JPH09124917A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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JPH09124917A
JPH09124917A JP28162395A JP28162395A JPH09124917A JP H09124917 A JPH09124917 A JP H09124917A JP 28162395 A JP28162395 A JP 28162395A JP 28162395 A JP28162395 A JP 28162395A JP H09124917 A JPH09124917 A JP H09124917A
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alkyl
compound
sulfoxide
polycarbonate resin
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JP28162395A
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Shinya Miya
新也 宮
Satoshi Kanayama
聡 金山
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌の為に照射される電離放射線による色調
の変化や物性劣化の少ないポリカーボネート樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂100重量部に、
環状アセタール基を有する化合物0.01〜5重量部及
びスルホキシド化合物0.01〜5重量部からなるポリ
カーボネート樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環状アセタール基
を有する化合物及びスルホキシド化合物が配合されたポ
リカーボネート樹脂組成物に関するものである。特に、
殺菌の為に照射される電離放射線による色調の変化や物
性劣化の少ない、耐電離放射線に優れたポリカーボネー
ト樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、優れた機械的
強度,耐衝撃強度,耐熱性,透明性を有し安全性も高い
事から医療用製品として広く用いられている。これら医
療用製品は、その使用に際し通常完全滅菌が行われる。
具体的には高圧蒸気滅菌法、エチレンオキサイドガス
(EOG)滅菌法、ガンマ線や電子線等の電離放射線の
照射による滅菌法等である。このうち、高圧蒸気滅菌法
は、エネルギーコストが高く、さらに滅菌処理後に乾燥
工程が必要である。又、EOG滅菌ではEOG自身が毒
性を有する事や廃棄処理に関連する環境問題等を有す
る。従って、最近では比較的安価で、低温・乾式で処理
可能な電離放射線(ガンマ線が一般的である)照射滅菌
法がよく使用されるようになっている。しかしながら、
ポリカーボネート樹脂は、滅菌の際に電離放射線を照射
されると、黄色く変色してしまい、特に医療用途に於い
ての、製品価値を損なうという欠点を有している。
【0003】この様な欠点を解決する方法として、例え
ば、特開平2−55062号公報では、ハロゲン含有ポ
リカーボネート樹脂を配合する方法が、特開平5−17
9127号公報では核臭素化フタル酸誘導体を配合する
方法が、それぞれ述べられているが、組成物中にハロゲ
ンを含有する為に金属腐蝕が発生し易く、成形機等に特
別な材質の金属を使用する必要があった。
【0004】また、イオウ化合物を使用する方法とし
て、特開平1−229052号公報ではチオアルコール
類を配合する方法が、特開平2−115260号公報で
はチオエーテル類を配合する方法が、特開平2−490
58号、特開平4−36343号、特開平6−1668
07号各公報ではメルカプト基を有する化合物を配合す
る方法が、特開平6−93192号公報ではスルフィド
基を有する化合物を配合する方法が、特開平5−209
120号公報ではポリアルキレンオキシド及びスルホン
酸エステル置換基を持つ芳香族化合物を併用する方法
が、それぞれ開示されているが、いずれにおいても黄変
抑止効果が不十分であったり、使用時に悪臭が発生し成
形加工時の環境を悪化させるといった問題点が存在す
る。
【0005】さらに、特開昭62−135556号公報
ではポリエーテルポリオール又はそのアルキルエーテル
を配合する方法が、特開平2−132147号公報で
は、イタコン酸、ロジン酸、ベンズアルデヒドジメチル
アセタール、ベンズアルデヒドプロピレングリコールア
セタール、p−フタルアルデヒド等を配合する方法が、
それぞれ開示されているが、黄変抑止効果が不十分であ
ったり、十分な効果が得られるだけ添加量を増やすと他
の物性に悪影響を及ぼす等の問題点があった。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、物
性劣化が少なく電離放射線照射滅菌の際の黄変が非常に
小さいポリカーボネート樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、ポリ
カーボネート樹脂100重量部と、環状アセタール基を
有する化合物0.01〜5重量部、及びスルホキシド化
合物0.01〜5重量部を配合してなるポリカーボネー
ト樹脂組成物に存する。
【0008】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明におけるポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキ
シ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホス
ゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得
られる分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネ
ートの重合体又は共重合体である。
【0009】芳香族ジヒドロキシ化合物の一例は,2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビス
フェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビス
フェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン,2,2−ビス(3−シク
ロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン,1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル−1−フェニルエタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン
等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン
類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン等で例示される、ビス(ヒドロキシアリー
ル)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメ
チルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジ
アリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
メチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキ
シジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示される
ジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示さ
れるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノ
ン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等
があげられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単
独で或いは二種以上混合して使用しても良い。これらの
中で、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンが好適に用いられている。
【0010】又、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂
を得るには、フロログリシン、2,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘプテ
ン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロ
キシフェニル)−2−ヘプテン、1,3,5−トリ(2
−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1−トリ
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2
−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェ
ノール、α,α’,α”−トリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等で例示
されるポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス
(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサ
チンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノ
ール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−
ブロムイサチンビスフェノールなどを用いればよい。
【0011】ホスゲン法ポリカーボネートの場合、末端
停止剤又は分子量調節剤を使用しても良い。末端停止剤
又は分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基
を有する化合物があげられ、通常のフェノール、p−t
−ブチルフェノール、トリブロモフェノール等の他に、
長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライ
ド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエ
ステル、アルキルエーテルフェノール等が例示される。
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂においては、
一種類でも、又二種類以上を混合して使用しても良い。
【0012】本発明におけるポリカーボネート樹脂の分
子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度2
5℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量
で、10、000〜100、000であり、好ましくは
15、000〜50、000である。本発明における環
状アセタール基を有する化合物は、下記一般式(1)ま
たは(2)で示される化合物である。
【0013】
【化3】
【0014】式中、R1、R2、R4、R5、R6及びR7は、そ
れぞれ、H、C1〜10のアルキル基、−CH2OH
基、−COOCH3基、フェニル基またはハロゲン基で
あり、R 3は、C1〜15のアルキレン基、アルケニレ
ン基またはアリーレン基であり、アリーレン基の核には
置換基として、C1〜10のアルキル基またはハロゲン
基を有することができ、R8は、H、C1〜30のアル
キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール
基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アル
コキシアルキル基、アシル基、アリールアシル基、ハロ
ゲン基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基またはアミノ
化アルキル基であり、アリール基、アリールアルキル
基、アリールアルケニル基及びアリールアシル基の核に
は置換基として、C1〜10のアルキル基またはハロゲ
ン基を有することができる。X1、X2及びX3は、−CH
9−基、−O−基、−NH−基、−S−基、−S−S
−基または−PH−基であり、R9は、H、C1〜15
のアルキル基またはアリール基である。j、k及びi
は、それぞれ、0または1である。p、qまたはrは、
それぞれ、1〜10の整数であり、但し、p、qまたは
rが2以上の場合、同一化合物内の、R1、R2、R4、R5
6またはR7は、それぞれ、同じでも異なっていてもよ
い。
【0015】該環状アセタール基を有する化合物は、1
種類で、あるいは2種類以上を混合して使用してもよ
い。一般式(1)で示される化合物の具体例としては、
2、2’−エチレンビス−1、3−ジオキソラン、2、
2’−トリメチレンビス−1,3−ジオキソラン、2、
2’−フェニレンビス−1,3−ジオキソラン等が挙げ
られる。一般式(2)で示される化合物の具体例として
は、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオ
キソラン、2−メチル−4−メチル−1,3−ジオキソ
ラン、2−ペンチル−4−メチル−1,3−ジオキソラ
ン、2−n−ヘキシル−1,3−ジオキソラン、2−オ
クチル−4−メチル−1,3−ジオキソラン、2−メト
キシ−1,3−ジオキソラン、2−クロロメチル−1,
3−ジオキソラン、2−ブロモメチル−1,3−ジオキ
ソラン、2−(2−ブロモエチル)−1,3−ジオキソ
ラン、2−アミノメチル−1,3−ジオキソラン、2−
(2−アミノエチル)−1,3−ジオキソラン、2−フ
ェニル−4−メチル−1,3ジオキソラン、4−フェニ
ル−1,3−ジオキソラン、2−(1−フェニルエチ
ル)−1,3−ジオキソラン、2−(1−フェニルエチ
ル)−4−メチル−1,3−ジオキソラン、2−ベンジ
ル−1,3−ジオキソラン、2−ベンジル−4−メチル
−1,3−ジオキソラン、2−ベンジル−4、4−ジメ
チル−1,3−ジオキソラン、2−ベンジル−4−ヒド
ロキシメチル−1,3−ジオキソラン、2−{2−(2
−メトキシエトキシ)エトキシ}−1,3−ジオキソラ
ン、2−ベンジル−4、4−ジメチル−1,3−ジオキ
サン、2−ベンジル−5、5−ジメチル−1,3−ジオ
キサン等が挙げられる。
【0016】本発明における環状アセタール基を有する
化合物の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部
に対して、0.01〜5重量部である。配合量が0.0
1重量部未満では、目的とする電離放射線照射による黄
変度の改良効果が不十分であり、5重量部を超えると機
械物性が低下するので好ましくない。黄変度の改良及び
機械物性の低下防止の点から、環状アセタール基を有す
る化合物の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量
部に対して、好ましくは、0.05〜3重量部である。
本発明におけるスルホキシド化合物は、下記一般式
(3)、(4)または(5)で示される化合物である。
【0017】
【化4】
【0018】式中、R10、R11、R12、R14、R15およびR
18は、それぞれ、C1〜30の、アルキル基、シクロア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキ
ル基、アリールアルケニル基、アシルアルキル基、アル
コキシアルキル基、アリールアルコキシアルキル基、ア
リールアルコキシアルケニル基、アルコキシ基、アルコ
キシカルボニル基、ポリエチレングリコールエーテル基
またはピリジル基であり、アリール基、アリールアルキ
ル基、アリールアルケニル基、アリールアルコキシアル
ケニル基及びアリールアルコキシアルキル基の核には置
換基として、C1〜4のアルキル基、ハロゲン基、−N
2基、−NH2基、−COOH基、−COOCH3基、
−OH基、−CH2OH基または−OCH3基を有するこ
とができ、アシルアルキル基、アルコキシアルキル基、
アリールアルコキシアルケニル基およびアリールアルコ
キシアルキル基は、それぞれ、アシル基、アルコキシ基
またはアリールアルコキシ基を、アルキル幹またはアル
ケニル幹に複数個有していても良い。また、R10とR11
およびR12とR14は、共有結合で結ばれていても良い。
13、R16およびR17は、それぞれ、C1〜15のアル
キレン基、アルケニレン基、−O(CH2CH2O)t-
基、アリーレン基またはジアルキレンアリーレン基であ
り、アリーレン基及びジアルキレンアリーレン基の核に
は置換基として、C1〜4のアルキル基、ハロゲン基、
−NO2基、−NH2基、−COOH基、−COOCH3
基、−OH基、−CH2OH基または−OCH3基を有す
ることができる、ただし、R16とR17とは異なる。n、
m及びtは、それぞれ、1〜100の整数である。
【0019】該スルホキシド化合物は、1種類で、ある
いは2種類以上を混合して使用してもよい。一般式
(3)で示される化合物の具体例としては、ジメチルス
ルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジフェニルスルホ
キシド、ジヒドロキシフェニルスルホキシド、ジトリル
スルホキシド、ジベンジルスルホキシド、ジビニルスル
ホキシド、ジキシリルスルホキシド、ジメシチルスルホ
キシド、ジニトロフェニルスルホキシド、ジアミノフェ
ニルスルホキシド、ジクロロフェニルスルホキシド、ジ
メトキシフェニルスルホキシド、ジシクロヘキシルスル
ホキシド、1−プロペニルメチルスルホキシド、メチル
シクロヘキシルスルホキシド、メチルフェニルスルホキ
シド、メチルトリルスルホキシド、メチルメトキシフェ
ニルスルホキシド、メチルクロロフェニルスルホキシ
ド、メチルカルボキシフェニルスルホキシド、メチルア
リルスルホキシド、メチルベンジルスルホキシド、フェ
ニルアリルスルホキシド、フェニルトリルスルホキシ
ド、フェニルキシリルスルホキシド、フェニルメトキシ
フェニルスルホキシド、フェニルビニルスルホキシド、
フェニルベンジルスルホキシド、フェニルスチリルスル
ホキシド、フェニルシンナミルスルホキシド、トリメチ
ル−3−(フェニルスルフィニル)オルソプロピオネー
ト、フェニルメトキシメチルスルホキシド、フェニルフ
ェノキシメチルスルホキシド、フェニルアセトニルスル
ホキシド、フェニルフェナシルスルホキシド、フェニル
シクロヘキシルスルホキシド、フェニルメチルベンジル
スルホキシド、フェニルメトキシカルボニルスルホキシ
ド、トリルベンジルスルホキシド、トリルブチルスルホ
キシド、トリルフェナシルスルホキシド、トリルブトキ
シスルホキシド、トリルアリルスルホキシド、トリルア
ミノフェニルスルホキシド、トリルクロロベンジルスル
ホキシド、4−(トルエンスルフィニル)ブタン−2−
オン、ベンジルアリルスルホキシド、2−ピリジルベン
ジルスルホキシド、アセトニルニトロフェニルスルホキ
シド、トリメチレンスルホキシド、テトラメチレンスル
ホキシド、ペンタメチレンスルホキシド、ベンゾチオフ
ェン−1−オキシド、ジベンゾチオフェン−1−オキシ
ド、チオキサンセン−9−オキシド、2、5−ジヒドロ
チオフェン−1−オキシド、4−ブチルチアン−1−オ
キシド等が挙げられる。一般式(4)で示される化合物
の具体例としては、ビス(メチルスルフィニル)メタ
ン、2、2−ビス(メチルスルフィニル)プロパン、ビ
ス(フェニルスルフィニル)メタン、1、2−ビス(フ
ェニルスルフィニル)エタン、1、2−ビス(フェニル
スルフィニル)エチレン、フェニルスルフィニルベンジ
ルスルフィニルフェニルメタン、1、4−ジチアン−
1、4−ジオキシド、ポリテトラメチレンスルホキシ
ド、ポリヘキサメチレンスルホキシド等が挙げられる。
【0020】本発明におけるスルホキシド化合物の配合
量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.
01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部であ
る。配合量が0.01重量部未満では、目的とする電離
放射線照射による黄変度の改良効果が不十分であり、5
重量部を超えると機械物性が低下するので好ましくな
い。
【0021】環状アセタール基を有する化合物とスルホ
キシド化合物のエステルの混合比は、特に制限はない
が、好ましくは重量比で10/90〜90/10であ
る。上述したように、ポリカーボネート樹脂に、それぞ
れ、特定量の環状アセタール基を有する化合物とスルホ
キシド化合物とを配合することにより、物性が低下する
ことなく、黄変度の少ないポリカーボネート樹脂組成物
が得られる。
【0022】本発明において、ポリカーボネート樹脂
に、環状アセタール基を有する化合物及びスルホキシド
化合物を配合する方法としては、最終成形品を成形する
直前までの任意の段階で、当業者に周知の種々の方法に
よって行うことができる。例えば、タンブラー、ヘンシ
ェルミキサー等で混合する方法や、フィーダーにより定
量的に押出機ホッパーに供給して混合する方法等があ
る。
【0023】本発明の組成物には更にその目的に応じ、
所望の特性を付与する他の添加剤を添加しても良い。例
えば、ハロゲン化合物、リン化合物、スルホン酸金属塩
等の難燃剤、アンチモン化合物、ジルコニウム化合物等
の難燃助剤、ポリテトラフルオロエチレン、珪素化合物
等の着火時の滴下防止剤、エラストマー等の耐衝撃改良
剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、可塑剤、離型剤、滑剤、相溶化剤、発泡剤、ガラス
繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、繊維
状マグネシウム、チタン酸カリウムウィスカー、セラミ
ックウィスカー、マイカ、タルク等の補強剤、充填剤、
染顔料等を、一種又は二種以上添加含有させる事も可能
である。
【0024】本発明の組成物は、射出成形、ブロー成形
等、慣用の成形方法に従って、所望の成形品とすること
ができる。本発明の耐電離放射線性ポリカーボネート樹
脂組成物を適用することが望まれている医療用成形品と
しては、具体的には、人工透析器、人工肺、麻酔用吸入
装置、静脈用コネクタ及び付属品、血液遠心分離ボウ
ル、外科用具、手術室用具、酸素を血液に供給するチュ
ーブ、チューブの接続具、心臓プローブ並びに注射器、
外科用具、手術室器具、静脈注射液等を入れる容器等が
挙げられる。
【0025】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0026】
【実施例】
〔実施例−1〜5、比較例−1〜3〕ポリカーボネート
樹脂(ユーピロン S−2000、三菱エンジニアリン
グプラスチックス株式会社製、粘度平均分子量25、0
00)100重量部と、表−1に記載の環状アセタール
基を有する化合物及びスルホキシド化合物を、表−1に
記載の比率で、タンブラーにて混合し、各々φ40mm
一軸ベント式押出機を用いて、バレル温度270℃で押
出してペレットを得た。このペレットを熱風乾燥器中
で、120℃にて5時間以上乾燥した後、樹脂温度27
0℃、金型温度80℃にて50mmφ×3mm厚みの試
験片を射出成形した。この成形片を用い、コバルト60
γ線を25キログレイ(kGy)照射し、照射前後の黄
色度を、JIS K7103に従って、スガ試験機
(株)製の色差計SM−3−CHにて測定し、黄変度
(ΔYI)を求めた。結果を表−1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明の組成物は、物性の劣化が少なく
殺菌のために照射される電離放射線による色調の変化が
少ない。従って、電離放射線照射滅菌が行われる医療用
製品、医療用装置、医療用装置の部材等の用途に有用で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂100重量部に、
    環状アセタ−ル基を有する化合物0.01〜5重量部、
    及びスルホキシド化合物0.01〜5重量部を配合して
    なるポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 環状アセタ−ル基を有する化合物が、下
    記一般式(1)または(2)で示される化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂
    組成物。 【化1】 (式中、R1、R2、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ、
    H、C1〜10のアルキル基、−CH2OH基、−CO
    OCH3基、フェニル基またはハロゲン基であり、R
    3は、C1〜15のアルキレン基、アルケニレン基また
    はアリーレン基であり、アリーレン基の核には置換基と
    して、C1〜10のアルキル基またはハロゲン基を有す
    ることができ、R8は、H、C1〜30のアルキル基、
    シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリー
    ルアルキル基、アリールアルケニル基、アルコキシアル
    キル基、アシル基、アリールアシル基、ハロゲン基、ハ
    ロゲン化アルキル基、アミノ基またはアミノ化アルキル
    基であり、アリール基、アリールアルキル基、アリール
    アルケニル基及びアリールアシル基の核には置換基とし
    て、C1〜10のアルキル基またはハロゲン基を有する
    ことができ、X1、X2及びX3は、−CHR9−基、−O
    −基、−NH−基、−S−基、−S−S−基または−P
    H−基であり、R9は、H、C1〜15のアルキル基ま
    たはアリール基であり、j、k及びiは、それぞれ、0
    または1であり、p、qまたはrは、それぞれ、1〜1
    0の整数であり、但し、p、qまたはrが2以上の場
    合、同一化合物内の、R1、R2、R4、R5、R6またはR
    7は、それぞれ、同じでも異なっていてもよい。)
  3. 【請求項3】 スルホキシド化合物が、下記一般式
    (3)、(4)または(5)で示される化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のポリカーボネー
    ト樹脂組成物。 【化2】 (式中、R10、R11、R12、R14、R15およびR18は、それ
    ぞれ、C1〜30の、アルキル基、シクロアルキル基、
    アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリ
    ールアルケニル基、アシルアルキル基、アルコキシアル
    キル基、アリールアルコキシアルキル基、アリールアル
    コキシアルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボ
    ニル基、ポリエチレングリコールエーテル基またはピリ
    ジル基であり、アリール基、アリールアルキル基、アリ
    ールアルケニル基、アリールアルコキシアルケニル基及
    びアリールアルコキシアルキル基の核には置換基とし
    て、C1〜4のアルキル基、ハロゲン基、−NO2基、
    −NH2基、−COOH基、−COOCH3基、−OH
    基、−CH2OH基または−OCH3基を有することがで
    き、アシルアルキル基、アルコキシアルキル基、アリー
    ルアルコキシアルケニル基およびアリールアルコキシア
    ルキル基は、それぞれ、アシル基、アルコキシ基または
    アリールアルコキシ基を、アルキル幹またはアルケニル
    幹に複数個有していても良く、また、R10とR11および
    12とR14は、共有結合で結ばれていても良く、R13
    16およびR17は、それぞれ、C1〜15のアルキレン
    基、アルケニレン基、−O(CH2CH2O)t-基、アリ
    ーレン基またはジアルキレンアリーレン基であり、アリ
    ーレン基及びジアルキレンアリーレン基の核には置換基
    として、C1〜4のアルキル基、ハロゲン基、−NO2
    基、−NH2基、−COOH基、−COOCH3基、−O
    H基、−CH2OH基または−OCH3基を有することが
    でき、ただし、R16とR17とは異なり、n、m及びt
    は、それぞれ、1〜100の整数である。)
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