JPH09124703A - キトサン担持体 - Google Patents

キトサン担持体

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JPH09124703A
JPH09124703A JP28099295A JP28099295A JPH09124703A JP H09124703 A JPH09124703 A JP H09124703A JP 28099295 A JP28099295 A JP 28099295A JP 28099295 A JP28099295 A JP 28099295A JP H09124703 A JPH09124703 A JP H09124703A
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JP
Japan
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chitosan
substrate
alkaline
base material
supported
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Pending
Application number
JP28099295A
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English (en)
Inventor
Hachiro Hirano
八朗 平野
Hiromichi Kumagai
博道 熊谷
Keiko Nakase
敬子 中瀬
Kunihiko Terase
邦彦 寺瀬
Koji Kirikae
孝次 切替
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、キトサンを有効に利用し、必要な大
きさのキトサン担持体を容易に提供する。 【解決手段】アルカリ性基材の少なくとも表面にキトサ
ンを担持することを特徴としたキトサン担持体。酸性溶
液に溶解したキトサンが、pH7.1以上である基材上
に不溶化し析出することを利用して粒子表面に選択的に
キトサンを担持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キトサン担持体、
特にキトサンを有効に利用し得るキトサン担持体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】キトサンは、カニやエビ、おきあみ、昆
虫などの甲皮に含まれるキチンを脱アセチル化すること
によって得られ、膜形成、ゲル形成、保水、イオン交
換、吸着、生体適合、抗菌等の多様な機能を有し、工業
用品、飼料、食品、衣料、医療用品など多方面に渡る用
途が実用化、あるいは検討されている。
【0003】従来は、キトサンのみを適当な大きさに粉
砕あるいは造粒し利用している。また、シリカゲル、ア
ルミナゲル、シリカアルミナゲル、多孔質ガラス、粒状
活性炭のような多孔性基体にキトサンを担持したキトサ
ン担持体は知られている(特開平1−40501号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】キトサンの粉砕物、あ
るいは造粒物を使用する際、キトサンの表面付近では機
能が発現するが内部は作用に寄与せず、何ら利用されな
い部分となっていた。キトサンは利用価値が高く高価で
あるので、キトサンの大部分が大きさ保持のためのみで
あり、有効利用されない上記粉砕物あるいは造粒物のよ
うな使い方はできる限り避けることが望まれる。
【0005】キトサン単味で単位重量当りの表面を増加
させるには、微粉末とする必要があるが、微粉末化する
には、キトサンが通常の粉砕操作では粉砕困難な物質で
あり、深冷粉砕等の製造コストの高い粉砕方法を用いる
必要があった。
【0006】特開平1−40501号公報の多孔性基体
は中性または酸性であり、この基体にキトサンを担持す
ると、キトサンが粒子内部に入るためキトサンの担持表
面積は大きいが、粒子の外表面に存在するキトサンは減
少してしまう。これは例えばキトサンに薬剤を吸着する
場合には有効であるが、抗菌作用のように菌との接触面
積を大きくするには、キトサンを外表面に多く存在せし
め、菌と直接接触するキトサンの面積を大きくする必要
があった。
【0007】中性または酸性の多孔性基体にキトサンを
担持するには、酸性のキトサン水溶液に多孔性基体を浸
漬した後アンモニアによりゲル化するか、あるいは予め
多孔性基体を減圧下に置きこれをキトサン水溶液に浸漬
する等の非常に手間のかかる作業が行われていた。この
ため大量に生産することができず製造コストを下げるこ
とが難しかった。
【0008】また、無孔性基材を使用したキトサン担持
体はこれまで提供されていなかった。
【0009】本発明の目的は、前記の欠点を解消しよう
とするものであり、すなわち工業的規模での生産性の改
善と多孔性基材のみならず無孔性基材へのキトサン担持
をも可能にするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともそ
の表面がアルカリ性を示すアルカリ性基材の外表面にキ
トサンが担持されてなるキトサン担持体を提供するもの
である。
【0011】本発明では、キトサン担持体の基材として
少なくともその表面がアルカリ性を示す基材を使用する
ため、酸性のキトサン溶液と基材を混合するとキトサン
が基材表面に析出し、キトサンの総重量のうち基材の外
表面に存在するキトサン量を増加することができる。
【0012】本発明者は、キトサンをできるだけ有効に
利用し、かつ各用途に適した大きさの粒子を得ることを
目的として検討した結果、酸性溶液に溶解したキトサン
が、基材の10重量%水スラリーのpHが7.1以上好
ましくは8.0以上であるアルカリ性基材上に不溶解化
し析出することを利用して、安価で所望の粒子径の基材
の表面に容易にキトサンを担持できることを見い出し
た。これにより、キトサン単位重量あたりの面積を増加
することができるため、キトサンの利用効率を向上させ
る目的を達成できた。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる基材
は、少なくともその表面がアルカリ性を示すことが必要
である。すなわち、基材は表面に水が接触したときその
水がアルカリ性を示す材料であることが必要である。し
たがって、基材全体がアルカリ性を示す場合だけでな
く、基材の表面のみにアルカリ性を示す材料で被覆され
ていてもよい。その理由は、キトサンは酸性領域では溶
解度が高いが、アルカリ性領域で不溶解性であることを
利用するためである。酸性溶液に溶解したキトサンが、
基材の表面でアルカリと反応することで基材粒子の外表
面に選択的にキトサンが担持できる。
【0014】基材がアルカリ性であることから、キトサ
ンの酸性溶液と接触することで基材の表面にキトサンが
析出してくる。そのため工業的規模での生産に有利であ
り、大量にそして安価にキトサン担持体を得ることがで
きる。また、反応による析出であることから基材表面の
状態によらずキトサンを担持することができるため、無
孔性基材のキトサン担持体も容易に得ることができる。
【0015】キトサンを担持する手段としては、例え
ば、キトサンを酢酸水溶液に溶解し、これにアルカリ性
基材を浸漬してアルカリ性基材の表面にキトサンを析出
させたり、あるいはキトサンを酢酸水溶液に溶解し、こ
れをアルカリ性基材に塗布あるいは噴霧し、基材表面に
キトサンを析出させることも可能である。溶解に使用す
る酢酸の量は好ましくはキトサンと同程度の重量である
のが望ましい。必要に応じて洗浄、乾燥、解砕すること
により基材の少なくとも表面にキトサンを担持したキト
サン担持体が得られる。キトサンの担持量は、キトサン
の効果の発現と基材上に担持させることによる有効活用
の利点とを考慮し、基材の0.1〜60重量%程度が望
ましい。好ましくはこのうちの80重量%以上が基材の
外表面に存在するのが望ましい。
【0016】キトサンは水、アルカリ溶液には不溶だ
が、希酸への溶解性は高い。これは、グルコサミン残基
が酸と反応してイオン化し溶解するものである。キトサ
ンを溶解する溶媒は、具体的には塩酸、硝酸などの無機
酸、あるいは酢酸、ギ酸、乳酸、アジピン酸、アスコル
ビン酸などの有機酸に溶解することが知られているの
で、これらの酸を使用することが望ましい。
【0017】アルカリ性基材としては、微細で粒径分布
の整った、安定で安全性が高く安価に大量に入手可能で
あることが望ましい。また、酸性溶液と混合した場合で
も構造、物性などが安定であり、キトサンの抗菌性等の
機能を阻害しない物質が望ましい。
【0018】さらに、例えばキトサンの抗菌効果は菌と
キトサンが接触した際に発現するものであると考えられ
るので、単位重量あたりの表面積が大きく、外部と接触
する面積が大きい小粒子径の基材が望ましい。基材の粒
径は製造の容易さと比表面積とにより、1μm〜3mm
程度が望ましい。
【0019】ゼオライトはこれらの条件を満たし、1〜
2μmの粒度の揃った細かい結晶であることからペンキ
などに混ぜ込みやすく、また大量に製造されており入手
が容易でかつ安価でもあることからアルカリ性基材とし
て好ましい。
【0020】本発明によれば基材は無孔性基材でも多孔
性基材でもよく、アルカリ性でない物質の表面にアルカ
リを被覆せしめることにより外表面でのキトサンの担持
割合を多くすることが可能である。
【0021】
【実施例】
実施例1 北海道曹達社のノースキトサンMC−1(商品名、脱ア
セチル化度75%のキトサン)2gを水107gに分散
させ、酢酸の10重量%溶液20.6gを添加し、キト
サンを溶解させた。一方、粉末の4A型合成ゼオライト
98gを水72gに分散させた。(このゼオライトの1
0重量%水スラリーのpHを別途測定したところ11.
0であった。)このゼオライトスラリーをキトサンの酢
酸溶液に5分間で添加した。ゼオライトスラリー添加
後、60分間撹拌し、ゼオライト粒子上にキトサンを析
出させた。反応終了時のスラリーはpH5.2であっ
た。反応終了後スラリーを純水で洗浄し、ゼオライト中
に含まれるアルカリとキトサン溶解液中に含まれる酢酸
を中和して生成した酢酸ナトリウムを除去した後、蒸発
皿に広げ、110℃で2時間乾燥した。これを軽くめの
う乳鉢で解砕しサンプル粉末とした。サンプルを純水に
5重量%懸濁したスラリーは、pH6.7であった。キ
トサンは2重量%が表面に担持された。
【0022】比較例1 北海道曹達社のノースキトサンMC−1(商品名、脱ア
セチル化度75%のキトサン)を液体窒素で凍結し、め
のう乳鉢で深冷粉砕したものをキトサン粉末とした。
【0023】比較例2 特開平1−40501号公報の実施例1の方法と同様に
して、SiO2 23%の3号水ガラス460gに39重
量%の硫酸190gを反応させ、pH2のケイ酸ゾル
(濃度20.5重量%)を生成せしめ、これにキトサン
2.5gを加えてキトサンを2重量%担持せしめたシリ
カゲルのキトサン担持体を得た。
【0024】抗菌性評価 実施例1で作製したゼオライトのキトサン担持粉末の抗
菌性能を評価するため、実施例1と比較例1及び比較例
2の各々を含んだ培地の大腸菌のコロニー数を以下の要
領で測定した。まず、ニッスイ社の一般細菌用普通寒天
培地35gを1リットルの純水で溶解しオートクレーブ
にて121℃で15分間滅菌し冷えないうちに15ミリ
リットルずつシャーレにまき寒天培地とする。また、2
8.39gのリン酸二ナトリウムと23.98gのリン
酸一ナトリウムと5gの塩化ナトリウムを蒸留水にて1
リットルとしオートクレーブにて121℃で15分間滅
菌したものをリン酸緩衝生理食塩水とする。次いで、実
施例1のキトサン担持粉末と比較例1及び比較例2の粉
末各0.1gを0.9ミリリットルのリン酸緩衝生理食
塩水と混合した。ここにリン酸緩衝生理食塩水で3×1
5 個/ミリリットルに希釈した大腸菌(Escher
ichia−coli)を4ミリリットル添加し、この
うち2.5ミリリットルを35℃で24時間培養した。
培養後、燐酸緩衝生理食塩水を18ミリリットル添加し
生菌を最終菌体濃度4×104 個/ミリリットルに分散
した。ここより0.1ミリリットルを分取しオートクレ
ーブで滅菌した寒天培地(0.6重量%)2ミリリット
ルで希釈した。これを寒天培地上に積層し、24時間後
に大腸菌のコロニー数を測定した。サンプル無添加のも
のをコントロールとして同様に操作し比較した。実験結
果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】実施例1のキトサン担持体は、基材表面に
存在するキトサンが抗菌効果を発現し、キトサン単味を
用いた比較例1と比べると、はるかに少ないキトサン量
でより優れた抗菌効果を示している。多孔性基体にキト
サンを担持した比較例2と比べても同じキトサン量であ
るのにもかかわらず数倍優れた抗菌効果を示している。
以上のことから、本発明によってキトサンの利用率が優
れたキトサン担持体が得られたことがわかる。
【0027】
【発明の効果】本発明のキトサン担持体は、必要な大き
さが容易にかつ安価に得られ、キトサンを有効に利用で
きるという効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺瀬 邦彦 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社千葉工場内 (72)発明者 切替 孝次 千葉県市原市君塚2−1−1

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともその表面がアルカリ性を示すア
    ルカリ性基材の外表面にキトサンが担持されてなるキト
    サン担持体。
  2. 【請求項2】アルカリ性基材の10重量%水スラリーが
    pH7.1以上である請求項1のキトサン担持体。
  3. 【請求項3】アルカリ性基材がゼオライトである請求項
    1のキトサン担持体。
  4. 【請求項4】キトサンを酸性溶液に溶解したものとアル
    カリ性基材を混合し、あるいはキトサンを酸性溶液に溶
    解したものをアルカリ性基材の表面に塗布あるいは噴霧
    し得られる請求項1のキトサン担持体の製造方法。
JP28099295A 1995-10-27 1995-10-27 キトサン担持体 Pending JPH09124703A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002069101A (ja) * 2000-09-01 2002-03-08 Kyowa Technos:Kk 中性付近のキトサン水溶液、その乾燥物、およびそれらの製造法
US7820227B2 (en) 2003-12-11 2010-10-26 University Of Maryland, College Park Biolithographical deposition and materials and devices formed therefrom
KR20160095812A (ko) * 2015-02-04 2016-08-12 원광대학교산학협력단 지속성을 보유한 미생물제제의 제조방법 및 상기 방법으로 제조된 미생물제제

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US7820227B2 (en) 2003-12-11 2010-10-26 University Of Maryland, College Park Biolithographical deposition and materials and devices formed therefrom
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