JPH09126572A - 熱源機の運転制御装置及びその運転方法 - Google Patents

熱源機の運転制御装置及びその運転方法

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JPH09126572A
JPH09126572A JP30824395A JP30824395A JPH09126572A JP H09126572 A JPH09126572 A JP H09126572A JP 30824395 A JP30824395 A JP 30824395A JP 30824395 A JP30824395 A JP 30824395A JP H09126572 A JPH09126572 A JP H09126572A
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Toshihiro Tanaka
俊弘 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽負荷運転時にあっても、ヴェルミエサイク
ル熱源機の発停を少なくすることのできるヴェルミエサ
イクル熱源機の運転制御装置及びその運転方法を提供す
る。 【解決手段】 燃焼機36を有するヴェルミエサイクル
熱源機1の運転制御装置において、燃焼機36を連続運
転するための最低燃焼量以下の燃焼量が要求される軽負
荷運転時に、燃焼機36の運転を一時的に停止させる一
時運転停止手段と、軽負荷運転時に一時運転停止手段に
より停止される燃焼機36の運転を、運転状態が軽負荷
運転状態にあることを条件に、繰り返して発停する運転
発停手段とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼機を有するヴ
ェルミエサイクル熱源機の運転制御装置及びその運転方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、燃焼機を有するヴェルミエサイ
クル熱源機を用いて、例えば冷温水をつくり、この冷温
水を用いて室内を空調する冷暖房装置は知られている。
この種の冷暖房装置は、フロンを含む冷媒を使用するこ
となく、室内を空調することができるので、環境に優し
い冷暖房装置であるという利点を有する。
【0003】ところで、従来のヴェルミエサイクル熱源
機の運転時には、燃焼機の燃焼量を制御して運転する。
しかしながら、燃焼機の燃焼量はどこまでも少なくする
ことはできず、最低燃焼可能な量以下の燃焼量が望まれ
る状態での運転(以下、「軽負荷運転」という。)で
は、燃焼機を停止させる必要があり、燃焼機を停止させ
る場合には、ヴェルミエサイクル熱源機自体の運転も停
止することになる。このヴェルミエサイクル熱源機自体
の運転を停止させると、空調は行なわれず、再び空調負
荷に応じるために、再度運転が要求される場合には、ヴ
ェルミエサイクル熱源機が始動される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように、軽負荷運転時にあっては、それが継続される限
り、ヴェルミエサイクル熱源機を停止させたり運転させ
たりする必要があり、軽負荷運転は発停回数が多くなる
という問題がある。ヴェルミエサイクル熱源機は、燃焼
系統の熱容量が大きく、始動、停止時の熱的応答が悪
く、過度的変動時間が長く、応答性が悪いために、発停
時には、温度制御的には冷水、温水の出口温度が大きく
脈動する、また、発停はヴェルミエサイクル熱源機の寿
命に大きく影響を及ぼす、など好ましくない点が多く、
従来から、ヴェルミエサイクル熱源機の発停を少なくす
ることが技術的に要望されている。
【0005】そこで、本発明の目的は、軽負荷運転時に
あっても、ヴェルミエサイクル熱源機の発停を少なくす
ることのできるヴェルミエサイクル熱源機の運転制御装
置及びその運転方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、燃焼機を有するヴェルミエサイクル熱源機の運
転制御装置において、燃焼機を連続運転するための最低
燃焼量以下の燃焼量が要求される軽負荷運転時に、前記
燃焼機の運転を一時的に停止させる一時運転停止手段
と、前記軽負荷運転時に前記一時運転停止手段により停
止される燃焼機の運転を、前記軽負荷運転状態にあるこ
とを条件に、繰り返して発停する運転発停手段とを備え
たことを特徴とするものである。
【0007】請求項2に記載の発明によれば、燃焼機を
有するヴェルミエサイクル熱源機の運転方法において、
燃焼機を連続運転するための最低燃焼量以下の燃焼量が
要求される軽負荷運転時に、前記燃焼機の運転を一時的
に停止し、前記軽負荷運転時に一時的に停止した燃焼機
の運転を、運転状態が軽負荷運転状態にあることを条件
に、繰り返して発停することを特徴とするものである。
【0008】これらの発明によれば、最低燃焼量よりも
少ない燃焼量が要求されるような軽負荷運転時には、燃
焼機を一旦停止させる。しかしながら、燃焼系統の熱容
量が大きいために機関は止まらず運転が継続される。そ
こで運転が継続されている間に再度燃焼を再開する。そ
して又一定時間燃焼させたら再度停止させる。これを繰
り返し平均的に要求される燃焼量の運転を継続する。
【0009】ヴェルミエサイクル熱源機は、熱容量が大
きく、しかも、燃焼機の燃焼停止後数分間たっても当該
熱源機が停止しない程に、大きな遅れ時間を持っている
ために、このようなことが可能になるものである。
【0010】この時、燃焼装置の発停が必要になるが、
これは、従来の機関全体を発停させると同等の発停とな
り、燃焼系は従来並の発停回数となるが、他の部分の発
停回数は大幅に低下する。燃焼系の発停は、送風系、点
火系は運転状態のままにし、燃料弁のみを開閉するなど
により、殆どの部品は連続運転させることができ、発停
ストレスは燃料弁のみ、またこの燃料弁も従来並みの発
停回数でよくなるので寿命的にも大幅に改善される。機
関の発停は一定の温度以下になると停止、別の一定温度
になると再度運転する方式が一般的であるが、このよう
なものでは出力される冷温水の温度に脈動が生じる。し
かしこの方式にすることにより脈動の少ない出力を出
し、冷温水の温度脈動を小さく抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0012】図1において、1はヴェルミエサイクル熱
源機(以下、「外燃式エンジン」という。)であり、高
温側シリンダ2内を上下動するディスプレーサーピスト
ン3のヘッド側のシリンダ内部空間には高温度レベルの
作動ガス(例えば700K〜1000K程度のヘリウム
ガス)が出入すると共に、他方の側のシリンダ内部空間
には中温度レベル(例えば300K〜400K)の作動
ガスが出入する。4はディスプレーサーピストン5を有
する低温側シリンダで、このシリンダ内を左右に動くデ
ィスプレーサーピストン5のヘッド側のシリンダ内部空
間には、低温側レベル(例えば200K〜300K)の
作動ガスが出入すると共に、他方の側のシリンダ内部空
間には中温度レベルの作動ガスが出入する。
【0013】6は高温度レベルの作動ガスを加熱するヒ
ーターチューブで、これの外側にはフィン7が設けてあ
る。なお、ヒーターチューブ6は燃焼機(以下、「バー
ナー」という。)36の燃焼ガスで加熱されるようにな
っている。8は再生器で、その上部開口を高温度レベル
の作動ガス(以下、「高温ガス」という。)が出入する
と共に、下部開口を中温度レベルの作動ガスが出入す
る。9、10はそれぞれ中温度レベルの作動ガス(以
下、「中温ガス」という。)が放熱する放熱用熱交換器
である。11は再生器で、その左側開口を中温ガスが出
入すると共に、右側開口を低温度レベルの作動ガス(以
下、「低温ガス」という。)が出入する。また、12は
吸熱用熱交換器である。13は低温ガスの流れるチュー
ブであり、14は中温ガスの流れるチューブである。
【0014】15は暖房負荷側の放熱器で、これと放熱
用熱交換器9、10とは温水管路16で結ばれている。
また、17は冷房負荷側の冷却器で、これと吸熱用熱交
換器12とは冷水管路18で結ばれている。
【0015】19、20は、それぞれディスプレーサー
ピストン3、5のピストンロッド21、22に連結した
コネクティングロッドであり、これらロッドは互いに一
定の位相角をもって回動するようにクランク23と連結
されている。また、クランク23の回転軸24にはスタ
ーターとしての電動機28が連結されている。そして、
回転軸24が図示の矢印線のように右回りに回転する
と、それに伴ってディスプレーサーピストン3、5が一
定の位相差をもって動くようになっている。なお、ディ
スプレーサーピストン5のピストンロッド22の直径
は、ディスプレーサーピストン3のピストンロッド21
のそれよりも大きく構成されている。また、25はクラ
ンクケースで、このケース15とシリンダ2、4とはそ
れぞれ仕切壁26、17で区画されている。
【0016】次に、運転動作を説明する。
【0017】起動に際し、電動機28がスターターとし
て稼働されることにより、回転軸24が回転し始めると
共に、バーナー36の燃焼が開始されて、まず、作動ガ
スが加熱される。回転軸24が回転し始めることによ
り、ディスプレーサーピストン3、5が一定の位相差を
もってシリンダ2、4内を摺動し始め、これらシリンダ
2、4のヘッド側とその反対側の空間の容積が、図2乃
至図5に示すように変化して、これら空間を作動ガスが
往復しつつ、ヒーターチューブ6において加熱される一
方で、放熱用熱交換器9、10において放熱する等の熱
の授受を行うことにより、図6に示すように、容積の変
化する空間における作動ガスの周期的な膨脹・収縮と、
外燃式エンジン1内の作動ガスの周期的な圧力変化とが
繰り返され、これによって冷温水出力が発生する。つま
り、放熱用熱交換器9、10での作動ガスの放熱によ
り、温水出力が発生し、低温側シリンダ4のヘッド側の
可変空間での作動ガスの周期的な膨脹に伴う吸熱用熱交
換器12を介しての熱の汲み上げ作用により冷水出力が
発生する。
【0018】なお、図2乃至図5は回転軸24の1/4
回転(90°)毎のディスプレーサーピストン3、5の
位置関係を示した外燃式エンジン1の動作説明図であ
り、図中の矢印は、ディスプレーサーピストン3、5の
摺動方向、及び回転軸24の回転方向を表している。ま
た、図6は回転軸24の1回転における作動ガスの周期
的な圧力変化、及びシリンダのヘッド側とその反対側の
空間の容積変化を示した線図であり、図中の実線は、シ
リンダ2のヘッド側の容積変化(VH )、破線は、シリ
ンダ4ヘッド側の容積変化(VC )、1点鎖線は、これ
らシリンダヘッドの反対側の容積変化(VM )を表わ
し、2点鎖線は、作動ガスの圧力変化(PX)を表わし
ている。
【0019】外燃式エンジン1の起動後、上述の動作が
繰り返されつつ、次第に定常状態へ移行し、シリンダヘ
ッド側の空間内の作動ガスは、所望の高温度レベルの高
温ガスとなる一方、シリンダ4のヘッド側の空間内の作
動ガスは、所望の低温度レベルの低温ガスとなり、これ
らシリンダベッドと反対側の空間内の作動ガスは所望の
中温度レベルの中温ガスとなる。
【0020】これに伴い外燃式エンジン1の発生動力も
次第に増え、これと負荷動力とが定常状態においてバラ
ンスするようになって、外燃式エンジン1から定格の冷
温水出力が得られるようになる。
【0021】冷房運転を例にとって説明すると、空調負
荷が減少すると、外燃式エンジン1のバーナー36の燃
焼量が減少される。そして、空調負荷が更に減少して、
バーナー36の運転に要する最低燃焼量以下の燃焼量が
要求される軽負荷状態になると、バーナー36の燃焼は
完全に停止される。
【0022】この実施の形態によれば、空調負荷が、バ
ーナー36を連続運転するために必要な最低燃焼量以下
の燃焼量が要求される軽負荷に達したら、図7aに示す
ように、バーナー36の運転を一時的に停止(OFF)
させる。これを停止(OFF)させると、図7bに示す
ように、外燃式エンジン1から出力される冷水の温度は
徐々に上昇していく。しかし、外燃式エンジン1の熱容
量は大きいので、その温度降下の勾配は図示のように緩
やかである。
【0023】この実施の形態の特徴は、空調負荷が前記
軽負荷状態にある時には、バーナー36の運転を停止
(OFF)させたままにしないで、図7aに示すよう
に、バーナー36の発停(ON/OFF)を繰り返すこ
とにある(デューティ運転制御)。この発停を繰り返す
ことにより、図7bに示すように、外燃式エンジン1か
ら出力される冷水の温度は所定レベルに維持されるの
で、外燃式エンジン1の運転は停止することなく、その
まま運転継続が可能になる。
【0024】図9は、ON/OFF運転制御方式を示し
ている。この制御方式(従来)であれば、前記軽負荷状
態になると、図9aに示すように、バーナー36の運転
が停止され(OFF)、この軽負荷状態が継続される
間、バーナー36の運転は停止(OFF)されたままで
ある。そうすると、空調負荷要求が増大し、それに応じ
てバーナー36を再び運転(ON)させたとしても、外
燃式エンジン1の熱容量が大きいため、図9bに示すよ
うに、直ぐに冷水の温度は降下せず、温度が大きくオー
バーシュートして上昇しすぎてしまう。
【0025】この実施の形態による運転方法において
は、冷房運転を例にとって説明すると、図8を参照し、
まず外燃式エンジン1から出力される冷水の冷水温(空
調負荷)が検出され(S1)、この冷水温からPID演
算によりバーナー36における要求燃焼量が算出される
(S2)。このS2で算出される要求燃焼量がバーナー
36の運転に要する最低燃焼量以上であるか否かが判断
され(S3)、判断が最低燃焼量以上であれば、その要
求燃焼量に応じてバーナー36が、デューティ比100
%で連続運転される(S4)。判断が最低燃焼量以下で
あれば、上述のように、バーナー36の発停(ON/O
FF)を、その最低燃焼量で繰り返すデューティ運転制
御が行なわれる(S5)。
【0026】なお、このS5においてデューティ運転制
御におけるデューティ比(ON/OFFの時間間隔)の
算出は、例えば、ON/OFFの時間間隔=(要求燃焼
量/最低燃焼量)、などの基準で算出される。
【0027】この実施の形態によれば、図7bからも明
らかなように、軽負荷運転状態において、外燃式エンジ
ン1全体を停止させることなく、バーナー36の発停
(ON/OFF)のみを繰り返すので(デューティ運転
制御)、図9bに示す温度のオーバーシュートを、ほぼ
回避することができる。
【0028】バーナー36の発停(ON/OFF)は必
要であり、その発停回数は、従来並の発停回数となる
が、外燃式エンジン1の他の部分の発停回数は大幅に低
下するし、しかも、バーナー36の発停(ON/OF
F)は、送風系、点火系を運転状態のままにして、燃料
弁のみを開閉するなど工夫を加えることにより、ほとん
どの部品を連続運転させることができるので、発停スト
レスは燃料弁にのみ生じ、またこの燃料弁の発停回数
は、多くても従来並みの発停回数でよいから、外燃式エ
ンジン1の寿命を大幅に改善することができる。外燃式
エンジン1から出力される冷温水の温度脈動は外燃式エ
ンジン1の発停とともに生じるが、これによれば、外燃
式エンジン1は運転しっ放しになるので、冷温水の温度
脈動を小さく抑えることができる、などの効果を奏す
る。
【0029】
【発明の効果】これらの発明によれば、最低燃焼量より
も少ない燃焼量が要求されるような軽負荷運転時には、
燃焼機を一旦運転停止させ、軽負荷運転が継続されれ
ば、所定時間後に燃焼機の運転を再開し、そして又一定
時間燃焼させたら再度停止させ、軽負荷運転が更に継続
される時には、再度運転を開始し、これを繰り返し平均
的に要求される燃焼量の運転を継続するので、燃焼機以
外の熱源機の他の部分の発停回数を大幅に低下させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるヴェルミエサイクル熱源機の運転
制御装置及びその運転方法の一実施の形態を示す図であ
る。
【図2】ヴェルミエサイクル熱源機の動作を示す図であ
る。
【図3】ヴェルミエサイクル熱源機の動作を示す図であ
る。
【図4】ヴェルミエサイクル熱源機の動作を示す図であ
る。
【図5】ヴェルミエサイクル熱源機の動作を示す図であ
る。
【図6】ヴェルミエサイクル熱源機の回転軸の1回転に
おける作動ガスの周期的な圧力変化及びシリンダヘッド
側とその反対側の空間の容積変化を示す図である。
【図7】ヴェルミエサイクル熱源機の運転方法の一実施
の形態を示す図である。
【図8】同じくフロー図である。
【図9】従来の図7相当図である。
【符号の説明】
1 ヴェルミエサイクル熱源機 9,10 放熱用熱交換器 12 吸熱用熱交換器 15 放熱器 17 冷却器 36 燃焼機(バーナー)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼機を有するヴェルミエサイクル熱源
    機の運転制御装置において、燃焼機を連続運転するため
    の最低燃焼量以下の燃焼量が要求される軽負荷運転時
    に、前記燃焼機の運転を一時的に停止させる一時運転停
    止手段と、前記軽負荷運転時に前記一時運転停止手段に
    より停止される燃焼機の運転を、運転状態が前記軽負荷
    運転状態にあることを条件に、繰り返して発停する運転
    発停手段とを備えたことを特徴とする熱源機の運転制御
    装置。
  2. 【請求項2】 燃焼機を有するヴェルミエサイクル熱源
    機の運転方法において、燃焼機を連続運転するための最
    低燃焼量以下の燃焼量が要求される軽負荷運転時に、前
    記燃焼機の運転を一時的に停止し、前記軽負荷運転時に
    一時的に停止した燃焼機の運転を、前記軽負荷運転状態
    にあることを条件に、繰り返して発停することを特徴と
    する熱源機の運転方法。
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