JP2021151659A - 残湯収容容器 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]溶鋼を受容して固化させる残湯収容容器であって、
当該残湯収容容器はその中に第一の仕切板が立設され、当該第一の仕切板は、その下端が容器底部に接しかつその上端の少なくとも一部が容器の上縁よりも低い形状(形状A)、その下端の少なくとも一部が容器底部よりも上方に位置する形状(形状B)、その水平方向一方の端部が容器側壁に接し他方の端部の少なくとも一部が容器側壁から離れている形状(形状C)、のいずれかの形状を有することを特徴とする残湯収容容器。
[2]前記残湯収容容器はその中にさらに第二の仕切板が立設され、当該第二の仕切板は、その下端が容器底部に接し、水平方向両方の端部が容器側壁に接しており、前記第一の仕切板が形状Aのときは前記第二の仕切板の上端が第一の仕切板の上端のうち高さが最も低い部位よりも高い位置にあることを特徴とする[1]に記載の残湯収容容器。
[3]前記残湯収容容器内に収容する残湯の予定高さを残湯収容高さとし、
前記第一の仕切板が形状Aであって、かつその上端の少なくとも一部が前記残湯収容高さよりも低い形状を有することを特徴とする[1]に記載の残湯収容容器。
[4]前記残湯収容容器内に収容する残湯の予定高さを残湯収容高さとし、
前記第一の仕切板が形状Bであって、かつその上端が前記残湯収容高さよりも高い形状を有することを特徴とする[1]に記載の残湯収容容器。
[5]前記残湯収容容器内に収容する残湯の予定高さを残湯収容高さとし、
前記第一の仕切板が形状Cを有することを特徴とする[1]に記載の残湯収容容器。
[6]前記残湯収容容器はその中にさらに第二の仕切板が立設され、当該第二の仕切板は、その下端が容器底部に接し、その上端が前記残湯収容高さよりも高い位置にあり、水平方向両方の端部が容器側壁に接していることを特徴とする[3]から[5]までのいずれか1つに記載の残湯収容容器。
残湯収容容器10は、取鍋やタンディッシュから排出される残鋼を受ける容器である。タンディッシュの形状や残鋼の排出のされ方によって、残湯収容容器10の概略形状は様々であり、鍋状のものや、図1に示すように、使用済タンディッシュを残湯収容容器10として使用する場合もある。例えば残湯収容容器10が連続鋳造のタンディッシュ程度の内容積を有している場合、タンディッシュ内残鋼を数回分(数タンディッシュ分)残湯収容容器10に溜め、予定の溶鋼量を確保した後、容器内で固化し、容器から取り出される場合が多い。容器内の残鋼が溶融状態にあるとき、地金を吊り出すための吊ピースがセットされる。吊りピースとしては、特許文献1に記載のような形状のものを用いることができる。高温の溶鋼を貯留するため、外皮は鋼製とし、内面が耐火物で構成される。
1番目の実施の形態(形状A)において、残湯収容容器10の中に立設された第一の仕切板11は、その下端22が容器底部32に接しかつその上端21の少なくとも一部が容器の上縁31よりも低い形状を有している。立設されるとは、仕切板が残湯収容容器10内の底面(容器底部32)に平行ではなく角度を有して設けられていることを意味する。仕切板が底面に対して直角あるいはほぼ直角に立設されていると好ましい。第一の仕切板11の下端22が容器底部32に接していることにより、容器内に溶鋼を収容して固化したとき、第一の仕切板11の設置位置において、残湯収容容器底部32に接する地金50下部の表面から地金内部に切り込み部51が形成されることとなる(図4、5参照)。また、第一の仕切板11の上端21の少なくとも一部が容器の上縁31よりも低い形状であることから、容器内に収容する溶鋼の表面位置を第一の仕切板の上端21のうち高さが最も低い部位よりも高い位置とすることが可能となり、第一の仕切板11設置によって形成される地金50の切り込み部51の全体が地金50の上部表面まで貫通すること、を防ぐことができる。これにより、容器から地金を一体として吊り出すことができる。図4、5に示す例では、上端21の全体が容器の上縁31よりも低い形状を有している。
第一の仕切板11の材質としては炭素鋼を用いることができる。以下の2,3番目の実施の形態でも同様である。
2番目の実施の形態(形状B)において、残湯収容容器10の中に立設された第一の仕切板11は、その下端22の少なくとも一部が容器底部32よりも上方に位置する形状とする。立設の意味は1番目の実施の形態と同様である。2番目の実施の形態においては、容器内に収容する溶鋼の表面位置を第一の仕切板11の上端21と同等あるいは上端21よりも低い位置とする。これにより、容器内に溶鋼を収容して固化したとき、第一の仕切板11の設置位置において、地金の上面側表面から地金内部に切り込み部が形成されることとなる。そして、第一の仕切板11の下端22の少なくとも一部が容器底部32よりも上方に位置する形状なので、第一の仕切板設置によって形成される地金の切り込み部の全体が地金の下部表面まで貫通すること、を防ぐことができる。残湯収容容器10の容器底部32から第一の仕切板11の下端22までの距離は、40mm〜80mmの範囲とすると好ましい。前記1番目の実施の形態と同様の理由による。
図6においては、第一の仕切板11の上端21が残湯収容容器10の上縁31と等しい高さとなっているが、第一の仕切板の上端21が残湯収容容器の上縁31より低い位置でもかまわない。図6には後述する第二の仕切板12を有しているが、上述のとおり第二の仕切板12は本実施の形態で必須ではない。
3番目の実施の形態(形状C)において、残湯収容容器10の中に立設された第一の仕切板11は、仕切板の水平方向一方の端部23が容器側壁33に接し、他方の端部24の少なくとも一部が容器側壁33から離れている形状とする。仕切板の下端22は容器底部32に接していて良い。容器内に収容する溶鋼の表面位置を第一の仕切板の上端21と同等あるいは上端21よりも低い位置として良い。残湯収容容器内に収容する残湯の予定高さ(残湯収容高さ40)が予め定められるときは、第一の仕切板の上端21が残湯収容高さ40よりも高い形状を有することができる。第一の仕切板をこのような形状とすることにより、容器内に溶鋼を収容して固化したとき、第一の仕切板11の設置位置において、第一の仕切板の端部23が容器側壁33と接する側の地金表面から地金内部に切り込み部が形成されることとなる。また、仕切板の他方の端部24の少なくとも一部が容器側壁33から離れている形状なので、当該容器側壁側の地金の表面の全体にまで切り込みが貫通すること、を防ぐことができる。
図7においては、第一の仕切板11の上端21が残湯収容容器10の上縁31と等しい高さとなっているが、第一の仕切板の上端21が残湯収容容器の上縁31より低い位置でもかまわない。図7には後述する第二の仕切板12を有しているが、上述のとおり第二の仕切板12は本実施の形態で必須ではない。
第二の仕切板12が残湯収容容器10内に以上のように立設されている結果、残湯収容容器10内の溶鋼高さを第二の仕切板12の上端21より低い位置とすることにより、第二の仕切板12を区切りとして内部空間が2分割される。第二の仕切板12を有する残湯収容容器10内に溶湯を収容し、そのまま固化させると、第二の仕切板12で区切られた両側の地金が別々の鋼塊として形成される。
第二の仕切板12は上述のように、その下端22が容器底部32に接し、水平方向両方の端部(23、24)が容器側壁33に接しているので、容器底部32に沿って、あるいは容器側壁33に沿って第二の仕切板12により区分された両側の溶鋼が相互に流通することがない。また、残湯収容容器10内の溶鋼高さを第二の仕切板12の上端21より低い位置とするので、第二の仕切板の上端を乗り越えて溶鋼が流通することがない。なお、第一の仕切板11が形状Aのときは、残湯収容容器10内の溶鋼高さを第一の仕切板11の上端21のうち高さが最も低い部位よりも高い位置とする。残湯収容高さ40が決まっており、第二の仕切板の上端21が残湯収容高さ40よりも高い場合も同様である。
結果として、残湯収容容器内で固化した地金50は、第二の仕切板12によって区切られて別々の鋼塊を形成する(図4参照)。従って、第二の仕切板12で区切られたそれぞれの区画内に吊りピースを埋め込むことにより、区画ごとの吊りピースを別々につり上げ、区画ごとに地金を搬出することが可能となる。
図1、6、7においては、第二の仕切板12の上端21が残湯収容容器10の上縁31と等しい高さとなっているが、第二の仕切板の上端21が残湯収容容器の上縁31より低い位置でもかまわない。
第二の仕切板12の材質としては炭素鋼を用いることができる。
第一の仕切板11として、図2(A)に示す第一の仕切板11Aと図2(B)に示す第一の仕切板11Bを用意した。第一の仕切板11(11A、11B)の高さは325mmであり、残湯収容高さ(380mm)よりも低い。この二つを組み合わせて図2(C)(D)に示す形状とした上で、図1に示すように、第一の仕切板11の下端22が容器底部32に接するように残湯収容容器内に載置した。第一の仕切板11は地金50の塊に十字状の切り込み部51を形成することができる。第一の仕切板11の材質は炭素鋼、板厚は50mmである。
実施例では、図3に示すような第二の仕切板12を設けている(図1参照)。第二の仕切板12は、その下端22が容器底部32に接するように残湯収容容器内に載置したとき、その上端21が容器の上縁31と同じ位置にあり、水平方向両方の端部(23、24)が容器側壁33に接する形状である。これにより、残湯収容容器内の空間は、第二の仕切板12によって複数の空間に区画される。第二の仕切板12の材質は炭素鋼、板厚は80mmである。第二の仕切板12の下端22と容器底部32が接する箇所、第二の仕切板12の水平方向両方の端部(23、24)と容器側壁33が接する箇所については、第二の仕切板と容器の壁との間に隙間が生じているときは、隙間に詰め物を挿入することによって溶鋼流通の防止を図った。
11 第一の仕切板
11A 第一の仕切板
11B 第一の仕切板
12 第二の仕切板
21 上端
22 下端
23 端部
24 端部
31 上縁
32 底部
33 側壁
40 残湯収容高さ
50 地金
51 切り込み部
52 鉄球
53 架台
Claims (6)
- 溶鋼を受容して固化させる残湯収容容器であって、
当該残湯収容容器はその中に第一の仕切板が立設され、当該第一の仕切板は、その下端が容器底部に接しかつその上端の少なくとも一部が容器の上縁よりも低い形状(形状A)、その下端の少なくとも一部が容器底部よりも上方に位置する形状(形状B)、その水平方向一方の端部が容器側壁に接し他方の端部の少なくとも一部が容器側壁から離れている形状(形状C)、のいずれかの形状を有することを特徴とする残湯収容容器。 - 前記残湯収容容器はその中にさらに第二の仕切板が立設され、当該第二の仕切板は、その下端が容器底部に接し、水平方向両方の端部が容器側壁に接しており、前記第一の仕切板が形状Aのときは前記第二の仕切板の上端が第一の仕切板の上端のうち高さが最も低い部位よりも高い位置にあることを特徴とする請求項1に記載の残湯収容容器。
- 前記残湯収容容器内に収容する残湯の予定高さを残湯収容高さとし、
前記第一の仕切板が形状Aであって、かつその上端の少なくとも一部が前記残湯収容高さよりも低い形状を有することを特徴とする請求項1に記載の残湯収容容器。 - 前記残湯収容容器内に収容する残湯の予定高さを残湯収容高さとし、
前記第一の仕切板が形状Bであって、かつその上端が前記残湯収容高さよりも高い形状を有することを特徴とする請求項1に記載の残湯収容容器。 - 前記残湯収容容器内に収容する残湯の予定高さを残湯収容高さとし、
前記第一の仕切板が形状Cを有することを特徴とする請求項1に記載の残湯収容容器。 - 前記残湯収容容器はその中にさらに第二の仕切板が立設され、当該第二の仕切板は、その下端が容器底部に接し、その上端が前記残湯収容高さよりも高い位置にあり、水平方向両方の端部が容器側壁に接していることを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の残湯収容容器。
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