JPH09124425A - 抗菌剤 - Google Patents

抗菌剤

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JPH09124425A
JPH09124425A JP28733495A JP28733495A JPH09124425A JP H09124425 A JPH09124425 A JP H09124425A JP 28733495 A JP28733495 A JP 28733495A JP 28733495 A JP28733495 A JP 28733495A JP H09124425 A JPH09124425 A JP H09124425A
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JP
Japan
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antimicrobial
antibacterial
antibacterial agent
antimicrobial agent
metal
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JP28733495A
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English (en)
Inventor
Atsushi Doi
淳 土居
Takashi Osugi
高志 大杉
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 持続性、安定性、安全性に優れた抗菌剤を提
供する。 【解決手段】 白金、パラジウム、ルテニウムからなる
群から選択される少なくとも1種の金属、及び、担体か
らなる抗菌剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種材料に抗菌性
を付与することのできる抗菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、樹脂等に抗菌性を付与しようと
する場合、無機系抗菌剤、有機系抗菌剤が使用される。
このようなものとしては、例えば、特開平5−4341
4号公報には、銀イオン、亜鉛イオン等の金属イオンを
利用したものが開示されており、特開平4−32519
8号公報には、チアゾリン系化合物等の有機化合物を利
用したものが開示されている。
【0003】しかし、上記無機系抗菌剤は、抗菌効果の
持続性が低いという問題があった。このような問題を解
決するための技術として、例えば、金属イオンをゼオラ
イト等に担持させたり、表面の一部又は全部を何らかの
物質で被覆することによって抗菌効果の持続性を高めた
抗菌剤も提案されているが、依然として抗菌効果の持続
性は不充分であった。また、上記有機系抗菌剤は、無機
系抗菌剤よりも抗菌効果の持続性に優れるものの、抗菌
剤の溶出による抗菌性能の低下、溶出した抗菌剤の環
境、人体への安全性等の面で問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、持続性、安定性、安全性に優れ、各種材料に抗菌性
を付与することのできる抗菌剤を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、白金、
パラジウム、ルテニウムからなる群から選択される少な
くとも1種の金属、及び、担体からなる抗菌剤そのもの
に存する。
【0006】本発明においては、白金、パラジウム、ル
テニウムからなる群から選択される金属を、担体上に担
持したものを抗菌剤とする。白金等の貴金属を担体上に
担持したものは、従来、触媒作用に注目され、各種反応
において触媒として使用されていた。しかしながら、こ
れらのものが抗菌作用を有することは、いまだ知られて
おらず、本発明者らによって初めて確認された。上記金
属は、1種でもよく、2種以上を配合してもよい。
【0007】本発明における担体としては特に限定され
ず、例えば、アルミナ、シリカ、ゼオライト、チタニ
ア、リン酸アルミニウム、マグネシア、活性炭等が挙げ
られる。
【0008】上記金属を上記担体上に担持する方法とし
ては特に限定されず、例えば、上記金属を前駆体である
ヘキサクロロ白金(IV)酸等の金属錯体とした後、含
浸法、共沈法、沈着法、混練法、イオン交換法、溶融法
等で上記担体上に担持し、水素等による還元を行って金
属とする方法;上記担体の表面に微粒子状とした上記金
属を直接担持させる方法等を採用することができる。
【0009】担持された上記金属の状態は特に限定され
るものでないが、上記担体の表面の全面を被覆した状態
でないことが好ましい。また、上記金属は、上記担体表
面に露出していることが好ましい。
【0010】本発明においては、上述の方法等によっ
て、上記金属を上記担体に担持したものを使用するが、
このようなものとしては、例えば、貴金属触媒として一
般に市販されているものであってもよい。上記金属触媒
としては、例えば、パラジウム担持カーボン、パラジウ
ム担持アルミナペレット、パラジウム担持ゼオライトペ
レット、パラジウム担持シリカ球、ルテニウム担持カー
ボン粒、ルテニウム担持アルミナペレット等が挙げられ
る。
【0011】本発明の抗菌剤中の上記金属の含有量は、
0.01〜50重量%が好ましい。0.01重量%未満
であると、抗菌性が低下し、50重量%を超えると、コ
ストの面等で問題がある。
【0012】本発明の抗菌剤の形状は特に限定されず、
例えば、粉末、顆粒、ペレット、球状等が挙げられる。
【0013】本発明の抗菌剤は、各種材料の表面に担持
させて、抗菌性を発揮させることができる。
【0014】上記各種材料の表面に担持させるには、バ
インダーを用いて、バインダーが固化又は硬化すること
を利用して表面に担持させる方法が簡便である。上記バ
インダーとしては、マトリックス、又は、皮膜を形成す
るものであれば特に限定されない。このようなものとし
ては、例えば、合成樹脂、無機物等が挙げられ、更に、
有機、無機等の各種組成の一般に市販されている塗料等
を用いることもできる。
【0015】上記合成樹脂としては特に限定されず、例
えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、シリコーン樹脂等のポリマー;塗料等に使用される
各種硬化性モノマー及びオリゴマーの反応物等が挙げら
れる。上記硬化性モノマー及びオリゴマーとしては、例
えば、多官能(メタ)アクリレート化合物、不飽和ポリ
エステル樹脂等の熱硬化型、光硬化型、電子線硬化型等
の樹脂等が挙げられる。
【0016】上記無機物としては特に限定されず、例え
ば、ポルトランドセメント、マグネシアセメント、白色
セメント、アルミナセメント、シリカセメント、高炉セ
メント、フライアッシュセメント等のセメント;ゾルゲ
ル法により作製されるバルクや皮膜;金属等が挙げられ
る。これらは一般に使用されるものでよい。上記ゾルゲ
ル法においては、各種シランカップリング剤やテトラエ
トキシシラン等のアルコキシシランを利用したシランの
重縮合が一般的に利用される。上記塗料としては特に限
定されず、上記合成樹脂や上記無機物に顔料を添加した
有機塗料、無機塗料等が挙げられる。
【0017】本発明の抗菌剤は、上記バインダー中に分
散させて各種材料の表面に担持させることができる。
【0018】上記バインダーが熱可塑性樹脂である場合
は、本発明の抗菌剤を上記熱可塑性樹脂に混入させるこ
とにより得られる抗菌性樹脂組成物を、直接、射出成形
機、押出成形機等によって成形することによって、抗菌
性の成形体とすることにより、成形体表面に担持するこ
とができる。この場合において、高濃度の上記抗菌剤を
含有する上記抗菌性樹脂組成物をマスターバッチとして
使用してもよい。
【0019】上記バインダーが塗料である場合は、本発
明の抗菌剤を上記塗料に混入させることにより得られる
抗菌性塗料組成物を、成形体、プレート等の基体表面上
に塗布することにより、抗菌性の薄膜を形成することが
できる。この場合は、非常に少ない量の抗菌剤で、上述
の抗菌性樹脂組成物を直接成形することにより得られる
成形体と同等の抗菌効果を発現させることができる。
【0020】更に、本発明の抗菌剤を上記バインダー中
に分散させるのでなく、溶射、スパッタ等の方法で上記
バインダー最表面上のみに固定することで、更に微量の
抗菌剤で充分な抗菌効果を得ることができる。
【0021】本発明の抗菌剤をタイル等の陶器の表面に
担持させることも可能であり、例えば、釉薬付きのタイ
ル等に上記抗菌剤を塗布し、釉薬の軟化点以上の温度で
焼成を行うことにより、上記タイル等の表面上に上記抗
菌剤を担持させることができる。
【0022】本発明の抗菌剤により、上述のような抗菌
処理を行うことのできる基体や支持体としては特に限定
されず、例えば、塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリ
メチルメタクリレート(アクリル樹脂)、ABS樹脂、
ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエー
テルケトン等のプラスチック板、プラスチックフィル
ム;ガラス等の無機物質等が挙げられる。
【0023】本発明の抗菌剤は、例えば、各種建築材料
の表面に担持させて天井、壁等の抗菌処理を行うことが
できる。また、必要に応じて熱硬化型樹脂繊維補強材よ
りなる補強層と共に使用して、ハンドレイアップ法、ス
プレーアップ法、圧縮成形法等の一般的なゲルコート成
形方法により本発明の抗菌剤を担持させたFRP成形
体、人造大理石等の製造に利用することができる。更
に、プレス成形されるFRP成形体の表面に本発明の抗
菌剤を積層した後、プレス成形を行い硬化させることも
可能である。このようにして、例えば、浴槽、キッチン
カウンター、壁材等の抗菌防カビ処理を行うことができ
る。FRP成形体以外にも人工大理石の表面等に同様の
目的で使用することができる。
【0024】本発明の抗菌剤は、また、単体で溶液中に
分散させる方法、カラムに充填する方法等によって、空
気、水等の殺菌処理に使用することができる。上記カラ
ムとしては、例えば、本発明の抗菌剤を充填したガラス
カラム等が挙げられる。
【0025】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0026】実施例1 活性炭10gを10%硝酸で3時間水浴中で温めて濾過
し、充分水洗したものを少量の水で練り、これに100
mgのヘキサクロロ白金(IV)酸溶液を加えた。50
℃で4時間熱し、よくしみこませて放冷し、炭酸ナトリ
ウム水溶液でアルカリ性にして攪拌しながらヒドラジン
水化物を過剰量滴下した。2時間水浴上で熱して還元を
完了させた。触媒を濾別してから充分に熱水で水洗し、
デシケーター内で減圧乾燥することにより、約1%の白
金を担持する白金担持カーボン約8gを得た。得られた
白金担持カーボンを破砕して抗菌剤とした。
【0027】不飽和ポリエステル樹脂(V−262G、
三井東圧化学社製)100重量部に対して表1に示す配
合量で上記抗菌剤を配合し、分散機で1時間分散を行っ
た。更に、熱重合開始剤としてメチルエチルケトンパー
オキサイド55重量%ジメチルフタレート溶液4重量
部、硬化促進剤として金属分が6重量%であるナフテン
酸コバルト2重量部を加えて混合した。この混合物を予
め離型剤で処理した平板サンプル試作用のFRP製型に
約200μmになるよう塗布し、一旦80℃で15分硬
化した。冷却後、得られた塗膜上に上記不飽和ポリエス
テル樹脂に上記メチルエチルケトンパーオキサイド55
重量%ジメチルフタレート溶液を加えて混合した樹脂液
を上記FRP製型内に流し込み、硬化した後に上記FR
P製型より脱型し、抗菌性樹脂層を有する試験用プレー
トを得た。得られた試験用プレートの抗菌性能を下記方
法により評価した。結果を表1に示した。
【0028】評価方法 成形した状態のままの試験用プレート(表中「初期品」
と表示)並びに、試験用プレートを60℃の温水中に1
0日間浸漬した後、メタノール中で1時間振とうするこ
とで劣化処理したもの(表中「劣化品」と表示)の2種
類について評価した。
【0029】1.抗細菌性能 Heart Infusion Broth培地(25
g/l、DIFCO社製)を生理食塩水で100倍に希
釈したものの中に、表に示す試験菌が1×10 7 CFU
/mlになるように調製した試験菌液を分注した滅菌シ
ャーレ中に入れた試験用プレートの初期品及び劣化品上
に分注して蓋をした。シャーレを密封し、蛍光灯点灯
下、30℃で1日間培養した後、培養後の試験菌の生菌
数を通常のコロニ−カウント法により測定した。
【0030】2.抗真菌性能 予めポテトデキストロース寒天培地(日水製薬社製)上
で培養したカビ、酵母を白金耳によりかきとり、0.0
5%Tween80添加生理食塩水中に入れ、分散およ
び攪拌後、ガラスフィルターを用いて濾過を行った。得
られた濾液を10000rpm、15分間遠心操作し
て、上澄み液を除去して沈殿物(胞子)を得た。これに
ポテトデキストロース液体培地(DIFCOS社製)を
適量加えて、胞子懸濁液を調製した。ポテトデキストロ
ース寒天培地をオートクレーブ滅菌後、寒天が固まらな
いように45℃にてインキュベートし、これに上記胞子
懸濁液をポテトデキストロース寒天培地の1/10量加
えて攪拌した。滅菌シャーレ中に、試験用プレートの初
期品及び劣化品を入れ、これに上記胞子懸濁液入りポテ
トデキストロース寒天培地を50μlずつ滴下し、半球
状に固化させた。その後、シャーレを密封し、30℃に
て3〜5日培養した後、目視にて試験菌の生育を評価
し、試験菌の生育が認められない場合は○、試験菌の生
育が認められる場合は×とした。
【0031】実施例2 高純度γ−アルミナ10gを540℃に熱し、冷却後室
温で250mgのヘキサクロロ白金(IV)酸溶液をし
みこませ、120℃で一夜乾燥して200〜590℃で
4時間、更に、590℃で1時間熱して、約2%の白金
を担持する白金担持アルミナ約8gを得た。得られた白
金担持アルミナを粉砕したものを抗菌剤としたこと以外
は実施例1と同様にして試験用プレートを作製し、評価
した。結果を表1に示した。
【0032】実施例3 2%パラジウム担持カーボン(平均粒径10μm、エヌ
・イーケムキャット社製)を破砕して粒径1mm以下の
粒状としたものを抗菌剤としたこと以外は、実施例1と
同様にして試験用プレートを作製し、評価した。結果を
表1に示した。
【0033】実施例4 0.5%パラジウム担持アルミナペレット(粒径3.2
mm、エヌ・イーケムキャット社製)を破砕して粒径1
mm以下の粒状としたものを抗菌剤としたこと以外は実
施例1と同様にして試験用プレートを作製し、評価し
た。結果を表1に示した。
【0034】実施例5 0.5%パラジウム担持ゼオライトペレット(粒径3m
m、エヌ・イーケムキャット社製)を破砕して粒径1m
m以下の粒状としたものを抗菌剤としたこと以外は実施
例1と同様にして試験用プレートを作製し、評価した。
結果を表2に示した。
【0035】実施例6 0.5%パラジウム担持シリカ球(粒径3mm、エヌ・
イーケムキャット社製)を破砕して粒径1mm以下の粒
状としたものを抗菌剤としたこと以外は実施例1と同様
にして試験用プレートを作製し、評価した。結果を表2
に示した。
【0036】実施例7 0.5%ルテニウム担持カーボン粒(平均粒径4〜8m
esh、エヌ・イーケムキャット社製)を破砕して粒径
1mm以下の粒状としたものを抗菌剤としたこと以外は
実施例1と同様にして試験用プレートを作製し、評価し
た。結果を表2に示した。
【0037】実施例8 0.5%ルテニウム担持アルミナペレット(粒径3.2
mm、エヌ・イーケムキャット社製)を破砕して粒径1
mm以下の粒状としたものを抗菌剤としたこと以外は実
施例1と同様にして試験用プレートを作製し、評価し
た。結果を表2に示した。
【0038】比較例1 抗菌剤として、無機系の抗菌剤である銀ゼオライト(ゼ
オミック、品川燃料社製)を用いたこと以外は実施例1
と同様にして試験用プレートを作製し、評価した。結果
を表3に示した。
【0039】比較例2 抗菌剤として、有機系の抗菌剤であるジンクピリチオン
(ZINC OMADINE、日本オリン社製)を用い
たこと以外は実施例1と同様にして試験用プレートを作
製し、評価した。結果を表3に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】実施例9 実施例2において調製した抗菌剤を、内径3cm長さ1
0cmの円筒状のガラスカラム中に充填した。これにH
eart Infusion Broth培地(25g
/l、DIFCO社製)を生理食塩水で100倍に希釈
したもののなかに、E.coliが1×107 CFU/
mlになるように調製した試験菌液を70ml/hの流
速で通した後、処理後のE.coliの生菌数を通常の
コロニーカウント法で測定したところ、1×105 CF
U/ml以下であった。
【0044】
【発明の効果】本発明の抗菌剤は、上述の構成により、
抗細菌性や抗真菌性に優れるだけでなく、効果の持続
性、安定性に優れており、また、非溶出系であるため、
環境や人体へ悪影響を及ぼすおそれなく、各種材料の抗
菌処理を行うことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白金、パラジウム、ルテニウムからなる
    群から選択される少なくとも1種の金属、及び、担体か
    らなることを特徴とする抗菌剤。
JP28733495A 1995-11-06 1995-11-06 抗菌剤 Pending JPH09124425A (ja)

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JP28733495A JPH09124425A (ja) 1995-11-06 1995-11-06 抗菌剤

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