JPH09124523A - メタノール中の亜鉛の除去方法および装置 - Google Patents

メタノール中の亜鉛の除去方法および装置

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JPH09124523A
JPH09124523A JP28978595A JP28978595A JPH09124523A JP H09124523 A JPH09124523 A JP H09124523A JP 28978595 A JP28978595 A JP 28978595A JP 28978595 A JP28978595 A JP 28978595A JP H09124523 A JPH09124523 A JP H09124523A
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JP
Japan
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methanol
exchange resin
filter
ion exchange
zinc
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JP28978595A
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English (en)
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Yoshiharu Tokunaga
義晴 徳永
Yutaka Tamura
豊 田村
Takashi Kayama
考 加山
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】メタノール輸送および貯蔵時に亜鉛等の不純物
により汚染され、熱交換器の伝熱効率が低下、材質の腐
蝕、反応管の差圧のばらつき、反応成績の低下などをも
たらす。 【手段】メタノール輸送手段又は貯蔵装置の受入又は出
口配管部にフィルターとイオン交換樹脂筒を設置し、メ
タノールを通液させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は輸送または貯蔵中に
汚染されたメタノール中の亜鉛を除去する方法およびそ
の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年メタノールは化学工業原料としてだ
けでなく、自動車や発電用エネルギー源として、その利
用価値が期待されている。このメタノールは海外の産油
国、産ガス国で大量に製造され、メタノールの消費地が
製造地域から遠距離のケースが多く、実際にはタンカー
で海上輸送され、またローリー等を用いて陸上輸送され
た後貯蔵される。この輸送および貯蔵に使用されるメタ
ノールタンカーおよびタンクの内面には乾燥時に鉄錆が
発生するのを防止するため、無機亜鉛系塗料がコーテン
グされており、この塗料中の亜鉛が長期間の輸送および
貯蔵中にメタノール中に溶出することが知られている。
またメタノールの輸送および貯蔵時には塩素イオン等の
不純物の混入が懸念される。一方、メタノールを使用す
る側では不純物質ができるだけ少ないことが望ましく、
受入れメタノールの厳密な品質検査が行われるようにな
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年メタノールの需要
はますます増大し、その用途も広くなりつつあるが、使
用範囲拡大に伴って一般的傾向として高純度のメタノー
ルが要求されている。上述の如くもしメタノールが輸送
および貯蔵時に亜鉛等の不純物により汚染され、もしこ
の汚染されたメタノールをそのまま各装置に利用した場
合には、蒸発器および反応器等の装置内に不純物が蓄積
する。この不純物が蒸発器に蓄積した場合には、熱交換
器の伝熱効率が低下することや材質が腐蝕すること等が
懸念される。また反応管に不純物が蓄積した場合には、
触媒性能に悪影響を及ぼすと共に、反応管の差圧にばら
つきが生じ、反応成績の低下をもたらすことが懸念され
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは上記のごとき
課題を有する輸送および貯蔵中に汚染されたメタノール
中の亜鉛の除去方法について鋭意検討した結果、メタノ
ールの輸送手段又は貯蔵装置の配管部にフィルターとイ
オン交換樹脂筒を設置することにより、メタノール中の
亜鉛等の不純物が極めて効率良く除去され、高品質のメ
タノールが供給できるようになること、およびフィルタ
ーとイオン交換樹脂筒の一体化された装置を該配管部に
取り付けることにより極めて容易に高品質のメタノール
が供給できるようになることを見い出し、本発明に到達
した。即ち本発明は、メタノール輸送手段又は貯蔵装置
の受入又は出口配管部にフィルターとイオン交換樹脂筒
を設置しメタノールを通液させることを特徴とするメタ
ノール中の亜鉛の除去方法、および上下段がフィルター
層で中段がイオン交換樹脂層である一体化されたメタノ
ール中の亜鉛の除去装置である。
【0005】本発明におけるメタノール輸送手段として
は、海上輸送の場合にはメタノール運搬船(タンカー)
が挙げられ、陸上輸送の場合にはローリー車などが挙げ
られる。また貯蔵装置としては各種の貯槽(メタノール
タンク)があり、特に大量のメタノールを取り扱うこと
から開放式の大型貯槽が用いられることが多く、貯蔵中
の気温の変動により大気中の微量成分からメタノールが
汚染され易い。また、輸送および貯蔵に使用されるメタ
ノールタンカーおよびタンク等の内面には、乾燥時の鉄
錆の発生を防止するため無機亜鉛系塗料がコーテングさ
れており、この塗料中の亜鉛が長期間の輸送および貯蔵
中に溶出しメタノールを汚染する。
【0006】本発明に使用されるフィルターは主に輸送
および貯蔵中に汚染された亜鉛分等の固形物を除去する
ものであり、孔径10μm 以下のテフロン製メンブレンフ
ィルターなどが好適に用いられる。このようなフィルタ
ーにおいてメタノールを通過させる流速はLSV(液空
間速度)として50〜500 Hr-1程度が好適である。また工
業的には取り外しが容易なカートリッジ型のフィルター
筒が有利である。
【0007】本発明に使用されるイオン交換樹脂は特に
制限されないが、耐有機物性能を有するイオン交換樹脂
が用いられ、マクロポアーを有するポーラス型イオン交
換樹脂は、耐有機性だけでなく、機械的、物理的強度も
備えているので好適に用いられる。ポーラス型イオン交
換樹脂としては、例えばスチレン系スルホン酸型強酸性
陽イオン交換樹脂やスチレン系4級アンモニウム型強塩
基性陰イオン交換樹脂が特に好適に用いられる。イオン
交換樹脂を通過させるメタノールの流速はLSVとして
50〜500 Hr-1程度が好適である。
【0008】海上輸送などにより汚染されたメタノール
には亜鉛のみでなく各種の陰イオンと陽イオンが含まれ
るので、双方のイオンを除去する目的で陰イオン交換樹
脂および陽イオン交換樹脂を通液を通過させることが望
ましい。これらのイオン交換樹脂はそれぞれの樹脂を別
々の筒に分けて充填し使用することもできるが、両樹脂
を混合して一筒式の混合床として使用でき、この一筒式
混合床は特に設備軽減の面から好適に用いられる。これ
らのイオン交換樹脂は、陰イオン又は陽イオンを含む水
溶液で再生、活性化した後、メタノールを通液すること
により精製される。
【0009】鉄錆発生防止のためにメタノールタンカー
およびタンクの内面にコーテングされた塗料中の亜鉛
は、メタノール中に溶出し固形状ならびにイオン状に存
在するため、フィルター塔とイオン交換樹脂塔を直列に
設置する必要がある。またイオン交換樹脂塔の出口にも
フィルターを設置することにより、イオン交換樹脂の微
粉がメタノール中に流入するのを防止することができ
る。さらにフィルターとイオン交換樹脂塔とを一体化し
た塔を設置することにより、設備をコンパクトにするこ
とができる。この場合には、塔は3段式とし上下段をフ
ィルター層、中段をイオン交換樹脂層とすることが望ま
しい。なお、フィルターにおいては輸送および貯蔵中に
汚染された鉄分等の固形物も除去することができる。ま
たイオン交換筒においては輸送および貯蔵中に汚染され
た塩素やアミン類等のイオン状物質も除去することがで
きる。
【0010】フィルターとイオン交換樹脂筒の設置方法
は立地、条件等によるが、例えばメタノール運搬船の出
口配管部にフィルターとイオン交換樹脂筒を設置する方
法、メタノール貯蔵タンク受け入れ前あるいはタンクか
らの出荷時にフィルターとイオン交換樹脂筒を通す方
法、タンクローリー等の輸送車にフィルター塔とイオン
交換樹脂筒を取付け、ローリーへの積み込み時あるいは
荷下ろし時にフィルターとイオン交換樹脂筒を通す方法
などがある。またメタノール貯蔵タンクから以後の用途
工程にパイプ等で連結されているときは、タンク出口も
しくは用途設備前にフィルターとイオン交換樹脂筒を通
すこともできる。なおこれらのフィルターとイオン交換
樹脂筒は配管の途中の好適な場所に設置されるが、簡単
に配管内部の好適部にフィルター層とイオン交換樹脂層
を設置することもできる。
【0011】
【実施例】次に実施例により本発明を更に具体的に説明
する。但し本発明はこれらの具体例により制限されるも
のではない。
【0012】参考例 工業用メタノール300gを濃縮し水で希釈して発光分
析を行った結果、この工業用メタノール中には0.08
57ppmの亜鉛の存在が認められた。
【0013】実施例1 イオン交換樹脂筒(カラム)と孔径1μmφのフィルタ
ーを直列に設置しメタノール中の亜鉛の除去実験を行っ
た。フイルターには径2cm、高さ6cmのメンブレン
フィルターを用い、イオン交換樹脂筒のカラムには、ス
チレン系スルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂及びスチ
レン系4級アンモニウム型強塩基性陰イオン交換樹脂を
等量混合し18.8ml充填した。参考例のメタノール
300gを使用して、イオン交換樹脂筒はL/D=3、
LSV=80Hr-1の条件で処理を行い、イオン交換樹脂
筒出口の亜鉛濃度を測定した。その結果、イオン交換樹
脂筒出口で亜鉛が検出されず、ほぼ100%の亜鉛が除
去されることが確認された。
【0014】比較例1 孔径1μmφのフィルターのみを用い、参考例のメタノ
ールを実施例1と同様に通過させ、出口の亜鉛濃度を測
定した。その結果0.0648ppmの亜鉛が存在して
おり、1μmφのフィルターを使用することで工業用メ
タノール中の亜鉛の約24.4%が除去できることが認
められた。
【0015】比較例2 イオン交換樹脂筒(カラム)のみを用いて、メタノール
中の亜鉛の除去実験を行った。参考例のメタノールを実
施例1と同様に通過させ、出口の亜鉛濃度を測定した。
その結果0.0209ppmの亜鉛が存在しており、こ
の処理条件で工業用メタノール中の亜鉛の約75.6%
が除去できることが認められた。
【0016】実施例2 孔径7μmφのフィルターを用い、参考例のメタノール
を実施例1と同様に通過させ、出口の亜鉛濃度を測定し
た。その結果0.0049ppmの亜鉛が存在してお
り、7μmφのフィルターを使用することで工業用メタ
ノール中の亜鉛の約94.3%が除去できることが認め
られた。
【0017】実施例3 イオン交換樹脂筒のLSVを500Hr-1とし、参考例の
メタノールを実施例1と同様に通過させ、出口の亜鉛濃
度を測定した。その結果0.0041ppmの亜鉛が存
在しており、参考例の工業用メタノール中の亜鉛の約9
5.2%が除去できることが認められた。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、メタノール輸送手段又
は貯蔵装置の配管中にフィルターとイオン交換樹脂筒を
設置することにより、メタノールの輸送および貯蔵中で
汚染されたメタノール中の不純物、特に鉄錆防止用コー
テング塗料の溶出に起因する固形状亜鉛とイオン状亜鉛
を極めて容易に、且つ安価で、安全に除去することがで
きる。本発明により、高品質のメタノールが供給され、
化学装置や燃焼装置の腐食、伝熱効率の低下及び触媒へ
の悪影響などのトラブルが解消されることになるので、
本発明の工業的意義は極めて大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタノール輸送手段又は貯蔵装置の受入又
    は出口配管部にフィルターとイオン交換樹脂筒を設置
    し、メタノールを通液させることを特徴とするメタノー
    ル中の亜鉛の除去方法
  2. 【請求項2】孔径が10μm 以下のフイルターを用い、強
    酸性陽イオン交換樹脂および強塩基性イオン交換樹脂を
    混合した単一筒であるイオン交換樹脂筒を用いる請求項
    1記載のメタノール中の亜鉛の除去方法
  3. 【請求項3】上下段がフィルター層で、中段がイオン交
    換樹脂層である一体化されたメタノール中の亜鉛の除去
    装置
JP28978595A 1995-11-08 1995-11-08 メタノール中の亜鉛の除去方法および装置 Pending JPH09124523A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO2016134856A1 (en) 2015-02-24 2016-09-01 L'Air Liquide Société Anonyme pour l'Etude et l'Exploitation des Procédés Georges Claude Plant and process for producing purified methanol

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