JPH09124395A - ダイヤモンド層、界面相及び金属基板を含んでなる多層系並びにそれらの層を得る方法 - Google Patents

ダイヤモンド層、界面相及び金属基板を含んでなる多層系並びにそれらの層を得る方法

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JPH09124395A
JPH09124395A JP8070909A JP7090996A JPH09124395A JP H09124395 A JPH09124395 A JP H09124395A JP 8070909 A JP8070909 A JP 8070909A JP 7090996 A JP7090996 A JP 7090996A JP H09124395 A JPH09124395 A JP H09124395A
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diamond
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JP8070909A
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Olivier Jean Christian Poncelet
ジャン クリスティアン ポンセル オリビエ
Jean-Jacques Edgar Garenne
エドガー ガレンヌ ジャン−ジャクー
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C16/00Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
    • C23C16/02Pretreatment of the material to be coated
    • C23C16/0272Deposition of sub-layers, e.g. to promote the adhesion of the main coating
    • C23C16/0281Deposition of sub-layers, e.g. to promote the adhesion of the main coating of metallic sub-layers
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属基板とダイヤモンド層との間に強接着力
を示す、金属基板、界面相及びダイヤモンド層を含んで
なる新規な多層系を提供する。 【解決手段】 金属基板、界面相及びダイヤモンド層を
含んでなる多層系であって、前記界面相が、式: Rn MXm (式中、Xは、ハロゲン原子であり、Mは、チタン、コ
バルト、ニッケル及び鉄から選ばれる金属であり、R
は、置換もしくは非置換のシクロペンタジエニル基であ
り、そしてn及びmは、nが少なくとも1に等しく、且
つn+mの合計が前記金属の原子価に等しい)の少なく
とも一種のメタロセン化合物の熱分解生成物から構成さ
れている多層系。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイヤモンド層、
界面相及び金属基板を含んでなる新規な多層系、並びに
この多層系の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ニッケル、コバルトもしくは鉄等の金属
触媒の存在下で50kバールを越える圧力及び1200
℃を越える温度を加えて、黒鉛のような炭素源からダイ
ヤモンドを合成する方法は長年に渡って知られている。
しかし、この技法によって生成されるダイヤモンドは、
常に微量の金属触媒を含んでいる。
【0003】化学蒸着法(CVD)によってダイヤモン
ドを合成することも可能である。この方法は、水素及び
炭化水素等の炭素源からなる気体混合物に、その水素を
原子の水素に、炭素源を活性炭素イオン、炭素原子もし
くはCH遊離基に分解するのに十分なエネルギーを与え
て、これらの種々の化学種をダイヤモンドを形成する基
板上に蒸着させることからなる。
【0004】前記ガスの分解は種々の技法によって達成
することができる。
【0005】例えば、密封可能なチャンバー及びポンプ
で部分真空を確立することができる内部から主に形成さ
れる反応器を用いる、いわゆる「プラズマCVD」法
(PECVD)を引用することができる。コートされる
部分(複数でもよい)を直流電源に接続されている金属
基板(基板キャリヤー陰極)に置く(必要ならば、シー
ルされた絶縁体を介す)。炭素含有気体(特に、一種以
上の炭化水素、通常、メタン、アセチレン、プロパンも
しくはブタンを含有し、水素及び必要に応じて希ガス、
特にアルゴンを加える)を、ポンプを操作しながら計量
バルブを通して反応器に導入することができる。
【0006】必要な圧力及び電源条件下で、前記ガスを
物理的及び化学的に励起して、原子が電子を失うように
イオン化し、気体混合物の「分解」を起こすプラズマを
形成し、分解生成物コートされるべき素子上に蒸着す
る。プラズマの容積は全域でイオンが加速されているい
わゆる「シーズ(sheath)」ゾーンで囲まれている(プ
ラズマ物理学)。この技法による蒸着は多くの刊行物の
テーマとなっている(例えば、Klages, Appl. Phys. A5
6 (1993) 513-526を参照されたい)。
【0007】別のCVD蒸着法は、いわゆるホットフィ
ラメントCVD蒸着(HFCVD)からなる(例えば、
Klages, Appl. Phys. A56 (1993) 513-526を参照された
い)。従って、ダイヤモンド層の蒸着のためには、一般
的に水冷式ステンレス鋼真空チャンバーを有する装置を
用い、この真空チャンバーは二段ポンプで排気されてい
る。コートされる部分を、約2000℃の温度をもたら
すフィラメント(その作用は、ガス分子を次に蒸着でき
るように元素分子に分解することである)が配置されて
いるの近傍で、基板キャリヤー上に置く。フィラメント
は、例えば、タングステン、タンタルもしくはレニウム
となることができる。
【0008】「電子アシストCVD法」と呼ばれるもう
一つの技法によると、減圧条件下で水素及び炭化水素か
らなる気体混合物の雰囲気中で、基板の頂部を少なくと
も400℃の温度に維持する。基板の上部面を、前記表
面上にダイヤモンド結晶核の形成を引き起こす電子の砲
撃に曝す。これらの核が成長して、ダイヤモンドの薄層
を形成する。そのような技法は、米国特許第4,74
0,263号明細書に詳細に記載されている。
【0009】また、本発明の適用分野は、周知のタイプ
の真空蒸着装置の全てを包含する。これらの装置は特許
文献の多くの刊行物のテーマとなっているので、特に詳
述する必要はないであろう。多くの刊行物では、ダイヤ
モンド層を金属基板、特にチタンもしくはチタン合金基
板上に蒸着している。それらの大きな剛性、それらの硬
度、それらの熱伝導度及びそれらの耐腐食性のために、
これらのダイヤモンド層には非常に多くの用途がある。
【0010】しかし、金属基板上にダイヤモンド層を得
ることは非常に困難である。例えば、チタンもしくはチ
タン合金基板に付着させてダイヤモンド層を作ることは
非常に困難である。これは、チタンもしくはチタン合金
の高反応性と、ダイヤモンドの高い化学的安定性とが衝
突するからである。多くの刊行物では、金属基板とダイ
ヤモンドの間の接着を高めようとする手段が記載されて
いる。例えば、M D Drory 及びJ W Hutchinsonによる論
文には、研摩のような機械的な処理によってダイヤモン
ドの表面を不整にする試みがなされている。この技法の
大きな欠点は、最終的な系表面の不均一性である。
【0011】また、金属基板とダイヤモンド面との間の
接着を中間層を加えて改良する試みもなされた。例え
ば、フランス国特許第2275567号明細書には、金
属基板及びダイヤモンドの構成を含んでなる固溶体から
なる中間層を、金属基板とダイヤモンド層との間に導入
した。
【0012】米国特許第5,009,966号明細書で
は、チタン基板と硬質セラミック、金属もしくはダイヤ
モンド層(CVDによって蒸着した)との間に、電着に
よって得られる不反応性貴金属の中間層を導入すること
によって接着の問題を軽減する試みがなされた。CVD
により硬質層を蒸着する前そして中間層を電着した後、
この基板中間層堆積物を、不活性ガスの存在下で200
℃〜300℃で加熱処理する。
【0013】日本国特許出願JP−60231494号
明細書では、ダイヤモンド粉末がプラズマアシストCV
D法によって得られている。そのプラズマは、水素、メ
タン及びメタロセンからなっていた。この方法は、ダイ
ヤモンド粉末を、得ようとする研磨粉末として用いられ
る粒径10-2μm〜10-1μmにすることができる。
【0014】この方法では、メタロセンを用いてダイヤ
モンド粉末の研磨水準を改良する。金属基板上にダイヤ
モンド層を形成する際に遭遇する接着の問題は、そのよ
うな粉末を形成すると生じない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従って、金属基板とダ
イヤモンド層との間に強接着力を示す、金属基板、界面
相及びダイヤモンド層を含んでなる新規な多層系、並び
に容易に実行できるそのような系の形成方法を提供する
ことが特別な関心事である。
【0016】
【課題を解決するための手段】この目的を、金属基板、
界面相及びダイヤモンド層を含んでなる多層系であっ
て、前記界面相が、式Rn MXm (式中、Xは、ハロゲ
ン原子であり、Mは、チタン、コバルト、ニッケル及び
鉄から選ばれる金属であり、Rは、置換されていても置
換されていなくてもよいシクロペンタジエニル基であ
り、そしてn及びmは、nが少なくとも1に等しく、n
+mの合計が前記金属の原子価に等しい)の少なくとも
一種のメタロセン化合物の熱分解生成物から構成されて
いる多層系によって、本発明に従って達成する。
【0017】
【発明の実施の形態】例えば、シクロペンタジエニル基
(複数でもよい)は、炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝
鎖アルキル基で、一つ以上の位置において置換されるこ
とができる。本発明に従うと、メタロセンは、好ましく
は、式(η5 −C55n TiXm (ここで、XはC
lもしくはBrであり、nは少なくとも1に等しく、好
ましくは2であり、n+mの合計は4に等しい)のチタ
ノセンである。好ましい態様では、前記チタノセンは、
(η5 −C552 TiCl2 である。
【0018】
【化1】
【0019】本発明の範囲内で使用することができる金
属基板は、すくなくとも600℃の温度に耐える基板で
ある。例えば、この基板は、鋼、合金、シリコン(ドー
プされているかそうでないもの)、チタンもしくは酸化
チタン、ハフニウム、モリブデン、タングステン、銅、
コバルト、クロム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム
又はそれらの金属の酸化物からなる基板である。
【0020】好ましい態様では、この金属基板をチタン
もしくはチタン合金から作成する。そのような基板は電
導性であり、容易に形作ることができる。
【0021】本発明の多層系を、(1)金属基板上に少
なくとも一種のメタロセンを含む中間層を付着させるこ
と、(2)前記メタロセン化合物の分解温度を越える温
度でこの中間層を熱分解させること、及び(3)化学蒸
着によってダイヤモンド層を形成すること、からなる方
法によって得ることができる。本発明に従うと、メタロ
センの熱分解中及び/もしくは熱分解後にダイヤモンド
層を蒸着してもよい。
【0022】本発明では、前記メタロセン化合物を、一
般的に500℃よりも高い温度で分解する。
【0023】チタノセンを用いる場合、この温度は、少
なくとも700℃であり、好ましくは700〜1000
℃である。メタロセン(特に、チタノセン)は、空気と
の接触時に反応する物質であり、その取扱を困難にして
いる。本発明では、メタロセンに関して、不活性な有機
ポリマーから形成される固体の不活性媒体、例えば、Nu
jol (商標)のようなパラフィンにこのメタロセンを分
散してこの不利益を軽減することができる。パラフィン
中でのメタロセンのこの分散は、金属基板上で何の困難
もなく行われる。
【0024】さらに、パラフィンは、炭素の補助的な供
給源として作用して、ダイヤモンドの形成に有利に寄与
する。他の技法を用いて(例えば、蒸着、昇華もしくは
真空蒸着)、メタロセンを金属基板上に付着させること
ができる。本発明の系のダイヤモンド層を、例えば、ホ
ットフィラメントCVD(HFCVD)法、プラズマア
シストCVD(PECVD)法、もしくは電子アシスト
CVD(EACVD)法等の蒸着技法によって得ること
ができる。
【0025】これらの層を、一般的に、キャリアガス、
少なくとも一種の炭素源及び可能な場合はドーピング剤
を含む気体混合物から得る。キャリヤーガス(反応性及
び/もしくは単なるキャリヤーとなることができる)
は、多数気体の混合物を構成する。このキャリヤーガス
は一般的に水素であり、それはダイヤモンドの形成に必
須である。キャリヤーガスは、水素に加えて、アルゴ
ン、ヘリウムもしくはキセノン等の希ガスを含むことも
可能である。ある場合では、少量の酸素を反応チャンバ
ーに導入することが有利となる。
【0026】炭素源は、一種以上の炭化水素(例えば、
メタン、プロパン、ブタン、アセチレン、不飽和炭化水
素)、アルコール類、ケトン類等からなる。通常、メタ
ンを用いる。キャリヤーガス及び炭素源を混合もしくは
分離して反応チャンバーに導入することができる。
【0027】本発明の一つの態様では、反応チャンバー
内気体混合物の0.5容積%〜10容積%は炭素源(好
ましくは、メタン)であり、可能な場合1容量%以下の
ドーピング剤を含み、100%に対する残量はキャリヤ
ーガスで表され、好ましくは水素である。本発明の枠組
み内で、例えば米国特許第5,162,886号明細書
に引用されるドーパントを使って、ダイヤモンド層をド
ープすることができる。用いることができるドーパント
は、例えば、ホウ素、リチウム、ベリリウム、窒素、リ
ン、イオウ、塩素、ヒ素及びセレンである。
【0028】最も一般的なドープされたダイヤモンド
は、アミノ−ボラン、BH3 、B26 、B23 から
選ばれるドーピング剤を用いて得ることができる、ホウ
素でドープされたダイヤモンドである。これらのアミノ
−ボランは、例えば、次の化合物:(CH33 N.B
3 、(C253 N.BH3 、(CH32 NH.
BH3 、[(CH32 CH]2 NC25 .BH3
(CH33 CNH2 .BH3 、C65 N(C2
52 .BH3 、及び(C553 N.BH3 から
選ばれる。
【0029】低蒸気圧のアミノ−ボランを用いる場合、
アンモニアのような活性化剤が有効となるであろう。好
ましくは、反応チャンバー(1)内でのこの活性剤の量
は、0.01〜1容積%である。本発明の多層系が電導
性基板上でドープされたダイヤモンド層(換言すれば、
電導性のダイヤモンド層)を含む場合、それをダイヤモ
ンド電極を作るのに有利に用いることができる。この場
合、ドープされたダイヤモンド層の電導性を小さくする
金属酸化物の形成を避けるために非酸化条件下で、メタ
ロセン化合物の熱分解を達成しなければならない。
【0030】本発明では、非酸化条件下でのメタロセン
化合物の熱分解を、不活性ガス下(例えば、アルゴンも
しくは窒素)、又は還元雰囲気(例えば、水素)中で達
成する。
【0031】本発明の系を用いて得られる電極は、基板
とダイヤモンド層との間の接着が大きく改良されてい
る。本発明の多層系を用いるこの様式では、前記系の厚
さは、3μmと1mmとの間であり、好ましくは10μ
mと100μmとの間であり、そしてその電気抵抗は、
100Ω未満であり、好ましくは10Ω未満である。
【0032】これらのダイヤモンド電極は、フェノール
類、ヒドロキノン類もしくはその誘導体の一種、グリコ
ール、フェニレンジアミン、フェニドン、アミノアルコ
ール、ヒドロキシメチルベンゼン、カルボン酸、ホスフ
ェート等のキレート剤、アミノカルボン酸、ヒドロキシ
カルボン酸等を含むことができる経時した(seasoned)
写真浴の電気酸化に特に有効である。
【0033】これらの高い化学的安定性のために、本発
明のホウ素ドープされたダイヤモンド層を、エレクトロ
ニクスもしくはオプトエレクトロニクス、例えば、ダイ
オードの製造に用いることもできる。
【0034】
【実施例】次の例では、本発明の多層系のダイヤモンド
層を、ホットフィラメントCVDによって得た。図1に
記載したこの技法を実施するための装置は、一般的にス
テンレス鋼真空チャンバー(1)を有する。真空チャン
バー(1)を冷却する手段(示されていない)を用意
し、この真空チャンバーを二段階ポンプ(2)を用いて
排気する。コートされる基板(3)を基板キャリヤー
(4)に横たえ、その近くに約2000℃の温度をもた
らすタングステンもしくはタンタルフィラメント(5)
を配置する。その作用は気体分子をその後蒸着される元
素に分解することである。フィラメントを二つの銅電極
の間に固定する。電流強度は一定に維持され、フィラメ
ントの長さと性質に左右される。
【0035】一般的に、フィラメントと基板との距離は
10mm程度である。水素、メタン並びに可能な場合は
ドーピング及びアンモニアを含有する気体混合物を用い
る。フィラメント及び基板を最初に蒸着温度より下に加
熱する。この温度は水素雰囲気(圧力約60ミリバー
ル)で800℃程度である。そしてメタンを反応チャン
バーに導入する。ドーピング剤をH2 /CH4 気体混合
物と同時にもしくは遅れて導入することができる。
【0036】固体形態のドーピング剤用いる場合、必要
に応じて気化装置(6)を用いることができる。この装
置(6)は、簡単なサーモスタットで調温された密閉箱
もしくは昇華器であってもよい。
【0037】例1 (η5 −C552 TiCl2 (Strem 製)0.3g
を、無水パラフィンオイル1g中に分散させた。このよ
うにして固体ペーストを形成した。このパラフィンオイ
ルは、前記混合物を大気中で保存できるようにする保護
疎水性バインダーとしてはたらく。
【0038】そして、チタン基板をこのペーストでコー
トした。このようにコートした基板を、還元雰囲気中
で、図1のホットフィラメントCVD装置の反応チャン
バー(1)に置いた。チタノセンを熱分解するために、
この基板を数分間(15分〜1時間)、減圧下700℃
で加熱した。
【0039】反応チャンバー内で、主として水素及び約
2%のメタンからなる気体混合物を得るために、上記操
作条件で、6時間かけて水素及びメタンを反応チャンバ
ーに導入した。このようにして、チタノセンの分解生成
物からなる界面相上にダイヤモンド層を形成した。チタ
ン基板に強固に接着したダイヤモンド層をこのようにし
て得た。
【0040】本発明の多層系のダイヤモンド層のラマン
スペクトル(図2)及び電子顕微鏡写真(図3)は、ダ
イヤモンドの結晶構造を示し、本発明の中間層の存在が
ダイヤモンドの形成を妨げないことを証明した。
【0041】例2 ドーピング剤(トリメチルアミノボラン、周囲温度に維
持された閉鎖容器(6)中に置かれている)を、ダイヤ
モンド層形成時に反応チャンバーに導入した以外は、例
1の操作を繰り返した。アミノ−ボラン蒸気は、自然に
反応チャンバーに進んだ。
【0042】反応チャンバー内で、主として水素、約2
%のメタン及びトリメチルアミノボラン(1%以下の
量)からなる気体混合物を得るために、上記操作条件
で、6時間かけて水素及びメタンを反応チャンバーに導
入した。このようにして、チタン基板に強固に接着した
ホウ素ドープされた電導性ダイヤモンド層を得た。
【0043】得られたダイヤモンド層のラマンスペクト
ルは、図2のものと同じであった。
【0044】例3 本発明の界面相なしに、例1と同様の操作条件下でチタ
ン基板上にダイヤモンド層を成長させた。このようにし
て測定可能な接着性を示さないダイヤモンド層を得た。
金属基板とダイヤモンド層との間の接着性が無いので、
そのような多層系を電極として使用することは考えられ
ない。
【0045】例4 チタン基板上の例2の多層系(本発明)を電極として用
い、経時した現像浴を模したフェノール(1000pp
mのフェノールを含有する溶液60ml)及びNa2
4 (0.5モル)を含有する溶液を、電流密度100
mA/cm2 で、電気酸化した。
【0046】本発明の電極を9時間用いた。この電極の
性能を使用した電気量の関数として化学的酸素要求量
(COD)の減少を通して評価する(図4参照)。実験
結果によると、酸素要求量は70%まで下がった(初期
値:2320mg、最終値:710mg)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることができるフィラメントCV
D(HFCVD)装置。
【図2】本発明によって得られたダイヤモンド層のラマ
ンスペクトル。
【図3】得られたドープダイヤモンドの結晶構造の電子
顕微鏡写真。
【図4】本発明の系を電極として使用した効果を示すグ
ラフ。
【符号の説明】 1…反応チャンバー 3…基板 4…基板キャリヤー 5…フィラメント

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基板、界面相及びダイヤモンド層を
    含んでなる多層系であって、前記界面相が、式: Rn MXm (式中、Xは、ハロゲン原子であり、 Mは、チタン、コバルト、ニッケル及び鉄から選ばれる
    金属であり、 Rは、置換もしくは非置換のシクロペンタジエニル基で
    あり、そしてn及びmは、nが少なくとも1に等しく、
    且つn+mの合計が前記金属の原子価に等しい)の少な
    くとも一種のメタロセン化合物の熱分解生成物から構成
    されている多層系。
  2. 【請求項2】 前記シクロペンタジエニル基(複数であ
    ってもよい)が、一つ以上の位置で直鎖もしくは分枝鎖
    の炭素数1〜5のアルキル基で置換されている請求項1
    に記載の多層系。
  3. 【請求項3】 前記メタロセンが、式: (η5 −C55n TiXm (式中、Xは、ClもしくはBrであり、 n及びmは、nが少なくとも1に等しく、且つn+mの
    合計が4に等しい)のチタノセンである請求項1に記載
    の多層系。
  4. 【請求項4】 前記チタノセンが、(η5 −C55
    2 TiCl2 である請求項3に記載の多層系。
  5. 【請求項5】 前記金属基板が、チタンもしくはチタン
    合金からなる請求項1に記載の多層系。
  6. 【請求項6】 前記界面相が、非酸化条件下でのメタロ
    セン化合物の分解生成物からなる請求項1に記載の多層
    系。
  7. 【請求項7】 前記基板が電導性であり、前記ダイヤモ
    ンドがドープされている請求項6に記載の多層系。
  8. 【請求項8】 前記基板が、チタンもしくはチタン合金
    から作られ、前記ダイヤモンドがホウ素でドープされて
    いる請求項7に記載の多層系。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれか一項に規定の多
    層系からなるダイヤモンド電極。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の電極を、経時した写
    真浴の電気酸化のために使用する方法。
  11. 【請求項11】 金属基板、界面相、並びに少なくとも
    一つの炭素源及びキャリヤーガスを含んでなる気体混合
    物を用いる化学蒸着によって得られるダイヤモンド層を
    含んでなる多層系の製造方法であって、 (1)少なくとも一種のメタロセン化合物を含む中間層
    を、前記金属基板上に付着させること、 (2)この中間層の前記メタロセン化合物を、メタロセ
    ンの分解温度を越える温度で熱分解させること、及び (3)ダイヤモンド層をCVDによって形成すること、
    を特徴とする多層系の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記ダイヤモンドの形成を前記メタロ
    センの熱分解中及び/もしくは熱分解後に達成する、請
    求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 化学蒸着、昇華もしくは真空蒸着によ
    って、前記メタロセンを金属基板上に付着させる請求項
    11に記載の方法。
  14. 【請求項14】 不活性バインダーの混合物として、前
    記メタロセンを金属基板上に付着させる請求項11に記
    載の方法。
  15. 【請求項15】 前記メタロセンが、式: (η5 −C55n TiXm (式中、Xは、ClもしくはBrであり、 n及びmは、nが少なくとも1に等しく、且つn+mの
    合計が4に等しい)のチタノセンである請求項11に記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 前記メタロセンを、非酸化条件下で熱
    分解する請求項11〜15のいずれか一項に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 前記ダイヤモンド層をドーピング剤の
    存在下で形成し、そして前記基板が電導性である請求項
    16に記載の方法。
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