JP2021151659A - 残湯収容容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶鋼を受容して固化させるに際し、ガス切断等の手段を用いることなく、転炉装入が可能な小塊に分断することができる、残湯収容容器を提供する。【解決手段】溶鋼容器中に残存した溶鋼を受容して固化させる残湯収容容器10であって、残湯収容容器10はその中に第一の仕切板11が立設され、第一の仕切板11は、その下端22が容器底部32に接しかつその上端21の少なくとも一部が容器の上縁31よりも低い形状(形状A)を有し、残湯収容容器10内に溶鋼を収容して固化させ地金としたとき、仕切板部分が切り込み部となり、地金に衝撃を付与することにより地金が切り込み部でを起点に分断して転炉装入が可能な小塊とすることができる。第二の仕切板12を設けることにより、残湯収容容器10から1回で吊り出す地金の容量を小さくすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、取鍋やタンディッシュなどの溶鋼容器中に残存した溶鋼を受容して固化させる残湯収容容器に関するものである。
鋼の連続鋳造においては、取鍋に収容した溶鋼を、タンディッシュを経由して鋳型内に鋳造する。1つのタンディッシュを用いた鋳造が完了すると、タンディッシュ内には若干の溶鋼が残存する。残存した溶鋼の処理については、タンディッシュ内に放置・冷却してそのまま固化させ、その上でタンディッシュから抜き出す方法がとられていた。特許文献1には、タンディッシュ内の残湯が凝固する前に残湯中に残湯引き上げ治具を浸漬させ、残湯が凝固した後に残湯引き上げ治具とともに残湯を引き上げる方法が開示されている。しかしこの方法では、冷却の過程でタンディッシュ内の表面部の耐火物はスポーリングを起こすので、表面部の耐火物は全面的に修築する必要があった。
鋳造が完了した直後にタンディッシュ内の残存溶鋼を排出することができれば、タンディッシュを冷却する必要がないので、タンディッシュを熱間繰り返し使用し、耐火物を再利用することが可能になる。特許文献2においては、鋳込み作業終了後、走行台車を介してタンディッシュを排出位置に移動させ、タンディッシュを傾斜姿勢にしつつその排湯部から高温状態にある残湯及び滓を収容ポット内に排出する方法が開示されている。特許文献3には、タンディッシュ底部付近に開閉可能な残存溶融物排出孔を設け、タンディッシュをわずかに傾斜させて残存溶融物排出孔から残存溶融物を排除する方法が開示されている。
タンディッシュ内の残湯を別の収容容器内に収容し、これを凝固して鋼塊とする場合、凝固した鋼塊を転炉に復するには大きすぎるので、通常はこれをガスまたはシャーで切断細分化して小塊化し、転炉に復していた。特許文献4には、転炉スラグを敷きつめた処理場に、転炉内で容易に溶解しうる大きさの鋼塊に凝固させるべき陥部を設け、該陥部に取鍋内残湯を注入し、凝固させた後、得られた鋼塊を転炉に復せしめる方法が開示されている。
特開昭62−296943号公報 特開平6−7905号公報 特開平11−170011号公報 特開昭49−35234号公報
タンディッシュ内の残湯を受容する容器、あるいは取鍋内の残湯を受容する容器を、ここでは残湯収容容器と名付ける。タンディッシュや取鍋の残湯を残湯収容容器に受容し、その後残湯収容容器内で凝固した鋼塊(地金)は、残湯収容容器内から除去する。残湯収容容器から除去した地金はスクラップとして転炉に再装入されるが、その際転炉での溶け残りや、地金が炉内耐火物を傷つけるのを防ぐため、装入時のサイズ制約が設けられている。
特許文献4に記載のように、転炉スラグを敷きつめた処理場に、転炉内で容易に溶解しうる大きさの鋼塊に凝固させるべき陥部を設ければガス切断は不要だが、専用の処理場が必要という課題がある。
一方、残湯容器内に収容した残湯を凝固させて地金とする場合、前述のように、残湯収容容器内から取り出した地金はガス切断して一定のサイズ以下にする必要がある。この場合、後工程でガス切断による地金の小割に人手が多くかかっている。このガス切断は、暑熱高温下の作業で改善が強く望まれる。人手による地金のガス切断の負荷軽減が課題である。
本発明は、取鍋やタンディッシュなどの溶鋼容器中に残存した溶鋼を受容して固化させる残湯収容容器に関し、ガス切断等の手段を用いることなく、転炉装入が可能な小塊に分断することができる、残湯収容容器を提供することを課題とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
[1]溶鋼を受容して固化させる残湯収容容器であって、
当該残湯収容容器はその中に第一の仕切板が立設され、当該第一の仕切板は、その下端が容器底部に接しかつその上端の少なくとも一部が容器の上縁よりも低い形状(形状A)、その下端の少なくとも一部が容器底部よりも上方に位置する形状(形状B)、その水平方向一方の端部が容器側壁に接し他方の端部の少なくとも一部が容器側壁から離れている形状(形状C)、のいずれかの形状を有することを特徴とする残湯収容容器。
[2]前記残湯収容容器はその中にさらに第二の仕切板が立設され、当該第二の仕切板は、その下端が容器底部に接し、水平方向両方の端部が容器側壁に接しており、前記第一の仕切板が形状Aのときは前記第二の仕切板の上端が第一の仕切板の上端のうち高さが最も低い部位よりも高い位置にあることを特徴とする[1]に記載の残湯収容容器。
[3]前記残湯収容容器内に収容する残湯の予定高さを残湯収容高さとし、
前記第一の仕切板が形状Aであって、かつその上端の少なくとも一部が前記残湯収容高さよりも低い形状を有することを特徴とする[1]に記載の残湯収容容器。
[4]前記残湯収容容器内に収容する残湯の予定高さを残湯収容高さとし、
前記第一の仕切板が形状Bであって、かつその上端が前記残湯収容高さよりも高い形状を有することを特徴とする[1]に記載の残湯収容容器。
[5]前記残湯収容容器内に収容する残湯の予定高さを残湯収容高さとし、
前記第一の仕切板が形状Cを有することを特徴とする[1]に記載の残湯収容容器。
[6]前記残湯収容容器はその中にさらに第二の仕切板が立設され、当該第二の仕切板は、その下端が容器底部に接し、その上端が前記残湯収容高さよりも高い位置にあり、水平方向両方の端部が容器側壁に接していることを特徴とする[3]から[5]までのいずれか1つに記載の残湯収容容器。
本発明は、残湯収容容器内に仕切板を設けた上で、残湯収容容器内に溶鋼を収容して固化させ地金とするので、仕切板部分が切り込み部となり、地金に衝撃を付与することにより地金が切り込み部を起点として分断されるので、ガス切断等の手段を用いることなく、転炉装入が可能な小塊に分断することができる。
本発明の残湯収容容器を示す図であり、(A)は平面図、(B)はB−B矢視正面断面図、(C)はC−C矢視側面断面図である。 第一の仕切板を示す図であり、(A)(B)は各仕切板、(C)は組み立て平面図、(D)はD−D矢視側面断面図である。 第二の仕切板を示す図である。 固化した地金を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は衝撃を加えて地金を破砕する状況を示す図である。 固化した地金を示す図であり、(A)は平面図、(B)はB−B矢視正面断面図、(C)はC−C矢視側面断面図である。 本発明の残湯収容容器を示す図であり、(A)は平面図、(B)はB−B矢視正面断面図、(C)はC−C矢視側面断面図である。 本発明の残湯収容容器を示す図であり、(A)は平面図、(B)はB−B矢視正面断面図、(C)はC−C矢視側面断面図である。 本発明の残湯収容容器を示す図であり、(A)は平面図、(B)はB−B矢視正面断面図、(C)はC−C矢視側面断面図である。
まず、残湯収容容器の概略形状について、主に図1、8を用いて説明する。
残湯収容容器10は、取鍋やタンディッシュから排出される残鋼を受ける容器である。タンディッシュの形状や残鋼の排出のされ方によって、残湯収容容器10の概略形状は様々であり、鍋状のものや、図1に示すように、使用済タンディッシュを残湯収容容器10として使用する場合もある。例えば残湯収容容器10が連続鋳造のタンディッシュ程度の内容積を有している場合、タンディッシュ内残鋼を数回分(数タンディッシュ分)残湯収容容器10に溜め、予定の溶鋼量を確保した後、容器内で固化し、容器から取り出される場合が多い。容器内の残鋼が溶融状態にあるとき、地金を吊り出すための吊ピースがセットされる。吊りピースとしては、特許文献1に記載のような形状のものを用いることができる。高温の溶鋼を貯留するため、外皮は鋼製とし、内面が耐火物で構成される。
以下、残湯収容容器10の形状が、連続鋳造用タンディッシュと同様の形状を有する場合、あるいは図8に示す形状を有する場合を例にとって説明を行う。
前述のように、残湯収容容器内で固化した地金は、そのまま製鋼主原料として転炉に装入するには大きすぎるため、従来は地金をガス切断して小塊とした上で転炉装入原料としていた。それに対して本発明では、残湯収容容器内で固化する地金について、溶鋼段階で切り込み形状を入れた上で固化し、固化した後に残湯収容容器から取り出す。地金50に衝撃を与えることによって切り込み部51を起点として地金を破断させ、転炉に装入可能な小塊を形成することを特徴とする(図4参照)。そして、地金50に切り込み部51を形成する手段として、残湯収容容器10内に第一の仕切板11を立設することを特徴とする。
第一の仕切板11の形状については、3つの実施の形態(形状A、形状B、形状C)に類別することができる。以下、3つの実施の形態に関し、順次詳細に説明する。
第一の仕切板11の1番目の実施の形態(形状A)について、図1、8を用いて説明する。
1番目の実施の形態(形状A)において、残湯収容容器10の中に立設された第一の仕切板11は、その下端22が容器底部32に接しかつその上端21の少なくとも一部が容器の上縁31よりも低い形状を有している。立設されるとは、仕切板が残湯収容容器10内の底面(容器底部32)に平行ではなく角度を有して設けられていることを意味する。仕切板が底面に対して直角あるいはほぼ直角に立設されていると好ましい。第一の仕切板11の下端22が容器底部32に接していることにより、容器内に溶鋼を収容して固化したとき、第一の仕切板11の設置位置において、残湯収容容器底部32に接する地金50下部の表面から地金内部に切り込み部51が形成されることとなる(図4、5参照)。また、第一の仕切板11の上端21の少なくとも一部が容器の上縁31よりも低い形状であることから、容器内に収容する溶鋼の表面位置を第一の仕切板の上端21のうち高さが最も低い部位よりも高い位置とすることが可能となり、第一の仕切板11設置によって形成される地金50の切り込み部51の全体が地金50の上部表面まで貫通すること、を防ぐことができる。これにより、容器から地金を一体として吊り出すことができる。図4、5に示す例では、上端21の全体が容器の上縁31よりも低い形状を有している。
残湯収容容器10内に収容する残湯の予定高さが予め定められるときがある。そのような場合は、当該残湯の予定高さを残湯収容高さ40とし、第一の仕切板11の上端21の少なくとも一部が残湯収容高さ40よりも低い形状を有することとすればよい。これにより、残湯収容容器10内に予定高さまで溶鋼を収容したとき、第一の仕切板11設置によって形成される地金の切り込み部51の全体が地金50の上部表面まで貫通すること、を防ぐことができる。図4、5に示す例では、上端21の全体が残湯収容高さ40よりも低い形状を有している。第一の仕切板11の上端21の高さは、残湯収容高さ40よりも40mm〜80mm低い範囲とすると好ましい。上端21の高さが低すぎると地金に衝撃を加えても分断しにくくなる。上端21の高さが高すぎると残湯収容容器から地金を吊り出す際に一体で吊り出せない恐れがある。
図2に示すように、第一の仕切板11を2枚(第一の仕切板11A、第一の仕切板11B)で一組とし、第一の仕切板11A、第一の仕切板11Bそれぞれに切り込みを設け(図2(A)(B)参照)、当該切り込み部を用いて2枚を相互に角度をもって組み立てることとすると好ましい(図2(C)(D)参照)。2枚の相互角度をほぼ直角方向とすると好ましい。これにより、組み立てた2枚の仕切板(第一の仕切板11A、第一の仕切板11B)を残湯収容容器の底部32に定置し、第一の仕切板11を立設することができる。
第一の仕切板11の材質としては炭素鋼を用いることができる。以下の2,3番目の実施の形態でも同様である。
第一の仕切板の2番目の実施の形態(形状B)について、図6を用いて説明する。
2番目の実施の形態(形状B)において、残湯収容容器10の中に立設された第一の仕切板11は、その下端22の少なくとも一部が容器底部32よりも上方に位置する形状とする。立設の意味は1番目の実施の形態と同様である。2番目の実施の形態においては、容器内に収容する溶鋼の表面位置を第一の仕切板11の上端21と同等あるいは上端21よりも低い位置とする。これにより、容器内に溶鋼を収容して固化したとき、第一の仕切板11の設置位置において、地金の上面側表面から地金内部に切り込み部が形成されることとなる。そして、第一の仕切板11の下端22の少なくとも一部が容器底部32よりも上方に位置する形状なので、第一の仕切板設置によって形成される地金の切り込み部の全体が地金の下部表面まで貫通すること、を防ぐことができる。残湯収容容器10の容器底部32から第一の仕切板11の下端22までの距離は、40mm〜80mmの範囲とすると好ましい。前記1番目の実施の形態と同様の理由による。
図6においては、第一の仕切板11の上端21が残湯収容容器10の上縁31と等しい高さとなっているが、第一の仕切板の上端21が残湯収容容器の上縁31より低い位置でもかまわない。図6には後述する第二の仕切板12を有しているが、上述のとおり第二の仕切板12は本実施の形態で必須ではない。
残湯収容容器内に収容する残湯の予定高さが予め定められるときは、第一の仕切板の上端21が残湯収容高さ40よりも高い形状を有することとする。
第一の仕切板の3番目の実施の形態(形状C)について、図7を用いて説明する。
3番目の実施の形態(形状C)において、残湯収容容器10の中に立設された第一の仕切板11は、仕切板の水平方向一方の端部23が容器側壁33に接し、他方の端部24の少なくとも一部が容器側壁33から離れている形状とする。仕切板の下端22は容器底部32に接していて良い。容器内に収容する溶鋼の表面位置を第一の仕切板の上端21と同等あるいは上端21よりも低い位置として良い。残湯収容容器内に収容する残湯の予定高さ(残湯収容高さ40)が予め定められるときは、第一の仕切板の上端21が残湯収容高さ40よりも高い形状を有することができる。第一の仕切板をこのような形状とすることにより、容器内に溶鋼を収容して固化したとき、第一の仕切板11の設置位置において、第一の仕切板の端部23が容器側壁33と接する側の地金表面から地金内部に切り込み部が形成されることとなる。また、仕切板の他方の端部24の少なくとも一部が容器側壁33から離れている形状なので、当該容器側壁側の地金の表面の全体にまで切り込みが貫通すること、を防ぐことができる。
図7においては、第一の仕切板11の上端21が残湯収容容器10の上縁31と等しい高さとなっているが、第一の仕切板の上端21が残湯収容容器の上縁31より低い位置でもかまわない。図7には後述する第二の仕切板12を有しているが、上述のとおり第二の仕切板12は本実施の形態で必須ではない。
第一の仕切板の水平方向一方の端部24と残湯収容容器の容器側壁33の間の距離は40mm〜80mmの範囲とすると好ましい。前記1番目の実施の形態と同様の理由による。
残湯収容容器の容量が大きく、残湯収容容器内に残湯収容高さまで溶鋼を収容した上で固化したとき、固化した地金をクレーンで吊り出す際、一回で吊り出せる容量を超えてしまう場合がある。このような場合は、上記第一の仕切板11に加え、以下で説明する第二の仕切板12(図3参照)が残湯収容容器10内に設けられる(図1、6、7参照)。
第二の仕切板12は、残湯収容容器10内を複数の領域に分ける仕切板である。残湯収容容器10の容量が大きく、容器内で固結した残鋼(地金50)が、地金50を吊り出すクレーンの重量制限を超える場合に予め設ける。各領域の地金の重量がクレーンで吊り出せる重量以下になるように設ける。第二の仕切板12を設けた場合、第一の仕切板11は第二の仕切板12で区切られた領域内に設けられる。
第二の仕切板12は残湯収容容器10の中に立設される。第二の仕切板12は、その下端22が容器底部32に接し、水平方向両方の端部(23、24)が容器側壁33に接している。第一の仕切板が形状Aのときは、第二の仕切板12の上端21が第一の仕切板11の上端21よりも高い位置にある。
第二の仕切板12が残湯収容容器10内に以上のように立設されている結果、残湯収容容器10内の溶鋼高さを第二の仕切板12の上端21より低い位置とすることにより、第二の仕切板12を区切りとして内部空間が2分割される。第二の仕切板12を有する残湯収容容器10内に溶湯を収容し、そのまま固化させると、第二の仕切板12で区切られた両側の地金が別々の鋼塊として形成される。
第二の仕切板12は上述のように、その下端22が容器底部32に接し、水平方向両方の端部(23、24)が容器側壁33に接しているので、容器底部32に沿って、あるいは容器側壁33に沿って第二の仕切板12により区分された両側の溶鋼が相互に流通することがない。また、残湯収容容器10内の溶鋼高さを第二の仕切板12の上端21より低い位置とするので、第二の仕切板の上端を乗り越えて溶鋼が流通することがない。なお、第一の仕切板11が形状Aのときは、残湯収容容器10内の溶鋼高さを第一の仕切板11の上端21のうち高さが最も低い部位よりも高い位置とする。残湯収容高さ40が決まっており、第二の仕切板の上端21が残湯収容高さ40よりも高い場合も同様である。
結果として、残湯収容容器内で固化した地金50は、第二の仕切板12によって区切られて別々の鋼塊を形成する(図4参照)。従って、第二の仕切板12で区切られたそれぞれの区画内に吊りピースを埋め込むことにより、区画ごとの吊りピースを別々につり上げ、区画ごとに地金を搬出することが可能となる。
図1、6、7においては、第二の仕切板12の上端21が残湯収容容器10の上縁31と等しい高さとなっているが、第二の仕切板の上端21が残湯収容容器の上縁31より低い位置でもかまわない。
第二の仕切板12の材質としては炭素鋼を用いることができる。
残湯収容容器内で固化した地金(図4、5参照)は、第二の仕切板を有する場合には第二の仕切板で区切られた各区画ごとに、第二の仕切板を有しない場合には残湯収容容器内で固化した地金全体を、残湯収容容器から搬出した上で、図4(B)、図5に示すように、架台53上に配置する。地金50中には、第一の仕切板11によって切り込み部51が形成されている。鉄球52を落下させる等の手段によって地金50に衝撃を加えることにより、切り込み部51を起点として地金50を小塊に分断することができる。
残湯収容容器として、図1に示すような使用済みの連続鋳造用タンディッシュを用いた。図1に示す残湯収容高さ40まで溶鋼を収容して固化させたとき、地金全体としての質量は30トンとなる。残湯収容容器10に、図1に示すように第一の仕切板11と第二の仕切板12を設置する。
第一の仕切板11として、図2(A)に示す第一の仕切板11Aと図2(B)に示す第一の仕切板11Bを用意した。第一の仕切板11(11A、11B)の高さは325mmであり、残湯収容高さ(380mm)よりも低い。この二つを組み合わせて図2(C)(D)に示す形状とした上で、図1に示すように、第一の仕切板11の下端22が容器底部32に接するように残湯収容容器内に載置した。第一の仕切板11は地金50の塊に十字状の切り込み部51を形成することができる。第一の仕切板11の材質は炭素鋼、板厚は50mmである。
実施例では、図3に示すような第二の仕切板12を設けている(図1参照)。第二の仕切板12は、その下端22が容器底部32に接するように残湯収容容器内に載置したとき、その上端21が容器の上縁31と同じ位置にあり、水平方向両方の端部(23、24)が容器側壁33に接する形状である。これにより、残湯収容容器内の空間は、第二の仕切板12によって複数の空間に区画される。第二の仕切板12の材質は炭素鋼、板厚は80mmである。第二の仕切板12の下端22と容器底部32が接する箇所、第二の仕切板12の水平方向両方の端部(23、24)と容器側壁33が接する箇所については、第二の仕切板と容器の壁との間に隙間が生じているときは、隙間に詰め物を挿入することによって溶鋼流通の防止を図った。
鋼の連続鋳造が終了すると、タンディッシュ内に残存した溶鋼を残湯収容容器10に収容した。2回ないし3回の収容により、残湯収容容器10の残湯収容高さ40まで溶鋼を収容できる。第二の仕切板12で区切られた各区画の固着後の地金50の一塊は約4トンであり、搬出クレーンで搬出することができる。一方、転炉受入可能サイズは1トン以下である。
搬出された地金50を図4、5に示す。地金50には、第一の仕切板11によって地金の下部に切り込み部51が形成されている。即ち、吊出し後の地金50は第一の仕切板11によって形成された切り込み部51が入っている状態のため、後工程で上部から衝撃を与えることで従来に比べ小割化が容易になる。
地金の小割化の際には、地金50の下に図4(B)、図5のような架台53を敷き、上部からの衝撃で地金が割れやすくなる工夫をする。地金破砕時には、図4(B)に示すように約10トンの鉄球52を地金50の上方約10メートルから落下させる。地金50に衝撃を与えた結果、地金50は切り込み部51で分断され、1トン以下の小塊となったので、転炉での受け入れが可能となる。
以上の説明では、第一の仕切板として1番目の実施の形態(図1)の場合を例示した。2番目の実施の形態(図6)においても、同様に処理することができる。3番目の実施の形態(図7)のように切り込み部を地金の側面に入れる場合は、容器または第二の仕切板の側壁との間に隙間を作るように設ける。
10 残湯収容容器
11 第一の仕切板
11A 第一の仕切板
11B 第一の仕切板
12 第二の仕切板
21 上端
22 下端
23 端部
24 端部
31 上縁
32 底部
33 側壁
40 残湯収容高さ
50 地金
51 切り込み部
52 鉄球
53 架台

Claims (6)

  1. 溶鋼を受容して固化させる残湯収容容器であって、
    当該残湯収容容器はその中に第一の仕切板が立設され、当該第一の仕切板は、その下端が容器底部に接しかつその上端の少なくとも一部が容器の上縁よりも低い形状(形状A)、その下端の少なくとも一部が容器底部よりも上方に位置する形状(形状B)、その水平方向一方の端部が容器側壁に接し他方の端部の少なくとも一部が容器側壁から離れている形状(形状C)、のいずれかの形状を有することを特徴とする残湯収容容器。
  2. 前記残湯収容容器はその中にさらに第二の仕切板が立設され、当該第二の仕切板は、その下端が容器底部に接し、水平方向両方の端部が容器側壁に接しており、前記第一の仕切板が形状Aのときは前記第二の仕切板の上端が第一の仕切板の上端のうち高さが最も低い部位よりも高い位置にあることを特徴とする請求項1に記載の残湯収容容器。
  3. 前記残湯収容容器内に収容する残湯の予定高さを残湯収容高さとし、
    前記第一の仕切板が形状Aであって、かつその上端の少なくとも一部が前記残湯収容高さよりも低い形状を有することを特徴とする請求項1に記載の残湯収容容器。
  4. 前記残湯収容容器内に収容する残湯の予定高さを残湯収容高さとし、
    前記第一の仕切板が形状Bであって、かつその上端が前記残湯収容高さよりも高い形状を有することを特徴とする請求項1に記載の残湯収容容器。
  5. 前記残湯収容容器内に収容する残湯の予定高さを残湯収容高さとし、
    前記第一の仕切板が形状Cを有することを特徴とする請求項1に記載の残湯収容容器。
  6. 前記残湯収容容器はその中にさらに第二の仕切板が立設され、当該第二の仕切板は、その下端が容器底部に接し、その上端が前記残湯収容高さよりも高い位置にあり、水平方向両方の端部が容器側壁に接していることを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の残湯収容容器。
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