JPH0912600A - ヒアルロン酸ナトリウムに対するモノクローナル抗体及びその製造方法 - Google Patents

ヒアルロン酸ナトリウムに対するモノクローナル抗体及びその製造方法

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JPH0912600A
JPH0912600A JP7180698A JP18069895A JPH0912600A JP H0912600 A JPH0912600 A JP H0912600A JP 7180698 A JP7180698 A JP 7180698A JP 18069895 A JP18069895 A JP 18069895A JP H0912600 A JPH0912600 A JP H0912600A
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sodium hyaluronate
cell
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antibody
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Kazuo Akima
和雄 秋間
Yasuo Suzuki
康夫 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 低分子化したヒアルロン酸ナトリウムにタン
パク質ないしリン脂質を導入して共有結合体を形成し、
これを抗原としてマウス等を免疫して得られる抗体産生
細胞とマウスミエローマ細胞との融合細胞が産生し、ヒ
アルロン酸ナトリウムを認識することを特徴とするモノ
クローナル抗体及びその製造方法。 【効果】 本発明によれば、ヒアルロン酸ナトリウムを
低分子化し、これと脂溶性成分の共有結合体を形成し、
該共有結合体をリボソームに導入し、これを抗原として
マウス等を免疫することにより、ヒアルロン酸ナトリウ
ムに対するモノクローナル抗体を得ることが可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はモノクローナル抗体及び
その製造方法、特にヒアルロン酸ナトリウムに対するモ
ノクローナル抗体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、糖脂質等の生体成分に対するモノ
クローナル抗体が作製され、免疫組織化学的手法を用い
てその生理学的役割が調べられるようになってきた。ま
た、グリコサミノグリカン(GAGs)に対する抗体も
コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸等については、モノ
クローナル抗体が調製され、モノクローナル抗体を利用
して、これらのGAGsの生理科学的意義が調べられつ
つある。
【0003】最近、糖脂質等の生体成分で抗原性をほと
んど有さない成分に対する抗体作製のためには、糖脂質
等の生体成分をリポソーム化してモノクローナル抗体を
調製する方法が用いられるようになってきた。生体成分
をリポソーム化するには、生体成分が脂溶成分を持つこ
とが必要である。
【0004】しかしながら、コンドロイチン硫酸及びヘ
パラン硫酸はプロテオグリカンの構成成分であり、タン
パク質との共有結合体として存在するためにヒアルロン
酸と異なり抗原性が強いため、モノクローナル抗体の作
製が容易に行い得たと考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、生体内
においてヒアルロン酸ナトリウムは、硝子体、関節液及
び皮膚等の広範囲に分布するものの、通常タンパク質と
の共有結合体として存在しないため、従来法によって
は、未だモノクローナル抗体は得られていない。
【0006】そのため、ヒアルロン酸に関する生理的役
割には未知の部分が多い。本発明は前記従来技術の課題
に鑑み、ヒアルロン酸ナトリウムに対するモノクローナ
ル抗体を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記従来技術の課題に鑑
み本発明者らが鋭意検討を行った結果、免疫原として低
分子化したヒアルロン酸ナトリウムにホスファチジルエ
タノールアミン等のリン脂質あるいはタンパク質を共有
結合させて、共有結合体を形成したものを用い、これを
抗原としてマウスに抗体産生細胞を形成させ、これとマ
ウスミエローマ細胞と融合細胞がヒアルロン酸ナトリウ
ムを特異的に認識するモノクローナル抗体を産生するこ
とを見出し本発明の完成に至った。
【0008】すなわち、本発明のモノクローナル抗体
は、低分子化されたヒアルロン酸ナトリウムにタンパク
質ないしリン脂質を導入して共有結合体を形成し、これ
を抗原としてマウスを免疫して得られる抗体産生細胞と
マウスミエローマ細胞との融合細胞が産生し、ヒアルロ
ン酸ナトリウムを認識することを特徴とする。
【0009】また、本発明のモノクローナル抗体の製造
方法は、低分子化されたヒアルロン酸ナトリウムにタン
パク質ないしリン脂質を導入して共有結合体を形成し、
これを抗原としてマウスを免疫して得られる抗体産生細
胞とマウスミエローマ細胞との融合細胞が産生し、ヒア
ルロン酸ナトリウムを認識することを特徴とする。
【0010】なお、モノクローナル抗体の製造にあた
り、共有結合体として導入されるリン脂質としては、ホ
スファチジルエタノールアミン又はホスファチジルセリ
ンのいずれかであることが好ましい。また、共有結合体
として導入されるタンパク質としては、ヘモシアニンで
あることが好ましい。
【0011】以下、本発明の構成についてさらに詳細に
説明する。本発明のモノクローナル抗体は、ヒアルロン
酸ナトリウムを低分子化し、これにリン脂質又はタンパ
ク質を導入した共有結合体を抗原としてほ乳動物を免疫
し、得られた抗体産生細胞を継代培養可能なミエローマ
細胞と融合してハイブリドーマを形成させ、このハイブ
リドーマの中から目的のモノクローナル抗体のみを産生
する細胞を選抜し、この細胞を抗体を産生する条件下
で、大量に培養することにより製造される。
【0012】本発明で免疫原としては、低分子化したヒ
アルロン酸ナトリウムとリン脂質又はタンパク質を共有
結合し、当該共有結合体をリポソームに導入したものを
用いる。本発明においてヒアルロン酸ナトリウムを低分
子化する方法としては、以下の方法が挙げられる。すな
わち、高分子ヒアルロン酸ナトリウムを酢酸ナトリウム
緩衝液(pH5.0)に溶解し、これに牛睾丸由来のヒ
アルロニダーゼを加え、37℃にて一晩消化させる。こ
れに終濃度が1%(w/v)となる様に酢酸ナトリウム
を添加後、アセトン沈澱法により低分子ヒアルロン酸ナ
トリウムを沈澱析出することにより得ることが可能であ
る。
【0013】本発明においてヒアルロン酸ナトリウムと
リン脂質又はタンパク質の共有結合体を形成する方法と
しては、まず、ヒアルロン酸ナトリウムをアルデヒド化
し、これとリン脂質又はタンパク質を共有結合させる方
法が挙げられる。ここで共有結合させるリン脂質として
は、ホスファチジルエタノールアミン及びホスファチジ
ルセリンが好ましい。また、共有結合させるタンパク質
としては、やや脂溶性を示すヘモシアニンが好ましい。
【0014】ヒアルロン酸ナトリウムとリン脂質又はタ
ンパク質を共有結合させる具体的方法としては、すなわ
ち、低分子化したヒアルロン酸ナトリウムを50mMホ
ウ酸ナトリウム緩衝液(pH8.3)に溶解後、水素化
ホウ素ナトリウムを加えて室温で反応させることによ
り、還元末端のGlcNAcを糖アルコールとした。ア
セトンを加えることにより過剰の水素化ホウ素ナトリウ
ムを分解させると同時に、ヒアルロン酸糖アルコールを
沈澱させる。得られたヒアルロン酸糖アルコールをイミ
ダゾール緩衝液(pH6.5)に溶解後、過ヨウ素酸ナ
トリウムを加え0℃で反応させることにより、ヒアルロ
ン酸ナトリウムに安定にアルデヒド基を導入することが
可能である。
【0015】さらに、アルデヒド基を導入したヒアルロ
ン酸ナトリウムとリン脂質又はタンパク質を共有結合さ
せ、共有結合体を形成する。当該共有結合体は以下の方
法により製造することが可能である。すなわち、アルデ
ヒド基を導入したヒアルロン酸ナトリウムを蒸留水に溶
解させ、ホスファチジルエタノールアミンを溶解させた
エタノールと混和し、30分間攪拌することにより、ア
ルデヒド基とアミノ基の間でシッフ塩基を生成させる。
続いて、これにシアノ水素化ホウ素化ナトリウムを加え
て7時間攪拌後、水素化ホウ素化ナトリウムを加え、一
晩攪拌することにより、シッフ塩基を還元し、安定な共
有結合体を得た。結合体は、エタノール沈澱することに
より析出することができる。ホスファチジルエタノール
アミンのヒアルロン酸ナトリウムへの導入は、リンモリ
ブデン試薬(P.R.Gentner et al.
J.Chromatogr,206,200(198
1))を用いスポット法にて確認可能である。
【0016】本発明においては、前記方法により得られ
たヒアルロン酸ナトリウム・ホスファチジルエタノール
アミン共有結合体をリポソーム化してほ乳動物に免疫し
て抗体産生細胞を得る。
【0017】通常免疫原をリポソーム化するには、Wa
tarai等の方法に従い、免疫原をクロロホルム/メ
タノール=2/1(V/V)に溶解する。しかしなが
ら、本発明の免疫原であるヒアルロン酸・リン脂質ない
しタンパク質共有結合体は、クロロホルム/メタノール
=2/1、1/1、1/2及びクロロホルムのみ、メタ
ノールのみのいずれの溶媒にも熔解せず通常の方法によ
りリポソーム化することができず、リン酸緩衝液にのみ
溶解したので具体的には以下の方法により、リポソーム
化を行った。
【0018】すなわち、コレステロール、レシチン、L
ipopolysaccharideをクロロホルム/
メタノール=2/1(V/V)に溶解したものをなし型
フラスコにとり、よく混和した後、ロータリーエバボレ
ーターを用いて溶媒を留去する。さらに、クロロホルム
で均一にした後、同様に溶媒を留去し、フラスコ内にフ
ィルムを形成させる。真空ポンプで吸引して完全に溶媒
を取り除いた後で、リン酸緩衝液に溶解したヒアルロン
酸ナトリウム・ホスファチジルエタノールアミン共有結
合体を添加し、室温で超音波処理することによりヒアル
ロン酸ナトリウム・ホスファチジルエタノールアミン・
リポソーム溶液を作製する。
【0019】本発明で免疫される動物は豚、牛、マウ
ス、ラット等、人以外の動物であればなんでも良いが、
抗体産生細胞の相手となるミエローマ細胞がマウス由来
のものであるため、特にマウスがよい。上記方法により
調整したヒアルロン酸ナトリウム・ホスファチジルエタ
ノールアミン・リポソーム溶液等をほ乳動物に腹腔内注
射することにより免疫を行う。注射方法はこれに限ら
ず、皮下注射、静脈注射でも良い。ほ乳動物は必要に応
じて追加免疫される。
【0020】最終免疫の3日後に免疫されたほ乳動物か
ら抗体を生産するリンパ球を含む脾臓を摘出する。摘出
する組織はリンパ節などの抹消リンパ系組織ならどこで
もよい。得られた組織から例えば免疫実験操作方法B
(1974年日本免疫学会発酵253頁)に記載されて
いる方法によりリンパ球が単細胞として分離される。
【0021】次にこのリンパ球が半永久的に継代し得る
ように増殖能を与える。方法としては、E.B.−vi
rusやAbelsom−virus等のウイルスにリ
ンパ球を感染させ、形質転換させる方法、仙台ウイルス
やポリエチレングリコール存在下、ある種の癌細胞と細
胞融合させる方法等がある。
【0022】安定した抗体を続けて産生させるために、
同じマウスでも同種のマウス由来の癌細胞、例えばマウ
スミエローマ細胞がリンパ球の相手として用いられる。
実際の細胞融合の手法は、一般的にJ.Immuno
l.Method,39,285〜308(1980)
に記載された方法に準ずる。すなわち上記二種の細胞の
融合は、ポリエチレングリコール存在下で行い、ハイブ
リドーマのみ成育可能なHAT培地(ここではヒポキサ
ンチン、アミノプテリン、チミジン添加培地)で成育さ
れる。ハイブリドーマのコロニーが確認できるようにな
ったらその培養液中の抗体をスクリーニングする。スク
リーニングの方法としては例えばELISA法が挙げら
れる。
【0023】目的の抗体を産生するハイブリドーマは、
制限希釈法を繰り返すことにより最終的に単一のハイブ
リドーマ(クローンと呼ぶ)からなるコロニーを得るこ
とができる。クローンを作るモノクローナル抗体は細胞
培養液から分離精製することができる。これらは抗体に
さらに塩析、イオン交換、ゲル濾過、アフィニティーク
ロマトグラフィー、電気泳動等、生化学的一般的手法を
適宜組み合わせて精製することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明に好適な実施例をさらに詳細に
説明する。なお、本発明は本実施例に限定されるもので
はない。
【0025】実施例1 a)ヒアルロン酸ナトリウム抗原の作製 低分子ヒアルロン酸ナトリウムの調製 高分子ヒアルロン酸ナトリウム(分子量120万(12
00kDa)Streptococcus zooep
idemicus((株)資生堂製)を用い発酵法によ
り調製)1gを100ml酢酸ナトリウム緩衝液(pH
5.0)に溶解した。続いて終濃度が60U/mlとな
るように牛睾丸由来のヒアルロニダーゼ(シグマ社製)
を加えて、37℃で一晩消化させた。100℃で、10
分間加熱して酵素を失活させた後、遠心分離により沈澱
を除去した。次に1%(w/v)の濃度に酢酸ナトリウ
ムを加えた後、アセトン沈澱法によりヒアルロン酸ナト
リウムを分別沈澱させた。すなわち、ヒアルロン酸ナト
リウム溶液を攪拌しながら、アセトンを徐々に適下し、
沈澱が生じたところで、沈澱を遠心分離し画分1とし
た。上清には沈澱が生成しなくなるまでさらにアセトン
を徐々に適下し、沈澱を遠心分離し画分2とした。沈澱
はアセトン洗浄後、真空乾燥して白色粉末を得た。収量
は、画分1が約650mg、画分2が300mgであっ
た。Laurent等の式(Laurent et a
l、Biochem.Biophys.Acta.4
2、476−485(1960))から求めた粘度平均
分子量は画分1が13.5kDa、画分2が5.5kD
aであった。
【0026】ヒアルロン酸アルデヒドの調製 上記方法により得られた分子量5.5kDaのヒアルロ
ン酸ナトリウム(画分2)150mgを5mlの50m
Mホウ酸ナトリウム緩衝液(pH8.3)に溶解後、1
0mgの水素化ホウ素ナトリウムを加えて室温で6時間
させることにより、還元末端のGlcNAcを糖アルコ
ールとした。50mlのアセトンを加えることにより過
剰の水素化ホウ素ナトリウムを分解させると同時に、ヒ
アルロン酸糖アルコールを沈澱させた。ヒアルロン酸糖
アルコールは、アセトン沈澱法により白色粉末として得
られた。収量は150mgであった。
【0027】得られたヒアルロン酸糖アルコール100
mgを5mlのイミダゾール緩衝液(pH6.5)に溶
解後、30mgの過ヨウ素酸ナトリウムを加え0℃で1
時間反応させることにより、安定なヒアルロン酸ナトリ
ウムを得た。ヒアルロン酸アルデヒドは、エタノール沈
澱法により白色粉末とした後、窒素気流下で保存した。
収量は95mgであった。
【0028】ヒアルロン酸・ホスファチジルエタノー
ルアミン共有結合体の合成 上記方法により得られたヒアルロン酸アルデヒド10m
gを4mlの蒸留水に溶解させ、15mgのホスファチ
ジルエタノールアミンを溶解させたエタノール2mlと
混和し、30分間攪拌することにより、アルデヒド基と
アミノ基の間でシッフ塩基を生成させた。続いて、20
0mgのシアノ水素化ホウ素化ナトリウムを加えて7時
間攪拌後、50mgの水素化ホウ素化ナトリウムを加
え、一晩攪拌することにより、シッフ塩基を還元し、安
定な共有結合体を得た。結合体は、エタノール沈澱する
ことにより微黄色の粉末とした(収量約9.5mg)。
ホスファチジルエタノールアミンのヒアルロン酸への導
入は、リンモリブデン試薬(P.R.Gentner
et al.J.Chromatogr,206,20
0(1981))を用いスポット法にて確認した。
【0029】ヒアルロン酸・ヘモシアニン共有結合体
の合成 ヒアルロン酸アルデヒド10mg及びヘモシアニン10
0mg(Keyhole Limpets由来、シグマ
社製)を4mlの蒸留水に溶解させ、室温で30分間攪
拌させることによりシッフ塩基を形成させた。以下、ヒ
アルロン酸・ホスファチジルエタノールアミン共有結合
体の場合と同様の方法によりヒアルロン酸・ヘモシアニ
ン共有結合体を合成した。結合はアセトン沈澱法によ
り、淡赤色の粉末とした(収量12mg)。なお、遊離
のヘモシアニンは、本アセトン沈澱法の条件下で除去さ
れることは確認済みである。
【0030】b)モノクローナル抗体の作製 ヒアルロン酸−ホスファチジルエタノールアミン(以
下、HA−PEという)を免疫するにあたり、HA−P
Eをリポソーム化してマウスの腹腔内に投与する方法を
用いた。
【0031】免疫方法 通常免疫原リポソームを作製する場合、Watarai
等の方法に従い、免疫原などをクロロホルム/メタノー
ル=2/1(V/V)に溶解する。しかし今回の免疫原
であるHA−PEはクロロホルム/メタノール=2/
1、1/1、1/2、及びクロロホルムのみ、メタノー
ルのみ、のいずれの溶媒にも溶解せず、リン酸緩衝液
(以下、PBSという)にのみ溶解したので以下の方法
により免疫を行った。
【0032】コレステロール0.5μM、レシチン0.
5μM、Lipopolysaccharide(以
下、LPSという)10.0μgを500μlのクロロ
ホルム/メタノール=2/1(V/V)に溶解したもの
を50mlのナシ型フラスコにとりよく混和した後、3
7℃でロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去し
た。さらにもう一度クロロホルム1mlで均一にした
後、同様に溶媒を留去し、フラスコ内部にフィルムを形
成させた。真空ポンプで、3時間吸引して完全に溶媒を
除いた後、PBSに溶解したHA−PEを25nM加
え、室温で5分間超音波処理することにより、HA−P
Eリポソーム液(免疫1回、1匹分)を作製した。この
リポソーム液をBALB/Cマウス(リタイヤ、メス)
に腹腔内注射して、免疫を行った。初回免疫から3日後
に2度目の免疫、さらにその3日後に3度目の免疫を
し、その3日後にマウスから脾臓を抽出してマウスミエ
ローマ細胞と融合を行った。
【0033】免疫結果 BALB/Cマウスについて、第2回目の免疫日である
3日目と、第3回目の免疫日である6日目に眼底採血を
して血清中のポリクローナル抗体の力価をELISA法
(Enzyme−Linked ImmunoSorb
ent Assay)で測定した。ELISAは、Hi
gashi等の方法を基本にして行った。Linbro
96 ウェルマイクロタイトレーションプレート(F
lowLaboratories.Inc.)の各ウェ
ルに抗原液(HA−PEを蒸留水に溶解したもの)50
μl加えた。
【0034】細胞融合には、BALB/Cマウスを用い
た。ELISA法による力価測定では、免疫したマウス
はコントロールとして用いた免疫前に採血した血清と血
清中のポリクローナル抗体の力価との間に比較的大きな
差異が見られた。 スクリーニング
【0035】細胞融合後、8日目から顕微鏡によるコロ
ニー形成ウェルの検鏡を行い、9日目に96ウェルカル
チャープレート中で維持されている各融合細胞から産生
される抗体の反応性をELISA法により調べた。抗原
溶液は、HA−PE 2nMを蒸留水に溶解したものを
用いた。コントロールとしては、リポソーム+ヒアルロ
ン酸、コレステロールを用いた。結果を図1に示す。
【0036】図に示したとおり、コロニーNo2は、ヒ
アルロン酸ナトリウムに強く反応するものの、コントロ
ールとして用いたコレステロールやリポソーム+ヒアル
ロン酸にも反応しており、これら全てを認識するポリク
ローナル抗体が得られたものと思われる。一方。コロニ
ーNo7では、コレステロールに反応を示さず、ヒアル
ロン酸ナトリウムに比較的高い反応を示すおそらくモノ
クローナル抗体と思われる抗体が得られた。従って、本
方法によればヒアルロン酸に対するモノクローナル抗体
が作製可能である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のモノクロ
ーナル抗体は、ヒアルロン酸を良好に認識することが可
能である。また、本発明のモノクローナル抗体の製造方
法によれば、ヒアルロン酸を低分子化し、これと脂溶性
成分の共有結合体を形成し、当該共有結合体のリポソー
ムへの導入を可能とし、これを抗原としてマウスを免疫
することにより、ヒアルロン酸ナトリウムに対するモノ
クローナル抗体を製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られた抗体を用いたスクリーニ
ングの説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/08 C12R 1:91) (C12N 5/10 C12R 1:91)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子化させたヒアルロン酸ナトリウム
    にタンパク質ないしリン脂質を導入して共有結合体を形
    成し、これを抗原としてマウスを免疫して得られる抗体
    産生細胞とマウスミエローマ細胞との融合細胞が産生
    し、ヒアルロン酸ナトリウムを認識することを特徴とす
    るモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のモノクローナル抗体にお
    いて、共有結合体として導入されるリン脂質がホスファ
    チジルエタノールアミン又はホスファチジルセリンのい
    ずれかであることを特徴とするモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のモノクローナル抗体にお
    いて、共有結合体として導入されるタンパク質がヘモシ
    アニンであることを特徴とするモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】 低分子化させたヒアルロン酸ナトリウム
    にタンパク質ないしリン脂質を導入して共有結合体を形
    成し、これを抗原としてマウスを免疫して得られる抗体
    産生細胞とマウスミエローマ細胞との融合細胞が産生
    し、ヒアルロン酸ナトリウムを認識することを特徴とす
    るモノクローナル抗体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のモノクローナル抗体にお
    いて、共有結合体として導入されるリン脂質がホスファ
    チジルエタノールアミン又はホスファチジルセリンのい
    ずれかであることを特徴とするモノクローナル抗体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のモノクローナル抗体にお
    いて、共有結合体として導入されるタンパク質がヘモシ
    アニンであることを特徴とするモノクローナル抗体の製
    造方法。
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