JPH09122853A - 高清浄度鋼連続鋳造用タンディッシュ - Google Patents
高清浄度鋼連続鋳造用タンディッシュInfo
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- JPH09122853A JPH09122853A JP30815095A JP30815095A JPH09122853A JP H09122853 A JPH09122853 A JP H09122853A JP 30815095 A JP30815095 A JP 30815095A JP 30815095 A JP30815095 A JP 30815095A JP H09122853 A JPH09122853 A JP H09122853A
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Abstract
に適し、残塊の排出作業が容易で介在物浮上分離性,耐
火物施工性が良好なタンディッシュを提供する。 【解決手段】 この高清浄度鋼連続鋳造用タンディッシ
ュは、式(1)及び式(2)を満足する条件下設置位置
及び高さが規制された固定堰で底部を密閉している。式
中、Dは取鍋溶鋼注入流から固定堰までの水平距離(m
m),hはタンディッシュ底壁から固定堰頂面までの高
さ(mm),Lは取鍋溶鋼注入流から連鋳用鋳型への流
出孔までの水平距離(mm),Hはタンディッシュ内の
鋼浴深さ(mm)を示す。 0.07×L≦D≦0.20×L ・・・・
(1) 0.33×H≦h≦0.67×H ・・・・
(2)
Description
良く浮上分離させることにより高清浄度鋼を連続鋳造す
る際に使用され、耐火物施工性に優れたタンディッシュ
に関する。
鋼は、取鍋に受けられ、RH真空脱ガス等の二次精錬工
程を経由した後、タンディッシュを経て連続鋳造用鋳型
に送り込まれ、連鋳スラブに製造される。スラブの清浄
度を高めるため、精錬炉における操業条件や取鍋内での
精錬条件等に関し種々改良されてきている。取鍋内で
は、各種精錬剤が必要に応じて添加され、溶鋼に含まれ
ている不純物元素が除去される。また、真空処理によっ
て、溶鋼を脱ガスする場合もある。このようにして清浄
度が高められた溶鋼は、タンディッシュを介して連続鋳
造用鋳型に注湯される。しかし、溶鋼は、タンディッシ
ュを通過する間に雰囲気ガスや耐火物ライニングと接触
し、ガス吸収やライニング材の溶出等によって汚染され
易い。また、取鍋からタンディッシュに供給された溶鋼
には、精錬反応によって生成したAl2 O3 等の介在物
が溶鋼から除去されずに残留している。
浸漬ノズル等を閉塞させる原因となり、鋳造条件を不安
定にする。介在物が連鋳スラブに持ち込まれると、後続
する圧延段階で疵発生原因となり、歩留りを低下させ
る。そこで、タンディッシュ内の溶鋼に含まれている介
在物を除去するため、従来から種々の提案がされてい
る。たとえば、特開平1−224152号公報では、タ
ンディッシュ内で溶鋼の流動方向を強制的に変更させて
上昇流を作り、溶鋼に含まれている介在物の浮上分離を
促進させるように、複数の堰を設けたタンディッシュが
紹介されている。また、特開昭63−72452号公報
では、溶湯流通方向に関し上向きに傾斜した孔を設けた
タンディッシュ堰が紹介されている。
堰を設けると、浮上分離効果によって溶鋼の清浄度は確
かに向上する。しかし、上堰や下堰でタンディッシュの
内部空間を複雑に仕切ったものでは、保守管理が面倒に
なり、堰の取り替えに多大の手数が必要になる。また、
堰のあるタンディッシュでは、注湯終了期の溶鋼をタン
ディッシュから排出するため、タンディッシュの底面と
堰の下部との間に通称「ねずみ通し」といわれる開口部
が設けられている。しかし、ねずみ通しを通過して短時
間に排出されてしまう介在物がかなり多く、堰の浮上分
離効果を著しく低下させる原因となっている。更に、注
湯終了期には、取鍋から持ちきたされたスラグやタンデ
ィッシュフラックスを鋳型の内部に持ち込まないよう
に、若干量の溶鋼がタンディッシュ内に残留した状態で
連鋳用鋳型への注湯を停止している。そのため、タンデ
ィッシュを次のキャストに使用する前に、タンディッシ
ュ内部で凝固したスラグや地金の残塊を排出する必要が
ある。
ンディッシュでは、ねずみ通しのため残塊が堰で分離さ
れることなく、巨大な残塊が発生する。その結果、残塊
の排出及び廃棄処分に多大の手数と時間がかかる。した
がって、タンディッシュから連鋳用鋳型に流出する介在
物やスラグを可能な限り少なくする堰本来の作用を確保
した上で、構造を簡略化したタンディッシュが望まれて
いる。本発明は、このような要求に応えるべく案出され
たものであり、堰の設置位置や高さを適正化することに
より、介在物の凝集合体や浮上分離を一層促進させて溶
鋼の清浄度を更に高め、健全で品質が高位に安定した連
鋳片を得ることを目的とする。
は、その目的を達成するため、式(1)及び式(2)を
満足する条件下で設置位置及び高さが規制された固定堰
で底部を密閉したことを特徴とする。 0.07×L≦D≦0.20×L ・・・・(1) 0.33×H≦h≦0.67×H ・・・・(2)
作用と共に具体的に説明する。本発明で使用するタンデ
ィッシュは、図1に示すように上広がりのタンディッシ
ュ本体10に固定堰20を固定し、固定堰20でタンデ
ィッシュ底部を密閉している。タンディッシュ本体10
は、耐火レンガを構築した炉壁11に耐火物ライニング
12を施しており、上広がりの台形状断面をもってい
る。一般に、固定堰の高さ及び設置位置がタンディッシ
ュ内での介在物浮上性に及ぼす影響は大きく、その適正
化を図ることが高清浄度鋼を得る上で非常に重要であ
る。そこで、本発明者等は、図2に示すようにロングノ
ズル1の入口から投入した模擬介在物が鋳型に流出する
状況を把握するため、中空球状のシリカバルーンを模擬
介在物とした水モデル実験を行った。水モデル実験で
は、ロングノズル1から吐出する取鍋溶鋼注入流から固
定堰20までの水平距離D及びタンディッシュ及びタン
ディッシュ底壁14から固定堰頂面までの高さhを種々
変化させ、模擬介在物の流出割合に及ぼす水平距離D及
び高さhの影響を調査した。
溶鋼注入流から固定堰20までの水平距離Dと取鍋溶鋼
注入流から連鋳用鋳型への流出孔までの水平距離Lの比
D/Lを横軸にとり、タンディッシュ底壁14から固定
堰20の頂面までの高さhとタンディッシュ内の鋼浴深
さHの比h/Hを縦軸にとった。そして、堰を設けない
場合の流出介在物量に対する堰使用時の流出介在物量の
割合(%)をD/L−h/Hの関係で整理した。図3か
ら明らかなように、D/L=0.07〜0.20及びh
/H=0.33〜0.67となる条件下で固定堰20を
設置した場合、堰を設けない場合に比較して介在物流出
割合が半分以下に抑えられていた。
と、介在物流出率が増加する。この原因は、水モデル実
験中の目視観察の結果から次のように推察される。すな
わち、固定堰20の設置位置に関しD/Lが0.07に
達しない場合、ロングノズル1を経由して流入する取鍋
溶鋼注入流が固定堰20の外側まで溢れ出るため、堰止
め効果が一部損なわれる。逆にD/Lが0.20を超え
ると、取鍋溶鋼注入流のエネルギーを利用した撹拌・浮
上流が拡散し、その効果が弱まると共に、連鋳用鋳型へ
の流出孔3近傍の溶鋼の流れに乱れが生じ、介在物が流
出し易くなる。固定堰20の高さに関しては、h/Hが
0.33に満たないと、堰止め効果が不十分になり、固
定堰20の下流側に持ちきたされる介在物の割合が増加
する。逆にh/Hが0.67を超えると、堰頂面が溶鋼
表面に接近し、堰頂面を超えて通過する溶鋼7の流速が
増大するため、溶鋼表面が逆に荒らされる結果、浮上し
た介在物が再び溶鋼中に侵入したり、表面に浮遊してい
るタンディッシュスラグ6が巻き込まれ、溶鋼2を汚染
する。
タンディッシュの底壁14から固定堰20の頂面までの
距離hと取鍋溶鋼注入流から固定堰20までの水平距離
Dを適正に調節することによって、タンディッシュ内で
の介在物浮上効果を常に高位に維持することができる。
溶鋼2をタンディッシュに供給するに際しては、注湯開
始時では送り込まれた溶鋼2が固定堰20の内側に溜
る。その後、溶鋼2の湯面が固定堰20の頂面に達する
と、固定堰20の外側に流出していく。この状態で、タ
ンディッシュの内部が固定堰20によって上流域と下流
域に区分される。ロングノズル1から供給された溶鋼2
は、図2に矢印で示すように、上流域で固定堰20に沿
った上昇流5となって湯面近傍まで流動する。この過程
で、溶鋼2に含まれている介在物は、比重差によって溶
鋼2から浮上分離する。このとき、固定堰20の一部を
ポーラスレンガとし、ポーラスレンガからArガスを導
入すると、ガス気泡に介在物が確実に捕捉されると共
に、ガス気泡の浮上駆動力が加わり更に浮上分離が促進
される。また、湯面にフラックス層6を浮遊させておく
とき、浮上した介在物がフラックス層6に効率よく吸収
される。
の高い下降流7となって下流域に流入し、浸漬ノズル3
を経て連鋳用鋳型に供給される。注湯終了期には、取鍋
から供給される溶鋼2は、スラグ等の影響を受けて汚染
が著しい。しかし、汚染された溶鋼2は、固定堰20の
内側に溜り、連鋳用鋳型に持ち込まれることがないの
で、得られる連鋳片の品質を低下させることもない。1
キャスト分の連鋳作業を終了し、次のキャストに備える
ときには、タンディッシュ内の残塊を取り出し、耐火物
を補修する。このとき、ねずみ通しを形成した固定堰で
発生するようなタンディッシュ底部全面にわたって繋が
っている巨大な残塊が発生することがないので、残塊の
処理が極めて容易になる。また、固定堰の枚数もストラ
ンド当り1枚と必要最小限であり、且つねずみ通しのな
いシンプルな構造であるため、耐火物の施工作業も極め
て簡単になる。
−RH真空脱ガス工程で溶製した低炭素Alキルド鋼を
連続鋳造した。鋳型幅は1200mm,鋳片厚は250
mm,鋳造速度は1.4m/分とした。タンディッシュ
は、取鍋溶鋼注入流から連鋳用鋳型への流出孔までの水
平距離をL=3000mm,定常状態における鋼浴深さ
をH=1200mmとし、溶鋼量約65トンを注湯し
た。固定堰は、取鍋溶鋼注入流から固定堰までの水平距
離をD=300mm,定常状態における堰頂面までの高
さをh=600mmに設定した。この条件下では、D/
L=0.10,h/H=0.50となる。比較のため、
同一のタンディッシュを使用して、水平距離D及び高さ
hを表1に示すように変更し、同様な条件下で連続鋳造
した。
上流側から下流側に向かって中央下堰41,上堰42及
び外下堰43の順に配置され、中央下堰41及び外下堰
43にねじみ通し44を設けた三重堰50を設置した同
容量のタンディッシュを用い、実施例と同様に溶製した
低炭素Alキルド鋼を連続鋳造した。定常部及び取鍋交
換時においてタンディッシュ出口で溶鋼をサンプリング
し、分析して求めた溶鋼中全酸素量T.[O]TDとRH
真空脱ガス処理後の溶鋼中全酸素量T.[O]RHとの比
を介在物流出率ηとして算出した。実施例と比較例とで
は、図5に比較して示すように介在物流出率ηに大きな
差がみられた。すなわち、実施例の定常部では、介在物
流出率η=0.2が得られ、三重堰を使用した比較例5
の定常部のη=0.4に比べて、鋳型への介在物排出量
が半減していることが判った。また、比較例5の取鍋交
換時にはη=0.5と定常部よりも清浄度が劣っていた
が、実施例の取鍋交換時では、定常部と同様にη=0.
2と低位で安定していた。また、堰の設置位置や高さを
変更した比較例1〜4では、η=0.4〜0.6と三重
堰と同等、或いは若干劣る結果となった。以上の結果を
総合すると、固定堰の設置条件を適正範囲に設定するこ
とにより、三重堰よりもシンプルな構造をもつタンディ
ッシュを使用し、しかも三重堰を凌駕する介在物浮上効
果が奏せられ、清浄度の高い鋳片が製造されることが判
る。
を上流域及び下流域に仕切る固定堰の設置位置及び高さ
を適正に調節することにより、介在物の浮上分離が促進
され、鋼清浄度鋼を連鋳用鋳型に供給することができ
る。そのため、定常状態では勿論、取鍋交換等の非定常
状態においても、高位に安定した高清浄度鋼の連続鋳造
が可能となる。また、一連の鋳造終了後にタンディッシ
ュ内にある残塊を処理する際でも、固定堰によって残塊
が小分塊されるため、残塊の抜取りが極めて簡単にな
る。更にねずみ通しをもたないシンプルな構造の堰を必
要最小限の枚数だけ施工すれば良く、耐火物施工性の観
点からも極めて簡便となる。更に、取鍋溶鋼注入流から
固定堰までの水平距離及び湯面から堰頂面までの距離が
適正範囲に維持されることによって、上流域で固定堰に
沿って上昇する溶鋼から介在物が効率よく浮上分離し、
清浄度の高い溶鋼が下流域から連鋳用鋳型に送り出さ
れ、高清浄度校の鋳片が得られる。
ュ
の影響を示すグラフ
ュ
示すグラフ
4:ストッパー 5::上昇流 6:フラックス層
7:下降流 10:タンディッシュ本体 11:炉壁 12:耐火物ライニング 13:支持
壁 14:底壁 15:側壁 17:支持壁の内
側面 20:固定堰 40:三重堰 41:中央
下堰 42:上堰 43:外下堰 44:ねずみ
通し
Claims (1)
- 【請求項1】 式(1)及び式(2)を満足する条件下
で設置位置及び高さが規制された固定堰で底部を密閉し
た高清浄度鋼連続鋳造用タンディッシュ。 0.07×L≦D≦0.20×L ・・・・(1) 0.33×H≦h≦0.67×H ・・・・(2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30815095A JP3464856B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 高清浄度鋼連続鋳造用タンディッシュ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30815095A JP3464856B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 高清浄度鋼連続鋳造用タンディッシュ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09122853A true JPH09122853A (ja) | 1997-05-13 |
JP3464856B2 JP3464856B2 (ja) | 2003-11-10 |
Family
ID=17977503
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30815095A Expired - Fee Related JP3464856B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 高清浄度鋼連続鋳造用タンディッシュ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3464856B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008178884A (ja) * | 2007-01-23 | 2008-08-07 | Jfe Steel Kk | 鋼の連続鋳造方法 |
CN107855513A (zh) * | 2017-11-02 | 2018-03-30 | 路望培 | 一种带固定板的冶炼滤渣槽 |
JP2018066031A (ja) * | 2016-10-17 | 2018-04-26 | 新日鐵住金株式会社 | 高清浄鋼の製造方法 |
JP2021151659A (ja) * | 2020-03-24 | 2021-09-30 | 日本製鉄株式会社 | 残湯収容容器 |
-
1995
- 1995-10-31 JP JP30815095A patent/JP3464856B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008178884A (ja) * | 2007-01-23 | 2008-08-07 | Jfe Steel Kk | 鋼の連続鋳造方法 |
JP2018066031A (ja) * | 2016-10-17 | 2018-04-26 | 新日鐵住金株式会社 | 高清浄鋼の製造方法 |
CN107855513A (zh) * | 2017-11-02 | 2018-03-30 | 路望培 | 一种带固定板的冶炼滤渣槽 |
JP2021151659A (ja) * | 2020-03-24 | 2021-09-30 | 日本製鉄株式会社 | 残湯収容容器 |
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---|---|
JP3464856B2 (ja) | 2003-11-10 |
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