JPH09124617A - トリアジン誘導体およびその用途 - Google Patents

トリアジン誘導体およびその用途

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JPH09124617A
JPH09124617A JP8226699A JP22669996A JPH09124617A JP H09124617 A JPH09124617 A JP H09124617A JP 8226699 A JP8226699 A JP 8226699A JP 22669996 A JP22669996 A JP 22669996A JP H09124617 A JPH09124617 A JP H09124617A
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reaction
compound
formula
solvent
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JP8226699A
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Hideki Miki
秀樹 三木
Isao Aoki
勲 青木
Koichi Iwanaga
幸一 岩永
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規なトリアジン誘導体及びその用途を提供す
る。 【解決手段】式 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なトリアジン誘
導体およびその塩、およびその用途に関する。さらに詳
しくは寄生原虫類、特にコクシジアのような原虫類を防
除するために有用な新規トリアジン誘導体もしくはその
塩およびそれらを含有する抗原虫剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】寄生原虫は哺乳類、鳥類、魚類、昆虫類
等動物に広く寄生しており、主として内部器官あるいは
皮膚や目などに寄生し、宿主に大きな損傷をもたらし家
畜、家禽の飼育や魚類の養殖においてしばしば莫大な経
済的損失を与える。家畜類の飼育において甚大な被害を
与える病気の一つであるコクシジウム病は主として E.t
enella, E. necatrix, E. acervulina, E. maxima, E.
brunetti E. mivati のごとき Eimeria 属の数種の寄生
原虫によって生じる。例えば E. tenella は、鶏の盲腸
などの腸管壁に寄生し、宿主にしばしば致命的な影響を
与える。すなわち、この感染は広範囲にわたる腸管の侵
蝕による腸管壁のびらん、炎症、出血、盲腸における血
液の貯留、またこれに伴う食欲減退、発育不良等の症状
あるいは死となって現れる。内部寄生原虫は通常経口的
に伝染するが、特に、コクシジウム病の場合、重クロム
酸カリウム液による強力な消毒によってもオーシストを
不活化することが不可能であり、また世代周期が7日程
度と短いため、大量飼育の現場においてその急激な感
染、発症を手をこまねいてみている現状である。 魚類の場合、主に外部器官に寄生する原虫が問題になっ
ており、これらの寄生により皮膚及びえらの損傷をもた
らし、魚類の感染症に対する抵抗性を弱め、さらには直
接死に至らしめることもある。大型養殖施設における魚
類の養殖では、寄生原虫は急激に養殖魚全体に広がり、
これらの被害による経済的な損失は見過ごすことはでき
ない問題である。昆虫においても同様であり、例えばミ
ツバチの場合では、Nosema apis のような原虫が全世界
で養蜂経営に大きな打撃を与えている。この寄生原虫は
寄主の内部器官を破壊することにより抵抗力の弱くなっ
た寄主はしばしば他の病気にかかり易くさせる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、いくつかの寄生
原虫に対する薬剤が知られているが、ほとんどの薬剤は
その作用対象やスペクトルの範囲が狭く、一部の薬剤に
ついては耐性獲得原虫の存在が報告されているものもあ
る。さらには、これらは薬剤活性が低く、高い投与量が
必要とされるので、経済面や環境面から見ても満足でき
るものとは言えず、動物、鳥類、魚類および昆虫類の寄
生虫防除のために広範囲に使用できかつ強力な薬剤の開
発が熱望されている。このような薬剤として、2−フェ
ニル−6−アザウラシル誘導体に抗コクシジウム作用が
見い出され〔ジャーナル オブ メディカル ケミスト
リー(J. Med. Chem.), 第22巻,第1483頁(1
979)〕、種々の6−アザウラシル誘導体が合成さ
れ、検討されたが、これらは催奇形性を有することが判
明し、実用化に至らなかった。さらに、催奇形性を克服
した化合物として、2−(4−フェノキシフェール)−
1,2,4−トリアジン誘導体〔DE−A−253236
3〕,2−〔4−(1−シアノ−1−フェニルメチル)
フェニル〕−1,2,4−トリアジン誘導体〔USP46
31278〕,2−(4−フェニル−S(O)0-2−フェ
ニル)−1,2,4−トリアジン誘導体〔EP−A−03
8285〕などの種々の2−フェニル−1,2,4−トリ
アジンジオン類の化合物〔USP4782056,EP
−A−0457015,EP−A−0476439,J.
Med. Chem.,34巻 1908頁〕が開発され、一部は
コクシジウム防除剤として欧州、オーストラリア、ハン
ガリー等の国では使用されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の技術
背景のもとに研究を進め、一連の新規なトリアジン誘導
体が寄生原虫に対して優れた作用を示すことを見いだし
た。さらに鋭意研究の結果、これら一連の誘導体が飼育
(哺乳類、鳥類、魚類、昆虫類など)において出会う各
種の寄生性原生動物を防除するのに適しており、動物に
対する毒性が低く、従来の薬剤に抵抗性の系統に対して
も極めて高い効果を示すことを見い出して本発明を完成
した。
【0005】すなわち、本発明は(1)式
【化2】 (2)上記(1)記載のトリアジン誘導体もしくはその
塩を含有する組成物、および(3)抗原虫剤である上記
(2)記載の組成物に関するものである。上記式(I)
において、環Bで表される置換されていてもよい芳香環
基としては、少なくとも1個の置換基を有していてもよ
いベンゼン環基または5〜6員の芳香族複素環基が挙げ
られる。
【0006】複素環基としては、例えば2−または3−
チエニル、2−または3−フリル、2−または3−ピロ
リル、2−、4−または5−オキサゾリル、2−、4−
または5−チアゾリル、3−、4−または5−ピラゾリ
ル、2−、4−または5−イミダゾリル、3−、4−ま
たは5−イソオキサゾリル、3−、4−または5−イソ
チアゾリル、3−または5−(1,2,4−オキサジアゾ
リル)、1,3,4−オキサジアゾリル、3−または5−
(1,2,4−チアジアゾリル)、1,3,4−チアジアゾリ
ル、4−または5−(1,2,3−チアジアゾリル)、1,
2,5−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,
2,4−トリアゾリル、1H−または2H−テトラゾリ
ル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等
から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5員環基、
例えば2−,3−または4−ピリジル、N−オキシド−
2−、3−または4−ピリジル、2−、4−または5−
ピリミジニル、N−オキシド−2−、4−または5−ピ
リミジニル、オキソイミダジニル、ジオキソトリアジニ
ル、ピラニル、チオピラニル、1,4−オキサジニル、
1,4−チアジニル、1,3−チアジニル、トリアジニ
ル、オキソトリアジニル、3−または4−ピリダジニ
ル、ピラジニル、N−オキシド−3−または4−ピリダ
ジニル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原
子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む6員環
基、等の不飽和5ないし6員環があげられる。なかで
も、ヘテロ原子を1個含む6員環が好ましく、含窒素ヘ
テロ環などが特に好ましい。
【0007】このような芳香族同素環または複素環は置
換可能な位置に、例えば(1)例えばメチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、tert−ブチル等の炭素数1ない
し4のアルキル基、(2)例えばビニル、1−メチルビニ
ル、1−プロペニル、イソプロペニル、アリル等の炭素
数2ないし3のアルケニル基、(3)例えばエチニル、1
−プロピニル、プロパルギル基等の炭素数2ないし3の
アルキニル基、(4)例えばシクロプロピル基、(5)例え
ばベンジル、α−メチルベンジル、フェネチル基等の炭
素数7ないし11のアラルキル基、(6)フェニル基、
(7)例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ基等の炭素数1ないし3のアルコキシ基、(8)フ
ェノキシ基、(9)例えばクロロメチル、ジクロロメチ
ル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル等のモノ
−、ジ−またはトリ−ハロゲノ−C1-3アルキル基、(1
0)例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミ
ノ、イソプロピルアミノ基等のモノ−C1-3アルキルア
ミノ基、(11)例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ基等のジ−C
1-3アルキルアミノ基、(12)ニトロ基、(13)シアノ基、
(14)例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イ
ソプロピルチオ基等の炭素数1ないし3のアルキルチオ
基、(15)例えば塩素、フッ素等のハロゲン原子、(16)ヒ
ドロキシ基、(17)シアノメチル、2−シアノエチネ基等
の枝分れしていてもよいシアノC1-4アルキル基、(18)
例えばホルミル、アセチル等の炭素数1ないし4のアシ
ル基、(19)例えばヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエ
チル等の枝分れしていてもよいヒドロキシ−C1-4アル
キル基、及び(20)例えばメトキシメチル、2−エトキシ
エチル等のC1-4アルコキシ−C1-4アルキル、(21)例え
ばチオアセチル等の炭素数2ないし4のチオアシル基、
(22)例えば炭素数2ないし3のケタール、チオケター
ル、アセタール、チオアセタール基、(23)例えばエポキ
シ等の炭素数1ないし4の環状エーテル基、これらの内
炭素数2以上の炭素鎖または環状基を有する基はさらに
置換可能な位置に、例えば
【0008】(a)例えば塩素、フッ素等のハロゲン原
子、(b)ヒドロキシ基、(c)オキソ基、(d)例えばメトキ
シ、エトキシ等の炭素数1ないし4のアルコキシ基、
(e)例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C
1-4アルキルアミノ基、(f)例えばクロロメチル、トリフ
ルオロメチル、トリフルオロエチル等のハロゲノ−C
1-4アルキル基、(g)例えばホルミル、アセチル等の炭素
数1ないし4のアシル基、(h)例えばヒドロキシメチ
ル、2−ヒドロキシエチル等のヒドロキシ−C1-4アル
キル基、及び(i)例えばメトキシメチル、2−エトキシ
エチル等のC1-4アルコキシ−C1-4アルキル基(j)シア
ノ基、(k)アミノ基、(l)炭素数1ないし4のアルキル基
などで置換されていてもよいカルボン酸基、等から選ば
れた1または2個の置換基を有していてもよい、等から
選ばれた1ないし5個、好ましくは1ないし3個の置換
基を有していてもよい。
【0009】また、その置換位置として、例えばベンゼ
ン環の場合、4位に置換基があるものが好ましいが、4
位との組み合わせ以外に置換基を有していても良く、特
にこれらにこだわる必要はない。これらのうちで、好ま
しい置換基としては、塩素原子、エチル基、イソプロピ
ル基、アセチル基、1−ヒドロキシエチル基、1−ヒド
ロキシイソプロピル基等が好ましい。R1は水素原子、
ハロゲン原子で置換されていてもよく、ヘテロ原子を介
して結合していてよいアルキル基を表し、R1の例示と
しては例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル
基などの炭素数1ないし3のアルキル基、例えばクロロ
メチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、トリフ
ルオロエチル等のモノ−,ジ−またはトリ−ハロゲノ−
1-3アルキル基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、イソプロポキシ基等の炭素数1ないし3のアルコ
キシ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチ
オ、イソプロピルチオ基等の炭素数1ないし3のアルキ
ルチオ基等が挙げられる。X1およびX2は水素原子また
は塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子を意味
する。R2はハロゲン原子で置換されていてもよいアル
キル基またはハロゲン原子を表し、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル基などの炭素数1ないし3
のアルキル、例えばクロロメチル、ジクロロメチル、ト
リフルオロメチル、トリフルオロエチル等のモノ−,ジ
−またはトリ−ハロゲノ−C1-3アルキル基、および例
えば塩素、フッ素等のハロゲン原子などが例示される。
Yは酸素原子もしくは硫黄原子を表わす。R3及びR5
水素原子、アルキル基、アシル基、ホスホリル基もしく
はチオホスホリル基を表わし、アルキル基としては例え
ばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル基などの炭
素数1ないし3のアルキル基を、
【0010】アシル基としては例えばホルミル基、アセ
チル基、プロピオニル基あるいはベンゾイル基など炭素
数1ないし7のアシル基を表し、ホスホリル基としては
例えばジメチルホスホリル基、ジエチルホスホリル基も
しくはジフェニルホスホリル基を、チオホスホリル基と
しては例えばジメチルチオホスホリル基、ジエチルチオ
ホスホリル基もしくはジフェニルホスホリル基をあらわ
す。これらの内炭素数2以上の炭素鎖または環状基を有
する基は置換可能な位置に、例えば(a)例えば塩素、フ
ッ素等のハロゲン原子、(b)ヒドロキシ基、(c)オキソ
基、(d)例えばメトキシ、エトキシ等の炭素数1ないし
4のアルコキシ基、(e)例えばジメチルアミノ、ジエチ
ルアミノ等のジ−C1-4アルキルアミノ基、(f)例えばク
ロロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル
等のハロゲノ−C1-4アルキル基、(g)例えばホルミル、
アセチル等の炭素数1ないし4のアシル基、(h)例えば
ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル等のヒドロキ
シ−C1-4アルキル基、及び(i)例えばメトキシメチル、
2−エトキシエチル等のC1-4アルコキシ−C1-4アルキ
ル基等から選ばれた1または2個の置換基を有していて
もよい。R6は置換していてもよいアミノ基を表わす。
【0011】上記置換されていてもよいアミノ基として
は例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミ
ノ、イソプロピルアミノ基等のモノ−C1-3アルキルア
ミノ基、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピル
アミノ、ジイソプロピルアミノ基等のジ−C1-3アルキ
ルアミノ基などを表すが、これらはさらにアルキル部分
の置換可能な位置に、例えば(a)例えば塩素、フッ素等
のハロゲン原子、(b)ヒドロキシ基、(c)オキソ基、(d)
例えばメトキシ、エトキシ等の炭素数1ないし4のアル
コキシ基、(e)例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ
等のジ−C1-4アルキルアミノ基、(f)例えばクロロメチ
ル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル等のハロ
ゲノ−C1-4アルキル基、(g)例えばホルミル、アセチル
等の炭素数1ないし4のアシル基、(h)例えばヒドロキ
シメチル、2−ヒドロキシエチル等のヒドロキシ−C
1-4アルキル基、及び(i)例えばメトキシメチル、2−エ
トキシエチル等のC1-4アルコキシ−C1-4アルキル基等
から選ばれた1または2個の置換基を有していてもよ
い。R4は水素原子、ハロゲン原子もしくはアルキル基
を表わす。このようなR4としては例えば塩素、フッ素
等のハロゲン原子、例えばメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル基などの炭素数1ないし3のアルキル基な
どがその例示として挙げられる。また式中破線部分は二
重結合を形成していてもよいことを表わす。但し、
【化3】
【0012】本発明のトリアジン誘導体は例えば次に示
すような方法により製造することができる。 反応a)
【化4】 〔式中、環B,X1,X2,Y,R1,R2,R4およびR5
は上述と同意義。Lは水素、アルキル基またはアリール
基を示す。〕 上記反応a)はヒドラゾン誘導体(IIa)を閉環し、一
般式(Ia)の化合物を得た後、還元反応により一般式
(Ib)の化合物を製造する反応を示す。この反応は通
常不活性溶媒中又は無溶媒で実施され、ルイス酸又はル
イス塩基の存在下反応を実施してもよい。反応温度は通
常約60〜200℃、とりわけ約100〜160℃が適
当である。この反応の溶媒としては、ほとんどすべての
不活性有機溶媒が使用でき、一般に有機化学反応に繁用
されている溶媒、例えば脂肪族あるいは芳香族炭化水素
(ノナン,デカン,ドデカン,ベンゼン,リグロイン,
ベンジン,トルエン,キシレンなど),ハロゲン化炭素
(例えば、塩化メチレン,塩化エチレン,クロルホル
ム,四塩化炭素,ジクロルエタン,クロルベンゼン,o
−ジクロルベンゼンなど),エーテル類(例えば、ジブ
チルエーテル,グリコールジメチルエーテル,ジグリコ
ールジメチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサ
ンなど),ケトン(例えば、メチルエチルケトン,メチ
ルイソプロピルケトン,メチルイソブチルケトンな
ど),アルコール(例えば、ジエチレングリコールな
ど),エステル(例えば、酢酸エチルエステルなど),
ニトリル(例えば、アセトニトリル,プロピオニトリル
など),アミド(例えば、ジメチルホルムアミド,ジメ
チルアセトアミド,ヘキサメチルりん酸トリアミドな
ど),N−メチル−ピロリドン,ジメチルスルホオキシ
ド,テトラメチレンスルホン,メルカプト酢酸,ピリジ
ンなどが用いられる。また、本反応は副生物である水ま
たはアルコール等を除きながら実施してもよい。
【0013】上記(Ia)の化合物の還元は、エーテル
系、アルコール系、極性溶媒または水溶液中でパラジウ
ム、ラネーイニッケル等を触媒とした接触還元もしくは
1〜10倍量の還元剤、NaBH4,LiAlH4、亜鉛、
鉄などの存在下、約25〜140℃で約0.5〜10時
間反応させることで(Ic)が得られる。エーテル系溶
媒としては例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が用いられる。
アルコール系溶媒としては例えばメチルアルコール、エ
チルアルコール、イソプロピルアルコール等が用いられ
る。極性溶媒としては例えばアセトニトリル、DMF、
酢酸等が用いられる。
【0014】反応b)
【化5】 〔式中、環B,X1,X2,Y,R1,R2およびR6は上
述と同意義。〕 上記反応b)は化合物(Ia)のR5が水素原子である
3,5−ジオン誘導体(Ic)をクロル化し(IIIa)を
得た後、求核試薬を反応させて一般式(IIIb)の化合
物を得る反応を示す。求核試薬としては例えば置換して
いてもよいアミン類を意味する。この反応は通常不活性
溶媒中又は無溶媒で実施され、ルイス塩基の存在下反応
を実施してもよい。反応温度は通常約10〜200℃、
とりわけ約20〜60℃が適当である。この反応の溶媒
としては、ほとんどすべての不活性有機溶媒が使用で
き、一般に有機化学反応に繁用されている溶媒、例え
ば、脂肪族あるいは芳香族炭化水素(例えば、ベンゼ
ン,リグロイン,ベンジン,トルエン,キシレンな
ど),ハロゲン化炭化水素(例えば、塩化メチレン,塩
化エチレン,クロロホルム,四塩化炭素,ジクロルエタ
ン,クロルベンゼン,o−ジクロルベンゼンなど),エ
ーテル類(例えば、ジブチルエーテル,グリコールジメ
チルエーテル,ジグリコールジメチルエーテル,テトラ
ヒドロフラン,ジオキサンなど),ケトン(例えば、メ
チルエチルケトン,メチルイソプロピルケトン,メチル
イソブチルケトンなど),エステル(例えば、エチルア
セテートなど),ニトリル(例えば、アセトニトリル,
プロピオニトリルなど),アミド(例えば、ジメチルホ
ルムアミド,ジメチルアセトアミド,ヘキサメチルりん
酸トリアミドなど),N−メチル−ピロリドン,ジメチ
ルスルホオキシド,テトラメチレンスルホン,メルカプ
ト酢酸,ピリジンなどが用いられる。また、本反応は副
生物のひとつであるハロゲン化水素を除きながら実施し
てもよい。
【0015】反応c)
【化6】 〔式中、R7はアルコキシまたはアルキルチオ基を表わ
し、環B,X1,X2,Y,R1,R2およびR6は上述と
同意義。〕 上記反応c)は化合物(IIIa)より製造した5−アル
コキシ又はアルキルチオ誘導体(IIIc)を求核試薬と
反応させて一般式(IIIb)の化合物を得る反応を示
す。求核試薬としては例えば置換していてもよいアミン
類が挙げられる。この反応は通常不活性溶媒中又は無溶
媒で実施され、酸又は塩基の存在下反応を実施してもよ
い。反応温度は通常約50〜200℃、とりわけ約80
〜120℃が適当である。この反応の溶媒としては、ほ
とんどすべての不活性有機溶媒が使用でき、一般に有機
化学反応に繁用されている溶媒、例えば脂肪族あるいは
芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,リグロイン,ベン
ジン,トルエン,キシレンなど),ハロゲン化炭化水素
(例えば、塩化メチレン,塩化エチレン,クロルホル
ム,四塩化炭素,ジクロルエタン,クロルベンゼン,o
−ジクロルベンゼン),エーテル類(例えば、ジブチル
エーテル,グリコールジメチルエーテル,ジグリコール
ジメチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサンな
ど),ケトン(例えば、メチルエチルケトン,メチルイ
ソプロピルケトン,メチルイソブチルケトンなど),エ
ステル(例えば、エチルアセテートなど),ニトリル
(例えば、アセトニトリル,プロピオニトリルなど),
アミド(例えば、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセ
トアミド,ヘキサメチルりん酸トリアミドなど),N−
メチル−ピロリドン,ジメチルスルホオキシド,テトラ
メチレンスルホン,メルカプト酢酸,ピリジンなどが用
いられる。化合物(IIId)を得る別の方法は下記反応
d)で示すように例えば化合物(Id)をTHF中でNa
H/アルキルハライドを反応させることにより、5位に
アルキルチオ基を導入した化合物(IIId)にした後、
アミン類を反応させることで5位をアミノ基に変換した
化合物(IIIb)を合成し得る。
【0016】反応d)
【化7】 〔式中、環B,X1,X2,Y,R1,R2およびR6は前記
と同意義をR8はアルキル基を示す。〕
【0017】本発明の化合物のうち5位が=Sである化
合物(Id)は1,2,4−トリアジン−3,5−ジオン類
(Max W. Miller ら, J. Med. Chem., 第22巻,第1
483頁,1979の方法に準じて合成できる)をロー
ソン試薬又は五硫化リンとともに脂肪族及び芳香族の任
意に置換された炭化水素(例えば、ベンゼン,リグロイ
ン,ベンジン,トルエン,キシレン,塩化メチレン,塩
化エチレン,クロロホルム,四塩化炭素,ジクロルエタ
ン,クロロベンゼン,o−ジクロルベンゼンなど),エ
ーテル類(例えば、ジブチルエーテル,グリコールジメ
チルエーテル,ジグリコールジメチルエーテル,テトラ
ヒドロフラン,ジオキサンなど),ケトン(例えば、メ
チルエチルケトンなど)の溶媒中で加熱反応することで
得られる。
【0018】反応e)
【化8】 〔式中、環B,X1,X2,Y,R1,R2,R4およびR5
は上述と同意義を示す。〕 上記反応e)は(Ie)をアシル化剤、アルキルハライ
ド,ホスホリルハライドあるいはチオホスホリルハライ
ドと反応させて一般式(Ia)の化合物を得る反応を示
す。アシル化剤としては例えばギ酸−酢酸無水物、無水
酢酸、無水プロピオン酸、アセチルクロライド、プロピ
オニルクロライド等のアシル化剤。アルキル化剤として
は例えばジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のアルキル硫
酸、メチルブロマイド、メチルアイオダイド、エチルブ
ロマイド、エチルアイオダイド、イソプロピオニルブロ
マイド、イソプロピオニルアイオダイド、プロピオニル
ブロマイド及びプロピオニルアイオダイド等のアルキル
ハライドもしくはホルマリン等が用いられる。この反応
は通常不活性溶媒中又は無溶媒で実施され、塩基の存在
下反応を実施してもよい。反応温度は通常約−10〜1
00℃、とりわけ約0〜30℃が適当である。この反応
の溶媒としては、ほとんどすべての不活性有機溶媒が使
用でき、一般に有機化学反応に繁用されている溶媒、例
えば脂肪族あるいは芳香族炭化水素(例えば、ベンゼ
ン,リグロイン,ベンジン,トルエン,キシレンな
ど),ハロゲン化炭化水素(例えば、塩化メチレン,塩
化エチレン,クロルホルム,四塩化炭素,ジクロルエタ
ン,クロルベンゼン,o−ジクロルベンゼン),エーテ
ル類(例えば、ジブチルエーテル,グリコールジメチル
エーテル,ジグリコールジメチルエーテル,テトラヒド
ロフラン,ジオキサンなど),ケトン(例えば、メチル
エチルケトン,メチルイソプロピルケトン,メチルイソ
ブチルケトンなど),エステル(例えば、エチルアセテ
ートなど),ニトリル(例えば、アセトニトリル,プロ
ピオニトリルなど),アミド(例えば、ジメチルホルム
アミド,ジメチルアセトアミド,ヘキサメチルりん酸ト
リアミドなど),N−メチル−ピロリドン,ジメチルス
ルホオキシド,テトラメチレンスルホン等が用いられ
る。用いられる塩基としては例えば水素化ナトリウム、
ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、ノルマ
ルブチルリチウム、水素化カルシウム等の金属塩及びD
BU,1,1,3,3−テトラメチルグアニジン等の有機
塩基等が用いられる。上記の公知方法以外に本発明者等
が見い出した(特願平07−089786)1,2,4−
トリアジン−3−オン誘導体(IIIa)を酸化反応で化
合物(Ic)に導いた後、化合物(I)を効率よく製造す
ることができる。
【0019】反応式f)
【化9】 〔式中,環B,X1,X2,R1及びR2は前記と同意義。
9およびR10は互いに独立して、水素、置換されてい
てもよい炭化水素残基または電子吸引基をR11は置換さ
れていてもよいアルキル基を示す。〕で表されるヒドラ
ゾン誘導体(IIb)を2,2−ジアルコキシエチルイソ
シアネートと反応させて中間体であるセミカルバゾン誘
導体(IIc)を製造する反応工程は、通常不活性溶媒又
は無溶媒中で実施され,塩基類の存在下にこれらの反応
を実施してもよい。反応温度は反応に用いる溶媒の種類
に応じて変更されるが、通常約−20〜110℃,とり
わけ約0〜50℃が適当である。反応時間は反応に用い
る溶媒の種類に応じて変更され、通常約10分〜5時
間,好ましくは30分〜2時間が適当である。
【0020】この反応の溶媒としては,ほとんどすべて
の不活性溶媒が使用でき,一般に有機化学反応に繁用さ
れている溶媒,例えば脂肪族あるいは芳香族炭化水素
(例えば、ベンゼン,リグロイン,ベンジン,トルエ
ン,キシレンなど),ハロゲン化炭化水素(例えば、塩
化メチレン,塩化エチレン,クロロホルム,四塩化炭
素,ジクロルエタン,クロルベンゼン,oージクロルベ
ンゼン),エーテル類(例えば,ジエチルエーテル,ジ
イソプロピルエーテル,ジブチルエーテル,グリコール
ジメチルエーテル,ジグリコールジメチルエーテル,テ
トラヒドロフラン,ジオキサンなど),ケトン(例え
ば,アセトン,メチエチケトン,メチルイソプロピルケ
トン,メチルイソプロピルケトンなど),エステル(例
えば,酢酸エチルエステルなど),ニトリル(例えば,
アセトニトリル,プロピオニトリルなど),アミド(例
えば,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,
ヘキサメチルリン酸トリアミドなど),ジメチルスルフ
ォオキシド,ピリジンなどが用いられる。ヒドラゾン誘
導体(IIb)に対して2,2−ジアルコキシエチルイソ
シアネートの使用量は通常1.0〜3.5モル,とりわけ
1.0〜1.5モルが好ましい。また,反応を円滑に進め
るために使用される塩基類としては例えば無機塩基類と
しては炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸カルシウ
ム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなどが挙げられ
る。有機塩基類としてはトリエチルアミン,ピリジン,
ジメチルアニリン,ピコリン,1,5−ジアザビシクロ
〔4,3,0〕ノン−5−エン,1,4−ジアザビシクロ
〔2,2,2〕オクタン,1,8−ジアザビシクロ〔5,
4,0〕−7−ウンデセン(DBU)等が挙げられる。
塩基類の使用量としては出発原料(IIb)に対して0.
001〜30.0%,好ましくは0.01〜5.0%が適
当である。
【0021】上述の反応で合成したセミカルバゾン誘導
体(IIc)を常法に従い閉環反応工程により2-置換-1,
2,4-トリアジンー3-オン誘導体(IVa)に変換する。こ
の反応は通常不活性溶媒又は無溶媒中で実施され、酸類
の存在下にこれらの反応を実施してもよい。反応温度は
反応に用いる溶媒の種類にも関係するが,通常約−20
〜150℃,とりわけ約0〜80℃が適当である。反応
時間は反応に用いる溶媒の種類にも関係するが,通常約
10分〜5時間,好ましくは30分〜2時間が適当であ
る。この反応の溶媒としては、一般に有機化学反応に繁
用されている溶媒,例えば脂肪族あるいは芳香族炭化水
素(例えば、ベンゼン,リグロイン,ベンジン,トルエ
ン,キシレンなど),ハロゲン化炭化水素(例えば、塩
化メチレン,塩化エチレン,クロロホルム,四塩化炭
素,ジクロルエタン,クロルベンゼン,oージクロルベ
ンゼン),エーテル類(例えば,ジエチルエーテル,ジ
イソプロピルエーテル,ジブチルエーテル,グリコール
ジメチルエーテル,ジグリコールジメチルエーテル,テ
トラヒドロフラン,ジオキサンなど),ケトン(例え
ば,アセトン,メチエチケトン,メチルイソプロピルケ
トン,メチルイソプロピルケトンなど),エステル(例
えば,酢酸エチルエステルなど),ニトリル(例えば,
アセトニトリル,プロピオニトリルなど),アミド(例
えば,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,
ヘキサメチルリン酸トリアミドなど),アルコール(例
えば,メチルアルコール,エチルアルコール,プロピル
アルコール,イソプロピルアルコールなど),ピリジ
ン,ジメチルスルフォオキシドなどが用いられる。反応
を円滑に進行させる目的で使用される酸類としては例え
ばトリクロル酢酸,トリフルオロ酢酸,p−トルエンス
ルホン酸,トリフルオルボラン エーテレイト,メタン
スルホン酸,硫酸,塩酸,リン酸,ポリリン酸などがあ
る。上記反応工程において得られた反応混合物からセミ
カルバゾン誘導体(IIc)を単離する事なく、該反応混
合物をそのまま閉環反応に付すことによっても、目的の
1,2,4−トリアジン−3−オン誘導体(IVa)を高収
率で得ることが可能であり、このような一連工程(ワン
ポット反応)は目的化合物(IVa)の工業的製造を図る
うえで、好ましく採用される。
【0022】上記式において、R9またはR10で表され
る置換されていてもよい炭化水素残基としては、例えば
置換基を有していてもよいアルキル基及び置換していて
もよい芳香族同素環基又は5〜6員の芳香族複素環基が
挙げられ、後述のR11で表される置換されていてもよい
アルキル基、置換基を有していてもよい芳香族同素環基
あるいは芳香族複素環基として例示される基と同様のも
のが具体的に例示される。なかでも、アルキル基として
は炭素数1ないし4の低級アルキル基が、芳香族同素環
基としてはフェニル基が、芳香族複素環基としては、2
−,3−または4−ピリジルが好ましく用いられる。R
9またはR10で表される電子吸引基としては、例えばシ
アノ基、ヒドロキシカルボニル、例えばメトキシカルボ
ニル、エトキシカルボニル等の炭素数1ないし6のアル
コキシ−カルボニルフェニルオキシカルボニル,ナフチ
ルオキシカルボニル等の炭素数6ないし10のアリール
−オキシカルボニル基、例えばピリジルオキシカルボニ
ル、チエニルオキシカルボニル等の炭素原子以外に例え
ば窒素原子、硫黄原子、酸素原子等のヘテロ原子を1な
いし4個含む5又は6員複素環−オキシカルボニル基、
例えば塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子等で1ない
し3個置換されていてもよい例えばメチルスルホニル、
トリフルオロメチルスルホニル、エチルスルホニル等の
炭素数1ないし6のアルキルスルホニル基、アミノスル
ホニル、例えばジメトキシホスホリル、ジエトキシホス
ホリル、ジプロポキシホスホリル等のジ−C1-4アルコ
キシホスホリル基、例えば塩素、臭素、フッ素等のハロ
ゲン原子等で1ないし3個置換されていてもよい例えば
アセチル、プロピオニル等の炭素数1ないし6のアシル
基、カルバモイル、例えばメチルスルホニルチオカルバ
モイル、エチルスルホニルチオカルバモイル等の炭素数
1ないし6のアルキル−スルホニルチオカルバモイル基
等が用いられる。さらに,R9とR10とは互いに結合し
シクロアルキル基等の4〜7員環を形成していてもよ
い。
【0023】R11で表される置換されていてもよいアル
キル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル等の炭素数1ないし15のアル
キル基があげられる。なかでも炭素数1ないし4のアル
キル基、特にメチル、エチルなどが好ましく用いられ
る。さらに、上記反応式で得られた化合物(IVa)を常
法に従い、酸化、還元、置換することにより本発明の化
合物(I)を得ることができる。また、所望により、常
法に従って、例えばナトリウム塩,カリウム塩等のアル
カリ金属塩,カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、リ
ン酸塩,塩酸塩,硝酸塩,シュウ酸塩等の無機酸塩,酢
酸塩,コハク酸塩等の有機酸塩等の種々の生理学的に許
容しうる塩に導くことができる。
【0024】本発明において原料化合物として用いられ
るヒドラジン誘導体(V)は本発明者らが見い出した次
の反応工程により効率よく合成することができる(特願
平7−71856)。 反応g)
【化10】 〔式中,環B,X,X2,R1及びR2は前記と同意義
を、Zはアルコキシカルボニル基またはアミド基を、
Z’はカルボキシル基をそれぞれ表す。〕 反応は出発原料であるニトロ化合物(VIa)を加水分解
反応で(VIb)に変換したのち、脱炭酸反応でアミノ化
合物(VIc)を製造し、さらに還元反応によりアミノ化
合物(VId)を得、ジアゾ化反応の後還元反応を行ない
化合物(V)を得る反応を示す。化合物(VIb)から化合
物(VIc)を得る工程は、通常極性溶媒中もしくは無溶
媒で実施され,ハロゲンイオンまたはアルカリ金属塩な
どの存在下で弱アルカリ性もしくは中性条件下で行われ
る。反応温度は通常約40〜200℃,好ましくは約7
0〜150℃が適当である。
【0025】上記反応溶媒としては、ほとんどすべての
極性有機溶媒が使用でき,一般に有機化学反応に汎用さ
れる溶媒,例えばメタノールとかエタノールなどのよう
なアルコール類,アセトニトリルとかプロピオニトリル
などのようなニトリル類,ジメチルフォルムアミド,ジ
メチルアセトアミドとかヘキサメチルリン酸トリアミド
などのようなアミド類,N−メチルーピロリドン,ジメ
チルスルフォオキシド,テトラメチレンスルホンなどの
溶媒が用いられる。反応促進剤としてはNaF,NaC
l,NaBr,NaI,LiCl,LiBr,KF,KCl,K
Br,NaCN,KCNもしくはCaF2 などのようなア
ルカリ金属塩またはテトラメチルアンモニュウムブロマ
イド,1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノン−5−
エン・HBr,1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オク
タン・HBr,1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウン
デク−7−エン(DBU)・HBrもしくは1,8−ジアザ
ビシクロ〔5,4,0〕ウンデク−7−エン・HCl など
のハロゲンイオンを生ずる塩を少なくとも1種類以上を
化合物(VIb)に対して通常1.0〜5.0倍モル程度使
用する。加水分解反応に利用される水の量は原料化合物
に対して通常1.0〜20.0倍モルが用いられるが,好
ましくは3.0〜6.6倍モルが適当である。化合物(VI
b)は例えば接触還元とかベッシャム還元反応などの通
常の還元反応により化合物(VIc)より定量的に製造す
ることができる〔新実験化学講座,15巻(II),丸善
株式会社(1977年)〕。得られた化合物(VId)を
常法に従いジアゾ化反応に供することによりヒドラジン
誘導体(V)を製造することができる。
【0026】反応h)
【化11】 〔式中,環B,R1,R2,X1,X2及びZは前記と同意
義を表す。〕 反応は、適当な塩基の存在下、カルボン酸誘導体と4−
ハロゲノニトロベンゼンを縮合させることにより、上記
反応の出発原料である化合物(VIa)を製造する方法を
示したものである。本発明化合物は反応で合成された化
合物(VIa)を単離する事なくワンポット反応で化合物
(VIc)を高収率で製造することも可能である。この場
合の反応条件は前述と同様であるが、一段階目の縮合反
応で脱ハロゲン剤としてアルカリ金属塩または4級アン
モニュウム塩など塩基を使用することから、必然的にハ
ロゲンイオンあるいはアルカリ金属イオンが存在するこ
とになり、上記のアルカリ金属塩又は4級アンモニュウ
ム塩などを改めて供給する必要はない。
【0027】反応i)
【化12】 〔式中,環B,X1,X2,R1及びR2は前記と同意義を
示す。〕 反応は公知方法に準じて得られるアセトニトリル化合物
(VIIa)を通常の加水分解反応(例えば、硫酸等の強
酸中で反応後、水で分解)を用いて上記反応の出発原料
であるアミド化合物(VIIb)を製造する方法を示した
ものである。
【0028】本発明の一般式(I)の化合物またはその
生理学的に許容し得る塩は、動物(哺乳類、鳥類、魚
類、昆虫など)の飼育中に遭遇する寄生原虫類を防除す
るために適しており、これらは原虫類の個別のまたは全
ての発育段階に対して活性を示す。また、本発明の一般
式(I)の化合物またはその塩は既知薬剤に対する耐性
や感受性の範囲内で十分有効な活性を示す。臨床症状や
死亡が減少し、これにより畜産における生産性(例え
ば、肉、乳、毛、皮、卵、蜜などの生産性および繁殖
性)が向上する。また本発明化合物の使用により動物類
のさらに経済的で且つ困難を伴わない飼育が可能とな
る。
【0029】本発明の化合物により防除しうる原虫類は
広く、例えばアピコンプレクサ(Apicomplexa)門の原
虫、例えばアイメリア科(Eimeriidae)、アイメリア属
の原虫、例えばアイメリア・アセルヴリナ(Eimeria ac
ervulina)、E.アデノイデス(adenoides)、E.ア
ラバーメンシス(alabahmensis)、E.アルロインギ
(arloingi)、E.オーバーネンシス(auburnensi
s)、E.ボヴィス(bovis)、E.ブルネッチ(brunet
ti)、E.カニス(canis)、E.コントルタ(contort
a)、E.エリプソイダレス(ellipsoidales)、E.フ
ァルシフォルミス(falciformis)、E.ガロパヴォニ
ス(gallopavonis)、E.ハガニ(hagani)、E.イン
テスチナリス(intestinalis)、E.マグナ(magn
a)、E.マキシマ(maxima)、E.メレアグリジス(m
eleagridis)、E.メレアグリミチス(meleagrimiti
s)、E.ミチス(mitis)、E.ミバティ(mivati)、
E.ネカトリックス(necatrix)、E.ニナコーリアキ
モヴァエ(ninakohlyakimovae)、E.オヴィス(ovi
s)、E.パルヴァ(parva)、E.パヴォニス(pavoni
s)、E.ペルフォランス(perforans)、E.ピリフォ
ルミス(piriformis)、E.プラエコックス(praeco
x)、E.スチエダイ(stiedai)、E.スイス(sui
s)、E.テネラ(tenella)、E.トルンカタ(trunca
ta)、E.ズエルニイ(zuernii)、イソスポラ属例え
ば、イソスポラ・ベリ(Isospora belli)、I.カニス
(canis)、I.フェリス(felis)、I.リヴォルタ
(rivolta)、I.スイス(suis)、クリプトスポリジ
ウム属(Cryptosporidium)のクリプスポリジウム種、
その他例えばトキソプラスマ・ゴンジイ(Toxoplasma g
ondii)、例えばサルコシスチダエ科(Sarcocystida
e)、サルコシスチス・ボヴィカニス(Sarcocystis bov
icanis)、S.ボヴィホミニス(bovihominis)、S.
オヴィカニス(ovicanis)、S.オヴィフェリス(ovif
elis)、S.スイホミニス(suihominis)、例えばロイ
コチトゾーン属(Leucocytozoon)のロイコチトゾーン
・シモンディ(Leucocytozoon simondi)、L.カウレ
リ(L.caulleryi)、例えばプラスモデイイダエ科(Pl
asmodiidae)、例えばプラスモジウム・ベルゲイ(Plas
modium berghei)、P.ファルシパルム(falciparu
m)、P.マラリアエ(malariae)、P.オヴァレ(ova
le)、例えばピロプラスメア亜綱(Piroplasmea)の原
虫、例えばバベシア・アルゼンチナ(Babesia argentin
a)、B.ボヴィス(bovis)、B.カニス(canis)な
どのバベシア属の原虫、タイレリア・パルヴァ(Theile
ria parva)などタイレリア(Theileria)属の原虫、例
えばアデレイナ(Adeleina)、例えばヘパトズーン・カ
ニス(Hepatozoon canis)など、さらに、ミキソスポラ
亜門(Myxospora)およびミクロスポラ亜門(Microspor
a)などの原虫、その他例えばグルゲア(Glugea)属お
よびノゼマ(Nosema)属などの原虫などが挙げられる。
【0030】一般式(I)の化合物またはその生理学的
に許容し得る塩は、哺乳動物(例えば牛,馬,豚,羊,
山羊,らくだ,水牛,ろば,兎,鹿,トナカイ,ミン
ク,チンチラ,ラクーン,ハツカネズミ,鼠,モルモッ
ト,ゴールデン・ハムスター,犬,猫など)、鳥類(例
えば鶏,うずら,ガチョウ,七面鳥,アヒル,鴨,鳩な
ど)、淡水および海水魚類(例えば、鯉,鰻,鱒,鮎,
なまず,鮭,鯛,ブリ,トラフグ,スズキ,シタビラ
メ,カレイなど)、あるいはミツバチなどの昆虫類の寄
生原虫の感染に対して予防および治療の両方の目的で使
用することができる。一般式(I)の化合物またはその
生理学的に許容し得る塩は、単独または製剤組成物とし
て、経口的にまたは非経口的に安全に上記の動物に投与
しうる。その製剤の調製は自体公知の方法(例えば、特
開平5−1047、特開平5−117250、特開平2
−240003、特開昭62−61972記載の方法)
によって実施し得る。
【0031】本発明製剤を宿主となる消化管内に投与す
る場合、例えば経口的に粉剤、散剤(可溶散を含む)、
錠剤、カプセル、ペースト、液剤、顆粒、クランブル、
ペレットなどの形状でそのまま、あるいは飼料,飲水な
どに混ぜて投与される。皮膚投与では例えば浸漬、噴
霧、洗浄および滴下並びに塗布などにより実施される。
その他の非経口的投与は例えば注射(筋肉内、皮下、静
脈内、腹腔内)により実施される。またその剤形として
例えば液剤、例えば注射溶液、経口液剤、皮膚上または
体腔内での使用のための液剤、滴下剤およびゲル、経口
または皮膚投与用および注射用の溶液、乳化液および懸
濁液、半固形剤、軟膏剤、粉末、顆粒、ペレット、錠
剤、カプセル、エアロゾルおよび吸入剤、並びに一般式
(I)の化合物またはその生理的に許容し得る塩を含有
している成形品が挙げられる。注射溶液は、一般式
(I)の化合物またはその生理的に許容し得る塩を適当
な溶媒中に溶解させそして必要に応じて添加物、例えば
溶解剤、等調化剤としての酸類,塩基類または緩衝塩
類、酸化防止剤および防腐剤を適宜加えることにより製
造され、殺菌濾過後瓶に詰められる。用いられる溶媒と
しては、生理学的に許容可能な溶媒、例えば水、アルコ
ール類、例えばエタノール、ブタノール、ベンジルアル
コール、グリセロール、炭化水素類、プロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール類、N−メチルピロリド
ン、およびこれらの混合物が挙げられる。また、注射用
の生理学的に許容可能な植物性または合成性の油類の中
に溶解させることもできる。溶解剤としては、一般式
(I)の化合物またはその生理学的に許容し得る塩の主
溶媒中での溶解を促進させるかまたはその沈殿を防止す
る溶媒であればよく、例えばポリビニルピロリドン、ポ
リオキシエチル化されたヒマシ油およびポリオキシエチ
ルソルビタンエステル類が挙げられる。
【0032】防腐剤としては、ベンジルアルコール、ト
リクロロブタノール、p−ヒドロキシ安息香酸エステル
類およびn−ブタノールが挙げられる。経口用液剤は直
接あるいは用時に濃縮物を投与濃度に希釈して経口的に
投与される。経口用液剤は常法に従って製造することが
できる。皮膚に使用する溶液は皮膚に滴下し、延展また
はこすられ、散水され、噴霧されるか、あるいは浸漬、
入浴もしくは洗浄により適用される。これらの溶液は常
法に従って製造される。この場合、製造中に濃稠化剤を
加えることが有利である。濃稠化剤は無機濃稠化剤、例
えばベントナイト類、シリカゲル、モノステアリン酸ア
ルミニウム、有機濃稠化剤、例えばCMCナトリウムな
どのセルロース誘導体類、ポリビニルアルコール類およ
びそれらの共重合体、アクリレート類およびメタリレー
ト類などが挙げられる。ゲル剤は、皮膚上に適用もしく
は延展されるか、または体腔内に加えられる。ゲルは、
適宜軟膏状の軟度を有するような量の濃稠化剤を常法に
従い、調製後の溶液に加えることにより、製造される。
濃稠化剤としては例えば上記のものが使用される。滴下
剤は局所的に皮膚に滴下または散水することにより、皮
膚に浸透させて全身的に作用させるかまたは皮膚表面に
作用させる。滴下剤は、一般式(I)の化合物またはそ
の生理学的に許容し得る塩を適当な経皮溶媒または溶媒
混合物中に溶解、懸濁または乳化させることにより製造
される。適宜、例えば着色剤、吸収促進剤、酸化防止
剤、光遮蔽剤および増粘剤等を加えることができる。
【0033】溶媒としては、水、アルカノール類、グリ
コール類、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレン
グリコール類、グリセロール、芳香族アルコール類、例
えばベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェ
ノキシエタノール、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、安
息香酸ベンジル等のエステル類、例えばアルキレングリ
コールアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−ブチル
エーテル等のエーテル類、例えばアセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン類、芳香族および/または脂肪族炭
化水素類、植物性または合成油類、DMF、ジメチルア
セトアミド、N−メチルピロリドンおよび2−ジメチル
−4−オキシ−メチレン−1,3−ジオキソラン等が挙
げられる。着色剤は、溶解または懸濁させることができ
且つ動物に安全に投与されるものであればいずれを用い
てもよい。吸収促進剤としては、例えば、DMSO、伸
展用の油脂類、例えばミリスチン酸イソプロピル、ペラ
ルゴン酸ジプロピレングリコール、シリコーン油類、脂
肪酸エステル類、トリグリセリド類および脂肪族アルコ
ール類が挙げられる。酸化防止剤としては、亜硫酸塩類
またはメタ亜硫酸水素塩類、例えばメタ亜硫酸水素カリ
ウム、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブ
チルヒドロキシアニソールおよびトコフェロールが挙げ
られる。光遮蔽剤としては、例えば、ベンゾフェノン誘
導体等が挙げられる。増粘剤としては、例えば、セルロ
ース誘導体類、澱粉誘導体類、ポリアクリレート類、ア
ルギン酸エステル類およびゼラチン等が挙げられる。乳
化液は、水中油型または油中水型のいずれであってもよ
く、一般式(I)の化合物またはその生理学的に許容し
得る塩を疎水性または親水性溶媒に溶解させ、これを薬
剤に溶媒と共に適当な乳化剤および適宜補助剤、例えば
着色剤、吸収促進剤、防腐剤、酸化防止剤、光遮蔽剤お
よび増粘剤を用いて均質化することにより製造される。
【0034】疎水性基剤としては、パラフィン油類、シ
リコーン油類、植物性油類、例えばごま油、アーモンド
油、ヒマシ油、合成トリグリセリド類、例えばカプリル
/カプリン酸ビグリセリド、植物性脂肪酸類またはその
トリグリセリド、非天然飽和または不飽和脂肪酸類また
はそのモノ−およびジグリセリド類、脂肪酸エステル
類、例えばステアリン酸エチル、アジピン酸ジ−n−ブ
チリル、ラウロン酸ヘキシル、ペラルゴン酸ジプロピレ
ングリコール、鎖長がC16-17の飽和脂肪アルコール類
の分枝鎖状脂肪酸エステル類、ミリスチン酸イソプロピ
ル、パルミチン酸イソプロピル、鎖長がC12-18の飽和
脂肪アルコール類のカプリル/カプリン酸エステル類、
ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、オレ
イル酸デシル、オレイル酸エチル、乳酸エチル、ワック
ス状脂肪酸エステル類、例えばフタル酸ジブチル、アジ
ピン酸ジイソプロピル、アジピン酸の特に脂肪酸アルコ
ールエステル類、例えばイソトリデシルアルコールエス
テル、2−オクチルドデカノールエステル、セチルステ
アリルアルコールエステルおよびオレイルアルコールエ
ステル、脂肪酸類、例えばオレイン酸などが挙げられ
る。また、親水性基剤としては、水、アルコール類、例
えばプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトー
ルおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0035】乳化剤としては、非イオン性界面活性剤、
例えばポリオキシエチル、ヒマシ油、ポリオキシエチ
ル、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステア
レート、グリセロールモノステアレート、ポリオキシエ
チルステアレートおよびアルキルフェノールポリグリコ
ールエーテル類、中性界面活性剤、例えばN−ラウリル
−β−イミノジプロピオン酸2ナトリウムまたはレシチ
ン、アニオン性界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリ
ウム、脂肪アルコールエーテル硫酸塩類、モノ−または
ジアルキルポリグリコールエーテルオルト燐酸エステル
モノエタノールアミン塩、カチオン性表面活性剤、例え
ばセチルトリメチルアンモニウムクロライドなどが用い
られる。また、乳化を安定化させる目的で増粘剤、例え
ばカルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセル
ロース(MC)並びに他のセルロースおよび澱粉誘導体
類、ポリアクリレート類、アルギン酸エステル類、ゼラ
チン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルアルコール、メチルビニルエーテルおよび無水マレイ
ン酸の共重合体、ポリエチレングリコール類、ワックス
類、シリカゲルなどを適宜添加してもよい。
【0036】本発明の抗原虫剤を懸濁液とする場合は、
一般式(I)の化合物またはその生理学的に許容し得る
塩を適宜他の補助剤、例えば湿潤剤、着色剤、吸収促進
剤、防腐剤、酸化防腐剤、光遮蔽剤などと共に均質に懸
濁させることにより製造される。湿潤剤(分散剤)とし
ては上記の界面活性剤が用いられ、その他上記の添加剤
を適宜加えうる。経口的にまたは皮膚に投与することが
できる半固形剤は、一般式(I)の化合物またはその生
理的に許容し得る塩を適当な賦形剤と適宜補助剤等を添
加して混合し、成形することにより製造しうる。賦形剤
は生理学的に許容可能な不活性物質であれば、いずれで
もよく無機物質は例えば、塩化ナトリウム、炭酸塩類、
例えば炭酸カルシウム、炭酸水素塩類、酸化アルミニウ
ム類、珪酸類、シリカゲルおよび燐酸塩類などまたは有
機物質は例えば、糖類、セルロースおよび飼料、例えば
牛乳粉末、動物ひきわり、穀類ひきわりおよび細片、澱
粉などが挙げられる。上記の防腐剤、酸化防止剤および
着色剤を適宜添加してもよい。さらに、潤滑剤および潤
滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸、滑石、ベントナイト類、崩壊剤、例えば澱粉または
架橋ポリビニルピロリドン、結合剤、例えば澱粉、ゼラ
チンまたはポリビニルピロリドン、結晶セルロースなど
を加えてもよい。
【0037】本発明の抗原虫剤は、1または2以上の本
発明化合物またはその生理学的に許容し得る塩を含んで
いてもよく、互いの活性を損なうことがない限り同様の
あるいは動物の健康状態の向上や疾病の予防治療等目的
を同じくする他の薬剤を含有するかあるいは組み合わせ
て用いることができる。本発明の抗原虫剤は、一般式
(I)の化合物またはその生理学的に許容し得る塩を約
0.01ppm−1%、好ましくは約0.1ppm−0.1%の
濃度で含有するように調製される。また、用時に希釈し
て用いる製剤の場合は約0.01−90%、好ましくは
約0.1−30%の濃度で含有するように調製される。
一般的には、本発明の抗原虫剤は1日当たり1kgの体重
当たり一般式(I)の化合物または生理学的に許容し得
る塩を約0.01−約50mgの、好ましくは約0.1−
5mgの範囲で投与すればよい。たとえば、飼料中に約
0.01−100ppm、好ましくは約0.1−50ppmの一
般式(I)の化合物またはその生理学的に許容し得る塩
を含有するように混入すればよい。そのような飼料は治
療目的用および予防目的用の両方に使用できる。そのよ
うな飼料の製造は、一般に約0.5−30重量%、好ま
しくは約1−20重量%の一般式(I)の化合物または
その生理学的に許容し得る塩を飼料用の賦形薬との混合
物として含有する濃縮物または予備混合物を一般的な飼
料と混合することにより製造される。賦形薬は例えば、
好ましくは例えばトウモロコシ油もしくは大豆油の如き
少量の粉塵防止用の可食油を含有しているトウモロコシ
粉末またはトウモロコシおよび大豆粉末または鉱物性塩
類である。得られた予備混合物は飼料に均一に混入して
動物に与える。
【0038】家禽類、特に鶏、うずら、アヒル、鴨、ガ
チョウおよび七面鳥における胞子虫症の治療および予防
用には、一般に約0.01−100ppm、好適には約0.
1−50ppmの一般式(I)の化合物またはその塩を適当
な食用物質、例えば栄養飼料と混合して与える。投与は
飲水投与の形で行うこともできる。動物の治療に用いる
場合、具体的には例えば哺乳動物における胞子虫症また
はトキソプラズマ症の治療の場合には、一般式(I)の
化合物またはその生理学的に許容し得る塩を1kg体重当
り約0.5−100mgを毎日投与する。特に試験動物の
体重または投与方法や動物の型および本原虫剤に対する
個々の反応または調合方法およびそれを投与する時間ま
たは間隔によっては、上記の量に限定することなく投与
することが時には必要となるかもしれない。すなわち、
時には上記の最少量より少なくて充分であり、逆には上
記の上限を越えなければならない場合もある。大量投与
では、これらを1日にわたり数回の個別投与に分割する
ことが便利である。
【0039】魚類の適用は、経口的に例えば飼料を介し
て、あるいは飼育池から薬液中に移し、その中で一定の
時間(数分間から数時間まで)保持するような短時間処
置である「薬浴」により実施される。しかしながら、魚
の生育空間(例えばプール装置、水族館、タンクまたは
池)全体を一時的または永久処置を行うこともできる。
かかる場合、一般式(1)の化合物またはその生理的に
許容し得る塩は適宜用途に適した剤形で投与される。製
剤中の本抗原虫剤の濃度は約1ppm−10重量%であ
る。例えば魚類の薬浴として使用するまたは魚類の生育
空間の処置(プール処置)用としては、水で希釈又は懸
濁し得る1種以上の極性溶媒中に本抗原虫剤を含む溶液
が好ましい。この溶液の製造は、一般式(1)の化合物
またはその生理的に許容し得る塩を水溶性物質を含む極
性の水溶性溶媒中に溶解又は懸濁させるが、一般式
(1)の化合物またはその生理的に許容し得る塩の添加
後に、得られる水溶液の pHは7−10、なかでも約8
−10を示すことが好ましい。さらに、本発明化合物を
動物に投与することにより寄生原虫を防除し、これに起
因する疾病や死亡を減少させ、発育不良の改善や健康状
態の向上をはかることができるので、例えば肉、乳、毛
皮、卵、蜜などの生産における収量減少を防ぐことがで
きる。また鑑賞用および愛玩用動物を健康的に飼育する
ことが可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明のトリアジン誘導体は哺乳動物,
鳥類,淡水および海水魚類あるいは昆虫類の寄生原虫に
よる感染の予防ないし治療に優れた作用を示すととも
に、動物に対する毒性が少ないなど安全性に優れてい
る。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明をさ
らに詳細に説明するが、これらが本発明の範囲を限定す
るものでないことはいうまでもない。また、後述の実施
例で得られた本発明化合物の構造を〔表1〕に示す。
【表1】 実施例1
【化13】 J. Med. Chem., 34巻(6)1909−1910に記載
の合成法に準じて合成した上記式(Ih)の化合物2.3
g(6mmol)を酢酸100mlに加熱して溶解し、煮沸還
流下亜鉛末3.1g(48mmol)を少量ずつ10分間で
添加した。煮沸還流下2時間撹拌ののち、不溶物を熱時
濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣に氷水20mlを注
加し、晶出した上記式(10)の化合物の結晶を濾取
し、水洗後さらに少量のメタノールで洗浄後乾燥した。 収量2.1g 収率91.0% 融点267〜268°
〔白色プリズム状〕 H−NMR〔DMSO−d6〕δ 3.70(2H,d,J=8Hz),
4.20(2H,s), 6.50(1H,t,J=8Hz), 7.23(4H,q,J=8Hz), 7.
85(2H,s), 10.80(1H,s)
【0042】生物試験効果 試験例1 ニワトリを用いて本発明化合物のコクシジウムに対する
効力試験を行った。すなわち、9日令白色レグホーン種
雄ヒナ1群3羽とし、非感染非投薬対照区を除くすべて
の区のニワトリに、実験室標準株のアイメリア・テネラ
Eimeria tenella)の胞子形成オーシストを1羽当た
り5×104個を経口的に接種した。薬物は乾燥,粉砕
した本発明化合物を標準飼料(SDL No.1:日本配
合飼料(株)製)に31.3ppm 添加し、感染の24時
間前から感染合成8日目まで9日間、自由摂取法により
連続投与した。飼育期間中、各ヒナの体重を測定すると
共に血便の滴数を観察し、さらにオーシスト数を測定し
て抗コクシジウム効果を判定した。
【表2】 〔表2〕の試験結果から明らかなように、本発明化合物
試験区では感染区と比較して増体重比が増加し、優れた
抗コクシジウム作用を発揮することが見い出された。
【数1】 2)血便滴数:ヒナの腸から排泄された血便量をピーク
日の敷料に認められた1羽当たりの血痕数で表示。 3)OPG:糞1g中に排出されたオーシスト数(感染
後7日目) 4)ND:検出されず。
【0043】製剤例1 2−[4−(4−クロロベンジル)−3,5−ジクロロ
フェニル]−1,4,5,6−テトラヒドロ−1,2,4−
トリアジン−3,5(2H,4H)−ジオン(化合物No.1
0)25gを取り、355μm のふるいを全量が通過す
るように粉砕した後、米ぬかと油粕(1:1)975g
を加えて均一に混合した。 製剤例2 2−[4−(4−アセチルベンジル)−3,5−ジクロ
ロフェニル]−1,4,5,6−テトラヒドロ−1,2,4
−トリアジン−3,5(2H,4H)−ジオン(化合物No.
6)25gを取り、355μm のふるいを全量が通過す
るように粉砕した後、米ぬかと油粕(1:1)975g
を加えて均一に混合した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/675 AFH A61K 31/675 AFH C07F 9/6521 9450−4H C07F 9/6521

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】
  2. 【請求項2】請求項1記載のトリアジン誘導体もしくは
    その塩を含有する組成物。
  3. 【請求項3】抗原虫剤である請求項2記載の組成物。
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JP22089495 1995-08-29
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0831088A1 (en) * 1996-08-30 1998-03-25 Takeda Chemical Industries, Ltd. 1,2,4-Triazine-3,5-dione derivatives as anticoccidial agents

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0831088A1 (en) * 1996-08-30 1998-03-25 Takeda Chemical Industries, Ltd. 1,2,4-Triazine-3,5-dione derivatives as anticoccidial agents

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