JPH0912305A - ペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜の製造方法、及び薄膜コンデンサの製造方法 - Google Patents
ペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜の製造方法、及び薄膜コンデンサの製造方法Info
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- JPH0912305A JPH0912305A JP15952795A JP15952795A JPH0912305A JP H0912305 A JPH0912305 A JP H0912305A JP 15952795 A JP15952795 A JP 15952795A JP 15952795 A JP15952795 A JP 15952795A JP H0912305 A JPH0912305 A JP H0912305A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】低温焼成が可能で、かつ、所定形状にパターン
ニングすることが容易な、ペロブスカイト構造を有する
厚みの薄い金属酸化物膜のゾル−ゲル法による製造方
法、及びこの膜を誘電体とした薄膜コンデンサの製造方
法を提供する。 【構成】金属酸化物膜の製造方法は、熱処理によりペロ
ブスカイト構造の金属酸化物となる前駆体と、紫外線吸
収剤とを含むゾルを作製する第1工程、基板上にゾルの
膜を形成後、乾燥させて金属酸化物の前駆体被膜を形成
する第2工程、基板の前駆体被膜上にマスクパターンを
セットし、紫外線を照射してこの前駆体被膜を硬化させ
る第3工程、基板上の前駆体被膜をエッチングして、紫
外線非照射部分を除去する第4工程、基板上の前駆体被
膜を熱処理して、ペロブスカイト構造を有する金属酸化
物膜を得る第5工程からなる。
ニングすることが容易な、ペロブスカイト構造を有する
厚みの薄い金属酸化物膜のゾル−ゲル法による製造方
法、及びこの膜を誘電体とした薄膜コンデンサの製造方
法を提供する。 【構成】金属酸化物膜の製造方法は、熱処理によりペロ
ブスカイト構造の金属酸化物となる前駆体と、紫外線吸
収剤とを含むゾルを作製する第1工程、基板上にゾルの
膜を形成後、乾燥させて金属酸化物の前駆体被膜を形成
する第2工程、基板の前駆体被膜上にマスクパターンを
セットし、紫外線を照射してこの前駆体被膜を硬化させ
る第3工程、基板上の前駆体被膜をエッチングして、紫
外線非照射部分を除去する第4工程、基板上の前駆体被
膜を熱処理して、ペロブスカイト構造を有する金属酸化
物膜を得る第5工程からなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペロブスカイト構造を
有する金属酸化物膜の製造方法、及びこの金属酸化物膜
を誘電体とした薄膜コンデンサの製造方法に関する。
有する金属酸化物膜の製造方法、及びこの金属酸化物膜
を誘電体とした薄膜コンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンデンサの誘電体などとして有
用なペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜の製造方
法としては、次のような方法があった。
用なペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜の製造方
法としては、次のような方法があった。
【0003】(1)ペロブスカイト構造を有する金属酸
化物原料粉体にバインダ、分散剤、消泡剤などを加えて
スラリーを作製した後、ドクターブレード法などでグリ
ーンシートを作製し、その後焼成してペロブスカイト構
造を有する金属酸化物膜を得る方法。
化物原料粉体にバインダ、分散剤、消泡剤などを加えて
スラリーを作製した後、ドクターブレード法などでグリ
ーンシートを作製し、その後焼成してペロブスカイト構
造を有する金属酸化物膜を得る方法。
【0004】(2)ペロブスカイト構造を有する金属酸
化物粉体にバインダ、分散剤などを加えてペーストを作
製した後、スクリーン印刷法、オフセット印刷法又はリ
ーバースロールコーター法などにより基板上に塗布し、
その後焼成してペロブスカイト構造を有する金属酸化物
膜を得る方法。
化物粉体にバインダ、分散剤などを加えてペーストを作
製した後、スクリーン印刷法、オフセット印刷法又はリ
ーバースロールコーター法などにより基板上に塗布し、
その後焼成してペロブスカイト構造を有する金属酸化物
膜を得る方法。
【0005】(3)熱処理によりペロブスカイト構造の
金属酸化物となる金属アルコキシド溶液又は部分加水分
解したゾルを、浸漬法又はスピンキャスティング法で基
板上に塗布して金属酸化物前駆体膜を形成し、その後熱
処理してペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜を得
る方法。
金属酸化物となる金属アルコキシド溶液又は部分加水分
解したゾルを、浸漬法又はスピンキャスティング法で基
板上に塗布して金属酸化物前駆体膜を形成し、その後熱
処理してペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜を得
る方法。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜の製造方法
は、次のような問題点を有していた。
ペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜の製造方法
は、次のような問題点を有していた。
【0007】即ち、(1)及び(2)の方法において
は、用いる金属酸化物粉体の粒径が微細に粉砕されたも
のでも0.5〜1.0μmであるため、5μm程度以上
の厚みの金属酸化物膜の形成には適しているが、1μm
以下の厚みの薄い金属酸化物膜の形成には適した方法で
はない。
は、用いる金属酸化物粉体の粒径が微細に粉砕されたも
のでも0.5〜1.0μmであるため、5μm程度以上
の厚みの金属酸化物膜の形成には適しているが、1μm
以下の厚みの薄い金属酸化物膜の形成には適した方法で
はない。
【0008】又、仮焼済みの金属酸化物粉体を用いるた
め、グリーンシートや塗布膜を800℃以下の温度で熱
処理して焼結させることは困難である。
め、グリーンシートや塗布膜を800℃以下の温度で熱
処理して焼結させることは困難である。
【0009】(3)の方法は、ゾル−ゲル法によりペロ
ブスカイト酸化物膜を形成する方法のため、1μm以下
の厚みの金属酸化物膜の形成は可能である。
ブスカイト酸化物膜を形成する方法のため、1μm以下
の厚みの金属酸化物膜の形成は可能である。
【0010】しかしながら、膜の形成方法が浸漬法ある
いはスピンキャスティング法のため、所定形状の金属酸
化物の前駆体被膜を得ることができない。したがって、
浸漬法あるいはスピンキャスティング法で膜を形成した
後、所定の形状にエッチングなどでパターンニングする
必要がある。しかしながら、これらの方法で得られる金
属酸化物の前駆体被膜は有機溶剤に可溶なため、有機溶
剤でエッチングしてパターンニングすることができな
い。一方、熱処理後は強固な金属酸化物膜となるため、
エッチングなどで所定形状にパターンニングすることが
困難である。
いはスピンキャスティング法のため、所定形状の金属酸
化物の前駆体被膜を得ることができない。したがって、
浸漬法あるいはスピンキャスティング法で膜を形成した
後、所定の形状にエッチングなどでパターンニングする
必要がある。しかしながら、これらの方法で得られる金
属酸化物の前駆体被膜は有機溶剤に可溶なため、有機溶
剤でエッチングしてパターンニングすることができな
い。一方、熱処理後は強固な金属酸化物膜となるため、
エッチングなどで所定形状にパターンニングすることが
困難である。
【0011】そこで、本発明の目的は、上記問題点を解
決して、低温熱処理が可能で、かつ、所定形状にパター
ンニングすることが容易な、ペロブスカイト構造を有す
る厚みの薄い金属酸化物膜の製造方法、及びこの金属酸
化物膜を誘電体として用いた薄膜コンデンサの製造方法
を提供することにある。
決して、低温熱処理が可能で、かつ、所定形状にパター
ンニングすることが容易な、ペロブスカイト構造を有す
る厚みの薄い金属酸化物膜の製造方法、及びこの金属酸
化物膜を誘電体として用いた薄膜コンデンサの製造方法
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜
の製造方法は、次の工程よりなる。 (a)熱処理によりペロブスカイト構造の金属酸化物と
なる前駆体と、紫外線吸収剤とを含むゾルを作製する第
1工程、(b)基板上にゾルの膜を形成後、乾燥させて
金属酸化物の前駆体被膜を形成する第2工程、(c)基
板の前駆体被膜上にマスクパターンをセットし、紫外線
を照射して該前駆体被膜を硬化させる第3工程、(d)
基板上の前駆体被膜をエッチングして、紫外線非照射部
分を除去する第4工程、(e)基板上の前駆体被膜を熱
処理して、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜を
得る第5工程。
め、本発明のペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜
の製造方法は、次の工程よりなる。 (a)熱処理によりペロブスカイト構造の金属酸化物と
なる前駆体と、紫外線吸収剤とを含むゾルを作製する第
1工程、(b)基板上にゾルの膜を形成後、乾燥させて
金属酸化物の前駆体被膜を形成する第2工程、(c)基
板の前駆体被膜上にマスクパターンをセットし、紫外線
を照射して該前駆体被膜を硬化させる第3工程、(d)
基板上の前駆体被膜をエッチングして、紫外線非照射部
分を除去する第4工程、(e)基板上の前駆体被膜を熱
処理して、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜を
得る第5工程。
【0013】そして、熱処理によりペロブスカイト構造
の金属酸化物となる前駆体は、Ba、Sr、Ca、Mg
及びPb元素のうち少なくとも1種類の酢酸塩と、T
i、Zr、Sn及びHf元素のうち少なくとも1種類の
アルコキシドとからなることを特徴とする。
の金属酸化物となる前駆体は、Ba、Sr、Ca、Mg
及びPb元素のうち少なくとも1種類の酢酸塩と、T
i、Zr、Sn及びHf元素のうち少なくとも1種類の
アルコキシドとからなることを特徴とする。
【0014】又、紫外線吸収剤としては、2,4−ペン
タンジオンであることを特徴とする。
タンジオンであることを特徴とする。
【0015】又、基板上にゾルの膜を形成する方法は、
浸漬法又はスピンキャスティング法であることを特徴と
する。
浸漬法又はスピンキャスティング法であることを特徴と
する。
【0016】さらに、アルコールと水の混合溶液でエッ
チングすることを特徴とする。
チングすることを特徴とする。
【0017】又、本発明の薄膜コンデンサの製造方法
は、基板上に第1の電極を形成し、該第1の電極の上に
上記方法でペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜を
形成し、該金属酸化物膜の上に第2の電極を形成するこ
とを特徴とする。
は、基板上に第1の電極を形成し、該第1の電極の上に
上記方法でペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜を
形成し、該金属酸化物膜の上に第2の電極を形成するこ
とを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明の金属酸化物膜の製造方法は、熱処理に
よりペロブスカイト構造の金属酸化物となる前駆体と、
紫外線吸収剤とを含むゾルを用いて、基板上に前駆体被
膜を形成した後、この被膜をエッチングして所定形状に
パターンニングし、その後熱処理して金属酸化物膜を得
る方法である。
よりペロブスカイト構造の金属酸化物となる前駆体と、
紫外線吸収剤とを含むゾルを用いて、基板上に前駆体被
膜を形成した後、この被膜をエッチングして所定形状に
パターンニングし、その後熱処理して金属酸化物膜を得
る方法である。
【0019】このように、前駆体被膜中に紫外線吸収剤
を共存させることによって、マスクパターンを介して紫
外線を照射して前駆体被膜を部分的に硬化させ、未硬化
部分をエッチングで除去する方法で、容易に前駆体被膜
をパターンニングすることができる。
を共存させることによって、マスクパターンを介して紫
外線を照射して前駆体被膜を部分的に硬化させ、未硬化
部分をエッチングで除去する方法で、容易に前駆体被膜
をパターンニングすることができる。
【0020】そして、具体的に紫外線吸収剤としては、
例えばゾルの加水分解性に対する安定剤である2,4−
ペンタンジオンを用いることにより、前駆体被膜に紫外
線を単に照射するという簡単な処理で効率よく硬化させ
ることができる。
例えばゾルの加水分解性に対する安定剤である2,4−
ペンタンジオンを用いることにより、前駆体被膜に紫外
線を単に照射するという簡単な処理で効率よく硬化させ
ることができる。
【0021】又、本発明の金属酸化物膜の製造方法は、
熱処理により金属酸化物となる酢酸塩及びアルコキシド
を含む前駆体のゾルを用いて被膜を形成する方法である
ため、650〜800℃の温度で厚み1μm以下のペロ
ブスカイト構造を有する金属酸化物膜を得ることができ
る。
熱処理により金属酸化物となる酢酸塩及びアルコキシド
を含む前駆体のゾルを用いて被膜を形成する方法である
ため、650〜800℃の温度で厚み1μm以下のペロ
ブスカイト構造を有する金属酸化物膜を得ることができ
る。
【0022】又、前駆体被膜のエッチングは、アルコー
ルと水との混合溶液で容易に行なうことができる。
ルと水との混合溶液で容易に行なうことができる。
【0023】又、金属酸化物膜の両面に、蒸着法又はス
パッタ法などで電極を形成することにより、容易に薄膜
コンデンサを得ることができる。
パッタ法などで電極を形成することにより、容易に薄膜
コンデンサを得ることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明のペロブスカイト構造を有する
金属酸化物膜の製造方法、及び薄膜コンデンサの製造方
法について、その実施例を説明する。
金属酸化物膜の製造方法、及び薄膜コンデンサの製造方
法について、その実施例を説明する。
【0025】まず、金属酸化物膜形成用のゾルを作製し
た。即ち、表1に示す調合比率にしたがって、金属元素
Ba、Sr及びPbの酢酸塩を、目的とする金属酸化物
を0.2モル合成するために必要な量だけ秤量分取し、
酢酸200cc中で加熱溶解させた。その後、蒸留して
脱水処理を行なった。
た。即ち、表1に示す調合比率にしたがって、金属元素
Ba、Sr及びPbの酢酸塩を、目的とする金属酸化物
を0.2モル合成するために必要な量だけ秤量分取し、
酢酸200cc中で加熱溶解させた。その後、蒸留して
脱水処理を行なった。
【0026】その後、この脱水処理済み溶液を温度50
〜60℃まで冷却した。そしてこの溶液に、表1に示す
調合比率にしたがって、金属元素Ti及びZrのアルコ
キシド(チタンイソプロポキシド及びジルコニウムブト
キシド)及び2,4−ペンタンジオンを、目的とする金
属酸化物を0.2モル合成するために必要な量だけ秤量
分取して加え、還流を行なって複合アルコキシド溶液を
得た。これを各々ペロブスカイト構造の金属酸化物膜形
成用のゾル原液とした。
〜60℃まで冷却した。そしてこの溶液に、表1に示す
調合比率にしたがって、金属元素Ti及びZrのアルコ
キシド(チタンイソプロポキシド及びジルコニウムブト
キシド)及び2,4−ペンタンジオンを、目的とする金
属酸化物を0.2モル合成するために必要な量だけ秤量
分取して加え、還流を行なって複合アルコキシド溶液を
得た。これを各々ペロブスカイト構造の金属酸化物膜形
成用のゾル原液とした。
【0027】その後、これらゾル原液を酢酸/イソプロ
ピルアルコール(50/50容積比)混合溶液で希釈し
て、金属酸化物の成分濃度0.1モル/Lのゾルを得
た。
ピルアルコール(50/50容積比)混合溶液で希釈し
て、金属酸化物の成分濃度0.1モル/Lのゾルを得
た。
【0028】
【表1】
【0029】次に、以上得られたゾルを誘電体材料とし
て用いて薄膜コンデンサを作製した。即ち、まず、耐熱
ガラス基板上にPtを蒸着して、薄膜コンデンサの第1
の薄膜電極を形成した。その後、この第1の薄膜電極を
形成した耐熱ガラス基板上にスピンキャスティング法に
よって、先に得たゾルの膜を形成した後、120〜15
0℃のホットプレート上で乾燥して溶剤を除去し、熱処
理によりペロブスカイト構造の金属酸化物となる前駆体
被膜を形成した。
て用いて薄膜コンデンサを作製した。即ち、まず、耐熱
ガラス基板上にPtを蒸着して、薄膜コンデンサの第1
の薄膜電極を形成した。その後、この第1の薄膜電極を
形成した耐熱ガラス基板上にスピンキャスティング法に
よって、先に得たゾルの膜を形成した後、120〜15
0℃のホットプレート上で乾燥して溶剤を除去し、熱処
理によりペロブスカイト構造の金属酸化物となる前駆体
被膜を形成した。
【0030】その後、所定のマスクパターンを前駆体被
膜上にセットし、主波長が250nmの紫外線を照射
(照射エネルギー:1400〜1800mJ/cm2 )
して硬化処理を行なった。その後、マスクパターンを外
し、水/エタノール(5/95容積比)の混合溶液に3
0秒間浸漬してエッチング処理を行ない、紫外線非照射
で未硬化の前駆体被膜部分を溶解除去した。その後、6
50℃に調整した電気炉中で15分間熱処理を行ない、
金属酸化物の前駆体被膜を酸化物化した。
膜上にセットし、主波長が250nmの紫外線を照射
(照射エネルギー:1400〜1800mJ/cm2 )
して硬化処理を行なった。その後、マスクパターンを外
し、水/エタノール(5/95容積比)の混合溶液に3
0秒間浸漬してエッチング処理を行ない、紫外線非照射
で未硬化の前駆体被膜部分を溶解除去した。その後、6
50℃に調整した電気炉中で15分間熱処理を行ない、
金属酸化物の前駆体被膜を酸化物化した。
【0031】以後、ゾルのスピンキャスティングから前
駆体被膜の熱処理までの工程を同様に合計10回繰り返
した後、750℃で1時間焼成を行なってペロブスカイ
ト構造を有する金属酸化物膜を得た。
駆体被膜の熱処理までの工程を同様に合計10回繰り返
した後、750℃で1時間焼成を行なってペロブスカイ
ト構造を有する金属酸化物膜を得た。
【0032】次に、焼成済み金属酸化物膜について、そ
の結晶構造をX線回折により分析し、結晶粒径及び膜厚
を走査型電子顕微鏡観察により求めた。これらの結果を
表2に示す。
の結晶構造をX線回折により分析し、結晶粒径及び膜厚
を走査型電子顕微鏡観察により求めた。これらの結果を
表2に示す。
【0033】その後、金属酸化物膜上にPtを蒸着し
て、薄膜コンデンサの第2の薄膜電極を形成した。
て、薄膜コンデンサの第2の薄膜電極を形成した。
【0034】以上、得られた薄膜コンデンサについて、
その電気特性を測定した。即ち、周波数1kHz、電圧
1Vrms,温度25℃で静電容量及び誘電損失を測定
し、得られた静電容量及び寸法データより誘電率を算出
した。これらの結果を表2に示す。
その電気特性を測定した。即ち、周波数1kHz、電圧
1Vrms,温度25℃で静電容量及び誘電損失を測定
し、得られた静電容量及び寸法データより誘電率を算出
した。これらの結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】以上示す通り、本発明の方法によれば、熱
処理によりペロブスカイト構造の金属酸化物となる前駆
体被膜の紫外線硬化、エッチング処理によって、パター
ンニングされた金属酸化物膜と、それを誘電体とした薄
膜コンデンサを容易に得ることができる。
処理によりペロブスカイト構造の金属酸化物となる前駆
体被膜の紫外線硬化、エッチング処理によって、パター
ンニングされた金属酸化物膜と、それを誘電体とした薄
膜コンデンサを容易に得ることができる。
【0037】又、表2の結果から明らかなように、本発
明の方法で得られるペロブスカイト構造を有する金属酸
化物膜は、目的とする金属酸化物が得られている。そし
て、その結晶粒子は、その径が0.20〜0.25μm
であって、1.1〜1.2μm厚みの誘電体層内に厚み
方向に4〜6個重なり、緻密な金属酸化物膜の構造を得
ることができている。
明の方法で得られるペロブスカイト構造を有する金属酸
化物膜は、目的とする金属酸化物が得られている。そし
て、その結晶粒子は、その径が0.20〜0.25μm
であって、1.1〜1.2μm厚みの誘電体層内に厚み
方向に4〜6個重なり、緻密な金属酸化物膜の構造を得
ることができている。
【0038】これは、従来、金属酸化物粉体原料をスラ
リーやペーストなどにして1μm厚みの金属酸化物膜を
形成する場合には、結晶粒子が膜の厚み方向に1〜2個
しか存在できず、疎な金属酸化物膜しか得られなかった
場合と比較して、緻密性などに大幅に優れた金属酸化物
膜が得られることを示している。
リーやペーストなどにして1μm厚みの金属酸化物膜を
形成する場合には、結晶粒子が膜の厚み方向に1〜2個
しか存在できず、疎な金属酸化物膜しか得られなかった
場合と比較して、緻密性などに大幅に優れた金属酸化物
膜が得られることを示している。
【0039】なお、上記実施例においては、一般式AB
O3 で表されるペロブスカイト構造を有する金属酸化物
として、AがBa、Sr、Pbの場合、BがTi、Zr
の場合について説明したが、本発明はこれのみに限定さ
れるものではない。即ち、AはBa、Sr、Ca、Mg
などのアルカリ土類金属及びPbのうち少なくとも1種
類、又、Bは4価の元素であるTi、Zr、Sn、Hf
などのうち少なくとも1種類からなる金属酸化物におい
て同様の効果を得ることができる。
O3 で表されるペロブスカイト構造を有する金属酸化物
として、AがBa、Sr、Pbの場合、BがTi、Zr
の場合について説明したが、本発明はこれのみに限定さ
れるものではない。即ち、AはBa、Sr、Ca、Mg
などのアルカリ土類金属及びPbのうち少なくとも1種
類、又、Bは4価の元素であるTi、Zr、Sn、Hf
などのうち少なくとも1種類からなる金属酸化物におい
て同様の効果を得ることができる。
【0040】又、ゾルの膜の基板への形成方法として
は、スピンキャスティング法以外に、浸漬法などの方法
を用いることができる。
は、スピンキャスティング法以外に、浸漬法などの方法
を用いることができる。
【0041】又、上記実施例においては、230〜28
0nmといかなる紫外線ランプでも取り出せる波長に吸
収ピークを有する2,4−ペンタンジオンを紫外線吸収
剤として用いることで特異性を持たせている。
0nmといかなる紫外線ランプでも取り出せる波長に吸
収ピークを有する2,4−ペンタンジオンを紫外線吸収
剤として用いることで特異性を持たせている。
【0042】紫外線吸収剤として、4−tert−ブチ
ルフェニルサリシレート、1,5−クロロ−2−ヒドロ
キシベンゾフェノン、2(2´−ヒドロキシ−4´メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾルに代表されるフェニルサ
リシレート系、ベンゾフェノン系、及びベンゾトリアゾ
ール系のものがある。しかしながら、これらの紫外線吸
収剤の最高吸収波長は290〜380nmと長く、か
つ、これらの紫外線吸収剤はペロブスカイト構造を有す
る金属酸化物を形成するための前駆体と配位結合をする
性質を有していない。このため、前駆体に対して紫外線
吸収により硬化反応を進行させる光励起作用が小さい。
ところが、2,4−ペンタンジオンは、前駆体と配位結
合して前駆体を安定化させるとともに、紫外線を吸収し
て硬化反応を進行させる光励起作用を有しているので、
他の紫外線吸収剤に比較して有利な特異性を有してい
る。
ルフェニルサリシレート、1,5−クロロ−2−ヒドロ
キシベンゾフェノン、2(2´−ヒドロキシ−4´メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾルに代表されるフェニルサ
リシレート系、ベンゾフェノン系、及びベンゾトリアゾ
ール系のものがある。しかしながら、これらの紫外線吸
収剤の最高吸収波長は290〜380nmと長く、か
つ、これらの紫外線吸収剤はペロブスカイト構造を有す
る金属酸化物を形成するための前駆体と配位結合をする
性質を有していない。このため、前駆体に対して紫外線
吸収により硬化反応を進行させる光励起作用が小さい。
ところが、2,4−ペンタンジオンは、前駆体と配位結
合して前駆体を安定化させるとともに、紫外線を吸収し
て硬化反応を進行させる光励起作用を有しているので、
他の紫外線吸収剤に比較して有利な特異性を有してい
る。
【0043】又、エッチングはアルコール単独でも可能
であるが、上記実施例においては、水を介在させること
で前駆体被膜の加水分解を促進させ、硬化後の前駆体被
膜の不溶化をさらに促進させている。
であるが、上記実施例においては、水を介在させること
で前駆体被膜の加水分解を促進させ、硬化後の前駆体被
膜の不溶化をさらに促進させている。
【0044】さらに、薄膜コンデンサの電極としては、
Pt以外にAuやAgなどを用いることができる。そし
て、電極の形成方法としては、蒸着法以外に例えばスパ
ッタ法などの他の金属薄膜形成方法を適宜用いることが
できる。
Pt以外にAuやAgなどを用いることができる。そし
て、電極の形成方法としては、蒸着法以外に例えばスパ
ッタ法などの他の金属薄膜形成方法を適宜用いることが
できる。
【0045】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜の製造方法
は、金属酸化物の前駆体被膜中に紫外線吸収剤を共存さ
せる方法のため、この前駆体被膜の紫外線硬化、エッチ
ング処理により高精度にパターンニングした金属酸化物
膜を容易に得ることができる。
ペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜の製造方法
は、金属酸化物の前駆体被膜中に紫外線吸収剤を共存さ
せる方法のため、この前駆体被膜の紫外線硬化、エッチ
ング処理により高精度にパターンニングした金属酸化物
膜を容易に得ることができる。
【0046】又、本発明の金属酸化物膜の製造方法は、
熱処理により金属酸化物となる酢酸塩及びアルコキシド
を含む前駆体のゾルを用いて被膜を形成する方法である
ため、650〜800℃の温度で、厚み1μm以下であ
って、結晶粒子サイズが0.2〜0.3μmと小さく緻
密なペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜を形成す
ることができる。
熱処理により金属酸化物となる酢酸塩及びアルコキシド
を含む前駆体のゾルを用いて被膜を形成する方法である
ため、650〜800℃の温度で、厚み1μm以下であ
って、結晶粒子サイズが0.2〜0.3μmと小さく緻
密なペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜を形成す
ることができる。
【0047】そして、このような誘電体膜の両面に薄膜
電極を形成することにより、緻密な誘電体膜を有する薄
膜コンデンサを得ることができる。
電極を形成することにより、緻密な誘電体膜を有する薄
膜コンデンサを得ることができる。
【0048】さらに、金属酸化物の構成金属元素のう
ち、Ba、Srなどのアルカリ土類金属元素及びPbに
ついては,その出発原料としてコストの安価な酢酸塩を
用いることができ、又、低温揮発性である鉛アルコキシ
ドを用いないので作業環境の面でも優れている。
ち、Ba、Srなどのアルカリ土類金属元素及びPbに
ついては,その出発原料としてコストの安価な酢酸塩を
用いることができ、又、低温揮発性である鉛アルコキシ
ドを用いないので作業環境の面でも優れている。
Claims (6)
- 【請求項1】 次の工程よりなるペロブスカイト構造を
有する金属酸化物膜の製造方法。 (a)熱処理によりペロブスカイト構造の金属酸化物と
なる前駆体と、紫外線吸収剤とを含むゾルを作製する第
1工程、 (b)基板上にゾルの膜を形成後、乾燥させて金属酸化
物の前駆体被膜を形成する第2工程、 (c)基板の前駆体被膜上にマスクパターンをセット
し、紫外線を照射して該前駆体被膜を硬化させる第3工
程、 (d)基板上の前駆体被膜をエッチングして、紫外線非
照射部分を除去する第4工程、 (e)基板上の前駆体被膜を熱処理して、ペロブスカイ
ト構造を有する金属酸化物膜を得る第5工程。 - 【請求項2】 熱処理によりペロブスカイト構造の金属
酸化物となる前駆体は、Ba、Sr、Ca、Mg及びP
b元素のうち少なくとも1種類の酢酸塩と、Ti、Z
r、Sn及びHf元素のうち少なくとも1種類のアルコ
キシドとからなることを特徴とする請求項1記載のペロ
ブスカイト構造を有する金属酸化物膜の製造方法。 - 【請求項3】 紫外線吸収剤は、2,4−ペンタンジオ
ンであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
ペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜の製造方法。 - 【請求項4】 基板上にゾルの膜を形成する方法は、浸
漬法又はスピンキャスティング法であることを特徴とす
る請求項1〜3のうちいずれかに記載のペロブスカイト
構造を有する金属酸化物膜の製造方法。 - 【請求項5】 アルコールと水の混合溶液でエッチング
することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれかに記
載のペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜の製造方
法。 - 【請求項6】 基板上に第1の電極を形成し、該第1の
電極の上に請求項1〜5のうちいずれか1つでペロブス
カイト構造を有する金属酸化物膜を形成し、該金属酸化
物膜の上に第2の電極を形成することを特徴とする薄膜
コンデンサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15952795A JPH0912305A (ja) | 1995-06-26 | 1995-06-26 | ペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜の製造方法、及び薄膜コンデンサの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15952795A JPH0912305A (ja) | 1995-06-26 | 1995-06-26 | ペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜の製造方法、及び薄膜コンデンサの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0912305A true JPH0912305A (ja) | 1997-01-14 |
Family
ID=15695720
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15952795A Pending JPH0912305A (ja) | 1995-06-26 | 1995-06-26 | ペロブスカイト構造を有する金属酸化物膜の製造方法、及び薄膜コンデンサの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0912305A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11260148A (ja) * | 1998-03-13 | 1999-09-24 | Hitachi Ltd | 薄膜誘電体とそれを用いた多層配線板とその製造方法 |
JPH11319547A (ja) * | 1998-03-13 | 1999-11-24 | Saint Gobain Vitrage | 金属酸化物を主成分とする層の堆積方法 |
JP2011040708A (ja) * | 2009-07-13 | 2011-02-24 | Mitsubishi Materials Corp | Csd塗布膜除去用組成物及びこれを用いたcsd塗布膜除去方法並びに強誘電体薄膜とその製造方法 |
TWI464805B (zh) * | 2010-03-29 | 2014-12-11 | Tokyo Electron Ltd | 低介電常數介電質之整合方法 |
-
1995
- 1995-06-26 JP JP15952795A patent/JPH0912305A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11260148A (ja) * | 1998-03-13 | 1999-09-24 | Hitachi Ltd | 薄膜誘電体とそれを用いた多層配線板とその製造方法 |
JPH11319547A (ja) * | 1998-03-13 | 1999-11-24 | Saint Gobain Vitrage | 金属酸化物を主成分とする層の堆積方法 |
JP2011040708A (ja) * | 2009-07-13 | 2011-02-24 | Mitsubishi Materials Corp | Csd塗布膜除去用組成物及びこれを用いたcsd塗布膜除去方法並びに強誘電体薄膜とその製造方法 |
TWI464805B (zh) * | 2010-03-29 | 2014-12-11 | Tokyo Electron Ltd | 低介電常數介電質之整合方法 |
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