JPH09123471A - インクタンクおよびその製造方法 - Google Patents

インクタンクおよびその製造方法

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JPH09123471A
JPH09123471A JP28630395A JP28630395A JPH09123471A JP H09123471 A JPH09123471 A JP H09123471A JP 28630395 A JP28630395 A JP 28630395A JP 28630395 A JP28630395 A JP 28630395A JP H09123471 A JPH09123471 A JP H09123471A
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fibers
ink tank
ink
aggregate
fiber
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JP28630395A
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English (en)
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Atsushi Hinami
淳 日南
Eiichiro Shimizu
英一郎 清水
Teruo Arashima
輝雄 荒島
Hajime Yamamoto
肇 山本
Wataru Takahashi
亘 高橋
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク供給口から飛び出した繊維を防止する
構造の分離交換型インクタンクを提供する。 【解決手段】 少なくとも1つの内部空間内には、弾性
的に屈曲する範囲で変形し、かつ、互いに結合していな
い繊維の集合体が収容されている。内部空間を外部に連
通する開口部から露出した前記繊維の集合体の表面は、
少なくとも1つの繊維飛び出し防止処理が施されてい
る。この処理には、熱的処理と機械的に絡める処理があ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録ヘッドとの着脱が自在であり、当該インクジェット記
録ヘッドと共に、インクジェット記録装置に搭載可能な
分離交換型インクタンクおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録に用いら
れているインクタンクとしては、インクジェット記録ヘ
ッドとの一体型、あるいはインクジェット記録ヘッドに
対して着脱自在に交換可能な分離交換型などが実用化さ
れている。これらのインクタンクには、その内部に、イ
ンクを含浸して毛管力により保持する部材(以下、「吸
収体」と称する。)を収納したものが知られている。
【0003】この吸収体としては、スポンジあるいは繊
維の集合体などが知られている。例えば、繊維の集合体
を吸収体として使用したインクタンクに関するものとし
て、平2−39213号公報は、記録計器用ペンにおい
て綿状の繊維を吸収体として用いることを提案してい
る。
【0004】昭63−11152号公報は、吸収体とし
て繊維を使用し、その繊維に保持されたインクを無駄な
くインク供給口側に集めるタンク構造を有するインクタ
ンクを提案している。
【0005】特開平6−15839号公報は、吸収体と
してインクタンク内のインク供給口近傍に高密度のフェ
ルト繊維材料を収納し、その周辺の空間に低密度のフェ
ルト繊維材料を収納することでインク切れなくインクジ
ェット記録ヘッドへの安定したインク供給を可能とする
発明を開示している。
【0006】特開平6−79882号公報は、インクタ
ンク内部のインク量を大幅に増大できるように、上方か
ら下方(重力方向)に向かって延びる繊維を最大でも2
0%以下の割合で存在させて、インク供給性を向上させ
ようとする発明を開示している。
【0007】特開平6−255121号公報は、繊維相
互間を結合したフェルト繊維材料を吸収体として用いる
ことでインクの保持能力およびインク供給能力を容易に
調整可能とする発明を開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者ら
は、繊維を吸収体とした分離交換型インクタンクの検討
を行ったところ、以下に述べる問題点があることを見出
した。
【0009】すなわち、繊維を吸収体として用いた分離
交換型インクタンクにおいては、開口部であるインク供
給口において繊維がほぐれて飛び出すことがある。この
場合に、インクの付着した繊維が飛び出してインクタン
ク容器外部に露出することがあり、インクジェット記録
ヘッドへの装着時等にユーザーの手や衣類あるいは周囲
に接触してしまう虞がある。
【0010】また、インクジェット記録ヘッドへのイン
クタンクの装着中は、インクジェット記録ヘッド側のイ
ンク供給管がインクタンクのインク供給口内に挿入され
ている。インク供給管の先端部にはインクジェット記録
ヘッド内への異物の侵入を防止するためのフィルタが取
り付けられており、インクタンクへのインク供給管の挿
入時にはフィルタはインクタンク内の吸収体としての繊
維に押しつけられている。ここで、上述のようにインク
タンクのインク供給口から露出する繊維に飛び出しが生
じている状態で、インクジェット記録ヘッドのインク供
給管をインクタンクのインク供給口内に挿入すると、吸
収体としての繊維の一部がインク供給管のフィルタに挿
通され引っかかる場合が考えられる。この場合に、イン
ク消費が完了してインクジェット記録ヘッドからインク
タンクを分離する際には、インク供給管のフィルタがイ
ンクタンク内の繊維の一部を引っ張り出してしまう虞も
ある。
【0011】このような問題点は、繊維を吸収体として
使用する分離交換型のインクタンクに特有のものである
が、従来、全く認識されてはいなかった。
【0012】本発明の第1の目的は、繊維を吸収体とし
て収納する分離交換型インクタンクであって、インク供
給口の繊維がほぐれて飛び出し、外部に露出している場
合に、その飛び出した繊維にインクが付着しているとき
にユーザーや周囲環境を汚してしまうことを防止する構
造の分離交換型インクタンクを提供することにある。
【0013】また、本発明の第2の目的は、繊維を吸収
体として収納する分離交換型インクタンクであって、イ
ンク供給口の繊維が飛び出している場合に、インクジェ
ット記録ヘッド側のインク供給管のフィルタによる繊維
の引っ張り出しを防止する構造の分離交換型インクタン
クを提供することにある。
【0014】さらに、本発明の第3の目的は、上述の第
1および第2の目的を達成し得る分離交換型インクタン
クの製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は以下の構成を有する。
【0016】すなわち、少なくとも1つの内部空間内に
繊維の集合体が収容されてなる分離交換型のインクタン
クであって、前記内部空間を外部に連通する開口部から
露出した前記繊維の集合体の表面は、少なくとも1つの
繊維飛び出し防止処理が施されているインクタンク、も
しくは、少なくとも1つの内部空間内に繊維の集合体が
収容されてなる分離交換型のインクタンクであって、前
記内部空間を外部に連通する開口部から露出した前記繊
維の集合体の表面およびその近傍の繊維が相互に結合さ
れているインクタンク、もしくは、少なくとも1つの内
部空間内に繊維の集合体が収容されてなる分離交換型の
インクタンクであって、前記内部空間を外部に連通する
開口部から露出した前記繊維の集合体の表面およびその
近傍の繊維が該繊維集合体内部に機械的に絡められてい
るインクタンク、もしくは、前記繊維飛び出し防止処理
は、前記集合体の表面およびその近傍の繊維を互いに溶
融して結合する熱的処理であるインクタンク、もしく
は、前記熱的処理は、前記集合体の表面に部分的に施さ
れているインクタンク、もしくは、前記熱的処理による
前記集合体の表面における繊維は非平行状態で隣接して
接触する部分に溶融結合部を有するインクタンク、もし
くは、前記溶融結合部は前記集合体の表面に局所的に形
成されているインクタンク、もしくは、前記繊維飛び出
し防止処理は、前記集合体の表面上に突出する繊維を、
該集合体内部に機械的に絡める処理であるインクタン
ク、もしくは、前記機械的処理は、前記集合体の表面に
部分的に施されているインクタンク、もしくは、少なく
とも1つの内部空間を有する容器内に繊維の集合体を収
容する工程と、繊維の集合体の表面のうち、前記容器の
内部空間を外部に連通する開口部から露出する部分に対
し、少なくとも1つの繊維飛び出し防止処理を施す工程
とを含むインクタンクの製造方法、もしくは、前記繊維
飛び出し防止処理は、前記集合体の表面およびその近傍
の繊維を互いに溶融して結合する熱的処理であるインク
タンクの製造方法、もしくは、前記繊維飛び出し防止処
理は、前記集合体の表面上に突出する繊維を、該集合体
内部に機械的に絡める処理であるインクタンクの製造方
法、である。
【0017】すなわち、本発明では、インクタンク内で
弾性的に曲がる範囲内で変形されているが、互いに結合
していない繊維の集合体である繊維体を内部に収納した
分離交換型インクタンクにおいて、インク供給口内の繊
維体の表面では、繊維が相互に結合されていることを特
徴とする。
【0018】繊維同士を結合する具体的な手段として
は、インク供給口表面の非平行状態で隣接する繊維同士
を接触する部分のみで互いに溶融して結合する方法、あ
るいはインク供給口表面の隣接する繊維同士が互いに溶
融して局所的に結合する方法、あるいはインク供給口表
面の繊維がインク供給口表面の複数箇所において、イン
ク供給口表面に対してインクタンク内部に向かって繊維
を絡めて互いに結合させるニードルパンチ手法などを用
いることができる。
【0019】以上の構成により、本発明は、繊維体を収
納した分離交換型インクタンクにおけるインク供給口で
の繊維に対して上述の特定の繊維飛び出し防止処理が施
されているので、その部分でのほぐれと繊維のインクタ
ンク容器外部への露出、それによるユーザーや周囲環境
に対する汚染を確実に防止することができる。また、上
記繊維飛び出し防止処理が施された部分では、他の部分
よりインク供給用の空隙や経路が細くなるため、毛管力
が大きくなり、インクの使用効率の向上を図ることがで
きる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクタンクの実
施形態例を説明する。
【0021】ここで、本発明は各実施形態例にのみ限定
されるものではない。また、本発明のインクタンクをイ
ンクジェット記録ヘッドに着脱自在に装着したインクカ
ートリッジ、およびそのインクカートリッジを着脱自在
に装着したインクジェット記録装置についても、各実施
形態例にのみ限定されるものではない。
【0022】[実施形態例1]図1は、本発明のインク
タンクの第1の実施形態例を模式的に示す斜視図であ
る。図1に示したインクタンク2には、開口部であるイ
ンク供給口5が形成されており、タンク内部には繊維の
集合体である繊維吸収体6が充填されている。
【0023】インク供給口5の近傍部分の繊維吸収体6
の表面は、外部に直接露出しており、インクジェット記
録ヘッド側の連結部としてのインク供給管(図1〜図3
において不図示)と直接当接する構成となっている。
【0024】インク供給口5の近傍部分の繊維吸収体6
の表面はその繊維が飛び出し易いので、インクタンク2
内に繊維吸収体6を充填した後に、繊維飛び出し防止処
理が施されている。本実施形態例では、繊維飛び出し防
止処理は熱的処理であり、その処理範囲はインク供給口
5から露出する部分すべてでも、または局所的なもので
もよい。
【0025】この熱的な繊維飛び出し防止処理として
は、高温の熱風をインク供給口に対して吹き掛ける手段
が有効である。このような高温熱風加熱処理により、繊
維吸収体6を構成する繊維7は、図2に示すような線接
触状態で溶融結合されるのではなく、図3に示すような
非平行状態でほぼ点接触状態に近い状態で、この接触部
分8にて溶融結合されている。このため、繊維吸収体6
の内部には、非結合部分が多く残されていることから、
インク流路断面積を大きく減少させることなく、すなわ
ち流路抵抗を著しく増加させることなく、繊維飛び出し
を防止することができる。従って、インク供給口5にお
ける繊維吸収体6のほぐれ等の繊維飛び出しによるユー
ザーや周囲への汚染を確実に防止することができる。
【0026】繊維吸収体としては、種々の材質のものが
使用可能である。例えば、PP(ポリプロピレン)の繊
維吸収体を用いた場合、インクタンク内の繊維吸収体に
対して約180℃の熱風を約1秒間吹き掛けることで、
インク供給口表面における隣接する繊維同士を非平行状
態で互いに溶融結合させることが可能であるので、イン
ク供給時の連結部での流路抵抗の増加は微小であり、ヘ
ッドへのインクの供給を損うレベルではない。また、熱
的処理された部分は毛管力が大きくなるので、インクの
使用効率を向上させることができる。
【0027】熱的処理における熱風の温度は、繊維材質
の融点よりも若干高い温度が好ましく、また吹き掛ける
時間との関係は、繊維材質の融点や繊維径、またインク
供給口の開口面積等により適宜決められる。
【0028】この処理は、繊維吸収体をインクタンク内
に収容する前後のいずれの段階にも行われる。また、熱
風処理による繊維の溶融結合は、インク供給口よりも若
干広い範囲に及んでいることが好ましい。これにより、
溶融結合でできた繊維の集合体がインク供給口から飛び
出すことを確実に防止することができる。
【0029】なお、本実施形態例においてはインク供給
口の開口部形状は円形を例に挙げているが、矩形状でも
よく、本発明の構成はインク供給口の開口部形状には関
係なく使用でき、また同等の効果を得ることができる。
【0030】[実施形態例2]図4は、本発明のインク
タンクの第2の実施形態例におけるインク供給口内の繊
維吸収体の表面状態を模式的に示す斜視図である。
【0031】本実施形態例においても、インク供給口内
の繊維吸収体の表面には熱的な繊維飛び出し防止処理が
施されている。この熱的な繊維飛び出し防止処理は、そ
の表面における隣接する繊維同士を局所的に加熱溶融し
結合するものである。図4において符号9は繊維吸収体
6の局所的な溶融結合部分である。この溶融結合の具体
的な手段としては、図5に示すような凸状の伝熱面11
を有する加熱治具10を挙げることができる。この加熱
治具10を、インク供給口5から露出した繊維吸収体6
に当接させることにより、その表面における隣接する繊
維同士を格子状に加熱溶融し結合することができる。
【0032】このような加熱治具10を用いることによ
りインク供給口5における繊維吸収体6のほぐれおよび
外部への連続的な露出を確実に防止でき、それに伴うユ
ーザーや周囲に対する汚染を防止することに効果を有す
る。本実施形態例においても、熱的処理された部分の毛
管力が増大するので、インクの使用効率を向上させるこ
とができる。
【0033】本実施形態例においては、図5に示すよう
な格子状の溶着部形状の場合、溶着部の全面積が開口部
であるインク供給口面積の15%以下であれば、流路抵
抗の増加も軽微となり、好ましい。また、本実施形態例
では、溶着部の幅を1mmとし、格子部分の一辺を約5
mmとした。
【0034】このような格子部分を有する伝熱面11を
用いて熱的処理を施すことにより、インク供給口5内の
繊維吸収体6の表面には約5mm程度の格子状の処理部
分が形成されるため、少なくともその処理部分の繊維の
飛び出しが防止される。この熱的処理は、繊維の飛び出
し防止を主目的として行われるが、勿論、インク供給性
の維持という観点から熱的処理の程度は必要最小限に抑
制される。従って、上述の熱的処理された繊維吸収体6
の場合、直接的に熱的処理を受けた処理部分のみなら
ず、その処理部分以外の部分でも十分なインク供給性を
維持することができる。
【0035】なお、図6(a)〜(d)は、それぞれ上
述の加熱治具における凸状の伝熱面11の形状を示すも
のである。
【0036】本実施形態例における熱的処理の処理温度
は先の実施形態例と同様に、溶着温度を繊維材質の融点
よりも若干高い温度とするのが好ましく、本実施形態例
におけるPP(ポリプロピレン)の繊維吸収体を用いた
場合には、伝熱面温度としては約180℃が好ましく、
また他の繊維材質の場合にはそれぞれの繊維材質の融点
にあわせた伝熱面温度に適宜設定される。
【0037】なお、本実施形態例においてはインク供給
口の開口部形状は円形を例に挙げているが、本発明の構
成はインク供給口の開口部形状には関係なく使用でき、
また同等の効果を得ることができる。
【0038】本実施形態例では、繊維吸収体6をインク
タンク内に収容したのち、インク供給口5から露出する
部分に対して熱的処理を施して繊維の飛び出しを防止し
たが、予め、繊維吸収体6のうち、インク供給口5から
露出する部分に対して熱的処理を施したのち、インクタ
ンク内に収容してもよい。また、処理範囲は、インク供
給口から露出する部分すべてでも、または局所的なもの
でもよい。
【0039】[実施形態例3]図7は、本発明のインク
タンクの第2の実施形態例におけるインク供給口内の繊
維吸収体の表面の状態を模式的に示す斜視図である。
【0040】本実施形態例におけるインク供給口表面の
結合方法は、先の実施形態例における熱的な方法とは異
なり、インク供給口5内の繊維吸収体6の複数箇所12
に対してその内部に向けて繊維同士を機械的に絡めるも
のである。
【0041】上記の構成により、インク供給口表面の複
数箇所において繊維同士を絡めて結合させることが可能
となり、インク流路断面積を減少させることなく、すな
わち流路抵抗を著しく増加させることなく、インク供給
口における繊維吸収体のほぐれおよび外部への露出を防
止でき、それに伴うユーザーや周囲に対する汚染を防止
することに効果を有する。
【0042】この結合手段としては、ニードルパンチ手
法におけるニードルを、インクタンク組立後にインク供
給口5より繊維吸収体6の所定の位置12に対して突き
刺すものである。
【0043】上記ニードルを突き刺すピッチは、できる
だけ広い方が、必要とするニードルの本数も少なく装置
も簡単で済むが、本発明者らによる検討では、約5mm
程度が、また繊維を絡める深さについては、約10mm
程度が繊維のほぐれに対しても好ましいことが分かっ
た。
【0044】また使用するニードルについては、繊維吸
収体6の繊維の材質や繊維径、また繊維を絡める深さ、
すなわちニードルを突き刺す深さに応じてその形状など
を決める必要がある。
【0045】なお、本実施形態例においてはインク供給
口の開口部形状として円形を例に挙げているが、本発明
の構成はインク供給口の開口部形状には関係なく使用で
き、また同等の効果を得ることができる。
【0046】なお、処理は、繊維吸収体をインクタンク
内に収容する前後のいずれの段階にも行われる。また、
ニードルパンチ法による繊維の機械的絡めは、インク供
給口よりも若干広い範囲に及んでいることが好ましい。
これにより、絡めてできた繊維の集合体がインク供給口
から飛び出すことを確実に防止することができる。
【0047】次に、本発明のインクタンク(インクカー
トリッジ)をインクジェット記録ヘッドに着脱自在に装
着したインクジェットカートリッジの構成を説明する。
【0048】図8に示すようにインクカートリッジ20
は、リブ21の連通部21aを介して連通する2つの液
室からなる内部構造を有している。第1の液室としての
負圧発生部材収容部22の内部には、負圧発生部材とし
ての繊維吸収体6が収容されている。また、負圧発生部
材収容部22の一壁部には、インクジェット記録ヘッド
40のインク供給管44と連結するためのインク供給口
5および負圧発生部材収容部22内を大気と連通させる
大気連通口23が設けられている。ここで、上記インク
供給口5内の繊維吸収体6の表面には、上述の繊維飛び
出し防止処理が施されており、インク供給管44の先端
部に取り付けられたフィルタ44aに繊維吸収体6の一
部が引っかかることがないうえ、処理面も含めて繊維吸
収体6の高いインク供給性が維持される。
【0049】他方、第2の液室としてのインク収容部3
0の内部中央には、インク収容部30の機械的強度を向
上させるための補強リブ31が形成されている。インク
収容部30の底部には、インクカートリッジ20内にイ
ンクを充填するための開口部32が形成されており、こ
の開口部32内には封止材33が嵌着されている。
【0050】このような構成のインクカートリッジ20
内のリブ21には、そのインクカートリッジ20の底部
の近傍に前述の連通部21aが形成されているが、この
連通部21aの近傍からリブ21の負圧発生部材収容部
22側の壁部には大気連通口23を介して負圧発生部材
収容部22に導入される大気との気液交換を行うための
溝22bが形成されている。これにより、まず、負圧発
生部材収容部22のインクが消費され、この負圧発生部
材収容部22内のインクの液位が溝22bに達すると、
上記気液交換によってインク収容部30のインクは連通
部21aを介して負圧発生部材収容部22へ供給され消
費され始まる。
【0051】本発明は上述の形態のインクカートリッジ
に限るものではなく、インク吸収体を有するインクカー
トリッジすべてに適用されるものであることは、言うま
でもない。
【0052】図9は図8に示したインクジェットカート
リッジを着脱自在に装着可能なインクジェット記録装置
としてのプリンタを示す斜視図である。
【0053】図9において、101はプリンタであり、
102はプリンタ101のハウジングの上面前部に設け
られた操作パネル部であり、103は上記ハウジングの
前面の開口から装着される給紙カセットであり、104
は給紙カセット103から供給された紙(被記録媒体)
であり、105は上記プリンタ101内の紙搬送経路を
通って排出された紙を保持する排紙トレーである。10
6はその断面がL字状の本体カバーである。この本体カ
バー106は、上記ハウジングの右前部に形成された開
口部107を覆うものであって、蝶番108によって開
口部107の内側端部に回動自在に取り付けられてい
る。また、上記ハウジングの内部には、ガイド等(不図
示)に支持されたキャリッジ110が配設されている。
キャリッジ110は、上記紙搬送経路を通過する紙の幅
方向、すなわちガイド等の長手方向に沿って往復移動可
能に設けられている。
【0054】本実施形態例におけるキャリッジ110
は、ガイド等によって水平に保持されるステージ110
aと、このステージ110a上であってガイドの近傍に
形成されインクジェットヘッドを装着するための開口部
(図示略)と、この開口部の前方のステージ110a上
に装着されたインクカートリッジ1Y,1M,1Cおよ
び1Bkを収容するためのカートリッジガレージ110
bと、このガレージ110bに収容されたカートリッジ
の離脱を防止するためのカートリッジホルダ110cと
から概略構成されている。
【0055】上記ステージ110aは、その後端部にお
いて上記ガイドにより摺動自在に支持されると共に、そ
の前端部の下側は図示しないガイド板上に搭載されてい
る。
【0056】なお、このガイド板は上述の紙搬送経路を
搬送される紙の浮き上がりを防止するための紙押え部材
として機能するものでもよく、また紙の厚さに応じてス
テージをガイドに対して片持ち状に持ち上げる機能を有
するものでもよい。
【0057】上記ステージ110aの開口部にはインク
ジェット記録ヘッド(不図示)がそのインク吐出口を下
側に向けた状態で装着されるようになっている。
【0058】上記カートリッジガレージ110bは、4
個のインクカートリッジ1Y,1M,1C,1Bkを同
時に収容するための貫通口が前後方向に形成され、外側
の両側部にはカートリッジホルダ110cの係合爪が係
合する係合凹部が形成されている。
【0059】上記ステージ110aの前端部には、蝶番
116によって上記カートリッジホルダ110cが回動
自在に取り付けられている。上記ガレージ110bの前
端面から上記蝶番116までの寸法は、上記カートリッ
ジ1Y,1M,1C,1Bkがガレージ110b内に収
容された際にガレージ110bの前端部から突出する寸
法等を考慮して定められる。上記カートリッジホルダ1
10cは概略矩形の板状である。カートリッジホルダ1
10cには、上記蝶番116によって固定された下部か
ら離れた上部の両側部に板面に直交する方向に突出し、
かつ、ホルダ110cが閉じられた際に上記ガレージ1
10bの係合凹部110dに係合する一対の係合爪11
0eが設けられている。また、ホルダ110cには、そ
の板部に上記各カートリッジ1Y,1M,1C,1Bk
の取手部を嵌合するための嵌合孔120が形成されてい
る。これら嵌合孔120は上記取手部に対応する位置、
形状および大きさを有している。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
繊維吸収体の高いインク吸収性を維持したうえで、繊維
吸収体を収納する分離交換型インクタンクにおけるイン
ク供給口での繊維のほぐれとインクタンク容器外部への
露出、それによるユーザーや周囲環境に対する汚染の防
止に対して効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分離交換型のインクタンクの構成を示
す内部を透視した斜視図である。
【図2】本発明の分離交換型のインクタンクにおけるイ
ンク供給口内の吸収体の表面における隣接する繊維が、
線接触状態で溶融結合されている状態を模式的に示す拡
大斜視図である。
【図3】本発明の分離交換型のインクタンクにおけるイ
ンク供給口内の吸収体の表面における隣接する繊維が、
非平行状態でほぼ点接触状態に近い状態で溶融結合され
ている状態を模式的に示す拡大斜視図である。
【図4】本発明の分離交換型のインクタンクにおけるイ
ンク供給口表面における隣接する繊維同士を局所的に加
熱溶融し結合した状態を模式的に示す斜視図である。
【図5】本発明の分離交換型のインクタンクの第2実施
形態例における加熱治具の伝熱面形状(溶着部の形状)
を示す斜視図である。
【図6】(a)〜(d)は加熱治具における凸状の伝熱
面の形状の代表的なものを示す平面図である。
【図7】本発明の分離交換型のインクタンクの第3実施
形態例におけるインク供給口表面の状態を模式的に示す
断面図である。
【図8】本発明のインクタンクをインクジェット記録ヘ
ッドに装着して構成したインクカートリッジを模式的に
示す断面図である。
【図9】図8に示したインクジェットカートリッジを用
いたインクジェット記録装置の一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
2 インクタンク容器 5 インク供給口 6 繊維吸収体 7 繊維 8 繊維同士の溶融結合部分 9 インク供給口にて露出している繊維吸収体の局所的
な溶融結合部分 10 加熱治具 11 凸状の伝熱面 12 ニードルによる結合部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 肇 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高橋 亘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの内部空間内に繊維の集
    合体が収容されてなる分離交換型のインクタンクであっ
    て、 前記内部空間を外部に連通する開口部から露出した前記
    繊維の集合体の表面は、少なくとも1つの繊維飛び出し
    防止処理が施されていることを特徴とするインクタン
    ク。
  2. 【請求項2】 少なくとも1つの内部空間内に繊維の集
    合体が収容されてなる分離交換型のインクタンクであっ
    て、 前記内部空間を外部に連通する開口部から露出した前記
    繊維の集合体の表面およびその近傍の繊維が相互に結合
    されていることを特徴とするインクタンク。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つの内部空間内に繊維の集
    合体が収容されてなる分離交換型のインクタンクであっ
    て、 前記内部空間を外部に連通する開口部から露出した前記
    繊維の集合体の表面およびその近傍の繊維が該繊維集合
    体内部に機械的に絡められていることを特徴とするイン
    クタンク。
  4. 【請求項4】 前記繊維飛び出し防止処理は、前記集合
    体の表面およびその近傍の繊維を互いに溶融して結合す
    る熱的処理であることを特徴とする請求項1または2記
    載のインクタンク。
  5. 【請求項5】 前記熱的処理は、前記集合体の表面に部
    分的に施されていることを特徴とする請求項4記載のイ
    ンクタンク。
  6. 【請求項6】 前記熱的処理による前記集合体の表面に
    おける繊維は非平行状態で隣接して接触する部分に溶融
    結合部を有することを特徴とする請求項4または5に記
    載のインクタンク。
  7. 【請求項7】 前記溶融結合部は前記集合体の表面に局
    所的に形成されていることを特徴とする請求項6記載の
    インクタンク。
  8. 【請求項8】 前記繊維飛び出し防止処理は、前記集合
    体の表面上に突出する繊維を、該集合体内部に機械的に
    絡める処理であることを特徴とする請求項1記載のイン
    クタンク。
  9. 【請求項9】 前記機械的処理は、前記集合体の表面に
    部分的に施されていることを特徴とする請求項3または
    8記載のインクタンク。
  10. 【請求項10】 少なくとも1つの内部空間を有する容
    器内に繊維の集合体を収容する工程と、 繊維の集合体の表面のうち、前記容器の内部空間を外部
    に連通する開口部から露出する部分に対し、少なくとも
    1つの繊維飛び出し防止処理を施す工程とを含むことを
    特徴とするインクタンクの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記繊維飛び出し防止処理は、前記集
    合体の表面およびその近傍の繊維を互いに溶融して結合
    する熱的処理であることを特徴とする請求項10記載の
    インクタンクの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記繊維飛び出し防止処理は、前記集
    合体の表面上に突出する繊維を、該集合体内部に機械的
    に絡める処理であることを特徴とする請求項10記載の
    インクタンクの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008094076A (ja) * 2006-09-11 2008-04-24 Canon Inc インクタンクおよびインクジェット記録装置

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JP2008094076A (ja) * 2006-09-11 2008-04-24 Canon Inc インクタンクおよびインクジェット記録装置

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