JPH09126976A - 超音波硬度測定装置 - Google Patents

超音波硬度測定装置

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JPH09126976A
JPH09126976A JP28742895A JP28742895A JPH09126976A JP H09126976 A JPH09126976 A JP H09126976A JP 28742895 A JP28742895 A JP 28742895A JP 28742895 A JP28742895 A JP 28742895A JP H09126976 A JPH09126976 A JP H09126976A
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章 村山
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秀和 堀籠
Megumi Tanaka
恵 田中
Hiroyuki Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検体の弾性特性がたとえ微小に変化しても
変化に対応して測定された硬度を自動的に補正して、硬
度測定精度を向上する。 【解決手段】 超音波硬度測定装置において、被検体5
を移動自在に支持する試料台4と、振動棒14を被検体
5に押圧する振動棒駆動機構9と、被検体5内の各測定
点及び測定順序を記憶する測定条件記憶部28と、測定
条件記憶部の記憶内容に従って試料台及び振動棒駆動機
構を順番に起動していく測定制御部20とを備えてい
る。さらに、圧痕表面積Ac を実測するための顕微鏡1
2と、この顕微鏡を被検体の押圧部分へ移動させる顕微
鏡移動機構9と、顕微鏡で実測された圧痕表面積Ac と
算出された圧痕表面積Aとの関係から補正情報COを算
出する補正情報算出手段24と、算出された補正情報を
用いて各測定点29の硬度を補正する硬度補正手段22
とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬度を測定する硬度
測定装置に係り、特に、共振周波数測定法(超音波コン
タクト・インピーダンス法)を採用した超音波硬度測定
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属を含む各種材料の硬さを示すビッカ
ース硬度の測定方法は、JIS(日本工業規格)のZ−
2244に規定されている。すなわち、ビッカース硬度
Hvは、所定形状を有した試験棒を被検体に押圧した場
合の荷重Fと、この荷重Fで試験棒を被検体に押圧した
ときに押圧部分に生じる凹みを示す圧痕の表面積(圧痕
表面積)Aとを用いて(1) 式で定義される。
【0003】 Hv=F/A …(1) この圧痕表面積Aは非常に小さいので、正確にその値を
測定するためには、その都度、顕微鏡を用いて操作員が
目視で測定する必要がある。したがって、測定作業が煩
雑化し、工場の生産工程における製品の品質検査に組込
むことができない。
【0004】このようにな不都合を解消するために、共
振周波数測定法(超音波コンタクト・インピーダンス
法)が実用化されている。この共振周波数測定法を用い
た硬度測定法においては、先端にダイヤモンド圧子が取
付けられた振動棒をこの振動棒の材質や形状や定まる自
由共振周波数f0で振動させた状態で被検体に押圧す
る。そして、この押圧状態の振動棒の共振周波数fを求
める。この共振周波数fの該当振動棒の自由共振周波数
0 からの変化量Δfと、前記圧痕表面積Aとの関係
は、(2) 式に示すように、2つの関数G,Hの積で示さ
れる。
【0005】 A=G(E,ν,Ed,νd)・H(Δf/f0 ) …(2) 但し、 E : 被検体のヤング率 ν : 被検体のポアソン比 Ed: ダイヤモンド圧子のヤング率 νd: ダイヤモンド圧子のポアソン比 2つの関数G,Hのうち先頭の関数Gは(2) 式で示すよ
うに、被検体及びこの被検体に押圧されるダイヤモンド
圧子の各弾性定数で定まる。また、減衰の影響や被検体
のリアクタンスを無視すると、同一材質の被検体を計測
する限りにおいては、関数Gは定数とみなすことが可能
である。また、振動棒の自由共振周波数f0 も振動棒に
固有の値である。
【0006】したがって、共振周波数変化量Δfと圧痕
表面積Aとの関係を変換特性として予め求めておく。そ
して、実際の超音波硬度測定においては、得られた共振
周波数変化量Δfから前記変換特性を用いて圧痕表面積
Aを求める。圧痕表面積Aが求まると、(1) 式を用いて
該当被検体のビッカース硬度Hvを算出する。
【0007】上述した測定方法においては、被検体のヤ
ング率Eやポアソン比νが変換特性を求めた場合の被検
体のそれとほとんど変化しないことが前提である。した
がって、変換特性を求めた被検体の弾性特性とほとんと
同じ弾性特性を有した被検体に対しては高い精度で硬度
Hvが得られる。
【0008】一般に、材質がJISに定められた鋼材等
においては、このJISに定められたヤング率Eやポア
ソン比νを用いて前記関数Gを算出する。しかし、たと
えJISに定められた鋼材であっても、このJISの許
容範囲内でヤング率Eやポアソン比νが変動する場合が
ある。したがって、製品検査等の製造された鋼材の硬度
を精度よく測定する必要がある場合には、各被検体毎の
ヤング率Eやポアソン比νを正確に測定する必要があ
る。
【0009】そこで、特開平2−264840号公報に
おいては、システム内に自動弾性測定装置を組込んで、
各被検体毎のヤング率Eやポアソン比νを測定して、超
音波硬度測定装置本体で求めた硬度Hvの補正を実施し
ている。
【0010】また、特表平2−504186号公報に記
載の「荷重を印加しながら硬さを測定するための硬さ測
定装置」においては、振動棒の個々のパラメータを記憶
素子に記憶させ、基本装置に内蔵された計算機により、
個々の振動棒毎に記憶されたパラメータ情報を用いて、
計測された共振周波数変化量Δf,共振振動周波数fの
偏差,振動周期の長さ等から硬度を計測することによ
り、振動棒固有のパラメータ差が、ゾンデ(測定プロー
ブ)を交換したときの硬度測定誤差となるのを防止して
いる。
【0011】さらに、特表平5−506305号公報に
記載の「超音波コンタクト・インピーダンス方法におけ
る荷重印加の基での硬さまたは弾性材料特性の測定方
法」においては、少なくとも異なる2つの試験力(印加
荷重)のもとで、共振器で振動棒の共振周波数を測定
し、既知のヤング率Eとポアソン比νから硬さを算出し
ている。また、既知の硬さとポアソン比νからヤング率
Eを求めている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各超音波硬度測定手法においても、まだ解消すべき次
のような課題があった。すなわち、特開平2−2648
40号公報記載のシステムにおいては、超音波硬度測定
装置の他に、自動弾性測定装置と演算装置との2つ高価
な装置が必要となり、設備費が大幅に上昇する。
【0013】特表平2−504186号公報記載の装置
においては、振動棒が種々に変化した場合における対応
は実施されているが、試験材が変ったときの測定された
硬度の誤差に関しては、ヤング率Eやポアソン比νが一
致する鋼材に関しては問題がないと記述されているのみ
である。したがって、変換特性を求めるためのに用いた
鋼材のヤング率Eやポアソン比νと実際の被検体のヤン
グ率Eやポアソン比νとが微小でも異なる場合において
は、測定値に誤差が混入して、装置全体の硬度測定精度
が低下する。
【0014】また、特表平5−506305号公報記載
の装置においても、校正に用いた試料と被検体のヤング
率Eやポアソン比νが微小でも異なる場合の対応策はな
にも記載されていない。
【0015】このように、従来の各超音波硬度測定手法
においては、校正に用いた試料と実際の被検体のヤング
率Eやポアソン比νが異なっていた場合は、硬度の測定
精度が低下する問題がある。また、高い精度で被検体の
硬度を測定するためには、別途、被検体の各弾性特性を
測定する装置を組込む必要があった。
【0016】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、被検体の振動棒で押圧された部分の圧痕表
面積を実測する顕微鏡を組込むことによって、たとえ、
被検体が変更になったとしても、測定された硬度を簡単
に正しい値に補正でき、常に高い測定精度を得ることが
でき、かつ被検体上の多くの測定点の硬度を自動的に順
番に測定でき、測定作業効率を向上できる超音波硬度測
定装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、先端に被検体
に当接するためのダイヤモンド圧子が取付けられた振動
棒を加振させた状態で被検体に規定時間だけ規定加重で
押圧し、押圧した状態における振動棒の共振周波数を測
定し、この測定された共振周波数の非押圧状態の自由共
振周波数からの変化量と、被検体及びダイヤモンドの弾
性特性情報とから、被検体の押圧部分の圧痕表面積を算
出し、この圧痕表面積と規定加重とから被検体の硬度を
算出する超音波硬度測定装置に適用される。
【0018】そして、上記課題を解消するために本発明
においては、被検体を2次元平面内に移動自在に支持す
る試料台と、振動棒を被検体に押圧する振動棒駆動機構
と、被検体内の各測定点及び測定順序を記憶する測定条
件記憶部と、この測定条件記憶部の記憶内容に従って試
料台及び振動棒駆動機構を順番に起動していく測定制御
部とを備えている。
【0019】さらに、圧痕表面積を実測するための顕微
鏡と、この顕微鏡の対物レンズを試料台に支持された被
検体の押圧部分の対向位置へ移動させる顕微鏡移動機構
と、顕微鏡で実測された圧痕表面積と算出された圧痕表
面積との関係から硬度に対する補正情報を算出する補正
情報算出手段と、この補正情報算出手段で算出された補
正情報を用いて算出された各測定点の硬度を補正する硬
度補正手段とを備えている。
【0020】このように構成された超音波硬度測定装置
においては、通常の測定モード時においては、被検体は
試料台に支持されている。また、被検体内の各測定点及
び測定順序は測定条件記憶部に記憶されている。そし
て、この装置が起動されると、測定制御部によって、測
定条件記憶部に記憶されている測定点及び測定順序に従
って、被検体を搭載した試料台が移動し、かつ振動棒が
駆動制御される。したがって、測定条件記憶部内に記憶
されている各測定点の硬度が自動的に測定され、測定作
業能率を大幅に向上できる。
【0021】また、圧痕表面積を実測するための顕微鏡
が設けられている。そして、例えば校正モード時におい
ては、顕微鏡移動機構によって顕微鏡の対物レンズが試
料台に支持された被検体の押圧部分の対向位置へ自動的
に移動される。この状態で、操作者が、押圧部分の圧痕
表面積を読取って操作入力すると、この実測された圧痕
表面積と先に同一測定点における算出された圧痕表面積
との関係に基づいて硬度に対する補正情報が自動的に算
出される。
【0022】そして、この算出された補正情報に基づい
て先に算出された各測定点の各硬度が補正される。した
がって、たとえヤング率Eやポアソン比νが微小に異な
る複数種類の被検体の硬度を測定する場合であっても、
それぞれの硬度を精度よく測定できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施形態を図面を
用いて説明する。図1は実施形態の超音波硬度測定装置
の外観図である。この超音波硬度測定装置は、大きく分
けて測定装置本体1と例えばパーソナルコンピュータ等
で構成された制御装置2とで構成されている。
【0024】測定装置本体1において、ベース3上に試
料台としてのXYテーブル4が取付けられ、このXYテ
ーブル4の上面4aに被検体5が取付けられる。XYテ
ーブル4はテーブル駆動機構6で水平面内に移動制御さ
れる。また、ベース3の前面には操作パネル7が設けら
れている。
【0025】下端がベース3に固定されたアーム8の上
端には、例えばモータ等にて上下に移動制御されるスラ
イド機構9が取付けられ、このスライド機構9の前面に
切換テーブル10が取付けられている。そして、切換テ
ーブル10の前面に、この切換テーブル10対して左右
に切換え移動可能に支持部材11が取付けられている。
そして、この支持部材11に対して顕微鏡12及び測定
プローブ13が取付けられている。
【0026】支持部材11を手動で左右に移動させるこ
とによって、顕微鏡12及び測定プローブ13のいずれ
かを規定の測定位置に位置させる。その結果、いずれか
一方が被検体5の測定点29に対向する。
【0027】測定プローブ13においては、図2に示す
ように、円柱状の振動棒14の下端にダイヤモンド圧子
17が取付けられている。さらに、振動棒14の上端近
傍にこの振動棒14を振動させるための例えば圧電素子
等で構成された加振素子15が取付けられている。さら
に、この振動棒14の中間部にはこの振動棒14の振動
を検出する圧電素子等で構成された受信素子16が取付
けられている。
【0028】そして、通常の測定モード時においては、
操作者は、測定プローブ13を被検体5の測定点29に
対向させる。そして、図2に示すように、顕微鏡12の
下部の対物レンズ12aの下端位置は測定プローブ13
の下端13a位置に比較して約4〜5mm高い位置に設
定する。
【0029】また、校正モード時においては、操作者
は、顕微鏡12を被検体5の測定点29に対向させる。
そして、測定プローブ13の取付け位置を変更して、下
端13aが顕微鏡12の対物レンズ12aの下端より上
方に位置させる。
【0030】このような測定プローブ13において、加
振素子15に交流電圧を印加すると、振動棒14は自己
の材質や形状等で定まる共振周波数f0 (自由共振周波
数)で振動する。
【0031】このような構成の測定装置本体1におい
て、制御装置2からの操作指令に基づいて、XYテーブ
ル駆動機構6が起動して、XYテーブル4上に取付けら
れた被検体5の測定点29を水平面内において任意のx
y座標位置へ移動可能である。また、制御装置2からの
操作指令に基づいて、モータが回転して、スライド機構
9の前面の切換テーブル10を移動させて、この切換テ
ーブル10に支持部材11を介して取付けられた測定プ
ローブ13及び顕微鏡12の上下位置を任意に制御でき
る。
【0032】さらに、前記測定プローブ13内には、こ
の測定プローブ13が被検体5に押圧された場合の荷重
を測定する荷重センサが組込まれている。この検出され
た荷重は制御装置2へ入力される。
【0033】したがって、制御装置2は被検体5の任意
の測定点29に対して振動棒14の先端のダイヤモンド
圧子17を任意の時間だけ押圧することかができる。ま
た、顕微鏡12内には、は測定プローブ13の振動棒1
4の先端のダイヤモンド圧子17が被検体5の測定点2
9を規定荷重Fで例えは10秒等の規定時間Tだけ押圧
した後に、該当測定点29に残る圧痕の実際の圧痕表面
積Ac を操作員が読取るためのスケールが刻まれてい
る。
【0034】図3は超音波硬度測定装置の概略構成を示
すブロック図である。測定装置本体1内のテーブル駆動
機構6は、被検体5を支持するXYテーブル4を測定制
御部20からの指令に基づいて移動制御する。また、荷
重検出部19は。被検体5に印加される荷重を荷重セン
サ18を介して検出して、測定制御部20へ送出する。
スライド機構9は測定制御部20からの指令に基づいて
切換テーブル10を上下移動させる。また、測定制御部
20は測定プローブ13の加振素子15へ交流電圧を送
出する。
【0035】測定プローブ13の受信素子16で検出さ
れた振動信号は制御装置2内の受信部21へ入力され
る。この受信部21は入力した振動信号から振動棒14
の共振周波数fを検出して、硬度算出部22へ送出す
る。
【0036】変換特性記憶部30内には、図4の点線で
示す、共振周波数変化量Δfと圧痕表面積Aとの関係を
示す変換特性CH0 が記憶されている。そして、この例
においては、それぞれヤング率E及びポアソン比νが大
きく異なるA,B,Cの3種類の基準試料(被検体5)
を用いて実際に測定された変換特性CH0 が記憶されて
いる。
【0037】操作員は顕微鏡13で実測した圧痕表面積
Ac を制御装置2へキーボード26を介して入力する
と、この圧痕表面積Ac は補正特性算出部24へ送出さ
れる。補正特性算出部24は、硬度算出部22で算出さ
れた該当測定点の圧痕表面積Aを取込み、補正特性C0
を算出して、補正特性記憶部25へ書込む。
【0038】硬度算出部22は、受信部21から入力さ
れた共振周波数fの前記振動棒14の自由共振周波数f
0 からの周波数変化量Δfを算出して、この周波数変化
量Δfに対応する圧痕表面積Aを変換特性記憶部30の
変換特性CH0 から読取る。そして、規定荷重Fをこの
読取った圧痕表面積Aで除算して硬度Hvを算出する。
【0039】硬度算出部22は、この算出された硬度H
vを補正特性記憶部25に記憶された補正特性C0で補
正して(Hvo=CO・Hv)、補正後の硬度Hvoを
記憶部23へ書込む。
【0040】一方、操作者がキーボード26を介して入
力した各被検体5上の寸法,形状,厚さ,材質,各測定
点,印加荷重F,荷重印加時間T等の各被検体5毎の測
定条件は測定条件設定部27を介して測定条件記憶部2
8に記憶保持される。
【0041】例えば、この測定条件記憶部28内には、
図5(a)(b)(c)に示すように、各被検体5毎
に、それぞれ固有の複数の測定点29が設定されてい
る。例えば、図5(a)に示す被検体5においては9個
の測定点29が設定され、図5(c)に示す被検体5に
おいては153個の測定点29が設定されている。
【0042】次に、制御装置2における測定制御部28
及び硬度算出部22の通常の測定モード時における硬度
測定処理を図6に示す流れ図に従って実行する。先ず測
定対象の被検体5をXYテーブル4上の基準位置に取付
け、装置を起動する。すると、流れ図が開始され、P
(プログラム・ステップ)1にて、測定条件記憶部28
から該当被検体5の先頭の測定点29の座標を読出し
て、XYテーブル4を移動させて、該当測定点29を測
定位置に移動させる。
【0043】次に、測定プロープ13の加振素子15に
交流電圧を印加して、振動棒14を振動させる(P
2)。つぎに、振動棒14を先端のダイヤモンド圧子1
7が被検体5の測定点29に当接するまで下降させる
(P3)。そして、荷重センサ18の値を監視しなが
ら、規定荷重Fで振動棒14を被検体5の測定点29へ
押圧開始する(P4)。そして、この状態で受信部21
で加振棒14の振動信号を受信する(P5)。
【0044】そして、規定時間Tが経過すると(P
6)、振動棒14を上昇させる(P7)。次に、受信部
21は振動信号に含まれる共振周波数fを検出し(P
8)、予め測定されている該当振動棒14の自由共振周
波数f0 との間の周波数変化量Δfを算出する(P
9)。
【0045】 Δf=f0 −f …(3) そして、この周波数変化量Δfに対応する圧痕表面積A
を変換特性記憶部30の変換特性CH0 から読取る(P
10)。そして、規定荷重Fをこの読取った圧痕表面積
Aで除算して硬度Hvを算出する(P11)。
【0046】 Hv=F/A …(4) さらに、算出された硬度Hvを補正特性記憶部25に記
憶された補正特性C0で補正して(P12)、補正後の
硬度Hvoを記憶部23へ書込む。同時に、例えば図7
に示す印字フォーマットで該当測定点29の硬度Hvo
を硬度データ表31に印字出力する(P13)。
【0047】そして、測定条件記憶部28に該当被検体
5にまだ未測定の測定点29が存在すれば(P14)、
P1へ戻り、該当被検体5の次の未測定の測定点29を
読出す。
【0048】そして、測定条件記憶部28内に未測定の
測定点29が無くなると、該当被検体5に対する一連の
各硬度の測定処理を終了する。次に、この装置の校正モ
ード時における補正特性COの算出処理動作を説明す
る。
【0049】説明を簡単にするために、前述した複数の
測定点が測定条件記憶部28に記憶された被検体5を用
いて補正特性COを算出するとする。まず、図6に示す
前述した手順で各測定点29における共振周波数変化量
ΔFから変換特性CH0 を用いて各圧痕表面積Aを読取
り、各圧痕表面積Aから補正前の各硬度Hvを算出す
る。同時に各測定点29における各圧痕表面積Aを補正
特性算出部24へ送出する。
【0050】次に、操作者は、顕微鏡12を測定位置に
移動させ、この顕微鏡12の対物レンズ12aを被検体
5の測定点29に対向させる。測定制御部20は、スラ
イド機構9を駆動して顕微鏡12の対物レンズ12aを
被検体5の所定の観察位置まで降下させる。そして、測
定制御部20は、XYテーブル4を駆動制御して、測定
条件記憶部28に記憶されている該当被検体5の各測定
点29を順番に対物レンズ12aに対向する測定位置へ
移動していく。
【0051】操作者は、各測定点29に形成された圧痕
の実際の各圧痕表面積Ac を内部に設けられたスケール
を用いて読取って、順番にキーボード26へ入力してい
く。キーボード26へ入力された各測定点29の各圧痕
表面積Ac は補正特性算出部24へ入力される。
【0052】補正特性算出部24は各測定点29の変換
特性CH0 から求めた各圧痕表面積Aと顕微鏡12で実
測された各圧痕表面積Ac との各比Cを求める。 C=A/Ac …(4) そして、この各比Cを全ての測定点29に亘って算術平
均を算出して、この平均値を該当被検体5に対する補正
特性COとする。そして、この補正特性C0 を該当被検
体5に対する補正特性COとして補正特性記憶部25へ
書込む。
【0053】したがって、次回移行、同一材質の被検体
5の硬度を測定する場合は、変換特性記憶部30から読
出した圧痕表面積Aを用いて算出された補正前の硬度H
vに対して補正特性記憶部25から読出した該当被検体
5に対する補正特性COを乗算することによって、正し
い補正後の硬度Hvoが得られる。
【0054】 Hvo=F/Ac =CO・Fv …(5) 実際の装置においては、各被検体5の材質の種類毎に、
各補正特性COが補正特性記憶部25に記憶されてい
る。したがって、測定モード時には各被検体5の材質の
種類を指定して、測定を実施すれば、自動的に対応する
補正特性COを用いて測定硬度が補正されて、正しい硬
度Hvoが出力される。
【0055】このように構成された超音波硬度測定装置
においては、図4に示すように、変換特性記憶部30内
に記憶されている変換特性CH0 は前述したように、
A,B,Cの3種類の基準試料(被検体5)を用いて作
成している。しかし、例えば、ヤング率Eとポアソン比
νとの組合わせが異なる別のD,E,Fの3種類の試料
(被検体5)を用いて作成された変換特性CH1 は元の
変換特性CH0 と完全に一致しない場合がある。
【0056】したがって、厳密には、被検体5の材質毎
に変換特性を作成する必要がある。本実施形態において
は、新たらな材質の被検体5を測定するに先だって、該
当被検体5の材質の変換特性の基準となる変換特性CH
1 に対する補正特性COを算出して、記憶保持して、こ
の補正特性COを用いて測定された硬度を補正してい
る。なお、材質が定まれば、硬度の取り得る範囲は狭い
ので、同一材質に対して同一補正特性COを採用しても
支障はない。
【0057】図8は、同一種類の被検体5に対して20
個の測定点29に対して硬度の測定を実施した実験結果
を示す図である。図8(a)は顕微鏡12を用いて測定
された圧痕表面積Ac を用いて算出した正しい各硬度と
補正なしの各測定値との対比を示す。補正がない場合
は、測定値と正しい硬度との間の誤差は最大11で最小
8であった。
【0058】これに対して、図8(b)は顕微鏡12を
用いて測定された圧痕表面積Ac を用いて算出した正し
い各硬度と補正を実施した各測定値との対比を示す。補
正ありの場合は、測定値と正しい硬度との間の誤差は最
大3で最小0であった。
【0059】また、図9は、材質の異なるJ,K,Lの
3種類の被検体5に対して、硬度測定を実施した場合に
おける顕微鏡を用いた正しい硬度と、補正を実施した場
合の測定硬度と補正を実行しない場合の測定硬度との対
比を示すグラフである。このグラフでも、補正を実行す
ることによって、測定精度が向上することが理解でき
る。
【0060】このように、補正を実施することによっ
て、正しい硬度からの誤差を低減できると共に、測定値
の変動量(バラツキ)を大幅に抑制できる。したがっ
て、装置全体の測定精度を大幅に向上できる。
【0061】また、図1に示すように、硬度を測定する
測定プローブ13と正しい硬度を得るための顕微鏡12
を同一の装置に組込んで、通常の測定モード時には、測
定プローブ13のみを用いて測定制御部20で自動的に
各測定点29の硬度測定を実施している。
【0062】さらに、校正モード時には、測定制御部2
0で自動的に圧痕が形成された各測定点29へ顕微鏡1
2へ移動させて各圧痕表面積Ac を操作者が読取るよう
にしている。そして、読取られた各圧痕表面積Ac を用
いて自動的に補正特性COを算出している。
【0063】したがって、従来装置に比較して、硬度の
測定作業能率を大幅に向上でき、かつ校正作業の能率的
に実施できる。すなわち、工場の品質検査等の大量の試
験を短時間に実施する装置として使用することができ
る。さらに、従来の自動弾性率測定装置を用いずに正確
な硬度が得られるので、装置全体の製造費を低減でき
る。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超音波硬
度測定装置においては、装置内に被検体の振動棒で押圧
された部分の圧痕表面積を実測する顕微鏡を組込んでい
る。したがって、たとえ、被検体が変更になったとして
も、測定された硬度を簡単に正しい値に補正でき、常に
高い測定精度を得ることができる。
【0065】さらに、被検体及び振動棒や顕微鏡の移動
を予め記憶された測定条件に従って自動的に実行させて
いる。したがって、被検体上の多くの測定点の硬度を自
動的に順番に測定でき、測定作業効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の超音波硬度測定装置の
外観図
【図2】 同実施形態の測定プローブと顕微鏡との位置
関係を示す図
【図3】 同実施形態の概略構成を示すブロック図
【図4】 同実施形態の変換特性記憶部に記憶された変
換特性を示す図
【図5】 各被検体上に設定された各測定点を示す図
【図6】 同実施形態の測定モード時の測定動作を示す
流れ図
【図7】 同実施形態の測定硬度の測定データ図
【図8】 同実施形態で測定された硬度の補正ありと補
正なしの各測定値と顕微鏡で測定された正しい硬度との
対比を示す図
【図9】 同じく同実施形態で測定された硬度の補正あ
りと補正なしの各測定値と顕微鏡で測定された正しい硬
度との対比を示す図
【符号の説明】
1…測定装置本体、2…制御装置、4…XYテーブル、
5…被検体、6…テーブル駆動機構、9…スライド機
構、10…切換テーブル、11…支持部材、12…顕微
鏡、13…測定プローブ、14…振動棒、15…加振素
子、16…受信素子、17…ダイヤモンド圧子、18…
荷重センサ、19…荷重検出部、20…測定制御部、2
1…受信部、22…硬度算出部、23…記憶部、24…
補正特性算出部、25…補正特性記憶部、26…キーボ
ード、27…測定条件設定部、28…測定条件記憶部、
29…測定点、30…変換特性記憶部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 恵 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 高橋 弘幸 東京都渋谷区道玄坂2丁目10番12号 日本 クラウトクレーマー株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に被検体に当接するためのダイヤモ
    ンド圧子が取付けられた振動棒を加振させた状態で前記
    被検体に規定時間だけ規定加重で押圧し、押圧した状態
    における前記振動棒の共振周波数を測定し、この測定さ
    れた共振周波数の非押圧状態の自由共振周波数からの変
    化量と、前記被検体及びダイヤモンドの弾性特性情報と
    から、前記被検体の押圧部分の圧痕表面積を算出し、こ
    の圧痕表面積と前記規定加重とから前記被検体の硬度を
    算出する超音波硬度測定装置において、 前記被検体を2次元平面内に移動自在に支持する試料台
    と、前記振動棒を前記被検体に押圧する振動棒駆動機構
    と、前記被検体内の各測定点及び測定順序を記憶する測
    定条件記憶部と、この測定条件記憶部の記憶内容に従っ
    て前記試料台及び振動棒駆動機構を順番に起動していく
    測定制御部とを備え、 かつ、前記圧痕表面積を実測するための顕微鏡と、この
    顕微鏡の対物レンズを前記試料台に支持された被検体の
    前記押圧部分の対向位置へ移動させる顕微鏡移動機構
    と、前記顕微鏡で実測された圧痕表面積と前記算出され
    た圧痕表面積との関係から硬度に対する補正情報を算出
    する補正情報算出手段と、この補正情報算出手段で算出
    された補正情報を用いて前記算出された各測定点の硬度
    を補正する硬度補正手段とを備えたことを特徴とする超
    音波硬度測定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003035645A (ja) * 2001-07-25 2003-02-07 Akashi Corp ロックウェル硬さ試験機及びロックウェル硬さ試験方法
KR101105240B1 (ko) * 2010-06-29 2012-01-13 전주대학교 산학협력단 시편 회전형 초음파를 이용한 시편 경도측정 장치
KR101105237B1 (ko) * 2010-06-29 2012-01-16 전주대학교 산학협력단 초음파를 이용한 시편 경도측정 장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003035645A (ja) * 2001-07-25 2003-02-07 Akashi Corp ロックウェル硬さ試験機及びロックウェル硬さ試験方法
KR101105240B1 (ko) * 2010-06-29 2012-01-13 전주대학교 산학협력단 시편 회전형 초음파를 이용한 시편 경도측정 장치
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