JPH0912711A - ポリアミドの製造方法 - Google Patents

ポリアミドの製造方法

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JPH0912711A
JPH0912711A JP16761895A JP16761895A JPH0912711A JP H0912711 A JPH0912711 A JP H0912711A JP 16761895 A JP16761895 A JP 16761895A JP 16761895 A JP16761895 A JP 16761895A JP H0912711 A JPH0912711 A JP H0912711A
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JP
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polyamide
raw material
pellets
monomer
polymerization
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JP16761895A
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Shinji Hase
真司 長谷
Hirofusa Yamamoto
浩房 山本
Hideo Hori
秀夫 堀
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/141Feedstock
    • Y02P20/143Feedstock the feedstock being recycled material, e.g. plastics
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Polyamides (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】原料ポリアミド(A)と液状媒体とを含有する
スラリーを、ポリアミドモノマー(B)とを混合したの
ち、重合することを特徴とするポリアミドの製造方法。 【効果】本発明のポリアミドの製造方法を採用すること
よって、色調などの特性を良好に保ちつつ、ポリアミド
をリサイクルして重合原料として利用することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明はポリアミドの製造方法
に関し、詳しくは形状不良成形品等の産業廃棄物を原料
の一部として再利用するポリアミドの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】 ポリアミドの製造においては、重合反
応終了後、窒素などの不活性ガスにより反応容器内を加
圧して、反応物をガット状に吐出し、それを冷却固化・
切断してペレットとして製造することが、通常行なわれ
ている。重合終了後の溶融ポリアミド中には、縮合反応
によって生成した水が溶解しているが、その縮合水は反
応容器の外に押し出されると気泡となる。これは不活性
ガスによる加圧状態から、吐出によって常圧となるによ
り、溶融ポリアミドに対する水の溶解度が減少するため
である。ガット状に吐出された溶融ポリアミド中で気泡
が巨大化すると、冷却固化される前に気泡がはじけてガ
ットが切断される。気泡による切断部付近は冷却固化さ
れると通常よりも太いガットになるため、カッティング
後は長さや直径が以上に大きい形状不良パレットとな
る。
【0003】このような形状不良ペレットは、後加工の
工程でしばしばトラブルの原因となる。特にペレット輸
送配管の閉塞、紡糸機あるいは押出機の噛込み不良は大
きなトラブルであり、工程ストップ,装置の故障につな
がる。そのためペレットに切断したのち、形状不良ペレ
ットをふるいにかけて除去していた。
【0004】形状不良ペレットの発生を抑えるには、気
泡の原因となる水の発生を抑制する必要がある。しかし
アミド化のような重縮合反応の場合、水の生成は避けら
れない場合が多い。。また消泡剤を添加する方法も考え
られるが、シリコーン等の通常の消泡剤は、高温下では
着色しやすいものであり使用できない。以上のことから
形状不良ペレットの発生を抑制するには、自ずと限度が
ある。
【0005】形状不良ペレットはポリマ特性上、正規ペ
レットとなんら変わるところがない。そのため形状不良
ペレットを再度、重合装置へ仕込みモノマー溶液に溶融
させて再度、ペレットとして取り出す方法が試みられ
た。しかし、ペレットをそのまま重合装置へ仕込むと色
調の劣るポリマーが得られた。
【0006】以上のことから形状不良ペレットは再利用
できず、埋立あるいは焼却処分してきた。しかし、近
年、高まっている産業廃棄物リサイクルあるいは環境問
題の面から、廃棄物を出さないことが望まれている。ま
た、収率アップの面からも不良ペレットの再利用が望ま
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、形状
不良ペレットを廃棄せず原料としてリサイクルでき、な
おかつ、繊維や樹脂の機械的物性、色調が、形状不良ペ
レットを原料としない場合と同様に良好な製品を得るこ
とできるポリアミドの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる目的
を達成するため、鋭意検討した結果、形状不良ペレット
を水等の液状媒体のスラリーとして添加することによ
り、ペレットに付着して導入される酸素によって生じる
ポリマーの着色を抑制できることを見出し、本発明に到
達した。
【0009】すなわち、本発明は、「原料ポリアミド
(A)および液状媒体を含有するスラリーと、ポリアミ
ドモノマー(B)とを混合して、重合することを特徴と
するポリアミドの製造方法。」に関する。
【0010】以下本発明について詳述する。
【0011】本発明の方法で製造されるポリアミド
(C)は、原料ポリアミド(A)とポリアミドモノマー
(B)とから合成されるものである。目的とするポリア
ミド(C)は公知のものであればいずれであってもよい
が、たとえば、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン46、ポ
リメタフェニレンイソフィタルアミドなどのポリアミ
ド、6/66、6/66/610、66/6T(Tはテ
レフタル酸を示す。)、66/6T/6I(Iはイソフ
タル酸を示す。)、6/6T、6T/M5T(M5は2
−メチルペンタメチレンジアミンを示す。)、6T/6
I、6/66/6PACM(PACMはビス(p−アミ
ノヘキシル)メタンを示す。)などの共重合ポリアミド
が挙げられる。また、ポリアミド(C)は結晶性、非晶
性のいずれであってもよい。ポリアミド(C)を与える
モノマー原料は、ジカルボン酸成分、ジアミン成分、ラ
クタム類およびその開環体であるアミノカルボン酸成分
から選ぶことができる。
【0012】ジカルボン酸成分としては、アジピン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカ
ルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、あるいは、テレフ
タル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらのジ
カルボン酸成分は単独または2種以上併用して用いるこ
とができる。
【0013】ジアミン成分としては1,4−ジアミノブ
タン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘ
キサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、1,
7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、
1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、
1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノド
デカンなどの脂肪族ジアミン、あるいは、メタキシレン
ジアミンなどの芳香族ジアミンなどが挙げられる。これ
らのジアミン成分は単独または2種以上併用して用いる
ことができる。
【0014】ラクタム類としてはε−カプロラクタム、
ζ−エナントラクタム、η−カプリルラクタム、ω−ラ
ウリルラクタムなどを挙げることができ、その開環体で
あるアミノカプロン酸なども用いることができる。これ
らのラクタム類は単独または2種以上併用して用いるこ
とができる。
【0015】ポリアミド(C)はこれらのモノマー原料
からなるホモポリマーであっても共重合ポリマーであっ
てもよい。
【0016】本発明の原料ポリアミド(A)は上記のポ
リアミド(C)に例示されたものと同様のポリアミドで
あって、単独であっても2種以上であってもよい。
【0017】本発明のポリアミドモノマー(B)は上記
のポリアミド(C)の原料成分として示されたモノマー
であって、単独であっても2種以上であってもよい。
【0018】原料ポリアミド(A)を構成するモノマー
成分とポリアミドモノマー(B)は同一であっても異な
ってもよいが、ポリアミド(C)の性能を一定に保つ都
合上、原料ポリアミド(A)を構成するモノマー成分と
ポリアミド(B)モノマーは同一である方が好ましい。
【0019】スラリーにされる原料ポリアミド(A)の
形状は、リサイクルの場合には直径や一辺が1〜30m
mの角柱、円柱、楕円柱などの形状を有する粒状物が一
般的に利用されるが、本発明の効果を妨げない範囲であ
れば、繊維状、板状、1〜30mmのサイズから外れた
粒状などの形状であってもよく、また、それらの混合物
であってもよく、特に制限されない。
【0020】本発明のスラリーは原料ポリアミド(A)
および液状媒体を含有するものであり、混合した後、撹
拌して作ることができる。液状媒体としては重合を妨げ
ず、酸素が効率的に除去できるものであればいずれであ
ってもよいが、なかでも水、特に純水を用いることが好
ましい。スラリー中の原料ポリアミド(A)の量は、6
0重量%以下が好ましく、40重量%以下がさらに好ま
しい。また、さらに、本発明の効果を上げるためには、
脱酸素剤を重合反応系に添加するのも有効である。特に
スラリー中に脱酸素剤を添加するのが好ましい。脱酸素
剤としては、炭酸ヒドラジン、水加ヒドラジンなどのヒ
ドラジン系化合物が好ましく、水加ヒドラジンが特に好
ましい。脱酸素剤の添加量は脱酸素剤の効率に依存する
ものではあるが、スラリー量に対して、0重量%を超
え、0.04重量%以上が好ましく、0.20重量%以
下、さらには0.10重量%以下が、目的とするポリア
ミド(C)への重合性および物性の点で好ましい。
【0021】原料ポリアミド(A)の添加量は、モノマ
ー溶液および原料ポリアミド(A)のペレットなどの混
合攪拌を妨げない範囲であれば特に限定されない。最終
生成のポリアミド(C)に対する原料ポリアミド(A)
の添加量は、色調、重合の均一性の点で添加率で30重
量%を越えない方が好ましく、さらには20重量%を越
えない方が好ましく、特に10重量%を越えない方が好
ましい。
【0022】本発明の重合は、原料ポリアミド(A)と
液状媒体とを含有するスラリーを、ポリアミドモノマー
(B)溶液に混合して、公知の方法で重合するものであ
る。スラリーを添加する以外は、公知の重合装置で、公
知の原料、方法で溶融重合することができる。スラリー
を混合する時期は重合が完了するまでであればいつでも
よいが、重合反応開始前に混合することが好ましい。
【0023】さらに、本発明の重合反応では、通常のポ
リアミド重合に添加されるもの、例えば末端基量調整
剤、重合促進剤、耐熱剤、耐候剤、顔料等を含んでいて
もよい。これらの添加剤は本発明の重合を妨げない範囲
であれば、スラリー調製時から重合終了までの如何なる
時点で添加してもよい。さらには、原料ポリアミド
(A)に添加されていてもよく、コンパウンドにより添
加剤が加えられた原料ポリアミド(A)を用いることも
できる。
【0024】
【実施例】以下、実施例としてナイロン66の重縮合に
おけるペレットの再仕込み重合をあげて詳細に説明す
る。なお、以下の例は例示のために示すものであって本
発明はこれに限定されるものではない。
【0025】なお、実施例に記載したポリマー色調の評
価はカラーメーター(スガ試験機(株)製;AUD−S
CH−2型)で、YI値として測定したものである。
【0026】参考例1 ナイロン66のモノマー原料であるヘキサメチレンジア
ンモニウムアジペートの85重量%水溶液1400gを
撹拌装置、減圧留出装置、添加ポットを備えた反応容器
(内容積5L)に仕込み、圧力が17.5Kg/cm2
・Gとなるまで密閉加熱した。その後、圧力を17.5
Kg/cm2 ・Gに保って、液温が260℃になるまで
加熱した。260℃になった時点で圧力を下げていき、
50分で常圧とした。最後に610mmHgの減圧で5
分間反応させて吐出、冷却固化、切断し、直径2mm、長
さ3mmのポリアミドのペレットを得た。えられたポリマ
ーの色調を表1に示す。
【0027】実施例1 参考例1で試作したナイロン66ペレットを、原料ポリ
アミド(A)として利用した。原料ポリアミド(A)2
00gと純水400gとを混合して10分間攪拌して、
水スラリーとした。
【0028】この水スラリーとヘキサメチレンジアンモ
ニウムアジペートの85重量%水溶液1100gとを反
応容器に仕込み、参考例1と同様の条件で重合、切断を
行ないペレットとした。得られたポリアミドの色調を表
1に示す。
【0029】得られたポリマーは参考例1と同等の色調
で良好であった。
【0030】実施例2 実施例1の水スラリーに、脱酸素剤として水加ヒドラジ
ンを、水スラリーに対して0.08重量%加えて、実施
例1と同様の仕込量および条件で重合、吐出、冷却固
化、切断して、ペレットとした。得られたポリマーの色
調は表1に示すとおりであるが、実施例1よりさらに良
好であった。
【0031】比較例1 ペレットを水スラリーとせずにそのまま仕込み、実施例
1と同様の仕込量および方法で重合した。得られたポリ
マーの色調は実施例1よりも悪いものであった。結果を
表1に示す。
【0032】実施例1および2は、原料ポリアミド
(A)を重合反応系に投入しているにもかかわらず、ポ
リアミドを重合反応系に投入していない参考例1と同様
に色調が良好であった。一方、ポリアミドペレットをス
ラリーとしていない比較例1のポリマーは色調が劣るも
のであった。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明のポリアミドの製造方法によれ
ば、得られるポリアミドの色調が低下しない。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】ポリアミドの製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明はポリアミドの製造
方法に関し、詳しくは形状不良成形品等の産業廃棄物を
原料の一部として再利用するポリアミドの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】 ポリアミドの製造においては、重合反
応終了後、窒素などの不活性ガスにより反応容器内を加
圧して、反応物をガット状に吐出し、それを冷却固化・
切断してペレットとして製造することが、通常行なわれ
ている。重合終了後の溶融ポリアミド中には、縮合反応
によって生成した水が溶解しているが、その縮合水は反
応容器の外に押し出されると気泡となる。これは不活性
ガスによる加圧状態から、吐出によって常圧とり、溶
融ポリアミドに対する水の溶解度が減少するためであ
る。ガット状に吐出された溶融ポリアミド中で気泡が巨
大化すると、冷却固化される前に気泡がはじけてガット
が切断される。気泡による切断部付近は冷却固化される
と通常よりも太いガットになるため、カッティング後は
長さや直径が異常に大きい形状不良ペレットとなる。
【0003】このような形状不良ペレットは、後加工の
工程でしばしばトラブルの原因となる。特にペレット輸
送配管の閉塞、紡糸機あるいは押出機の噛込み不良は大
きなトラブルであり、工程ストップ,装置の故障につな
がる。そのためペレットに切断したのち、形状不良ペレ
ットをふるいにかけて除去していた。
【0004】形状不良ペレットの発生を抑えるには、気
泡の原因となる水の発生を抑制する必要がある。しかし
アミド化のような重縮合反応の場合、水の生成は避けら
れない場合が多い。。また消泡剤を添加する方法も考え
られるが、シリコーン等の通常の消泡剤は、高温下では
着色しやすいものであり使用できない。以上のことから
形状不良ペレットの発生を抑制するには、自ずと限度が
ある。
【0005】形状不良ペレットはポリマ特性上、正規ペ
レットとなんら変わるところがない。そのため形状不良
ペレットを、重合装置へ仕込みモノマー溶液に溶解させ
て再度、ペレットとして取り出す方法が試みられた。し
かし、ペレットをそのまま重合装置へ仕込むと色調の劣
るポリマーが得られた。
【0006】以上のことから形状不良ペレットは再利用
できず、埋立あるいは焼却処分してきた。しかし、近
年、高まっている産業廃棄物リサイクルあるいは環境問
題の面から、廃棄物を出さないことが望まれている。ま
た、収率アップの面からも不良ペレットの再利用が望ま
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、形状
不良ペレットを廃棄せず原料としてリサイクルでき、な
おかつ、繊維や樹脂の機械的物性、色調が、形状不良ペ
レットを原料としない場合と同様に良好な製品を得るこ
できるポリアミドの製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる目的
を達成するため、鋭意検討した結果、形状不良ペレット
を水等の液状媒体のスラリーとして添加することによ
り、ペレットに付着して導入される酸素によって生じる
ポリマーの着色を抑制できることを見出し、本発明に到
達した。
【0009】すなわち、本発明は、「原料ポリアミド
(A)および液状媒体を含有するスラリーと、ポリアミ
ドモノマー(B)とを混合して、重合することを特徴と
するポリアミドの製造方法。」に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳述する。
【0011】本発明の方法で製造されるポリアミド
(C)は、原料ポリアミド(A)とポリアミドモノマー
(B)とから合成されるものである。目的とするポリア
ミド(C)は公知のものであればいずれであってもよい
が、たとえば、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン46、ポ
リメタフェニレンイソフタルアミドなどのポリアミド、
6/66、6/66/610、66/6T(Tはテレフ
タル酸を示す。)、66/6T/6I(Iはイソフタル
酸を示す。)、6/6T、6T/M5T(M5は2−メ
チルペンタメチレンジアミンを示す。)、6T/6I、
6/66/6PACM(PACMはビス(p−アミノヘ
キシル)メタンを示す。)などの共重合ポリアミドが挙
げられる。また、ポリアミド(C)は結晶性、非晶性の
いずれであってもよい。ポリアミド(C)を与えるモノ
マー原料は、ジカルボン酸成分、ジアミン成分、ラクタ
ム類およびその開環体であるアミノカルボン酸成分から
選ぶことができる。
【0012】ジカルボン酸成分としては、アジピン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカ
ルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、あるいは、テレフ
タル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらのジ
カルボン酸成分は単独または2種以上併用して用いるこ
とができる。
【0013】ジアミン成分としては1,4−ジアミノブ
タン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘ
キサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、1,
7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、
1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、
1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノド
デカンなどの脂肪族ジアミン、あるいは、メタキシレン
ジアミンなどの芳香族ジアミンなどが挙げられる。これ
らのジアミン成分は単独または2種以上併用して用いる
ことができる。
【0014】ラクタム類としてはε−カプロラクタム、
ζ−エナントラクタム、η−カプリルラクタム、ω−ラ
ウリルラクタムなどを挙げることができ、その開環体で
あるアミノカプロン酸なども用いることができる。これ
らのラクタム類は単独または2種以上併用して用いるこ
とができる。
【0015】ポリアミド(C)はこれらのモノマー原料
からなるホモポリマーであっても共重合ポリマーであっ
てもよい。
【0016】本発明の原料ポリアミド(A)は上記のポ
リアミド(C)に例示されたものと同様のポリアミドで
あって、単独であっても2種以上であってもよい。
【0017】本発明のポリアミドモノマー(B)は上記
のポリアミド(C)の原料成分として示されたモノマー
であって、単独であっても2種以上であってもよい。
【0018】原料ポリアミド(A)を構成するモノマー
成分とポリアミドモノマー(B)は同一であっても異な
ってもよいが、ポリアミド(C)の性能を一定に保つ都
合上、原料ポリアミド(A)を構成するモノマー成分と
ポリアミド(B)モノマーは同一である方が好ましい。
【0019】スラリーにされる原料ポリアミド(A)の
形状は、リサイクルの場合には直径や一辺が1〜30m
mの角柱、円柱、楕円柱などの形状を有する粒状物が一
般的に利用されるが、本発明の効果を妨げない範囲であ
れば、繊維状、板状、1〜30mmのサイズから外れた
粒状などの形状であってもよく、また、それらの混合物
であってもよく、特に制限されない。
【0020】本発明のスラリーは原料ポリアミド(A)
および液状媒体を含有するものであり、混合した後、撹
拌して作ることができる。液状媒体としては重合を妨げ
ず、酸素が効率的に除去できるものであればいずれであ
ってもよいが、なかでも水、特に純水を用いることが好
ましい。スラリー中の原料ポリアミド(A)の量は、6
0重量%以下が好ましく、40重量%以下がさらに好ま
しい。また、さらに、本発明の効果を上げるためには、
脱酸素剤を重合反応系に添加するのも有効である。特に
スラリー中に脱酸素剤を添加するのが好ましい。脱酸素
剤としては、炭酸ヒドラジン、水加ヒドラジンなどのヒ
ドラジン系化合物が好ましく、水加ヒドラジンが特に好
ましい。脱酸素剤の添加量は脱酸素剤の効率に依存する
ものではあるが、スラリー量に対して、0重量%を超
え、さらに0.04重量%以上が好ましく、0.20重
量%以下、さらには0.10重量%以下が、目的とする
ポリアミド(C)への重合性および物性の点で好まし
い。
【0021】原料ポリアミド(A)のポリアミド(C)
に対する添加量は、モノマー溶液および原料ポリアミド
(A)のペレットなどの混合攪拌を妨げない範囲であれ
ば特に限定されない。色調、重合の均一性の点で添加率
で30重量%を越えない方が好ましく、さらには20重
量%を越えない方が好ましく、特に10重量%を越えな
い方が好ましい。 本発明の重合は、原料ポリアミド
(A)と液状媒体とを含有するスラリーを、ポリアミド
モノマー(B)溶液に混合して、公知の方法で重合する
ものである。スラリーを添加する以外は、公知の重合装
置で、公知の原料、方法で溶融重合することができる。
スラリーを混合する時期は重合が完了するまでであれば
いつでもよいが、重合反応開始前に混合することが好ま
しい。
【0022】さらに、本発明の重合反応では、通常のポ
リアミド重合に添加されるもの、例えば末端基量調整
剤、重合促進剤、耐熱剤、耐候剤、顔料等を含んでいて
もよい。これらの添加剤は本発明の重合を妨げない範囲
であれば、スラリー調製時から重合終了までの如何なる
時点で添加してもよい。さらには、原料ポリアミド
(A)に添加されていてもよく、コンパウンドにより添
加剤が加えられた原料ポリアミド(A)を用いることも
できる。
【0023】
【実施例】以下、実施例としてナイロン66の重縮合に
おけるペレットの再仕込み重合をあげて詳細に説明す
る。なお、以下の例は例示のために示すものであって本
発明はこれに限定されるものではない。
【0024】なお、実施例に記載したポリマー色調の評
価はカラーメーター(スガ試験機(株)製;AUD−S
CH−2型)で、YI値として測定したものである。
【0025】参考例1 ナイロン66のモノマー原料であるヘキサメチレンジア
ンモニウムアジペートの85重量%水溶液1400gを
撹拌装置、減圧留出装置、添加ポットを備えた反応容器
(内容積5L)に仕込み、圧力が17.5Kg/cm2
・Gとなるまで密閉加熱した。その後、圧力を17.5
Kg/cm2 ・Gに保って、液温が260℃になるまで
加熱した。260℃になった時点で圧力を下げていき、
50分で常圧とした。最後に610mmHgの減圧で5
分間反応させて吐出、冷却固化、切断し、直径2mm、長
さ3mmのポリアミドのペレットを得た。えられたポリマ
ーの色調を表1に示す。
【0026】実施例1 参考例1で試作したナイロン66ペレットを、原料ポリ
アミド(A)として利用した。原料ポリアミド(A)2
00gと純水400gとを混合して10分間攪拌して、
水スラリーとした。
【0027】この水スラリーとヘキサメチレンジアンモ
ニウムアジペートの85重量%水溶液1100gとを反
応容器に仕込み、参考例1と同様の条件で重合、切断を
行ないペレットとした。得られたポリアミドの色調を表
1に示す。
【0028】得られたポリマーは参考例1と同等の色調
で良好であった。
【0029】実施例2 実施例1の水スラリーに、脱酸素剤として水加ヒドラジ
ンを、水スラリーに対して0.08重量%加えて、実施
例1と同様の仕込量および条件で重合、吐出、冷却固
化、切断して、ペレットとした。得られたポリマーの色
調は表1に示すとおりであるが、実施例1よりさらに良
好であった。
【0030】比較例1 ペレットを水スラリーとせずにそのまま仕込み、実施例
1と同様の仕込量および方法で重合した。得られたポリ
マーの色調は実施例1よりも悪いものであった。結果を
表1に示す。
【0031】実施例1および2は、原料ポリアミド
(A)を重合反応系に投入しているにもかかわらず、ポ
リアミドを重合反応系に投入していない参考例1と同様
に色調が良好であった。一方、ポリアミドペレットをス
ラリーとしていない比較例1のポリマーは色調が劣るも
のであった。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明のポリアミドの製造方法によれ
ば、得られるポリアミドの色調が悪化しない。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ポリアミド(A)および液状媒体を
    含有するスラリーと、ポリアミドモノマー(B)とを混
    合して、重合することを特徴とするポリアミド(C)の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 原料ポリアミド(A)が粒状物であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリアミドの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、重合の反応
    が脱酸素剤を含有するものであるポリアミドの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 液状媒体が水であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載のポリアミドの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1193296A1 (en) * 2000-09-29 2002-04-03 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Process for producing polyamide
JP2002173531A (ja) * 2000-09-29 2002-06-21 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ポリアミドの製造方法

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