JPH09125194A - 伸びフランジ性に優れる高強度熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

伸びフランジ性に優れる高強度熱延鋼板およびその製造方法

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JPH09125194A
JPH09125194A JP28299595A JP28299595A JPH09125194A JP H09125194 A JPH09125194 A JP H09125194A JP 28299595 A JP28299595 A JP 28299595A JP 28299595 A JP28299595 A JP 28299595A JP H09125194 A JPH09125194 A JP H09125194A
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陽一 冨永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】60〜100 kgf/mm2 級の高強度を有し、強度に応
じ優れた伸びフランジ性を有する高強度熱延鋼板の製造
技術を提供する。 【解決手段】C:0.18wt%以下、Si:0.5 〜2.5 wt%、
Mn:0.5 〜2.5 wt%、P:0.05wt%以下、S:0.02wt%
以下、を含み、かつTi:0.5 wt%以下およびNb:1.0 wt
%以下から選ばれるいずれか1種または2種を含有する
とともに、上記CはNb, Tiとの関係において下記式を満
足するように調整され、残部がFeおよび不可避的不純物
よりなる組成の鋼スラブを、800 ℃以上で熱間圧延を終
了し、次いで5sec 以内に20℃/sec 以上の冷却速度で
冷却し、750 ℃以下、650 ℃以上の温度域に5sec 以上
滞留させ、その後、10℃/sec以上の冷却速度で冷却し、
540 ℃以下の温度で巻取ることにより、Tiおよび/もし
くはNbの炭化物が析出した粒径25μm以下のフェライト
が面積率で70〜95%であり、残部がマルテンサイトまた
はマルテンサイトと残留オーステナイトからなる鋼組織
とする。 式 C≧0.03+Ti/4 +Nb/7

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱延鋼板、中でも
主に自動車足廻り部品等のプレス成形に用いて好適な加
工用高張力熱延鋼板に係り、特に引張強度60〜100 kgf/
mm2 級の高張力を有し、伸びフランジ性に優れる良加工
性の高張力熱延鋼板およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】自動車用の足廻り部品および強度部材な
どに使用される鋼板は、従来、車両重量軽減を目的とし
て高張力鋼板(以下、単に「ハイテン」と略記する。)
が使用されてきた。このような自動車用ハイテンとして
は、安全性を確保するために、ある程度の強度を有する
ことが要求されると同時に、プレス加工に代表される成
形加工性が良好であることが必要とされる。とくにその
強度レベルが、近年では、ホイール, バンパーインナ
ー, バンパーステー等について、80kgf/mm2 級ハイテン
の要求も見られるようになり、素材供給サイドにとって
は、従来の45〜55kgf/mm2 級と同一設備、同工程数で成
形可能な良加工性のハイテンの開発が大きな課題となっ
ている。
【0003】ところで、TS 60 kgf/mm2 級までの従来の
鋼板の強化には、たとえば、固溶強化、組織強化、析出
強化、細粒化強化など多くの選択肢があり、それぞれの
材質的、経済的特徴を生かした造り分けが可能であっ
た。しかしながら、60kgf/mm2級以上の鋼板となると、
その選択肢はかなり少なくなる。まず、細粒化強化もし
くは固溶強化では、目的とする強度の達成が困難とな
る。次に、析出強化についても、析出強化のみによる強
度達成は困難となり、現実には硬質第2相の存在した、
組織強化との複合機構にたよらざるを得ない。このよう
な現状に鑑み、強度と加工性の両立を達成するための方
法として、特開平5−179396号公報においては、
析出強化と組織強化のもつそれぞれの特質を併せ具備す
る低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法が開示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな硬質第2相を用いたハイテンの場合、軟質相と硬質
相の相間強度差の拡大による局所変形能の低下に伴う、
伸びフランジ性の劣化が顕著となり、従来主体であった
45〜55kgf/mm2 級の鋼板と同様のプレス加工を施した場
合、伸びフランジ部において割れを発生する等の問題が
あった。上記特開平5−179396号公報で示された
方法においても、硬質第2相生成時に導入される可動転
位の残存による低YR化を達成するという点では優れる
ものの、上述した伸びフランジ性を支配する巨視的組織
の均一性、組織の粒径等については考慮されてはおら
ず、したがって強度に応じた満足できる伸びフランジ
性、いわゆる強度−伸びフランジ性のバランスが未だ得
られていないという問題が残されていた。
【0005】そこで本発明の目的は、上述した従来の技
術が抱えていた上記問題を有利に解決することにあり、
60〜100 kgf/mm2 級の高強度を有し、強度に応じて優れ
た伸びフランジ性を有する高強度熱延鋼板の製造技術を
提供することにある。また、本発明の他の目的は、軟質
フェライト相をTiおよび/もしくはNbによる析出強化を
図って、硬質第2相との相間強度差を低減し、さらにフ
ェライト粒径およびその全体に占める面積率を冷却条件
によって制御することによって、組織の均質性を向上さ
せることにより、高張力化に伴う前述の問題点を解決し
た、伸びフランジ性に優れる60〜100 kgf/mm2 級の高強
度熱延鋼板の製造技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、成分組成と
製造条件について多くの実験検討を行った結果、従来の
析出強化鋼をベースに、CとTiおよび/もしくはNbとの
関係を適正範囲に制御し、Siを調整添加したうえ、熱間
圧延後の冷却条件を適正に制御することによって、熱間
圧延後のγ→α変態と同時に析出強化が起こさせ、フェ
ライト粒から排出されるCが未変態γ粒に濃化するよう
にして、最終的に析出強化したフェライト相が主体とな
り、かつ第2相としてマルテンサイト相もしくはマルテ
ンサイト相と残留γ相を少量含む複合組織とすることに
よって、軟質相と硬質相の相間強度差を低減し、さらに
組織の均質性、微細化をはかることにより、組織全体と
してTS60kgf/mm2 〜100kgf/mm2 の強度を確保
し、伸びフランジ性を強度に応じて改善できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の要旨構成は次のとおり
である。 1)C:0.18wt%以下、 Si:0.5 〜2.5 wt%、Mn:0.
5 〜2.5 wt%、 P:0.05wt%以下、S:0.02wt%以下
を含み、かつTi:0.5 wt%以下およびNb:1.0 wt%以下
から選ばれるいずれか1種または2種を含有するととも
に、上記CはNb, Tiとの関係において下記式を満足する
ように調整され、残部がFeおよび不可避的不純物よりな
る組成を有し、かつその組織が、Tiおよび/もしくはNb
の炭化物が析出した粒径25μm以下のフェライトが面積
率で70〜95%であり、残部がマルテンサイトまたはマル
テンサイトと残留オーステナイトからなる伸びフランジ
性に優れる高強度熱延鋼板。 式 C≧0.03+Ti/4 +Nb/7
【0008】2)C:0.18wt%以下、 Si:0.5 〜2.5
wt%、Mn:0.5 〜2.5 wt%、 P:0.05wt%以下、S:
0.02wt%以下、 Al:0.10wt%以下を含み、かつTi:
0.5 wt%以下およびNb:1.0 wt%以下から選ばれるいず
れか1種または2種を含有するとともに、上記CはNb,
Tiとの関係において下記式を満足するように調整され、
残部がFeおよび不可避的不純物よりなる組成を有し、か
つその組織が、Tiおよび/もしくはNbの炭化物が析出し
た粒径25μm以下のフェライトが面積率で70〜95%であ
り、残部がマルテンサイトまたはマルテンサイトと残留
オーステナイトからなる伸びフランジ性に優れる高強度
熱延鋼板。 式 C≧0.03+Ti/4 +Nb/7
【0009】3)C:0.18wt%以下、 Si:0.5 〜2.5
wt%、Mn:0.5 〜2.5 wt%、 P:0.05wt%以下、S:
0.02wt%以下、 Cr:1.5 wt%以下、を含み、かつT
i:0.5 wt%以下およびNb:1.0 wt%以下から選ばれる
いずれか1種または2種を含有するとともに、上記Cは
Nb, Tiとの関係において下記式を満足するように調整さ
れ、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる組成を有
し、かつその組織が、Tiおよび/もしくはNbの炭化物が
析出した粒径25μm以下のフェライトが面積率で70〜95
%であり、残部がマルテンサイトまたはマルテンサイト
と残留オーステナイトからなる伸びフランジ性に優れる
高強度熱延鋼板。 式 C≧0.03+Ti/4 +Nb/7
【0010】4)C:0.18wt%以下、 Si:0.5 〜2.5
wt%、Mn:0.5 〜2.5 wt%、 P:0.05wt%以下、S:
0.02wt%以下、 Al:0.10wt%以下 Cr:1.5 wt%以下を含み、かつTi:0.5 wt%以下および
Nb:1.0 wt%以下から選ばれるいずれか1種または2種
を含有するとともに、上記CはNb, Tiとの関係において
下記式を満足するように調整され、残部がFeおよび不可
避的不純物よりなる組成を有し、かつその組織が、Tiお
よび/もしくはNbの炭化物が析出した粒径25μm以下の
フェライトが面積率で70〜95%であり、残部がマルテン
サイトまたはマルテンサイトと残留オーステナイトから
なる伸びフランジ性に優れる高強度熱延鋼板。 式 C≧0.03+Ti/4 +Nb/7
【0011】5)C:0.18wt%以下、 Si:0.5 〜2.5
wt%、Mn:0.5 〜2.5 wt%、 P:0.05wt%以下、S:
0.02wt%以下を含み、かつTi:0.5 wt%以下およびNb:
1.0 wt%以下から選ばれるいずれか1種または2種を含
有するとともに、上記CはNb, Tiとの関係において下記
式を満足するように調整され、残部がFeおよび不可避的
不純物よりなる組成の鋼スラブを、800 ℃以上で熱間圧
延を終了し、次いで5sec 以内に20℃/sec 以上の冷却
速度で冷却し、750 ℃以下、650 ℃以上の温度域に5se
c 以上滞留させ、その後、10℃/sec以上の冷却速度で冷
却し、540 ℃以下の温度で巻取ることを特徴とする伸び
フランジ性に優れる高強度熱延鋼板の製造方法。 式 C≧0.03+Ti/4 +Nb/7
【0012】6)C:0.18wt%以下、 Si:0.5 〜2.5
wt%、Mn:0.5 〜2.5 wt%、 P:0.05wt%以下、S:
0.02wt%以下、 Al:0.10wt%以下を含み、かつTi:
0.5 wt%以下およびNb:1.0 wt%以下から選ばれるいず
れか1種または2種を含有するとともに、上記CはNb,
Tiとの関係において下記式を満足するように調整され、
残部がFeおよび不可避的不純物よりなる組成の鋼スラブ
を、800 ℃以上で熱間圧延を終了し、次いで5sec 以内
に20℃/sec 以上の冷却速度で冷却し、750 ℃以下、65
0 ℃以上の温度域に5sec 以上滞留させ、その後、10℃
/sec以上の冷却速度で冷却し、540 ℃以下の温度で巻取
ることを特徴とする伸びフランジ性に優れる高強度熱延
鋼板の製造方法。 式 C≧0.03+Ti/4 +Nb/7
【0013】7)C:0.18wt%以下、 Si:0.5 〜2.5
wt%、Mn:0.5 〜2.5 wt%、 P:0.05wt%以下、S:
0.02wt%以下、 Cr:1.5 wt%以下を含み、かつTi:
0.5 wt%以下およびNb:1.0 wt%以下から選ばれるいず
れか1種または2種を含有するとともに、上記CはNb,
Tiとの関係において下記式を満足するように調整され、
残部がFeおよび不可避的不純物よりなる組成の鋼スラブ
を、800 ℃以上で熱間圧延を終了し、次いで5sec 以内
に20℃/sec 以上の冷却速度で冷却し、750 ℃以下、65
0 ℃以上の温度域に5sec 以上滞留させ、その後、10℃
/sec以上の冷却速度で冷却し、540 ℃以下の温度で巻取
ることを特徴とする伸びフランジ性に優れる高強度熱延
鋼板の製造方法。 式 C≧0.03+Ti/4 +Nb/7
【0014】8)C:0.18wt%以下、 Si:0.5 〜2.5
wt%、Mn:0.5 〜2.5 wt%、 P:0.05wt%以下、S:
0.02wt%以下、 Al:0.10wt%以下 Cr:1.5 wt%以下を含み、かつTi:0.5 wt%以下および
Nb:1.0 wt%以下から選ばれるいずれか1種または2種
を含有するとともに、上記CはNb, Tiとの関係において
下記式を満足するように調整され、残部がFeおよび不可
避的不純物よりなる組成の鋼スラブを、800 ℃以上で熱
間圧延を終了し、次いで5sec 以内に20℃/sec 以上の
冷却速度で冷却し、750 ℃以下、650 ℃以上の温度域に
5sec 以上滞留させ、その後、10℃/sec以上の冷却速度
で冷却し、540 ℃以下の温度で巻取ることを特徴とする
伸びフランジ性に優れる高強度熱延鋼板の製造方法。 式 C≧0.03+Ti/4 +Nb/7
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、成分組成および製造条件
について説明する。 C:0.18wt%以下、C≧0.03+Ti/4 +Nb/7 (wt%) Cは、0.18wt%を超えて含有すると、加工性とスポット
溶接性の劣化が激しいため、上限を規制する。ただし、
TiおよびNbとの関係において、C≧0.03+Ti/4 +Nb/
7 (wt%) の条件を満足しないと、γ→α変態時にこの
CがTiCやNbCの析出反応に優先的に消費され、未変態
γ粒へのC濃化量が不十分となり、目標とする強度が達
成できなくなる。したがって、C量は上式を満足し、し
かも0.18wt%以下の範囲で含有させる必要がある。
【0016】Si:0.5 〜2.5 wt% Siは、フェライトへの炭化物の析出を促進する作用と、
第2相をマルテンサイトもしくは残留γ化させる作用の
両方の作用を有するため重要であり、0.5 wt%以上の添
加でその効果を発現する。しかし、2.5 wt%を超えると
その効果は飽和し、脱スケール性の劣化とコスト高を招
くため、0.5 〜2.5 wt%の範囲とする。なお、好ましい
添加範囲は0.7 〜1.70wt%である。
【0017】Mn:0.5 〜2.5 wt% Mnは、0.5 wt%未満の含有量では所望の複合組織が得ら
れず、一方、2.5 wt%を超えると過度にAr3変態点を低
下させてしまい、圧延後の冷却中にα粒が析出しにくく
なり、析出強化の阻害要因となるため、0.5 〜2.5 wt%
に限定する。なお、好ましい添加範囲は1.2 〜1.8 wt%
である。
【0018】P:0.05wt%以下 Pは、加工性および溶接性を低下させるので0.05wt%以
下とする。
【0019】S:0.02wt%以下 Sは、鋼中のMnと反応してA系介在物を生じ、伸びフラ
ンジ性を劣化させるので、0.02wt%以下に制限する。
【0020】Ti:0.5 wt%以下、Nb:1.0 wt%以下 Ti, Nbは、本発明において重要な役割を担う元素であ
り、圧延後のγ→α変態時に同時進行的にα粒内に炭化
物として析出し、基地強化に寄与する。しかし、Nb, Ti
の添加量が少ないと、析出粒子が粗大化して析出強化能
を失うとともに、第2相の比率が多くなり、伸びフラン
ジ性が劣化する。一方、添加量が多かった場合、第2相
を形成するのに必要なC量が不足し、析出強化型に偏っ
た特性となり、加工特性のバランス劣化、延性の劣化等
を招く。このような理由から、Tiの場合、0.5 wt%以
下、好ましくは0.02〜0.5 wt%、Nbの場合、1.0 wt%以
下、好ましくは0.02〜1.0 wt%の範囲で添加する。ま
た、これらTi, Nbは、共通の作用効果を持つために、選
択的に使用することが可能であり、上記範囲内で1種ま
たは2種を用いる。
【0021】Al:0.10wt%以下 Alは、鋼の清浄化のために有用な元素であるが、0.10wt
%を超えるとクラスター等の原因となるので、0.10wt%
以下の範囲で添加する。なお、本発明においては、Siを
0.5 wt%以上添加した、Siのみによる脱酸を実施しても
良い。
【0022】Cr:1.5 wt%以下 Crは、Mnの代替品としての効果を有するので、 1.5wt%
以下の範囲で適宜添加することができる。
【0023】次に、製造条件について説明する。先ず、
熱間圧延に当たっては、その圧延終了温度を800 ℃以上
とする。この温度が800 ℃未満になると、熱延鋼板の延
性が著しく劣化する。なお、本発明の熱間圧延は、連鋳
スラブを一旦冷却した後、再加熱して粗圧延を行う場合
のほか、連鋳後 800℃以下まで降温させることなく、直
ちにもしくは保温処置を施したのち圧延を行う場合であ
ってもよい。
【0024】上記圧延終了後、5sec 以内に冷却を開始
し、20℃/sec以上の冷却速度で750℃以下まで冷却し、7
50 ℃以下、650 ℃以上の温度域に5sec 以上滞留させ
ることが必要となる。圧延終了後、冷却開始までの経過
時間と冷却速度はとくに重要な構成要件であり、この冷
却開始までの経過時間が5sec を超えるか、もしくは冷
却速度が20℃/secを下廻る場合には、圧延後の組織は過
剰な回復、再結晶のために、粗大なγ粒となり、その後
のα粒も粗大になり、加工性を劣化させる。また、750
℃以下、650 ℃以上における滞留時間が5sec 未満で
は、α粒の析出不足に伴うγ粒へのCの濃化不足とその
後の急冷却によって組織は均一な硬質ベイナイトもしく
はベイニティックフェライト+マルテンサイト(一部残
留γ)となり、延性、伸びフランジ性等の加工性の劣化
を招く。
【0025】所定の温度範囲での滞留に次いで、10℃/s
ec以上で冷却し、540 ℃以下で巻取ることが必要であ
る。というのは、この冷却速度が10℃/sec未満ではパー
ライトが析出し、所望の強度が得られなくなるからであ
り、巻取り温度が540 ℃を超えると、マルテンサイトの
出現量が不足し同様に所望の強度を得ることが困難とな
るからである。なお、本鋼種は、巻き取り温度を調整す
ることによって、組織中に硬質第2相の面積率を調整す
ることが可能であり、巻取り温度の下限は特に規定しな
い。
【0026】
【実施例】表1に示す成分組成に調整した鋼スラブを、
種々の条件で熱間圧延し、板厚3.2 mmの熱延鋼板を製造
した。得られた熱延鋼板について引張特性および伸びフ
ランジ性を調査した。なお、引張試験はJIS5号試験
片を用いてL方向について実施した。また、伸びフラン
ジ性を表す穴広がり率は、直径36mmφ(DO )の打抜き穴
をあけた150 mmφの試験片を用い、この試験片の中央を
半径50mmの球頭ポンチにて押し上げ、微小クラックが発
生したときの直径(DI ) を測定し、次式により算出し
た。
【数1】
【0027】
【表1】
【0028】表2に、熱延条件および試験結果をまとめ
て示す。なお、本発明材の金属組織は、すべて、フェラ
イトのほか、マルテンサイトおよび残留オーステナイト
とからなっていた。表2より明らかなように、発明例は
いずれも引張強度が60kgf/mm2 以上であり、かつ良好
な穴拡がり率を示す。すなわち、図1に示すように、強
度と伸びフランジ性のバランスが比較例よりも著しく優
れていることが判る。なお、従来技術の説明で引用した
特開平5−179396のデ−タも同図にプロットした
が、これから、発明例の強度と伸びフランジ性のバラン
スは前記従来技術のそれを凌駕する一段と優れた特性を
有していることが判る。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、従来の析出強化と組織強化を複合して利用し、しか
も析出強化したフェライトの粒径を微細粒に制御するこ
とによって、引張強度60kgf/mm2 以上の高強度でありな
がら、伸びフランジ性の優れた熱延鋼板を製造すること
が可能となり、自動車の足廻り部品および強度部材等プ
レス成形用熱延鋼板として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】引張強度と穴拡がり率の関係を示すグラフであ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.18wt%以下、 Si:0.5 〜2.5 wt%、 Mn:0.5 〜2.5 wt%、 P:0.05wt%以下、 S:0.02wt%以下を含み、かつTi:0.5 wt%以下および
    Nb:1.0 wt%以下から選ばれるいずれか1種または2種
    を含有するとともに、上記CはNb, Tiとの関係において
    下記式を満足するように調整され、残部がFeおよび不可
    避的不純物よりなる組成を有し、かつその組織が、Tiお
    よび/もしくはNbの炭化物が析出した粒径25μm以下の
    フェライトが面積率で70〜95%であり、残部がマルテン
    サイトまたはマルテンサイトと残留オーステナイトから
    なる伸びフランジ性に優れる高強度熱延鋼板。 式 C≧0.03+Ti/4 +Nb/7
  2. 【請求項2】C:0.18wt%以下、 Si:0.5 〜2.5 wt%、 Mn:0.5 〜2.5 wt%、 P:0.05wt%以下、 S:0.02wt%以下、 Al:0.10wt%以下を含み、かつTi:0.5 wt%以下および
    Nb:1.0 wt%以下から選ばれるいずれか1種または2種
    を含有するとともに、上記CはNb, Tiとの関係において
    下記式を満足するように調整され、残部がFeおよび不可
    避的不純物よりなる組成を有し、かつその組織が、Tiお
    よび/もしくはNbの炭化物が析出した粒径25μm以下の
    フェライトが面積率で70〜95%であり、残部がマルテン
    サイトまたはマルテンサイトと残留オーステナイトから
    なる伸びフランジ性に優れる高強度熱延鋼板。 式 C≧0.03+Ti/4 +Nb/7
  3. 【請求項3】C:0.18wt%以下、 Si:0.5 〜2.5 wt%、 Mn:0.5 〜2.5 wt%、 P:0.05wt%以下、 S:0.02wt%以下、 Cr:1.5 wt%以下を含み、かつTi:0.5 wt%以下および
    Nb:1.0 wt%以下から選ばれるいずれか1種または2種
    を含有するとともに、上記CはNb, Tiとの関係において
    下記式を満足するように調整され、残部がFeおよび不可
    避的不純物よりなる組成を有し、かつその組織が、Tiお
    よび/もしくはNbの炭化物が析出した粒径25μm以下の
    フェライトが面積率で70〜95%であり、残部がマルテン
    サイトまたはマルテンサイトと残留オーステナイトから
    なる伸びフランジ性に優れる高強度熱延鋼板。 式 C≧0.03+Ti/4 +Nb/7
  4. 【請求項4】C:0.18wt%以下、 Si:0.5 〜2.5 wt%、 Mn:0.5 〜2.5 wt%、 P:0.05wt%以下、 S:0.02wt%以下、 Al:0.10wt%以下 Cr:1.5 wt%以下を含み、かつTi:0.5 wt%以下および
    Nb:1.0 wt%以下から選ばれるいずれか1種または2種
    を含有するとともに、上記CはNb, Tiとの関係において
    下記式を満足するように調整され、残部がFeおよび不可
    避的不純物よりなる組成を有し、かつその組織が、Tiお
    よび/もしくはNbの炭化物が析出した粒径25μm以下の
    フェライトが面積率で70〜95%であり、残部がマルテン
    サイトまたはマルテンサイトと残留オーステナイトから
    なる伸びフランジ性に優れる高強度熱延鋼板。 式 C≧0.03+Ti/4 +Nb/7
  5. 【請求項5】C:0.18wt%以下、 Si:0.5 〜2.5 wt%、 Mn:0.5 〜2.5 wt%、 P:0.05wt%以下、 S:0.02wt%以下を含み、かつTi:0.5 wt%以下および
    Nb:1.0 wt%以下から選ばれるいずれか1種または2種
    を含有するとともに、上記CはNb, Tiとの関係において
    下記式を満足するように調整された鋼スラブを、800 ℃
    以上で熱間圧延を終了し、次いで5sec 以内に20℃/se
    c 以上の冷却速度で冷却し、750 ℃以下、650 ℃以上の
    温度域に5sec 以上滞留させ、その後、10℃/sec以上の
    冷却速度で冷却し、540 ℃以下の温度で巻取ることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高強度熱
    延鋼板の製造方法。 式 C≧0.03+Ti/4 +Nb/7
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