JPH0912392A - シリコン単結晶の成長方法及び該方法により引き上げられたシリコン単結晶 - Google Patents

シリコン単結晶の成長方法及び該方法により引き上げられたシリコン単結晶

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JPH0912392A
JPH0912392A JP15792295A JP15792295A JPH0912392A JP H0912392 A JPH0912392 A JP H0912392A JP 15792295 A JP15792295 A JP 15792295A JP 15792295 A JP15792295 A JP 15792295A JP H0912392 A JPH0912392 A JP H0912392A
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Toshiyuki Fujiwara
俊幸 藤原
Hideki Fujiwara
秀樹 藤原
Shuichi Inami
修一 稲見
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 坩堝1内の下方にシリコン単結晶用原料の固
体層19を、坩堝1上方のシリコン融液よりなる溶融層
13と共存させ、坩堝1周囲に設置されたヒータ2の加
熱により固体層19を溶融させつつ、坩堝1およびシリ
コン単結晶16を所定の回転速度で回転させつつ、溶融
層13からシリコン単結晶16を引き上げて成長させる
結晶成長方法において、シリコン単結晶16を引き上げ
て成長させるのに伴ない、坩堝1の回転速度を上昇させ
ることを特徴とするシリコン単結晶1の成長方法。 【効果】 含有酸素濃度が14×1017atms/cm
3 以下と低く、かつ結晶成長方向に均一な酸素濃度分布
を有するシリコン単結晶1を成長させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコン単結晶の成長方
法及び該方法により引き上げられたシリコン単結晶に関
し、より詳細には半導体材料として使用される、含有酸
素濃度が低く、かつ成長方向に均一な酸素濃度分布を有
するシリコン単結晶の成長方法及び該方法により引き上
げられたシリコン単結晶に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶を成長させるには種々の方法があ
るが、その方法の一つにチョクラルスキー法(以下、C
Z法と記す)がある。図4は従来のCZ法に用いられる
結晶成長装置を模式的に示した断面図であり、図中31
は坩堝を示している。坩堝31は有底円筒形状の石英製
内層保持容器31aと、この内層保持容器31aの外側
に嵌合された有底円筒形状の黒鉛製外層保持容器31b
とから構成されており、坩堝31は図中矢印方向に所定
速度で回転する支持軸38に支持されている。この坩堝
31の外側には抵抗加熱式のヒーター32が同心円状に
配置されており、坩堝31内にはこのヒーター32によ
り溶融された結晶用原料の溶融液33が充填されてい
る。また坩堝31の中心軸上には、支持軸38と同一軸
心で同方向又は逆方向に所定の速度で回転する、引き上
げ棒、ワイヤ等からなる引き上げ軸34が吊設されてお
り、この引き上げ軸34にはシードチャック37が取り
付けられている。そしてシードチャック37の先に取り
付けられた種結晶35を溶融液33の表面に接触させ
て、引き上げ軸34を一般に坩堝とは反対方向に回転さ
せつつ上方へ引き上げることにより、溶融液33を凝固
させて(シリコン)単結晶36を成長させている。
【0003】ところで、半導体結晶をこの引き上げ方法
で成長させる場合、単結晶36の電気抵抗率、電気伝導
型を調整するために、引き上げ前に溶融液33中に不純
物元素を添加(ドーピング)する。しかし通常のCZ法
においては、いわゆる偏析現象により、添加した前記不
純物の濃度が単結晶36の結晶成長方向に沿って変化し
てゆき、その結果、結晶成長方向に均一な電気的特性を
有する単結晶36が得られないという問題があった。
【0004】この偏析は、凝固の際の溶融液33と単結
晶36との界面における単結晶36中の不純物濃度Cs
と溶融液33中の不純物濃度Clとの比Cs/Cl(実
効偏析係数ke)が1でないことに起因している。例え
ば実効偏析係数ke<1の場合、単結晶36が成長する
に伴って溶融液33中の不純物濃度が次第に高くなって
いき、単結晶36の引き上げ方向に偏析が生じるのであ
る。
【0005】前記偏析はPfannの式の名で知られる
下記の数1式で表わされる。
【0006】
【数1】Cs =ke・Cc (1−fske-1 ke:実効偏析係数 Cs :結晶中不純物濃度 Cc :結晶引き上げ開始時溶融液中不純物濃度 fs :結晶引き上げ率(使用結晶用原料重量に対する結
晶重量の比) 特に、シリコン単結晶36に対し不純物として広く用い
られるのは、P、B等の元素であり、これらのシリコン
に対する偏析係数は1より小さい(Pは0.35、Bは
0.8)ため、結晶成長方向に沿って不純物濃度が増加
する。
【0007】半導体材料として使用される単結晶36中
の不純物濃度と電気抵抗率との間には、ほぼ逆比例の関
係があるため、単結晶36中の不純物が偏析すると単結
晶36の電気抵抗率が一定にならず、所望の電気抵抗率
から外れるため、電気抵抗率の歩留りに限界があるとい
う問題があった。
【0008】一方、単結晶36の特性を左右する他の大
きな因子として、単結晶36中の酸素濃度がある。以
下、CZ法により得られた単結晶36中の酸素濃度に関
して説明する。
【0009】CZ法により得られたシリコン単結晶36
中には、引き上げ中に石英製内層保持容器31aより混
入した酸素原子が10〜22×1017atms/cm3
含有されており(酸素濃度の測定法は、ASTM F−
121(1979)による。以後同様)、結晶格子間に
存在する前記酸素原子は過飽和の状態になっている。
【0010】この過飽和に含まれる酸素原子はシリコン
単結晶36中に固溶されず、冷却されるに従って酸素析
出物を形成する。そしてこの酸素析出物の成長過程にお
いて歪を緩和させるため、シリコン原子の放出、空孔の
放出、パンチアウトと呼ばれる転移ループの発生等の現
象を惹き起こす。また、格子間に存在するシリコン原子
は、高温熱処理時に酸素析出物の周囲に移動し、積層欠
陥を伴った転移ループを成長させる。
【0011】このような過飽和の酸素により発生する結
晶欠陥が、ウエハ表面から深いところ、すなわちデバイ
スの活性領域よりも深いところに存在する場合には、
ウエハ中に発生した転移を固着し、ウエハの硬度を増大
させ(阿部ら著「シリコン結晶とドーピング」電子材料
シリーズ、丸善、p2−3、p119−121(198
6))、ウエハの熱処理過程において酸素析出物(シ
リコンOx)を成長させてその周りに歪を発生させ、デ
バイス工程でウエハの表面領域に侵入する不純物を捕獲
し(以下、イントリンシックゲッタリングと記す)、デ
バイスの活性領域の汚染を防止するという利点を有す
る。
【0012】ところが、酸素析出物や転位がウエハ表面
のデバイス活性領域に存在すると、リーク電流を増大さ
せる原因となり、デバイス特性を劣化させるという問題
が生じる。特に、ウエハを熱酸化させる場合、熱酸化中
にウエハ表面より成長する酸化膜から放出される格子間
シリコン原子によって成長する積層欠陥を伴った転位ル
ープ(酸素誘起積層欠陥(OSF))がウエハ表面近傍
に発生するという問題がある。従来のデバイス工程で
は、このような酸素に伴う表面近傍での欠陥(OSF)
の発生よりも、ウエハ表面の重金属による汚染の方が問
題となり、酸素濃度を意図的に上げ、過飽和に存在して
いた酸素を析出させてイントリンシックゲッタリングを
行うことの方が重要視されていた。しかし、近年デバイ
ス工程のクリーン化が進み、このようなイントリンシッ
クゲッタリングを必要としないものも出現してきてお
り、これに伴いウエハ中に過飽和の酸素を存在させて単
結晶36中の重金属汚染を防止する利点より、過飽和に
存在する酸素がウエハ表面近傍で析出することによるデ
バイスの活性領域の劣化の問題の方が大きくクローズア
ップされてきている。
【0013】上記した理由により、今までとは逆に酸素
の析出が起こりにくい低酸素濃度のウエハが急速に要求
されるようになってきている。
【0014】しかし、前述したようにCZ法で製造可能
なシリコン単結晶36の酸素濃度下限は10×1017
tms/cm3 より高く、これ以下の低酸素濃度のシリ
コン単結晶をCZ法により得ることは困難であるといっ
た問題があった。
【0015】この酸素濃度下限を解決する方法として磁
場印加CZ法(以下、MCZ法と記す)が知られてい
る。前記MCZ法は、図4に示した装置において、磁石
(図示せず)により、溶融液33に外部から磁場を印加
し、導電性の溶融液33の流動を抑制する事で酸素濃度
の制御を行う方法である。この方法においては前記磁場
の印加強度及び方向を調整することによりシリコン単結
晶36中の酸素濃度を1〜30×1017atms/cm
3 の範囲で制御することができる(志村史夫著「半導体
シリコン結晶工学」、丸善(1993)、p68−7
2、および干川圭吾編著「バルク結晶成長技術」アドバ
ンストエレクトロニクスシリーズI−4 培風館(19
94)、p85−92)。
【0016】しかしながら、前記MCZ法によれば酸素
濃度の制御が広範囲で可能となる一方、不純物の偏析に
より電気低効率の歩留りに限界があるという問題はCZ
法と同様に解決されず、また、磁場を印加するための磁
石などの付帯設備が多くなり、結晶成長装置の大型化を
伴うという問題もあった。
【0017】結晶成長装置の大型化の必要がなく、不純
物の偏析を抑制することができ、更にCZ法で不可能な
低酸素濃度のシリコン単結晶を磁場を印加することなく
製造する方法として、二層引き上げ法(double layered
Czochralski法:以下DLCZ法と称す)が知られてい
る(干川圭吾編著「バルク結晶成長技術」アドバンスト
エレクトロニクスシリーズI−4 培風館(199
4)、p115−120)。
【0018】図5は従来のDLCZ法に用いられる単結
晶成長装置を示した模式的断面図であり、図4に示した
ものと同様に構成された坩堝41内の上部にある原料を
ヒーター42を使用して溶融させることにより、上層に
は溶融層43を、また下層には固体層49を形成する。
そして、引き上げに伴って、ヒーター42を少しづつ下
降させることにより固体層49を次第に溶融させていき
ながら、後は上記したCZ法による引き上げ方法と同様
の方法で単結晶46を成長させる。
【0019】このDLCZ法には、不純物の偏析を防止
するため、以下の4種類の方法が知られている。
【0020】 溶融層厚一定法としては、単結晶46
を引き上げる際、引き上げられた単結晶46の量に拘ら
ず、ヒーター42を上側から下側へ移動させ、坩堝41
内における溶融層43の体積を一定に保つように固体層
49を溶融させていく方法であり、特公昭34−824
2号公報、特公昭62−880号公報及び実公平3−7
405号公報等に開示されている。この方法では、実効
偏析係数keの値に拘らず、単結晶46の成長に伴って
新たに不純物濃度の低い固体層49を溶融させ、溶融層
43中の不純物濃度を低下させる。そして、不純物濃度
を調節するために不純物を溶融層43に連続的に添加
し、溶融層43中の不純物濃度をほぼ一定に保って単結
晶46中における不純物の偏析を抑制している。
【0021】 また同じく溶融層厚一定法として、融
液中に不純物を含有させてから固体層49を形成し、不
純物を含有する固体層49を形成して、シリコン単結晶
46の引き上げにともなって固体層49を溶融し、溶融
層43の体積を一定に保ちながら、かつシリコン単結晶
46引き上げ中に溶融層43に不純物を添加せずに、融
液中不純物濃度の変化を抑制する方法(特公昭62−8
80号公報、特開昭63−252989号公報)。
【0022】 溶融層厚変化法としては、不純物を含
有しない固体層49を形成し、溶融層43中に不純物を
含有させ、シリコン単結晶46の引き上げ中に不純物を
溶融層43に添加せずに、固体層49を溶融して溶融層
43の体積を変化させることにより融液中の不純物濃度
を一定に保つ方法(特公平3−79320号公報)。
【0023】 同じく溶融層厚変化法として、融液中
に不純物を含有させてから固体層49を形成し、不純物
を含有する固体層49を形成して、シリコン単結晶46
の引き上げ中に不純物を溶融層43に添加せずに、固体
層49を溶融し、溶融層43の体積を変化させることに
より融液中不純物濃度を一定に保つ方法(特開平6−8
0495号公報)。
【0024】上記4種類のDLCZ法の何れも、単結晶
の引き上げとともに偏析により増加した溶融液中不純物
濃度を、固体層49の溶融により希釈してほぼ一定の不
純物濃度に保つことで、CZ法における結晶中電気抵抗
率分布を均一化し得るものである。
【0025】なお前記した四つの溶融層法において、溶
融層43の厚さの制御は、ヒーター42の発熱体の長さ
やパワー、坩堝41の位置や深さ及びヒーター42の外
側に周設され、坩堝41下部の熱移動を促進する保温筒
(図示せず)の形状及び材質を予め適切に選択すること
により行われる。
【0026】図6は、上記したDLCZ法を用い、坩堝
41の回転速度と単結晶46中に含まれる酸素濃度との
関係を調べたグラフである。図6から明らかなように、
DLCZ法によれば、磁場を印加することなく、5〜1
6×1017atms/cm3(ASTM F−121
(1979))の範囲の酸素濃度を含有したシリコン単
結晶46を成長させることができる(特開平5−324
80号公報、および干川圭吾編著「バルク結晶成長技
術」アドバンストエレクトロニクスシリーズI−4、丸
善、p121−122(1994))。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記DL
CZ法によるシリコン単結晶46の成長方法によれば坩
堝41の回転速度(以下、坩堝回転速度と記す)の調整
により、広範囲の酸素濃度制御が可能であるものの、一
定の坩堝回転速度で成長させると、低酸素濃度のシリコ
ン単結晶46を成長させる場合には歩留りに限界がある
という課題があった。
【0028】図7は上記課題を説明するための図であ
り、グラフA〜CはDLCZ法によりシリコン単結晶を
成長させた場合の引き上げ率と含有酸素濃度との関係
を、3つの坩堝回転速度毎に調べた結果を示している。
【0029】図7から明らかなように、坩堝回転速度が
速いほど含有される酸素濃度は低くなる。また、坩堝回
転速度が7、8、10rpmであるいずれの回転速度で
ある場合でも、引き上げ率が30〜40%程度までは図
6から導き出される酸素濃度と合致した略一定の低酸素
濃度を有するものの、その後は引き上げに伴って含有酸
素濃度が増加し、所望の酸素濃度から外れてしまう。
【0030】本発明は上記課題に鑑み発明されたもので
あり、低酸素濃度のシリコン単結晶を製造するにあた
り、引き上げられたシリコン単結晶の結晶成長方向にお
ける酸素濃度分布を略均一化することができ、歩留まり
を向上させ得るシリコン単結晶の成長方法及び該方法に
より引き上げられたシリコン単結晶を提供することを目
的としている。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために検討を行った結果、図7で説明したよ
うに、単一の坩堝回転速度の条件の下に成長させたシリ
コン単結晶46においては、前記坩堝回転速度が速いほ
ど結晶中酸素濃度が低くなることを見いだした。また、
引き上げ率が30〜40%程度までは略一定の低酸素濃
度を有するものの、その後は引き上げに伴って含有酸素
濃度が上昇することを見いだした。
【0032】そこで、引き上げの後半部において、前記
含有酸素濃度の増加を見越して該増加分を減少させるべ
く前記坩堝回転速度を上昇させることにより、略均一な
酸素濃度分布を有するシリコン単結晶が得られると考
え、種々の坩堝回転速度の組み合わせにより実験を行っ
た結果、坩堝回転速度を上昇させた場合には、単一回転
速度で引き上げを続けた場合より含有酸素濃度が減少
し、坩堝回転速度を下降させた場合には、単一回転速度
で引き上げを続けた場合より含有酸素濃度が増加するこ
とを確認し、実際に14×1017atms/cm3 程度
以下の酸素濃度のシリコン単結晶であって結晶成長方向
に略均一な酸素濃度分布を有するシリコン単結晶を成長
させ得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0033】ちなみに、CZ法においては、坩堝回転速
度の上昇に伴い、シリコン単結晶中の酸素濃度は上昇し
(文献 J.Moody,in: Semiconductor Silicon 1986, H.
R.Huff and T.Abe, Editoers, p.100, The Electrochem
ical Society Inc., Pennington, NJ,(1986).)、DL
CZ法と逆の挙動を示す。
【0034】すなわち本発明に係るシリコン単結晶の成
長方法は、坩堝内の下方にシリコン単結晶用原料の固体
層を、坩堝上方の溶融液よりなる溶融層と共存させ、前
記坩堝周囲に設置されたヒータの加熱により前記固体層
を溶融させつつ、前記坩堝およびシリコン単結晶を所定
の回転速度で回転させつつ、前記溶融層からシリコン単
結晶を引き上げて成長させる結晶成長方法において、シ
リコン単結晶を引き上げて成長させるのに伴ない、坩堝
の回転速度を上昇させることを特徴としている。
【0035】また、本発明に係るシリコン単結晶は、含
有酸素濃度が10×1017atms/cm3 以下であ
り、かつ引き上げ軸方向の含有酸素濃度分布が略均一で
あることを特徴としている。
【0036】
【作用】本発明に係るシリコン単結晶の成長方法によれ
ば、坩堝内の下方にシリコン単結晶用原料の固体層を、
坩堝上方の溶融液よりなる溶融層と共存させ、前記坩堝
周囲に設置されたヒータの加熱により前記固体層を溶融
させつつ、前記坩堝およびシリコン単結晶を所定の回転
速度で回転させつつ、前記溶融層からシリコン単結晶を
引き上げて成長させる結晶成長方法において、シリコン
単結晶を引き上げて成長させるのに伴ない、坩堝の回転
速度を上昇させるので、単一の坩堝回転速度を連続した
場合での含有酸素濃度の増加分を減少させ得る。よって
含有酸素濃度が14×1017atms/cm3 以下と低
く、かつ結晶成長方向に略均一な含有酸素濃度分布を有
するシリコン単結晶を成長させることが可能となる。
【0037】なお、坩堝の回転速度を一定とし、単結晶
の回転速度を上昇させる方法も考えられるが、単結晶中
の酸素濃度に対する影響は小さい。
【0038】また、本発明に係るシリコン単結晶によれ
ば、含有酸素濃度が10×1017atms/cm3 以下
であり、かつ引き上げ軸方向の含有酸素濃度分布が略均
一であるので、酸素が過飽和に存在することがなく、酸
素がウエハ表面近傍で析出することがないためデバイス
の活性領域が劣化する虞がない。
【0039】
【実施例】以下、本発明に係るシリコン単結晶の成長方
法の実施例を図面に基づいて説明する。尚、従来例と同
一の機能を有する構成部品には、同一の符号を付すもの
とする。
【0040】図1は実施例に係る結晶成長装置を模式的
に示した断面図であり、図中1はチャンバ9内に配設さ
れた坩堝を示している。従来のものと同様に坩堝1は有
底円筒形状の石英製内層保持容器1aと、この内層保持
容器1aの外側に嵌合された同じく有底円筒形状の黒鉛
製外層保持容器1bとから構成されており、坩堝1は支
持軸8により支持されている。支持軸8の下端は、図示
しない回転機構、及び昇降機構に連結されており、これ
により坩堝1は回転・昇降が自在となっている。この坩
堝1の外側には2段の抵抗加熱式ヒータ2a、2b(以
下、併せてヒータ2と記す)が、ヒータ2の外側には保
温筒3が各々同心円状に配設されている。坩堝1の中心
軸上には引き上げ棒或いはワイヤー等からなる引き上げ
軸4が吊設されており、この引き上げ軸4の先にはシー
ドチャック7を介して種結晶5が取り付けられている。
【0041】このように構成された装置を用いて結晶を
成長させるには、まず坩堝1内に充填した結晶用原料の
シリコン多結晶をヒータ2により全て溶解した後、不純
物を添加して、坩堝1の下部温度を低下させ、坩堝1の
底部から上方に向けて融液を凝固させて固体層19を形
成する。目標とする量の固体層19、及び溶融層13を
形成した後、種結晶5を溶融層13に接触させ、設定し
た速度で種結晶5及び坩堝1を回転させて、引き上げ軸
4を引き上げることにより種結晶5の下端から溶融層1
3を凝固させてなるシリコン単結晶16を成長させる。
また、結晶成長に伴い、坩堝1内の原料が減少し、溶融
層13の表面位置が低下するが、坩堝1を上昇させるこ
とにより結晶成長中は溶融層13の表面の位置が絶えず
一定になるように制御する。
【0042】以下に、上記方法により結晶成長方向の長
さが1100mmのシリコン単結晶引き上げを行い、そ
の結晶の酸素濃度等を測定した結果について図面に基づ
いて説明する。引き上げ条件を下記の表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】図2は坩堝回転速度を変化させ、結晶成長
方向の酸素濃度分布が略均一となるように引き上げた時
の単結晶引き上げ率と含有酸素濃度との関係を調べたグ
ラフであり、図中D〜Gのグラフは含有酸素濃度が7〜
10×1017atms/cm3 の範囲で均一な単結晶を
得ることを目標に単結晶の引き上げを行った別個の実験
結果であり、各実験条件は同一である。
【0045】図6で説明したように、含有酸素濃度が7
〜10×1017atms/cm3 の範囲のシリコン単結
晶16を得るためには坩堝1の回転速度は8rpm程度
が妥当であると考えられる。そこで、図2に示したよう
に、坩堝回転速度は引き上げ率30%付近までは8rp
m一定とした。
【0046】また、図7のところで説明したように、単
一の坩堝回転速度では含有酸素濃度が上昇してしまい、
また坩堝1の回転速度を上昇させれば含有酸素濃度の上
昇を抑制し得ると考えられるため、その後引き上げ率5
0%付近までは坩堝回転速度を8rpmから12rpm
へ一定加速度で上昇させ、さらにその後は12rpm一
定へと速度の変更を行った。なお、シリコン単結晶の結
晶成長方向の酸素濃度はFTIR法[ASTMF−12
1(1979)]によって測定した。
【0047】図2から明らかなように、D〜Gのグラフ
はいずれも、引き上げ率が上昇しても含有酸素濃度は結
晶成長方向に略一定となる。これは図7中グラフBと比
較すると明らかである。グラフBの場合は坩堝の回転速
度を始終8rpmとしているため、引き上げ率30%付
近から除々に含有酸素濃度が上昇している。
【0048】図3は図2に示したグラフD〜Fにより得
られたシリコン単結晶において、結晶成長方向の電気抵
抗率の分布を示したグラフであり、図2に示したグラフ
D〜Fに対応させてd〜fの符号を付してある。なお、
CZ法により成長させた場合の結晶成長方向の電気抵抗
率分布の理論値のグラフhも併せて記した。
【0049】図3から明らかなように、実施例に係る方
法により引き上げられたシリコン単結晶においては、C
Z法により引き上げられたシリコン単結晶と比較して結
晶成長方向の抵抗率を略均一化することができた。
【0050】図2、図3から明らかなように、本実施例
に係るシリコン単結晶16の成長方法によれば、12×
1017atms/cm3 程度以下の略一定の低酸素濃度
を含有する単結晶を引き上げることができ、しかも不純
物の偏析を抑制し抵抗率歩留りを改善するDLCZ法の
特徴を損なうことなく、結晶成長方向の抵抗率を略均一
化することができた。
【0051】また本実施例にあっては、酸素濃度の制御
範囲を7〜10×1017atms/cm3 としたが、別
の実施例で酸素濃度の制御範囲を11〜13×1017
tms/cm3 とした場合は、14×1017atms/
cm3 程度以下の略一定の低酸素濃度を含有する単結晶
を引き上げることができた。
【0052】また、本発明に係るシリコン単結晶16に
よれば、含有酸素濃度が10×1017atms/cm3
以下であり、かつ引き上げ軸方向の含有酸素濃度分布が
均一であるので、酸素が過飽和に存在することがなく、
酸素がウエハ表面近傍で析出することがないためデバイ
スの活性領域が劣化する虞がない。
【0053】また、本実施例にあってはDLCZ法とし
て、固体層中に不純物を含有させ、結晶成長中に溶融層
の体積を変化させる方法(従来例における)を採用し
たが、別の実施例では坩堝下部に固体層を有するDLC
Z法全般(従来例における〜)に適用可能である。
【0054】さらに本実施例にあっては坩堝の回転速度
の上昇を一定加速度のもとに行ったが、別の実施例では
不連続的に上昇させてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係るシリコ
ン単結晶の成長方法によれば、坩堝内の下方にシリコン
単結晶用原料の固体層を、坩堝上方の溶融液よりなる溶
融層と共存させ、前記坩堝周囲に設置されたヒータの加
熱により前記固体層を溶融させつつ、前記坩堝およびシ
リコン単結晶を所定の回転速度で回転させつつ、前記溶
融層からシリコン単結晶を引き上げて成長させる結晶成
長方法において、シリコン単結晶を引き上げて成長させ
るのに伴ない、坩堝の回転速度を上昇させるので、単一
の坩堝回転速度を連続した場合での結晶中酸素濃度の増
加分を減少させ得る。よって含有酸素濃度が14×10
17atms/cm3 以下と低く、かつ結晶成長方向に均
一な酸素濃度分布を有するシリコン単結晶を成長させる
ことができる。
【0056】また、本発明に係るシリコン単結晶によれ
ば、含有酸素濃度が10×1017atms/cm3 以下
であり、かつ引き上げ軸方向の含有酸素濃度分布が略均
一であるので、酸素が過飽和に存在することがなく、酸
素がウエハ表面近傍で析出することがないためデバイス
の活性領域が劣化する虞がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るシリコン単結晶の成長方
法に用いられる結晶成長装置を模式的に示した断面図で
ある。
【図2】実施例において坩堝回転速度を変化させ、結晶
成長方向の酸素濃度が均一となるように引き上げた時の
単結晶引き上げ率と含有酸素濃度との関係を調べたグラ
フである。
【図3】図2に示したグラフD〜Fにより得られたシリ
コン単結晶において、結晶成長方向の抵抗率の分布を示
したグラフである。
【図4】従来のCZ法に用いられる結晶成長装置を模式
的に示した断面図である。
【図5】従来のDLCZ法に用いられる単結晶成長装置
を示した模式的断面図である、
【図6】DLCZ法を用い、坩堝の回転速度と単結晶中
に含まれる酸素濃度との関係を調べたグラフである。
【図7】DLCZ法によりシリコン単結晶を成長させた
場合の引き上げ率と酸素濃度との関係を示したグラフで
ある。
【符号の説明】
1 坩堝 2 ヒータ 13 溶融層 16 シリコン単結晶 19 固体層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 坩堝内の下方にシリコン単結晶用原料の
    固体層を、坩堝上方のシリコン融液よりなる溶融層と共
    存させ、前記坩堝周囲に設置されたヒータの加熱により
    前記固体層を溶融させつつ、前記坩堝およびシリコン単
    結晶を所定の回転速度で回転させつつ、前記溶融層から
    シリコン単結晶を引き上げて成長させる結晶成長方法に
    おいて、 シリコン単結晶を引き上げて成長させるのに伴ない、坩
    堝の回転速度を上昇させることを特徴とするシリコン単
    結晶の成長方法。
  2. 【請求項2】 含有酸素濃度が10×1017atms/
    cm3 以下であり、かつ引き上げ軸方向の含有酸素濃度
    分布が略均一である請求項1記載の方法を用いて引き上
    げられたシリコン単結晶。
JP15792295A 1995-06-23 1995-06-23 シリコン単結晶の成長方法及び該方法により引き上げられたシリコン単結晶 Pending JPH0912392A (ja)

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