系カップリング剤(Ti,Al系カップリング
剤)とは、本発明の範囲内において同等に作用するが、
両者を比較すると、無機質微粒子に対する適用性は、シ
ラン系カップリング剤がある程度限定されるのに対し
て、Ti,Al系カップリング剤は、反応する無機質微粒子
に対する適用性が広い。また、シラン系カップリング剤
は、樹脂を熱硬化性にするのに対して、Ti,Al系カップ
リング剤は、使用する樹脂あるいはカップリング剤によ
り熱硬化性あるいは熱可塑性のいずれの特性をも発現さ
せることができる。
【0057】また、一般に、シラン系カップリング剤が
配合された組成物から形成された成形体は、強度が増大
し、剛性が出るのに対して、Ti,Al系カップリング剤で
は、可撓性があり、衝撃強度の高い成形体が得られやす
い。
【0058】さらに、処理方法は、シラン系カップリン
グ剤は、水系で行われるのに対して、Ti,Al系カップリ
ング剤を用いた処理法には、乾式法直接処理、溶剤処
理、水スラリー処理、さらに使用するカップリング剤に
よっては水処理も可能であり、処理方法が多岐にわた
る。
【0059】また、シラン系カップリング剤は比較的低
分子量であるのに対して、Ti,Al系カップリング剤は比
較的高分子である。上記のような特性などを考慮して、
本発明では最適カップリング剤を選定し、その処理条件
および使用量が設定される。
【0060】上記のようなカップリング剤は、単独であ
るいは組み合わせて使用することができる。さらに、上
述のアルキルシラン化合物と併用することもできる。カ
ップリング剤および/またはアルキルシラン化合物は、
ポリマー粒子の表面に固定された無機質微粒子の表面に
対して均一に、かつ単分子層で形成されて無機微粒子が
固定されたポリマー粒子芯材の表面を被覆することがで
きるような量で使用される。この量は、ポリマー粒子表
面に固定化されている無機質微粒子の種類、量、平均粒
子径、比表面積、使用するカップリング剤および/また
はアルキルシラン化合物の分子構造により異なり、一概
に特定することは難しいが、表面に無機質微粒子が固定
されたポリマー粒子100gに対して使用されるカップ
リング剤および/またはアルキルシラン化合物の使用量
は、以下に示す式によって概数を求めることができる。
【0061】
【数1】
【0062】ここで代表的な無機質微粒子の比表面積を
以下に示す。ただし、無機質微粒子の粒径等により、こ
の比表面積は変動する。 ガラス:0.1〜0.12m2/g シリカ:1〜2m2/g カオリン:7m2/g クレー:7m2/g ケイ酸アルミニウム:1m2/g 炭酸カルシウム:5m2/g ケイ酸カルシウム:2.6m2/g タルク:7g/m2 また、上記例示したシランカップリング剤の中から代表
的な化合物を選んで、その最小被覆面積を示す。
【0063】ビニルトリメトキシシラン 528m2/g ビニルトリエトキシシラン 412m2/g 3-ビリシドキシプロピルメトキシシラン 331m2/g 3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 315
m2/g なお、比表面積、最小被覆面積が不明の時は、無機質粒
子の質量に対して1%添加を基準とするとほぼ所望の特
性を有する樹脂粒子を得ることができる。また、無機質
微粒子は、ポリマー粒子の表面に固定化されているた
め、ポリマー粒子に接している部分にはカップリング剤
あるいはアルキルシラン化合物は必要とされれず、さら
に無機質微粒子表面は、少なくとも一部がすべてカップ
リング剤あるいはアルコキシシラン化合物で処理されて
いることが必要であるが、無機質微粒子表面全部が処理
されていることまでも必要とするものではない。
【0064】なお、上述したアルキルシラン化合物およ
び/またはカップリング剤の使用量は、標準的な使用量
を示すものであり、上記式により算出された値を基にし
て、本発明では、例えば、ポリマー粒子の平均粒子径、
粒度分布、このポリマー粒子の表面に固定された無機質
微粒子の平均粒子径、組成および比表面積、この無機質
微粒子によるポリマー粒子の被覆率などに対応させてア
ルキルシラン化合物および/またはカップリング剤の使
用量を適宜選定することができる。
【0065】こうしたアルキルシラン化合物および/ま
たはカップリング剤を、ポリマー粒子の表面に固定され
た無機質微粒子と反応させるには、撹拌下に、無機質微
粒子が表面に固定されているポリマー粒子に、アルキル
シラン化合物および/またはカップリング剤をそのま
ま、あるいは適当な溶媒にて溶解して噴霧する方法、適
切な溶媒に溶解したアルキルシラン化合物および/また
はカップリング剤と、ポリマー粒子とを混合してスラリ
ー状とした後、脱水乾燥する方法などがある。これらの
方法で樹脂粒子を製造する場合には、無機質微粒子にア
ルキルシラン化合物および/またはカップリング剤が充
分に反応するように、乾燥の後も充分な時間、適当な温
度で処理することが望ましい。ただし、この場合の加熱
温度は、ポリマー粒子を形成する樹脂が熱変性をしない
程度の温度である。
【0066】上記の方法は、ポリマー粒子の表面に予め
無機質微粒子を固定した後、アルキルシラン化合物およ
び/またはカップリング剤を反応させる方法であるが、
本発明の樹脂粒子は、これに限らず、無機質微粒子と、
アルキルシラン化合物および/またはカップリング剤と
を予め反応させ、この無機質微粒子をポリマー粒子の表
面に上述したような方法で固定してもよい。この場合に
も、アルキルシラン化合物および/またはカップリング
剤を反応させた無機質微粒子を芯材となるポリマー粒子
表面に固着させる前に無機質微粒子とアルキルシラン化
合物および/またはカップリング剤との間で反応が円滑
に進行するように乾燥の後も充分な時間、適当な温度で
の処理することが望ましい。
【0067】なお、アルキルシラン化合物またはカップ
リング剤を溶媒に溶解する際には、溶媒中に酢酸などの
酸性化合物を添加して溶媒のpH値を3〜4程度に調節
することが好ましい。このようにして酸性化合物を添加
することにより、アルキルシラン化合物またはカップリ
ング剤の溶媒に対する溶解性が向上すると共に、酸性化
合物の存在によってアルコキシ基の加水分解が促進され
ると共に、生成したシラノール基の安定化も向上する。
【0068】上記のようにポリマー粒子の表面に固定さ
れた無機質微粒子にアルキルシラン化合物および/また
はカップリング剤が結合した本発明の樹脂粒子は、その
平均粒子径が通常は10〜100μm、好ましくは30
〜70μmの範囲内にある。なお、本発明において、粒
子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置
(MALVERN社製、MASTER SIZER)を用いて測定された粒
子群の体積基準積算50%径である。樹脂粒子の平均粒
子径が10μm未満である場合、FRP組成物に添加さ
れる樹脂粒子は単位重量あたりの個数が相対的に多くな
るため、FRP成形体の透明性が低下しやすい。また、
平均粒子径が100μmより大きい場合にはFRP組成
物に添加される樹脂粒子は単位重量あたりの個数が相対
的に少なくなるため、FRP成形体の収縮性が充分には
低下せず、樹脂粒子が成形体表面から突出しやすくなる
ため、成形体の表面平滑性、および表面光沢が低下する
ことがある。
【0069】本発明の樹脂粒子は、例えば塗料の流動制
御剤、塗料のつや消し剤などとして使用することができ
るが、特に本発明の樹脂粒子を用い、これを樹脂中に本
発明の樹脂粒子以外の添加剤と共に分散含有させて、F
RP組成物を形成することができる。
【0070】ここでFRP組成物を形成する樹脂(組成
物を含む)には特に制限はないが、例えば、不飽和ポリ
エスエル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエスエル(エポキ
シアクリレート)樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹
脂、熱硬化アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂を好適に使用
することができ、さらに他の樹脂組成物を使用すること
ができる。特に本発明では、不飽和ポリエスエル、ビニ
ルエステル(エポキシアクリレート)樹脂が特に好まし
い。
【0071】また、これらの樹脂組成物は、一般的には
スチレン、メチルスチレン等に代表される重合性単量体
に溶解した状態でFRP用樹脂組成物として取り扱われ
る、このFRP用樹脂組成物中100重量部に含まれる
樹脂は、通常は60〜80重量部である。この樹脂組成
物を使用したFRP組成物を硬化させることにより、良
好な美観と耐煮沸性とを有する成形体を得ることができ
る。しかし、硬化時の体積収縮のため、所望の寸法の成
形体が得られなかったり、また、硬化時のクラックと呼
ばれるヒビが生じて成形体が割れてしまったりする。こ
の現象を防止するために従来から低収縮剤と呼ばれるポ
リマー粒子がFRP組成物中に添加されていたが、この
低収縮剤の添加により、製品の寸法精度は向上するもの
の、成形体の透明性、着色性、耐煮沸性等の特性が著し
く低下することがある。
【0072】本発明のFRP組成物においては、上述し
た樹脂粒子を、FRPを構成する樹脂に対して、通常は
0.1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部で配合さ
れる。上位のような量で樹脂粒子を配合することによ
り、FRP組成物が本質的に有している美観、耐煮沸性
が低下することなく、FRP組成物を成形する際に起こ
る成形体の体積収縮を充分に低減することができ、成形
体の体積収縮による際にクラックが生ずるのを防止する
ことができるだけでなく、所望の寸法の成形体が得られ
た。
【0073】本発明のFRP組成物には、上述の樹脂粒
子のほかに、強化材、硬化剤、繊維状充填材、耐熱安定
剤、耐候安定剤、離型剤、着色剤、増粘剤などが配合さ
れていてもよい。
【0074】すなわち、本発明の樹脂粒子は、FRP組
成物から成形体を形成する際の成形体の低収縮剤として
好適である。特に、本発明の樹脂粒子は、FRP組成物
を成形して得られる成形体の透明性を低下させることが
ないため、FRP成形体の中でも人工大理石と称される
成形体を製造する際に使用する際の添加剤として好適で
ある。
【0075】さらに、本発明の樹脂粒子を配合すること
により、このFRP組成物を成形して得られる成形体の
耐煮沸性が低下することがないので、人工大理石の中で
も、パスタブとして用いられる成形体を製造するのに特
に適している。
【0076】一般に、人工大理石は、主に注型法やBM
C法と呼ばれる成形法により成形される。ここで採用さ
れる注型法は、成形体の表面平滑性、表面光沢、透明
性、着色性等、外観が優れた成形体を製造することが可
能であるが、反面、生産性が低いという問題がある。他
方、BMC法は生産性には優れているが、成形体の外観
が注型法により成形された成形体の外観と比較すると劣
っており、さらに成形体の体積収縮が著しいという問題
がある。
【0077】本発明の樹脂粒子は、芯材であるポリマー
粒子が、スチレンモノマー等に対して通常は30〜50
の膨潤性を示すため、BMC法を用いて成形体を製造す
る際の樹脂組成物中に本発明の樹脂粒子を分散させるこ
とにより、得られる成形体の収縮率が低下する。しかも
この収縮率の低下に伴う耐煮沸性の低下、外観の状態の
低下等もみられない。
【0078】一般に、人工大理石を形成するBMC組成
物には、BMC用の樹脂、充填材粒子、内部離型剤、贈
粘剤、硬化剤、低収縮剤などを含有しており、さらに必
要により顔料、硬化促進剤、強化剤などが配合される。
【0079】ここで人工大理石に用いられる樹脂として
は、熱硬化性の樹脂が好ましく、こうした熱硬化性の樹
脂の例としては、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹
脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂等を挙げるこ
とができ、反応硬化剤と共に用いることにより成形硬化
時に架橋構造が形成されて熱硬化する。このような熱硬
化性樹脂として市販されている樹脂組成物を使用するこ
とができる。
【0080】市販されている樹脂組成物のうち、例え
ば、不飽和ポリエスエル樹脂組成物は、不飽和二塩基酸
を単独で用いるか、あるいは飽和二塩基酸と当モルのグ
リコールとを併用して不活性ガス中でエスエル化反応を
行い、得られた不飽和ポリエスエル樹脂を微量の重合禁
止剤を含むビニルモノマーに溶解することにより得るこ
とが可能である。従って、市販されている飽和ポリエス
エル樹脂組成物は、通常は、ビニルエステル樹脂のビニ
ルモノマー溶液である。
【0081】ここで不飽和ポリエステル樹脂の原料とし
て使用される不飽和二塩基酸の例としては、無水マレイ
ン酸およびフタル酸を挙げることができ、また飽和二塩
基酸の例としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、アジピン酸、ヘット酸、テトラブロム無水フ
タル酸、ハイミック酸等を挙げることができる。
【0082】また、不飽和ポリエステル樹脂の原料とし
て用いられるグリコールの例としては、ポリプロピレン
グリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、水素添加ビスフェノールA、プロピレンオキサイド
付加ビスフェノールA等を挙げることができる。
【0083】ここで飽和ポリエステル樹脂の溶剤として
使用されるビニルモノマーの例としては、スチレン、メ
タクリル酸メチル、モノクロロスチレン、ジアリルフタ
レート、トリアリルシアヌフタレートなどを挙げること
ができる。
【0084】市販されている樹脂組成物のうち、ビニル
エステル樹脂組成物は、エポキシ樹脂とメチルメタクリ
レートなどの不飽和一塩基酸との間で開環付加重合を起
こさせて得られるオリゴマーを、スチレンなどの反応性
ビニルモノマー中に溶解させたものである。
【0085】ここでビニルエステル樹脂組成物の原料と
して使用されるエポキシ樹脂の例としては、ビスフェノ
ールA系、ノボラックフェノール系、ビスフェノールF
系、臭素化エポキシ系、環状脂肪族系、グリシジルエス
テル系、グリシジルアミン系複素環エポキシ系等の樹脂
を挙げることができる。
【0086】人工大理石に使用される充填剤の例として
は、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、クレーガラ
ス、水酸化アルミニウム等の粉末あるいはこれらの粉末
表面に機能性処理を施した粉末を挙げることができる。
これらのなかでもガラスおよび水酸化アルミニウムの粉
末が好ましく使用される。
【0087】人工大理石に使用される内部離型剤の例と
しては、燐酸エステルやステアリン酸の金属塩を挙げる
ことができ、特にステアリン酸亜鉛が好ましい。また上
記のような内部離型剤と共に、あるいはこれとは別に、
ワックス、ポリビニルアルコールなどの外部離型剤を使
用することもできる。このような外部離型剤は、人工大
理石の成形に使用する金型に塗布して使用するのが一般
的である。
【0088】人工大理石に使用される増粘剤の例として
は、アルカリ土類金属の水酸化物およびアルカリ土類金
属の酸化物やポリイソシアネート化合物を挙げることが
できる。これらの中でも酸化マグネシウムが好ましい。
【0089】人工大理石に使用される硬化剤の例として
は、メチルエチルケトンパーオキサイド、t-ブチル(2-
エチルヘキサノエート)、1,1-ビス-t-ブチルパーオキ
シ-(3,3,5-トリメチルシクロヘキサン)、クミルパー
オキシネオデカノエートを挙げることができる。
【0090】人工大理石に使用される低収縮剤の例とし
ては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメタクリル酸
メチル、ポリ酢酸ビニルやこれらの共重合体、スチレン
・ブタジエン・スチレン共重合体を挙げることができ
る、これらの低収縮剤の形態は、得ようとする成形体に
要求される特性に対応させて変えることができる。
【0091】本発明の樹脂粒子をFRP組成物に配合す
ると、主として、この樹脂粒子は、FRP成形体の低収
縮剤として作用する。本発明の樹脂粒子を低収縮剤とし
てBMC組成物に添加する場合には本発明の樹脂粒子の
芯材を構成するポリマー粒子が、上記ビニルモノマーに
対して溶解せず、かつ充分に膨潤することが必要にな
る。
【0092】この際のポリマー粒子の組成は、使用する
BMC組成物に含まれる反応性ビニルモノマーにより異
なるが、架橋剤と呼ばれる二官能あるいはそれ以上の多
官能性モノマーにより三次元構造を有するポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート、あるいはポリスチレン
メチルメタクリレート共重合体であることが好ましい
が、そのほかにビニルモノマーが共重合した共重合体で
あってもよい。
【0093】ここで、本発明の芯材を形成するポリマー
粒子の膨潤度は、使用するBMC用組成物に含まれる反
応性モノマーにより異なるが、その反応性ビニルモノマ
ーに対するポリマー粒子の膨潤度が20〜50であるこ
とが望ましい。膨潤度が20以下である場合には、成形
体の収縮性が大きくなる傾向があり、また50を超える
場合には、成形体の透明感が低下しやすい。
【0094】本発明の樹脂粒子の芯材であるポリマー粒
子として架橋ポリスチレンメタクリレート共重合体ある
いは架橋ポリメチルメタクリレートなどを使用した場合
にはアクリル成分の増加につれてスチレンモノマーに対
する相溶性が低下し、これに伴って膨潤度が低下する。
アクリル系ポリマー粒子をスチレンモノマーに膨潤させ
た場合には、膨潤度が低く観測されるためポリマー粒子
の膨潤度は3〜50であることが望ましいまた、使用さ
れるポリマー粒子は、BMC用の樹脂組成物が硬化した
際の屈折率に近い屈折率を有していることが望ましい。
ポリマー粒子の屈折率とBMC組成物が硬化した際の硬
化体の屈折率との差が大きいと、得られる成形体の透明
性が低下する原因となることがある。さらに溶媒として
用いるモノマーは、本発明の樹脂粒子内に侵入して樹脂
粒子内でも重合するため、ポリマー粒子の見かけの屈折
率は添加する前の屈折率から変化する場合が多い。望ま
しいポリマー粒子の屈折率は、BMC用樹脂組成物が硬
化した後の状態を、ポリマー粒子の膨潤度とBMC用の
樹脂組成物に含まれる反応性ビニルモノマーの種類とか
ら予測して算出することができる。
【0095】また、本発明の粒子をBMC用の樹脂組成
物の低収縮剤として使用する場合には、芯材となるモノ
マー粒子の表面に固定される無機微粒子はBMC用の樹
脂組成物に充填剤として使用される無機物粉末と同等の
組成であることが望ましい。
【0096】BMC用の樹脂組成物に充填材として使用
される物質の例としては、アルミナ、シリカ、炭酸カル
シウム、クレー、ガラス、水酸化アルミニウム等の粉
末、あるいはそれらの粉末表面に機能性処理を施したも
のが挙げられるが、人工大理石用としてはガラスおよび
/または水酸化アルミニウムの粉末が好適である。
【0097】従って、本発明の樹脂粒子の芯材となるポ
リマー粒子の表面に固定される無機質微粒子としては、
ガラスおよび/または水酸化アルミニウムの微粒子が好
適である。
【0098】この場合、無機質微粒子の平均粒子径は、
0.01〜10μmの範囲内にあることが好ましく、さ
らにこの無機質微粒子は、本発明の粒子の芯材となるポ
リマー粒子の平均粒子径の1/10〜1/100の平均
粒子径を有していることが特に好ましい。
【0099】また、本発明の樹脂粒子をBMC用の樹脂
組成物における低収縮剤として使用する場合には、本発
明の樹脂粒子の芯材となるポリマー粒子の表面に固定さ
れた無機質微粒子を処理するアルキルシランおよび/ま
たはカップリング剤としては、シランカップリング剤が
好適である。特にBMC用の樹脂組成物に使用される充
填材がガラスあるいはシリカである場合にはシランカッ
プリング剤が特に好ましい。
【0100】シランカップリング剤としては、加水分解
速度が大きく、副生成物として生ずるアルコールの除去
が容易であるシランカップリング剤が好ましく、従っ
て、カップリング剤分子中の加水分解性基としてメトキ
シ基、エトキシ基を有しているシランカップリング剤が
特に好ましい。
【0101】さらに、シランカップリング剤分子中の加
水分解性基は、1〜3個存在し得るが、本発明の樹脂粒
子のポリマー粒子の表面に固定された無機質微粒子に対
するカップリング剤の結合力の強度の点から分子中に3
個の加水分解性基を有するシランカップリング剤が特に
好ましい。
【0102】また、シランカップリング剤分子中の有機
基としては、BMC用樹脂組成物に含有される反応性ビ
ニルモノマーに対して良好な反応性を有する基が好まし
く、このような有機基としてはビニル基、メタクリロキ
シ基、エポキシ基、グリシジル基等の反応性基を有する
基が好適であり、特にメタクリロキシ基を有する基が特
に好ましい。
【0103】本発明の樹脂粒子を製造する際に使用する
アルキルシラン化合物およびカップリング剤の中でも、
シランカップリング剤が好ましく、さらにγ-メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
【0104】また、本発明の樹脂粒子をBMC用の樹脂
組成物の低収縮剤として使用する場合場合には、本発明
の樹脂粒子の平均粒子径は、20〜100μmの範囲内
にあることが好ましく、さらに30〜70μmの範囲内
にあることが特に好ましい。
【0105】本発明の樹脂粒子の平均粒子径が20μm
より小さい場合には、BMC用樹脂組成物に配合される
粒子径の大きい他の粒状成分と比較して、単位重量当た
りの樹脂粒子の個数が多くなるため、この樹脂粒子が、
成形体の透明性を低下させる要因となることがある。ま
た、100μmより大きい場合には成形体に対して収縮
性を低下させるとの作用が充分に発現しないことがあ
り、さらに成形体の表面平滑性を低下させる要因になる
こともある。
【0106】上記のようなFRP組成物を用いて、一般
に行われるFRP成形法、例えばハンドレイアップ成形
法、スプレーアップ成形法、レジンインジェクション成
形法、射出成形法、フィラメントワインディング成形
法、引き抜き成形法、ブレス成形法によって所望の形状
のFRP成形体を所望の寸法で製造することができる。
【0107】本発明のFRP組成物を用いて通常のFR
P成形体を製造することができるが、特に人工大理石と
呼ばれる成形体を製造するのに好適である。人工大理石
は、透明性、着色性に優れるため、キッチン、洗面台等
のカウンタートップやバスタブ等に使用されており、耐
煮沸性が要求される。本発明のFRP組成物に含有され
る樹脂粒子は、FRP成形体に充分な低収縮性を付与し
つつも成形体の外観を損ねず、さらに耐煮沸性を低下さ
せないので、人工大理石を製造するのに適している。特
にBMC人工大理石バスタブのように温水と長い時間接
触する成形体を製造するのに適している。
【0108】
【発明の効果】本発明の樹脂粒子は、芯材であるポリマ
ー粒子の表面に固定した無機質微粒子と、この無機質微
粒子に結合したアルキルシラン化合物および/またはカ
ップリング剤とからなるので、このような樹脂粒子を含
有するFRP組成物から形成された成形体は、耐煮沸
性、透明性、着色性、機械的強度などの低下をもたらす
ことなく、良好な低収縮性、耐クラック性を示す。
【0109】また、この樹脂粒子を含有する組成物は、
耐煮沸性、透明性、着色性、機械的強度等の特性に優れ
たFRP成形体を製造することができ、さらに本発明の
樹脂粒子を配合して、大理石のような外観を有する人工
大理石として知られている成形体を製造することが可能
である。本発明の樹脂粒子を含有する組成物から製造さ
れた人工大理石は、特に耐煮沸性に優れている。
【0110】
【実施例】次に本発明の実施例を示して本発明をさらに
詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限される
ものではない。
【0111】
【実施例1】ガラス製反応容器にメタクリル酸メチル3
9.5重量部、スチレン55重量部、アクリル酸2−エ
チルヘキシル5重量部、ジビニルベンゼン0.5重量部
を入れて混合した後、過酸化ベンゾイル1重量部を添加
し溶解させた。
【0112】別にイオン交換水300重量部にポリビニ
ルアルコール2重量部を添加し溶解させた溶液を調製
し、この溶液を上記のガラス製反応容器に加え、ホモミ
キサーで激しく撹拌して分散させた。この反応容器に窒
素ガス導入管、温度計及びコンデンサーを装着して、窒
素ガスを導入してパージした後、分散液を撹拌しながら
80℃に加熱した。
【0113】この温度を8時間維持した後、得られた懸
濁液を室温まで冷却し、濾過することによりポリマー粒
子と分散媒であるポリビニルアルコール水溶液とを分離
した。
【0114】得られたポリマー粒子をメチルアルコール
100重量部に再分散し、1時間撹拌した後、濾過によ
りポリマー粒子を分離した。得られたポリマー粒子を8
0℃に保った乾燥機を用いて8時間かけて乾燥させた
後、解砕した。得られたポリマー粒子の平均粒子径は4
5.1μmであった。
【0115】このポリマー粒子100重量部と市販の水
酸化アルミニウム微粒子(日本軽金属株式会社製、B−
103,平均粒子径8μm)5重量部とを市販の乾式粉
体複合化装置(株式会社奈良機械製作所製、ハイブリダ
イゼーションシステムNHS−1型)を使用して複合化
処理した。
【0116】複合化処理後のポリマー粒子を走査型電子
顕微鏡(日立計測エンジニアリング株式会社製、S−8
00)にて観察したところ、水酸化アルミニウム微粒子
はポリマー粒子表面のほぼ一面に埋没して固定されてい
ることが確認された。
【0117】この表面に水酸化アルミニウム微粒子が固
定されているポリマー粒子100重量部に対して、市販
のノルマルヘキシルトリメトキシシラン(チッソ株式会
社製、HTS−M)0.1重量部を50重量%メチルア
ルコール水溶液60重量部に溶解させ、添加、撹拌しス
ラリー状とした。
【0118】このスラリーを真空乾燥機にて撹拌しなが
ら充分に乾燥させ、その後、105℃に保った乾燥機中
で5時間かけてノルマルヘキシルトリメトキシシランと
ポリマー粒子表面上に固定されている水酸化アルミニウ
ム微粒子とを反応させ、樹脂粒子を調製した。
【0119】この樹脂粒子の平均粒子径をレーザー回折
式粒度分布測定装置にて測定したところ、平均粒子径は
45.8μmであった。
【0120】
【実施例2】実施例1で調製したポリマー粒子100重
量部と市販のガラス微粒子(日本フリット株式会社製、
GF−2−05A,平均粒子径5μm)3重量部とを市
販の自動入鉢を使用して複合化処理した。
【0121】複合化処理後のポリマー粒子を走査型電子
顕微鏡にて観察したところ、ガラス微粒子はポリマー粒
子表面の一面に固定されていることが確認された。以
後、実施例1と同様の操作を行い樹脂粒子を調製した。
【0122】
【実施例3】実施例1で調製したポリマー粒子100重
量部と予めカップリング剤により処理された市販の水酸
化アルミニウム微粒子(昭和電工株式会社製、H−32
ST,平均粒子径3.2μm)2重量部とを市販の乾式
粉体複合化装置を使用して複合化処理し、次いで実施例
1と同様にしてノルマルヘキシルトリメトキシシランを
配合して反応させることにより樹脂粒子を調製した。
【0123】複合化処理後の樹脂粒子を走査型電子顕微
鏡にて観察したところ、予めカップリング剤にて処理さ
れている水酸化アルミニウム微粒子はポリマー粒子表面
のほぼ一面に埋没して固定されていることが確認され
た。
【0124】
【実施例4】実施例1で調製した複合化処理後のポリマ
ー粒子にノルマルヘキシルトリメトキシシランを反応さ
せる代わりに、このポリマー粒子100重量部に対し、
市販のγ−グリシドキシプロピルトシメトキシシラン
(日本ユニカー株式会社製、A−187)0.2重量部
を50重量%メチルアルコール水溶液60重量部に溶解
させ、添加、撹拌しスラリー状として反応させた。
【0125】以後、実施例1と同様の操作により樹脂粒
子を調製した。
【0126】
【実施例5】実施例1にて調製した複合化処理後に、ノ
ルマルヘキシルトリメトキシシランを反応させる代わり
に、このポリマー粒子100重量部に対し、市販のγ−
グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(チッソ
株式会社製、S520)0.3重量部を50重量%メチ
ルアルコール水溶液60重量部に溶解させ、添加、撹拌
しスラリー状として反応させた。
【0127】以後、実施例1と同様の操作により樹脂粒
子を調製した。
【0128】
【実施例6】実施例2にて調製した複合化処理後に、ノ
ルマルヘキシルトリメトキシシランを反応させる代わり
に、このポリマー粒子100重量部に対し、市販のγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニ
カー株式会社製、AZ−6167)0.3重量部を50
重量%メチルアルコール水溶液60重量部に溶解させ、
添加、撹拌しスラリー状として反応させた。
【0129】以後、実施例1と同様の操作により樹脂粒
子を調製した。
【0130】
【実施例7】ガラス製反応容器にスチレン99重量部、
ジビニルベンゼン1重量部を入れて混合した後、過酸化
ベンゾイル0.5重量部を添加し溶解させた。
【0131】別にイオン交換水190重量部にドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3重量部を添加し溶
解させた後、ヒドロキシアパタイト(日本化学工業株式
会社製、スーパータイト10)を10重量部(固形分1
0重量部、水分90重量部)をホモミキサーにて激しく
撹拌して分散させた。このヒドロキシアパタイト分散液
を上記のガラス製反応容器に加え、さらにホモミキサー
で激しく撹拌して分散させた。この反応容器に窒素ガス
導入管、温度計及びコンデンサーを装着して、窒素ガス
を導入してパージした後、分散液を撹拌しながら85℃
に加熱した。
【0132】この温度を8時間維持した後、得られた懸
濁液を室温まで冷却し、濾過することによりポリマー粒
子と分散媒であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム水溶液とを分離した。
【0133】得られたポリマー粒子を80℃に保った乾
燥機を用いて8時間かけて乾燥させた後、解砕した。こ
のポリマー粒子を走査型電子顕微鏡にて観察したとこ
ろ、ポリマー粒子表面にヒドロキシアパタイト微粒子が
表面に固定されていることが確認された。
【0134】この表面にヒドロキシアパタイト微粒子が
固定されたポリマー粒子100重量部に対して、市販の
ノルマルデシルトリメトキシシラン(信越シリコーン株
式会社製、KBM−3103)0.1重量部をメチルア
ルコール65重量部に溶解させ、添加、撹拌しスラリー
状として反応させた。
【0135】このスラリーを真空乾燥機にて撹拌しなが
ら充分に乾燥させ、その後、105℃に保った乾燥機を
用いて5時間かけてノルマルデシルトリメトキシシラン
とポリマー粒子表面上に固定されているヒドロキシアパ
タイト微粒子とを反応させ、樹脂粒子を調製した。
【0136】この樹脂粒子の平均粒子径をレーザー回折
式粒度分布測定装置にて測定したところ、平均粒子径は
38.8μmであった。
【0137】
【実施例8】実施例7で調製した表面にヒドロキシアパ
タイト微粒子が固定されたポリマー粒子100重量部に
対し、市販のビニルトリメトキシシラン(チッソ株式会
社製、S210)0.5重量部をイオン交換水65重量
部に溶解させ、添加、撹拌しスラリー状として反応させ
た。
【0138】以後、実施例7と同様の操作により樹脂粒
子を調製した。
【0139】
【実施例9】実施例7で調製した表面にヒドロキシアパ
タイト微粒子が固定されているポリマー粒子100重量
部に対し、市販のメチルトリメトキシシラン(東レダウ
コーニング株式会社製、SS1670)0.1重量部を
1重量%酢酸水溶液60重量部に溶解させ、添加、撹拌
しスラリー状として反応させた。
【0140】以後、実施例7と同様の操作により樹脂粒
子を調製した。
【0141】
【比較例1】実施例1にて調製したポリマー粒子(平均
粒子径:45.1μm)100重量部と市販の水酸化ア
ルミニウム微粒子(日本軽金属株式会社製、B−15
3,平均粒子径15μm)8重量部とを市販の乾式粉体
複合化装置を使用して複合化処理した。
【0142】複合化処理後のポリマー粒子を走査型電子
顕微鏡にて観察したところ、水酸化アルミニウム微粒子
はポリマー粒子と混合状態を保っており、ポリマー粒子
表面に固着、あるいは付着した水酸化アルミニウム微粒
子はわずかであった。
【0143】以後、実施例1と同様の操作を行い樹脂粒
子を調製した。
【0144】
【比較例2】ガラス製反応容器にメタクリル酸メチル3
9重量部、スチレン55重量部、アクリル酸2−エチル
ヘキシル5重量部、ジビニルベンゼン0.5重量部、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5重
量部を入れて混合した後、過酸化ベンゾイル1重量部を
添加し溶解させた。
【0145】以後、実施例1と同様の操作を行いポリマ
ー粒子を得た。このポリマー粒子の平均粒子径をレーザ
ー回折式粒度分布測定装置にて測定したところ、平均粒
子径は48.2μmであった。
【0146】このポリマー粒子は、無機質微粒子との複
合化処理、及びアルキルシラン化合物及び/またはカッ
プリング剤による処理を行わず、樹脂粒子とした。
【0147】
【実施例10および比較例3】上記のようして得られた
樹脂粒子5重量部を、それぞれ個別に、BMC用不飽和
ポリエステル樹脂組成物(日本ユピカ株式会社製、ユピ
カ7685X−1、不飽和ポリエルテル樹脂のスチレン
溶液)100重量部、無機物充填剤(日本フリット株式
会社製、GF−2−10A)300重量部、重合開始剤
(日本油脂株式会社製、パーブチルI)1重量部、シラ
ンカップリング剤(日本ユニカー株式会社製,A−17
4)3重量部、内部離型剤(日本油脂株式会社製、ジン
クステアレート)3重量部、増粘剤(協和化学工業株式
会社製、キョーワマグ#150)4.5重量部を卓上型
二軸混練器(入江商会(株)製、PNV−1型)を用い
て常温混練し、40℃にて2〜4日熟成させた。
【0148】こうして得られたFRP組成物を加熱装置
を内蔵した金型をセットした復動式油圧成形機を使用し
て、熟成後のBMC組成物を加圧加熱により、厚さ8m
mの平板に成形した。
【0149】得られた平板を用いて成形性、成形体の評
価を行った。
【0150】
【樹脂粒子の評価方法】(1)成形体の評価 ・透明性 得られたBMC成形体を目視判断した。本発明の実施例
あるいは比較例の樹脂粒子を添加していない成形体(以
下ブランクと称する)と比較して、成形体の白濁がひど
く、透明性が著しく低下している場合は×、若干低下し
た場合は△、ブランクとの差が見られない場合は○とし
た。
【0151】・着色性 得られたBMC成形体を目視判断した。ブランクと比較
して、成形体の色の濃淡ムラがひどい場合は×、若干ム
ラが見られる場合は△、ブランクとの差が見られない場
合は○とした。
【0152】・機械的強度 得られたBMC成形体の表面硬度をバーコル硬度計によ
り測定し、評価した。ブランクと比較して、バーコル硬
度が10%以上低下した場合は×、5%〜10%未満の
低下が見られる場合は△、ブランクとの差が見られない
場合は○とした。
【0153】・耐煮沸性 得られたBMC成形体を90℃の熱水中で500時間連
続煮沸し、成形体の色の変化(白化及び黄変)を色差計
を用いて測定した。ブランクと比較して、色の変化が著
しく激しい場合は×、色の変化が若干見られる場合は
△、ブランクとの差が見られない場合は○とした。
【0154】・低収縮性、及びクラック防止性 得られたBMC成形体の寸法と、金型の寸法とをノギス
を使用して測定し、収縮率を算出した。ここで、収縮率
とは(金型の寸法−成形体の寸法)/(金型の寸法)で
ある。収縮率が0〜0.01%のものを○、0.011
〜0.02%のものを△、0.021%以上のもの×と
した。
【0155】以下、表.1に本発明のFRP添加剤の実
施例の評価結果、及び比較例の評価結果を示す。
【0156】
【表1】
【0157】
【実施例11】ガラス製反応容器にメタクリル酸メチル
39.5重量部、スチレン55、アクリル酸-2-エチルヘ
キシル5重量部、ジビニルベンゼン0.5重量部を入
れ、混合した後、過酸化ベンゾイル1重量部を添加して
溶解させた。
【0158】別にイオン交換水300重量部にポリビニ
ルアルコール2重量部を添加し溶解させた溶液を調製
し、この溶液を上記のガラス製反応容器に加えて、ホモ
ミキサーで激しく撹拌して、反応器中の単量体を分散さ
せた。この反応容器に窒素ガス導入管、温度計およびコ
ンデンサーを装着した後、窒素ガスを導入してパージ
し、次いで分散液を撹拌しながら80℃に加熱した。
【0159】この温度を8時間維持した後、得られた懸
濁液を室温まで冷却し、濾過することによりポリマー粒
子と分散媒であるポリビニルアルコール水とを分離し
た。得られたポリマー粒子をメチルアルコール100重
量部に分散し、1時間撹拌した後、濾過してポリマー粒
子を分離した。
【0160】得られたポリマー粒子を80℃に保った乾
燥機を用いて8時間かけて乾燥させた後、解砕した。こ
のポリマー粒子100重量部と市販の水酸化アルミニウ
ム微粒子(日本軽金属(株)製、B-103、平均粒子径
8μm)5重量部とを市販の乾式複合化装置((株)奈
良機械製作所製、ハイブリダイゼーションシステムNH
S-1型)を用いて複合化処理した。
【0161】複合化処理後のポリマー粒子を走査型電子
顕微鏡(日立計測エンジニアリング(株)製S-80
0)にて観察したところ、水酸化アルミニウム微粒子は
ポリマー粒子表面のほぼ全体に埋没固着されていること
が確認された。
【0162】この表面に水酸化アルミニウム微粒子が固
定されたポリマー粒子100重量部を、市販のテトラ
(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデ
シル)ホスファイトチタネートノルマルヘキサントリメ
トキシシラン(味の素(株)製、KR55)1重量部を
予めホモミキサーにて乳化分散したイオン交換水100
重量部に加え、よく撹拌混合した後、濾過し、80℃に
保った乾燥機内で3時間乾燥させた。
【0163】この粒子の平均粒子径はレーザー回折式粒
度分布測定装置にて測定したところ、平均粒子径は、4
5.8μmであった。上記のようにして得られた粒子
を、実施例10で用いた樹脂に配合して本発明のFRP
組成物を製造した。
【0164】得られたFRP組成物を用いて実施例10
と同様にして成形体を製造してその特性を評価した。そ
の結果、透明性、着色性、機械的特性、耐煮沸性、低収
縮性の各特性とも良好であった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー粒子芯材と、該ポリマー粒子
    芯材の平均粒子径の1/10〜1/1000の平均粒子
    径を有し、該ポリマー粒子芯材の表面に固定されている
    無機質微粒子と、該無機質微粒子に結合した、アルキル
    シラン化合物および/またはカップリング剤とからなる
    ことを特徴とする樹脂粒子。
  2. 【請求項2】 前記芯材粒子の平均粒子径が10〜1
    00μmの範囲内にあることを特徴とする請求項第1項
    記載の樹脂粒子。
  3. 【請求項3】 前記無機質無機質微粒子の平均粒子径
    が0.01〜10μmの範囲内にある請求項第1項記載
    の樹脂粒子。
  4. 【請求項4】樹脂マトリックス中に、 ポリマー粒子芯材と、該ポリマー粒子芯材の平均粒子径
    の1/10〜1/1000の平均粒子径を有し、該ポリ
    マー粒子芯材の表面に固定されている無機質微粒子と、
    該無機質微粒子に結合した、アルキルシラン化合物およ
    び/またはカップリング剤とからなる樹脂粒子が分散さ
    れていることを特徴とするFRP組成物。
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